JP2007002157A - 芳香族化合物重合体の製造方法 - Google Patents

芳香族化合物重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】芳香族化合物の酸化重合により、大量の脱水剤を用いることなく、良い収率で重合体を得ることができる芳香族化合物重合体の製法を提供する。
【解決手段】芳香族化合物を酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法において、下記Pが0.50以上であり、下記Eoが0.50[V]以上である遷移金属錯体触媒を用いる。
P=Af /Ai
(Aiは、前記触媒を含む溶液の吸収スペクトルの吸収極大における吸光度。Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液の吸収スペクトルのAiと同一の波長における吸光度)
Eo=(Epa+Epc)/2[V]
(Epaは、前記触媒を含む溶液をサイクリックボルタンメトリーにより測定したときの0.50[V]以上の電位における該触媒に含まれる遷移金属に由来する酸化側ピークポテンシャル。Epcは還元側ピークポテンシャル)
【選択図】 なし

Description

本発明は芳香族化合物重合体の製造方法に関する。
ポリアリーレン等の芳香族化合物重合体は、高分子蛍光材料、導電性高分子材料などの機能性材料として有用であり、その製造方法として、芳香族化合物を、バナジウム錯体触媒系および酸化剤の存在下、酸化重合させる方法が知られている(非特許文献1、2)。
例えば、非特許文献1には、触媒として、(N,N’−エチレンビス(サリシリデンアミナート))オキソバナジウム(IV)(VO(salen))と酸から調製された触媒を用い、ピロールを酸素存在下に重合する方法が開示されている。
Journal of Electroanalytical Chemistry 1997,438,167 Macromolecules 1996, 29, 7645
しかしながら、非特許文献1の方法に用いた触媒系を、p−ジアルコキシベンゼンの重合に適用しても殆ど重合反応が進行しなかった。
また、非特許文献2には、p−ジアルコキシベンゼンを、触媒としてバナジルアセチルアセトナト(VO(acac)2)と酸から調製された触媒を用い、さらに脱水剤として無水トリフルオロ酢酸を原料のp−ジアルコキシベンゼンに対して2当量共存させ酸素存在下重合する重合体の製造方法が開示されている。
この方法においては、脱水剤を大量に共存させない場合は、殆ど重合が進行しないという問題があった。
このように、従来の方法においては、原料の芳香族化合物の種類によっては、重合体の収率が極めて低い場合があり、またそのような原料を重合させるためには、大量の脱水剤を用いることを要し、この場合には、目的の重合体の精製が難しくなる等工業的な製造には必ずしも好ましくなかった。
本発明の目的は、芳香族化合物の酸化重合において、大量の脱水剤を用いることなく、比較的良い収率で、重合体を得ることができるような芳香族化合物重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の触媒を用いて、芳香族化合物を酸化重合することによって、大量の脱水剤を用いずに対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、芳香環に直接結合した水素原子を2個以上有する1種以上の芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法において、触媒として、遷移金属錯体からなるかまたは遷移金属錯体と活性化剤とから調製される触媒であって、該触媒の下記式(A)で定義されるパラメーターPが0.50以上であり、かつ、下記式(B)で定義されるパラメーターEoが0.50[V]以上である触媒を用いる芳香族化合物重合体の製造方法を提供するものである。

P = Af /Ai (A)

(式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について200nm以上800nm以下の紫外から近赤外の波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、最も長波長側の吸収帯の吸収極大における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について前記波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、Aiと同一の波長における吸光度を表す。)

Eo = ( Epa + Epc )/ 2 [V] (B)

(式中、Epaは、前記触媒を含む測定溶液をサイクリックボルタンメトリーにより測定したときのフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準、0.50[V]以上の電位における、該触媒に含まれる遷移金属に由来する酸化還元電位の酸化側ピークポテンシャルを示し、Epcは同様に測定したときのEpaに対応する還元側ピークポテンシャルを示す。)
本発明によれば、大量の脱水剤を用いないでも、比較的良い収率で芳香族化合物重合体を得ることができる。
本発明の製造方法に原料として用いられる芳香族化合物は、芳香環に直接結合した水素原子を2個以上有するものである。該芳香族化合物としては、例えば以下の一般式(2)で表される構造が例示される。
Figure 2007002157
(式中、Ar1、Ar2はそれぞれ独立にアリーレン基、または2価の芳香族複素環基を表し。Xは単結合、または2価の結合構造を表し、nは0以上の整数を表す。X、Ar2が複数存在する場合、それらは、それぞれ同一でも互いに異なっていてもよい。)
上記一般式(2)におけるnは0以上の整数を表す。本発明の製造方法に原料として用いられる芳香族化合物は反応性の観点から、一般式(2)におけるnは100以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、0または1であることがさらにより好ましく、0であることが特に好ましい。
ここで、2価の結合構造とは、以下の式(L-1)〜(L-25)に示すもの、および以下に示すもののうち二つ以上を組み合わせたものなどが例示される。
Figure 2007002157

Figure 2007002157
(式中、Rxはそれぞれ独立に水素原子、または、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基からなる群より選ばれる基を表す。これらの基は、さらにその炭素原子上に置換基を有していてもよい。Rxが複数存在する場合、それらは互いに結合して環を形成していてもよい。Arは2〜4価の炭素数6〜60程度の芳香族炭化水素、または、2〜4価の炭素数2〜60程度の芳香族複素環化合物を表す。)
上記のうち二つ以上を組み合わせたものとしては以下の式(LL-1)〜(LL-10)で示されるものが例示される。
Figure 2007002157
(式中、Rxは前記と同じ意味を表す。)
Xとしては単結合、式(L−2〜L−5、L−8〜L−13、L−15、L−16、L−23〜L−25、LL−1〜LL−10)で表される2価の結合構造が好ましく、単結合、式(L−2〜L−4、L−8、L−11、L−12、L−23〜L−25)で表される2価の結合構造がより好ましく、単結合、式(L−2〜L−4、L−12)で表される2価の結合構造がさらにより好ましく、単結合、式(L−2〜L−4)で表される2価の結合構造が特に好ましい。
アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。アリーレン基としては、下式1A−1〜1A−10、1B−1〜1B−7などが例示される。
Figure 2007002157
Figure 2007002157
上記式1A−1〜1A−10、1B−1〜1B−7において、Rは、それぞれ独立に、水素原子;アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基;ホルミル基、置換カルボニル基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基などの置換されていてもよいホルミル基;チオホルミル基、置換チオカルボニル基などの置換されていてもよいチオホルミル基、置換されていてもよいイミン残基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換カルボニルオキシ基などの置換されていてもよいヒドロキシ基;メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換カルボニルチオ基などの置換されていてもよいメルカプト基;アミノ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基などの置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、置換スルホニル基、置換されていてもよいシリル基、置換されていてもよいシラノール基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、ニトロ基、ジスルフィド残基、ジ置換ホスフィノ基;または一般式(2)における水素原子、もしくはXで示される結合構造との結合(以下、結合手ということがある)を表す。Rの内の2つは、結合手を表す。Raは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基;ホルミル基、置換カルボニル基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基などの置換されていてもよいホルミル基;チオホルミル基、置換チオカルボニル基などの置換されていてもよいチオホルミル基、置換されていてもよいイミン残基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換カルボニルオキシ基などの置換されていてもよいヒドロキシ基;メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換カルボニルチオ基などの置換されていてもよいメルカプト基;アミノ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基などの置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子を表す。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、チオキソ基、セレノ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
また、前記Rで表される基のうち、芳香環上で隣接した原子上に存在する基同士は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子が含まれていてもよい5〜7員環の脂肪族環、または芳香族炭化水素環を縮合環として形成してもよい。
Ar1、Ar2で表されるアリーレン基としては、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(1A−2)、アントラセン−ジイル基(1A−3)、フルオレン−ジイル基(1B−4)、インデノナフタレン−ジイル基(1B−5〜1B−7)が好ましい。
2価の芳香族複素環基とは、芳香族複素環化合物から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つものも含まれる。ここに芳香族複素環化合物とは、環式構造を有する有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ケイ素、セレンなどのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の芳香族複素環基は置換基を有していてもよい。2価の芳香族複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常2〜60程度であり、好ましくは2〜20である。また、2価の芳香族複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常2〜100程度である。2価の芳香族複素環基としては、下式2A−1〜2A−17、2B−1〜2B−14、2C−1〜2C−12、2D−1〜2D−7、2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2などが例示される。
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
上記式2A−1〜2A−17、2B−1〜2B−14、2C−1〜2C−12、2D−1〜2D−7、2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2において、RおよびRaは前記と同一の意味を表す。
また、前記Rで表される基のうち、芳香環上で隣接した原子上に存在する基同士は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子が含まれていてもよい5〜7員環の脂肪族環、芳香族複素環、または芳香族炭化水素環を縮合環として形成してもよい。
Ar1、Ar2で表される2価の芳香族複素環基としては、ヘテロ原子としてケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基(式2C−1〜2C−12)、ヘテロ原子としてケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(2D−1〜2D−7)、式(2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2)で示される縮環構造を有する複素環基が好ましい。
Rとして、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基が挙げられる。
Raとして、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、ホルミル基、置換カルボニル基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基が挙げられ、さらにより好ましくは、アルキル基が挙げられる。
Rxとして、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、アルキル基が挙げられる。
R、RaまたはRxで表される基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基(以上、式R−1);ホルミル基、置換カルボニル基(以上、式R−2)、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基(以上、式R−3)などの置換されていてもよいホルミル基(式R−2〜R−5);チオホルミル基、置換チオカルボニル基(以上、式R−6)などの置換されていてもよいチオホルミル基(式R−6〜R−9);置換されていてもよいイミン残基(式R−10〜R−13、R−26);ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基(以上、式R−14)、置換カルボニルオキシ基(式R−15)などの置換されていてもよいヒドロキシ基(式R−14〜R−17);メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基(以上式R−18)、置換カルボニルチオ基(式R−19)などの置換されていてもよいメルカプト基(式R−18〜R−21);アミノ基、置換アミノ基(以上、式R−22)、アミド基(式R−23)、酸イミド基(式R−27)などの置換されていてもよいアミノ基(式R−22〜R−25、R−27);ハロゲン原子(式R−28〜R−31);置換スルホニル基(式R−32);置換されていてもよいシリル基(式R−33);置換されていてもよいシラノール基(式R−34);スルホン酸基(式R−35);ホスホノ基(式R−36);シアノ基(式R−37);ニトロ基(式R−38);ジスルフィド残基(式R−39);ジ置換ホスフィノ基(式R−40)が例示される。
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
〔式中、R’はアルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基から選ばれる基を表し、R”は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基から選ばれる基を表す。〕
R’、R”で示されるアルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜50程度であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、ノルボルニル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、アルキル基としては炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜16であることがより好ましい。
R’、R”で示されるアリール基は、芳香族炭化水素から、芳香環上の水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、前記Ar1、Ar2で表されるアリーレン基に水素原子が1つ付加したアリール基が例示され、より具体的には、フェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基などが例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジメチル−t−ブチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、アリール基としては、フェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
R’、R”で示されるアラルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
R’、R” で示される1価の複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団であり、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、前記Ar1、Ar2で表される2価の芳香族複素環基に水素原子が1つ付加した1価の芳香族複素環基、および、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基などの脂肪族複素環基が例示される。
R’、R”で表される基がアルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基の場合、該アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基上の水素原子は前記式(R−1〜R−40)で表される基でさらに置換されていてもよい。該アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基をさらに置換する置換基としては、アルキル基で置換されていてもよいホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいチオホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいイミン残基、アルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、アルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されたスルホニル基、アルキル基で置換されていてもよいシリル基、アルキル基で置換されていてもよいシラノール基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、ニトロ基、アリールジスルフィド基、ジアリールホスフィノ基が好ましく、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基がより好ましく、アルコキシ基、アルキルチオ基がさらにより好ましい。このような更なる置換基を有するR’、R”で表される基の具体例としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノカルボニル基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノカルボニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノカルボニル基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノカルボニル基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基などのC1〜C12アルコキシ置換基を有する基などが挙げられる。ここで、C1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ドデシルオキシなどが例示される。
R’で表される基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
R”で表される基としては、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
一般式(2)で示される化合物として具体的には、前記式(1A−1〜1A−10、1B−1〜1B−7、2A−1〜2A−17、2B−1〜2B−14、2C−1〜2C−12、2D−1〜2D−7、2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2)において、Rの内の少なくとも2つは、水素原子を表すもの、および、これらの化合物から選ばれる2つ以上がXを介して結合されたものが例示される。
式(2)において結合Xを有する場合の芳香族化合物としては、例えば、以下の式(3A−1〜3A−13)が挙げられる。
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
Figure 2007002157
〔式中、R、Ra、Rxは前記と同様の意味を表す。〕
本発明において使用する芳香族化合物として、好ましくは、式(1A−1〜1A−10、1B−4〜1B−7、2C−1〜2C−12、2D−1〜2D−7、2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2、3A−1〜3A−13)で示される化合物が挙げられ、さらに好ましくは、式(1A−1〜1A−10、1B−4〜1B−7、2C−11〜2C−12、2D−1〜2D−5、2E−1〜2E−6、2F−1〜2F−2、3A−1〜3A−4、3A−11〜3A−13)が挙げられ、特に好ましくは、式(1A−1〜1A−10、1B−1〜1B−2、1B−4〜1B−7、2D−2〜2D−5、2E−1〜2E−3、2E−6、2F−1〜2F−2、3A−1〜3A−4)が挙げられる。
一般式(2)で示される化合物としてより具体的には、例えば、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジブチルベンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、1,4−ビス(エチルメルカプト)ベンゼン、4−トリメチルシリルアニソール、4−メトキシベンゼンスルホン酸、トリフェニルアミン、4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、2,6-ジエチルナフタレン、2,6-ジ-t-ブチルナフタレン、1,5-ジオクチロキシナフタレン、2,3-ジオクチロキシナフタレン、2,6-ジオクチロキシナフタレン、1,5-ビス(ブチルチオ)ナフタレン、1,4-ビス(トリメチルシリル)ナフタレン、1-スルホン酸メチルナフタレン、1-ホスホン酸メチルナフタレン、1,5-ビス(4−スルホン酸ブチルオキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェノキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチルオキシ)ナフタレン、1-ニトロ-6,7-ジオクチロキシナフタレン、2,3−ジブトキシアントラセン、2,6-ジブトキシアントラセン、9,10-ジブトキシフェナントレン、9,10-ジオクチルオキシフェナントレン、3,6-ジブトキシフェナントレン、3,6-ジオクチルオキシフェナントレン、5−ニトロベンゾ[c]フェナントレン、1−メチルピレン、2,7-ジメトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラブトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラオクチルオキシビフェニレン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニル、9,10-ジブトキシ-9,10-ジメチル-9,10-ジヒドロフェナントレン、9,10-ジメチル-9,10-ジオクチルオキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジペンチルフルオレン、9,9-ジオクチルフルオレン、4−メトキシ−7H−ベンゾ[c]フルオレン−7−オン、5−ブロモ−7H−ベンゾ[c]フルオレン、7−メチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−7−カルボン酸メチルエステル、11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン、10−t−ブチル−4,5−ジフェニル−11H−ベンゾ[b]フルオレン、10−メトキシ−7H−ジベンゾ[b,g]フルオレン−7−オン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、(Z)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、(Z)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、4−ブチルピリジン、2,2’−ビピリジル、6-メチル-フェナントリジン、6,7-ジメトキシキノキサリン、6,7-ジブトキシキノキサリン、2,3-ジメチル-6,7-ジメトキシキノキサリン、1,5-ジオクチロキシイソキノリン、8-メトキシ-4-オクチロキシキノリン、4,8-ジオクチロキシシンノリン、2,9-ジブトキシベンゾ[c]シンノリン、9,9-ジオクチル-1-アザフルオレン、9,9-ジオクチル-1,8-ジアザフルオレン、9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-(2,4,6,-トリメチルフェニル)カルバゾール、ジベンゾフラン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、5−エチル−5H−ジベンゾホスホール−5−オキシド、5−ベンジル−5H−ジベンゾホスホール、5−メチルー6(5H)−フェナンスリジノン、6,6-ジメチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6,6-ジオクチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6H-ジベンゾ[b,d]チオピラン、N-メチルピロール、N−メチル−3,4−ジメチルピロール、フラン、チオフェン、3−ヘキシルチオフェン、1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール、4−メチル−1,3−チアゾール、4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール、1,3−オキサゾール、1,3,4−オキサジアゾ−ル、4−メトキシフラノ[2,3-b]ピリジン、4−メトキシチエノ[2,3-b]ピリジン、1−メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、1-メチル-インドール、4-メトキシ-1-メチルインドール、4-ブチルベンゾフラン、2-エチル-7-メトキシベンゾフラン、5-メトキシ-2−ベンゾフランスルホン酸、2-ブチル-1-ベンゾチオフェン、5-メトキシ-1-ベンゾチオフェン、3-メトキシ-1-ベンゾセレノフェン、2-メトキシベンゾオキサゾール、2−メトキシベンゾチアゾール、2,1,3−ベンゾチアジアゾール、5,6−ジメチル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾ−ルなどが挙げられる。
中でも、好ましくは、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジブチルベンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、1,4−ビス(エチルメルカプト)ベンゼン、4−トリメチルシリルアニソール、4−メトキシベンゼンスルホン酸、トリフェニルアミン、4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、2,6-ジエチルナフタレン、2,6-ジ-t-ブチルナフタレン、1,5-ジオクチロキシナフタレン、2,3-ジオクチロキシナフタレン、2,6-ジオクチロキシナフタレン、1,5-ビス(ブチルチオ)ナフタレン、1,4-ビス(トリメチルシリル)ナフタレン、1-スルホン酸メチルナフタレン、1-ホスホン酸メチルナフタレン、1,5-ビス(4−スルホン酸ブチルオキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェノキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチルオキシ)ナフタレン、1-ニトロ-6,7-ジオクチロキシナフタレン、2,3−ジブトキシアントラセン、2,6-ジブトキシアントラセン、9,10-ジブトキシフェナントレン、9,10-ジオクチルオキシフェナントレン、3,6-ジブトキシフェナントレン、3,6-ジオクチルオキシフェナントレン、5−ニトロベンゾ[c]フェナントレン、1−メチルピレン、2,7-ジメトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラブトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラオクチルオキシビフェニレン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニル、9,10-ジブトキシ-9,10-ジメチル-9,10-ジヒドロフェナントレン、9,10-ジメチル-9,10-ジオクチルオキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジペンチルフルオレン、9,9-ジオクチルフルオレン、4−メトキシ−7H−ベンゾ[c]フルオレン−7−オン、5−ブロモ−7H−ベンゾ[c]フルオレン、7−メチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−7−カルボン酸メチルエステル、11H−ベンゾ[b]フルオレン−11−オン、10−t−ブチル−4,5−ジフェニル−11H−ベンゾ[b]フルオレン、10−メトキシ−7H−ジベンゾ[b,g]フルオレン−7−オン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、(Z)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、(Z)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-(2,4,6,-トリメチルフェニル)カルバゾール、ジベンゾフラン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、5−エチル−5H−ジベンゾホスホール−5−オキシド、5−ベンジル−5H−ジベンゾホスホール、5−メチルー6(5H)−フェナンスリジノン、6,6-ジメチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6,6-ジオクチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6H-ジベンゾ[b,d]チオピラン、2-メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール、2−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール、2,1,3−ベンゾチアジアゾール、5,6−ジメチル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾ−ルなどが挙げられる。
より好ましくは、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジブチルベンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、1,4−ビス(エチルメルカプト)ベンゼン、4−トリメチルシリルアニソール、トリフェニルアミン、4−(ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、2,6-ジエチルナフタレン、2,6-ジ-t-ブチルナフタレン、1,5-ジオクチロキシナフタレン、2,3-ジオクチロキシナフタレン、2,6-ジオクチロキシナフタレン、1,5-ビス(ブチルチオ)ナフタレン、1,4-ビス(トリメチルシリル)ナフタレン、1,5-ビス(4−スルホン酸ブチルオキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェノキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチルオキシ)ナフタレン、2,3−ジブトキシアントラセン、2,6-ジブトキシアントラセン、9,10-ジブトキシフェナントレン、9,10-ジオクチルオキシフェナントレン、3,6-ジブトキシフェナントレン、3,6-ジオクチルオキシフェナントレン、1−メチルピレン、2,7-ジメトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラブトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラオクチルオキシビフェニレン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニル、9,10-ジブトキシ-9,10-ジメチル-9,10-ジヒドロフェナントレン、9,10-ジメチル-9,10-ジオクチルオキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジペンチルフルオレン、9,9-ジオクチルフルオレン、5−ブロモ−7H−ベンゾ[c]フルオレン、7−メチル−7H−ベンゾ[c]フルオレン−7−カルボン酸メチルエステル、10−t−ブチル−4,5−ジフェニル−11H−ベンゾ[b]フルオレン、trans−スチルベン、cis−スチルベン、(Z)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニル−2,3−ブテンジニトリル、(E)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、(Z)−2,3−ジフェニルアクリロニトリル、9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-(2,4,6,-トリメチルフェニル)カルバゾール、ジベンゾフラン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、5−ベンジル−5H−ジベンゾホスホール、6,6-ジメチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6,6-ジオクチル-6H-ジベンゾ[b,d]ピラン、6H-ジベンゾ[b,d]チオピラン、2-メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール、2−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール、2,1,3−ベンゾチアジアゾール、5,6−ジメチル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、2,1,3−ベンゾオキサジアゾ−ルなどが挙げられる。
さらにより好ましくは、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、1,4−ビス(エチルメルカプト)ベンゼン、4−トリメチルシリルアニソール、トリフェニルアミン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン、1,5-ジオクチロキシナフタレン、2,3-ジオクチロキシナフタレン、2,6-ジオクチロキシナフタレン、1,5-ビス(ブチルチオ)ナフタレン、1,4-ビス(トリメチルシリル)ナフタレン、2,3−ジブトキシアントラセン、2,6-ジブトキシアントラセン、9,10-ジブトキシフェナントレン、9,10-ジオクチルオキシフェナントレン、3,6-ジブトキシフェナントレン、3,6-ジオクチルオキシフェナントレン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニルなどが挙げられる。
また、本発明の製造方法に原料として用いられる芳香族化合物としては、その化合物を含む溶液をサイクリックボルタンメトリーにより測定したときのフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準での酸化還元電位の酸化側ピークポテンシャルが、3.50[V]以下であることが好ましく、さらに好ましくは、3.00[V]以下であることが挙げられ、さらにより好ましくは、2.60[V]以下であることが挙げられ、特に好ましくは2.00[V]以下であることが挙げられる。その下限としては、特に限定されないが、0.00[V]以上であることが好ましく、0.30[V]以上であることがさらに好ましく、0.50[V]以上であることがさらにより好ましく、0.60[V]以上であることが特に好ましい。
本発明においては、原料となる芳香族化合物としては、一般式(2)で表される化合物の中から一種類を用いて単独重合を行ってもよいし、二種以上の化合物を共重合させてもよい。二種以上の化合物を共重合させる場合には、モル比は特に限定されない。また、本発明の製造方法は、原料の芳香族化合物の種類に関らず、比較的良い収率で重合体を得ることができることから、共重合に適用した場合に、その共重合組成比を制御しやすいといった利点が期待される。
本発明に使用する触媒は遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性化剤とから調製される触媒である。
本発明で使用する触媒は、下記式(A)で表されるパラメーターPが0.50以上であることを要する。
P = Af /Ai (A)

(式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について200nm以上800nm以下の紫外から近赤外の波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、最も長波長側の吸収帯の吸収極大における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について前記波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、Aiと同一の波長における吸光度を表す。)
パラメーターPは、0.55以上であることがより好ましく、0.70以上であることがさらに好ましく、0.80以上であることが特に好ましい。
次にパラメーターPの決定方法に関して説明する。
パラメーターPは、式(A)中のAiおよびAfの値を測定し、式(A)により算出される。
具体的には、不活性ガス雰囲気下、20〜30℃において、触媒(該触媒が遷移金属錯体からなる場合は該遷移金属錯体、遷移金属錯体と活性化剤からなる場合は、該遷移金属錯体および該活性化剤)を有機溶媒に溶解し、3時間攪拌することにより得られる触媒を含む溶液に関して、200nm以上800nm以下の紫外から近赤外の波長領域における吸収スペクトルを測定し、最も長波長側の吸収帯の吸収極大における吸光度を測定してその値をAiとする。(ただし、調製に使用する有機溶媒由来の吸収ピークを除く)。
ついで、該溶液中に、溶液の調製時に溶解した遷移金属錯体が有する遷移金属原子のモル数に対して1当量の水を添加し1時間攪拌した後に、同量の水を添加し1時間攪拌した後に、さらに同量の水を添加し1時間攪拌し(水添加量の合計は、溶液の調製時に溶解した遷移金属錯体が有する遷移金属原子のモル数に対して3当量となる。)、得られた溶液に関して、200nm以上800nm以下の紫外から近赤外の波長領域における吸収スペクトルを測定し、Aiの決定に用いた波長と同一の波長における吸光度を測定してその値をAfとする。(ただし、調製に使用する有機溶媒由来の吸収ピークを除く)。
触媒の溶液の調製、および吸収スペクトルの測定は不活性ガス雰囲気下、20〜30℃で行う。
触媒の吸収スペクトルは、触媒を有機溶媒に溶解して調製した溶液の吸収スペクトルから、調製に使用した有機溶媒の吸収スペクトルを減算して得られる。
吸光度Aiを測定するときの触媒溶液中には、触媒溶液の調製時に溶媒、触媒とともに混入してくる水が含まれていると考えられる。その水の量は、多過ぎると触媒の耐水性を過大評価してしまう可能性があるが、触媒に含まれる金属のモル数に対して2.5当量以下であればパラメータ(P)を正当に評価することができる。
吸収スペクトルの測定時の光路長は、1.0mmである。
触媒の溶液を調製するときの溶媒は、触媒を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されないが、好ましくはニトロベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンであり、より好ましくはニトロベンゼンである。
触媒の最大吸収ピークが溶媒由来の吸収ピークと重なりスペクトルの測定が困難である場合は、吸収の少ないジクロロメタンなどのハロゲン化溶媒を選択することが望ましい。触媒溶液は、触媒のAiの値が0.1〜1.5の範囲になるような濃度に調製する。
本発明で使用する触媒は、下記式(B)で表されるパラメーターEoが0.50[V]以上であることを要する。

Eo = ( Epa + Epc )/ 2 [V] (B)

(式中、Epaは、前記触媒を含む溶液をサイクリックボルタンメトリーにより測定したときのフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準で、0.50[V]以上の電位における、該触媒に含まれる遷移金属に由来する酸化還元電位の酸化側ピークポテンシャルを示し、Epcは同様に測定したときのEpaに対応する還元側ピークポテンシャルを示す。)
パラメーターEoはEpaおよびEpcからなる酸化還元対を表すパラメーターであるが、その値は0.60[V]以上であることが好ましく、0.70[V]以上であることがさらに好ましい。また、その上限は特に限定されないが、重合反応に用いる溶媒が酸化される電位より低いことが望ましく、3.00[V]以下であることが好ましく、2.60[V]以下であることがさらに好ましい。
本発明で使用する触媒において、該触媒に含まれる遷移金属に由来する複数の酸化還元対が存在する場合は、フェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準で0.50(V)以上となる酸化還元対のうちで最も低いものを、パラメーターEoとして採用する。前記範囲内に酸化還元対を有さない場合、0.50[V]以下で最も高い酸化還元対の電位をパラメーターEoとして採用する。パラメーターEoより高い電位を有する酸化還元対が存在する場合、その電位は0.70[V]以上であることが好ましく、0.80[V]以上であることがさらに好ましく、0.90[V]以上であることがさらにより好ましい。また、その上限は特に限定されないが、重合反応に用いる溶媒が酸化される電位より低いことが望ましく、3.00[V]以下であることが好ましく、2.60[V]以下であることがさらに好ましい。
触媒の測定溶液は、あらかじめ0.1mol/Lの支持電解質を含む溶媒を脱気したものを調製した後、該触媒に含まれる遷移金属の濃度が1〜100mmol/Lとなる量の触媒を、20〜30℃、不活性ガス雰囲気下溶解させ調製する。測定時の溶解性、測定精度の面から、遷移金属の濃度は2〜20mmol/Lとすることが好ましい。
該触媒の調製に活性化剤を用いる場合、パラメーターEoの測定時に、活性化されていない触媒に由来する酸化還元電位が測定され、活性化された触媒の酸化還元電位の測定が難しくなる場合がある。この場合は、脱水剤として無水トリフルオロ酢酸を0.01〜2.00mol/Lとなる量を触媒の測定溶液に調製時に加えてもよい。
支持電解質としては、テトラ-n-ブチルアンモニウヘキサフルオロフォスフェート、テトラ-n-ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート等の4級アンモニウム塩が用いられる。該触媒の調製に活性化剤を用いる場合は、支持電解質のカウンターイオンとして、用いる活性化剤におけるカウンターイオンと同一のカウンターイオンを有する支持電解質が好ましい。溶媒としては、支持電解質および触媒を溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、ニトロベンゼン、ニトロメタン、アセトニトリルであり、より好ましくはニトロベンゼンである。
サイクリックボルタンメトリーの測定には、触媒の酸化還元電位に対応した電位窓を有する測定系であれば特に限定されないが、好ましくは、作用極として白金電極、カウンター電極として白金電極、比較電極として銀/銀イオン電極が用いられる。電位の掃引速度は好ましくは10〜500mV/secである。測定範囲はフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準で0.00[V]以上、測定に用いた溶媒が酸化される電位以下であることが好ましい。
サイクリックボルタンメトリーの測定によって得られた電位は、触媒を構成する遷移金属錯体の替わりにフェロセンを用いて同様に調製した溶液を測定することにより得られるフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準で補正する。
遷移金属錯体としては、周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)第3〜12族の遷移金属原子、もしくは=Oのごとき基が結合した第3〜12族の遷移金属原子と、配位子からなる触媒が挙げられる。該錯体は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。本発明においては、該錯体を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
第3〜12族の遷移金属原子のうち、好ましくは第一遷移元素系列の遷移元素であり、さらに好ましくは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅であり、最も好ましくはバナジウムである。該遷移金属原子の価数は、自然界に通常存在するものを適宜選択して使用することができる。
また、配位子としては、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンがあげられる。結合に直接かかわっている原子を配位原子という。例えば、二座、四座、五座配位子はそれぞれ配位原子数が2,4,5個の配位子である。本発明において、配位原子は窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子であることが好ましい。配位子は、それ自体が中性分子であってもイオンであってもよい。
配位子の具体例としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、キノリン、2−メチルキノリン、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、カテコール、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシアセトン、2−ケトプロピオン酸、2−ケト酪酸、2−ケトプロピオン酸エチル、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、2,3−ブタンジオン、アセチルアセトン、1,1,1,5,5,5、−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,5−ジメチル−3,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメル−3,4−ヘキサンジオン、2,2,5,5−テトラメチル−3,4−ヘキサンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、2−(N−メチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−エチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−プロピルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−ブチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−フェニルイミノ)−3−ブタノン、3−(N−メチルイミノ)−3−ヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−シクロヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−プロピオン酸メチル、2−(N−メチルイミノ)−酪酸エチルサリチルアルデヒド、サリチル酸、アセト酢酸エチル、シュウ酸、マロン酸、マロン酸ジエチル、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−2−ブタノール、3−アミノ−2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−アミノ−1−シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−サリシリデンメチルアミン、N−サリシリデンエチルアミン、N−サリシリデンプロピルアミン、N−サリシリデンブチルアミン、N−サリシリデンアニリン、4−(N−メチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−エチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−プロピルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−フェニルイミノ)−2−ペンタノン、2−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸エチル、2−(N−メチルイミノ)酪酸、2−(N−メチルイミノ)プロパノール、1,2,3−トリヒドロキシプロパン、3−ホルミル−サリチル酸、ジエチレントリアミン、4−(2−ヒドロキシエチルイミノ)−2−ペンタノン、N−サリシリデン−2−ヒドロキシアニリン、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−イミダゾリルメチル)アミン、トリス(1−メチル−2−イミダゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズイミダゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズオキサゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズチアゾリルメチル)アミン、トリス(1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジメチル−1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジプロピル−1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジフェニル−1−ピラゾリルメチル)アミン、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリエタノール、ニトリロトリ−1−プロパノール、トリス(2−ピリジル−2−エチル)アミン、トリス(1−ピラゾリル−2−エチル)アミン、N−(2−メルカプトエチル)−N,N−ジエタノールアミン、N−(ジフェニルホスフィノエチル)−N,N−ジエタノールアミン、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレンテトラミン、N,N''' −ジメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N''' ,N''' −テトラメチルトリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3 −ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N’−ビス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−イミダゾリルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ベンズイミダゾリルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−メルカプトエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチレンジアミン、N,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N’−サリシリデン−1,3−プロピレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピル−N’−サリシリデン−1,3−プロピレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ジメチルアミノエチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ピリジルメチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノ−3−ベンジリデン)エチレンジアミン、1−(ジアセチルモノオキシムイミノ)−3−(ジアセチルモノオキシマトイミノ)プロパン、12−クラウン−4、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−5,7−ジオン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10−テトラチアシクロドデカン、2,3,9,10−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−1,3,8,10−テトラエン、5,7,12,14−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,6,11,13−テトラエン、ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、フタロシアニン、m−キシレンビス(アセチルアセトン)、5−t−ブチル−m−キシレンビス(アセチルアセトン)の中性分子、および該中性分子からプロトンを一つまたはそれ以上取り去って得られる陰イオン等が挙げられる。
本発明で使用する遷移金属錯体には、電気的中性を保たせるようなカウンターイオンが必要な場合がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオン等を適宜用いることができる。
また本発明の遷移金属錯体触媒には、錯体の原料の合成過程および/または酸化重合過程で、溶媒などが配位していても良い。
遷移金属錯体としては、バナジウム錯体が好ましく、その具体例としては、バナジウムトリス(アセチルアセトナト)、バナジルビス(アセチルアセトナト)、バナジルビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)、バナジルビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)等のバナジウム単核錯体;
一般式(1)で表されるバナジウム二核錯体などが挙げられ、触媒活性の点で好ましくは一般式(1)で表されるバナジウム二核錯体である。

Figure 2007002157
〔式中、L1およびL2はそれぞれ配位原子を4個以上有する配位子を表し、これらはそれぞれ、二つのバナジウム原子と、配位原子で結合している。L1とL2は互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
一般式(1)におけるL1およびL2は、配位原子数が4個以上の配位子であり、二つのバナジウム原子を橋かけするものである。
一般式(1)で表されるバナジウム二核錯体のうち、さらに好ましくは下記一般式(1−2)で表されるバナジウム二核錯体が挙げられる。
Figure 2007002157
〔式中、V1およびV2はバナジウム原子を表し、L3およびL4はそれぞれ配位原子を4個以上有する配位子を表し、これらはそれぞれ、配位原子で2つのバナジウム原子と結合し、V1に配位しているL3中の配位原子とV2に配位しているL3中の配位原子との間に介在する結合の数、およびV1に配位しているL4中の配位原子とV2に配位しているL4中の配位原子の間に介在する結合の数が全て6以上である(介在する結合数の最少数が6である)。また、L3とL4は互いに同一であっても異なっていてもよい。〕
3およびL4において、それぞれの配位子中のV1とV2に配位している配位原子間に介在する結合の最少数は、好ましくは6〜30であり、さらにより好ましくは7〜20であり、特に好ましくは8〜17である。
3およびL4の具体例としては、例えば、2,2’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビスアセト酢酸、2,2’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(3−ジメチルアミノプロパノール)、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)、3,3’−[(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオン)、2,2’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン)、3,3’−[2,7−ナフタレンジイルビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)、3,3’−[1,8−アントラセンジイルビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)、3,3’−[1,8−アントラセンジイルビス(メチレン)]ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン)、3,3’−[2,6−ピリジンジイルビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)、2,2’−[2,6−ピリジンジイルビス(メチレン)]ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン)、3,3’−[1,8−アントラセンジイルビス(メチレン)]ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−4−イミノ−2−ペンタノン)、2,2’−[2,6−ピリジンジイルビス(メチレン)]ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−4−イミノ−2−ペンタノン)などが挙げられる。
一般式(1−2)で表されるバナジウム二核錯体の具体例としては、例えば、ビス−μ−(2,2‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(3−N,N−ジメチルアミノプロピルオキシ))ジバナジウムオキサイド、および一般式(1−3)で表されるバナジウム二核錯体などが挙げられ、好ましくは一般式(1−3)で表されるバナジウム二核錯体である。
Figure 2007002157
(式中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子、またはNR11を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−、または−NR12−を表す。R1,R2,R3,R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表し、R9およびR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を表す。R11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。A1とA2の両方および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよく、B1とB2の両方および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。)
一般式(1−3)におけるR1,R2,R3,R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。
一般式(1−3)中のR1,R2,R3,R4、R5、R6、R7およびR8における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、などの全炭素数6〜60程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの全炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
該炭化水素基は、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基等の炭素数1〜50程度のアルコキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1−3)中のR1,R2,R3,R4、R5、R6、R7およびR8における炭化水素オキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などの全炭素数6〜60程度のアリ−ルオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル−1−プロピルオキシ基、1−フェニル−2−プロピルオキシ基、2−フェニル−2−プロピルオキシ基、1−フェニル−3−プロピルオキシ基、1−フェニル−4−ブチルオキシ基、1−フェニル−5−ペンチルオキシ基、1−フェニル−6−ヘキシルオキシ基などの全炭素数7〜60程度のアラルキルオキシ基が挙げられる。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。
該炭化水素オキシ基は、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルコキシ基、およびハロゲン原子としては、前記R1〜R8で示される炭化水素基の置換基におけるアルコキシ基、ハロゲン原子の例示と同じものが挙げられる。
9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表す。
一般式(1−3)中のR9およびR10におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基が挙げられる。
該アルキレン基は、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルコキシ基、およびハロゲン原子としては、前記R1〜R8で示される炭化水素基の置換基におけるアルコキシ基、ハロゲン原子の例示と同じものが挙げられる。
一般式(1−3)中のR9およびR10における置換されていてもよい2価の芳香族基は、芳香族化合物が水素原子を2個失って生じる二価の基である。
ここにおける芳香族化合物とは、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ビフェニル、ビフェニレン、フラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ジベンゾチオフェン、ピリジンなどの全炭素原子数6〜60程度の芳香族化合物が挙げられる。
該芳香族基は、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基、およびハロゲン原子としては、前記R1〜R8で示される炭化水素基の置換基におけるアルコキシ基、ハロゲン原子の例示と同じものが挙げられる。
一般式(1−3)中のmおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。mおよびnは、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。
9およびR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1−3)中のR11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を表す。置換されていてもよい炭化水素基としては、一般式(2)中のR1〜R8の表す置換されていてもよい炭化水素基と同じものである。
11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
1とA2の両方および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよく、B1とB2の両方および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。
1、A2、A3およびA4は酸素原子であることが好ましく、B1、B2、B3およびB4は−O−であることが好ましい。
ここに2個のR11、または2個のR12で示される基が一緒になって表す2価の炭化水素基としてはメチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基;1、2−フェニレン基、2,3−ナフチレン基等の全炭素数6〜20程度の2価の芳香族基等があげられる。
これらの2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、その例として、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられ、これらの置換基の具体的な例は前記R1〜R8で示される炭化水素基の置換基における例示と同様に例示される。
一般式(1−3)で表されるバナジウム二核錯体としては、例えば、ビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(2,2‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(2,7−ナフタレンジイルビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(1,8−アントラセンジイル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(2,6−ピリジル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイドなどが挙げられる。
本発明におけるバナジウム二核錯体の合成法は、例えばJ. Coord. Chem., 1973, 3, 113に記載の方法等を挙げることができる。
遷移金属錯体とともに触媒調製に活性化剤を使用する場合、活性化剤としては、酸(プロトン酸もしくはルイス酸)が挙げられる。
プロトン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硝酸、酢酸などのプロトンが挙げられ、好ましくはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸である。ルイス酸としては、例えば、トリフェニルメチルテトラフルオロボレート、塩化アルミニウム、スカンジウムトリフラートなどが挙げられ、好ましくはトリフェニルメチルテトラフルオロボレートである。
触媒調製に使用する活性化剤としての酸の使用量は、重合反応を阻害しなければ特に制限はないが、通常遷移金属錯体に対して0.1〜100.0当量を使用し、好ましくは0.5〜50.0当量、より好ましくは1〜10.0当量を使用する。
本発明で使用する触媒としては、好ましくはバナジウム錯体と活性化剤(好ましくは酸)とから調製される触媒である。
触媒調製の方法は特に限定されないが、通常、溶媒の存在下、バナジウム錯体に活性化剤を加えて触媒を調製する。該触媒は、調製溶液のまま重合反応に使用してもよいし、単離したものを使用してもよい。
遷移金属錯体がバナジウム単核錯体である場合には、活性化剤としての酸の使用量は、バナジウム単核錯体に対して2.0当量(2モル倍)を超えることが好ましく、より好ましくは2.2当量を超えることが好ましく、さらに好ましくは2.4当量を超えることが好ましい。
遷移金属錯体がバナジウム二核錯体である場合には、活性化剤としての酸の使用量は、バナジウム二核錯体に対して2.0当量を超えることが好ましく、より好ましくは2.2当量を超えることが好ましく、さらに好ましくは2.4当量を超えることが好ましい。
本発明の製造方法において、酸化重合に使用する触媒に含まれる金属の量は、原料の芳香族化合物に対して通常は0.001〜50モル%程度であり、好ましくは 0.01〜20モル%であり、より好ましくは0.05〜10モル%である。
触媒は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明においては、触媒とともに酸化剤を併用する。
併用される酸化剤としては、例えば、酸素、ベンゾキノン、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸などが挙げられ、好ましくは酸素である。 酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素を用いる場合はモノマーに対して、通常、0.5当量以上大過剰に使用し、酸素の分圧に関しては制限はない。酸素以外の酸化剤を用いる場合はモノマーとして使用する芳香族化合物に対して、通常、0.5〜3当量を使用する。これらの酸化剤は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
本発明は、溶媒の非存在下においても実施可能であるが、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
有機溶媒の使用量は、通常、モノマーの濃度が0.1〜90重量%になるような割合で使用する。好ましい割合は1〜50重量%であり、より好ましい割合は2〜30重量%であり、さらに好ましい割合は5〜25重量%である。
酸化重合を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば、特に限定されない。好ましい温度範囲は、−50℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜150℃であり、さらに好ましくは0℃〜100℃である。
反応時間は、反応温度などの反応条件で変わるが、通常、1時間以上、好ましくは2〜500時間である。
後処理は、公知の方法に準じて行うことが可能である。例えば、メタノールなどの低級アルコールに反応溶液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥することにより、目的とするポリマーを得ることができる。
上記の後処理で得られたポリマーの純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出などの通常の方法にて精製することが可能である。
本発明の方法によれば、重合中に水分が存在しても、対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できる。
本発明においては、重合を開始してから終了するまでの間の反応系中の水分の最大値(通常は、酸化重合反応終了時の反応混合物中の水分量)が、触媒に含まれる金属の1モルに対して0.01モル以上である場合にも有効である。反応溶液中の水分の最大値は、好ましくは0.05当量以上、より好ましくは0.10当量以上、さらに好ましくは0.50当量以上である。水分は、使用する原料中に含まれるもの、重合の進行に伴い発生するものに由来する。
本発明においては、脱水剤を用いなくても、対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できる。 特に脱水剤として、無水トリフルオロ酢酸に代表されるハロゲンを含有する脱水剤を大量に使用すると、ハロゲン原子またはハロゲン原子を含む基がポリマー中に導入される虞があった。本発明においては、実質的に脱水剤を用いない場合、この問題を解決しうる点で好ましい。
また、本発明において、脱水剤を用いる場合には、公知の製造方法に比べ、少ない量の脱水剤で、良い収率で、芳香族化合物重合体を得ることができる。
本発明において脱水剤を用いる場合の脱水剤としては無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アセチルなどが挙げられ、無水トリフルオロ酢酸が好ましい。
本発明の製造方法で製造される芳香族化合物重合体は、前記一般式(2)で示される化合物を原料として用いた場合、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を芳香族化合物重合体中に含む。
Figure 2007002157
(式中、Ar1、Ar2、X、nはそれぞれ前記と同一の意味を表す。)
本発明の製造方法により得られる芳香族化合物重合体は、高分子蛍光体材料、導電性高分子材料などの機能性材料として使用し得る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
吸収スペクトルの測定には、日本分光製紫外可視分光光度計V-530により、光路長1mmの石英セルを使用して25℃にて行った。
サイクリックボルタンメトリーの測定はALS製モデル600A電気化学アナライザーにより、作用極として白金電極を用い、カウンター電極として白金電極を用い、比較電極として銀/銀イオン電極を用いて、支持電解質として0.1mol/Lのテトラ-n-ブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートを含むニトロベンゼン溶液中、もしくは、0.1mol/Lのテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネートを含むニトロベンゼン溶液中、窒素雰囲気下25℃にて行った。得られた電位は同条件で測定したフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位を0[V]となるように補正して用いた(実施例中では[V vs Fc/Fc+基準]と表記する。
反応溶液中の水分量の測定は、平沼微量水分測定装置AQ-2000により、発生液としてハイドラナール(R)クーロマットAKを、対極液としてハイドラナール(R)クーロマットCG-Kを使用して行った。
ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。ポリマーラボラトリー社製PL-GPC210システム(RI検出)により、ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED-B 3本をカラムとして、o-ジクロロベンゼン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、40℃、もしくは100℃で行った。
[実施例1]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合(パラメータP:0.93、パラメーターEo:0.90)
Figure 2007002157
(1,4−ジブトキシベンゼン)酸化側ピークポテンシャル0.86(V Fc/Fc+基準)
ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 31.02mg(0.042mmol)をニトロベンゼン0.34mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.019mL(0.21mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン250.2mg(1.13mmol)、ニトロベンゼン0.79mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。攪拌を開始してから1時間後の水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は3.6mg(0.20 mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し1.2当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥しポリマー44.93mgを得た(収率18.1%)。Mn=2400、Mw=4300。
パラメーターPの決定
50 ccシュレンク管にビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを62.15mg (0.085mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.0375 mL(0.424mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの最も長波長側の吸収帯の吸収極大の波長は602nmであり、Ai = 0.87214であった。このとき、触媒溶液中に含まれる水分量は、バナジウム金属のモル数に対して2.0当量であった。
上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。波長602nmにおける吸光度より、Af = 0.81517であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターPは、0.93と決定した。
パラメーターEoの決定 :
50mLメスフラスコにテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフロオロメタンスルホネート1.96g(5mmol)、ニトロベンゼン40mLを仕込み、乾燥アルゴンガスで30分間バブリングして脱気した後に、トリフルオロメタンスルホン酸111μL(1.25mmol)、無水トリフルオロ酢酸0.71mL(5mmol)を仕込み、ニトロベンゼンでメスアップし、支持電解質溶液を調製した。この支持電解質溶液10mLに、乾燥窒素ガス雰囲気下、ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを73.5mg (0.10mmol)を加え、25℃で6hr保温した後、サイクリックボルタンメトリーを測定した。そのときのEpa=0.99 (V Fc/Fc+基準)であり、Epc=0.80 (V Fc/Fc+基準)であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターEoは0.90(V)と決定した。
この時、サイクリックボルタンメトリーの測定では、0.49(V Fc/Fc+基準)にも活性化されていない触媒に由来する酸化還元対があわせて観測された。
[実施例2]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合 (パラメータP:0.58、パラメーターEo:1.05):
バナジルアセチルアセトナト44.69mg(0.167mmol)をニトロベンゼン0.67mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.037mL(0.418mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン500.2mg(2.24mmol)、ニトロベンゼン1.51mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。攪拌終了後、水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は15.9mg(0.88mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し5.2当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥しポリマー73.8mgを得た(収率14.9%)。Mn=2500、Mw=4300。
パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管にバナジルアセチルアセトナトを44.48mg (0.168mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.0375 mL(0.424mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの最も長波長側の吸収帯の吸収極大の波長は573nmであり、Ai = 0.24052であった。
上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの波長573nmにおける吸光度より、Af = 0.13921であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターPは0.58と決定した。
パラメーターEoの決定 :
50mLメスフラスコにテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフロオロメタンスルホネート1.96g(5mmol)、ニトロベンゼン40mLを仕込み、乾燥アルゴンガスで30分間バブリングして脱気した後に、トリフルオロメタンスルホン酸111μL(1.25mmol)、無水トリフルオロ酢酸0.71mL(5mmol)を仕込み、ニトロベンゼンでメスアップし、支持電解質溶液を調製した。この支持電解質溶液10mLに、乾燥窒素ガス雰囲気下、バナジルアセチルアセトナトを26.5mg (0.10mmol)を加え、25℃で6hr保温した後、サイクリックボルタンメトリーを測定した。そのときのEpa=1.15(V Fc/Fc+基準)であり、Epc=0.95(V Fc/Fc+基準)であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターEoは1.05(V)と決定した。
この時、サイクリックボルタンメトリーの測定では、1.23(V Fc/Fc+基準)にも酸化還元対があわせて観測された。
[実施例3]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合(パラメータP:0.66、パラメーターEo:0.78)
ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 71.5mg(0.084mmol)をニトロベンゼン0.67mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.037mL(0.42mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン500.1mg(2.25mmol)、ニトロベンゼン1.48mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で48時間攪拌した。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥しポリマー63.42mgを得た(収率12.8%)。Mn=2300、Mw=4100。
パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管にビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを72.0mg (0.085mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.038 mL(0.425mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの最も長波長側の吸収帯の吸収極大の波長は614nmであり、Ai = 1.43868であった。上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの波長614nmにおける吸光度より、Af = 0.94769であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターPは、0.66と決定した。
パラメーターEoの決定 :
50mLメスフラスコにテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフロオロメタンスルホネート1.96g(5mmol)、ニトロベンゼン40mLを仕込み、乾燥アルゴンガスで30分間バブリングして脱気した後に、トリフルオロメタンスルホン酸111μL(1.25mmol)、無水トリフルオロ酢酸0.71mL(5mmol)を仕込み、ニトロベンゼンでメスアップし、支持電解質溶液を調製した。この支持電解質溶液10mLに、乾燥窒素ガス雰囲気下、ビス−μ−(3,3‘−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを42.34mg (0.05mmol)を加え、25℃で6hr保温した後、サイクリックボルタンメトリーを測定した。そのときのEpa=0.94(V Fc/Fc+基準)であり、Epc=0.62(V Fc/Fc+基準)であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターEoは0.78(V)と決定した。
この時、サイクリックボルタンメトリーの測定では、0.47(V Fc/Fc+基準)に活性化されていない触媒に由来する酸化還元対が観測され、また、1.10(V Fc/Fc+基準)という酸化還元対もあわせて観測された。
[比較例1]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合 :(パラメータP:0.36、パラメーターEo:0.56)
バナジルアセチルアセトナト22.45mg(0.088mmol)をニトロベンゼン0.34mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.007mL(0.079mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン244.9mg(1.13mmol)、ニトロベンゼン0.79mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、沈殿を濾過、洗浄、乾燥し得られたポリマーは0.7mg(収率0.3%)であった。平均分子量は測定不可能であった。
パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管にバナジルアセチルアセトナトを44.55mg (0.168mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.015 mL(0.170mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの最も長波長側の吸収帯の吸収極大の波長は573nmであり、Ai = 0.31835であった。上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの波長573nmにおける吸光度より、Af = 0.11514であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターPは、0.36と決定した。
パラメーターEoの決定 :
50mLメスフラスコにテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフロオロメタンスルホネート1.96g(5mmol)、ニトロベンゼン40mLを仕込み、乾燥アルゴンガスで30分間バブリングして脱気した後に、トリフルオロメタンスルホン酸44μL(0.50mmol)、無水トリフルオロ酢酸0.71mL(5mmol)を仕込み、ニトロベンゼンでメスアップし、支持電解質溶液を調製した。この支持電解質溶液10mLに、乾燥窒素ガス雰囲気下、バナジルアセチルアセトナトを26.5mg (0.10mmol)を加え、25℃で6hr保温した後、サイクリックボルタンメトリーを測定した。そのときのEpa=0.62(V Fc/Fc+基準)であり、Epc=0.50(V Fc/Fc+基準)であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターEoは0.56(V)と決定した。
この時、サイクリックボルタンメトリーの測定では、0.77(V Fc/Fc+基準)という酸化還元対もあわせて観測された。
[比較例2]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合 :(パラメータP:0.58、パラメーターEo:0.40)
(N,N’−エチレンビス(サリシリデンアミナート))オキソバナジウム(IV)112.93mg(0.33mmol)をニトロベンゼン1.35mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.075mL(0.84mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン1.00g(4.5mmol)、ニトロベンゼン6.0mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、40℃で48時間攪拌した。ついで、反応溶液をメタノール中に滴下し、沈殿を濾過、洗浄、乾燥し得られたポリマーは11.4mg(収率1.1%)であった。Mn=1800、Mw=2300。
パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管に(N,N’−エチレンビス(サリシリデンアミナート))オキソバナジウム(IV)を56.7mg (0.17mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.038 mL(0.425mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの最も長波長側の吸収帯の吸収極大の波長は617nmであり、Ai = 0.44624であった。上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、吸収スペクトルを測定した。そのときの波長617nmにおける吸光度より、Af = 0.23412であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターPは、0.52と決定した。
パラメーターEoの決定 :
50mLメスフラスコにテトラ-n-ブチルアンモニウムトリフロオロメタンスルホネート1.96g(5mmol)、ニトロベンゼン40mLを仕込み、乾燥アルゴンガスで30分間バブリングして脱気した後に、トリフルオロメタンスルホン酸111μL(1.25mmol)、無水トリフルオロ酢酸0.71mL(5mmol)を仕込み、ニトロベンゼンでメスアップし、支持電解質溶液を調製した。この支持電解質溶液10mLに、乾燥窒素ガス雰囲気下、(N,N’−エチレンビス(サリシリデンアミナート))オキソバナジウム(IV)を33.3mg (0.10mmol)を加え、25℃で6hr保温した後、サイクリックボルタンメトリーを測定した。そのときのEpa=0.49(V Fc/Fc+基準)であり、Epc=0.31(V Fc/Fc+基準)であった。以上の結果から、本触媒のパラメーターEoは0.40(V)と決定した。
この時、サイクリックボルタンメトリーの測定では、0.07(V Fc/Fc+基準)という酸化還元対もあわせて観測された。
[実施例4] (パラメータP:0.93、パラメーターE0:0.90、実施例1と同じ触媒)
2,8−ジオクチルオキシジベンゾフランの重合
Figure 2007002157
(2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン)酸化側ピークポテンシャル1.03(V Fc/Fc+基準)
ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 32.40mg(0.044 mmol)をニトロベンゼン0.35mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.020mL(0.23 mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン500.6 mg(1.18mmol)、ニトロベンゼン1.48 mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で100時間攪拌した。攪拌を開始してから1時間後の水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は0.74mg(0.04 mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し0.5当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた油状成分を分離、乾燥し、ポリマー53.45 mgを得た(収率10.7%)。Mn=2200、Mw=3700。
[参考例1]
ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
配位子:3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)の合成
t-ブトキシカリウム17.0g(0.15mol)をt-ブチルアルコール20mLに加え、還流下30分攪拌し、溶解させた。上記溶液に、還流下、アセチルアセトン22.9 g(0.23mol)を10分かけて滴下し、2時間攪拌した。次いで、還流下、1,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン20.2g(0.08mol)を30分かけて加え、1時間攪拌した。次いで、還流下、ヨウ化カリウム3.0 g(0.02mol)を加え、4時間攪拌した。攪拌終了後、室温まで冷却し、水100mL、ジエチルエーテル100mLを加え激しく攪拌し、有機層を水層と分液した。有機層を飽和食塩水100mLで2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮によって溶媒および過剰のアセチルアセトンを除去し、淡黄色で油状の粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体を得た(収量3.5g、収率15.1%)。
1H-NMR(クロロホルム-d,ppm):2.07(s,12H)、4.42(s,4H)、6.95〜7.00(m,3H)、7.22〜7.27(m,1H)、16.80(s,1H)
13C-NMR(クロロホルム-d,ppm):23.6, 33.1, 108.5, 125.6, 127.1, 129.4, 140.5, 192.1
ビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
上記で合成した3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)102.4mg(0.34mmol)とエタノール3.8mLからなる溶液に、硫酸バナジル三水和物74.7mg(0.34mmol)と50%エタノール水溶液3.3mLからなる溶液を、25℃で10分間かけて滴下した。25℃で4時間攪拌した後、析出した固体を濾過し、50%エタノール水溶液、ジエチルエーテルで洗浄後、40℃で減圧乾燥し、目的とする錯体を淡緑色粉末として得た(収量41.3mg、収率33%)。
元素分析 / 計算値:C(58.9%)、H(5.5%)、O(21.8%) / 測定値:C(58.7%)、H(5.7%)、O(21.1%)
FD−MS : m/z 734、367
Figure 2007002157
[参考例2]
ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
配位子:3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)の合成
500mL四つ口フラスコに、t−ブトキシカリウム19.6g(175mmol)、t−ブチルアルコール300mLを加え、82℃で30分攪拌し、同温度にてアセチルアセトン26.5g(262mmol)を12分かけて滴下し、2時間攪拌を続けた。次いで、81〜83℃にて1,3−ビス(ブロモメチル)−5−t−ブチルベンゼン25.0g(87.3mmol)を30分かけて加え1時間攪拌を続けた。次いで、82℃にてヨウ化カリウム3.49g(21.0mmol)を加え、3.5時間攪拌を続けた。次いで、室温まで冷却した後、ジエチルエーテル100mL、水115mLを加え抽出操作を行い、有機層を水層と分離した。得られた有機層に飽和食塩水30mLを加え攪拌し、有機層を水層と分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して溶媒を留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)21.9g(収率69%)を得た。
GC−MS m/z : 358(M+)、340、315、240、215、197
ビス−μ−(3,3’−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
上記で合成した3,3’−[5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)2.71g(7.56mmol)、トリエチルアミン1.52g(15.0mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド538mLからなる溶液に、硫酸バナジル三水和物1.71g(7.56mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド538mLからなる溶液を、25℃で1時間かけて滴下した。その後20−25℃で48時間攪拌した後、析出した固体を濾過し、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテルで洗浄後、70℃で減圧乾燥し、目的とする錯体を緑色粉末として得た(収量2.55g、収率80%)。
元素分析 計算値:C(62.4%)、H(6.7%)、O(18.9%)
測定値:C(62.7%)、H(6.7%)、O(18.1%)
FD−MS : m/z 846、423

Figure 2007002157

Claims (14)

  1. 芳香環に直接結合した水素を2個以上有する1種以上の芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法において、触媒として、遷移金属錯体からなるかまたは遷移金属錯体と活性化剤とから調製される触媒であって、該触媒の下記式(A)で定義されるパラメーターPが0.50以上であり、かつ、下記式(B)で定義されるパラメーターEoが0.50[V]以上である触媒を用いることを特徴とする芳香族化合物重合体の製造方法。


    P = Af /Ai (A)

    (式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について200nm以上800nm以下の紫外から近赤外の波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、最も長波長側の吸収帯の吸収極大における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について前記波長領域で得られた吸収スペクトルにおいて、Aiと同一の波長における吸光度を表す。)

    Eo = ( Epa + Epc )/ 2 [V] (B)


    (式中、Epaは、前記触媒を含む溶液をサイクリックボルタンメトリーにより測定したときのフェロセン/フェロセニウムイオンの酸化還元電位基準で、0.50[V]以上の電位における、該触媒に含まれる遷移金属に由来する酸化還元電位の酸化側ピークポテンシャルを示し、Epcは同様に測定したときのEpaに対応する還元側ピークポテンシャルを示す。)
  2. 酸化剤が酸素である請求項1記載の製造方法。
  3. 遷移金属錯体が、バナジウム錯体である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 触媒が、遷移金属錯体と活性化剤とから調製される触媒であって、該遷移金属錯体がバナジウム錯体であり、該活性化剤が酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  5. バナジウム錯体がバナジウム二核錯体であることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  6. バナジウム二核錯体が一般式(1)で表されるバナジウム二核錯体であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
    Figure 2007002157
    (式中、L1およびL2はそれぞれ配位原子を4個以上有する配位子を表し、これらはそれぞれ、二つのバナジウム原子と、配位原子で結合している。)
  7. バナジウム錯体がバナジウム単核錯体であることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  8. バナジウム錯体がバナジウム単核錯体であり、酸の量が、該バナジウム単核錯体のモル数に対して、2モル倍を超えることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  9. 酸化重合反応終了時の反応混合物中の水分量が、触媒に含まれる金属の1モルに対して0.01モル以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造される芳香族化合物重合体。
  11. 遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性化剤とから調製され、前記式(A)で定義されるパラメーターPが0.50以上であることを特徴とする触媒。
  12. 遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性化剤とから調製され、前記式(A)で定義されるパラメーターPが0.50以上であり、かつ、前記式(B)で定義されるパラメーターEoが0.50[V]以上であることを特徴とする触媒。
  13. 遷移金属錯体が下記一般式(1−3)で表されるバナジウム二核錯体であることを特徴とする、請求項11または12に記載の触媒。
    Figure 2007002157


    (式中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子、またはNR11を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−、または−NR12−を表す。R1,R2,R3,R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R9およびR10は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい2価の芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR13−を表し、R9およびR10がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。mおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。R11、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子、または置換されていてもよい炭化水素基を表す。R11、R12およびR13がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。A1とA2の両方および/または、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR11である場合、2個のR11が一緒になって2価の炭化水素基を表し、A1とA2とを、および/または、A3とA4とを結合していてもよく、B1とB2の両方および/または、B3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR12-である場合、2個のR12が一緒になって2価の炭化水素基を表し、B1とB2とを、および/または、B3とB4とを結合していてもよい。)
  14. 活性化剤が酸であり、酸の量が、上記(1−3)式で示されるバナジウム二核錯体のモル数に対して2.0モル倍を超えることを特徴とする請求項13に記載の触媒。

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