JP2006008878A - 芳香族化合物重合体の製造方法 - Google Patents

芳香族化合物重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大量の脱水剤を用いず比較的良い収率で重合体を得ることができるような芳香族化合物重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】下式(1)で示される芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法であって、触媒として、遷移金属錯体と活性剤とから調整され、下式(A)で定義されるPが0.50以上である触媒を用いる芳香族化合物重合体の製造方法。

Figure 2006008878


(式中、X1〜X6は、C−H、C−R1またはNを表し、R1は、炭化水素基等を表すが、X1〜X6のうち少なくとも二つはC−Hである。)

P = Af /Ai (A)

(式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は芳香族化合物重合体の製造方法に関する。
ポリアリーレン等の芳香族化合物重合体は、高分子蛍光材料、導電性高分子材料などの機能性材料として有用であり、その製造方法としては、遷移金属錯体触媒、脱水剤および酸化剤の存在下で、芳香族化合物を酸化重合させる方法が知られており、その例として、p−ジアルコキシベンゼンを、触媒としてバナジルアセチルアセトナトと酸から調整された触媒を用い、さらに脱水剤として無水トリフルオロ酢酸を原料のp−ジアルコキシベンゼンに対して2当量共存させ酸素存在下重合する方法(非特許文献1)が開示されている。
Macromolecules 1996, 29, 7645
上記の製造方法において脱水剤を大量に共存させない場合は、殆ど重合が進行しないという問題があった。
具体的には、上記の製造方法の典型例である、バナジルアセチルアセトナト/トリフルオロメタンスルホン酸 =1:1の触媒(後に定義する耐水性パラメータP=0.36)を用い、脱水剤を共存させずにp−ジアルコキシベンゼンの酸化重合を実施した場合、目的の重合体は殆ど得られなかった。
大量の脱水剤を用いる場合、目的の重合体の精製が難しくなる等工業的な製造には必ずしも好ましくなく、大量の脱水剤を用いず比較的良い収率で重合体を得ることができる製造方法が求められていた。
本発明の目的は、大量の脱水剤を用いず比較的良い収率で重合体を得ることができるような芳香族化合物重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、触媒として、耐水性パラメーターPがある値以上である触媒を用いて、芳香族化合物を酸化重合することによって、大量の脱水剤を用いずに対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)および(2)から選ばれる1種以上の芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法であって、触媒として、遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性剤とから調整され、下記式(A)で定義される耐水性パラメーターPが0.50以上である触媒を用いる芳香族化合物重合体の製造方法を提供するものである。

Figure 2006008878


(式中、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独立に、C−H、C−R1またはNを表し、R1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基を表し、R1が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。ただし、X1、X2、X3、X4、X5およびX6のうち少なくとも二つはC−Hである。)
Figure 2006008878


(式中、X7、X8、X9、X10、X11およびX12は、それぞれ独立に、C−H、C−R2またはNを表し、Y1は単結合、−CR3=CR4−、−CR5=N−、−N=CR6−、−N=N−、−CR7R8−CR9R10−、−O−CR11R12−、−CR13R14−O−、−CR15R16−、−NR17−、−O−、−S−または−Se−を表し、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14 、R15およびR16は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基を表し、R17は、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R2が複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。X7とX8、X8とX9、X9とX10、X11とX12の組合せが、それぞれ、共にC-R2である場合、隣接する二つのR2が環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、Y1が−CR3=CR4-である場合、R2とR4で環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、かつY1が−N=CR6-である場合、R2とR6で環を形成してもよい。二つのR2が環を形成する場合、R2とR4で環を形成する場合およびR2とR6で環を形成する場合、これらの環は置換基を有していてもよい。ただし、X7、X8、X9、X10、X11およびX12X7〜X12のうち少なくとも二つはC−Hである。)

P = Af /Ai (A)


(式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表す。)
本発明によれば、大量の脱水剤を用いないでも、比較的良い収率で芳香族化合物重合体を得ることができる。
本発明の製造方法に原料として用いられる芳香族化合物は、芳香環に結合した水素原子を2個以上有し、六員環芳香環を有する芳香族化合物であり、上記一般式(1)、(2)で示される。
一般式(1)における、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独立に、C−H、C−R1またはNを表す。
一般式(1)中のR1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基を表す。R1が複数個存在する場合、それらはには互いに同一であっても異なっていてもよい。ただし、X1、X2、X3、X4、X5およびX6のうち少なくとも二つはC−Hである。
X1〜X6がNを表す数は、好ましくは1〜2であり、より好ましくは0である。
一般式(1)のR1における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、アダマンチル基、ドデシル基、シクロドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基;フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、などの全炭素数6〜60程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの全炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
該炭化水素基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキルオキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基等の炭素数1〜50程度のアルキルオキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)中のR1における炭化水素オキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、ノルボニルオキシ基、ドデシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ドコシルオキシ基などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキルオキシ基;フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−アダマンチルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などの全炭素数6〜60程度のアリ−ルオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル−1−プロピルオキシ基、1−フェニル−2−プロピルオキシ基、2−フェニル−2−プロピルオキシ基、1−フェニル−3−プロピルオキシ基、1−フェニル−4−ブチルオキシ基、1−フェニル−5−ペンチルオキシ基、1−フェニル−6−ヘキシルオキシ基などの全炭素数7〜60程度のアラルキルオキシ基が挙げられる。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。
該炭化水素オキシ基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(1)中のR1における炭化水素チオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、ドデシルチオ基、ペンタデシルチオ基、オクタデシルチオ基、ドコシルチオ基などの全炭素数1〜50程度のアルキルチオ基が挙げられる。
該炭化水素チオ基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
該炭化水素チオ基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(1)中のR1におけるトリアルキルシリル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度のアルキル基が挙げられ、3つのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。
該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜40の置換炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜25の置換炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜18の置換炭化水素基である。
一般式(1)中のR1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物としては、例えば、m−キシレン、p−キシレン、1,3−ジブチルベンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジブトキシベンゼン、2,2‘,5,5’ −テトラメトキシビフェニル、1,4−ビス(エチルメルカプト)ベンゼン、4−トリメチルシリルアニソール、4−メトキシベンゼンスルホン酸、4−ブチルピリジンなどが挙げられる。
次に、一般式(2)で示される化合物について説明する。一般式(2)におけるX7、X8、X9、X10、X11およびX12は、それぞれ独立に、C−H、C−R2またはNを表す。ただし、X7、X8、X9、X10、X11およびX12のうち少なくとも二つはC-Hである。
X7〜X12がNを表す数は、好ましくは1〜2であり、より好ましくは0である。
Y1は単結合、−CR3=CR4−、−CR5=N−、−N=CR6−、−N=N−、−CR7R8−CR9R10−、−O−CR11R12−、−CR13R14−O−、−CR15R16−、−NR17−、−O−、−S−または−Se−を表し、一般式(2)中のR2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基を表す。これらの置換基の具体的な例は前記の通りである。R2が複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
R17は、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。これらの置換基の具体的な例は前記の通りである。
X7とX8、X8とX9、X9とX10、X11とX12の組合せが、それぞれ、共にC-R2である場合、隣接する二つのR2が環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、Y1が−CR3=CR4-である場合、R2とR4で環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、かつY1が−N=CR6-である場合、R2とR6で環を形成してもよい。
環を形成する場合は、−(CH23−、−(CH24−、または−CH=CH−CH=CH−などによって、5〜6員環を形成することが好ましい。またこれらの環は置換基を有していてもよく、その例としては置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基があげられ、これらの置換基の具体的な例は前記の通りである。
一般式(2)で示される化合物としては、例えば、1-メチル-インドール、4-メトキシ-1-メチルインドール、4-ブチルベンゾフラン、2-エチル-7-メトキシベンゾフラン、5-メトキシ-2−ベンゾフランスルホン酸、2-ブチル-1-ベンゾチオフェン、5-メトキシ-1-ベンゾチオフェン、3-メトキシ-1-ベンゾセレノフェン、4−メトキシフラノ[2,3-b]ピリジン、4−メトキシチエノ[2,3-b]ピリジン、1−メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、2-メトキシベンゾオキサゾール、2−メトキシベンゾチアゾール、2,6-ジエチルナフタレン、2,6-ジ-t-ブチルナフタレン、1,5-ジオクチロキシナフタレン、2,3-ジオクチロキシナフタレン、2,6-ジオクチロキシナフタレン、1,5-ビス(ブチルチオ)ナフタレン、1,4-ビス(トリメチルシリル)ナフタレン、1-スルホン酸メチルナフタレン、1-ホスホン酸メチルナフタレン、1,5-ビス(4−スルホン酸ブチルオキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェノキシ)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチル)ナフタレン、1-(4-ニトロフェニルメチルオキシ)ナフタレン、1-ニトロ-6,7-ジオクチロキシナフタレン、6,7-ジメトキシキノキサリン、6,7-ジブトキシキノキサリン、2,3-ジメチル-6,7-ジメトキシキノキサリン、1,5-ジオクチロキシイソキノリン、8-メトキシ-4-オクチロキシキノリン、4,8-ジオクチロキシシンノリン、2,7-ジメトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラブトキシビフェニレン、1,4,5,8-テトラオクチルオキシビフェニレン、9,9-ジメチルフルオレン、9,9-ジペンチルフルオレン、9,9-ジオクチルフルオレン、9,9-ジオクチル-1-アザフルオレン、9,9-ジオクチル-1,8-ジアザフルオレン、9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-メチルカルバゾール、3,6-ジオクチルオキシ-9-(2,4,6,-トリメチルフェニル)カルバゾール、ジベンゾフラン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾフラン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾフラン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾフラン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、2,8-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,8-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジシクロヘキシルメチルオキシジベンゾチオフェン、3,7-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、4,6-ジオクチルオキシジベンゾチオフェン、2,4,6,8-テトラオクチルオキシジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、2,3−ジブトキシアントラセン、2,6-ジブトキシアントラセン、9,10-ジブトキシフェナントレン、9,10-ジオクチルオキシフェナントレン、3,6-ジブトキシフェナントレン、3,6-ジオクチルオキシフェナントレン、9,10-ジメチル-9,10-ジブトキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、9,10-ジブトキシ-9,10-ジメチル-9,10-ジヒドロフェナントレン、9,10-ジメチル-9,10-ジオクチルオキシ-9,10-ジヒドロフェナントレン、6-メチル-フェナントリジン、6,6-ジメチル-6H-ジベンゾピラン、6,6-ジオクチル-6H-ジベンゾピラン、2,9-ジブトキシベンゾ[c]シンノリンなどが挙げられる。
本発明においては、一般式(1)および(2)で表される化合物の中から一種類を用いて単独重合を行ってもよいし、二種以上の化合物を共重合させてもよい。二種以上の化合物を共重合をさせる場合には、モル比は特に限定されない。
本発明に使用する触媒は遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性化剤とから調整される触媒である。
ここに活性化剤としては、プロトン酸もしくはルイス酸が挙げられる。
プロトン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、硝酸、酢酸などのプロトンが挙げられ、好ましくはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸である。ルイス酸としては、例えば、トリフェニルメチルテトラフルオロボレート、塩化アルミニウム、スカンジウムトリフラートなどが挙げられ、好ましくはトリフェニルメチルテトラフルオロボレートである。
遷移金属錯体としては、周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)第3〜12族の遷移金属原子、もしくは=Oのごとき基が結合した第3〜12族の遷移金属原子と、配位子からなる触媒が挙げられる。該錯体は、あらかじめ合成された錯体を用いることができるが、反応系中で錯体を形成させてもよい。本発明においては、該錯体を単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
第3〜12族の遷移金属原子のうち、好ましくは第一遷移元素系列の遷移元素であり、さらに好ましくは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅であり、最も好ましくはバナジウムである。該遷移金属原子の価数は、自然界に通常存在するものを適宜選択して使用することができる。
また、配位子としては、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子またはイオンがあげられる。結合に直接かかわっている原子を配位原子という。例えば、二座、四座、五座配位子はそれぞれ配位原子数が2,4,5個の配位子である。本発明において、配位原子は窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子であることが好ましい。配位子は、それ自体が中性分子であってもイオンであってもよい。
配位子の具体例としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、キノリン、2−メチルキノリン、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、カテコール、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシアセトン、2−ケトプロピオン酸、2−ケト酪酸、2−ケトプロピオン酸エチル、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、2,3−ブタンジオン、アセチルアセトン、1,1,1,5,5,5、−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,5−ジメチル−3,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメル−3,4−ヘキサンジオン、2,2,5,5−テトラメチル−3,4−ヘキサンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、2−(N−メチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−エチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−プロピルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−ブチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−フェニルイミノ)−3−ブタノン、3−(N−メチルイミノ)−3−ヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−シクロヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−プロピオン酸メチル、2−(N−メチルイミノ)−酪酸エチルサリチルアルデヒド、サリチル酸、アセト酢酸エチル、シュウ酸、マロン酸、マロン酸ジエチル、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−2−ブタノール、3−アミノ−2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−アミノ−1−シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−サリシリデンメチルアミン、N−サリシリデンエチルアミン、N−サリシリデンプロピルアミン、N−サリシリデンブチルアミン、N−サリシリデンアニリン、4−(N−メチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−エチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−プロピルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−フェニルイミノ)−2−ペンタノン、2−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸エチル、2−(N−メチルイミノ)酪酸、2−(N−メチルイミノ)プロパノール、1,2,3−トリヒドロキシプロパン、3−ホルミル−サリチル酸、ジエチレントリアミン、4−(2−ヒドロキシエチルイミノ)−2−ペンタノン、N−サリシリデン−2−ヒドロキシアニリン、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−イミダゾリルメチル)アミン、トリス(1−メチル−2−イミダゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズイミダゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズオキサゾリルメチル)アミン、トリス(2−ベンズチアゾリルメチル)アミン、トリス(1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジメチル−1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジプロピル−1−ピラゾリルメチル)アミン、トリス(3 ,5−ジフェニル−1−ピラゾリルメチル)アミン、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリエタノール、ニトリロトリ−1−プロパノール、トリス(2−ピリジル−2−エチル)アミン、トリス(1−ピラゾリル−2−エチル)アミン、N−(2−メルカプトエチル)−N,N−ジエタノールアミン、N−(ジフェニルホスフィノエチル)−N,N−ジエタノールアミン、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレンテトラミン、N,N''' −ジメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N''' ,N''' −テトラメチルトリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(3 −ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−エチレンジアミン二酢酸、N,N’−ビス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−イミダゾリルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ベンズイミダゾリルメチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−メルカプトエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチレンジアミン、N,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−3−オキソブチリデン)エチレンジアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N’−サリシリデン−1,3−プロピレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピル−N’−サリシリデン−1,3−プロピレンジアミン、N−3−ヒドロキシプロピル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ジメチルアミノエチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N−2−ピリジルメチル−N’−サリシリデンエチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノ−3−ベンジリデン)エチレンジアミン、1−(ジアセチルモノオキシムイミノ)−3−(ジアセチルモノオキシマトイミノ)プロパン、12−クラウン−4、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−5,7−ジオン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10−テトラチアシクロドデカン、2,3,9,10−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−1,3,8,10−テトラエン、5,7,12,14−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,6,11,13−テトラエン、ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、フタロシアニン、m−キシレンビス(アセチルアセトン)、5−t−ブチル−m−キシレンビス(アセチルアセトン)の中性分子、および該中性分子からプロトンを一つまたはそれ以上取り去って得られる陰イオン等が挙げられる。
本発明で使用する遷移金属錯体には、電気的中性を保たせるようなカウンターイオンが必要な場合がある。カウンターアニオンとしては、通常ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキサイドイオン、エトキサイドイオン等が挙げられる。カウンターカチオンとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオン等を適宜用いることができる。
また本発明の遷移金属錯体触媒には、錯体の原料、合成過程および/または酸化重合過程で、溶媒などが配位していても良い。
本発明で使用する触媒としては、好ましくはバナジウム錯体と酸から調整される触媒である。
触媒調整の方法は特に限定されないが、通常、溶媒の存在下、バナジウム錯体に酸を加えて触媒を調整する。該触媒は、調整溶液のまま重合反応に使用してもよいし、単離したものを使用してもよい。
ここで、バナジウム錯体の具体例としては、バナジウムトリス(アセチルアセトナト)、バナジルビス(アセチルアセトナト)、バナジルビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)、バナジルビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)、バナジル(N,N’−エチリデンビス(サリシリデンアミナト)、バナジルポルフィリン、バナジルフタロシアニン等のバナジウム単核錯体;
一般式(3)で表されるバナジウム二核錯体などが挙げられ、触媒活性の点で好ましくは一般式(3)で表されるバナジウム二核錯体である。

Figure 2006008878
(式中、L1およびL2は配位原子を4個以上有する配位子を表し、これらはそれぞれ、二つのバナジウム原子と、配位原子を介して結合している。L1とL2は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式(3)におけるL1およびL2は、配位原子数が4個以上の配位子であり、二つのバナジウム原子を橋かけするものである。
L1およびL2の具体例としては、例えば、2,2‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビスアセト酢酸、2,2‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(3−ジメチルアミノプロパノール)などが挙げられる。
一般式(3)で表されるバナジウム錯体の具体例としては、例えば、ビス−μ−(2,2‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2−アセトキシアセテート))ジバナジウムオキサイド、ビス−μ−(2,2‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(3−N,N−ジメチルアミノプロピルオキシ))ジバナジウムオキサイド、および一般式(4)で表されるバナジウム錯体などが挙げられ、好ましくは一般式(4)で表されるバナジウム錯体である。

Figure 2006008878

(式中、A1、A2、A3およびA4はそれぞれ独立に酸素原子またはNR27を表し、B1、B2、B3およびB4はそれぞれ独立に−O−または−NR28−を表し、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、およびR24は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R25およびR26は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR29−を表し、mおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表し、R25およびR26がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。 R27、 R28、 および R29はそれぞれ独立に、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を表す。R27、 R28、 および R29のうち複数存在するものについては、互いに同一であっても異なっていてもよい。
A1とA2の両方および、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR27である場合、2個のR27が一緒になって2価の炭化水素基を表してもよく、B1とB2の両方およびB3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR28-である場合、2個のR28が一緒になって2価の炭化水素基を表してもよい。)
一般式(4)におけるR17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、およびR24は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。
一般式(4)中のR17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、およびR24における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、などの全炭素数6〜60程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの全炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
該炭化水素基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキルオキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基等の炭素数1〜50程度のアルキルオキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(4)中のR17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、およびR24における炭化水素オキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキルオキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などの全炭素数6〜60程度のアリ−ルオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル−1−プロピルオキシ基、1−フェニル−2−プロピルオキシ基、2−フェニル−2−プロピルオキシ基、1−フェニル−3−プロピルオキシ基、1−フェニル−4−ブチルオキシ基、1−フェニル−5−ペンチルオキシ基、1−フェニル−6−ヘキシルオキシ基などの全炭素数7〜60程度のアラルキルオキシ基が挙げられる。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。
該炭化水素オキシ基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
R25およびR26は、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよい芳香族基、−O−、−S−、−SO2−、または−NR29−を表す。
一般式(4)中のR25およびR26におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基が挙げられる。
該アルキレン基は、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(4)中のR25およびR26における置換されていてもよい芳香族基は、芳香族化合物が水素原子を2個失って生じる二価の基である。ここにおける芳香族化合物とは、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ビフェニル、ビフェニレン、フラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ジベンゾチオフェン、ピリジンなどが挙げられる。
該芳香族基は、アルキル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、などの炭素数1〜50程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。
アルキルオキシ基、およびハロゲン原子としては、前記と同じものが挙げられる。
一般式(4)中のmおよびnは、それぞれ独立に1〜7の整数を表す。mおよびnは、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。
R25およびR26がそれぞれ複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(4)中のR27、 R28、 および R29は、それぞれ独立に、水素、または置換されていてもよい炭化水素基を表す。置換されていてもよい炭化水素基としては、一般式(4)中のR17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、およびR24の表す置換されていてもよい炭化水素基と同じものである。
R27、 R28、 および R29のうち複数存在するものについては、互いに同一であっても異なっていてもよい。
A1とA2の両方および、A3とA4の両方がそれぞれ、共にNR27である場合、2個のR27が一緒になって2価の炭化水素基を表してもよく、B1とB2の両方およびB3とB4の両方がそれぞれ、共に-NR28-である場合、2個のR28が一緒になって2価の炭化水素基を表してもよい。
ここに2価の炭化水素基としてはメチレン基、エチレン基、1,1−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,4−ブチレン基、2,4−ジメチル−2,4−ブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基などの全炭素原子数1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキレン基;1、2−フェニレン基、2,3−ナフチレン基等の全炭素数6〜20程度の2価の芳香族基等があげられる。
これらの2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、その例として、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられ、これらの置換基の具体的な例は前記の通りである。
一般式(4)で表されるバナジウム錯体としては、例えば、ビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(5−t−ブチル−1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(2,2‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(2,7−ナフタレンジイルビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(1,8−アントラセンジイル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイド、ビス−μ−(3,3‘−(2,6−ピリジル)ビス(4−イミノ−2−ペンタノネート−N,O))ジバナジウム(IV)オキサイドなどが挙げられる。
バナジウム錯体とともに触媒調整に活性化剤を使用する場合、活性化剤としてはプロトン酸もしくはルイス酸が好ましい。
触媒調整に使用する酸の使用量は、重合反応を阻害しなければ特に制限はないが、通常バナジウム錯体に対して0.1〜100.0当量を使用し、好ましくは0.5〜50.0当量、より好ましくは1〜10.0当量を使用する。
バナジウム錯体がバナジウム単核錯体である場合には、酸の量は、バナジウム単核錯体に対して2.0当量を超えることが好ましく、より好ましくは2.2当量を超えることが好ましく、さらに好ましくは2.4当量を超えることが好ましい。
本発明で使用する触媒は、下記式(A)で表される耐水性パラメーターPが0.50以上であることを要する。
P = Af /Ai (A)

(式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表す。)耐水性パラメータPは、0.55以上であることが好ましい。
式(A)中のAiとAfは、触媒の溶液のUV-Vis吸収スペクトルの、最大吸収波長における吸光度を測定して決定する(ただし、調整に使用する有機溶媒由来の吸収ピークを除く)。
具体的には、触媒を有機溶媒に溶解し3時間攪拌した後、UV-Vis吸収スペクトルを測定し、得られたスペクトルの最大吸収波長の吸光度をAiとする。
ついで、該溶液に、触媒に含まれる金属のモル数に対して1当量の水を添加し1時間攪拌し、次いで遷移金属錯体触媒中に含まれる金属のモル数に対して1当量の水を添加し1時間攪拌し、さらに遷移金属錯体触媒中に含まれる金属のモル数に対して1当量の水を添加し1時間攪拌した後、UV-Vis吸収スペクトルを測定し、得られたスペクトルの最大吸収波長の吸光度をAfとする。
触媒の溶液の調整、およびUV-Vis吸収スペクトルの測定は不活性ガス雰囲気下、20〜30℃で行う。
触媒のUV-Vis吸収スペクトルは、触媒を有機溶媒に溶解して調整した溶液の吸収スペクトルから、調整に使用した有機溶媒の吸収スペクトルを減算して得られる。
UV-Vis吸収スペクトルの測定時の光路長は、1.0mmである。
触媒の溶液を調整するときの溶媒は、触媒を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されないが、好ましくはニトロベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンである。
触媒の最大吸収ピークが溶媒由来の吸収ピークと重なりスペクトルの測定が困難である場合は、吸収の少ないジクロロメタンなどのハロゲン化溶媒を選択することが望ましい。触媒溶液は、触媒の最大吸収ピークの吸光度が0.1〜1.5の範囲になるような濃度に調整する。
本発明の製造方法において、酸化重合に使用する触媒に含まれる金属の量は、原料の芳香族化合物に対して通常は0.001〜50モル%程度であり、好ましくは 0.01〜20モル%であり、より好ましくは0.05〜10モル%である。
触媒は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明においては、触媒とともに酸化剤を併用する。
併用される酸化剤としては、例えば、酸素、ベンゾキノン、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸などが挙げられ、好ましくは酸素である。 酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。酸素を用いる場合はモノマーに対して、通常、0.5当量以上大過剰に使用し、酸素の分圧に関しては制限はない。酸素以外の酸化剤を用いる場合はモノマーに対して、通常、0.5〜3当量を使用する。これらの酸化剤は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
本発明は、溶媒の非存在下においても実施可能であるが、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
有機溶媒の使用量は、通常、モノマーの濃度が0.1〜90重量%になるような割合で使用する。好ましい割合は1〜50重量%であり、より好ましい割合は2〜30重量%であり、さらに好ましい割合は5〜25重量%である。
酸化重合を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば、特に限定されない。好ましい温度範囲は、−50℃〜200℃であり、より好ましくは0℃〜150℃であり、さらに好ましくは0℃〜100℃である。
反応時間は、反応温度などの反応条件で変わるが、通常、1時間以上、好ましくは2〜500時間である。
後処理は、公知の方法に準じて行うことが可能である。例えば、メタノールなどの低級アルコールに反応溶液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥することにより、目的とするポリマーを得ることができる。
上記の後処理で得られたポリマーの純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出などの通常の方法にて精製することが可能である。
本発明の方法によれば、重合中に水分が存在しても、対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できる。
本発明においては、重合を開始してから終了するまでの間の反応系中の水分の最大値、(通常は、酸化重合反応終了時の反応混合物中の水分量)が、触媒に含まれる金属の1モルに対して0.01モル以上である場合にも有効である。反応溶液中の水分の最大値は、好ましくは0.05当量以上、より好ましくは0.10当量以上、さらに好ましくは0.50当量以上である。水分は、使用する原料中に含まれるもの、重合の進行に伴い発生するものに由来する。
本発明においては、脱水剤を用いなくても、対応する芳香族化合物重合体を比較的良い収率で製造できる。 特に脱水剤として、無水トリフルオロ酢酸に代表されるハロゲンを含有する脱水剤を大量に使用すると、ハロゲン原子またはハロゲン原子を含む基がポリマー中に導入される虞があった。本発明においては、実質的に脱水剤を用いない場合、この問題を解決しうる点で好ましい。
また、本発明において、脱水剤を用いる場合には、公知の製造方法に比べ、少ない量の脱水剤で、良い収率で、芳香族化合物重合体を得ることができる。
本発明において脱水剤を用いる場合の脱水剤としては無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アセチルなどが挙げられ、無水トリフルオロ酢酸が好ましい。
本発明の製造方法で製造される芳香族化合物重合体は、下記一般式(5)または(6)で表される構造を有する。
Figure 2006008878

本発明の製造方法により得られる芳香族化合物重合体は、高分子蛍光体材料、導電性高分子材料などの機能性材料として使用し得る。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
UV-Vis吸収スペクトルの測定には、日本分光製紫外可視分光光度計V-530により、光路長1mmの石英セルを使用して25℃にて行った。
反応溶液中の水分量の測定は、平沼微量水分測定装置AQ-2000により、発生液としてハイドラナール(R)クーロマットAKを、対極液としてハイドラナール(R)クーロマットCG-Kを使用して行った。
ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。ポリマーラボラトリー社製PL-GPC210システム(RI検出)により、ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED-B 3本をカラムとして、o-ジクロロベンゼン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、40℃、もしくは100℃で行った。
[参考例1]
ビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドの合成
3,3‘−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス(2,4−ペンタンジオン)102.4mg(0.34mmol)とエタノール3.8mLからなる溶液に、硫酸バナジル三水和物74.7mg(0.34mmol)と50%エタノール水溶液3.3mLからなる溶液を、25℃で10分間かけて滴下した。25℃で4時間攪拌した後、析出した固体を濾過し、50%エタノール水溶液、ジエチルエーテルで洗浄後、40℃で減圧乾燥し、目的とする錯体を淡緑色粉末として得た(収量41.3mg、収率33%)。
元素分析 / 計算値:C(58.9%)、H(5.5%)、O(21.8%) / 測定値:C(58.7%)、H(5.7%)、O(21.1%)
FD−MS : m/z 734、367
Figure 2006008878
[実施例1]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合(耐水性パラメータ:0.93)
ビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 31.02mg(0.042mmol)をニトロベンゼン0.34mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.019mL(0.21mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン250.2mg(1.13mmol)、ニトロベンゼン0.79mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。攪拌を開始してから1時間後の水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は3.6mg(0.20 mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し1.2当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥しポリマー44.93mgを得た(収率18.1%)。Mn=2400、Mw=4300。
[参考例2]
耐水性パラメーターPの決定
50 ccシュレンク管にビス−μ−(3,3’−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイドを62.15mg (0.085mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.0375 mL(0.424mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は602nmであり、Ai = 0.87214であった。このとき、触媒溶液中に含まれる水分量は、バナジウム金属のモル数に対して2.0当量であった。
上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は602nmであり、Af = 0.81517であった。以上の結果から、本触媒の耐水性パラメーターPは、0.93と決定した。
[実施例2]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合 (耐水性パラメータ:0.58):
バナジルアセチルアセトナト44.69mg(0.167mmol)をニトロベンゼン0.67mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.037mL(0.418mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン500.2mg(2.24mmol)、ニトロベンゼン1.51mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。攪拌終了後、水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は15.9mg(0.88mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し5.2当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥しポリマー73.8mgを得た(収率14.9%)。Mn=2500、Mw=4300。
[参考例3]
耐水性パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管にバナジルアセチルアセトナトを44.48mg (0.168mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.0375 mL(0.424mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は573nmであり、Ai = 0.24052であった。
上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は577nmであり、Af = 0.13936であった。以上の結果から、本触媒の耐水性パラメーターPは0.58と決定した。
[比較例1]
1,4−ジブトキシベンゼンの重合 :(耐水性パラメータ:0.36)
VO(acac)2 22.45mg(0.088mmol)をニトロベンゼン0.34mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.007mL(0.079mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、1,4-ジブトキシベンゼン244.9mg(1.13mmol)、ニトロベンゼン0.79mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で55時間攪拌した。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、沈殿を濾過、洗浄、乾燥し得られたポリマーは0.7mg(収率0.3%)であった。平均分子量は測定不可能であった。
耐水性パラメーターPの決定 :
50 ccシュレンク管にバナジルアセチルアセトナトを44.55mg (0.168mmol)を加え、減圧下、シュレンク管を十分乾燥し、乾燥アルゴンを充填した。乾燥アルゴン雰囲気下、ニトロベンゼン40.0mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.015 mL(0.170mmol)を加え25℃で3hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は573nmであり、Ai = 0.31835であった。上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、次いで、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、さらに、上記溶液に0.003mL(0.17mmol)の水を加え25℃で1hr攪拌し、UV-Vis吸収スペクトルを測定した。そのときの最大吸収波長は575nmであり、Af = 0.11522であった。以上の結果から、本触媒の耐水性パラメーターPは、0.36と決定した。
[実施例3](耐水性パラメータ:0.93(参考例1))
2,8−ジオクチルオキシジベンゾフランの重合
ビス−μ−(3,3‘−(1,3−フェニレンビス(メチレン))ビス(2,4−ペンタンジオナト))ジバナジウム(IV)オキサイド 32.40mg(0.044 mmol)をニトロベンゼン0.35mL、トリフルオロメタンスルホン酸0.020mL(0.23 mmol)に溶解し、酸素雰囲気下、25℃で1時間攪拌した。上記反応溶液に、2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン500.6 mg(1.18mmol)、ニトロベンゼン1.48 mLからなる溶液を加え、酸素雰囲気下、25℃で100時間攪拌した。攪拌を開始してから1時間後の水分量を測定したところ、反応溶液中の水分は0.74mg(0.04 mmol)であり、触媒中に含まれる金属のモル数に対し0.5当量の水分が検出された。ついで、反応溶液を塩酸酸性メタノール中に滴下し、得られた油状成分を分離、乾燥し、ポリマー53.45 mgを得た(収率10.7%)。Mn=2200、Mw=3700。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)および(2)から選ばれる1種以上の芳香族化合物を、酸化剤の存在下、酸化重合させる芳香族化合物重合体の製造方法であって、触媒として、遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性剤とから調整され、下記式(A)で定義される耐水性パラメーターPが0.50以上である触媒を用いることを特徴とする芳香族化合物重合体の製造方法。

    Figure 2006008878


    (式中、X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、それぞれ独立に、C−H、C−R1またはNを表し、R1は、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基またはスルホン酸基を表し、R1が複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。ただし、X1、X2、X3、X4、X5およびX6のうち少なくとも二つはC−Hである。)
    Figure 2006008878


    (式中、X7、X8、X9、X10、X11およびX12は、それぞれ独立に、C−H、C−R2またはNを表し、Y1は単結合、−CR3=CR4−、−CR5=N−、−N=CR6−、−N=N−、−CR7R8−CR9R10−、−O−CR11R12−、−CR13R14−O−、−CR15R16−、−NR17−、−O−、−S−または−Se−を表し、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14 、R15およびR16は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素オキシ基、置換されていてもよい炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホスホン酸基、またはスルホン酸基を表し、R17は、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい炭化水素オキシ基を表す。R2が複数個存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。X7とX8、X8とX9、X9とX10、X11とX12の組合せが、それぞれ、共にC-R2である場合、隣接する二つのR2が環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、Y1が−CR3=CR4-である場合、R2とR4で環を形成してもよい。また、X11がC-R2で、かつY1が−N=CR6-である場合、R2とR6で環を形成してもよい。二つのR2が環を形成する場合、R2とR4で環を形成する場合およびR2とR6で環を形成する場合、これらの環はそれぞれ置換基を有していてもよい。ただし、X7、X8、X9、X10、X11およびX12のうち少なくとも二つはC−Hである。)

    P = Af /Ai (A)

    (式中、Aiは、前記触媒を含む溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表し、Afは、該溶液に、該触媒に含まれる金属のモル数に対して3当量の水を添加した溶液について得られた吸収スペクトルの最大吸収波長における吸光度を表す。)
  2. 酸化剤が酸素である請求項1記載の製造方法。
  3. 遷移金属錯体が、バナジウム錯体である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 触媒が、バナジウム錯体と酸から調整された触媒であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. バナジウム錯体がバナジウム二核錯体であることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  6. バナジウム二核錯体が一般式(3)で表されるバナジウム二核錯体であることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。

    Figure 2006008878
    (式中、L1およびL2は配位原子を4個以上有する配位子を表し、これらはそれぞれ、二つのバナジウム原子と、配位原子を介して結合している。L1とL2は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  7. バナジウム錯体がバナジウム単核錯体であることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  8. 酸の量が、バナジウム単核錯体のモル数に対して、2モル倍を超えることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 酸化重合反応終了時の反応混合物中の水分量が、触媒に含まれる金属の1モルに対して0.01モル以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により製造される芳香族化合物重合体。
  11. 遷移金属錯体からなるか、または遷移金属錯体と活性剤とから調整され、下記式(A)で定義される耐水性パラメーターPが0.50以上であることを特徴とする触媒。

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