JPH10292034A - 側鎖にエチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)およびその製造方法 - Google Patents

側鎖にエチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)およびその製造方法

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JPH10292034A
JPH10292034A JP10161897A JP10161897A JPH10292034A JP H10292034 A JPH10292034 A JP H10292034A JP 10161897 A JP10161897 A JP 10161897A JP 10161897 A JP10161897 A JP 10161897A JP H10292034 A JPH10292034 A JP H10292034A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/31Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/312Non-condensed aromatic systems, e.g. benzene

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なエチレンオキシド鎖を有するポリ(フ
ェニレン)およびその工業的に有利な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式[1]で表されるエチレンオ
キシド鎖を有するポリ(フェニレン)、および下記一般
式[3]で表わされるジアルコキシベンゼンを酸化重合
するエチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)の
製造方法にかかるものである。 (式中、R1は下記一般式[2]で表わされるエチレン
オキシド鎖を表わし、R2は炭素数1〜10の炭化水素
基または下記一般式[2]で表わされるエチレンオキシ
ド鎖を表わし、nは平均の重合度で2以上の数を表わ
す。) (式中、R3〜R6は水素原子または炭素数1〜10の炭
化水素基を表わし、R7は炭素数1〜10の炭化水素基
を表わす。mは1〜10の整数である。) (式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じである。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高分子、特
に表示材料または電池用途の電極材料として有用であ
る、エチレンオキシド鎖を有する新規なポリ(フェニレ
ン)およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ(フェニレン)は導電性高分子とし
て、特に高分子発光素子への応用が期待されている。こ
の分野では、高分子発光電気化学素子(LEC)といわ
れる素子が最近提案され、その発光効率の高さから着目
されている。その構造は両電極間に導電性高分子とイオ
ン伝導性を有するポリエチレンオキシドおよび支持塩か
らなる高分子膜を挟んだもので、電極からの正負電荷の
注入とドーパントとなる支持塩の正負両イオンの移動に
より、膜中でp−n接合が形成されることが動作原理と
なっていると推定される。電子伝導性を有する導電性高
分子にさらにイオン伝導性をも付与することができれ
ば、前記のような複合膜ではなく単一の材料で素子の製
造が可能になり、プロセス上大きな利点がある。
【0003】また、導電性高分子はしばしばポリマー電
池などの電極材料としても利用されている。電極活物質
と電解質成分との界面のイオン抵抗が高いこと、あるい
は活物質と集電体との電子伝導性が問題であり、電子伝
導性とイオン伝導性とを併せ持つ高分子材料はその解決
策として期待できる。
【0004】しかしながら、電子伝導性とイオン伝導性
とを併せ持つ高分子材料については従来ほとんど知られ
ていない。エチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレ
ン)誘導体として、J. Am. Chem. Soc., Vol. 118, pp
7416-7417 (1996)には、ポリ[9,9−ビス(3,6−
ジオキサヘプチル)フルオレン−2,7−ジイル]が報
告されているが、原料モノマーの製造が煩雑であるとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、新規な
エチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)および
その工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するべく鋭意研究を行った結果、安価な原料を用い
て温和な条件下に短いステップで容易に新規なエチレン
オキシド鎖を有するポリ(フェニレン)が得られること
を見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、下
記一般式[1]で表されるエチレンオキシド鎖を有する
ポリ(フェニレン)、および下記一般式[3]で表わさ
れるジアルコキシベンゼンを酸化重合するエチレンオキ
シド鎖を有するポリ(フェニレン)の製造方法にかかる
ものである。 (式中、R1は下記一般式[2]で表わされるエチレン
オキシド鎖を表わし、R2は炭素数1〜10の炭化水素
基または下記一般式[2]で表わされるエチレンオキシ
ド鎖を表わし、nは平均の重合度で2以上の数を表わ
す。) (式中、R3〜R6は水素原子または炭素数1〜10の炭
化水素基を表わし、R7は炭素数1〜10の炭化水素基
を表わす。mは1〜10の整数である。) (式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じである。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式[1]においてR1は上記一般式[2]で表
わされるエチレンオキシド鎖を表わす。一般式[2]に
おけるR3〜R6は水素原子または炭素数1〜10の炭化
水素基を表わす。炭化水素基としてはアルキル基が好ま
しく、具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基などが例示される。R3〜R6は好ましく
は、水素原子またはメチル基であり、最も好ましくは水
素原子である。
【0008】上記一般式[2]においてR7は炭素数1
〜10の炭化水素基を表わす。炭化水素基としてはアル
キル基が好ましく、具体例としてはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基などが例示される。R7
好ましくは、炭素数1〜5の炭化水素基であり、さらに
好ましくはメチル基またはエチル基である。
【0009】上記一般式[2]においてmは1〜10の
整数である。mは好ましくは1〜5であり、より好まし
くは1〜3である。
【0010】上記一般式[1]においてR2は炭素数1
〜10の炭化水素基または一般式[2]で表わされるエ
チレンオキシド鎖を表わす。炭化水素基としてはアルキ
ル基が好ましく、具体例としてはメチル基、エチル基、
n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、
iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基などが例示される。炭化水素基
として好ましくは、炭素数1〜5の炭化水素基であり、
さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
【0011】上記一般式[1]においてnは平均の重合
度で2以上の数を表わす。nは好ましくは3〜100で
ある。さらに好ましくは、5〜50である。
【0012】本発明のポリ(フェニレン)は、下記一般
式[3]で表されるエチレンオキシド鎖を有するジアル
コキシベンゼン類を酸化重合することにより製造可能で
ある。 (式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じである。)
【0013】上記一般式[3]で表されるエチレンオキ
シド鎖を有するジアルコキシベンゼン類は、安価な原料
であるハイドロキノンまたはそのモノアルキルエーテル
と、エチレンオキシドのハロゲン化物とをアルカリ存在
下に反応させて容易に合成することが可能である。ハイ
ドロキノンを原料に用いればベンゼン環の両側にエチレ
ンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)を、ハイドロ
キノンモノアルキルエーテルからはベンゼン環の片方に
エチレンオキシド鎖を有しもう片方にアルコキシ基を有
するポリ(フェニレン)を製造することができる。
【0014】上記一般式[3]で表されるエチレンオキ
シド鎖を有するジアルコキシベンゼン類を重合してポリ
(フェニレン)を得る際には、遷移金属錯体触媒、なか
でもオキソバナジウム(IV)錯体を触媒に用いて、酸化
剤、酸および溶媒存在下に酸化重合する方法が選択性お
よび経済性の上で好ましく用いられる。
【0015】触媒の具体例としては、ビス(アセチルア
セトナト)オキソバナジウム(IV)錯体、ビス(ベンゾ
イルアセトナト)オキソバナジウム(IV)錯体、ビス
(ジベンゾイルメタナト)オキソバナジウム(IV)錯
体、ビス(トリフルオロアセチルアセトナト)オキソバ
ナジウム(IV)錯体、ビス(ヘキサフルオロアセチルア
セトナト)オキソバナジウム(IV)錯体等のオキソバナ
ジウム錯体が挙げられる。触媒の使用量は原料であるジ
アルコキシベンゼンに対して通常0.001〜10倍の
モル比で用いられる。
【0016】酸化剤としては重合活性が維持される限り
任意のものが使用できるが、好ましくは酸素が用いられ
る。酸素源として好ましくは酸素ガスまたは空気が用い
られ、大気圧または加圧下において反応が行われる。
【0017】酸としては通常、プロトン酸および/また
は酸無水物が用いられる。酸としてはプロトン酸と酸無
水物を併用することが好ましい。
【0018】プロトン酸としては強酸性のものが好まし
く、具体的には硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸などが例示される。より好ましくはト
リフルオロメタンスルホン酸が用いられる。プロトン酸
の使用量は、原料である芳香族化合物に対して通常0.
001〜10倍のモル比で用いられる。
【0019】酸無水物として好ましくは、無水トリフル
オロ酢酸または無水トリフルオロメタンスルホン酸が用
いられる。酸無水物の使用量は、原料である芳香族化合
物に対して通常0.001〜10倍のモル比で用いられ
る。
【0020】酸化重合反応は溶媒の非存在下でも行える
が、通常は溶媒の存在下で行われる。溶媒としては重合
活性が維持される限り任意のものが使用できるが、好ま
しくは非プロトン性溶媒が用いられる。具体的には、ベ
ンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジ
クロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニ
トロメタン、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等が例示
される。溶媒の使用量は原料である芳香族化合物に対し
て、1〜100倍の重量比で用いられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
【0022】参考例1 下記式[4]で表わされるモノマー、1−(2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ−4−メトキシベンゼン
(以下ME2PMと略すことがある。)の合成例であ
る。 マグネチックスターラおよび還流冷却器を備えた200
ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、4−メトキシ
フェノール2.48g(20mmol)、1−クロロ−
2−(2−メトキシエトキシ)エタン2.77g(20
mmol)、および塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム0.74g(4mmol)を入れ、トルエン30ml
とジメチルスルホキシド10mlを加え撹拌した。これ
に50%水酸化ナトリウム水溶液40mlを加え、60
℃で8時間撹拌した。冷却後、水100mlに注ぎ濃塩
酸で中和した。トルエン100mlで3回抽出して合わ
せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンをエ
バポレータで留去した。残りの液を減圧蒸留することに
より、ME2PMを10mmHgで沸点が175℃の無
色液体として2.79g得た。1H−および13C−NM
Rスペクトル測定結果から得られた化合物がME2PM
である事が確認された。
【0023】参考例2 1−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)エタンに代
えて1−クロロ−2−(2−(2−メトキシエトキシ)
エトキシ)エタン3.58g(20mmol)を用いた
他は参考例1を繰り返すことにより、下記式[5]で表
わされるモノマー、1−(2−(2−(2−メトキシエ
トキシ)エトキシ)エトキシ−4−メトキシベンゼン
(以下ME3PMと略すことがある。)を、10mmH
gで沸点が190℃の無色液体として3.35g得た。
1H−および13C−NMRスペクトル測定結果から得ら
れた化合物がME3PMである事が確認された。
【0024】参考例3 ハイドロキノン11.0g(0.1mol)、2−クロ
ロエチルエーテル23.9g(0.22mol)、塩化
ベンジルトリエチルアンモニウム4.56g(0.02
mol)、トルエン120ml、およびジメチルスルホ
キシド40mlを用いて、参考例1と同様の反応を行
い、下記式[5]で表わされるモノマー、1,4−ビス
(2−エトキシエトキシ)ベンゼン(以下BE2Pと略
すことがある。)を、2.5mmHgで沸点が140℃
の無色液体として4.43g得た。 1H−および13C−
NMRスペクトル測定結果から得られた化合物がBE2
Pである事が確認された。
【0025】実施例1 マグネチックスターラ、酸素導入管および還流冷却器を
備えた50mlフラスコ中に,ビス(アセチルアセトナ
ト)オキソバナジウム(以下VO(acac) 2と略す
ことがある。)0.21g(0.8mmol)とME2
PM 2.26g(10mmol)を入れ、1,2−ジ
クロロエタン20mlを加え撹拌溶解した。これにトリ
フルオロメタンスルホン酸0.2mlと無水トリフルオ
ロ酢酸4.0mlを順次加えた。酸素ガスを吹き込みな
がら50℃で120時間撹拌を続けた。反応終了後反応
混合物を濃塩酸1mlを含むメタノール200ml中に
注ぎ込んだ。沈澱物を濾取し、50℃で5時間減圧乾燥
して、0.59gのポリ(2−メトキシ−5−(2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ)−1,4−フェニ
レン)が褐色粉末として得られた。IRスペクトルデー
タを図1に示す。
【0026】実施例2 ME2PMに代えてME3PM 2.70gを用いて実
施例1を繰り返した結果、0.18gのポリ(2−メト
キシ−5−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エト
キシ)エトキシ)−1,4−フェニレン)が褐色粉末と
して得られた。IRスペクトルデータを図1に示す。
【0027】実施例3 ME2PMに代えてBE2P 1.27gを用い、VO
(acac)2を133mg、トリフルオロメタンスル
ホン酸を0.1ml、無水トリフルオロ酢酸を1.5m
lとして実施例1と同様の酸化重合を40℃で52時間
行った結果、0.42gのポリ(2,5−ビス(2−エ
トキシエトキシ)−1,4−フェニレン)が褐色粉末と
して得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明により導電性高分子、特に表示材
料または電池用途の電極材料として有用なエチレンオキ
シド鎖を有するポリ(フェニレン)、およびそれを安価
な原料を用いて温和な条件下に短いステップで容易に製
造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1および実施例2で得られたポリ
マーのIRスペクトルデータである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[1]で表されることを特徴と
    するエチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)。 (式中、R1は下記一般式[2]で表わされるエチレン
    オキシド鎖を表わし、R2は炭素数1〜10の炭化水素
    基または下記一般式[2]で表わされるエチレンオキシ
    ド鎖を表わし、nは平均の重合度で2以上の数を表わ
    す。) (式中、R3〜R6は水素原子または炭素数1〜10の炭
    化水素基を表わし、R7は炭素数1〜10の炭化水素基
    を表わす。mは1〜10の整数である。)
  2. 【請求項2】R3〜R6が、水素原子又はメチル基である
    ことを特徴とする請求項1記載のエチレンオキシド鎖を
    有するポリ(フェニレン)。
  3. 【請求項3】下記一般式[3]で表されるジアルコキシ
    ベンゼンを酸化重合することを特徴とするエチレンオキ
    シド鎖を有するポリ(フェニレン)の製造方法。 (式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じである。)
  4. 【請求項4】下記一般式[3]で表されるジアルコキシ
    ベンゼンを、遷移金属錯体触媒、酸化剤および酸の存在
    下に酸化重合することを特徴とするエチレンオキシド鎖
    を有するポリ(フェニレン)の製造方法。 (式中、R1およびR2はそれぞれ前記と同じである。)
  5. 【請求項5】遷移金属錯体が、オキソバナジウム(IV)
    錯体であることを特徴とする請求項4記載のエチレンオ
    キシド鎖を有するポリ(フェニレン)の製造方法。
  6. 【請求項6】酸化剤が、酸素であることを特徴とする請
    求項4または5記載のエチレンオキシド鎖を有するポリ
    (フェニレン)の製造方法。
  7. 【請求項7】酸が、プロトン酸および/または酸無水物
    であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載
    のエチレンオキシド鎖を有するポリ(フェニレン)の製
    造方法。
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