JP3184067B2 - 自動車用スペースアップシートの枢支部構造 - Google Patents

自動車用スペースアップシートの枢支部構造

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JP3184067B2
JP3184067B2 JP17411395A JP17411395A JP3184067B2 JP 3184067 B2 JP3184067 B2 JP 3184067B2 JP 17411395 A JP17411395 A JP 17411395A JP 17411395 A JP17411395 A JP 17411395A JP 3184067 B2 JP3184067 B2 JP 3184067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車室フロア側に対し
シートクッションを前後に移動自在に支承させ、かつ、
上下に回動自在に枢支させて、これら移動や回動の動作
によって、車室に所望のスペースを確保させるようにす
る自動車用スペースアップシートに関し、より詳しく
は、上記シートクッションを上下回動自在とさせる枢支
部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記スペースアップシートには、従来、
実開平3‐121130号公報で示されたものがある
が、これを更に具体化したものとして、次のように構成
されたものがある。
【0003】即ち、ほぼ水平で着座可能な姿勢にしたシ
ートクッションの左右方向の一側部側を、車室フロアの
一側部側に前後に移動自在に支承させるスライドレール
が設けられている。このスライドレールは上記車室フロ
ア3側に取り付けられる固定レールと、この固定レール
に案内されて前後に移動自在とされる可動レールとで構
成されている。
【0004】上記シートクッションの他側部側が上下に
回動自在となるようにこのシートクッションの一側部側
を上記可動レールに枢支させる枢支具が設けられてい
る。この枢支具は、上記可動レールに取り付けられる前
後一対の支持ブラケットと、上記シートクッションに取
り付けられて上記支持ブラケットにその前後方向で対向
する前後一対の被支持ブラケットと、上記支持ブラケッ
トに被支持ブラケットを枢支させる枢支軸とで構成され
ている。
【0005】そして、上記枢支具により、上記シートク
ッションを上方へ回動させれば、このシートクッション
はほぼ垂直な収納姿勢にできることとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術の枢支具によれば、各支持ブラケットはそれぞれ可
動レールに固定され、また、各被支持ブラケットもそれ
ぞれシートクッションに固定されている。
【0007】このため、上記両支持ブラケットと、両被
支持ブラケットとを互いに対向させたときの両支持ブラ
ケットにおける両対向面間の第1寸法と、両被支持ブラ
ケットにおける両対向面間の第2寸法とはそれぞれの誤
差によって一致しないおそれがあり、この場合には、両
支持ブラケットにおける一方の対向面に両被支持ブラケ
ットにおける一方の対向面を当接させると、両支持ブラ
ケットにおける他方の対向面と、両被支持ブラケットに
おける他方の対向面との間に隙間が生じることとなり、
よって、上記枢支具にがたつきが生じるおそれがある。
【0008】そして、このようながたつきが生じると、
シートクッションへの座り心地を低下させると共に、走
行中は勿論のこと、シートクッションを前後に移動させ
たり、上下に回動させたりする毎に異音が発生するとい
う不都合を生じる。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、スライドレールの可動レールに対し
シートクッションを枢支させる枢支具にがたつきが生じ
ないようにして、着座可能な姿勢としたシートクッショ
ンへの座り心地を向上させると共に、このシートクッシ
ョンを移動や回動させる場合に異音が生じないようにす
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の自動車用スペースアップシートの枢支部構
造は、シートクッション9の他側部側が上下に回動自在
となるようにこのシートクッション9の一側部側を可動
レール16に枢支させる第1枢支具(枢支具)28を設
け、この第1枢支具(枢支具)28を、上記可動レール
16に取り付けられる前後一対の支持ブラケット29,
30と、上記シートクッション9に取り付けられて上記
支持ブラケット29,30にその前後方向で対向する前
後一対の被支持ブラケット31,32と、上記支持ブラ
ケット29,30に被支持ブラケット31,32を枢支
させる枢支軸33,34とで構成した場合において、上
記両支持ブラケット29,30と両被支持ブラケット3
1,32のうち少なくともいずれか一つのブラケット
を、前後位置調整自在に上記可動レール16もしくはシ
ートクッション9に取り付けたものである。
【0011】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0012】図1、7、8において、特に図1で示すよ
うに、スライドレール14の可動レール16とシートク
ッション9とが分離した状態から、上記可動レール16
に対し第1枢支具(枢支具)28を介しシートクッショ
ン9を上下に回動自在に枢支させようとするときには、
まず、図7、8で示すように、上記可動レール16に取
り付けられる前後一対の支持ブラケット29,30と、
上記シートクッション9に取り付けられる前後一対の被
支持ブラケット31,32とを前後方向で対向させる。
【0013】この際、上記両支持ブラケット29,30
と、両被支持ブラケット31,32とを互いに対向させ
たときの両支持ブラケット29,30における両対向面
29a,30a間の第1寸法L1 と、両被支持ブラケッ
ト31,32における両対向面31a,32a間の第2
寸法L2 とが不一致であるとする。
【0014】この際、図8で示すように、例えば、両支
持ブラケット29,30における一方の対向面29a
に、両被支持ブラケット31,32における一方の対向
面31aを当接させると、図7において、上記両支持ブ
ラケット29,30における他方の対向面30aと、両
被支持ブラケット31,32における他方の対向面32
aとの間には、上記不一致の分だけ隙間が生じることと
なる。
【0015】そこで、上記した一方の対向面29a,3
1a同士を当接させたままで、上記両支持ブラケット2
9,30と両被支持ブラケット31,32のうち、前後
位置調整自在とされた被支持ブラケット32を前後に移
動させて、その対向面32aを、これに対向する支持ブ
ラケット30の対向面30aに当接させる。そして、上
記被支持ブラケット32をこれに対応するシートクッシ
ョン9に固定させる。
【0016】この状態で、図7、8で示すように、両支
持ブラケット29,30に両被支持ブラケット31,3
2を枢支軸33,34で枢支させれば、上記隙間が生じ
ない状態で、上記可動レール16に対し第1枢支具(枢
支具)28によりシートクッション9が上下に回動自在
に枢支される。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0018】特に図2において、図中符号1は自動車の
車体で、矢印Frはこの自動車の前方を示している。ま
た下記する左右とは、上記前方に向っての車幅方向をい
うものとする。
【0019】上記車体1の内部が車室2となっており、
この車室2の下面は上記車体1の一部を構成する車室フ
ロア3によって成形され、同上車室2の左右の各側面は
同上車体1の一部を構成する車室側壁4によって成形さ
れている。また、上記車室フロア3の左右各側部にホイ
ールハウス5が形成されている。
【0020】上記車室2内にスペースアップシート7が
設けられている。このシート7は上記車室フロア3に支
持されるシート本体8を有し、このシート本体8は乗員
を着座可能とさせるシートクッション9と、このシート
クッション9の後端側から上方に向って延びるシートバ
ック10と、このシートバック10を上記シートクッシ
ョン9の後端に上下回動自在に枢支させるリクライニン
グ手段11とを備えている。このリクライニング手段1
1を操作すれば、上記シートクッション9に対しシート
バック10が任意の傾角(ほぼ0°〜180°)まで回
動可能とされ、その位置で固定、固定解除可能とされて
いる。
【0021】図1、2、4〜8において、ほぼ水平姿勢
で乗員を着座可能な姿勢とさせるシートクッション9の
左右方向の一側部側(図例では右側部側)が上記車室フ
ロア3の一側部側に前後に移動自在に支承されている。
より詳しくは、上記シートクッション9の一側部は上記
車室フロア3の一側部を構成するホイールハウス5上に
スライドレール14を介して前後に移動自在に支承され
ている。このスライドレール14は、上記ホイールハウ
ス5の上面に取り付けられて前後方向に延びる固定レー
ル15と、上記シートクッション9の一側部側に取り付
けられ上記固定レール15に案内されて前後方向に移動
自在とされる可動レール16とで構成されている。
【0022】上記スライドレール14によって前後移動
するシートクッション9を、その前移動位置(図4、6
の各図中仮想線図示)と、後移動位置(全図中実線図
示)の二位置でそれぞれ位置決めする位置決め手段18
が設けられている。この位置決め手段18は上記スライ
ドレール14と、このスライドレール14に近接して隣
り合う車室側壁4との間の空間19に配設されている。
上記位置決め手段18は、上記したようにシートクッシ
ョン9が前、後移動位置のいずれかに達したとき、固定
レール15に対し可動レール16を係脱自在に係止させ
る係止手段20と、乗員の操作によりこの係止手段20
の係止動作を解除可能とさせる操作部21とを備えてい
る。
【0023】上記係止手段20は、上記可動レール16
に沿って前後方向に延びる回動軸23を有し、この回動
軸23はその軸心回りに回動自在となるよう上記可動レ
ール16に支承され、この可動レール16、およびシー
トクッション9と共に前後に移動する。上記回動軸23
の前端にはアーム形状の係止部24が取り付けられ、後
端には操作レバーである上記操作部21が取り付けら
れ、これら操作部21と係止部24とは上記回動軸23
と共に回動するようになっている。上記係止部24の回
動で、この係止部24の回動端を係脱自在とさせる係合
凹部である前後一対の被係止部25,26が設けられ、
これら被係止部25,26は上記固定レール15側に形
成されている。また、上記係止部24を被係止部25,
26に係止させるよう付勢するばねが設けられている。
【0024】上記固定レール15に対し可動レール16
をシートクッション9と共に前方(もしくは後方)移動
させて、上記シートクッション9を所定の前(もしくは
後)移動位置にさせたとき、図示しないストッパーでそ
れ以上の移動が阻止され、ここで、上記係止部24が前
側の被係止部25(もしくは後側の被係止部26)に自
動的に係合して、上記シートクッション9がその位置に
位置決めされ、固定される。
【0025】図1〜3、5、7、8において、上記スラ
イドレール14の可動レール16に対し、上記シートク
ッション9の一側部を枢支させて、他側部(図例では左
側部)を、シートバック10およびリクライニング手段
11と共に上下に回動自在とさせる枢支具である第1枢
支具28が設けられている。
【0026】図3、図5中仮想線で示すように、上記第
1枢支具28により、上記シートクッション9を上方に
回動させれば、このシートクッション9は、ほぼ垂直な
収納姿勢にできることとされている。この場合、この収
納姿勢のシートクッション9を車室側壁4に掛脱自在に
掛止させるベルト等の掛止手段(図示せず)が設けられ
ている。また、図例では、上記シートバック10はシー
トクッション9に対しリクライニング手段11により1
80°回動させられた状態で、固定されている。
【0027】図1、7、8において、上記第1枢支具2
8は、上記可動レール16の上面に取り付けられてこの
上面から突設される前後一対の支持ブラケット29,3
0と、上記シートクッション9の一側部に取り付けられ
る前後一対の被支持ブラケット31,32とを備えてい
る。上記支持ブラケット29,30の間に、上記両被支
持ブラケット31,32が位置し、これら両被支持ブラ
ケット31,32は前後方向で上記支持ブラケット2
9,30に対向している。そして、前側の支持ブラケッ
ト29に前側の被支持ブラケット31が枢支軸33によ
って枢支され、後側の支持ブラケット30に後側の被支
持ブラケット32が枢支軸34によって枢支されてい
る。上記枢支軸33,34は共に前後方向に延びる軸心
上に配置され、この軸心回りで、上記可動レール16に
対しシートクッション9が上下に回動自在に枢支されて
いる。
【0028】上記支持ブラケット29,30と、被支持
ブラケット31,32のうち、後側の被支持ブラケット
32は上記シートクッション9の一側部に対し締結具3
6により前後位置調整自在に、かつ、着脱自在に締結さ
れている。この締結具36は、上記被支持ブラケット3
2に形成された前後方向に長い長孔37,37と、これ
ら長孔37,37を挿通してシートクッション9の一側
部のねじ孔38,38にねじ込まれるボルト39,39
とで構成されている。これらボルト39,39に対し、
上記長孔37,37の内面が前後に摺動自在とされ、こ
れにより、上記被支持ブラケット32が、上記シートク
ッション9に対し前後位置調整自在に締結される。
【0029】図1、7、8において、特に図1で示すよ
うに、可動レール16とシートクッション9とが分離し
た状態から、上記可動レール16に対し第1枢支具28
を介しシートクッション9を組み付けて、このシートク
ッション9を上下に回動自在に枢支させようとするとき
には、まず、図7、8で示すように、上記可動レール1
6に取り付けられる前後一対の支持ブラケット29,3
0と、上記シートクッション9に取り付けられる前後一
対の被支持ブラケット31,32とを前後方向で対向さ
せる。
【0030】この際、上記両支持ブラケット29,30
と、両被支持ブラケット31,32とを互いに対向させ
たときの両支持ブラケット29,30における両対向面
29a,30a間の第1寸法L1 と、両被支持ブラケッ
ト31,32における両対向面31a,32a間の第2
寸法L2 とが不一致であるとする。
【0031】この際、図8で示すように、例えば、両支
持ブラケット29,30における一方の対向面29a
に、両被支持ブラケット31,32における一方の対向
面31aを当接させると、図7において、上記両支持ブ
ラケット29,30における他方の対向面30aと、両
被支持ブラケット31,32における他方の対向面32
aとの間には、上記不一致の分だけ隙間が生じることと
なる。
【0032】そこで、上記した一方の対向面29a,3
1a同士を当接させたままで、前後位置調整自在とされ
た後側の被支持ブラケット32を前後に移動させて、そ
の対向面32aを、これに対向する後側の支持ブラケッ
ト30の対向面30aに当接させる。そして、上記被支
持ブラケット32をこれに対応するシートクッション9
に固定させる。
【0033】この状態で、図7、8で示すように、支持
ブラケット29,30に被支持ブラケット31,32を
枢支軸33,34で枢支させれば、上記隙間が生じない
状態で、上記可動レール16に対し第1枢支具28によ
りシートクッション9が上下に回動自在に枢支される。
【0034】なお、上記構成では、後側の被支持ブラケ
ット32だけを前後位置調整自在としたが、これと共
に、もしくはこれに代えて、両支持ブラケット29,3
0、および前側の支持ブラケット29のうちのいずれか
を前後位置調整自在としてもよい。
【0035】図2、4〜6において、着座可能な姿勢と
した上記シートクッション9の他側部側から下方に向っ
て正面視でほぼ垂直に延びる支持脚41が設けられてい
る。この支持脚41の下端42が上記シートクッション
9に対し左右に回動自在となるよう、この支持脚41の
上端43が上記シートクッション9の他側部に第2枢支
具44によって枢支されている。この第2枢支具44は
前後一対の枢支軸45,45で構成され、これら枢支軸
45,45は共に前後方向に延びる軸心上に位置してい
る。
【0036】図6において、上記シート7の見栄えを向
上させるために、上記第2枢支具44を覆うカバー体4
6が設けられ、このカバー体46は上記シートクッショ
ン9の他側部に着脱自在に取り付けられている。
【0037】図2、4〜6において、上記シートクッシ
ョン9の他側部側から下方に向って正面視でほぼ垂直に
延びる支持アーム47が設けられている。この支持アー
ム47の下端48が前後回動自在となるよう同上支持ア
ーム47の上端49が上記シートクッション9の他側部
側である支持脚41の上端43に第3枢支具50によっ
て枢支され、この第3枢支具50は軸心が左右に延びる
枢支軸51で構成されている。
【0038】上記シートクッション9を前、後移動位置
のいずれかへ移動させることと、上記支持アーム47を
所定の前、後回動姿勢のいずれかにすることと、この支
持アーム47を伴っての上記シートクッション9の上
方、もしくは下方回動とにより、上記支持アーム47の
下端48が車室フロア3に取り付けられたアンカー53
に係脱自在に係止させられている。上記アンカー53は
左右に延びる断面円形の棒状をなし、その各端が上記車
室フロア3に対し締結具54によって着脱自在に締結さ
れている。
【0039】図2〜6において、上記シートクッション
9に対し支持アーム47を前、後回動姿勢のいずれかに
選択的にロック可能とさせるロック手段55が設けられ
ている。このロック手段55は、上記支持脚41の上端
43に枢軸56により上下に回動自在に枢支されるロッ
クアーム57と、このロックアーム57の回動端に取り
付けられるロックピンであるロック部58と、上記第3
枢支具50の枢支軸51の周方向で、上記支持アーム4
7の上端49に成形されるロック溝たる前後一対の被ロ
ック部59,60とを備えている。上記ロックアーム5
7の回動で、上記ロック部58が上記被ロック部59,
60に対し選択的に係止可能とされ、つまり、ロック手
段55によるロックが可能とされている。また、上記ロ
ック部58を被ロック部59,60に係止させるよう付
勢するばね(図示せず)が設けられている。
【0040】図2〜6の各図中各実線で示すように、ロ
ック部58を前側の被ロック部59に係止させれば、上
記シートクッション9に対し支持アーム47が前回動姿
勢にロックされる。一方、図4、6の各図中仮想線で示
すように、上記ロック部58を後側の被ロック部60に
係止させれば、上記シートクッション9に対し支持アー
ム47が後回動姿勢にロックされる。
【0041】図4、6において、上記ロック手段55を
ロック、ロック解除させるロック操作部62が設けられ
ている。このロック操作部62は、上記枢軸56により
上記支持脚41の上端43に上下に回動自在に枢支され
る操作アーム63を有し、この操作アーム63の回動端
に把手64が形成されている。
【0042】図6中一点鎖線で示すように、上記操作ア
ーム63の把手64を持ち上げてこの操作アーム63を
上方回動させれば、これに伴って上記ロックアーム57
が上方回動して、そのロック部58が上記被ロック部5
9,60から離脱し、これにより、ロック手段55によ
るロックがロック解除させられるようになっている。
【0043】図3において、上記支持アーム47は、上
記第2枢支具44によって支持脚41と共に左右回動自
在となるようシートクッション9の他側部側に枢支され
ている。上記シートクッション9の裏面側に向って上記
支持アーム47を上記支持脚41と共に回動させれば、
これら第2枢支具44と支持アーム47とは上記シート
クッション9の裏面側に沿った収納姿勢とされる。
【0044】図1、2、4〜8で示すように、上記シー
トクッション9に着座しようとするときには、シートク
ッション9を着座可能な姿勢とし、この際、支持アーム
47を正面視でほぼ垂直姿勢とし、かつ、上記した各図
中実線で示すように前(もしくは図4、6の各図中仮想
線で示すように後)回動姿勢とし、この姿勢にロック手
段55によってロックさせると共に、支持アーム47の
下端48を上記アンカー53に係脱自在に係止させる。
【0045】すると、上記シートクッション9への着座
が可能になり、この着座によるシートクッション9やシ
ートバック10への負荷は上記スライドレール14と支
持アーム47とによって車室フロア3側に支持される。
この際、上記シートクッション9が自由に前方(もしく
は後方)に移動しようとすることは、上記スライドレー
ル14における係止手段20の係止動作と、シートクッ
ション9に対しロックされ、かつ、アンカー53に係止
させられた支持アーム47とによって阻止される。
【0046】上記シートクッション9を所望の前後移動
位置にまで移動させようとするときには、上記操作部2
1とロック手段55とを操作して、係止手段20の係止
動作を解除させると共にロック手段55のロック動作を
解除させ、固定レール15に対し可動レール16を移動
させると共に、アンカー53に支持アーム47の下端を
係止させたままで、この支持アーム47をシートクッシ
ョン9に対し回動させてこのシートクッション9を上記
した所望位置にまで移動させる。
【0047】そこで、上記係止手段20により可動レー
ル16を固定レール15に係止させ、かつ、ロック手段
55にロック動作させれば、シートクッション9が車室
フロア3側に固定され、上記シートクッション9に対す
る所望の着座状態が得られることとなる。
【0048】一方、図3、図5中仮想線で示すように、
上記シートクッション9を収納させようとするときに
は、支持アーム47の下端48をアンカー53から離脱
させ、上記シートクッション9を上方に回動させて収納
姿勢にすると共に、上記シートクッション9と共に回動
する支持脚41と支持アーム47とを上記シートクッシ
ョン9の裏面側に向って回動させて収納姿勢とさせる。
【0049】すると、シート本体8がコンパクトとなっ
て、車室2に荷物置きなどの所望のスペースが確保され
る。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、シートクッションの
他側部側が上下に回動自在となるようにこのシートクッ
ションの一側部側を可動レールに枢支させる枢支具を設
け、この枢支具を、上記可動レールに取り付けられる前
後一対の支持ブラケットと、上記シートクッションに取
り付けられて上記支持ブラケットにその前後方向で対向
する前後一対の被支持ブラケットと、上記支持ブラケッ
トに被支持ブラケットを枢支させる枢支軸とで構成した
自動車用スペースアップシートの枢支部構造において、
上記両支持ブラケットと両被支持ブラケットのうち少な
くともいずれか一つのブラケットを、前後位置調整自在
に上記可動レールもしくはシートクッションに取り付け
てある。このため、次の効果がある。
【0051】即ち、可動レールに対し枢支具を介しシー
トクッションを上下に回動自在に枢支させようとすると
きには、まず、上記可動レールに取り付けられる前後一
対の支持ブラケットと、上記シートクッションに取り付
けられる前後一対の被支持ブラケットとを前後方向で対
向させる。
【0052】この際、上記両支持ブラケットと、両被支
持ブラケットとを互いに対向させたときの両支持ブラケ
ットにおける両対向面間の第1寸法と、両被支持ブラケ
ットにおける両対向面間の第2寸法とが不一致であれ
ば、互いに対向させた両支持ブラケットと、両被支持ブ
ラケットとの間に隙間が生じることとなる。
【0053】そこで、前後位置調整自在とされた被支持
ブラケットを前後に移動させて、上記隙間を吸収させ、
この状態で、両支持ブラケットに両被支持ブラケットを
枢支軸で枢支させる。すると、上記隙間が生じない状態
で、上記可動レールに対し枢支具によりシートクッショ
ンが上下に回動自在に枢支される。
【0054】よって、上記枢支具にがたつきが生じない
ことから、着座可能な姿勢としたシートクッションへの
座り心地が向上すると共に、このシートクッションを移
動や回動させる場合に、異音の生じることが防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの部分斜視展開図である。
【図2】シートクッションを着座可能な姿勢にしたとき
のシートの全体斜視図である。
【図3】シートクッションを収納姿勢にしたときのシー
トの全体斜視図である。
【図4】シートの左側面図である。
【図5】シートの正面図である。
【図6】図4の部分拡大図である。
【図7】シートの右側面図である。
【図8】図7の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 車室 3 車室フロア 7 シート 8 シート本体 9 シートクッション 11 リクライニング手段 14 スライドレール 15 固定レール 16 可動レール 18 位置決め手段 20 係止手段 21 操作部 28 第1枢支具(枢支具) 29,30 支持ブラケット 31,32 被支持ブラケット 33,34 枢支軸 29a,30a,31a,32a 対向面 41 支持脚 44 第2枢支具 46 カバー体 47 支持アーム 48 下端 49 上端 50 第3枢支具 53 アンカー 55 ロック手段 62 ロック操作部 L1 第1寸法 L2 第2寸法

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ水平で着座可能な姿勢にしたシート
    クッションの左右方向の一側部側を、車室フロアの一側
    部側に前後に移動自在に支承させるスライドレールを設
    け、このスライドレールを上記車室フロア側に取り付け
    られる固定レールと、この固定レールに案内されて前後
    に移動自在とされる可動レールとで構成し、上記シート
    クッションの他側部側が上下に回動自在となるようにこ
    のシートクッションの一側部側を上記可動レールに枢支
    させる枢支具を設け、この枢支具を、上記可動レールに
    取り付けられる前後一対の支持ブラケットと、上記シー
    トクッションに取り付けられて上記支持ブラケットにそ
    の前後方向で対向する前後一対の被支持ブラケットと、
    上記支持ブラケットに被支持ブラケットを枢支させる枢
    支軸とで構成した自動車用スペースアップシートの枢支
    部構造において、 上記両支持ブラケットと両被支持ブラケットのうち少な
    くともいずれか一つのブラケットを、前後位置調整自在
    に上記可動レールもしくはシートクッションに取り付け
    た自動車用スペースアップシートの枢支部構造。
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