JPH10276703A - 大豆醗酵食品素材及びこれを使用したパン - Google Patents
大豆醗酵食品素材及びこれを使用したパンInfo
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- JPH10276703A JPH10276703A JP9102449A JP10244997A JPH10276703A JP H10276703 A JPH10276703 A JP H10276703A JP 9102449 A JP9102449 A JP 9102449A JP 10244997 A JP10244997 A JP 10244997A JP H10276703 A JPH10276703 A JP H10276703A
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- Japan
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- vegetable oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 植物油を微生物酵素により分解して、モノ、
及びジグリセライドを生成させ、これを大豆を主原料と
して調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られ
るヨーグルト状組成物と混ぜて熟成させる。 【解決手段】 植物油脂をアスペルギルス・オリザエ
(Aspergillus Oryzae)、又は/及びリゾップス・オリ
ゴスポラス(Rhyzopus Orygosporus)由来のリパーゼ
(Lipase)で分解した植物油分解物と、大豆を主原料と
して調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られ
るヨーグルト状組成物とを混合し熟成させる。
及びジグリセライドを生成させ、これを大豆を主原料と
して調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られ
るヨーグルト状組成物と混ぜて熟成させる。 【解決手段】 植物油脂をアスペルギルス・オリザエ
(Aspergillus Oryzae)、又は/及びリゾップス・オリ
ゴスポラス(Rhyzopus Orygosporus)由来のリパーゼ
(Lipase)で分解した植物油分解物と、大豆を主原料と
して調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られ
るヨーグルト状組成物とを混合し熟成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、植物油を微生物
酵素により分解して、モノ、及びジグリセライドを生成
させ、これを大豆を主原料として調整したスラリーに乳
酸菌を接種・培養して得られるヨーグルト状組成物(以
下、植物ヨーグルトともいう。)と混ぜて熟成させた大
豆醗酵食品素材及びこれを使用したパンに関するもので
ある。
酵素により分解して、モノ、及びジグリセライドを生成
させ、これを大豆を主原料として調整したスラリーに乳
酸菌を接種・培養して得られるヨーグルト状組成物(以
下、植物ヨーグルトともいう。)と混ぜて熟成させた大
豆醗酵食品素材及びこれを使用したパンに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】大豆醗酵物のうち、特に味噌において
は、米麹(Aspergillus Oryzae)と
煮熟大豆を10%食塩下で分解・醗酵を行うので、大豆
中の油脂、すなわちトリグリセライドが、ジグリセライ
ド、モノグリセライド、グリセリンへと分解することが
知られている。
は、米麹(Aspergillus Oryzae)と
煮熟大豆を10%食塩下で分解・醗酵を行うので、大豆
中の油脂、すなわちトリグリセライドが、ジグリセライ
ド、モノグリセライド、グリセリンへと分解することが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、植物油を食塩を
含まない場で酵素分解すると、分解物としてのモノ、及
びジグリセライドが容易に得られることが知られてい
る。
含まない場で酵素分解すると、分解物としてのモノ、及
びジグリセライドが容易に得られることが知られてい
る。
【0004】発明者は種々検討した結果、この植物油分
解物を植物ヨーグルト中で熟成させると、いわゆる食品
添加物を含まず、風味・食感共に癖がなく、機能的には
乳化力を備えた優れた大豆醗酵食品素材(特にパン及び
麺の品質改良剤)となることを見いだし本発明を完成し
た。
解物を植物ヨーグルト中で熟成させると、いわゆる食品
添加物を含まず、風味・食感共に癖がなく、機能的には
乳化力を備えた優れた大豆醗酵食品素材(特にパン及び
麺の品質改良剤)となることを見いだし本発明を完成し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明に係る
大豆醗酵食品素材は、植物油脂をアスペルギルス・オリ
ザエ(Aspergillus Oryzae)、又は
/及びリゾップス・オリゴスポラス(Rhyzopus
Orygosporus)由来のリパーゼ(Lipa
se)で分解した植物油分解物と、大豆を主原料として
調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られるヨ
ーグルト状組成物とを混合し熟成させたものである。
大豆醗酵食品素材は、植物油脂をアスペルギルス・オリ
ザエ(Aspergillus Oryzae)、又は
/及びリゾップス・オリゴスポラス(Rhyzopus
Orygosporus)由来のリパーゼ(Lipa
se)で分解した植物油分解物と、大豆を主原料として
調整したスラリーに乳酸菌を接種・培養して得られるヨ
ーグルト状組成物とを混合し熟成させたものである。
【0006】またこの発明に係る大豆醗酵食品素材を使
用したパンは、前記大豆醗酵食品素材を添加して製造し
たものである。
用したパンは、前記大豆醗酵食品素材を添加して製造し
たものである。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明において、植物油脂と
は、大豆油、コーン油(トウモロコシ油)、綿実油(コ
ットンシード油)、パーム油(椰子油)等をいう。また
植物油をリパーゼを添加して分解する際には、油脂を水
との乳化状態にすることが必要なので、通常大豆レシチ
ンを加えて乳化させる。植物油脂の酵素分解は、通常3
5℃〜50℃で分解を行い、分解終了後は、通常80℃
以上に加熱して酵素を失活させる。植物油50部、水5
0部、レシチン5部、酵素0.25部を使用し、37℃
で5時間攪拌した後得られる植物油分解物中には、通常
モノグリセライドが3〜5%、ジグリセライドが5〜1
0%生成する。
は、大豆油、コーン油(トウモロコシ油)、綿実油(コ
ットンシード油)、パーム油(椰子油)等をいう。また
植物油をリパーゼを添加して分解する際には、油脂を水
との乳化状態にすることが必要なので、通常大豆レシチ
ンを加えて乳化させる。植物油脂の酵素分解は、通常3
5℃〜50℃で分解を行い、分解終了後は、通常80℃
以上に加熱して酵素を失活させる。植物油50部、水5
0部、レシチン5部、酵素0.25部を使用し、37℃
で5時間攪拌した後得られる植物油分解物中には、通常
モノグリセライドが3〜5%、ジグリセライドが5〜1
0%生成する。
【0008】この発明において植物ヨーグルトに使用す
る豆乳は、全粒大豆をそのまま粉砕した大豆粉でも、普
通の豆腐を製造する際のいわゆる抽出豆乳(おからを除
いたもの)でも良い。
る豆乳は、全粒大豆をそのまま粉砕した大豆粉でも、普
通の豆腐を製造する際のいわゆる抽出豆乳(おからを除
いたもの)でも良い。
【0009】植物ヨーグルトには、乳業用の乳酸菌(L
aet.bulgaricus,Strept.the
rmophilus等)を使用するが、乳酸菌の成育を
助長するために、通常麹(Aspergillus O
ryzae)由来の酵素、及び人参ジュース等を添加す
る。
aet.bulgaricus,Strept.the
rmophilus等)を使用するが、乳酸菌の成育を
助長するために、通常麹(Aspergillus O
ryzae)由来の酵素、及び人参ジュース等を添加す
る。
【0010】実施例 1 大豆油50部、水50部、レシチン1.0部を混合乳化
させ、リゾップス・オリゴスポラス起源の粗製リパーゼ
0.3部を加え、35℃湯浴中で酵素分解を7時間行
い、90℃、10分間にて酵素の失活を完了させ、植物
油分解物を得た。
させ、リゾップス・オリゴスポラス起源の粗製リパーゼ
0.3部を加え、35℃湯浴中で酵素分解を7時間行
い、90℃、10分間にて酵素の失活を完了させ、植物
油分解物を得た。
【0011】また、全粒生大豆粉10部、人参ジュース
10部に熱水80部を加えて混合、冷却した。次に、3
8℃にて麹酵素(Aspergillus Oryza
e起源)を0.1部加え、さらに乳酸菌(Laet.b
ulgaricus,Strept.thermoph
ilus混合菌)スターター1.5部を加えて、37℃
で5時間醗酵を行い大豆ヨーグルトを得た。
10部に熱水80部を加えて混合、冷却した。次に、3
8℃にて麹酵素(Aspergillus Oryza
e起源)を0.1部加え、さらに乳酸菌(Laet.b
ulgaricus,Strept.thermoph
ilus混合菌)スターター1.5部を加えて、37℃
で5時間醗酵を行い大豆ヨーグルトを得た。
【0012】そして前記植物ヨーグルト90部と植物油
分解物10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大
豆醗酵食品素材を得た。
分解物10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大
豆醗酵食品素材を得た。
【0013】実施例 2 コーン油25部、綿実油25部、水50部、レシチン1
0部を混合乳化させ、アスペルギルス・オリザエ起源粗
製リパーゼ0.3部を加え、35度湯浴中で酵素分解1
5時間行い、90℃、10分間で酵素失活させ、植物油
分解物を得た。
0部を混合乳化させ、アスペルギルス・オリザエ起源粗
製リパーゼ0.3部を加え、35度湯浴中で酵素分解1
5時間行い、90℃、10分間で酵素失活させ、植物油
分解物を得た。
【0014】また、全粒生大豆粉10部、熱水90部を
加え混合、冷却、38℃にてリゾップス・オリゴスポラ
ス起源粗製酵素0.2部を加え、さらに乳酸菌(Lae
t.bulgaricus,Strept.therm
ophilus混合菌)スターター1.5部を加え、3
7℃で、5時間醗酵を行い植物ヨーグルトとする。
加え混合、冷却、38℃にてリゾップス・オリゴスポラ
ス起源粗製酵素0.2部を加え、さらに乳酸菌(Lae
t.bulgaricus,Strept.therm
ophilus混合菌)スターター1.5部を加え、3
7℃で、5時間醗酵を行い植物ヨーグルトとする。
【0015】そして前記大豆ヨーグルト90部と植物油
分解物10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大
豆醗酵食品素材を得た。
分解物10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大
豆醗酵食品素材を得た。
【0016】実施例 3 大豆油25部、パーム油25部、水50部、レシチン
2.0部を混合乳化させ、リゾップス・オリゴスポラス
起源粗製リパーゼ0.3部を加え、50℃湯浴中で酵素
分解を5時間行い、90℃、10分間にて酵素の失活さ
せ、植物油分解物を得た。
2.0部を混合乳化させ、リゾップス・オリゴスポラス
起源粗製リパーゼ0.3部を加え、50℃湯浴中で酵素
分解を5時間行い、90℃、10分間にて酵素の失活さ
せ、植物油分解物を得た。
【0017】全粒生大豆粉10部、人参ジュース10部
に熱水80部を加え混合、冷却、38℃にて麹酵素0.
1部を加え、さらに乳酸菌(実施例1、2に示したも
の)スターター1.5部を加え、37℃で、5時間醗酵
を行い植物ヨーグルトとする。
に熱水80部を加え混合、冷却、38℃にて麹酵素0.
1部を加え、さらに乳酸菌(実施例1、2に示したも
の)スターター1.5部を加え、37℃で、5時間醗酵
を行い植物ヨーグルトとする。
【0018】前記大豆ヨーグルト90部と植物油分解物
10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大豆醗酵
食品素材を得た。
10部を、混合し5℃にて15時間熟成させ、大豆醗酵
食品素材を得た。
【0019】実施例4 小麦粉に強力粉を使用し、イーストを添加し、中種法
(70%中種法)を用いてパンを試作したところ、
(70%中種法)を用いてパンを試作したところ、
【0020】前記実施例1で得られた大豆醗酵食品素材
を、3%中種配合に添加したものは、無添加(コントロ
ール)のものに比較して、下記の点で非常に優れてい
た。
を、3%中種配合に添加したものは、無添加(コントロ
ール)のものに比較して、下記の点で非常に優れてい
た。
【0021】(1)生生地の段階では、水切り及び進展
性が良く、触感も滑らかであった。 (2)機械耐性においては、モルダーでの伸展性が良好
であった。 (3)パンの内相は、綺目立ちよく膜も薄く伸びがあっ
た。 (4)パンの触感はソフトでしっとりとしている。 (5)食感はソフトで口当たりが良く口溶けもよい。 (6)味と香りも非常に良好であった。
性が良く、触感も滑らかであった。 (2)機械耐性においては、モルダーでの伸展性が良好
であった。 (3)パンの内相は、綺目立ちよく膜も薄く伸びがあっ
た。 (4)パンの触感はソフトでしっとりとしている。 (5)食感はソフトで口当たりが良く口溶けもよい。 (6)味と香りも非常に良好であった。
Claims (2)
- 【請求項1】 植物油脂をアスペルギルス・オリザエ
(Aspergillus Oryzae)、又は/及
びリゾップス・オリゴスポラス(Rhyzopus O
rygosporus)由来のリパーゼ(Lipas
e)で分解した植物油分解物と、 大豆を主原料として調整したスラリーに乳酸菌を接種・
培養して得られるヨーグルト状組成物とを混合し熟成さ
せることを特徴とする大豆醗酵食品素材。 - 【請求項2】 請求項1に記載する大豆醗酵食品素材を
添加して製造することを特徴とするパン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10244997A JP3156156B2 (ja) | 1997-04-07 | 1997-04-07 | 大豆醗酵食品素材及びこれを使用したパン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10244997A JP3156156B2 (ja) | 1997-04-07 | 1997-04-07 | 大豆醗酵食品素材及びこれを使用したパン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10276703A true JPH10276703A (ja) | 1998-10-20 |
JP3156156B2 JP3156156B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=14327790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10244997A Expired - Fee Related JP3156156B2 (ja) | 1997-04-07 | 1997-04-07 | 大豆醗酵食品素材及びこれを使用したパン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3156156B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203515A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社ヤクルト本社 | 乳酸菌発酵食品の製造方法 |
-
1997
- 1997-04-07 JP JP10244997A patent/JP3156156B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203515A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社ヤクルト本社 | 乳酸菌発酵食品の製造方法 |
JP2020162477A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社ヤクルト本社 | 乳酸菌発酵食品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3156156B2 (ja) | 2001-04-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
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