JP2006045196A - バナジル二核錯体 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化重合の触媒として用いた際に、高い活性を示す錯体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるバナジル二核錯体。
Figure 2006045196

具体的には、ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン)ビス(2)4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキシド,が例示される。
【選択図】 なし

Description

本発明はバナジル二核錯体に関する。
バナジル単核錯体は芳香族化合物を酸化重合して対応する芳香族化合物重合体を得るための触媒として有用であり、その例として、p−ジアルコキシベンゼン等を、酸化重合する際に触媒としてバナジルアセチルアセトナトを用いる例(特許文献1、非特許文献1)が知られている。
特許第2849664号 Macromolecules 1996, 29, 7645
しかしながら、バナジル単核錯体を触媒として用いた場合、その活性が未だ十分とはいえず、より高い活性を示す錯体の開発が望まれていた。
本発明の目的は、酸化重合の触媒として用いた際に、高い活性を示す錯体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のバナジル二核錯体が、高い活性を示すことを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるバナジル二核錯体を提供するものである。
Figure 2006045196
(式中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子、またはNR11を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−、または−NR12−を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表し、R9および/またはR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を表す。R11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。A1とA2の両方、および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよい。B1とB2の両方、および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。)
本発明のバナジル二核錯体は、酸化重合の触媒として用いると高い活性を示す。
本発明における一般式(1)で表されるバナジル二核錯体は、2つのバナジウム原子を配位子にて橋かけした錯体である。
一般式(1)におけるA1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子、またはNR11を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−、または−NR12−を表す。A1、A2、A3およびA4は酸素原子であることが好ましい。B1、B2、B3およびB4は−O−であることが好ましい。
一般式(1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。
一般式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、などの全炭素数6〜60程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、2−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基などの全炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
該炭化水素基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキルオキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基等の炭素数1〜50程度のアルキルオキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が表す置換されていてもよい炭化水素基は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8における炭化水素オキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキルオキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などの全炭素数6〜60程度のアリ−ルオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル−1−プロピルオキシ基、1−フェニル−2−プロピルオキシ基、2−フェニル−2−プロピルオキシ基、3−フェニル−1−プロピルオキシ基、4−フェニル−1−ブチルオキシ基、2−フェニル−1−ブチルオキシ基、5−フェニル−1−ペンチルオキシ基、6−フェニル−1−ヘキシルオキシ基などの全炭素数7〜60程度のアラルキルオキシ基が挙げられる。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。
該炭化水素オキシ基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が表す置換されていてもよい炭化水素オキシ基は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、好ましくは置換されていてもよい炭化水素基である。
9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表す。
一般式(1)中のR9およびR10におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基が挙げられる。
該アルキレン基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(1)中のR9およびR10における置換されていてもよい2価の芳香族基は、芳香族化合物が水素原子を2個失って生じる二価の基である。
ここで、2価の芳香族基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,2−ナフタレンジイル基、1,3−ナフタレンジイル基、1,4−ナフタレンジイル基、1,7−ナフタレンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5,8−ナフタレンジイル基、1,8−アントラセンジイル基、2,7−アントラセンジイル基、9,10−ジヒドロ−1,8−アントラセンジイル基、1,10−テトラセンジイル基、2,9−テトラセンジイル基、3,6−フェナントレンジイル基、1,8−ビフェニレンジイル基、2,7−ビフェニレンジイル基、1,8−フルオレンジイル基、3,6−フルオレンジイル基、2,4−フランジイル基、2,5−フランジイル基、4,6−ジベンゾフランジイル基、2,8−ジベンゾフランジイル基、2,4−チオフェンジイル基、2,5−チオフェンジイル基、4,6−ジベンゾチオフェンジイル基、2,8−ジベンゾチオフェンジイル基、2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基、[1,10]フェナントロリン−2,9−ジイル、4,5−キサンテンジイル基などの全炭素数6〜60程度の芳香族基が挙げられる。

該芳香族基は、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、2−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基などの炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(1)中のR9およびR10は、好ましくは置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−SO2−であり、より好ましくは置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−であり、さらに好ましくは置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基である。
一般式(1)中のmおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。mおよびnは、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。
9およびR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中の−(R9m−、−(R10n−が表す2価基としては、例えば、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−へキシレン基、trans−1,3−シクロペンチレンビス(メチレン)基、trans−1,3−シクロヘキシレンビス(メチレン)基、trans−1,4−シクロヘキシレンビス(メチレン)基などのアルキレン基のみからなる2価基、1,8−ナフタレンジイル基、1,8−アントラセンジイル基、9,9−ジメチル−4,5−キサンテンジイル基、1,8−ビフェニレンジイル基などの2価の芳香族基のみからなる2価基、1,3−フェニレンビス(メチレン)基、1,4−フェニレンビス(メチレン)基、5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)基、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)基、1,3−フェニレンビス(2,2−プロピレン)基、2,7−ナフタレンジイル−ビス(メチレン)基、2,7−アントラセンジイル−ビス(メチレン)基、3,6−フェナントレンジイル−ビス(メチレン)基、9,9−ジメチルフルオレン−1,8−ジイル−ビス(メチレン)基、2,7−ビフェニレンジイル−ビス(メチレン)基、2,5−フランジイル−ビス(メチレン)基、2,5−チオフェンジイル−ビス(メチレン)基などのアルキレン基と2価の芳香族基の組み合わせからなる基、3−オキサペンタン−1,5−ジイル基などのアルキレン基と−O−の組み合わせからなる基、3−チアペンタン−1,5−ジイル基などのアルキレン基と−S−の組み合わせからなる基、3,3’−オキシビス(フェニル)基などの2価の芳香族基と−O−の組み合わせからなる基、3,3’−オキシビス(ベンジル)基などのアルキレン基、2価の芳香族基、−O−の組み合わせからなる基、3,3’−スルホニルビス(フェニル)基などの2価の芳香族基と−SO2−の組み合わせからなる基などが挙げられる。−(R9m−、−(R10n−が表す2価基として、好ましくはアルキレン基のみからなる2価基、2価の芳香族基のみからなる2価基、アルキレン基と2価の芳香族基の組み合わせからなる基がであり、より好ましくはアルキレン基と2価の芳香族基の組み合わせからなる基である。
−(R9m−、−(R10n−が表す2価基は同一でも異なっていてもよいが、好ましくは−(R9m−、−(R10n−が表す2価基が同一の場合である。
一般式(1)中のR11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を表す。置換されていてもよい炭化水素基としては、一般式(1)中のR1〜R8の表す置換されていてもよい炭化水素基と同じものである。
11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
1とA2の両方、および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよい。B1とB2の両方、および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。
ここに2個のR11、または2個のR12で示される基が一緒になって表す2価の炭化水素基としてはメチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基;1、2−フェニレン基、2,3−ナフチレン基等の全炭素数6〜20程度の2価の芳香族基等があげられる。
これらの2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、その例として、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられ、これらの置換基の具体的な例は前記R1〜R8で示される炭化水素基の置換基における例示と同様に例示される。
本発明のバナジル二核錯体には、電気的中性を保たせるようなカウンターイオンが共存する場合がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオン等を適宜用いることができる。
また本発明におけるバナジル二核錯体には、合成過程で使用する原料、溶媒などが配位していても良い。
一般式(1)で表されるバナジル二核錯体としては、例えば、ビス−μ−(3,3’−(1,4−ブチレン)ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(2,2’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(2,7−ナフタレンジイルビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(1,8−アントラセンジイル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3’−(2,6−ピリジル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイドなどが挙げられる。
本発明におけるバナジル二核錯体の合成法は、例えばJ. Coord. Chem., 1973, 3, 113に
記載の方法等を挙げることができる。
本発明のバナジル二核錯体は、芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させて芳香族化合物重合体を製造するための触媒として有用である。
原料の芳香族化合物としては、例えば、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジブチルベンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニル、1,5−ジメトキシナフタレン、2,3−ジメトキシナフタレン、ピロール、3−メチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3−メトキシ4−プロピルピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3−メトキシ4−プロピルチオフェンなどの芳香族化合物が挙げられる。
触媒調整の方法は特に限定されないが、好ましくは、溶媒の存在下、バナジル二核錯体に酸を加えて触媒を調整する。該触媒は、調整溶液のまま重合反応に使用してもよいし、単離したものを使用してもよい。
また、無水トリフルオロ酢酸等の脱水剤の共存下で重合をおこなってもよい。
酸化重合に使用する触媒に含まれる金属の量は、原料の芳香族化合物に対して通常は0.001〜50モル%程度であり、好ましくは 0.01〜20モル%であり、より好ましくは0.05〜10モル%である。
触媒は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
酸化剤としては、例えば、酸素、ベンゾキノン、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸などが挙げられ、好ましくは酸素である。 酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素を用いる場合はモノマーに対して、通常、0.5当量以上大過剰に使用し、酸素の分圧に関しては制限はない。酸素以外の酸化剤を用いる場合はモノマーに対して、通常、0.5〜3当量を使用する。これらの酸化剤は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
重合は、溶媒の非存在下においても実施可能であるが、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
有機溶媒の使用量は、通常、モノマーの濃度が0.1〜90重量%になるような割合で使用する。好ましい割合は1〜50重量%であり、より好ましい割合は2〜30重量%であり、さらに好ましい割合は5〜25重量%である。
酸化重合を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば、特に限定されない。好ましい温度範囲は、−50℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜150℃であり、さらに好ましくは0℃〜100℃である。
反応時間は、反応温度などの反応条件で変わるが、通常、1時間以上、好ましくは2〜500時間である。
後処理は、公知の方法に準じて行うことが可能である。例えば、メタノールなどの低級アルコールに反応溶液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥することにより、目的とするポリマーを得ることができる。
上記の後処理で得られたポリマーの純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出などの通常の方法にて精製することが可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
NMR測定は、バリアン社製INOVA300核磁気共鳴装置を用い室温で行った。
ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。ポリマーラボラトリー社製PL-GPC210システム(RI検出)により、ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED-B 3本をカラムとして、o-ジクロロベンゼン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、40℃、もしくは100℃で行った。
[実施例1]
ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
(式(1)においてm=3、n=3であり、3つのR9が順にメチレン基、1,3−フェニレン基、メチレン基であり、3つのR10が順にメチレン基、1,3−フェニレン基、メチレン基である錯体)
配位子:3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)の合成 t-ブトキシカリウム17.0g(0.15mol)をt-ブチルアルコール20mLに加え、還流下30分攪拌し、溶解させた。上記溶液に、還流下、アセチルアセトン22.9 g(0.23mol)を10分かけて滴下し、2時間攪拌した。次いで、還流下、1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン20.2g(0.08mol)を30分かけて加え、1時間攪拌した。次いで、還流下、ヨウ化カリウム3.0 g(0.02mol)を加え、4時間攪拌した。攪拌終了後、室温まで冷却し、水100mL、ジエチルエーテル100mLを加え激しく攪拌し、有機層を水層と分液した。有機層を飽和食塩水100mLで2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮によって溶媒および過剰のアセチルアセトンを除去し、淡黄色で油状の粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体を得た(収量3.5g、収率15.1%)。
1H-NMR(クロロホルム-d,ppm):2.07(s,12H)、4.42(s,4H)、6.95〜7.00(m,3H)、7.22〜7.27(m,1H)、16.80(s,1H)
13C-NMR(クロロホルム-d,ppm):23.6, 33.1, 108.5, 125.6, 127.1, 129.4, 140.5, 192.1
二核錯体:ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
上記3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)102.4mg(0.34mmol)とエタノール3.8mLからなる溶液に、硫酸バナジル三水和物74.7mg(0.34mmol)と50%エタノール水溶液3.3mLからなる溶液を、25℃で10分間かけて滴下した。25℃で4時間攪拌した後、析出した固体を濾過し、50%エタノール水溶液、ジエチルエーテルで洗浄後、40℃で減圧乾燥し、目的とする錯体を淡緑色粉末として得た(収量41.3mg、収率33%)。
元素分析 / 計算値:C(58.9%)、H(5.5%)、O(21.8%) / 測定値:C(58.7%)、H(5.7%)、O(21.1%)
FD−MS : m/z 734、367
Figure 2006045196
[実施例2]
ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
(式(1)においてm=3、n=3であり、3つのR9が順に、メチレン基、5−t−ブチル−1,3−フェニレン基、メチレン基であり、3つのR10が順に、メチレン基、5−t−ブチル−1,3−フェニレン基、メチレン基である錯体)
配位子:3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)の合成
500mL四つ口フラスコに、t−ブトキシカリウム19.6g(175mmol)、t−ブチルアルコール300mLを加え、82℃で30分攪拌し、同温度にてアセチルアセトン26.5g(262mmol)を12分かけて滴下し、2時間攪拌を続けた。次いで、81〜83℃にて1,3−ビス(ブロモメチル)−5−t−ブチルベンゼン25.0g(87.3mmol)を30分かけて加え1時間攪拌を続けた。次いで、82℃にてヨウ化カリウム3.49g(21.0mmol)を加え、3.5時間攪拌を続けた。次いで、室温まで冷却した後、ジエチルエーテル100mL、水115mLを加え抽出操作を行い、有機層を水層と分離した。得られた有機層に飽和食塩水30mLを加え攪拌し、有機層を水層と分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)21.9g(収率69%)を得た。
GC−MS m/z : 358(M+)、340、315、240、215、197
二核錯体:ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
上記3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)2.71g(7.56mmol)、トリエチルアミン1.52g(15.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド538mLからなる溶液に、硫酸バナジル三水和物1.71g(7.56mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド538mLからなる溶液を、25℃で1時間かけて滴下した。その後20−25℃で48時間攪拌した後、析出した固体を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテルで洗浄後、70℃で減圧乾燥し、目的とする錯体を緑色粉末として得た(収量2.55g、収率80%)。
元素分析 計算値:C(62.4%)、H(6.7%)、O(18.9%)
測定値:C(62.7%)、H(6.7%)、O(18.1%)
FD−MS : m/z 846、423

Figure 2006045196
[実施例3]
ビス−μ−(3,3’−(2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
(式(1)において、m=3、n=3であり、3つのR9が順に、メチレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレン基、メチレン基、であり、3つのR10が順にメチレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレン基、メチレン基である錯体)
配位子:3,3’−[2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)の合成
四つ口フラスコに、t−ブトキシカリウム6.66g(59.4mmol)、t−ブチルアルコール128mLを加え、82℃で30分攪拌し、同温度にてアセチルアセトン9.01g(89.1mmol)を12分かけて滴下し、2時間攪拌を続けた。次いで、83℃にて1,3−ビス(ブロモメチル)−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン12.8g(純度78.0%、29.7mmol)を25分かけて加え1時間攪拌を続けた。次いで、82℃にてヨウ化カリウム1.18g(7.13mmol)を加え、2時間攪拌を続けた。次いで、室温まで冷却した後、ジエチルエーテル200mL、水300mLを加え抽出操作を行い、有機層を水層と分離した。得られた有機層に飽和食塩水300mLを加え攪拌し、有機層を水層と分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより粗生成物7.2gを得た。得られた粗生成物のうち、4.66gをヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶をすることにより、3,3’−[2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)1.46g(収率20%)を得た。
GC−MS m/z : 374(M+)、331、289、269、231、189
二核錯体:ビス−μ−(3,3’−(2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
上記3,3’−[2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)82.7mg(0.22mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド2mLからなる溶液を攪拌しておき、該溶液に、硫酸バナジル三水和物50.2mg(0.22mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド2mL、水3mLからなる溶液を室温で加え、炭酸ナトリウム溶液にてpH5.0に調整し、室温で4.5時間攪拌した。析出した結晶を濾過、洗浄、減圧乾燥し、ビス−μ−(3,3‘−(2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを19.3mg(収率20%)得た。
元素分析 計算値:C(49.2%)、H(3.7%)
測定値:C(50.8%)、H(4.1%)
FD−MS : m/z 878、813、439、374
Figure 2006045196
[参考例1]
バナジル単核錯体であるバナジルビス(アセチルアセトナト) 89.4mg(0.33mmol)をニトロベンゼン1.2mL、トリフルオロ酢酸無水物1.27mL(9.0mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.149mL(1.68mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン1000mg(4.5mmol)、1-クロロ−3−ニトロベンゼン201.5mg(内部標準物質)、ニトロベンゼン3.2mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、攪拌した。攪拌を開始してから3時間後の1,4−ジブトキシベンゼンの転化率を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、52.3%であった。
[参考例2]
実施例1により得られたバナジル2核錯体であるビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 62.0mg(0.08mmol)をニトロベンゼン0.8mL、トリフルオロ酢酸無水物0.64mL(4.5mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.075mL(0.85mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン500mg(2.2mmol)、1-クロロ−3−ニトロベンゼン100.3mg(内部標準物質)、ニトロベンゼン1.6mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、攪拌した。攪拌を開始してから3時間後の1,4−ジブトキシベンゼンの転化率を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、69.3%であった。以上のように、単核錯体(参考例1)に比べ、本発明にかかる二核錯体は酸化重合の触媒として用いた際に、高い活性を示す錯体である。
[参考例3]
バナジル単核錯体であるバナジルビス(アセチルアセトナト) 22.5mg(0.085mmol)をニトロベンゼン0.34mL、トリフルオロメタンスルホン酸7μL(0.08mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4−ジブトキシベンゼン249.9mg(1.12mmol)、ニトロベンゼン0.8mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、攪拌した。攪拌を開始してから50時間後の1,4−ジブトキシベンゼンの転化率を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、6.7%であった。
[参考例4]
実施例2により得られたバナジル2核錯体であるビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 142.7mg(0.17mmol)をニトロベンゼン1.4mL、トリフルオロメタンスルホン酸30μL(0.34mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン1008mg(4.53mmol)、1-クロロ−3−ニトロベンゼン200.0mg(内部標準物質)、ニトロベンゼン3.0mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、攪拌した。攪拌を開始してから48時間後の1,4−ジブトキシベンゼンの転化率を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、31.3%であった。以上のように、単核錯体(参考例3)に比べ、本願発明にかかる二核錯体は酸化重合の触媒として用いた際に、高い活性を示す錯体である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするバナジル二核錯体。
    Figure 2006045196
    (式中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子、またはNR11を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−、または−NR12−を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表し、R9および/またはR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を表す。R11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。A1とA2の両方、および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよい。B1とB2の両方、および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。)
  2. 1、A2、A3およびA4がすべて酸素原子であり、かつ、B1、B2、B3およびB4がすべて−O−であることを特徴とする請求項1に記載のバナジル二核錯体。
  3. 9およびR10が、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、または置換されていてもよい2価の芳香族基であることを特徴とする請求項1または2に記載のバナジル二核錯体。
  4. mおよびnが、それぞれ独立に1〜5の整数を表すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバナジル二核錯体。
  5. 1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバナジル二核錯体。
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