JPH10295490A - アームレスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートバックに対するアームレストの着脱を
簡単に行う構造とすることによって、シート回転時のア
ームレストの外部々材との干渉を防止する。 【解決手段】 アームレストフレーム１４に取付軸１８
を突出させ、シートのバックフレーム１０の側面に取り
付けた取付プレート１９の取付溝２５を貫通させること
によって抜け止めリング２７によって抜け止め状態とな
り、アームレスト１３を装着できる。取付溝２５の抜き
穴２６から取付軸１８を引き抜くことによって、簡単に
アームレスト１３を取り外すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のシートに
装着されるアームレスト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、ボックスタイプの自動車１のシ
ート配置の一例を示し、２は転舵のために操作されるス
テアリングホイールであり、このステアリングホイール
２には運転者が着座するためのフロントシート７が臨む
ように設置されている。このフロントシート７の後側に
は、第１のリヤシート３が並列した状態で２席設置さ
れ、この第１のリヤシート３、３の後側にはベンチシー
トからなる第２のリヤシート４が設置されている。

【０００３】それぞれの第１のリヤシート３、３の車体
側壁のトリム８側には、アームレスト６が設けられてい
る。アームレスト６は、シートバック３ａに取り付けら
れた状態でシートクッション３ｂ方向に延びることによ
り、台１のリアシート３、３に着座する者の腕を支承す
るように機能する。

【０００４】このような第１のリヤシート３において、
自動車１の前方側ＦＲに向いた状態から矢印で示すよう
に回転して、自動車１の後方側ＲＲ、すなわち第２のリ
ヤシート４側に向いた状態とすることが可能な回転シー
トを使用することがある。この回転シートの場合、その
回転時に側部のアームレスト６がトリム８に干渉するこ
とは回転が不可能となって好ましくない。このため、従
来では、第１のリヤシート３の横幅を小さくしてトリム
８との干渉を防止している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第１の
リアシート３、３のシートクッション３ｂ，３ｂの横幅
を小さくした場合には、その分、着座スペースが狭くな
って、窮屈に着座しなければならない問題を有してい
る。

【０００６】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、回転シートのように回転する
際に車体部材との干渉を簡単に回避することが可能な構
造のアームレスト装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、アームレストフレームに取付軸
が取り付けられ、この取付軸がシートのバックフレーム
の側面に挿入されることによりアームレストがシートの
バックフレームに回転自在に装着され、アームレストの
所定の回転角度にてのみアームレストの取付軸がバック
フレームの側面から取り外し自在なることを特徴とす
る。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１記載のアーム
レスト装置であって、前記バックフレームの側面に取付
プレートが取り付けられており、前記取付軸が摺動可能
に貫通すると共に、該取付軸が挿脱自在なる抜き穴を一
部に有した取付溝が前記取付プレートに形成され、前記
抜き穴を貫通可能で且つ取付溝を貫通不能な抜け止めリ
ングが前記取付軸の先端に設けられていることを特徴と
する。

【０００９】請求項３の発明は、請求項２記載のアーム
レスト装置であって、前記取付溝が円弧状に形成されて
いることを特徴とする。

【００１０】請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれ
かに記載のアームレスト装置であって、前記シートが車
両に略水平回転可能に設置された回転シートであり、前
記アームレストは回転シートが回転する際に車体部材に
干渉する位置に設けられていることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１〜図３は、本発明を車両のシ
ートに適用した実施形態を示し、これらの図において、
符号９は、シートのシートバックであり、バックフレー
ム１０の外面にパッド１１が被覆し、パッド１１外面を
表皮１２が被覆することによって構成されている。この
バックフレーム１０の側面には、アームレスト１３が取
り付けられている。

【００１２】アームレスト１３は、アームレストフレー
ム１４と、アームレストフレーム１４を被覆するパッド
１５と、パッド１５を被覆する表皮１６とを備えてい
る。アームレストフレーム１４には、支軸１７及び該支
軸１７を中心に前後の対称位置より一対の取付軸１８、
１８が片側から突出しており、これらの支軸１７及び取
付軸１８、１８がバックフレーム１０に支持されること
によってアームレスト１３がシートバック９に装着され
る。このアームレスト１３の装着は、取付プレート１９
を介して行われる。

【００１３】該取付プレート１９は、図１に示すよう
に、ボルト２０が挿通する取付穴２１が形成された取付
板部２２と、取付板部２２から上方に延びる支持板部２
３とが一体的に形成されることによって構成されてい
る。

【００１４】該取付プレート１９の支持板部２３には、
アームレストフレーム１４からの支軸１７が貫通する軸
穴２４と、一対の取付軸１８、１８が貫通する一対の取
付溝２５、２５とが形成されている。一対の取付溝２
５、２５は、軸穴２４を中心とした半径の円弧状に形成
されており、それぞれの取付軸１８が貫通し、貫通状態
で取付軸１８、１８が摺動する。

【００１５】又、各取付溝２５、２５の長さ方向の中央
部分には、径が大きな抜き穴２６、２６が夫々形成され
ている。これに対し、取付軸１８、１８の先端には、抜
け止めリング２７、２７が夫々一体的に設けられてい
る。抜け止めリング２７の径は、抜き穴２６よりも小さ
く、且つ取付溝２５の幅よりも大きくなるように設定さ
れており、これにより抜け止めリング２７は抜き穴２６
を貫通するが、取付溝２５を貫通することができないよ
うになっている。

【００１６】以上の取付プレート１９は、取付板部２２
の取付穴２１にボルト２０を挿通して、ボルト２０をバ
ックフレーム１０側面のナット穴２８に螺合することに
よってバックフレーム１０に取り付けられる。この取り
付け状態では、支持板部２３がバックフレーム１０の側
面に当接するようになっており、バックフレーム１０の
側面には、軸穴２４と連通する軸穴部２９及び取付溝２
５と連通する取付スリット部３０が形成されている。

【００１７】これらの軸穴部２９及び取付スリット部３
０は、取付プレート１９側の対応する軸穴２４及び取付
溝２５と同形状に形成されるものであり、このため、取
付スリット部３０は円弧状となっており、その中央部分
には、取付プレート１９側の抜き穴２６と同径の抜き穴
部３１が形成されている。

【００１８】以上の構造では、支軸１７が取付プレート
１９の軸穴２４を貫通した後、バックフレーム１０の軸
穴部２９を貫通し、取付軸１８、１８が取付プレート１
９の抜き穴２６、２６を貫通した後、バックフレーム１
０の抜き穴部３１、３１を貫通することによって、アー
ムレスト１３がシートバック９の側面に装着される。

【００１９】なお、この実施形態では、シートバック９
はシートクッション（図示省略）に対して角度調整可能
となっており、その角度調整を行うためのリクライナー
３２がバックフレーム１０の側面に取り付けられてい
る。又、図１に示すように、バックフレーム１０の側面
からは、係合ピン３３が突出しており、この係合ピン３
３が係合する係合スリット３４が取付プレート１９に形
成されている。

【００２０】次に、この実施形態におけるアームレスト
１３の装着及び取り外しを説明する。アームレスト１３
の装着は、取付軸１８の抜け止めリング２７を取付プレ
ート１９の抜き穴２６及びバックフレーム１０の抜き穴
部３１を挿通させて、取付軸１８を取付溝２５及び取付
スリット部３０に貫通させる。これと共に、支軸１７を
取付プレート１９の軸穴２４及びバックフレーム１０の
軸穴部２９を貫通させることによって行われる。そし
て、その後、支軸１７を中心としてアームレスト１３を
下方向に回動させる。この回動によって取付軸１８が取
付溝２５及び取付スリット部３０内を摺動し、図２に示
すように取付溝２５及び取付スリット３０の終端部分に
当接して停止する。この状態では、抜け止めリング２７
によって抜け止め状態となっているため、アームレスト
１３がシートバック９の側面に設けられて、着座者の腕
を支承することができる。

【００２１】これに対し、支軸１７を中心にアームレス
ト１３を反対方向に回動して、抜け止めリング２７をバ
ックフレーム１０の抜き穴部３１及び取付プレート１９
の抜き穴２６に位置合わせし、この状態でアームレスト
１３を引くことによって取付軸１８及び支軸１７をバッ
クフレーム１０及び取付プレート１９から引く抜くこと
ができる。この引き抜きによって、工具を使用すること
なくアームレスト１３をシートバック９から簡単に取り
外すことができる。従って、図４に示すように、シート
（第１のリヤシート３）が回転シートであっても、その
回転の際には、アームレスト１３が車体のトリム８等に
干渉することがなく、干渉を回避するため、シートの横
幅を小さくする必要がなくなる。

【００２２】本発明は、以上の実施形態に限定されるこ
となく種々変形が可能であり、例えば、回転シート以外
のシートにも同様に適用することができ、取付プレート
１９の取付溝２５を直線状としても良い。

【００２３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、取付軸をバッ
クフレームに差し込むことによってアームレストをシー
トに装着でき、所定の角度にアームレストを回転させる
ことによって、取付軸を引き抜くことができるので、ア
ームレストの全体を取り外すことができる。すなわち、
取付軸を抜き差しするだけで、工具を用いることなく、
アームレストを簡単に着脱することができる。このた
め、アームレストが取り付けられるシートが略水平回転
シートであり、しかも略水平回転時にアームレストが外
部の部材と干渉する位置に設けられていても、アームレ
ストが簡易に取り外せることによって、外部の部材との
干渉を回避することができる。このためシートの横幅を
小さくする必要がなく、快適な着座スペースを確保する
ことができる。

【００２４】また、アームレストの取り外し時は、アー
ムレストの所定回転角度のみであるので、簡易に外せる
といっても、所定角度でなければ外せず、アームレスト
としての機能を損なうものでは全くない。

【００２５】請求項２の発明によれば、取付軸先端の抜
け止めリングを抜き穴に貫通させて取付溝を摺動させる
ことにより、抜け止めリングが抜け止め状態となり、ア
ームレストの装着が行われる。一方、反対方向に取付軸
を摺動させて抜き穴から抜け止めリングを抜くことによ
って、アームレストの取り外しが行われる。従って、シ
ートに対するアームレストの着脱を工具を使用すること
なく、抜き穴に取付軸を合致させることによって簡単に
行うことができる。

【００２６】請求項３の発明によれば、取付溝が円弧状
となっているため、取付溝に沿ってアームレストを回転
させることにより、取付軸が取付溝を摺動して抜き穴に
対する抜け止めリングの位置合わせが行われる。このよ
うに取付軸の摺動が回転軌跡では、取付軸が取付溝から
不用意な脱落することがなく、安定した取り付け状態と
することができる。

【００２７】請求項４の発明によれば、以上の構造を車
両の略水平回転シートに組み込むため、該回転シートの
略水平回転の妨げとなることがなくなり、回転シートの
横幅を小さくする必要がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施形態の分解斜視図である。

【図２】アームレスト装着状態の側面図である。

【図３】アームレスト装着状態の平面図である。

【図４】車両のシート配置の一例を示す平面図である。

【符号の説明】

９ シートバック １０ バックフレーム １３ アームレスト １４ アームレストフレーム １８ 取付軸 １９ 取付プレート ２４ 軸穴 ２５ 取付溝 ２６ 抜き穴 ２７ 抜け止めリング

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アームレストフレームに取付軸が取り付
   けられ、この取付軸がシートのバックフレームの側面に
   挿入されることによりアームレストがシートのバックフ
   レームに回転自在に装着され、アームレストの所定の回
   転角度にてのみアームレストの取付軸がバックフレーム
   の側面から取り外し自在なることを特徴とするアームレ
   スト装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のアームレスト装置であっ
   て、 前記バックフレームの側面に取付プレートが取り付けら
   れており、前記取付軸が摺動可能に貫通すると共に、該
   取付軸が挿脱自在なる抜き穴を一部に有した取付溝が前
   記取付プレートに形成され、前記抜き穴を貫通可能で且
   つ取付溝を貫通不能な抜け止めリングが前記取付軸の先
   端に設けられていることを特徴とするアームレスト装
   置。
3. 【請求項３】 請求項２記載のアームレスト装置であっ
   て、 前記取付溝が円弧状に形成されていることを特徴とする
   アームレスト装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載のアーム
   レスト装置であって、 前記シートが車両に略水平回転可能に設置された回転シ
   ートであり、前記アームレストは回転シートが回転する
   際に車体部材に干渉する位置に設けられていることを特
   徴とするアームレスト装置。