JP4256946B2 - ランプリフレクター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い耐熱性と表面平滑性に優れたランプリフレクターに関する。
【0002】
【従来の技術】
ランプリフレクター(反射鏡ということがある)、特に自動車用のヘッドランプ、フォグランプ用のリフレクターには、従来鋼板等の金属材料、あるいはガラス材料が使用されてきたが、近年、多様なデザインが求められることから、成形加工性に優れ、自由度の高い樹脂材料が求められるようになってきた。
そのような背景で、この用途の材料に不飽和ポリエステル樹脂をガラス繊維等の無機充填材で強化したバルクモールディングコンパウンド(BMC)が使用されるようになった。
また、材料のリサイクル性、性能、さらに成形加工性を向上させる等の目的で熱可塑性エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド樹脂がランプリフレクター材料として検討が進められている。
しかしながら、光源温度が高いハロゲンランプの使用や、大光量を得ることができるプロジェクタータイプのリフレクターの使用には、耐熱性が不十分で熱による変形が発生する問題がある。
また、車の前方視認性を向上させるためには、リフレクター表面の反射性が重要であるが、その場合表面が平滑である必要があり、そのため、成形部材の表面にアンダーコートを施す等の処理がなされており工業的に不利である。
一方、芳香族ポリカーボネート樹脂の耐薬品性を向上させたり、芳香族ポリサルホン樹脂の耐衝撃性や成形加工時の流動性を改良する目的で、芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂とを混合してなる熱可塑性樹脂組成物が種々開示されている。
たとえば、特公昭45−39181号公報には、芳香族ポリサルホン樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とを混合することによって、各樹脂に比べて耐薬品性や熱応力脆化性が改良されることが開示されている。
また、特公昭49−13855号公報には、芳香族ポリサルホン樹脂および芳香族ポリカーボネート樹脂からなる組成物はABS樹脂に比べて耐熱変形性に優れることが開示されている。
また、特開昭54−28361号公報には、重量平均分子量が60000より大きい芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる組成物は、各樹脂に比べて耐薬品性や荷重たわみ温度が改良されることが開示されている。
また、特開昭60−51739号公報には、特定の構造を有する芳香族ポリサルホン樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂からなる組成物は機械的性質に優れ耐薬品性が改良されることが開示されている。
しかしながら、上記の各組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂が芳香族ポリサルホン樹脂の本来有する耐熱性に代表される優れた物性を阻害するため満足できる物性が得られないことが多い。
上記の各公報には、その組成物をランプ用リフレクターの材料に使用することは記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い耐熱性と機械的強度を有し、工業的に有利に生産され、表面平滑性の優れたランプ用リフレクターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、両者の溶融粘度の比が特定範囲内となる、芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を、成形材料として使用することにより、上記目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は次のとおりである。
(1)下記に定義される各溶融粘度の比(ηa/ηb)が0.5〜2.0である、芳香族ポリカーボネート樹脂15〜55重量%と芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重量%(両者の合計を100%とする。)からなる熱可塑性樹脂を主成分とする組成物を成形してなるランプリフレクター。
ηa:340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度
ηb:340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度
(2)組成物が、該熱可塑性樹脂100重量部に、クレー、カオリンおよびタルクからなる群から選ばれた少なくとも1種を1〜80重量部加えてなるものである、上記(1)記載のランプリフレクター。
(3)芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香属ポリサルホン樹脂の溶融粘度の比ηa/ηbが0.8〜1.8である、上記(1)または(2)記載のランプリフレクター。
(4)芳香族ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAの繰り返し単位を少なくとも30mol%以上含むものであるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボネートである、上記(1)、(2)または(3)記載のランプリフレクター。
(5)芳香族ポリサルホン樹脂が、式
【化2】
Figure 0004256946
で表される繰り返し単位を80mol%以上有するものである上記(1)、(2)、(3)または(4)記載のランプリフレクター。
(6)ランプリフレクターが、自動車用ヘッドランプ、フォグランプ用リフレクターまたはヘッドランプ用サブリフレクターである上記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のランプリフレクター
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、
一般式
【0006】
【化3】
Figure 0004256946
(式中、Aは原料の二価フェノールの残基である二価芳香族基である。)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、共重合体およびその混合物である。
このような芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するために用いることのできる原料の二価フェノールは、官能基として芳香族の炭素原子に直接結合している2つの水酸基を含有する単核または多核芳香族化合物である。
二価フェノールの例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−(3,5,3’,5’−テトラブロモ−4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ハイドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この芳香族ポリカーボネート樹脂はビスフェノールAの繰り返し単位を少なくとも30mol%以上含むものであるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボネートであることが好ましい。その末端構造は、各々の製法に従って決まるものであり、例えば、OHやOC(CH33などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、その340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの溶融粘度が2000〜10000poiseであることが好ましく、2000〜6000poiseであることがより好ましい。溶融粘度が10000poiseを越える場合、組成物の溶融粘度が高いために成形加工が困難となるため好ましくない。
【0007】
本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびスルホン結合の三者が必須の構成単位であって、アリーレン単位がエーテルおよびスルホン結合とともに無秩序にまたは秩序正しく位置するポリアリーレン化合物として定義される。代表的な例としては、下記のような繰り返し単位を有するものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0008】
【化4】
Figure 0004256946
[(II)の化合物はランダム共重合体を含む。式中、R1は炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数3ないし10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、pは0ないし4の正数である。m、nは平均の繰り返し単位数を示し、m、nは0.1から100の正数である。同一または異なる核上の各R1は相互に異なっていても良い。各pは相互に異なっていても良い。]
【0009】
【化5】
Figure 0004256946
(この化合物はランダム共重合体を含む。式中、R1は炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数3ないし10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、pは0ないし4の正数である。q、m、nは平均の繰り返し単位数を示し、qは1〜3の正数、m、nは0.1〜100の正数である。同一または異なる核上の各R1は相互に異なっていてもよい。各pは相互に異なっていてもよい。)
【0010】
本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂としては、(II)または(III)で表される繰り返し単位中の(m/m+n)は0.8以上であることが好ましい。また、(III)の構造単位中のqは1であることが好ましい。
これらの中でも(I)、(II)の繰り返し構造単位を持つものが好ましく、さらに好ましくは(I)の繰り返し構造単位を持つものである。(I)の構造単位のなかでの置換基のないもの(p=0)が代表的なものである。
市販品の例としては、(I)のものは、住友化学工業株式会社の商品名 スミカエクセルPES 3600P、4100Pなどが、(II)のものは AMOCO社の商品名 UDEL P−1700などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その末端構造は、各々の樹脂の製法に従って決まるものであり、例えば、Cl、OH,OR(Rはアルキル基を示す。)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹脂は、その340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの溶融粘度が1000〜6000poiseであることが好ましく、1000〜3000poiseであることがより好ましい。溶融粘度が6000poiseを越える場合、組成物の溶融粘度が高いために成形加工が困難となるため好ましくない。
【0011】
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂(a)と芳香族ポリサルホン樹脂(b)の、340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの溶融粘度の比(ηa/ηb)は0.5〜2.0であり、0.8〜1.8であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.6である。ηa/ηbが0.5より小さい場合、その組成物の耐熱性が劣るために好ましくない。
【0012】
本発明で用いられる組成物に配合される芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量は、芳香族ポリサルホン樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の全重量を基にして15〜55重量%であり、25〜45重量%であることがより好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂を55重量%より多く配合すると、組成物の耐熱性が劣るために好ましくない。
本発明に用いられるクレーは、ロウ石鉱石を微粉にしたものであり、一般的にはバイロフィライト質クレーが用いられる。バイロフィライト質クレーは、Al2Si410(OH)2で表される組成を持ち、不規則な六角形又は葉片状をしている。本発明では、加工性や表面性の観点から重量平均粒径が20μm以下のものが好ましい。
本発明に用いられるカオリンは、Al2Si25(OH)4で表される組成をもつ粉末で、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトの3タイプがあり、どれを用いてもよい。本発明では、加工性や表面性の観点から重量平均粒径が20μm以下のものが好ましい。
本発明に用いられるタルクは、Mg3(Si410)(OH)2で表される組成をもつ白色微紛末で、層構造をなし一般に滑剤として使用される。本発明では、加工性や表面性の観点から重量平均粒径が20μm以下のものが好ましい。
本発明において、クレー、カオリンまたはタルクを添加する場合、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対するクレー及びカオリン、タルクの添加割合は、0.5〜200重量部であり、好ましくは1〜80重量部である。
クレー、カオリン、タルクの添加量が200重量部よりも多いと造粒時にスクリュウへの噛み込み性が悪くなるとともに、機械的強度が著しく低下し好ましくない。
【0013】
本発明においては、必要に応じてアルミニウム繊維、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカーなどの繊維状あるいは針状の補強剤、アルミニウムパウダー、アルミニウムフレークなどの粉末、マイカ、ガラスビーズなどの無機充填剤、フッ素樹脂などや金属石鹸類などの離型改良材、酸化チタンなど顔料、染料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤などの通常の添加剤を1種以上添加した樹脂組成物を用いることができる。
また、少量の熱可塑性樹脂、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテルおよびその変成物、ポリエーテルイミドなど、少量の熱硬化性樹脂、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂などや、少量のゴム成分などの一種または二種以上を添加した樹脂組成物を用いることができる。
本発明で用いられる樹脂組成物を得るための原材料の配合手段は特に限定されない。芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリサルホン樹脂、必要に応じて各種充填材、離型改良剤、熱安定剤などをヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練することが一般的である。そのときの溶融混練法としては、すべての原材料を一括して混合した後で押出機へフィードしてもかまわないし、必要に応じて無機充填材等の原材料を、樹脂を主体とする原材料とは別にフィードしてもかまわない。
本発明のランプリフレクターの例としては、自動車用ヘッドランプ、フォグランプ用リフレクターまたはヘッドランプ用サブリフレクターなどが挙げられる。 本発明のランプリフレクターの製作は、公知の方法によることができるが、例示すると以下のような方法がある。
射出成形により必要とするデザインのランプリフレクターの成形を行う。
表面の平滑性を向上させるため、アンダーコート剤を塗布、硬化させる。本発明では、成形品の表面平滑性が高いことから本工程を省略できることがある。
アルミニウムを成形品表面に蒸着する。蒸着するアルミニウムは数μが一般的である。
トップコーティングを施す。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の溶融粘度、引張強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、荷重たわみ温度ならびに電子レンジによる耐熱テストは、次の方法で行った。
(1)溶融粘度:
芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度は、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Bにより、内径1mm、長さ10mmのオリフィスを用いて、340℃、せん断速度1000/秒の条件下において測定した。
(2)引張強度:
熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機を用いてASTM 4号ダンベルを成形し、ASTM D638に準拠して測定した。
(3)曲げ弾性率:
熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D790に準拠して測定した。
(4)アイゾット衝撃強度:
曲げ弾性率測定用試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mm)を成形し、これを2等分してアイゾット衝撃強度測定用の試験片とし、ASTMD−256に準拠して測定した。
(5)荷重たわみ温度:
熱可塑性樹脂組成物から、射出成形機を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚み6.4mmの試験片を成形し、ASTM D648に準拠し18.6kg/cm2の荷重で測定した。
(6)表面平滑性
鏡面に仕上げた金型を用いて、縦幅64mm、横幅64mm、厚み1mmの試験片を成形し、目視で判断した。
(7)ランプ点灯実施試験
ランプ照射方向からみて、最全面の大きさが幅150mm、高さ100、奥行き50mm、厚み1.5mmのランプリフレクター用成形品を射出成形した後、、前述の行程に基づいてアルミ蒸着処理等を施した。このランプリフレクターに12V、55Wのハロゲンランプを装着し、240時間点灯後のランプリフレクターの変形度合いを目視評価した。
【0015】
実施例1〜11、比較例1,2
芳香族ポリカーボネート樹脂(住友ダウ株式会社製、商品名カリバー)と芳香族ポリサルホン樹脂(住友化学工業株式会社製、商品名スミカエクセルPES)、必要に応じ粒径が20μm以下の割合が98%のクレーであるSPクレー((株)勝光山鉱業所製)及び平均粒径1.6μmのカオリンであるCTカオリン((株)勝光山鉱業所製)、平均粒径2.75μmのタルクであるミクロンホワイト#5000S(林化成(株)製)、平均粒径が0.2μmの酸化チタン粒子であるCR−60(石原産業(株)製)を表1に示す組成でヘンシェルミキサーで混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、商品名PCM−30)を用いてシリンダー温度340℃で造粒し、熱可塑性樹脂組成物を得た。なお、それぞれの樹脂の溶融粘度は上記の方法で測定した。
この熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商品名PS40E5ASE)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度120℃で上記のように試験片を成形し、引張強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、荷重たわみ温度の測定を行い、結果を表1および2に示した。
【0016】
【表1】
Figure 0004256946
【0017】
【表2】
Figure 0004256946
【0018】
本発明で用いる、溶融粘度の比が0.5〜2.0である芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜5)は、溶融粘度の比が0.5〜2.0にない組成物(比較例2)に比べて荷重たわみ温度が高いことがわかる。また、溶融粘度の比が0.5〜2.0であっても芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量が55重量%を越えるもの(比較例1)は、配合量が15〜55重量%内のもの(実施例1、2)に比べて荷重たわみ温度が低いことがわかる。また、荷重たわみ温度が低い比較例1、2の組成物から成形されたリフレクターは、前述の方法のランプ点灯試験においてもわずかに変形を生じ、実用上不都合を生じるものであった。実施例1〜5の組成物から成形されたリフレクターは、いずれについても変形、変色は全くみられなかった。芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物にクレー、カオリン、タルク、酸化チタンを含む組成物(実施例6〜11)から成形されたリフレクターは、いずれについても変形、変色は全くみられなかった。
【0019】
比較例3,4
前述の(II)式の構造で、n=mかつp=0である芳香族ポリスルホン樹脂を用いて、リフレクターを得た(比較例3)。また、ポリエーテルイミド樹脂(ゼネラル・エレクトリック社製、商品名ULTEM1000)を、340℃、せん断速度1000/秒条件下の溶融粘度が3480poiseである芳香族ポリカーボネート樹脂(住友ダウ株式会社製、商品名カリバー)を70:30の重量比で実施例1と同様に混合、造粒、成形し、前述の方法のランプ点灯試験試験を行った(比較例4)。その結果、比較例3の組成物から成形されたリフレクターは、変形が生じた。また、比較例4の組成物から成形されたリフレクターについても、わずかな変形が生じた。
【0020】
【発明の効果】
本発明のランプリフレクターは、高い耐熱性と機械強度、優れた表面平滑性を有している。

Claims (6)

  1. 下記に定義される各溶融粘度の比(ηa/ηb)が0.5〜2.0である、芳香族ポリカーボネート樹脂15〜55重量%と芳香族ポリサルホン樹脂85〜45重量%(両者の合計を100%とする。)からなる熱可塑性樹脂を主成分とする組成物を成形してなるランプリフレクター。
    ηa:340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融粘度
    ηb:340℃、せん断速度1000/秒で測定したときの芳香族ポリサルホン樹脂の溶融粘度
  2. 組成物が、該熱可塑性樹脂100重量部に、クレー、カオリンおよびタルクからなる群から選ばれた少なくとも1種を1〜80重量部加えてなるものである、請求項1記載のランプリフレクター。
  3. 芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香属ポリサルホン樹脂の溶融粘度の比ηa/ηbが0.8〜1.8である、請求項1または2記載のランプリフレクター。
  4. 芳香族ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAの繰り返し単位を少なくとも30mol%以上含むものであるコポリカーボネートもしくはホモポリカーボネートである、請求項1、2または3記載のランプリフレクター。
  5. 芳香族ポリサルホン樹脂が、式
    Figure 0004256946
    で表される繰り返し単位を80mol%以上有するものである請求項1、2、3または4記載のランプリフレクター。
  6. ランプリフレクターが、自動車用ヘッドランプ、フォグランプ用リフレクターまたはヘッドランプ用サブリフレクターである請求項1、2、3、4または5記載のランプリフレクター
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