JPH10287810A - 電子レンジ部品 - Google Patents

電子レンジ部品

Info

Publication number
JPH10287810A
JPH10287810A JP9366697A JP9366697A JPH10287810A JP H10287810 A JPH10287810 A JP H10287810A JP 9366697 A JP9366697 A JP 9366697A JP 9366697 A JP9366697 A JP 9366697A JP H10287810 A JPH10287810 A JP H10287810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
microwave oven
melt viscosity
aromatic
aromatic polycarbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9366697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nomura
秀夫 野村
Mitsuo Maeda
光男 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP9366697A priority Critical patent/JPH10287810A/ja
Priority to US08/979,560 priority patent/US5910560A/en
Priority to KR1019970063656A priority patent/KR100587197B1/ko
Priority to TW086117902A priority patent/TW454029B/zh
Priority to DE69720378T priority patent/DE69720378T2/de
Priority to EP97121084A priority patent/EP0845501B1/en
Publication of JPH10287810A publication Critical patent/JPH10287810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い耐熱性と機械的強度、優れた外観を有する
電子レンジ部品を提供すること。 【解決手段】下記に定義される各溶融粘度の比(ηa/
ηb)が0.5〜2.0である、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂15〜55重量%と芳香族ポリサルホン樹脂85
〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物を用いて成形
された電子レンジ部品。 ηa:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
きの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度 ηb:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
きの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジにおい
て使用する樹脂部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂の耐薬品性
を向上させたり、芳香族ポリサルホン樹脂の耐衝撃性や
成形加工時の流動性を改良する目的で、芳香族ポリカー
ボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂とを混合してな
る熱可塑性樹脂組成物が種々開示されている。たとえ
ば、特公昭45−39181号公報には、芳香族ポリサ
ルホン樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合する
ことによって、各樹脂に比べて耐薬品性や熱応力脆化性
が改良されることが開示されている。また、特公昭49
−13855号公報には、芳香族ポリサルホン樹脂およ
び芳香族ポリカーボネート樹脂からなる組成物はABS
樹脂に比べて耐熱変形性に優れることが開示されてい
る。また、特開昭54−28361号公報には、重量平
均分子量が60000より大きい芳香族ポリカーボネー
ト樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる組成物は、各
樹脂に比べて耐薬品性や荷重たわみ温度が改良されるこ
とが開示されている。また、特開昭60−51739号
公報には、特定の構造を有する芳香族ポリサルホン樹脂
と芳香族ポリカーボネート樹脂からなる組成物は機械的
性質に優れ耐薬品性が改良されることが開示されてい
る。しかしながら、上記の各組成物は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂が芳香族ポリサルホン樹脂の本来有する耐
熱性に代表される優れた物性を阻害するため満足できる
物性が得られないことが多い。また、特開昭60−51
08号公報には、芳香族ポリサルホン樹脂からなる電子
レンジ容器が開示されている。しかしながら、芳香族ポ
リサルホン樹脂単体からなる該容器は、成形加工時の流
動性が不十分であり、優れた外観を得ることが難しかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決して高い耐熱性と機械的強度、優れた外観を有
する電子レンジ部品を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、両者の溶融粘度の
比が特定範囲内となる、芳香族ポリカーボネート樹脂と
芳香族ポリサルホン樹脂を選択し、組成物とすることに
より、上記目的が達成されることを見出し本発明に到達
した。すなわち、本発明は次のとおりである。 (1)下記に定義される各溶融粘度の比(ηa/ηb)が
0.5〜2.0である、芳香族ポリカーボネート樹脂1
5〜55重量%と芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重
量%からなる熱可塑性樹脂組成物を用いて成形された電
子レンジ部品。 ηa:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
きの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度 ηb:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
きの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度 (2)上記(1)の熱可塑性樹脂組成物100重量部な
らびに数平均粒径が0.01μm〜5μmである酸化チ
タン1〜10重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を用い
て成形された電子レンジ部品。 (3)芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度の比ηa
/ηbが0.8〜1.8である上記(1)または(2)
記載の電子レンジ部品。 (4)芳香族ポリカーボネート樹脂がビスフェノールA
を少なくとも30mol%以上を用いるコポリカーボネ
ートもしくはホモポリカーボネートである上記(1)、
(2)または(3)記載の電子レンジ部品。 (5)芳香族ポリサルホン樹脂が式
【化2】 で表される繰り返し単位を80mol%以上有するもの
である上記(1)、(2)または(3)記載の電子レン
ジ部品。 (6)電子レンジ部品が、電子レンジで使用する受け皿
あるいは食品調理用容器である上記(1)、(2)、
(3)、(4)または(5)記載の部品。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂は、一般式
【0006】
【化3】 (式中、Aは原料の二価フェノールの残基である二価芳
香族基である。)で表される繰り返し単位を有する単独
重合体、共重合体およびその混合物である。このような
芳香族ポリカーボネートを製造するために用いることの
できる二価フェノールは、官能基として芳香族の炭素原
子に直接結合している2つの水酸基を含有する単核また
は多核芳香族化合物である。二価フェノールの例として
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2−(3,5,3’,5’
−テトラクロロ−4,4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−(3,5,3’,5’−テトラブロモ−
4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ハイド
ロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニルな
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、この芳香族ポリカーボネート樹脂はビスフェノー
ルAを少なくとも30mol%以上を用いるコポリカー
ボネートもしくはホモポリカーボネートであることが好
ましい。その末端構造は、各々の製法に従って決まるも
のであり、例えばOHやOC(CH33などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。さらに、本発
明で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂の340
℃、せん断速度1000/秒で測定したときの溶融粘度
は2000〜10000poiseであることが好まし
く、2000〜6000poiseであることがより好
ましい。溶融粘度が10000poiseを越える場
合、組成物の溶融粘度が高いために成形加工が困難とな
るため好ましくない。
【0007】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびスルホン結
合の三者が必須の構成単位であって、アリーレン単位が
エーテルおよびスルホン結合とともに無秩序にまたは秩
序正しく位置するポリアリーレン化合物として定義され
る。代表的な例としては、下記のような繰り返し単位を
有するものが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。
【0008】
【化4】 [(II)の化合物はランダム共重合体を含む。式中、
1は炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数
3ないし10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲ
ン原子を表し、pは0ないし4の正数である。m、nは
平均の繰り返し単位数を示しm、nは0.1から100
の正数である。同一または異なる核上の各R1は相互に
異なっていても良い。各pは相互に異なっていても良
い。]
【0009】
【化5】 (この化合物はランダム共重合体を含む。式中、R1
炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数3ない
し10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子
を表し、pは0ないし4の正数である。q、m、nは平
均の繰り返し単位数を示し、qは1〜3の正数、m、n
は0.1〜100の正数である。同一または異なる核上
の各R1は相互に異なっていてもよい。各pは相互に異
なっていてもよい。)
【0010】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂としては、(II)または(III)で表される繰り
返し単位中の(m/m+n)は0.8以上であることが
好ましい。また、(III)の構造単位中のqは1であ
ることが好ましい。これらの中でも(I)、(II)の
繰り返し構造単位を持つものが好ましく、さらに好まし
くは(I)の繰り返し構造単位を持つものである。市販
品の例としては、(I)のものは、住友化学工業株式会
社の商品名 スミカエクセルPES3600P、410
0Pなどが、(II)のものは AMOCO社の商品名
UDEL Pー1700などが挙げられるがこれらに限
定されるものではない。また、その末端構造は、各々の
樹脂の製法に従って決まるものであり、例えば、Cl、
OH,OR(Rはアルキル基を示す。)などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。本発明で用い
られる芳香族ポリサルホン樹脂の340℃、せん断速度
1000/秒で測定したときの溶融粘度は1000〜6
000poiseであることが好ましく、1000〜3
000poiseであることがより好ましい。溶融粘度
が6000poiseを越える場合、組成物の溶融粘度
が高いために成形加工が困難となるため好ましくない。
【0011】本発明で用いられる芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(a)と芳香族ポリサルホン樹脂(b)の、34
0℃、せん断速度1000/秒で測定したときの溶融粘
度の比(ηa/ηb)は0.5〜2.0であり、0.8〜
1.8であることがより好ましく、さらに好ましくは
1.0〜1.6である。ηa/ηbが0.5より小さい場
合、その組成物の耐熱性が劣るために好ましくない。
【0012】本発明で用いられる樹脂組成物に配合され
る芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量は、芳香族ポリ
サルホン樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の全重量を
基にして15〜55重量%であり、25〜45重量%で
あることがより好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂
を55重量%より多く配合すると、組成物の耐熱性が劣
るために好ましくない。本発明で用いられる酸化チタン
は、チタンの酸化物を主成分とするものであれば特に限
定されないが、二酸化チタンを主成分とするものが好ま
しい。酸化チタンの結晶形態も特に限定されないが、ル
チル型、アナターゼ型、ブルカイト型が一般的である。
この中では特にルチル型が好ましい。酸化チタンの製造
法は特に限定されないが、イルメナイトを原料として硫
酸を作用させる硫酸法、ルチル鉱等を原料とし、塩素ガ
スを作用させる塩素法等を用いることができる。また、
該酸化チタンの表面をアルミニウム、シリコン、ジルコ
ニア、亜鉛、マンガンから選ばれた1種以上の金属の化
合物で表面処理されたことを特徴とする酸化チタンは、
本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂ならびに芳
香族ポリカーボネート樹脂とのなじみが良く、優れた成
形品外観を与えるので特に好ましい。なお、酸化チタン
の表面処理の方法は特に限定されないが、各金属の水酸
化物あるいはアルミン酸ナトリウムのような複合酸化
物、複合水酸化物もしくはその水和物の水溶液等から、
中和、乾燥等の工程を経て酸化チタン表面に析出させる
方法等を用いることができる。本発明において、酸化チ
タン粒子の形状は特に限定されないが、数平均粒径が
0.01〜5μmの球状であることが好ましく、0.0
2〜1μmの球状であることがさらに好ましい。酸化チ
タンの粒径が5μmよりも大きいと酸化チタン自身の硬
度が高いため、造粒機のスクリュウ、成形機の金型を摩
耗するため好ましくない。また、表面処理された酸化チ
タンの粒径が0.01μmよりも小さいと造粒時にスト
ランドが切れ易くなり、安定的に生産を行えなくなるた
め好ましくない。ここでいう数平均粒径は、レーザー散
乱法により測定される累積粒度分布を基に算出されるも
のであり、測定装置の例としてはマスターサイザー(マ
ルバーン社製)が挙げられる。本発明において、酸化チ
タンを添加する場合、熱可塑性樹脂組成物100重量部
に対する酸化チタンの添加割合は、0.5〜20重量部
であり、好ましくは1〜10重量部である。酸化チタン
の添加量が20重量部よりも多いと造粒時にスクリュウ
への噛み込み性が悪くなるとともに、成形加工時の可塑
化が不安定になるため好ましくない。
【0013】本発明においては、必要に応じてガラス繊
維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカーなどの繊維状あるいは針状
の補強剤、タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズなど
の無機充填剤、フッ素樹脂などや金属石鹸類などの離型
改良材、染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤などの通常
の添加剤を1種以上添加することができる。また、少量
の熱可塑性樹脂、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、メ
タクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン
エーテルおよびその変成物、ポリエーテルイミドなど、
少量の熱硬化性樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリ
イミド樹脂などや、少量のゴム成分などの一種または二
種以上を添加することもできる。本発明で用いられる樹
脂組成物を得るための原材料の配合手段は特に限定され
ない。芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリサルホ
ン樹脂、必要に応じてガラス繊維などの補強材や無機充
填材、離型改良剤、熱安定剤などをヘンシェルミキサ
ー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて
溶融混練することが一般的である。そのときの溶融混練
法としては、すべての原材料を一括して混合した後で押
出機へフィードしてもかまわないし、必要に応じてガラ
ス繊維などの補強材や無機充填材などの原材料を、樹脂
を主体とする原材料とは別にフィードしてもかまわな
い。本発明の電子レンジ部品とは、電子レンジで用いら
れる受け皿おとび受け皿上で調理するための容器、軸受
け、回転ギア等の部品をいうが、電子レンジで用いられ
るものであれば、これらに限定されるものではない。本
発明で用いられる樹脂組成物は、特に電子レンジで用い
られる受け皿あるいは食品調理用容器に好適である。本
発明の電子レンジ部品を得るための成形方法は特に限定
されない。樹脂を溶融し賦形、固化せしめる方法として
は押出成形、射出成形、ブロー成形などが挙げられる
が、この中では特に射出成形が好ましく用いられる。ま
た、押出成形された成形品を、切削やプレスによって加
工しても良い。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、実施例中の溶融
粘度、引張強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、荷
重たわみ温度ならびに電子レンジによる耐熱テストは、
次の方法で行った。 (1)溶融粘度:本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いる
芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂
の溶融粘度は、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1
Bにより、内径1mm、長さ10mmのオリフィスを用
いて、340℃、せん断速度1000/秒の条件下にお
いて測定した。 (2)引張強度:本発明の熱可塑性樹脂組成物から、射
出成形機を用いてASTM 4号ダンベルを成形し、A
STM D638に準拠して測定した。 (3)曲げ弾性率:本発明の熱可塑性樹脂組成物から、
射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、
厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D790
に準拠して測定した。 (4)アイゾット衝撃強度:曲げ弾性率測定用試験片
(長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mm)
を成形し、これを2等分してアイゾット衝撃強度測定用
の試験片とし、ASTM D−256に準拠して測定し
た。(5)荷重たわみ温度:本発明の熱可塑性樹脂組成
物から、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.
7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM
D648に準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定し
た。 (6)電子レンジによる耐熱テスト 縦幅147mm、横幅103mm、高さ30mm、厚み
1.5mmの角形容器を成形し、これにサラダオイル
(日清製油製)を50g入れ、電子レンジ(シャープ製
RE−HU0型、出力65W)により10分間マイクロ
波を照射した後の容器の変形を調べた。底面の変形量が
5mm以上の高さあるものを「変形」、5mm未満であ
るが、がたつきが生じているものを「わずかに変形」と
評価した。
【0015】実施例1〜6、比較例1,2 芳香族ポリカーボネート樹脂(住友ダウ株式会社製、商
品名カリバー)と芳香族ポリサルホン樹脂(住友化学工
業株式会社製、商品名スミカエクセルPES)、必要に
応じ平均粒径が0.2μmの酸化チタン粒子であるCR
−60(石原産業(株)製)を表1に示す組成でヘンシ
ェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、
商品名PCM−30)を用いてシリンダー温度340℃
で造粒し、熱可塑性樹脂組成物を得た。なお、それぞれ
の樹脂の溶融粘度は上記の方法で測定した。この熱可塑
性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商
品名PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度35
0℃、金型温度120℃で上記のように試験片を成形
し、引張強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、荷重
たわみ温度の測定を行い、結果を表1に示した。
【0016】
【表1】 本発明の溶融粘度の比が0.5〜2.0である芳香族ポ
リカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる
熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜6)は、溶融粘度の比
が0.5〜2.0にない組成物(比較例1)に比べて荷
重たわみ温度が高いことがわかる。また、溶融粘度の比
が0.5〜2.0であっても芳香族ポリカーボネート樹
脂の配合量が55重量%を越えるもの(比較例2)は、
配合量が15〜55重量%内のもの(実施例1、2)に
比べて荷重たわみ温度が低いことがわかる。また、荷重
たわみ温度が低い比較例1、2の組成物から成形された
容器は、前述の方法の電子レンジ試験においてもわずか
に変形を生じ、実用上不都合を生じるものであった。実
施例1〜6の組成物から成形された容器は、いずれにつ
いても変形、変色は全くみられなかった。
【0017】比較例3,4 前述の(II)式の構造で、n=mかつp=0である芳
香族ポリスルホン樹脂を用いて電子レンジ試験を行った
(比較例3)。また、ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラ
ル・エレクトリック社製、商品名ULTEM1000)
を、340℃、せん断速度1000/秒条件下の溶融粘
度が3480poiseである芳香族ポリカーボネート
樹脂(住友ダウ株式会社製、商品名カリバー)ならびに
平均粒径が0.2μmの酸化チタン粒子である商品名C
R−60(石原産業(株)製)を70:30:10の重
量比で実施例1と同様に混合、造粒、成形し、電子レン
ジ試験を行った(比較例4)。その結果、比較例3の組
成物から成形された容器は、電子レンジ試験後に変形と
変色が生じた。また、比較例4の組成物から成形された
容器についても、電子レンジ試験後にわずかな変形と変
色が生じた。
【0018】
【発明の効果】本発明の電子レンジ部品は、高い耐熱性
と機械強度、優れた外観を有しており、本用途に好適に
用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に定義される各溶融粘度の比(ηa/
    ηb)が0.5〜2.0である、芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂15〜55重量%と芳香族ポリサルホン樹脂85
    〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物を用いて成形
    された電子レンジ部品。 ηa:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
    きの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度 ηb:340℃、せん断速度1000/秒で測定したと
    きの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度
  2. 【請求項2】請求項1の熱可塑性樹脂組成物100重量
    部ならびに数平均粒径が0.01μm〜5μmである酸
    化チタン1〜10重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を
    用いて成形された電子レンジ部品。
  3. 【請求項3】芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度の
    比ηa/ηbが0.8〜1.8である請求項1または2記
    載の電子レンジ部品。
  4. 【請求項4】芳香族ポリカーボネート樹脂がビスフェノ
    ールAを少なくとも30mol%以上を用いるコポリカ
    ーボネートもしくはホモポリカーボネートである請求項
    1、2または3記載の電子レンジ部品。
  5. 【請求項5】芳香族ポリサルホン樹脂が式 【化1】 で表される繰り返し単位を80mol%以上有するもの
    である請求項1、2または3記載の電子レンジ部品。
  6. 【請求項6】電子レンジ部品が、電子レンジで使用する
    受け皿あるいは食品調理用容器である請求項1、2、
    3、4または5記載の部品。
JP9366697A 1996-11-29 1997-04-11 電子レンジ部品 Pending JPH10287810A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9366697A JPH10287810A (ja) 1997-04-11 1997-04-11 電子レンジ部品
US08/979,560 US5910560A (en) 1996-11-29 1997-11-26 Thermoplastic resin composition and molded article
KR1019970063656A KR100587197B1 (ko) 1996-11-29 1997-11-28 열가소성수지조성물및성형품
TW086117902A TW454029B (en) 1996-11-29 1997-11-28 Thermoplastic resin composition and molded article
DE69720378T DE69720378T2 (de) 1996-11-29 1997-12-01 Thermoplastische Harzzusammensetzung und Formkörper
EP97121084A EP0845501B1 (en) 1996-11-29 1997-12-01 Thermoplastic resin composition and molded article

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9366697A JPH10287810A (ja) 1997-04-11 1997-04-11 電子レンジ部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10287810A true JPH10287810A (ja) 1998-10-27

Family

ID=14088732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9366697A Pending JPH10287810A (ja) 1996-11-29 1997-04-11 電子レンジ部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10287810A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000034146A1 (fr) * 1998-12-09 2000-06-15 Showa Denko K.K. Contenant alimentaire comprenant des particules d'oxyde de titane et procede de preparation associe

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000034146A1 (fr) * 1998-12-09 2000-06-15 Showa Denko K.K. Contenant alimentaire comprenant des particules d'oxyde de titane et procede de preparation associe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0630955B1 (en) Liquid crystal polyester resin composition and lamp reflector
EP1212371B1 (en) High specific gravity polyester blend
EP0845501B1 (en) Thermoplastic resin composition and molded article
KR101760715B1 (ko) 장섬유 강화 경량 열가소성 수지 조성물 및 이의 제조방법
WO2009060986A1 (ja) 樹脂組成物
JPH10287810A (ja) 電子レンジ部品
JP3598578B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形方法
JP3290848B2 (ja) 異形押出成形用熱可塑性樹脂組成物
JP4256946B2 (ja) ランプリフレクター
JPH0770422A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物およびランプリフレクター
JPH07316412A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4570205B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP3458651B2 (ja) 芳香族ポリサルホン樹脂組成物および電子レンジ調理用容器
JPH10212403A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形体
KR100587197B1 (ko) 열가소성수지조성물및성형품
JP2001279070A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3968864B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、製造法および成形体
JPH06345953A (ja) 軽量強化樹脂組成物
JPH0859964A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3837870B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形体
JP2560752B2 (ja) 全芳香族ポリエステル樹脂組成物
JPH06128474A (ja) ブロー成形用ポリカーボネート樹脂組成物
JP2000248160A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPS5996158A (ja) 樹脂組成物
JPS6251981B2 (ja)