JPH10292513A - 断熱シール構造、断熱パネルおよび冷蔵装置 - Google Patents

断熱シール構造、断熱パネルおよび冷蔵装置

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JPH10292513A
JPH10292513A JP9713497A JP9713497A JPH10292513A JP H10292513 A JPH10292513 A JP H10292513A JP 9713497 A JP9713497 A JP 9713497A JP 9713497 A JP9713497 A JP 9713497A JP H10292513 A JPH10292513 A JP H10292513A
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JP
Japan
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sealing
heat
seal structure
positioning
recess
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JP9713497A
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Junichi Oki
淳一 大木
Makoto Tomizawa
真 富澤
Satoru Nomura
哲 野村
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G EE SHI KK
Original Assignee
G EE SHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーキング材を用いずに気密性を確保して、
断熱性能および作業性に優れ、製造コストも低減できる
断熱シール構造を提供すること。 【解決手段】 断熱シール構造30は、帯状の第1の接
触面41を備えた第1の接合部40と、帯状の第2の接
触面51を備えた第2の接合部50を有している。第1
の接触面41にはその長手方向に延びたシール用凹部4
2が形成され、この凹部42の底面42aに位置決め用
凸部43が形成されている。第2の接触面51には、シ
ール用凹部42との間に適当なシール空間65が構成さ
れるように長手方向に延びたシール用凸部52が形成さ
れ、この凸部52の上面52bに位置決め用凹部53が
形成されている。シール用凸部52の外側面52aには
シール空間65を遮断するひれ状のシール部材60が形
成されている。従って、コーキング材を用いなくても、
位置決め用凸部43と凹部53を嵌め込むだけで、高い
断熱性能、気密性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレハブ式の冷蔵
装置等に使用される断熱シール構造および断熱パネルに
関するものである。また、本発明は、断熱シール構造お
よび断熱パネルを用いた冷蔵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6には、複数の断熱パネルを用いて冷
蔵装置等を組み立てる場合において、各断熱パネルを接
合する際に用いられる従来の断熱シール構造を示してあ
る。この図に示すように、従来の断熱シール構造70
は、一方の断熱パネル71aに形成された帯状の凸部7
2を、他方の断熱パネル71bに形成された帯状の凹部
73に嵌め込む構造が採用されている。そして、凸部7
2と凹部73が接合する部分にシリコン系等のコーキン
グ材74を充填することによって、その部分のシール性
を確保し、複数の断熱パネルによって囲われた庫内の冷
気が、凸部72と凹部73との接合部分の隙間から外部
に漏れ出ることを防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコーキング材74を用いた断熱シール構造70は、
コーキング材74が不足していると、その部分のシール
が不完全となりリークが発生する。このため、冷気が外
部に漏れて断熱性能が劣化すると共に、結露が発生する
原因となってしまう。また、コーキング材74が凸部7
2と凹部73の間の隙間を完全に埋めた状態で固まらな
いと、隙間から冷気が漏れて上記と同様に断熱性能の劣
化および結露が生じてしまう。従って、コーキング材7
4が乾くまでの約1時間〜2時間の間は断熱パネル同士
を接合したままの状態で保持しておく必要があるので、
組立作業する時間が非常に長くなる。さらに、コーキン
グ材74を塗るのに手間がかかるという点でも断熱シー
ル構造の製造工程は時間がかかる。一方、一旦コーキン
グ材74が乾いてしまうと、断熱パネル同士の接合を外
せなくなるので、断熱パネルを個々に分解することがで
きない。このため、損傷した断熱パネルだけを交換した
い場合等には大変不便である。
【0004】接合部のシールが容易で、高い断熱性能を
確保できる断熱シール構造としては、例えば、実開昭5
6−65019号公報に開示されているものがある。こ
の断熱シール構造は、凸部の側縁部に、板状の摺動片が
形成されたパッキンを設置することにより、凹部と凸部
を嵌め込んだ状態においては、摺動片が凹部の内側面に
押しつけられて接合部の気密性が得られるようになって
いる。
【0005】しかしながら、凸部と凹部との相対的な位
置が適当でないと、摺動片が凹部の内側面に密着しない
場合がある。このような場合には、前述したように、リ
ークが発生して断熱性能の低下の原因となり、また、結
露する原因となる。また、凹部の内側面に接する摺動片
の面積が増えると、摺動片とその内側面との密着度が不
均一になりやすいので、やはりリークが発生する恐れが
あり、上記と同様の事態が発生する原因となる。このた
め、凸部と凹部を精度良く組み立てる必要があり、ま
た、組立後もその精度を維持する必要がある。従って、
断熱パネルの組立作業はそれだけ面倒になり、また、十
分なシール性能を維持することも難しい。さらに、実開
昭56−65019号公報に開示された断熱シール構造
は、別途形成されたパッキンを凸部に装着する必要があ
るので、作業性が悪いという問題もある。
【0006】そこで、本発明の課題は、コーキング材を
用いずに気密性を確保して、高い断熱性能が得られ、結
露水の発生を防ぐことができる断熱シール構造を提供す
ることを目的としている。また、断熱パネルの接合作業
を短時間で確実に行うことができ、さらに、シール性能
も維持できる断熱シール構造を提供することも本発明の
目的である。さらに、この断熱シール構造を実現可能な
断熱パネル、およびこの断熱シール構造を用いた冷蔵装
置を提供することも本発明の目的の一つである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の断熱シール構造
は、帯状の第1の接触面を備えた第1の接合部と、帯状
の第2の接触面を備えた第2の接合部とを有し、第1の
接触面に、その長手方向に延びたシール用凹部と、位置
決め用の第1の嵌め込み部とが形成され、第2の接触面
に、シール用凹部との間に適当なシール空間を空けて挿
入可能なように長手方向に延びたシール用凸部と、第1
の嵌め込み部に対応した位置決め用の第2の嵌め込み部
が形成されている。そして、シール凹部の内側面または
シール用凸部の外側面のいずれか一方からシール空間を
遮断するように少なくとも1枚のひれ状のシール部材が
突き出ている構成となっている。
【0008】このような本発明の断熱シール構造では、
位置決め用の第1および第2の嵌め込み部によって、シ
ール用凸部と凹部との相対的な位置関係が組立後に自動
的に規定され、その後もその位置関係が保持される。こ
のため、適当な間隔のシール空間が必ず形成されるの
で、そのシール空間をシール部材によって確実に遮断
し、高い断熱性、気密性を得ることができる。従って、
位置決め用の第1および第2の嵌め込み部が重なるよう
に第1および第2の接合部を接合するだけで、気密性が
高く断熱性能も良い断熱シール構造を実現できる。この
ため、コーキング材を施工する必要はなく、コーキング
材を使用することに起因した不具合を回避できる。すな
わち、コーキング材の塗布が不完全であることに起因し
たリークの発生を防止でき、高い断熱性能が得られると
共に、結露の発生を防止できる。また、コーキング材が
完全に乾くまで待つ必要がないので、断熱パネルの組立
時間を大幅に短縮でき、さらに、コーキング材を塗る手
間も省けるので、短時間で断熱パネルの接合作業を終了
できる。従って、断熱パネルを用いた冷蔵庫、冷蔵倉
庫、穀物貯蔵庫等の冷蔵装置の製造効率を向上してコス
トを下げることが可能となり、また、納期の短縮も可能
となる。さらには、コーキング材を用いないので、接合
した後の断熱パネル同士を再び分解することが可能とな
り、傷がついた断熱パネルを交換したり、断熱パネルを
分解してメンテナンスを行うなど従来では不可能であっ
た対応が可能となる。本発明の断熱シール構造では、コ
ーキング材だけではなく、接合部分に高いシール性能を
確保するためのパッキンも不要であるので、パッキンを
装着する等の手間のかかる作業を行わずに済むことは勿
論である。
【0009】従って、本発明の断熱シール構造によれ
ば、コーキング材を用いずに気密性を確保して、断熱性
能および作業性に優れ、製造コストを低減可能な断熱シ
ール構造を提供できる。
【0010】シール用凹部および凸部を、断面がほぼ台
形状となるように形成すると共に、シール用凹部の底面
に第1の嵌め込み部となる位置決め用凸部を形成し、ま
た、シール用凸部の上面に第2の嵌め込み部となる位置
決め用凹部を形成することが望ましい。このように構成
すると、シール用凹部と凸部を相互に嵌め込むと、シー
ル部材がシール用凹部の内側面あるいはシール用凸部の
外側面にガイドされて、位置決め用凸部と凹部が自動的
に位置合わせされるので、接合作業を一層容易にするこ
とができる。シール用凸部の上面に位置決め用凸部を形
成することも可能であるが、接触面から位置決め用凸部
の先端までが長くなり、接合部のサイズが大きくなって
しまう。これに対して、本発明では、シール用凹部の底
面に位置決め用凸部を形成し、シール用凸部の上面に位
置決め用凹部を形成することにより、薄く、作業性の良
い接合部を提供できる。また、シール用凸部または凹部
から離れた位置に位置決め用の凸部および凹部をつくる
ことも可能であるが、接触面を広くする必要があるの
で、この場合も接合部のサイズが大きくなってしまう。
【0011】シール部材をシール用凸部および凹部の挿
入方向に対して逆方向に突き出すことも可能であるが、
その凸部および凹部を嵌め込んだ時点で、シール部材が
捩じれる可能性がある。また、シール部材の反発力が強
く作用するので、接合作業が行い難くなる。これに対し
て、シール用凸部および凹部の挿入方向に沿った抵抗を
妨げる方向に突き出でるようにシール部材を形成するこ
とにより、捩れを防止できると共に、接合を行い易くす
ることができる。この結果、シール空間のシールを確実
に行うことができ、信頼性の高い断熱シール構造を実現
できると共に、作業性の良い断熱シール構造を提供でき
る。
【0012】また、シール部材は、シール用凸部あるい
は凹部に取り付けられた基部より先端の方が薄くなるよ
うに形成することにより、先端部分が弾性変形しやすい
シール部材を構成できる。このようなシール部材を設け
ることにより、シール部材の先端部分がシール用凸部の
外側面あるいはシール用凹部の内側面に密着して曲がる
ので、十分な気密性を確保し易くなる。
【0013】シール部材は、ゴム等の弾性を有する素材
で形成することが望ましく、シール部材を軟質PVC
(塩化ビニール)とすると共に、第1および第2の接合
部を硬質PVC(塩化ビニール)とすることで、第1あ
るいは第2の接合部にシール部材を一体成形することが
できる。すなわち、押し出し成形によって第1あるいは
第2の接合部とシール部材を同時に形成することがで
き、これにより、接合部およびシール部材の製造が容易
となり、断熱シール構造の軽量化および低コスト化に貢
献できる。
【0014】このような本発明の第1の接合部および第
2の接合部の少なくともいずれかを断熱パネルに設ける
ことにより、断熱性、気密性の高い組立を短時間で容易
に行え、この断熱パネルを用いることにより、断熱性能
に優れた低価格な冷蔵装置を実現できる。本発明の断熱
シール構造を採用した冷蔵装置によれば、断熱性能に優
れているので、被冷蔵物を冷蔵保存するのに必要な電力
消費を低減でき、ランニングコストを下げることが可能
である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
適用した断熱シール構造の一例を説明する。図1には接
合前の断熱シール構造の断面図、図2には接合途中の断
熱シール構造の断面図を示してある。また、図3には、
接合後の断熱シール構造を拡大して断面図を用いて示し
てある。図1および図2に示すように、本例の断熱シー
ル構造30を有した断熱パネル25および26は、一対
の表面板21および22と、これらの表面板21および
22の間に介在させた硬質ウレタンフォーム等の発泡樹
脂からなる断熱材23と、別の断熱パネルとの連結に供
される枠材27および28を有している。断熱材23
は、一対の表面板21および22と枠材27および28
でパネルの外周面を構成してから発泡樹脂を注入して発
泡している。もちろん、予め成形された断熱材を表面板
21および22と枠材27および28で挟み込むように
しても良い。
【0016】枠材27および28は、硬質PVC(塩化
ビニール)によって形成されており、一方の側に一対の
表面板21および22に接続される接続部27aおよび
28aが形成され、他方の側に第1および第2の接合部
40および50が形成されている。接続部27aおよび
28aには、断面が凹状の係止溝27bおよび28bが
形成されている。これに対して、一対の表面板21およ
び22には、その辺部にパネルの内側に向かってほぼ直
角に折れ曲がった係止片21aおよび22aが形成され
ている。この係止片21aおよび22aが上記の係止溝
27bおよび28bに嵌まり込むことによって、枠材2
7および28が一対の表面板21および22に接続され
ている。
【0017】図1ないし図3に示すように、本例の断熱
シール構造30では、一方の枠材27に形成された第1
の接合部40と、他方の枠材28に形成された第2の接
合部50から構成されている。第1の接合部40には第
1の接触面41が帯状に形成されており、この第1の接
触面41には、その長手方向に延びたシール用凹部42
と、位置決め用の第1の嵌め込み部としての位置決め用
凸部43が形成されている。位置決め用凸部43は、シ
ール用凹部42の底面42bに形成されている。このよ
うに本例では、位置決め用凸部43をシール用凹部42
の底面42bに形成することにより、位置決め用凸部4
3をシール用凹部42の先端面に形成する場合に比べ
て、高さが低く、幅の狭い接合部40を実現している。
【0018】他方の枠材28に形成された第2の接合部
50には第2の接触面51が帯状に形成され、この第2
の接触面51には、シール用凹部42との間に適当なシ
ール空間65を空けて挿入可能なように長手方向に延び
たシール用凸部52と、位置決め用凸部43に対応した
位置決め用の第2の嵌め込み部としての位置決め用凹部
53が形成されている。位置決め用凹部53はシール用
凸部52の上面52bに形成されている。従って、位置
決め用の凸部43を凹部53に嵌め込むと、シール用凹
部42とシール用凸部52との相対的な位置関係が自動
的に規定され、その位置関係がその後も保持される。ま
た、シール用凹部42の内側面42aとシール用凸部5
2の外側面52aの間には所定の間隔のシール空間65
が構成される。
【0019】ここで、位置決め用凸部43をシール用凸
部52の上面52bに形成し、また、位置決め用凹部5
3をシール用凹部42の底面42bに形成しても良い
が、第1の接触面41から位置決め用凹部53の底面ま
での距離が長くなるので、第1の接合部40のサイズが
大きくなってしまう。また、第2の接合部50でも、第
2の接触面51から位置決め用凸部43の上面までの距
離が長くなり、第2の接合部50のサイズも大きくなっ
てしまう。これに対して、本例の断熱シール構造30で
は、位置決め用凸部43と凹部53を前述したような位
置に形成することにより、サイズが小さく、接合作業を
行い易い接合部40および50を実現している。
【0020】本例の断熱シール構造30において、シー
ル用凹部42と凸部52は共に断面がほぼ台形状に形成
されている。このため、シール用凹部42と凸部52を
嵌め込むと、凹部42の内側面42aと凸部52の外側
面52aが相互に案内されるので、位置決め用凸部43
と凹部53を位置決めし易い構成となっている。
【0021】第2の接合部50に形成されているシール
用凸部52の外側面52aには、第1の接合部40と第
2の接合部50を相互に接合した状態において、シール
用凹部42の内側面42aとシール用凸部52の外側面
52aとの間に構成される所定の間隔のシール空間65
を遮断するひれ状のシール部材60が左右の外側面52
aに左右対称に2枚づつ形成されている。これらのシー
ル部材60は、位置決め用凸部43と凹部53が嵌め込
まれた時に形成される所定の間隔のシール空間65を確
実に遮断できる長さに設定されている。このようにシー
ル部材60の長さが所定の間隔のシール空間65を遮蔽
することができる程度に設定されているので、シール空
間65の間隔が所望の値からずれると、シール空間65
を確実に遮蔽することができなくなる可能性があるが、
本例では、前述したように位置決め用凸部43と凹部5
3とによって必ず適当な間隔のシール空間65が構成さ
れる。このため、各シール部材60によって確実にシー
ル空間65を遮断して高い断熱性能および気密性を得る
ことができる。また、位置決め用凸部43と凹部53が
嵌まり合った状態を解除しないかぎり、所定の間隔にシ
ール空間65が保持されるので、高い断熱性能および気
密性を維持することができる。
【0022】また、図2に詳しく示すように、シール用
凸部52を一方の側に片寄った状態でシール用凹部42
に嵌め込むと、一方の側のシール部材60はシール用凹
部42の内側面42aに接触せず、他方の側のシール部
材60のみがシール用凹部42の内側面42aに接触し
て変形する。このため、変形している一方の側のシール
部材60の反発力を受けて、図2に矢印で示すように、
シール用凸部52がシール用凹部42の所定の位置に導
かれ、位置決め用凸部43が位置決め用凹部53に自動
的に嵌め込まれるようになっている。このように本例で
は、シール部材60がガイドとしての役割も果たしてお
り、シール用凸部52を単純にシール用凹部42に挿入
するだけで、確実に位置決め用凸部43を位置決め用凹
部53に嵌め込むことができる。
【0023】さらに、シール部材60は、第1および第
2の接合部40および50を嵌め込んだ状態において
は、すべり止めとしての機能も発揮する。このため、第
1および第2の接合部40および50の仮組み状態を形
成できるので、金具とねじを用いて断熱パネル25およ
び26を締結固定する作業を容易に行うこともできる。
【0024】図3に拡大して示すように、本例の断熱シ
ール構造30では、各シール部材60は、シール用凹部
42と凸部52の挿入を妨げない方向に突き出ている。
このため、シール用凹部42と凸部52を嵌め込んだ時
点でシール部材60が捩じれるのを防ぐことができ、シ
ール空間65を確実に遮断できる信頼性の高い断熱シー
ル構造を実現できる。また、シール部材60が上記のよ
うな方向に突き出ているので、シール用凸部52を凹部
42に嵌め込む時のシール部材60の反発力が弱く、接
合作業も行いやすい。
【0025】さらに、各シール部材60は、シール用凸
部52の外側面52aに取り付けられた基部60aに対
し先端60bの方が薄くなるように形成されており、そ
の先端60bの部分が弾性変形し易い形状となってい
る。このため、シール部材60の先端60bの部分がシ
ール用凹部42の内側面42aに密着して曲がり、シー
ル空間65を確実に遮断することができ、高い気密性を
確保することができる。また、嵌め込み時におけるシー
ル部材60の反発力がいっそう弱まり、接合作業もいっ
そう行い易くすることができる。
【0026】さらには、各シール部材60は軟質PVC
(塩化ビニール)から形成されている。すなわち、シー
ル部材60が形成されている第2の接合部50(枠材2
5a)は硬質PVC(塩化ビニール)から形成され、第
2の接合部50とシール部材60は押し出し成形によっ
て一体成形することができる。このため、予めシール部
材を形成しておき、このシール部材を後から第2の接合
部50に取り付ける等の手間のかかる工程が不要なの
で、断熱シール構造30の製造コストを大幅に低減でき
る。また、シール部材60および第2の接合部50を上
記のような材質から形成し、さらに、第1の接合部40
を第2の接合部50と同様の硬質塩化ビニールから形成
した場合には、各部分の熱伝導率が非常に小さくなるの
で、各シール部材60との間に構成される密閉された空
間が非常に小さい場合でも、十分な断熱効果を得ること
ができる。
【0027】このような本例の断熱シール構造30にお
いては、位置決め用凸部43と凹部53を嵌め込むこと
により、シール用凹部42と凸部52との相対的な位置
関係が自動的に規定されると共に、その位置関係がその
後も保持される。そして、この適当な間隔のシール空間
65がシール部材60によって遮断されるようになって
いる。従って、コーキング材を用いる必要がないので、
従来のコーキング材を用いた接合作業の様々な欠点を解
決することができる。すなわち、コーキング材の塗布が
不完全であることに起因したリークの発生を防ぐことが
でき、高い断熱性能を得ることができると共に、結露の
発生を防止できる。また、コーキング材が完全に乾くま
で待つ必要がないので、断熱パネルの組立時間を大幅に
短縮でき、また、コーキング材を塗る手間も省けるの
で、断熱パネル25および26の接合作業を短時間で行
うことができる。このため、断熱パネル25および26
を用いた冷蔵庫、冷蔵倉庫、穀物貯蔵庫等の冷蔵装置の
製造効率を高めてコストを低減することができ、また、
納期も短縮できる。さらに、コーキング材を用いないの
で、接合した後の断熱パネル25および26を再び分解
することができ、損傷した断熱パネルを交換したり、断
熱パネルを分解してメンテナンスを行う等の従来では不
可能であった対応が可能となり大変便利である。また、
本例の断熱シール構造30では、シール部材60がシー
ル用凸部52の外側面52aに形成されているので、実
開昭56−65019号公報に開示された断熱シール構
造に用いられているパッキンも不要である。このため、
パッキンを装着する等の手間のかかる作業も行わなくて
もよい。
【0028】従って、本例の断熱シール構造30によれ
ば、コーキング材を用いずに気密性を確保して、断熱性
能および作業性に優れ、製造コストも低減可能な断熱シ
ール構造を実現できる。
【0029】なお、シール部材60をシール用凸部52
の外側面52aに形成する代わりに、シール用凹部42
の内側面42aに形成しても良い。この場合も上記と同
様に、シール用凹部42と凸部52の挿入を妨げない方
向、すなわち、その内側面42から凹部42の底面42
bに向かって突き出るようにシール部材を形成すること
が望ましい。
【0030】また、位置決め用凸部43と凹部53を第
1および第2の接触面41、51に直接形成しても良
い。すなわち、第1の接触面41に複数の凹部を形成す
ると共に、第2の接触面51にその複数の凹部に対応す
る凸部を形成し、これらの凹凸の何れかをシール用の凹
凸として用いて、さらに、シール用の凹凸のいずれか一
方にシール部材を設ければ良い。
【0031】さらに、シール部材の枚数は上記の例に限
定されるものではない。また、片側の外側面のみにシー
ル部材を形成しても勿論良い。
【0032】上記では、断熱パネル25および26を一
列に組み立てるような構造の枠材27および28に基づ
き説明しているが、枠材27および28の構造は上記の
例に限定されるものではない。例えば、図4に示すよう
に、断熱パネル20の厚み方向に第1の接合部40が形
成されている構造の枠材29であっても良い。なお、枠
材29は、第1の接合部40が形成されている位置が異
なる点を除き、前述した枠材27と同様の構成であるの
で、共通する部分については同符号を付して説明は省略
する。この図に示す断熱シール構造30では、2枚の断
熱パネル25および26を直交する方向に接合すること
ができる。勿論、第2の接合部50を枠材25aの断熱
パネル20aの厚み方向に形成することで、図4と同様
に2枚の断熱パネル25および26を直交する方向に接
合することが可能となる。
【0033】次に、断熱シール構造30を備えた冷蔵装
置の一例を説明する。図5にはその冷蔵装置の分解斜視
図を示してある。この図に示すように、本例の冷蔵装置
1は、プレハブ式の冷蔵装置であり、基礎ブロックに固
定される架台2を有している。この架台2は、左右方向
に平行となって延びる前後土台2aおよび2bと、前後
土台2aおよび2bを前後方向で繋ぐ左右土台3c、3
d、および3eを備えており、これらの土台2a〜2e
がコーナー金具2fによって相互に連結されると共に、
不図示の基礎ブロック上に固定されるようになってい
る。この架台2には、床パネル3が固定され、また、側
面パネル4および5と、第1および第2の背面パネル6
および7とが、L字金具3a、三方金具3b、およびね
じ(図示せず)によって締結固定されている。側面パネ
ル4および5と、第1および第2の側面パネル6、7の
上面には天パネル8が、L字金具8a、三方金具8b、
およびねじ(図示せず)によって締結固定され、この天
パネル8にクーラーユニット9およびコントローラー1
0が取り付けられている。また、左右の扉11および1
2が天パネル8と床パネル3にヒンジ8cによって固定
されている。扉12には開閉ハンドル12aが取り付け
られ、一方、扉11にはハンドル受け11aが取り付け
られている。
【0034】このように構成された冷蔵装置1において
は、各パネル3〜8の接合に際しては、本発明を適用し
た断熱シール構造30が採用されている。断熱シール構
造30は、前述したように、コーキング材を用いずに気
密性を確保でき、断熱性能、および作業性に優れている
ので、この断熱シール構造30を備えた冷蔵装置1によ
れば、断熱性能に優れ、被冷蔵物を冷蔵保存するのに必
要な消費電力を低減でき、ランニングコストの低い冷蔵
装置を実現できる。また、接合作業の能率が良く、組立
コストを低減できるので、廉価な冷蔵装置を実現でき
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の断熱シー
ル構造では、位置決め用の第1および第2の嵌め込み部
を形成することにより、シール用凸部と凹部との相対的
な位置関係が組立時に自動的に規定されると共に、その
後もその位置関係が保持されるようにしている。そし
て、シール用凸部と凹部とが所定の位置関係になってい
る時に構成されるシール空間をシール部材によって遮断
して、高い断熱性能、気密性が得られるようにしてい
る。このため、コーキング材を用いずに気密性を確保し
て、断熱性能および作業性に優れ、製造コストも低減で
きる断熱シール構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接合前の断熱シール構造の概略構成を示す断面
図である。
【図2】接合途中の断熱シール構造の概略構成を示す断
面図である。
【図3】接合後の断熱シール構造の概略構成を拡大して
示す断面図である。
【図4】断熱シール構造が形成された断熱パネルの異な
る例を示す断面図である。
【図5】本発明を適用した断熱シール構造を有する冷蔵
装置の分解斜視図である。
【図6】従来の断熱シール構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵装置 3 床パネル 4、5 側面パネル 6、7 背面パネル 8 天パネル 11、12 扉 25、26 断熱パネル 27、28、29 枠材 30 断熱シール構造 40 第1の接合部 41 第1の接触面 42 シール用凹部 42a シール用凹部の内側面 42b シール用凹部の底面 43 位置決め用凸部 50 第2の接合部 51 第2の接触面 52 シール用凸部 52a シール用凸部の外側面 52b シール用凸部の上面 53 位置決め用凹部 60 シール部材 60a 基部 60b 先端 65 シール空間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の第1の接触面を備えた第1の接合
    部と、 帯状の第2の接触面を備えた第2の接合部とを有し、 前記第1の接触面に、その長手方向に延びるシール用凹
    部と、位置決め用の第1の嵌め込み部とが形成され、 前記第2の接触面に、前記シール用凹部との間に適当な
    シール空間を空けて挿入可能なように長手方向に延びた
    シール用凸部と、前記第1の嵌め込み部に対応した位置
    決め用の第2の嵌め込み部が形成されており、 前記第シール用凹部の内側面または前記シール用凸部の
    外側面のいずれか一方から前記シール空間を遮断するよ
    うに少なくとも1枚のひれ状のシール部材が突き出てい
    ることを特徴とする断熱シール構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記シール用凹部お
    よび前記シール用凸部は断面がほぼ台形状に形成されて
    おり、前記シール用凹部の底面に前記第1の嵌め込み部
    となる位置決め用凸部が形成され、前記位置決め用凸部
    の上面に前記第2の嵌め込み部となる位置決め用凹部が
    形成されていることを特徴とする断熱シール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記シール部材は前
    記シール用凸部および凹部の挿入を妨げない方向に突き
    出ていることを特徴とする断熱シール構造。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記シール部材は前
    記シール用凸部および凹部に取り付けられた基部に対し
    て先端の方が薄いことを特徴とする断熱シール構造。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記第1および第2
    の接合部は硬質PVCであり、前記シール部材は軟質P
    VCであることを特徴とする断熱シール構造。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の第
    1および第2の接合部の少なくともいずれかを有するこ
    とを特徴とする断熱パネル。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の断
    熱シール構造を有することを特徴とする冷蔵装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012149501A (ja) * 2010-12-27 2012-08-09 Meisei Kogyo Kk パネルの接合構造
CN112683002A (zh) * 2019-10-17 2021-04-20 青岛海尔特种电冰柜有限公司 一种双面密封装置、制冷设备及双面密封装置的安装方法

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