JP2011121068A - スウェージング加工方法、スウェージング加工装置、およびスウェージング金型 - Google Patents

スウェージング加工方法、スウェージング加工装置、およびスウェージング金型 Download PDF

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Abstract

【課題】導入部での摩耗の発生を抑制できて、耐久性に優れたスウェージング加工装置を提供でき、また、長期にわたって安定した製品を加工できるスウェージング加工方法を提供する。
【解決手段】スウェージング金型23は、素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって縮径した導入部30と、導入部30の下流側に設けられる加工部31と、加工部31から素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって拡径する逃げ部32とを有する素材通路を備える。導入部30よりも上流側に素材送り方向に沿って縮径して素材Sが初期接触する予備加工部35を設ける。予備加工部35の傾斜角を導入部30の傾斜角よりも小さく設定する。予備加工部35と導入部30とを、素材通路側に曲率中心があるアール部36を介して連続接続した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェージング加工方法、スウェージング加工装置、およびスウェージング金型に関する。
スウェージング加工は、棒状または管状の長軸素材を外径側から金型で打圧することにより縮径させる加工方法である(特許文献1および特許文献2)。このようなスウェージング加工では、切削等の材料の除去加工を伴わないため、材料の歩留まりがよい。また、鍛流線を切断しないため強度的にも有利である。
管状素材でのスウェージング加工は、内径にマンドレルを挿入することにより、外径と肉厚を同時に制御することを可能としたものがある。例えば、自動車の等速自在継手等に用いられる中空シャフトでは、管状素材を用い、スウェージングで強度が必要な部分を縮径・増肉加工することで必要な強度を保ちつつ重量軽減を達成している(特許文献3)。
ところで、スウェージング加工には大きく分けて、フィードスウェージング加工とリセススウェージング加工との二つの種類がある。図9はフィードスウェージング加工に用いる金型を示し、図10はリセススウェージング加工に用いる金型を示している。フィードスウェージング加工は、金型1を矢印Y方向(径方向)に往復動することによって、素材2を打圧しつつ軸方向に矢印X方向に送ることで、長軸素材の広範囲を縮径できるものである。すなわち、フィードスウェージングの金型1は、素材送り方向に沿って縮径した導入部3と、この導入部3の下流側に設けられる加工部4と、この加工部4から素材送り方向(矢印X方向)に沿って拡径する逃げ部5とを有する素材通路6を備える。また、リセススウェージング加工は、素材2の位置は固定し金型10を矢印Y方向(径方向)に送ることで、局部的に縮径加工を実施するものである。すなわち、リセススウェージングの金型10は、縮径した加工部11を有する素材通路12を備え、楔部材13を矢印X1方向に打ち込みによって、金型10が矢印Y1のように縮径するようにしている。
特開2007−54867号公報 特開2000−246388号公報 特開2007−75824号公報
フィードスウェージング加工用の金型1において、図11に示すように、導入部3の傾斜角(テーパ角)(軸心線に対する傾斜角)θは、例えば10°程度とされ、素材径d0を36mmとし、縮径dを26.6mmとする。
このため、素材2を金型1側へ送れば、図12に示すように、素材2の端面外周縁部2aが導入部3のテーパ面3aに当接する。具体的には、図13に示すうように、面取エッジ7が導入部3のテーパ面3aに当接する。このため、この接触部位Pにおいて金型1は摩耗し易い。そして、繰り返しの使用によって、この摩耗が図14に示すように、加工部4側へ進行して凹部の摩耗進行部18が形成される。この図14において、θ´は摩耗の進行角度であって、5°程度となっている。なお、矢印は摩耗の進行方向を示している。
このように摩耗が進行した状態になれば、この摩耗進行部18が素材に転写されることになる。すなわち、図15に示すように、素材2のテーパ部15に膨出部19が形成されることになる。このような場合、近年のネットシェイプ化により、スウェージング加工箇所がそのまま最終製品形状として残る場合がある。そのため、摩耗進行部が素材に転写されたままでは、外観不良として残る。したがって、金型を早期に交換する必要があり、金型寿命が短くなっていた。なお、図15において、17は加工部4にて成形された縮径部である。
このような従来の金型1で、素材2を縮径するように成形した場合、図16に示すように、導入部3で縮径される前の素材外径と、導入部3で成形されるテーパ部15との間に曲率半径R10のアール部16が形成される。しかしながら、この場合、このアール部16はテーパ部15と連続的に繋がっておらず、アール部16が途中で切れている状態となる。このことからテーパ部15は、ほぼ全域で金型1に接触して加工されていることがわかる。またアール部16はテーパ部15の成形時に素材の肉が引っ張られたため形成されたと考えられる。また、図16において、θは導入部3で成形されるテーパ部15の傾斜角度であり、導入部3の傾斜角度である。
ところで、1工程で実施していたフィードスウェージング加工を、例えば、荒加工、仕上げ加工のように2工程に分けることによって、このような金型の局部摩耗を抑制することが可能である。また、素材の送り速度を遅くすることによって、加工負荷を下げて、摩耗を低減するようにしてもよい。
しかしながら、工程を増加させる場合、金型数が増加してコスト高となるとともに、工程数が増加して、生産性に劣ることになる。また、素材の送り速度を遅くすれば、作業時間(加工時間)が大となって生産性に劣ることになる。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、導入部での摩耗の発生を抑制できて、耐久性に優れたスウェージング金型、このようなスウェージング金型を用いたスウェージング加工方法およびスウェージング加工装置を提供しようとするものである。
本発明のスウェージング加工方法は、円周方向の複数個所に、半径方向に往復動可能の金型を配置し、各金型の内周面で素材通路を形成し、各金型の内周面に、上流側から下流側に向け、素材の送り方法に沿って縮径する導入部、加工部、および素材の送り方向に沿って拡径する逃げ部と順次連続的に設け、素材を素材通路に送り込みながら、各金型の往復移動で素材表面を打圧して素材を縮径させるスウェージング加工方法であって、前記金型は、導入部よりも上流側において、素材送り方向に沿って縮径しかつ傾斜角を前記導入部の傾斜角よりも小さくした予備加工部を連続して有し、素材のエッジが金型に最初に接触する初期接触をこの予備加工部で終了させた後、この素材を、予備加工部で加工してから導入部を経て加工部に送り込むものである。
加工前の素材径をd0とし、加工部にて加工された後の加工径をdとしたときに、d/d0が0.6〜0.8の範囲とすることができる。
本発明のスウェージング加工装置は、円周方向の複数個所に、半径方向に往復動可能の金型を配置し、各金型の内周面で素材通路を形成し、各金型の内周面に、上流側から下流側に向け、素材の送り方法に沿って縮径する導入部、加工部、および素材の送り方向に沿って拡径する逃げ部と順次連続的に設け、素材を素材通路に送り込みながら、各金型の往復移動で素材表面を打圧して素材を縮径させるスウェージング加工装置であって、導入部よりも上流側の金型において、素材送り方向に沿って縮径し、かつ傾斜角を前記導入部の傾斜角よりも小さくした予備加工部を連続して設け、この予備加工部に素材のエッジが最初に接触する素材接触部を設けたものである。
本発明のスウェージング加工装置およびスウェージング加工方法によれば、導入部よりも上流側の金型において予備加工部を設け、この予備加工部に素材のエッジが初期接触する素材接触部を設けたので、予備加工部において、素材のエッジが金型に最初に接触し、この予備加工部で加工(予備加工)が行われ、エッジの導入部への初期接触が無くなる。このため、素材接触による導入部の摩耗を回避することができる。また、予備加工部の傾斜角を導入部の傾斜角よりも小さく設定したことによって、素材接触による予備加工部の摩耗を抑制することができる。
金型において、予備加工部と導入部とを、素材通路側に曲率中心があるアール部を介して連続接続するのが好ましい。このように、連続接続したことによって、予備加工部と導入部との間において素材が滑らかに走行することができる。
本発明のスウェージング金型は、素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって縮径した導入部と、この導入部の下流側に設けられる加工部と、この加工部から素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって拡径する逃げ部とを有する素材通路を備えたスウェージング金型であって、導入部よりも上流側に素材送り方向に沿って縮径して素材のエッジが最初に接触する予備加工部を連続して設けるとともに、この予備加工部の傾斜角を導入部の傾斜角よりも小さく設定したものである。
本発明のスウェージング加工装置及びスウェージング加工では、素材接触による導入部の摩耗を回避することができるとともに、素材接触による予備加工部の摩耗を抑制することができる。これによって、金型寿命を延ばすことができ、耐久性に優れたスウェージング加工装置を提供できる。また、金型において、予備加工部と導入部との間にアール部を設けることによって、予備加工部と導入部との間において素材が滑らかに走行することができ、予備加工部と導入部との肉の滞留を防ぐことができ、この部位での摩耗代を小さくでき、製品への摩耗形状の転写を抑制でき、高品質の製品を提供できる。
本発明のスウェージング金型では、耐久性に優れ、高品質の製品(シャフト等)を長期にわたって安定して供給することができる。
本発明の実施形態を示すスウェージング加工装置の金型の要部断面図である。 前記図1のスウェージング金型の斜視図である。 前記図1のスウェージング加工装置を示し、(a)は金型開状態の要部簡略図であり、(b)の金型閉状態の要部簡略図である。 前記スウェージング加工装置を用いたスウェージング加工の工程図である。 前記図1のスウェージング加工装置のスウェージング金型の要部拡大断面図である。 前記図1のスウェージング加工装置のスウェージング金型を用いて成形された製品の要部断面図である。 素材の半裁断面図である。 前記図7に示す素材から成形された中空シャフトの半裁断面図である。 一般的なフィードスウェージング金型を用いた加工工程を示し、(a)は素材が金型に供給される直前の断面図であり、(b)は素材が金型に供給されている状態の断面図である。 一般的なリセスウェージング金型を用いた加工工程を示し、(a)は素材が金型にて打圧直前の断面図であり、(b)は素材が金型にて打圧されている状態の断面図である。 従来のフィードスウェージング金型の断面図である。 従来のフィードスウェージング金型に素材が供給された状態の断面図である。 従来のフィードスウェージング金型の要部拡大断面図である。 従来のフィードスウェージング金型における摩耗の進行状況を示す要部拡大断面図である。 従来のスウェージング金型を用いて成形された製品の断面図である。 従来のスウェージング金型を用いて成形された製品の要部拡大図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1と図2は本発明に係るスウェージング金型を示し、図3はこのスウェージング金型を用いたスウェージング加工装置を示している。スウェージング加工装置は、周方向に沿って90°ピッチで配設されるスピンドル21と、このスピンドル21間の隙間(案内部)22に収容される前記金型(ダイス)23及びハンマー24等を備える。金型23とハンマー24との間に、隙間調整用のシム25が介在される。
そして、スピンドル21の外周側にはローラカーゴ26が配設され、このローラカーゴ26には複数のスウェージングローラ27が配置されている。また、ハンマー24は、隙間(案内部)22に嵌入される本体部24aと、ローラカーゴ26側に配設される鍔部24bとを備える。ハンマー24の外径端面には膨出部24cが設けられている。
ローラカーゴ26が矢印A方向に回転することによって、スピンドル21が矢印A1方向に回転し、これによって、スウェージングローラ27がハンマー24の鍔部24bの上面を通過して、金型23が隙間(案内部)22内において矢印C1,C2方向(径方向)に往復動する。金型23が素材Sを打圧することができる。図3(a)に示すように、ハンマー24の膨出部24cにスウェージングローラ27が対応しない状態では、ハンマー24が外径方向の矢印C1方向に移動して、金型23が外径方向にスライドして金型開状態となる。また、図3(b)に示すように、ハンマー24の膨出部24cにスウェージングローラ27が対応した状態では、ハンマー24が内径方向の矢印C2方向に移動して、金型23が内径方向にスライドして金型閉状態となる。
この種の金型23は、図1と図2に示すように、素材送り方向Eに沿って上流側から下流側に向って縮径した導入部30と、この導入部30の下流側に設けられる加工部31と、この加工部31から素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって拡径する逃げ部32とを有する素材通路33を備えたものである。本発明の金型23は、導入部30よりも上流側に予備加工部35がさらに設けられる。予備加工部35は、導入部30と同様、素材送り方向Eに沿って上流側から下流側に向かって縮径したものである。予備加工部35と導入部30と加工部31と逃げ部3とが連続形成される。
すなわち、各金型23の予備加工部35および導入部30は、素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって周方向長さが小となる傾斜凹部35a、30aからなる。また、各金型23における加工部31は、素材送り方向に沿って周方向長さが一定の凹部31aからなる。各金型23における逃げ部32は、素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって周方向長さが大となる傾斜凹部32aからなる。
この場合、導入部30のテーパ角(素材送り方向つまり金型軸方向に対する角度)をθとし、予備加工部35のテーパ角(素材送り方向つまり金型軸方向に対する角度)をθpとしたときに、θ>θpとする。具体的には、θを10°とし、θpを1°としている。
ところで、予備加工部35の傾斜角度は、金型23による打圧の数、素材の送り速度等にも基づいて設定できる。すなわち、摩耗の進行角度は、金型23による打圧の数、素材Sの送り速度等の加工条件により変化し、素材送り速度が速いほど、また、打圧の数が少ないほど角度が小さくなる。このため、これら(打圧の数、素材Sの送り速度)に基づいて、予備加工部35の傾斜角度を摩耗が発生しにくい角度に設定できる。この場合、同一条件での実績に基づき推定することができる。
また、予備加工部35と導入部30との繋ぎ目には、素材通路側に曲率中心があるアール部36が形成される。このアール部36の曲率半径Rは、θを10°とし、θpを1°とした場合、例えば20mmとされる。このようにアール部36を設けることによって、予備加工部35と導入部30が連続接続されることになる。
4つの金型23の素材通路33にて、図3に示すように、加工用孔部40が構成され、この加工用孔部40の予備加工部35の素材S(例えば、図7に示すような中空体の素材)の端面エッジSa(図4参照)が初期接触するように設定している。
次に前記のように構成された金型23を有するスウェージング加工装置を用いたスウェージング加工方法を図4等を用いて説明する。形成される金型23の加工用孔部40に素材Sを矢印Eのように素材送り方向に沿って送る。なお、素材Sが中空体であり、マンドレル(芯金)50を用いる。
図4(a)に示すように、加工用孔部40に素材Sが送り込まれれば、まず、予備加工部35の傾斜面に素材Sの先端外周縁部(エッジ)Saが接触する。すなわち、素材のエッジSaが金型23に最初に接触する初期接触をこの予備加工部35で行うことになる。この初期接触としては、金型23が径方向外方に移動した開状態であっても、金型23が径方向内方に移動した閉状態であっても、開状態と閉状態との間の状態であってもよい。
そして、このように素材Sが、加工用孔部40に送り込まれれば、各金型23が径方向に往復動して金型23が素材Sを打圧することになる。すなわち、素材Sを金型23で打圧しつつ軸方向(素材送り方向)に沿って上流側から下流側に送ることになる。このため、素材Sの先端部が、この予備加工部35で絞られて縮径し、導入部30への進入が許容される。
予備加工部35で絞られて縮径した素材Sは、この導入部30を通過することによって、打圧されてさらに縮径し、図4(b)に示すように、素材Sの加工部31への進入が許容される。加工部31では、外径寸法がd0であった素材Sは、打圧されてその外径寸法がdとなるように縮径される。このため、軸方向(素材送り方向)に沿って上流側から下流側に送ることによって、図4(c)(d)に示すように、外径寸法がdとなる中空シャフトS1を成形することができる。たとえば、加工前の素材径をd0とし、加工部31にて加工された後の加工径をdとしたときに、d/d0が0.6〜0.8の範囲とする。なお、素材Sが逃げ部31を通過する際には、加工されず、通過抵抗を生じさせない。また、形成(加工)される中空シャフトS1の内径寸法は、マンドレル50の外径寸法に一致することになる。
このようなスウェージング加工装置においては、絞り加工すべき素材Sの端面(下流側端面)を押さえるエジェクタを用いるのが好ましい。エジェクタは、マンドレル50に外嵌されるものである。この場合、エジェクタにて、加工部31よりも上流側で素材Sの端面を押さえるようにしても、加工部31よりも下流側で素材Sの端面を押さえるようにしてもよい。
ところで、この装置において成形される素材Sは、図6に示すように、予備加工部35にて第1テーパ部41が成形され、導入部30によって第2テーパ部42が成形され、加工部31によって小径部43が成形される。第1テーパ部41と第2テーパ部42との境目は、図6に示すように、アール部36によって曲率半径R1の円弧部44が成形される。
すなわち、金型23で加工した素材Sでは、縮径されていない部位と導入部30にて成形された第2テーパ部42(傾斜角度θが10°であるテーパ部)との間に、予備加工部35にて成形された第1テーパ部(傾斜角度θpが1°であるテーパ部)を有することになる。この際、第1テーパ部41と第2テーパ部42が円弧部44を介してつながっており、その円弧部44の形状はこの金型23に設定したアール部36より大きく、また第2テーパ部42と連続的に繋がっている。これは、円弧部44のR形状は金型23のアール部36の形状によるものでなく、予備加工部35および導入部30での縮径加工に引っ張られ自由変形したものとわかる。
本発明によれば、導入部30よりも上流側に、素材Sが初期接触する予備加工部35を設けているので、素材接触による導入部30の摩耗を回避することができる。また、予備加工部35の傾斜角θpを導入部30の傾斜角θよりも小さく設定したことによって、素材接触による予備加工部35の摩耗を抑制することができる。これによって、金型寿命を延ばすことができ、耐久性に優れたスウェージング金型を提供できる。また、アール部36を設けることによって、予備加工部35と導入部30との間において素材が滑らかに走行することができ、予備加工部35と導入部30との肉の滞留を防ぐことができ、この部位での摩耗代を小さくでき、製品への摩耗形状の転写を抑制でき、高品質の製品を提供できる。
すなわち、本発明にかかる金型で加工した素材は予備加工部35と導入部30によりテーパ面(テーパ部41,42)を成形しており、摩耗形状が転写される箇所は二つのテーパ部の成形に伴う自由変形により成形される。このため、摩耗形状が転写されにくい。また摩耗が進行しても、最終形状に関与しない予備加工部35と導入部30との間のアール部36が摩耗代となることで摩耗の転写を防ぎ、また摩耗の進行を遅らせることが可能である。
導入部30の傾斜角θを、金型軸方向Lに対して10°としたときに、予備加工部35の傾斜角θpを、金型軸方向Lに対して1°としたことによって、素材Sが滑らかに走行することができ、摩耗抑制効果が向上する。また、アール部36の曲率半径を20mmとすることによって、製品への摩耗形状の転写の抑制機能が向上する。
加工前の素材径をd0とし、加工部31にて加工された後の加工径をdとしたときに、d/d0が0.6〜0.8の範囲とすることによって、金型23に対して無理な外力が作用することなく、安定した製品を提供できる。
ところで、シャフトとして、図8に示すような中空シャフトS2がある。このシャフトは、例えば、ドライブシャフトに用いられる。この中空シャフトS2は、軸方向中間部が大径部51に形成されるととともに、両端部は小径部52、52に形成され、小径部52、52と大径部51との間に、中径部53、53が形成されている。なお、大径部51と中径部53との間に中間側テーパ部54が設けられ、小径部51と中径部53との間に端部側テーパ部55が設けられている。
端部の小径部52、52の外径面には雄スプライン(図示省略)が形成され、各小径部52、52に等速自在継手が連結される。等速自在継手の内側継手部材の孔部内径面に雌スプラインが形成され、小径部52が内側継手部材の孔部に嵌入されて、小径部52と等速自在継手の内側継手部材とがスプライン結合される。
図8に示される中空シャフトS2を、図7に示される素材Sから本発明にかかるスウェージング加工装置を用いて成形することができる。この場合、小径部52、中径部53、大径部51等を加工するための複数個のスウェージング加工装置を用いればよい。このようにスウェージング加工方法とは、材料(素材)の外形に繰り返し打撃をあたえて外形を減径させ、軸方向に伸ばす加工方法であり、本発明のスウェージング加工装置を用いたスウェージング加工方法を適用すれば、図8に示すような中空シャフトを長期にわたって安定して供給することができる。なお、図8の形状に成形した後、小径部52に雄スプラインを成形することになる。スプライン加工は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することができる。
本発明にかかるスウェージング加工装置を用いたスウェージング加工によれば、具体的には、加工前の素材Sを、図7に示すように、その軸方向長さLが340mmであり、その外径寸法Dが50mmであり、その肉厚Tが7.7mmであるパイプ(SAE1535M製のパイプ)として、図8に示すような中空シャフトを成形する場合、以下の寸法のものを成形できる。図8に示す中空シャフトは、軸全体の軸方向長さ(軸長)L1が576.4mm、大径部51の軸方向長さL2が119.7mm、中径部53の軸方向長さL3が109mm、小径部52の軸方向長さL4が76.8mm、大径部51の外径寸法D2が40mm、中径部53の外径寸法D3が30mm、小径部52の外径寸法D4が25mm、大径部51の肉厚T2が3.8mm、中径部53の肉厚T3が4.5mm、小径部52の肉厚T4が6mmとなる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、予備加工部35の傾斜角度としては、導入部30の傾斜角度よりも小さいものであれば、任意に設定できる。また、アール部36の曲率半径としても、予備加工部35と導入部30とが連続接続できるものであれば、種々変更できる。素材Sの材質としては、鉄鋼材料であっても、銅、アルミなどの非鉄金属材料であってもよい。また、素材Sは中実体であっても、中空体であってもよい。成形品であるシャフトとして、自動車のプロペラシャフトやドライブシャフトを構成したり、さらには、各種の産業機械等に用いられる種々のシャフトに適用できる。
加工前の素材Sの外径寸法、軸方向長さ、肉厚寸法等は図7に示すものに限るものではなく、また、加工後の製品の寸法形状も図8に示すものに限るこのではない。
なお、金型を図11に示す従来形状のままで、この導入部の摩耗を低減できるように、素材の端面エッジ形状を変更することも提案できる。しかしながら、従来のタイプの金型を使用する限りは、初期に線接触する限り摩耗が発生する。また、面当たりするような端面形状とすると、金型への食いつきが悪くなり、設備の加工負荷が上がり、摩耗状態も変化が見られない。
23 金型
30 導入部
31 加工部
32 逃げ部
33 素材通路
35 予備加工部
36 アール部
S 素材

Claims (5)

  1. 円周方向の複数個所に、半径方向に往復動可能の金型を配置し、各金型の内周面で素材通路を形成し、各金型の内周面に、上流側から下流側に向け、素材の送り方法に沿って縮径する導入部、加工部、および素材の送り方向に沿って拡径する逃げ部と順次連続的に設け、素材を素材通路に送り込みながら、各金型の往復移動で素材表面を打圧して素材を縮径させるスウェージング加工方法であって、
    前記金型は、導入部よりも上流側において、素材送り方向に沿って縮径しかつ傾斜角を前記導入部の傾斜角よりも小さくした予備加工部を連続して有し、素材のエッジが金型に最初に接触する初期接触をこの予備加工部で終了させた後、この素材を、予備加工部で加工してから導入部を経て加工部に送り込むことを特徴とするスウェージング加工方法。
  2. 加工前の素材径をd0とし、加工部にて加工された後の加工径をdとしたときに、d/d0が0.6〜0.8の範囲とすることを特徴とするスウェージング加工方法。
  3. 円周方向の複数個所に、半径方向に往復動可能の金型を配置し、各金型の内周面で素材通路を形成し、各金型の内周面に、上流側から下流側に向け、素材の送り方法に沿って縮径する導入部、加工部、および素材の送り方向に沿って拡径する逃げ部と順次連続的に設け、素材を素材通路に送り込みながら、各金型の往復移動で素材表面を打圧して素材を縮径させるスウェージング加工装置であって、
    導入部よりも上流側の金型において、素材送り方向に沿って縮径し、かつ傾斜角を前記導入部の傾斜角よりも小さくした予備加工部を連続して設け、この予備加工部に素材のエッジが最初に接触する素材接触部を設けたことを特徴とするスウェージング加工装置。
  4. 予備加工部と導入部とを、素材通路側に曲率中心があるアール部を介して連続接続したことを特徴とする請求項3に記載のスウェージング加工装置。
  5. 素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって縮径した導入部と、この導入部の下流側に設けられる加工部と、この加工部から素材送り方向に沿って上流側から下流側に向かって拡径する逃げ部とを有する素材通路を備えたスウェージング金型であって、
    導入部よりも上流側に素材送り方向に沿って縮径して素材のエッジが最初に接触する予備加工部を連続して設けるとともに、この予備加工部の傾斜角を導入部の傾斜角よりも小さく設定したことを特徴とするスウェージング金型。
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