JPH1029024A - 建築用部材の連結構造及びその連結方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築用の部材同士の連結を強固にし、且つ連
結箇所の変形による狂いを防ぎ、コスト安を可能にす
る。 【解決手段】 金属製の第一の部材１に形成された嵌合
凸部５を第二の部材２に形成された嵌合孔９にその先端
５ａが突出状態に嵌合させ、突出された先端を二つ割に
して相反する方向に反り返えらせて第二の部材の表面に
圧着し、第一の部材と第二の部材とを連結する。また、
第一の部材１に打ち抜きによって嵌合凸部５を形成する
第一の工程ａと、第二の部材２に打ち抜きによって嵌合
孔９を形成する第二の工程ａと、第一の部材に形成され
た嵌合凸部を第二の部材に形成された嵌合孔にその先端
５ａが突出状態に嵌合させた後、先端を二つ割にしその
二つ割にされた先端を相反する方向に反り返らせる第三
の工程ｃと、反り返らせた先端を第二の部材の表面に圧
着させる第四の工程ｄとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は二部材の連結を強固
にするとともに、連結箇所の狂いを防ぐ建築用部材の連
結構造及びその連結方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、建築用の金属製の部材同士を連
結して建築物を形成する場合、該部材同士の連結は従来
から種々の方法によって行なわれている。例えば部材同
士をボルト、ナットから成る連結部材によって連結した
り、或いは溶接によって連結したりしすることが知られ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、前者にあっ
ては連結作業が面倒であるとともに、連結した箇所が煩
雑になり見た目の体裁が悪るかった。また、後者にあっ
ては溶接箇所が確実に溶接されているか否かの判断をす
るのが大変に難しい、溶接箇所の材質が熱により変形し
て狂いが生じる、コスト高になる等の問題点があった。

【０００４】本発明は上記問題点を解消し、特に建築用
の部材同士の連結を強固にするとともに、連結箇所の変
形による狂いを防ぎ、且つコスト安で見栄えのよい建築
用部材の連結構造及びその連結方法を提案することをそ
の課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明に係る請求項１の建築用部材の連
結構造は、建築物の一部を構成する金属製の第一の部材
と他の一部を構成する金属製の第二の部材とを連結する
連結構造であって、上記第一の部材の所定位置に形成さ
れた嵌合凸部を上記第二の部材の所定位置に形成された
嵌合孔にその先端が突出状態になるように嵌合させ、且
つ該先端を二つ割にするとともに、二つ割にされた上記
先端を相反する方向に反り返えらせて上記第二の部材の
表面に圧着させて上記第一の部材と第二の部材とを連結
したことを特徴とする。

【０００６】また、請求項２の建築用部材の連結方法
は、建築物の一部を構成する金属製の第一の部材の所定
位置に切断または打ち抜き等によって嵌合凸部を形成す
る第一の工程と、建築物の他の一部を構成する金属製の
第二の部材の所定位置に切断または打ち抜き等よって上
記嵌合凸部に対応する嵌合孔を形成する第二の工程と、
上記第一の部材に形成した嵌合凸部を上記第二の部材に
形成した嵌合孔にその先端が突出状態になるように嵌合
させた後、上記先端を二つ割にしてその二つ割にされた
先端を相反する方向に反り返らせる第三の工程と、これ
に連続して反り返らせた上記先端を上記第二の部材の表
面に圧着させる第四の工程とを有することを特徴とす
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について説明する。

【０００８】図１において、符号１、２は本発明に係る
建築用部材の連結構造が適用されて連結された金属製の
第一の部材と金属製の第二の部材とを示す。

【０００９】金属製の第一の部材１は後述する手摺部材
３を支持する支持部材として利用されるもので、上記第
一の部材１は長尺で板状を有するとともに、長手一端付
近の上面には切欠き凹部４が形成されている。そして、
該切欠き凹部４の上面には等間隔に四つの嵌合凸部５が
形成されている。

【００１０】四つの嵌合凸部５は第一の部材１に切断、
打ち抜き等の適宜手段によって切欠き凹部４を形成する
過程において、上記切欠き凹部４の上面に同時に連続し
て一体に形成される。

【００１１】次に、金属製の第二の部材２は第一の部材
１に連結されており、該第一の部材１を支持する支持部
材として利用されるもので、上記第二の部材２は板状で
平面視矩形状を有するとともに、その長手一端にはＬ字
状に折曲された折曲部７が形成されている。また、上記
第二の部材２の上面中央の長手方向には第一の部材１に
形成した切欠き凹部４に嵌合する凹部８が形成され、且
つ該凹部８の底部には上記切欠き凹部４に形成された嵌
合凸部５が嵌合される四つの嵌合孔９が穿設されてい
る。

【００１２】四つの嵌合孔９は第二の部材２の上面中央
の長手方向に打ち出し等の適宜手段によって凹部８を形
成する過程において、該凹部８の底面に切断、打ち抜き
等の適宜手段によって同時に形成される。

【００１３】第一の部材１と第二の部材２の連結にあた
っては、まず、第一の部材１の切欠き凹部４の上面に等
間隔に形成された四つの嵌合凸部５を、第二の部材２の
上面中央に形成された凹部８の底面に穿設された四つの
嵌合孔９にその先端５ａが突出状態に嵌合させる。次
に、上記先端５ａを金型等の適宜手段により切断して二
つ割にするとともに、二つ割にされた先端５ａを相反す
る方向に反り返えらせて上記第二の部材２の表面に圧着
させることによって上記第一の部材１と第二の部材２と
が強固に連結される。

【００１４】このように連結された第一の部材１と第二
の部材２とは、図４に示すように手摺を形成するのに利
用される。すなわち、第二の部材２を柱１０に固定する
とともに、第一の部材１には手摺部材３を挿嵌して該手
摺部材３を固定具１１によって上記第一の部材１に固定
すればよい。これによって手摺を構成することができ
る。

【００１５】なお、第一の部材１と第二の部材２との利
用例は必ずしも手摺に限定されるものではなく、他の例
に使用してもよい。

【００１６】上述のように建築用部材の連結構造によれ
ば、第一の部材１の切欠き凹部４の上面に形成された嵌
合凸部５を第二の部材２の上面中央の凹部８に穿設した
嵌合孔９にその先端５ａが突出するように嵌合させ、該
先端５ａを二つ割にするとともに、二つ割にされた先端
５ａを外側に反り返えらせて上記第二の部材２の表面に
圧着させた簡単な構造によって、上記第一の部材１と第
二の部材２とを強固に連結することができる。また、上
記二部材１、２の連結箇所はその連結過程において高い
熱を発生するような要素もないため、変形による狂いを
生じることがない。さらに、コストを安く押えることが
できるのに加え、上記連結部分の体裁もよい。

【００１７】次に、図５に示す工程図によって本発明に
係る建築用部材の連結方法について説明する。

【００１８】まず、第一の工程ａは長尺で板状を有する
金属製の第一の部材１の長手一端付近の上部をプレス加
工１２によって打ち抜いて切欠き凹部４を形成するとと
もに、該切欠き凹部４を形成する過程において、上記切
欠き凹部４の上面に連続して等間隔に四つの嵌合凸部５
を同時に打ち抜いて形成する。

【００１９】次に、第二の工程ｂは板状で平面視矩形状
を有する金属製の第二の部材２の長手一端をプレス加工
１３によってＬ字状に折曲して折曲部７を形成するとと
もに、上記折曲部７を形成する過程において、上記第二
の部材２の上面中央の長手方向に第一の部材１に形成し
た切欠き凹部４に嵌合する凹部８を同時に押圧して形成
する。これと同時に凹部８の底部に上記切欠き凹部４に
形成された嵌合凸部５が嵌合される四つの嵌合孔９と上
記凹部８の四隅付近に長穴１５とを打ち抜いて形成す
る。

【００２０】さらに、第三の工程ｃは第一の部材１の切
欠き凹部４の上面に等間隔に形成された四つの嵌合凸部
５を、第二の部材２の上面中央に形成された凹部８の底
面に穿設された四つの嵌合孔９にその先端５ａを突出状
態に嵌合させた後、該先端を金型１６を介してプレス１
７で押圧して二つ割にするのと同時に、二つ割にされた
先端５ａを相反する方向に反り返らせる。

【００２１】そして、第四の工程ｄは上記プレス１７で
更に反り返らせた先端５ａを上記第二の部材２の表面に
圧着させるとともに、上記第一の部材１と第二の部材２
とを強固に連結させる。なお、符号１８は第一の部材１
を受け止めるための受け部材を示す。

【００２２】上述のように建築用部材の連結方法によれ
ば、第一の部材１と第二の部材２との連結を簡単な工程
によって行なうことができる。また、連結部分を強固に
することができるのに加え、溶接と異なり熱による部材
の変形もないので上記連結部分の狂いを防ぐことができ
る。

【００２３】図６及び図７は本発明に係る建築用部材の
連結構造の他の例を示すもので、この例において金属製
の第一の部材２０は後述する柵を構成する横材２１を支
持する支持部材として利用されるもので、上記第一の部
材２０は長尺で板状を有するとともに、長手下端には等
間隔を以って二つの嵌合凸部２２が形成されている。ま
た、上記第一の部材２０の長手方向中央には所定間隔を
以って三つの貫通孔２３が穿設されている。

【００２４】二つの嵌合凸部２２は第一の部材２０に切
断、打ち抜き等の適宜手段によって形成される。また、
上記二つの嵌合凸部２２を形成する過程において三つの
貫通孔２３を同時に穿設する。なお、貫通孔２３は必ず
しも嵌合凸部２２と同時に形成する必要はなく、後から
形成してもよい。

【００２５】次に、金属製の第二の部材２５は第一の部
材２０を支持する基部材として利用されるもので、上記
第二の部材２５は板状で平面視四角形状を有するととも
に、上面中央部には矩形状の突出部２６が形成されてい
る。また、該突出部２６の周囲には等間隔を以って四つ
の長穴２７が形成されている。

【００２６】第二の部材２５の上面中央部の突出部２６
には第一の部材２０の下端に形成した二つの嵌合凸部２
２が嵌合される二つの嵌合孔２８が穿設されている。

【００２７】四つの長穴２７と二つの嵌合孔２８とは第
二の部材２の上面中央に突出部２６を打ち出し等の適宜
手段により形成する過程において、切断、打ち抜き等の
適宜手段によって同時に形成される。

【００２８】第一の部材２０と第二の部材２５の連結に
あたっては、まず、第一の部材２０の下端に形成した二
つの嵌合凸部２２を、第二の部材２５の上面中央部の突
出部２６に形成した二つの嵌合孔２８にその先端２２ａ
が突出状態に嵌合させる。次に、上記先端２２ａを金型
等の適宜手段により切断して二つ割にするとともに、二
つ割にされた先端２２ａを相反する方向に反り返えらせ
て上記第二の部材２５の表面に圧着させることによっ
て、上記第一の部材２０と第二の部材２５とが強固に連
結される。

【００２９】このように連結された第一の部材２０と第
二の部材２５とは、図８に示すように柵を構成する横材
２１の支持部材としてに利用される。すなわち、第二の
部材２５を固定具３０によって基礎３１に固定するとと
もに、第一の部材２０には手横材２１を固定具３２によ
って固定すればよい。

【００３０】なお、第一の部材１と第二の部材２との利
用例は必ずしも柵を構成する横材２１を支持する支持部
材として利用されるものに限定されるものではなく、他
の例に使用してもよい。

【００３１】上述のように建築用部材の連結構造によれ
ば、第一の部材２０の下端に形成した二つの嵌合凸部２
２を第二の部材２５の上面中央部の突出部２６に形成し
た二つの嵌合孔２８にその先端２２ａが突出状態に嵌合
させ、該先端２２ａを金型等の適宜手段により切断して
二つ割にするとともに、二つ割にされた上記先端２２ａ
を相反する方向に反り返えらせて上記第二の部材２５の
表面に圧着させた構造であるから、上記第一の部材２０
と第二の部材２５とが強固に連結される。また、連結箇
所はその連結過程において高い熱を発生するような要素
もなく、したがって、変形による狂いを生じることがな
い。さらに、コストを安く押えることができる。

【００３２】この実施例において、第一の部材２０と第
二の部材２５の連結方法は図５に示す工程と同様に行な
えばよい。

【００３３】

【発明の効果】前記構成のように、請求項１の発明によ
れば、第一の部材と第二の部材とを強固に連結すること
ができる。また、溶接を全く必要せずに連結することが
できるので、連結箇所は熱による変形がなく製品そのも
のに狂いを生じることがない。さらに、コストを安く押
えることができる。

【００３４】また、請求項２の発明によれば、第一の部
材と第二の部材との連結を簡単な方法によって確実に行
なうことができるのに加え、信頼度の高い製品を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る建築用部材の連結構造を示す分解
図

【図２】上記建築用部材の連結構造を示す斜視図

【図３】上記建築用部材の連結構造の要部断面図

【図４】上記建築用部材の連結構造によって連結された
第一の部材と第二の部材との使用状態を示す説明図

【図５】本発明に係る建築用部材の連結方法を示す工程
図

【図６】建築用部材の連結構造の他の例を示す分解図

【図７】上記建築用部材の連結構造の他の例を示す斜視
図

【図８】上記上記建築用部材の連結構造の他の例によっ
て連結された第一の部材と第二の部材との使用状態を示
す説明図

【符号の説明】

１ 第一の部材 ２ 第二の部材 ５ 嵌合凸部 ５ａ 先端 ９ 嵌合孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築物の一部を構成する金属製の第一の
   部材と他の一部を構成する金属製の第二の部材とを連結
   する連結構造であって、上記第一の部材の所定位置に形
   成された嵌合凸部を上記第二の部材の所定位置に形成さ
   れた嵌合孔にその先端が突出状態になるように嵌合さ
   せ、且つ該先端を二つ割にするとともに、二つ割にされ
   た上記先端を相反する方向に反り返えらせて上記第二の
   部材の表面に圧着させ上記第一の部材と第二の部材とを
   連結したことを特徴とする建築用部材の連結構造。
2. 【請求項２】 建築物の一部を構成する金属製の第一の
   部材の所定位置に切断または打ち抜き等によって嵌合凸
   部を形成する第一の工程と、建築物の他の一部を構成す
   る金属製の第二の部材の所定位置に切断または打ち抜き
   等よって上記嵌合凸部に対応する嵌合孔を形成する第二
   の工程と、上記第一の部材に形成した嵌合凸部を上記第
   二の部材に形成した嵌合孔にその先端が突出状態になる
   ように嵌合させた後、上記先端を二つ割にしてその二つ
   割にされた先端を相反する方向に反り返らせる第三の工
   程と、これに連続して反り返らせた上記先端を上記第二
   の部材の表面に圧着させる第四の工程とを有することを
   特徴とする建築用部材の連結方法。