JPH10286634A - スピニング加工方法及び同加工装置 - Google Patents

スピニング加工方法及び同加工装置

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JPH10286634A
JPH10286634A JP9097422A JP9742297A JPH10286634A JP H10286634 A JPH10286634 A JP H10286634A JP 9097422 A JP9097422 A JP 9097422A JP 9742297 A JP9742297 A JP 9742297A JP H10286634 A JPH10286634 A JP H10286634A
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JP
Japan
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workpiece
roller
tension
ironing
spinning
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JP9097422A
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English (en)
Inventor
Kosuke Terada
耕輔 寺田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肉厚を薄くするためのしごきによるスピニン
グ加工の加工精度を向上させるとともに、応力集中によ
る割れなどの不具合を防止する。 【解決手段】 成形型7が、被加工材Wをその内周面に
密着して支持しつつ軸芯を中心に被加工材Wとともに回
転した状態で、ローラ11が被加工材Wの外周面を押し
付けながら軸方向に移動してしごきスピニング加工を行
う。このとき被加工材Wは、ローラ11の移動方向前方
側に、油圧シリンダ15によりロッド13を介して張力
が付与されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軸芯を中心に回
転中の円筒状の被加工材に対し、その外周面にローラを
押し付けつつ軸方向移動させてしごくことで、被加工材
の肉厚を薄くするスピニング加工方法及び同加工装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、スピニング加工装置の概略を
示した正面断面図で、円筒状の被加工材Wは、その円筒
内に成形型1が挿入され、かつその反対側から押さえ部
材3に押さえられた状態で成形型1及び押さえ部材3と
ともに回転する。この回転中の被加工材Wの上方には、
被加工材Wの外周面に押し付け可能で、かつ軸方向(図
中で左右方向)に移動可能なローラ5が回転可能に設置
されている。
【0003】回転中の被加工材Wに対しては冷却水がか
けられ、ローラ5が油圧により被加工材Wに接近してそ
の外周面に押し付けられ、被加工材Wの回転に伴い回転
しながら図中で矢印Aで示す右方向に移動して、これに
より被加工材Wの肉厚を薄くする、いわゆるしごきスピ
ニング加工が施される。
【0004】ところで、上記したスピニング加工におい
て発生する加工力は、公知の計算式を利用して図13の
ように算出できる。ここでは、横軸がローラ5の移動速
度である送り速度Vn(mm/rev:被加工材Wが1回転す
る間のローラ5の移動量)、縦軸が加工力であり、この
うち加工力Pr(kgf)は被加工材Wの半径方向(図12
中で下方向)の押し付け力、加工力Pz(kgf)は軸方向
(図12中で右方向)の送り力である。なお、ローラ5
の直径D=200mm、ローラ5の成形角α=20度、肉
厚減少率Ro=0.75とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のスピニング加工においては、ローラ5に
よる押し付け力と送り力によってのみ成形するため、加
工力に限界があり、製品の真円度や形状寸法などの加工
精度に問題が生じやすく、後加工で機械加工による手直
しが必要となるばかりでなく、被加工材Wに応力集中が
発生して割れが発生する恐れがある。例えば、図13に
おいて、加工力Prの機械的限界が8000kgfであると
すると、ローラ5の送り速度Vnは、約0.8mm/revが
限界となる。ここで仮に、目標とするローラ送り速度が
1.0mm/revであるとすると、加工力が不足し、加工精
度が悪化するものとなる。
【0006】そこで、この発明は、肉厚を薄くするため
のしごきによるスピニング加工において、応力集中によ
る割れなどの不具合を防止し、加工精度を向上させるこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、第1に、軸芯を中心に回転中の円筒状
の被加工材の外周面に対し、ローラを押し付けながら軸
方向に相対移動させてしごきを加え、前記被加工材の肉
厚を薄くするスピニング加工方法において、前記ローラ
の軸方向相対移動時に、前記被加工材に対し、ローラの
移動方向前方側にてその移動方向と同方向に張力を発生
させるスピニング加工方法としてある。
【0008】上記したスピニング加工方法によれば、ロ
ーラの被加工材への押付力を同等とした場合でのローラ
の相対的移動速度を高めることができる。
【0009】第2に、被加工材の肉厚が目標値より厚く
なるようしごき加工を施し、かつこのしごき加工により
前記被加工材におけるローラの移動方向前方側の端部に
フランジを形成し、このフランジを利用して前記ローラ
の移動方向前方側に向けて被加工材に対し張力を発生さ
せた状態で、被加工材の肉厚が目標値となるよう再度前
記ローラを軸方向に相対移動させてしごき加工を施すス
ピニング加工方法としてある。
【0010】上記したスピニング加工方法によれば、張
力を発生させる際に被加工材を引張るための引掛部が存
在しない被加工材であっても、ローラの相対的移動によ
るしごき加工によりこの引掛部に相当するフランジを形
成した後、目標の肉厚とするためのしごき加工を連続し
て行える。
【0011】第3に、円筒状の被加工材をその内周面に
密着して支持した状態で被加工材とともに軸芯を中心に
回転可能な支持部と、前記回転中の被加工材の外周面に
対し、押し付けながら軸方向に相対移動して肉厚を薄く
すべくしごきを加えるローラと、前記被加工材に対し、
前記ローラの移動方向前方側にてその移動方向と同方向
に張力を発生させ、かつ前記支持部と一体となって回転
可能な張力発生手段とを有する構成としてある。
【0012】上記構成によれば、支持部が被加工材をそ
の内周面に密着して支持しつつ軸芯を中心に回転した状
態で、ローラが被加工材の外周面を押し付けながら軸方
向に相対的に移動し、このとき被加工材は、ローラの移
動方向前方側に張力が付与されている。
【0013】第4に、張力発生手段は、被加工材の外周
側にて周方向等間隔に複数設けられている。
【0014】上記構成によれば、被加工材に対する張力
付与が、周方向等間隔位置にてなされる。
【0015】第5に、張力発生手段は、先端に、被加工
材と連結される連結部を備えたロッドを備え、このロッ
ドは、後端側が油圧機構に接続されて軸方向移動する。
【0016】上記構成によれば、ロッドを先端の連結部
で被加工材に連結し、この状態で油圧機構の動作により
ロッドが後退移動することで、被加工材に張力が付与さ
れる。
【0017】第6に、張力発生手段は、先端に、被加工
材と連結される連結部を備えたロッドを備え、このロッ
ドは、後端側がスプリングによりローラの移動方向前方
に向けて押し付けられた状態で軸方向移動可能である。
【0018】上記構成によれば、ロッドを先端の連結部
で被加工材に連結し、この状態でスプリングの弾性力に
よりロッドを引張ることにより、被加工材に張力が付与
される。
【0019】
【発明の効果】第1の発明によれば、ローラが回転中の
被加工材の外周面を押し付けつつ軸方向に相対移動して
しごきスピニング加工を行う際に、被加工材に対しロー
ラの移動方向と同方向に張力を付与するようにしたの
で、ローラの被加工材への押付力を同等とした場合での
ローラの相対移動速度を高めることができ、加工精度の
向上に寄与することができる。
【0020】第2の発明によれば、張力を発生させる際
に被加工材を引張るための引掛部が存在しない被加工材
であっても、ローラの相対移動によるしごき加工により
この引掛部に相当するフランジを形成した後、目標の肉
厚とするためのしごき加工を精度よく連続して行うこと
ができる。
【0021】第3の発明によれば、ローラが、支持部に
支持されて回転中の被加工材の外周面を押し付けつつ軸
方向に相対移動してしごきスピニング加工を行う際に、
被加工材に対しローラの相対移動方向と同方向に張力発
生手段が張力を発生させるようにしたので、ローラの被
加工材への押付力を同等とした場合でのローラの相対移
動速度を高めることができ、加工精度の向上に寄与する
ことができる。
【0022】第4の発明によれば、被加工材に対する張
力付与を、周方向等間隔位置にて複数の部位で行うよう
にしたため、被加工材に発生する張力が周方向にわたり
均等になり、より高精度な加工が可能となる。
【0023】第5の発明によれば、油圧機構を動作させ
ることで、被加工材に対して容易かつ確実に張力を発生
させることができる。
【0024】第6の発明によれば、スプリングの弾性力
を利用して張力を発生させるという簡単な構成で、加工
精度を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0026】図1は、この発明の実施の一形態を示すス
ピニング加工装置の要部を示す正面断面図で、円筒状の
被加工材Wは、支持部としての成形型7が内周面に密着
した状態で円筒内に挿入され、かつその反対側から押さ
え部材9に押さえられた状態で成形型7及び押さえ部材
9とともに回転する。この回転中の被加工材Wの上方に
は、被加工材Wの外周面に押し付け可能で、かつ軸方向
(図中で左右方向)に移動可能なローラ11が回転可能
に設置されている。
【0027】被加工材Wは、図中で右側の開口側の端部
にフランジFが形成されており、このフランジFに、被
加工材Wに対して張力を発生させるためのロッド13の
連結部である連結爪13aが引掛けられ、これにより被
加工材Wとロッド13とが連結されることになる。ロッ
ド13の後端には接続フランジ13bが設けられ、この
接続フランジ13bを介して油圧機構である油圧シリン
ダ15が取り付けられている。上記ロッド13と油圧シ
リンダ15とで、被加工材Wに対しローラ11の図1中
で右方向への移動方向前方側に張力Tを発生させる張力
発生手段を構成している。
【0028】成形型7は、本スピニング加工装置の図示
しない本体部に対して回転可能な円筒状の保持部17の
挿入固定孔17aに挿入されて固定保持され保持部17
とともに回転するもので、この保持部17内に、上記し
た油圧シリンダ15のシリンダ本体19が収容固定され
ている。シリンダ本体19内に図中で左右方向に摺動可
能に収容されたピストン部21に一端が連結固定された
ロッド部23は、保持部17の端面に形成された挿入孔
17bに挿入されてロッド13側に突出し、この突出端
部には、接続フランジ23aが設けられ、この接続フラ
ンジ23aと前記接続フランジ13bとが接続されるこ
とで、油圧シリンダ15とロッド13とが相互に連結さ
れることになる。
【0029】油圧シリンダ15は、ピストン部21によ
って区画された二つの油室25,27に、配管29,3
1を介して油圧ポンプ33が接続され、油圧ポンプ33
は、例えばマイクロコンピュータなどを備えた制御装置
35によって駆動制御される。上記油圧ポンプ33及び
制御装置35は、いずれも保持部17の外部のスピニン
グ加工装置の本体部、あるいはスピニング加工装置の外
部に設置固定されるもので、回転する保持部17に対し
ては、例えばその回転中心から配管29,31を外部に
引き出し、固定状態の油圧ポンプ33側に対し保持部1
7側が回転可能となるような接続形態とする。
【0030】制御装置35は、被加工材Wに対する成形
に必要な前記図13に示した加工力Pr及びPzを計算
し、かつこの加工力に対応した被加工材Wに対する張力
Tを算出するとともに、この算出結果に基づいて油圧ポ
ンプ33を駆動制御する。
【0031】図2は、図1のB−B断面図であり、ロッ
ド13は円周方向等間隔に6本設けられており、これに
対応して油圧シリンダ15も6個設けられている。
【0032】ここで、回転しごき過程での加工力は、成
形条件を入力することによって、次式から計算で求めら
れることができる。なお、図3は、次式に使用される、
ローラRにおける押し付け力Prの方向、送り力Pzの方
向及び成形角αをそれぞれ示している。
【0033】 Pr=(2/√3)σm0KD√(Vncotα) (1) Pz=(2/√3)σm0KD√(Vntanα) (2) Pθ=(2/√3)σm0nK (3) K=A0(1−t/t0)−AF{1−t/t0+(t/t0)ln(t/t0)}(4) A0=(√3/2)(1/2+π/4)+1 (5) AF=1−mcotα−(m/2)tanα (6) 但し、Pr:押し付け力(Kgf) Pz:送り力(Kgf) Pθ:円周力(Kgf) α:成形角(rad) m:摩擦係数(0.2) Vn:ローラ送り速度(mm/rev) σm:材料の平均変形抵抗(Kgf/mm2) 鋼で約40Kgf/mm2程度 t0:ブランク壁厚(mm) t:製品壁厚(mm) D:ローラ外径 すなわち、図13に示すPr,Pzは、それぞれローラの
押し付け力、ローラの送り力を示すもので、それらは、
上記(1),(2)式によって求めることができる。
【0034】ここで、ローラの送り速度Vn(mm/rev)
を、0.8mm/revから1.0mm/revとして加工時間の短
縮を図ろうとすると、ローラ送り速度Vn=0.8mm/re
v時に対する、Vn=1.0mm/rev時におけるローラ押し
付け力Prまたはローラ送り力Pzを、その増加分(具体
的には図13中に示すように、Prであれば900Kgf、
zであれば300Kgf)だけ増加させる必要が生じる。
【0035】Prの場合に比べPzの場合は少ないため、
zを増加させてやる方が容易であり、さらに、Pzはロ
ーラ送り力であるため、被加工材のしごき方向と一致し
ており、この場合は被加工材の同方向への張力へそのま
ま置換することができるため、上記Pzの増加分を張力
として補正してやればよいことになる。
【0036】具体的には、上記(2)式に、Vn=0.
8を代入してPz(Vn=0.8)を求め、さらに、Vn
=1.0を代入してPz(Vn=1.0)を求め、P=P
z(Vn=1.0)−Pz(Vn=0.8)で求めるPを被
加工材の張力として加える。
【0037】図13の例で示せば、加工力Prの機械的
限界が8000kgfであるとすると、ローラ5の送り速
度Vnは、約0.8mm/revが限界となる。このときの目
標とするローラ送り速度が1.0mm/revであるとする
と、軸方向の加工力である送り力Pzを補助するように
被加工材Wに対して300kgf程度の張力を付与する
ことで、上記目標の送り速度が得られることになる。
【0038】次に、上記したスピニング加工装置の動作
を説明する。被加工材Wを成形型7にセットした後、被
加工材WのフランジFに、油圧シリンダ15に接続前の
ロッド13先端の連結爪13aを引掛け、この状態で接
続フランジ13b,23aを利用してロッド13と油圧
シリンダ15とを接続する。
【0039】接続後は、図4のフローチャートで示すよ
うに、制御装置35に、被加工材Wに対する成形条件を
入力する(ステップ101)。成形条件としては、ロー
ラ11の成形角α、被加工材Wの成形前の肉厚、ローラ
11の直径及び、目標とするローラ送り(移動)速度な
どである。成形条件が入力された制御装置35は、図1
2に示すような加工力Pr及びPzを計算するとともに、
必要とする軸方向の張力Tを算出し(ステップ10
3)、算出した張力Tが被加工材Wに付与されるよう
に、油圧ポンプ33を駆動制御する(ステップ10
5)。
【0040】油圧ポンプ33が駆動し、油圧シリンダ1
5のロッド部23の図1中で右方向の移動に伴うロッド
13の同方向への移動により、被加工材Wは同方向に張
力Tが付与されることになる。この状態で、ローラ11
が、図1中で二点鎖線で示す位置まで、その上方位置か
ら下降して被加工材Wに接近し、被加工材Wに対して前
記計算した加工力(押し付け力Pr)で押し付けつつ、
図1中で右方向に目標とする移動速度で移動する。これ
により、被加工材Wは、しごき加工が施されて肉厚が薄
くなる。
【0041】このように、被加工材Wに対するしごきス
ピニング加工において、ローラ11の移動方向と同方向
に、被加工材Wに対して張力を発生させるようにしたの
で、ローラ11の送り速度を目標とする速度で行え、こ
の結果製品の真円度や形状寸法などの加工精度が向上す
るばかりでなく、被加工材Wにおける応力集中が回避さ
れて割れなどの発生が回避される。
【0042】図5は、この発明の他の実施の形態を示す
もので、張力発生手段として前記図1の油圧シリンダに
代えてスプリング37を利用したものである。被加工材
Wは、支持部としての成形型39が円筒内に挿入されて
支持されており、この成形型39の基部側(図中で右
側)には大径部分39aが形成されている。一方、成形
型39の外周部にはリング状の支持部材41が軸方向
(図中で左右方向)に移動可能に設けられており、この
支持部材41は、大径部分39aの端面にナット43に
より一端が固定された連結ロッド45の他端が、ナット
47,49を介して連結固定されている。
【0043】上記支持部材41には、後部ロッド51が
軸方向移動可能に貫通して設けられ、その先端側の接続
フランジ51aと接続フランジ13bとが接続されるこ
とで、ロッド13と後部ロッド51とが接続される。そ
して、この後部ロッド51の支持部材41より大径部分
39a側に突出した端部に設けたスプリング受け51
と、支持部材41との間には、上記したスプリング37
が、後部ロッド51を図中で右方向に押し付けるよう介
装されている。
【0044】上記図5に示したスピニング加工装置にお
いても、スプリング37により、被加工材Wに対しロー
ラ11の移動方向と同方向に張力を発生させているの
で、前記図1の実施の形態と同様に、ローラ11の送り
速度を目標とする速度で行えることから加工精度が向上
し、被加工材Wにおける応力集中が回避されて割れなど
の発生も回避されることになる。
【0045】図6ないし図8は、被加工材Wをしごき加
工により目標とする肉厚とする前段階として、被加工材
Wに張力を発生させる際に使用する引掛部となるフラン
ジFを、しごき加工により形成する例である。動作とし
ては、まず、図6に示すように、被加工材Wを目標とす
る肉厚より厚くなるように、ローラ11を移動させてし
ごき加工を施し、図7に示すようにフランジFを形成す
る。フランジFが形成されたら、油圧ロッド53が、こ
のロッド53とともに張力発生手段を構成する図示しな
い油圧機構の動作により矢印C方向に前進した後、図示
しない回転駆動機構により図8における矢印Dで示すよ
うに90度回転し、先端に設けた連結爪53aをフラン
ジFに引掛ける。
【0046】この状態で、上記した油圧機構を、油圧ロ
ッド53が後退方向に移動するよう動作させ、これによ
り被加工材Wに対して矢印Tで示す方向に張力を発生さ
せる。その後、ローラ11を図7の状態から一旦初期位
置に戻し、再度しごき加工を行うことで被加工材Wを目
標の肉厚となるようにする。
【0047】上記したスピニング加工方法によれば、張
力を発生させる際に被加工材Wを引張るための引掛部が
加工前に存在しない被加工材であっても、ローラ11の
移動によるしごき加工によりこの引掛部をフランジFと
して形成した後、目標の肉厚とするためのしごき加工を
精度よく連続して行うことができる。
【0048】図9ないし図11は、被加工材Wを、引掛
部となるフランジFを備えた平板状のものとし、この被
加工材Wに対して絞りスピニング加工としごきスピニン
グ加工とを連続して行うようにしたものである。
【0049】動作としては、まず図9に示すように、回
転中のフランジFを備えた平板状の被加工材Wに対し、
第1の絞り加工用ローラ55がフランジFを押し付けな
がら図中で右方向に移動し、例えば二点鎖線で示す位置
まで絞り加工を施す。次に、第2の絞り加工用ローラ5
7がフランジFの内側の平板部を押し付けながら図中で
右方向に移動し、例えば二点鎖線で示す位置まで絞り加
工を施す。
【0050】被加工材Wが図10の二点鎖線で示す状態
となったら、図11に示すように、張力発生手段を構成
する油圧ロッド59が、前記図6ないし図8の例と同様
に進出してその先端の連結爪59aをフランジFに引掛
け、被加工材Wに対して矢印Tで示す方向の張力を発生
させる。この状態で、しごき加工用ローラ61が図中で
右方向に移動して 被加工材Wに対してしごきスピニン
グ加工を施し所定の肉厚とする。
【0051】なお、上記図9ないし図11の例では、油
圧ロッド59が、図11の位置から被加工材Wの変形移
動に伴い下方に移動する必要があるが、これは例えば油
圧ロッド59を図示しない油圧シリンダとともに被加工
材Wの変形移動に伴って移動可能な構成とするか、ある
いは油圧ロッド59と油圧シリンダ側との接続部にユニ
バーサルジョイントを用いるなどすることで、対応可能
である。
【0052】なお、上記各実施の形態では、しごき加工
を施す際に、ローラを被加工材に対して軸方向移動させ
ているが、これとは逆に、被加工材をローラに対して軸
方向移動させてもよく、また、双方を互いに逆方向に移
動させてもよい。すなわち、ローラは被加工材に対して
軸方向に相対移動可能であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すスピニング加工
装置の要部を示す正面断面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】ローラにおける押し付け力方向、送り力方向及
び成形角をそれぞれ示す説明図である。
【図4】図1のスピニング加工装置の動作を示すフロー
チャートである。
【図5】この発明の他の実施の形態を示すスピニング加
工装置の要部を示す正面断面図である。
【図6】被加工材に張力を発生させるための油圧ロッド
の引掛部となるフランジを形成する際のしごき加工動作
を示す動作説明図である。
【図7】図6の状態からフランジが形成された状態を示
す動作説明図である。
【図8】フランジが形成された図7の被加工材に対し、
張力を発生させつつ所望の肉厚となるようしごきスピニ
ング加工を施している状態を示す動作説明図である。
【図9】平板状の被加工材に対し、絞りスピニング加工
を施している状態を示す動作説明図である。
【図10】絞り加工された図9の被加工材に対し、さら
に別の絞り加工用ローラにより絞りスピニング加工を施
している状態を示す動作説明図である。
【図11】図10で絞り加工された被加工材に対し、し
ごき加工用ローラによりしごきスピニング加工を施して
いる状態を示す動作説明図である。
【図12】従来のスピニング加工装置の概略を示した正
面断面図である。
【図13】しごきスピニング加工におけるローラ送り
(移動)速度と加工力との相関図である。
【符号の説明】
W 被加工材 F フランジ(引掛部) 7,39 成形型(支持部) 11,61 ローラ 13 ロッド(張力発生手段) 13a,53a,59a 連結爪(連結部) 15 油圧シリンダ(油圧機構,張力発生手段) 37 スプリング(張力発生手段) 53,59 油圧ロッド(張力発生手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸芯を中心に回転中の円筒状の被加工材
    の外周面に対し、ローラを押し付けながら軸方向に相対
    移動させてしごきを加え、前記被加工材の肉厚を薄くす
    るスピニング加工方法において、前記ローラの軸方向相
    対移動時に、前記被加工材に対し、ローラの移動方向前
    方側にてその移動方向と同方向に張力を発生させること
    を特徴とするスピニング加工方法。
  2. 【請求項2】 被加工材の肉厚が目標値より厚くなるよ
    うしごき加工を施し、かつこのしごき加工により前記被
    加工材におけるローラの移動方向前方側の端部にフラン
    ジを形成し、このフランジを利用して前記ローラの移動
    方向前方側に向けて被加工材に対し張力を発生させた状
    態で、被加工材の肉厚が目標値となるよう再度前記ロー
    ラを軸方向に相対移動させてしごき加工を施すことを特
    徴とする請求項1記載のスピニング加工方法。
  3. 【請求項3】 円筒状の被加工材をその内周面に密着し
    て支持した状態で被加工材とともに軸芯を中心に回転可
    能な支持部と、前記回転中の被加工材の外周面に対し、
    押し付けながら軸方向に相対移動して肉厚を薄くすべく
    しごきを加えるローラと、前記被加工材に対し、前記ロ
    ーラの移動方向前方側にてその移動方向と同方向に張力
    を発生させ、かつ前記支持部と一体となって回転可能な
    張力発生手段とを有することを特徴とするスピニング加
    工装置。
  4. 【請求項4】 張力発生手段は、被加工材の外周側にて
    周方向等間隔に複数設けられていることを特徴とする請
    求項3記載のスピニング加工装置。
  5. 【請求項5】 張力発生手段は、先端に、被加工材と連
    結される連結部を備えたロッドを備え、このロッドは、
    後端側が油圧機構に接続されて軸方向移動することを特
    徴とする請求項3記載のスピニング加工装置。
  6. 【請求項6】 張力発生手段は、先端に、被加工材と連
    結される連結部を備えたロッドを備え、このロッドは、
    後端側がスプリングによりローラの移動方向前方に向け
    て押し付けられた状態で軸方向移動可能であることを特
    徴とする請求項3記載のスピニング加工装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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