JP2010089103A - スプラインの塑性加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型またはワークを振動させつつスプライン加工する際の望ましくない変形を簡便に防止し得る塑性加工方法を提供する。
【解決手段】形成すべきスプラインの雌型断面形状を有した金型を用い、ワーク一端側から他端側へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動するスプラインの塑性加工方法であって、ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行ない、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量のである後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における前記後退割合を後段部分における前記後退割合より小さくすることを特徴とするスプラインの塑性加工方法及びそのための駆動装置を備えた装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、シャフト等のワークにスプラインを塑性加工する方法に関する。
シャフト等のワークにスプラインを加工する方法には様々なものがあるが、塑性加工による成形法は、i) 加工能率が高く多量生産に向いている、ii) 切削と違い切りくずの発生が無い、iii) 成形されたスプラインは金属組織の流れが切断されず強度的にも有利である等の特徴を有し、広く実用されている。
スプラインの塑性加工は、形成すべきスプラインの雌型に相当する断面形状を有した金型を用い、ワークの一端から多端側に向かう方向にワークまたは金型を移動させることにより行なわれる。これに関し、金型またはワークを移動方向に振動させる機構を有するプレス機を用い、両者の間で相対的な運動を発生させ塑性加工する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。これによると、i) ワーク(ブランク)と金型との潤滑性が良く、金型の摩耗、焼付きを抑制できる、ii) 加工荷重の低減が可能で、設備を小型化できる、等の特徴がある。
ところが、プレス機によってスプラインを塑性加工すると、ワークにおける加工部分での塑性流動に伴う不要な変形が生じることがある。スプライン形成部分は、谷部の凹入に伴って山部が突出するので、大径(ワーク直径方向に位置する山部の頂部間の距離)は加工に伴って拡大する傾向を示す。そして、加工工程における前段部分は、軸方向への材料の流動割合が大きいため、相対的に後段部分より大径が小さくなる傾向を示す。これでは、スプライン部の大径の均一性が損なわれることになる。これに対処するには、ワークの加工前段部分または全体を、前段側端部の外径が大きくなるテーパー状に予めしておくという手段をとることができる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、ワークにおけるスプライン加工範囲を予めテーパー状とするには、その加工に多大の手間を要する。また素材ロットによって塑性加工性が異なる場合があり、これに応じたテーパーとするのは現実的には不可能である。
特許3572544号公報 特開2008−114256号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、金型またはワークを振動させつつスプライン加工する際の望ましくない変形を簡便に防止し得る塑性加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、形成すべきスプラインの雌型断面形状を有した金型を用い、ワークにおけるスプラインを形成すべき範囲の一端から他端へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動することによりワークにスプラインを形成するスプラインの塑性加工方法であって、ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行ない、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における前記後退割合を後段部分における前記後退割合より小さくすることを特徴とするスプラインの塑性加工方法を提供するものである。
本発明はまた、前記目的を達成するため、形成すべきスプラインの雌型断面形状を有した金型と、ワークにおけるスプラインを形成すべき範囲の一端から他端へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動させる駆動装置とを備えたスプラインの塑性加工装置であって、前記駆動装置は、ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行なわせるための制御部を備え、該制御部は、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を制御し得ることを特徴とするスプラインの塑性加工装置を提供するものである。
本発明者は、後に詳述するように、ワークの一端から他端へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動するにあたり、金型またはワークを相対移動方向に振動させつつスプライン加工を行なった場合に、相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合(以下、これを後退割合という)と加工後のワーク大径との間に次の関係があることを見出した。なお、以下の「前段」、「後段」は加工工程の前段及び後段を各々意味する。説明を簡単にするために、ワークは、スプラインを形成すべき範囲に亘って径が一定であるとする。
(1) 後退割合を大きくするほど、加工に伴う大径の拡大量は小さくなる。
(2) 後退割合を大きくして加工を行なうと、前段側の大径は後段側より小さくなる。
(3) 後退割合を小さくして加工を行なうと、前段側の大径は後段側より大きくなるか、または小さくなる程度が減少する。
(4) 後段側の大径は前段側の大径に比べ後退割合の変更に伴う変化が小さい。
本発明は、上記関係を利用し、加工の進行に伴って後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における後退割合を後段部分における後退割合より小さくして加工を行なうものである。
すなわち、本発明に係るスプラインの塑性加工方法においては、ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行ない、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における前記後退割合を後段部分における前記後退割合より小さくする。これにより、金型送り方向の材料流動に伴い加工前段部分の大径が加工後段部分より小さくなるという傾向に対して、加工前段部分での大径拡大量を大きくし、加工後段部分での大径拡大量を抑制することができる。その結果、スプライン形成範囲に亘って加工後の大径の均一性が得られる。したがって、従来のように予めワークをテーパー状とするという手段をとらなくてもよい。
本発明に係るスプラインの塑性加工装置においては、駆動装置が、ワークまたは金型を相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行なわせるための制御部を備え、該制御部は、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を制御し得る。したがって、加工の進行に伴って後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における後退割合を後段部分における後退割合より小さくすることができ、これにより前述の塑性加工方法を実施してその効果を奏することができる。
また、スプラインを軸方向に同一径とする場合の他、テーパ状にする場合にも、精度の高い加工を行なうことができる。
このように、本発明によれば、金型またはワークを振動させつつスプライン加工する際の望ましくない変形を簡便に防止し得る塑性加工方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る加工方法を実施するための加工装置をワークと共に示す正面図である。図2はワークの正面図であり、(a)は加工前、(b)は加工後の状態を示す。図3は、図2のX−X線に沿う断面の一部の拡大図である。
図1に示すプレス装置は、下部フレーム1及び上部フレーム2間に支柱3が複数設けられ、支柱3に可動フレーム4が上下動可能に装着されている。上部フレーム2には駆動装置6が取り付けられており、該駆動装置6から下方へ延びる駆動伝達部6aが可動フレーム4に結合されている。上部フレーム2には、駆動装置6の駆動を制御する制御部5が装着されている。可動フレーム4には上下方向に貫通した取付け孔4aが形成され、そこに金型7が取り付けられている。駆動伝達部6aには、下方へ延びる固定ロッド8が装着されている。駆動装置6は、はモータ等の機械的駆動及び液圧駆動のいずれでもよい。
図1は、スプライン加工前の状態を示しており、この状態においては、固定ロッド8の下端は金型7の中央孔を通って金型7より下方まで延びている。固定ロッド8は、後述するようにワークの固定に使用される。固定ロッド8は可動フレーム4に装着されたシリンダ及びばね等からなる保持部8aにより押し下げ力を受けた状態で上下方向にスライド可能に支持されており、可動フレーム4と共に下降するが、下端が部材に当接した後は、押し下げ力に抗してスライドするようになっている。
金型7は、形成すべきスプラインの雌型断面形状の加工面7aを有したものであり、加工面7aの中心軸線が可動フレーム4の動作方向に沿うようにして取り付けられる。
ワークWは、等速ジョイント用の軸部材であり後工程でマウス部と接合して使われる。ワークWは、図2(a)に示すように、円柱状の本体100の一端が細径部101となっており、他端にフランジ部102が形成されている。両端面は平らにされ、各々の中心部に固定ロッド8と係合する凹部103,104が設けられている。スプライン105は、図2(b)に示すように細径部101に形成される。
以下、ワークWにスプラインを形成する加工工程について説明する。先ず、ワークWは、図1に示すように、フランジ部102を下にして下部フレーム1上に置かれる。このとき、下部フレーム1に設置された支持部材11の突起11aに凹部104が係合してワークWが位置決めされる。この状態で、駆動装置6を駆動させ駆動伝達部6aを介して可動フレーム4を下降させる。これにより、固定ロッド8の先端部がワークWの凹部103に係合した状態となる。図1はこの状態を示している。
次に、可動フレーム4を上下に振動させながら下降させる。これにより、金型7も同様に振動しながら下降し、加工面7aの凸部がワークWの細径部101の周面に食い込んで行く。図4は加工がある程度進行した状態を示しており、(a)は振動する金型7が下方へ動いた状態、(b)はその直後に金型7が上昇した状態、(c)はその後さらに金型7が下降した状態を各々示している。このスプライン加工が行なわれている間、固定ロッド8はワークWの凹部103に係合した状態を保ち、ワークWの位置決めを保持する。
このようにして、可動フレーム4を金型7と共に振動させながら必要な距離に亘って下方へ移動する。前述のように、金型7の下方への移動は、移動方向における前進及び後退の繰り返しによる振動と共に進行する。そして、本発明において重要なのは、加工の進行に伴って前記移動下での振動における前進量に対する後退量の割合(後退割合)を変化させることである。すなわち、加工工程の前段部分における後退割合を後段部分における後退割合より小さくするように変化させるのである。
一般に、スプライン形成部分は、谷部の凹入に伴って山部が突出する結果、大径(ワーク直径方向に位置する山部の頂部間の距離。外径に相当する。)が拡大する傾向を示す。また、加工の前段部分は後段部分より金型送り方向への材料の流動割合が大きいため、相対的に後段部分より大径が小さくなる傾向を示す。これに対し、前述のように、前段部分における後退割合を後段部分における後退割合より小さくするように振動を変化させることにより、加工前段部分での大径拡大量を大きくし、加工後段部分での大径拡大量を抑制することができる。その結果、スプライン形成範囲に亘って加工後の大径の均一性が得られることになる。
こうして、金型7を所定距離に亘って移動させることにより、所望の範囲にスプラインが形成される。その後は、可動フレーム4を上昇させて、ワークWから離脱させ、ワークWを下部フレーム1から取り出せばよい。
次に、図示の装置及びワークを使用した本発明の実施例について説明する。
(1) ワークについて
ワークWはS53C製のシャフトであり、主要部分の寸法は次のとおりである。
・全長L0:112mm
・細径部101の長さL1:31mm
・本体100の径D0:30.2mm
・加工前の細径部101の径D1:28.0mm
(2) 金型について
プレス装置に装着した金型7は、軸部に以下の寸法のスプラインを形成すべく形状を決められている(図3参照)。
・スプライン部の基準円の径S0:28.0mm
・スプライン部の大径S1:28.6mm
・スプライン部の小径S2:26.85mm
・スプラインのピッチP:3.1mm
・オーバーピン径O.P.D.:31.38mm
(3) 加工仕様について
加工の条件として、金型7を振動させつつ下降させる際の前進量及び後退量を異ならせたものを設定した。その条件は、以下の表1の通りである。
Figure 2010089103
条件1〜4は、ワークWの細径部101全体の加工に適用した。条件1〜4による加工で得られたスプライン部の大径を軸方向の複数点で測定した。加工及び測定をしたワークの数は各条件について3個である。その結果を図5のグラフに示す。このグラフは、スプライン加工の終端の位置を0mmとし、ワークの自由端側への距離をmmで表している。測定点が25mmまでとなっているのは、細径部101の全長(31mm)の内、寸法精度が求められる25mmまでを測定したためである。
このグラフから、いずれの条件においても、スプラインの大径は加工前の細径部の径より大きくなっていることが明らかである。その拡大量については、同一前進量では、後退量が小さいほど拡大量が大きく(条件2と3)、また同一後退量では前進量が大きいほど拡大量が大きい(条件3と4)。また、後退割合(後退量/前進量の比)をみると、後退割合を大きくするほど、大径の拡大量は小さくなっている(条件1〜4)。
さらに、図5のグラフは、条件1〜4による大径測定値の相違が、測定位置25mm(前段側端部)で大きく、0mm(後段側端部)に向かうに従って小さくなっていることを示している。このことから、後段側の大径は前段側の大径に比べ後退割合の変更に伴う変化が小さいことが明らかである。
加工速度を変えて同様の測定をした結果を図7のグラフに示す。図5のグラフは、加工時の金型の加工速度を3rpmで行なったものである。その中の条件2について、加工速度15rpmで加工を行ない、グラフに示した。このグラフから、加工に伴う大径の変化状況は、加工速度を変えても同様に得られることが確認された。
以上の状況に基づいてさらに表2に示す条件5を設定した。
Figure 2010089103
条件5における「前段」はスプライン加工終端の位置(フランジ102側の端部)から自由端側へ測定した距離が25〜20mmまでの部分、「後段」は同距離が20〜0mmまでの部分である。
このように、条件5は、加工前段部分で振動の後退割合を小さくし、後段部分で後退割合を大きくして行なうものである。こうして得られたスプライン部の大径を軸方向の複数点で測定した結果を図8のグラフに示す。このグラフは、条件5による加工の場合に大径の拡大が抑制され、スプライン形成範囲に亘る大径の均一性が、条件1〜4のどれよりも優れたものとなっていることを示している。
さらに、条件1〜4によりスプライン加工をした際に生じるワークの軸方向の伸び量を測定した。その結果を図6のグラフに示す。このグラフにおいて、上下方向の直線は測定値のばらつきの範囲、四角の点は平均値を示す。このグラフは、条件1から条件4へと後退割合が小さくなるほど軸方向の伸び量が小さくなっていることを示している。このことから、後退割合が小さいほど、加工時における材料の塑性流動が軸方向に少なく、その分、径方向の拡大量が大きくなっていると考えられ、図5のグラフの傾向と整合している。
以上の測定結果から、最適なスプライン加工の制御は、次のような観点から行なうことができると言える。
(i) 加工前段では、後段での拡径量を見込んで大径を拡大するように後退割合を大きくして加工を行なう(条件3,4の前段))。
(ii) 加工後段では、加工の進行中、大径の拡大量が保持されるように、後退割合を小さくして加工を行なう(条件1,2の後段)。
(iii) 但し、後段での拡径が過剰とならないように注意する(条件1の排除)。
上記制御は、加工の進行に従って加工条件を変化させるものであり、加工の進行は、金型の移動距離に基づいて判別されるが、その移動距離に対応する加工時間に基づいて判別することもできる。
加工の進行と大径の寸法変化は加工荷重から予測することができる。図9〜図12は、前述の条件1〜4による加工の際にプレス装置によって加えられた荷重と大径寸法の変化との関係を示している。大径の寸法変化(図の左側の目盛りによる)は図5と同じものを示している。荷重(図の右側の目盛りによる)は、グラフの折れ線の各ピーク値によって示されている。
このグラフが示すように、荷重のピーク値の変化は大径の寸法変化にほぼ対応している。したがって、例えば図1に示すように駆動装置における前進後退動を行なう部分に圧力センサ等の荷重測定部9を設け、前進時の荷重ピーク値を測定しながら加工を行なうことにより、大径の寸法変化を予測した制御や、加工状況の監視を行なうことができる。
加工中の潤滑については、金型の前進量が大きくなると油膜の途切れを生じやすく、後退量が小さくなると加工油の供給不足を生じやすくなる。これに対して、本発明では、加工途中で前進・後退の条件を変更するので、これらの支障が生じるのを防止乃至抑制することができる。
スプライン加工後に高周波焼入等の熱処理を施す場合は、施される熱処理による変形量を見込んで前記後退割合の変化量を設定することにより、高い精度のスプラインを得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態では、ワークを静止状態に設置し、金型を駆動装置により移動させたが、これを逆にして、静止した金型に対してワークを移動させるようにしてもよいし、ワークと金型の双方を移動させるようにしてもよい。その駆動装置としては、油圧装置の他、電動モータ等の種々の手段を用いることができる。
また、駆動装置は、ワークにおけるスプラインを形成すべき範囲の一端から他端へ金型を送る移動と、ワークに対して金型を前進・後退させる振動とを、上記実施形態における油圧シリンダのように1つの駆動源で行なう他、上記送り移動と振動とを分離して行なうこともできる。この場合は、金型を加振部で前後方向へ加振しながら移動部で送る、或いは、ワークを加振部で前後方向へ振動させながら移動部で送る構造とすることができる。
さらに、ワークを加振部で前後方向に振動させ、これに対して金型を移動部により一方向に送るという方法を採ることができ、或いはこれと逆に、金型を加振部で前後方向に振動させ、これに対してワークを移動部により一方向に送るという構造とすることができる。
これらの場合は、加工工程の前段部分における後退割合を後段部分における後退割合より小さくするために、以下の形態とすることができる。
(i) 送り移動を一定速度とし、振動の振幅を加工前段で小さく、後段で大きくする。
(ii) 振動の振幅を一定とし、送り移動速度を加工前段で速く、後段で遅くする。
(iii) 送り移動速度を加工前段で速く、後段で遅くしながら、振動の振幅を加工前段で小さく、後段で大きくする。
以上では、各工程の前段と後段との間で後退割合を変化させる例を説明したが、前段部分及び後段部分の一方または双方においてさらに後退割合の変化を加え、3段階以上に変化させてもよい。これによって、より詳細な大径の寸法制御を行なうことができる。
本発明に係るスプラインの塑性加工方法を実施するためのプレス装置をワークと共に示す正面図である。 図1の装置で加工されるワークの正面図であり、(a)は加工前、(b)は加工後の状態を示す。 図2(b)のX−X線に沿う断面の一部の拡大図である。 スプラインの塑性加工方法を図1の装置に基づいて説明する図である。 図4の方法により形成されたスプラインの大径寸法を示すグラフである。 図4の方法により形成されたスプラインの軸方向寸法を示すグラフである。 図4の方法において加工速度を変えた場合の大径寸法を示すグラフである。 本発明に係る加工方法を図1の装置を用いて実施した場合におけるスプラインの大径寸法を示すグラフである。 図4の方法におけるスプラインの大径寸法と加工荷重との関係を示すグラフである。 図4の方法におけるスプラインの大径寸法と加工荷重との関係を示すグラフである。 図4の方法におけるスプラインの大径寸法と加工荷重との関係を示すグラフである。 図4の方法におけるスプラインの大径寸法と加工荷重との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 下部フレーム
2 上部フレーム
3 支柱
4 可動フレーム
6 駆動装置
7 金型
101 細径部
105 スプライン
W ワーク

Claims (9)

  1. 形成すべきスプラインの雌型断面形状を有した金型を用い、ワークにおけるスプラインを形成すべき範囲の一端から他端へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動することによりワークにスプラインを形成するスプラインの塑性加工方法であって、
    ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行ない、
    加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を変化させ、加工工程の前段部分における前記後退割合を後段部分における前記後退割合より小さくすることを特徴とするスプラインの塑性加工方法。
  2. 前記加工工程の前段部分における金型の後退量を後段部分より小さくすることにより、前記後退割合を変化させることを特徴とする請求項1に記載のスプラインの塑性加工方法。
  3. 前記加工工程の後段部分における金型の前進量を前段部分より大きくすることにより、前記後退割合を変化させることを特徴とする請求項1に記載のスプラインの塑性加工方法。
  4. スプライン加工後に施される熱処理による変形量を見込んで前記後退割合の変化量を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスプラインの塑性加工方法。
  5. 形成すべきスプラインの雌型断面形状を有した金型と、
    ワークにおけるスプラインを形成すべき範囲の一端から他端へ金型を送るようにワーク及び金型のいずれかを相対移動させる駆動装置と
    を備えたスプラインの塑性加工装置であって、
    前記駆動装置は、ワークまたは金型を前記相対移動方向における前進及び後退の方向に振動させつつ前記相対移動を行なわせるための制御部を備え、
    該制御部は、加工の進行に伴って前記相対移動下での振動における前進量に対する後退量の割合である後退割合を制御し得ることを特徴とするスプラインの塑性加工装置。
  6. 前記駆動装置が、ワーク及び金型の一方を駆動することにより、前記振動及び相対移動を行なうことを特徴とする請求項5に記載の塑性加工装置。
  7. 前記駆動装置が、ワーク及び金型の一方を前記一端から他端へ送る送り移動部と、該移動部に支持され前記ワーク及び金型の一方を前進後退方向に振動させる加振部とを備えており、前記制御部は前記送り移動部及び加振部のいずれかまたは双方を制御することにより前記後退割合を制御することを特徴とする請求項5に記載の塑性加工装置。
  8. 前記駆動装置が、ワーク及び金型の一方を前記一端から他端へ送る送り移動部と、ワーク及び金型の他方を前進後退方向に振動させる加振部とを備えており、前記制御部は前記送り移動部及び加振部のいずれかまたは双方を制御することにより前記後退割合を制御することを特徴とする請求項5に記載の塑性加工装置。
  9. 前記駆動装置が加工時にワーク及び金型に加える荷重を測定するための荷重測定部をさらに備え、前記制御部は該荷重測定部により測定された荷重に基づいて前記後退割合を制御することを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の塑性加工装置。
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