JPH10290683A - 鰻のしぐれ煮及びその製造方法 - Google Patents

鰻のしぐれ煮及びその製造方法

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JPH10290683A
JPH10290683A JP9116130A JP11613097A JPH10290683A JP H10290683 A JPH10290683 A JP H10290683A JP 9116130 A JP9116130 A JP 9116130A JP 11613097 A JP11613097 A JP 11613097A JP H10290683 A JPH10290683 A JP H10290683A
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Japan
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eel
boiled
kelp
eels
soy
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JP9116130A
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English (en)
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Shuji Matsuoka
修司 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鰻に柔らかさとまろやかさをもたせ、更に、
魚特有の生臭さを消失させることのできる鰻のしぐれ煮
の製造方法を提供する。 【解決手段】 醤油と砂糖とを含む煮熟液に白焼きを終
えた鰻の角切りとコンブの千切りと山椒とを加えて煮詰
めた後、該煮熟液からこれらを取り上げて冷ます。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、佃煮風に仕上げる
鰻のしぐれ煮及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鰻は、一般に蒲焼きやひつまぶし等にし
て食されるが、佃煮風に煮詰めて鰻のしぐれ煮として味
わう場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鰻のしぐれ煮は、煮詰めていく段階で鰻が硬くなり、ま
た、味が単調で辛くなる傾向にあった。更に、鰻の生臭
さを消すべく山椒が加えられたりもしているが、臭みの
残っている場合があり、食するのに抵抗感をもつ者がい
た。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するもので、
鰻に柔らかさとまろやかさをもたせ、更に、魚特有の生
臭さを消失させることのできる鰻のしぐれ煮及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に係る発明の要旨は、白焼き鰻の角切りをコン
ブの千切りと一緒に醤油を中心とする煮熟液で煮詰めて
なることを特徴とする鰻のしぐれ煮にある。また、請求
項2に係る発明の要旨は、醤油と砂糖とを含む煮熟液に
白焼きを終えた鰻の角切りとコンブの千切りと山椒とを
加えて煮詰めた後、該煮熟液からこれらを取り上げて冷
ましたことを特徴とする鰻のしぐれ煮の製造方法にあ
る。
【0006】請求項1,2の発明のごとく、鰻の角切り
とコンブの千切りとを加えて煮詰めてしぐれ煮とする
と、コンブ成分が鰻に有効作用して、鰻をまろやかにし
て柔かな状態に保つ。また、コンブ成分が魚の生臭さ,
どろくささを取り除く。特に、コンブを千切りにし、鰻
を角切りにしているので、コンブのエキスが鰻に浸透し
やすくなり上記作用を促進する。更に、請求項2の発明
のように山椒を添加すると、山椒の有する消臭作用も加
わり、鰻の生臭さを消し去る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鰻のしぐれ煮
及びその製造方法について詳述する。鰻のしぐれ煮の製
造方法は、まず、煮熟液の準備と鰻を白焼きにするとこ
ろから始まる。煮熟液(出し汁)は、水に醤油,砂糖,
みりん等の調味料を加えて煮出しして造る。醤油,砂
糖,みりんは好みに合わせて水に対して適量選択され
る。具体的には、水が1リットルに対し醤油は0.5k
g〜2kg、砂糖は150g〜300g、みりんは1k
g〜3kgの範囲である。斯る範囲が製品の味をまろや
かに仕立て且つ十分煮込んでも味が濃厚にならないから
である。味を更に良くするために、必要に応じて水飴,
カラメル,ブドウ糖,酢酸,グルタミン酸ソーダ,核酸
系調味料,コハク酸ナトリウム等の調味料が加えられ
る。こうした調味料のなかでも、醤油が製品品質の向上
に重要で、たまり醤油を用いると、鰻の肉質が特に柔ら
かく保たれ一層好適となる。一方、鰻を開き、何もつけ
ずに白焼きにする。その後、白焼きを終えた鰻を角切り
にする。ここでの角切りは、一辺が1cmから2cm程
度のほぼ立方体である。
【0008】また、コンブを千切り(或いは糸状)にし
たきざみこんぶを準備する。コンブは褐藻コンブ目コン
ブ科の総称で、マコンブ,リシリコンブ,オニコンブ等
さまざまなものがあるが、コンブの種類は特に限定され
ない。本実施形態はリシリコンブを用いている。コンブ
をきざんで幅が1mm〜3mm程の千切りを造る。尚、
コンブを四角形(2cm×2cm角程度の大きさまで)
に仕立てたものも、ここでは千切りとして扱う。多少効
果が落ちるものの、本発明と同様の作用,効果を得るか
らである。勿論、前記四角形の面積を有する形状品も本
発明に係るコンブの千切りの範囲内にある。
【0009】更に、山椒を準備する。山椒は、芳香性健
胃薬の薬効をもつ漢方医薬の一つで、また、七味とうが
らしの一味としてもよく知られる香辛料でもある。ここ
での山椒は、生臭さの臭い消しと共に健胃,整腸作用に
役立っている。山椒は粉末化したものがあるが、実山椒
がより好ましい。最後に煮熟液から取り上げた時、鰻の
角切りに山椒が載った状態になり徐々に山椒の風味が鰻
に移っていくからである。粉末化したものは煮詰める段
階で煮熟液に溶け出し香り成分が飛散してしまい鰻部分
への浸透が少ない。加えて、鰻のしぐれ煮を実山椒と一
緒に食べると、実山椒がほぐれて山椒の香りが漂い、美
味しさが一段と増すからでもある。
【0010】次いで、前記煮熟液のなかに上記鰻の角切
りとコンブの千切りと山椒とを加えて煮詰めていく。鰻
の角切りとコンブの千切り(水を吸った状態)の割合
は、重量比で角切りの量1に対し千切りの量が0.05
〜0.4の範囲が好ましい。千切りの比率が0.05未
満になると、鰻に硬さや生臭さが残るからである。逆
に、千切りの比率が0.4を越えると、食べたとき、コ
ンブ味が強くなりすぎ鰻の持ち味が薄れるからである。
重量比で角切りの量1に対し千切りのより好ましい量
は、0.1〜0.3の範囲にある。この範囲がより効果
的に鰻の柔らかさを温存し且つ鰻の生臭さを消す。一
方、山椒は香辛料で、香りや食欲増進等に役立てること
から鰻の量に比べて極く少量である。前記煮熟液への鰻
の角切り及びコンブの千切りと山椒の投入量は、煮釜の
形状等によって異なる。ただ、角切り及び千切りを投入
した時、これらが煮熟液に浸る状態になるよう設定する
(浮かし煮にする)。煮熟液は一旦冷ましたものを使用
しているが、冷まさずに煮熟液をとった時の熱い状態で
そのまま続けて鰻の角切りとコンブの千切りと山椒を加
えて煮詰めていってもよい。
【0011】そうして、とろ火で2〜5時間煮込む。鰻
の角切りとコンブの千切りと山椒とを混ぜて煮込んでい
くことで、コンブのエキスが鰻の角切りに浸透し、鰻の
味にまろやかさを加え、生臭さを消失させていく。この
とき、鰻は硬くはならず、適度の柔らかさが維持された
状態になっている。斯る理由は定かでないが、コンブの
もつ成分が上記作用に有効な働きを及ぼすものと考えら
れる。想像するに、コンブやわかめなどの褐藻は粘質多
糖類を多く含み、これが好作用を及ぼすものと思われ
る。コンブの細胞間充填物質にはアルカリ抽出されるア
ルギン酸や希塩酸で抽出されるフコダイン等がある。特
に、コンブには藻体細胞壁を形成するアルギンが多く、
アルギン酸原料になっているほどである。アルギン酸
は、増粘剤としてよく知られているが、煮込んでいく過
程で硬くなってしまう鰻を一定柔らかさに保たせる働き
があると考えられる。そして、コンブの粘稠な液に含ま
れるフコダイン等の粘質多糖類が鰻の味にまろやかさを
付加していくものと想定される。更に、鰻とコンブとを
煮熟する過程で、粘質多糖類かどうか判らないがコンブ
のもつ有効成分が鰻のもつ生臭さ,どろくささを消失さ
せていくと思われる。現実に、コンブを入れない場合と
入れた場合とで比較すると、コンブを入れた場合は魚特
有の臭いが消え去っており、その違いが歴然であった。
本発明では鰻を角切りにし且つコンブを千切りにしてい
るため、共に比表面積が大きく、前記作用もとりわけ顕
著になっていると考えられる。
【0012】鰻の角切りとコンブの千切りと山椒を煮詰
めた後、ころあいをみて煮釜からこれらを取り上げる。
尚、鰻の角切り及びコンブの千切り,山椒を取り上げた
後の煮熟液は、調味料,水を補って繰り返し使用した
り、製品の表面にまぶすまぶし液に使用したりする。そ
の後、冷却工程を経て、所望の鰻のしぐれ煮を得る。こ
こでは、本発明品を鰻のしぐれ煮としているが、山椒と
一緒に煮込み、山椒の風味を味わえるようにしているこ
とから「鰻の山椒煮」と呼ぶこともできる。
【0013】このように構成した鰻のしぐれ煮及びその
製造方法は、従来、ともすれば硬くなっていた鰻の角切
り部分が柔らかくてまろやかな味をもつようになってい
るので、口あたりが良くしかも美味で、食欲増進に寄与
する。そして、コンブを入れずに煮詰めたものは硬いだ
けでなく、脆くて箸などでつまむとボロボロと落ちこぼ
れてしまう欠点があったが、コンブと一緒に煮詰めた本
発明の鰻のしぐれ煮ではそのような欠点も解消されてい
る。コンブと一緒に煮熟すると、鰻の角切り部分の煮崩
れも少ない。また、コンブの千切りと一緒に鰻の角切り
が煮込まれることによって、魚特有の生臭さ,どろくさ
さも消失する利点も有している。従って、生臭さを嫌っ
て敬遠してきた人でも本発明の鰻のしぐれ煮はおいしく
食べることができる。そして、コンブのアルギン酸,フ
コダイン等をはじめとする粘質多糖類成分と鰻の味がブ
レンドして独特の旨味を呈するようになり、味わい深い
ものになっている。加えて、栄養価の高い鰻と、野菜と
同様のビタミン含量を有し且つカリウムなどミネラル分
を多く含むコンブとを組合せ、更に、健胃,整腸作用に
役立つ山椒とがミックスして、栄養バランス満点でしか
も消化吸収され易い理想的な調理品(惣菜)に仕上がっ
ている。そして、本発明の鰻のしぐれ煮は、佃煮仕立て
であり、醤油,砂糖,みりんを中心とする煮熟液のなか
で長時間煮熟するので、煮熟液の糖分及びコンブの粘質
多糖類成分が鰻の角切りに浸透するため、水分活性が低
くなり、しかも、100℃以上の高温で長時間煮熟する
ので、鰻,コンブ等に付着していた微生物がほとんど死
滅し、製品は長期間の貯蔵に耐える長所を有する。出来
た鰻のしぐれ煮を真空パックにすれば、一層日持ちする
商品になる。
【0014】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。煮熟液の構成,鰻の角切り大きさ,コ
ンブの種類,千切り大きさ,形状等は用途に応じて適宜
選定される。
【0015】
【発明の効果】以上のごとく、本発明に係る鰻のしぐれ
煮及びその製造方法によれば、鰻の角切り部分が柔らか
くてまろやかさも加わって美味であるばかりか、栄養価
も抜群で、しかも、鰻の生臭さ,どろくささが消失して
おり極めて有益である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白焼き鰻の角切りをコンブの千切りと一
    緒に醤油を中心とする煮熟液で煮詰めてなることを特徴
    とする鰻のしぐれ煮。
  2. 【請求項2】 醤油と砂糖とを含む煮熟液に白焼きを終
    えた鰻の角切りとコンブの千切りと山椒とを加えて煮詰
    めた後、該煮熟液からこれらを取り上げて冷ましたこと
    を特徴とする鰻のしぐれ煮の製造方法。
JP9116130A 1997-04-19 1997-04-19 鰻のしぐれ煮及びその製造方法 Pending JPH10290683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100446006B1 (ko) * 2002-01-23 2004-08-25 한국식품개발연구원 다목적 장어소스 및 그의 제조방법
JP2008187898A (ja) * 2007-01-31 2008-08-21 Kazuo Koyama うなぎの保存加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100446006B1 (ko) * 2002-01-23 2004-08-25 한국식품개발연구원 다목적 장어소스 및 그의 제조방법
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