JPS604061Y2 - 冷凍機ク−ラ室ケ−シング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は大形冷蔵庫の庫外に設置する断熱パネルにより
形成した組立式の冷凍機クーラ室ケーシングに関するも
のである。

この種の冷凍機は冷蔵庫との間で常に空気を循環させ、
斯る空気をクーラ室内で冷却して冷蔵庫に送り出す関係
上、前記クーラ室内板と外板との間の熱伝導を抑制する
ため、大きな熱伝導率の部材を避けなければならない。

断熱パネルには、熱伝導率の小さな断熱材が用いられる
が、この断熱材は一般に機械的強度が小さく、冷凍機の
クーラ室ケーシングとして組立るものの場合は、十分強
度の大きいケーシングとするためには、前記断熱パネル
の接合部分であるパネルの縁部分に、木材などの強度は
大きいが、熱伝導率が大きすぎて断熱性能の劣る材料を
併用せざるを得なかったため、木材部分などからの熱侵
入量が非常に大きかった。

またクーラ室ケーシングを組立式としないで、外側ケー
シングと内側ケーシングとの間に断熱材を注入発泡する
ものでは、既に外板と内板とから組立てられた嵩張るケ
ーシングを発泡工場へ搬入後、注入発泡の治具を用いて
作業をする必要があり、工数が大である。

本考案の目的とするところは、組立式とした冷凍機のク
ーラ室ケーシングにおいて、天板、側板、仕切板、前板
の各パネルを接合部で組合せるもので、各パネルの金属
製の外板からクーラ室内へ伝わる熱伝導を有効に抑制し
、特に、各パネルの接合部での金属の外板と内板との間
の熱伝導に着目してこれを特別の構成とし、効果的な熱
切りを行い、かつ組立時の工数削減と治具の不要化を計
るものである。

本考案は、−の面が開口する冷凍機クーラ室ケーシング
において、他の５面は、金属製の外板の内面にウレタン
ボードを貼った、天板、側板、仕切板、前板の各パネル
を組合せて戒り、前記天板、側板、仕切板の各パネルに
はそれぞれ金属板の内板を前記ウレタンボードを介して
貼り、−のパネルの縁と、これと接合する他のパネルの
端面とは、該−のパネルの縁における外板及びウレタン
ボードを内板よりも、他のパネルのウレタンボード端面
に対する被さり量だけ突出せしめ、前記天板、側板、仕
切板の各内板の端縁と、前記−のパネルと他のパネルと
の接合部における相手の外板との間に前記ウレタンボー
ドが介挿されているので、前記天板、側板、仕切板の各
パネルを組合せる接合部で、各パネルの金属製の外板金
属製の内板との間には、熱伝導率の大なるもの同志が接
合してクーラ室ケーシング内に熱侵入することはなく、
必ず熱伝導率の小さい前記ウレタンボードの介挿するこ
とにより、前記天板から、内板への熱侵入は著しく抑制
され得るのである。

以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

図示した冷凍機クーラ室ケーシングは左右一対の側板１
，１と、これら側板上に塔載する天板２と、該天板の下
部において前記両側板間に配置され上方のクーラ室４と
下方の機械室とを仕切る仕切板３と、前記各板に囲繞さ
れて形成されるクーラ室４の前面（矢印Ａ）の開口部に
設置される前板５とによって構成している。

前記天板２のパネルは第１図に示す如く平面長方形の金
属製の外板７の内面にウレタンボード６を貼りつけてい
る。

また該パネルには金属製の内板８を前記ウレタンボード
を介して貼っている。

前記内板８はウレタンボード６と同面積に形成している
が、外板７はウレタンボード６より大きく、同外板７を
ウレタンボード６の両側及び正面側において、前記両側
板１，１及び前板５の厚み相当分だけ突出している。

この突出した部分の先端縁を下方へ折曲げて、ウレタン
ボード６の周りにコ字形の溝を形成している。

また前記ウレタンボード６の端面ば、接合部における相
手の断熱パネルに対し被り量だけ露出しているのである
。

一方前記側板１，１のパネルは縦長状の長方形の金属製
の外板１３の内面にウレタンボード１２を貼りつけて構
成している。

また該パネルには金属製の内板１４を前記ウレタンボー
ド１２を介して貼っている。

前記外板１３の両側縁はウレタンボード１２の背面一部
と前面全部に被さるが、特にクーラ室４に面する内板１
４の横巾及び上下長さはウレタンボード１２の横巾及び
上下長さよりも小さく、その上下左右は外板１３との間
に各要素１３，１４の端縁相互が接しない隙間１５，１
６．１７，１８をもたせて、熱伝導を阻止すべく構成し
ている。

即ちクーラ室４に面する側板１の縁にはとくに、上部に
は天板２のパネルのウレタンボード６端面に対する被り
量、下部には仕切板３のパネルのウレタンボード１９端
面に対し仕切板３厚みに相当する被り量、前部には前記
前板５のパネルのウレタンボード９端面に対する被り量
にそれぞれ対応して前記隙間１５，１６，１８を設けて
いる。

尚前記仕切板３に対する隙間１６内に仕切板３の端部が
嵌り込むようにしており、側板１の下部は、クーラ室４
の下部にある冷凍機械の収納室に至るよう延長され、後
述する両側板１，１間にステー２５を架設している。

さらに前記側板１の内板１４の端縁と、他のパネル即ち
天板２、仕切板３の各パネルとの接合部における相手の
外板７，２１との間に前記ウレタンボード６．１９が介
挿される、外板１３、内板１４の隙間１５，１６を構成
している。

さらに前記仕切板３のパネルは金属製の外板２１の内面
にウレタンボード１９を貼りつけている。

該パネルには上面に金属製の内板２０を前記ウレタンボ
ード１９を介して貼付けている。

前記外板２１の両端縁はウレタンボード１９の背面の一
部及び前面全部におおうが内板２０の巾はウレタンボー
ド１９巾よりも小さく、外板２１との間に隙間２２．２
３を形成している。

これらの隙間２２．２３も前記外板２１の端縁と内板２
０の端縁とが互いに接しないように形成したもので、該
隙間２２．２３によって、外板２１と内板２０との間の
熱伝導を阻止し、断熱効果を得るとかできる。

而して前記仕切板３のパネルは、前側面の縁とこれと接
合する他のパネル即ち前板５のパネルの端面とは、仕切
板３の縁における外板２１を内板２０よりも、前板５の
パネルのウレタンボードの端面に対する被り量だけ突出
せしめ、仕切板３の内板２０の端縁と、仕切板３と前板
５との接合部における相手即ち前板５の外板１０との間
に前記ウレタンボード１９が介挿される、外板２１、内
板２０の隙間２３を構成している。

さらにまた、前記前板５のパネルは方形の金属製の外板
１０の内面にウレタンボード９を貼りつけている。

また該パネルには内面にアルミニウム箔１１を前記ウレ
タンボード９を介して貼つけている。

前記アルミニウム箔１１はウレタンボード９と同一面積
であるが、外板１０はウレタンボード９より大きく、ウ
レタンボード９の縁は、両側及び下側においてウレタン
ボード９の端面が、接合部における相手の断熱パネルで
ある側板１、仕切板３に対し被り量として露出している
のである。

また外板１０は前記両側板１，１及び仕切板３の厚み相
当分だけ突出している。

さらにまたウレタンボード９の縁の両側及び下側での外
板１０は、この突出した部分の端縁を直角に折曲げて、
ウレタンボード９の周りにコ字形の溝を形成している。

また、前記アルミニウム箔１１の左右両端縁および下端
縁と外板１０の間には第１図から明らかな如く隙間を形
成し、外板１０とアルミニウム箔１１とが接しないよう
に構成している。

なお、アルミニウム箔１１の上端と外板１０とは仮りに
接していたとしても、前記アルミニウム箔１１は極めて
肉厚の薄いものであるから、斯る部分における熱伝導に
起因する熱損失は実質上無視できる。

なお前記側板１、天板２、仕切板３、前板５において、
それぞれウレタンボードと内外板との接着にはゴム系接
着剤を使用している。

本考案は上記の如く構成するものにして、以下各板の組
立てについて説明する。

第１図において前板５におけるウレタンボード９の下側
端面に対し仕切板３の隙間２３の被り量を接合し、孔２
４，２４・・・の外側からビスにて両者を固定する。

また前記前板５におけるウレタンボード９の両側の両面
にはそれぞれ両側板１，１を接合し、ビスを用いて固定
する。

この場合仕切板３の両端はウレタンボード１９の端面と
ともに側板１の隙間１６内に該隙間１６の被り量だけ接
合しつつ嵌み込み、さらに該仕切板３の荷重を両側板１
，１間に架設するステー２５によって支持する。

さらに天板２を上方から被せるが、該天板２におけるウ
レタンボード６の前側の溝には前板５の上部を嵌め込み
、同ウレタンボード６の両端の溝には両側板１，１の上
部を嵌め込んで、ウレタンボード６の端面とともに、側
板１の隙間１５の被り量だけ接合させ、ビスで固定する
。

なお天板２、両側板１，１、仕切板３の溝の嵌め込み部
分の組合せは、これら各板相互の関係を考慮すれば、ケ
ーシングとしての十分な強度を伴せ備えながら他の組合
せ構成も可能であることは言うまでもない。

なお第１図において側板１に形成した孔２７゜２７は第
２図に示す如くクーラ室４内にポリカーボネート樹脂製
など熱伝導率の低いボルト類を用いてクーラ２８を取付
けるためのボルト挿入用のものである。

側板１，１の内板１４はクーラ２８をボルト２６にて取
付けるので、前板５内面のアルミニウム箔１１とは異な
り、外板１３同様に十分な取付強度を有する。

以上の如く構成したクーラ室用ケーシングはその後各板
の継ぎ部にシリコン、ウレタン系のシール材を施され、
且つ第３図に示す如く冷蔵庫３０の庫外側において庫壁
に形成した空気孔３１とジョイナ−３２を介して連結さ
れて使用されるもので、矢印の如く循環する空気をクー
ラ２８によって冷却することができるものである。

叙上の如く本考案は、冷凍機クーラ室ケーシングの５面
である一対の側板１，１と、天板２と、仕切板３と、前
板５のパネルの組合せて構成するものであり、これら各
パネルは補強及び化粧板を兼ねる外板をそれぞれ備えて
おり、しかも外板の内側にはそれぞれウレタンボードを
貼っているので断熱効果がある。

やたこれら側板１，１、天板２、仕切板の各板は前記ウ
レタンボードを介し金属製の内板を貼っている。

しかも天板２の外板７を両側板１，１及び前板５の上部
に被せ、該前板５の外板１０を前記両側板１，１及び仕
切板３の前面に被せる如くする一方、前記両側板１，１
の内板１４及び仕切板３の内板２０の端縁が、他のパネ
ルの外板に接しないように、これらパネルの縁における
外板１３．２１及びウレタンボード１２．１９を内板１
４，２０よりも、他のパネルのウレタンボードのコーナ
端面に対する被り量だけ突出するような大きさに形成し
たから、これら各板１，１，２，３，５を組合せてクー
ラ室を形成した場合、ケーシングとして十分な強度を伴
せ備えながら、金属製のクーラ室ケーシングの内板と冷
凍機クーラ室ケーシングの外板とは、ウレタンボードを
介挿して完全に隔離され、該介挿したウレタンボードに
よって接合部での熱伝導による熱損失を抑制する効果が
ある。

またケーシングは前記各パネルとして一体的にウレタン
ボード９が貼られるため、ケーシング組立後あらためて
発泡工場へ嵩ぼるケーシングを搬入するという工数も不
要となり、発泡作業用の治具をも不要ならしめる。

その上両側板１，１、天板２、仕切板３の各内板１４，
１４，８，２０はウレタンボードへの空気中の水蒸気の
滲透を阻止すると共に、冷凍機クーラ室ケーシングを冷
蔵庫３０の空気孔３１に連結する場合のジョイナ−３２
の一端を支持する補強効果をも発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す分解斜視図、第２図は前
図の組立図、第３図は前図の■−■線視の説明図である
。 １・・・・・・側板、２・・・・・・天板、３・・・・
・・仕切板、５・・・・・・前板、８，１４．２０・・
・・・・内板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一の面が開口する冷凍機クーラ室ケーシングにおいて、
   他の５面は、金属製の外板の内面にウレタンボードを貼
   った、天板２、側板１．．１、仕切板３、前板５の各パ
   ネルを組合せて威り、前記天板２、側板１，１、仕切板
   ３の各パネルにはそれぞれ金属製の内板８．１４，１４
   ．２０を前記ウレタンボードを介して貼り、−のパネル
   の縁と、これと接合する他のパネルの端面とは、該−の
   パネルの縁における外板及びウレタンボードを内板よリ
   モ、他のパネルのウレタンボード端面に対する被さり量
   だけ突出せしめ、前記天板２、側板１．１、仕切板３の
   各内板８．１４，１４．２０の端縁と、前記−のパネル
   と他のパネルとの接合部におる相手の外板との間に前記
   ウレタンボードが介挿されていることを特徴とする組立
   式の冷凍機クーラ室ケーシング。