JPH10270332A - 電子ビーム描画方法 - Google Patents

電子ビーム描画方法

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JPH10270332A
JPH10270332A JP9075100A JP7510097A JPH10270332A JP H10270332 A JPH10270332 A JP H10270332A JP 9075100 A JP9075100 A JP 9075100A JP 7510097 A JP7510097 A JP 7510097A JP H10270332 A JPH10270332 A JP H10270332A
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pattern
resist
electron beam
energy
evaluation
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JP9075100A
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Kenji Yamazaki
謙治 山▲崎▼
Kenji Kurihara
健二 栗原
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上のレジスト膜に電子ビーム描画を行うに
際し、描画後の現像によって得られるレジストパタンが
設計パタンに一致するように、電子ビーム照射量を照射
位置に応じて変化させて、電子ビーム描画を行う。 【解決手段】設計パタンを複数のパタンPjに分割し、
設計パタンの内部、輪郭付近の少なくとも輪郭付近に評
価位置xiを設定し、xiにおけるレジスト膜厚が現像後
に所望の残存値になるような臨界蓄積エネルギーECi
iの関数として算出し、xiにおける蓄積エネルギーE
iがECiに近づくように、Pjの照射量DPjを決定し、P
jの電子ビーム描画を照射量DPjで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム描画方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム描画とは、電子ビームに感光
するレジストの薄膜を塗布等により試料表面上に形成
し、特定のパタンおよび照射量で電子ビームを照射・現
像することにより、試料表面上に所望の2次元レジスト
パタンを得るという技術である。電子ビーム描画技術で
は、所望のレジストパタンを得るために、電子ビーム照
射のパタンおよび照射量を決定する方法が重要である。
これは、照射した電子がレジストおよび試料内で複雑に
散乱することにより、照射した部分だけでなく照射部分
の周辺のレジストもある程度感光するため、単純に所望
パタン通りに一定の照射量で照射しても、所望パタン通
りには感光しないためである。この様に、照射領域が近
くに多いため感光させたくない部分が感光してしまった
り、照射領域が近くにないため感光させたい部分でも十
分感光しないという様な、感光または現像の程度が近く
の照射パタンに影響を受ける効果は、近接効果と呼ばれ
ている。
【0003】電子ビーム描画を行う際には、所望のレジ
ストパタン形状を得るために、なるべく所望のパタン内
部では蓄積エネルギーが一定値以上であり、パタン以外
の部分では蓄積エネルギーが一定値以下となるように、
照射パタンおよび照射量を計算等により求めておく。現
像過程では蓄積エネルギーに応じてレジストの溶解が進
み、現像後にレジストの残りの膜厚が次の加工条件によ
る一定の厚さより厚いか薄いかが、パタン形状を決定す
る。この、現像後にレジストが一定の厚さになり、よっ
てパタンの輪郭となる蓄積エネルギーを臨界エネルギー
または臨界蓄積エネルギーと呼ぶことにする。この従来
例では、十分広いパタンについての臨界エネルギーを考
えている。この照射パタンおよび照射量を求めることは
近接効果補正と呼ばれている。近接効果は電子ビーム描
画に限った現象ではなく、光露光等でも類似の効果が現
れる。近接効果補正の方法は、目的等に応じて様々な方
法が使用・提案されている。電子ビーム描画における近
接効果と近接効果補正については、例えば特願平1−4
0863号で詳しく説明されている。
【0004】図11は、上述の近接効果および近接効果
補正を分かりやすく説明するための模式図である。図1
1(a)の様な設計パタンを描画しようとする際に、均
一の照射量で照射すると、図11(b)の様に蓄積エネ
ルギー分布はぼやけてしまい、所望のレジストパタン形
状は得られない。図11(c)は図11(b)、
(e)、図12(a)、(c)の蓄積エネルギーおよび
図12(d)の露光量の大小を濃淡で表すための濃淡ス
ケールである。そこで、図11(d)の様に設計パタン
を分割し、各々の分割パタンを異なった照射量で照射す
ることにより、図11(e)の様な所望の設計パタン形
状に近い蓄積エネルギー分布が得られる。
【0005】近接効果補正を行うためには、試料の一点
に一定量の電子ビーム照射をした場合における感光の程
度(蓄積エネルギー)の分布を知っておくことが重要
で、この分布は点露光強度分布関数とかEID(Exposu
re Intensity Distribution)関数等と呼ばれている。
EID関数I(r)は次式(1)の様に表されること
が、例えばJournal of Vacuum Science & Technology B
8巻(1990)1867頁から1871頁で述べられている。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、rは照射点からの距離、α、β、
γ、η、η′はパラメータである。この様なEID関数
は、目的の試料・レジスト・加速電圧に応じて、あらか
じめ実験等により求めておく。近接効果補正を行うに
は、描画パタンとEID関数の畳み込みまたは描画パタ
ンを分割した分割パタンにおける各々の照射量とEID
関数の畳み込みによって得られる蓄積エネルギー分布か
ら、現像されるかされないかの所望の境界線が臨界エネ
ルギーになるべく近づく様に、各分割パタンの照射量を
決定する。実際には計算量を減らすため、現像されるか
されないかの所望の境界線付近の点を幾つか選び、これ
らの点での蓄積エネルギーが臨界エネルギーとの大小関
係において所望の関係となるように、各分割パタンの照
射量を決定する方法がよく用いられる。
【0008】次に、従来の電子ビーム描画方法の例を図
10のフローチャート図を用いて説明する。図10で、
jは設計パタンを分割した多数の分割パタン、jは1
から分割パタンの総数まで変化する整数、xiは評価点
の列、iは1から評価点の総数まで変化する整数、DPj
は各分割パタンPjの照射量の列、Eiは評価点xiの蓄
積エネルギーの値の列、Kijは分割パタンの照射量の列
Pjと評価点の蓄積エネルギーEiとの関係を表す係数
の行列、Ecは臨界エネルギー値である。
【0009】本従来例では、まず設計パタンを表すデー
タを入力し、この設計パタンを多数の分割パタンに分割
する。次に、設計パタンの輪郭上に多数の評価点を、分
割パタンの中心付近に少数の評価点を採る。次に、各分
割パタンの照射量と各評価点での蓄積エネルギーとの関
係をEID関数を用いて求める。この関係は(分割パタ
ンの総数)×(評価点の総数)の行列によって表すこと
ができる。用いるEID関数は、同様の試料、レジスト
や電子の加速電圧での実験等によりあらかじめ求めてお
く。次に、評価点列での蓄積エネルギーが臨界エネルギ
ーと一致する様に、またはなるべく近づく様に、分割パ
タンの照射量を数値計算により求める。最後に、分割パ
タンと求めた照射量のデータに従って、電子ビームを試
料に照射し、描画を行う。
【0010】さて、光露光の近接効果補正において、レ
ジストを現像する際のパタン依存性を考慮した方法につ
いて説明する。この方法は、例えばJapanese Journal o
f Applied Physics Vol.34 Part 1,6552〜6559頁で述
べられている。現像されるかされないかの境界は、実際
には、蓄積エネルギーが一定の所とは一致せず、周辺の
パタン形状に依存する。例えば、細く残る線状パタンの
先端や、外に張りだした角の様な、周辺部分の多くが現
像される場所では、現像中に新鮮な現像液に多くさらさ
れるため、同じ蓄積エネルギーでも現像の速度(レジス
ト表面の後退速度)が速くなるという現象がある。逆
に、細く現像される線状パタンの先端や内にへこんだ角
の様な、周辺部分があまり現像されない場所では、現像
中に新鮮な現像液にさらされにくく、同じ蓄積エネルギ
ーでもレジスト表面の後退速度が遅くなる。この様な効
果を、現像のパタン依存性と呼ぶことにする。現像のパ
タン依存性は、近接効果と類似の性質があるので、近接
効果補正と同様の方法または、EID関数を現像のパタ
ン依存性も考慮した関数に置き換えることによって、そ
の多くを補正することができる。
【0011】光露光法は光の回折限界から0.1〜0.
2μm以上の構造を持つパタンしか露光できないが、電
子ビーム描画法では0.1μm以下の微細な構造を持つ
パタンが描画できるため、0.1μm以下の微細加工を
実現する手段として注目されている。
【0012】また、光露光法は一括で露光するため近接
効果補正をする際にはパタン形状を変化させることが必
要だが、電子ビーム描画はビームをスキャンさせる方法
であるため、細かい領域毎に照射量を変化させることが
可能であるという特徴がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この様に、電子ビーム
描画において、現像されるかされないかの所望の境界線
が臨界エネルギーになるべく近づく様に、各分割パタン
の照射量を決定する方法では、現像のパタン依存性によ
って現像後のレジスト形状が所望のものとは異なってし
まうという問題があった。図12(a)は従来例の課題
点を分かりやすく説明するための模式図で、従来の技術
で述べた図11(e)で示した蓄積エネルギー分布のレ
ジストを現像すると図12(a)に示した様な設計パタ
ンとは大きく異なるレジスト形状が得られる。参考のた
め図11(e)に示した蓄積エネルギー分布のうち重要
なエネルギーの濃淡図を重ね描きしてある。つまり、大
きな矩形の角部分で蓄積エネルギーの分布とは多少ずれ
たレジストパタンが得られ、更に数十〜百nm程度以下
の細線はほとんどレジストパタンが形成されないことを
示している。よって、光露光についての従来例で述べた
近接効果補正と同様の方法やEID関数を現像のパタン
依存性も考慮した関数に置き換える方法を、電子ビーム
描画に用いた場合にも、特に数十〜百nm程度以下の微
細構造を持つパタンの描画の際には誤差が大きくなり十
分な補正ができなくなるという問題があった。これは、
現在主に用いられているレジスト材料が鎖状有機分子で
あり、試料に塗布した状態では、分子が絡み合って数十
〜百nm程度の粒状構造となることから、百nm程度以
上のまとまった領域を現像する場合とそれ以下の微細な
領域を現像する場合とで、現像のメカニズムが異なるこ
とによると推測できる。つまり、数十〜百nm以下の構
造を持つパタンについては、現像後に所望のレジスト形
状を得るためには、より多くの照射量が必要であった
り、パタンに隣接した非照射領域の蓄積エネルギーを考
慮する必要があったり、現像中のレジスト表面の曲率を
考慮する等、百nm程度以上の構造しか持たないパタン
を描画・現像する場合とは異なった照射量の決定方法が
必要となる。
【0014】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、微細構造を持つパタンを
電子ビーム描画する際に、現像後のレジスト形状を高精
度に制御するための照射量決定方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電子ビーム描画方法においては、設計パ
タンを複数の分割パタンに分割し、前記設計パタンの形
状および分布に基づいて分割パタンの各々の照射量を決
定し、前記分割パタンと前記照射量に従って電子ビーム
を試料に照射する電子ビーム描画方法において、前記設
計パタンの内部、輪郭付近の少なくとも輪郭付近に評価
位置を設定し、前記評価位置のレジスト膜厚が現像後に
所望の残存値になるような蓄積エネルギー(臨界エネル
ギー)を評価位置の関数として求め、前記評価位置の蓄
積エネルギーが前記臨界エネルギーに近づくように前記
分割パタンの照射量を決定することを特徴とする。すな
わち、本発明は、従来技術においては定数とされていた
前記の臨界エネルギーを位置の関数とすることを特徴と
する。
【0016】上記の電子ビーム描画方法において、前記
評価位置の蓄積エネルギーが前記臨界エネルギーに近づ
くように分割パタンを再分割することを繰り返すととも
に前記分割パタンの照射量を決定することが、より一層
の精度向上を図る上で好適である。
【0017】更に上記の電子ビーム描画方法において、
描画条件によって決まる点露光強度分布関数と、前記レ
ジスト中の蓄積エネルギーの分布形状と現像後の前記レ
ジスト形状の関係を示す表または関数を用いて、前記分
割パタンの各々の照射量を決定することが、より一層の
精度向上を図る上で好適である。
【0018】更に上記の電子ビーム描画方法において、
前記レジスト中の蓄積エネルギーの分布形状と現像時の
前記レジスト表面の後退速度の関係を示す表または関数
を用いて、前記レジスト中の前記蓄積エネルギーの分布
形状と現像後の前記レジスト形状の関係を求めることに
より、前記分割パタンの各々の照射量を決定すること
が、より一層の精度向上を図る上で好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電子ビーム描画方法にお
いては、設計パタンを分割した分割パタンの各々の照射
量を決定する際に、現像されるかされないかの境界線を
分割パタンと点露光強度分布関数の畳み込みだけで推定
するのではなく、設計パタンの形状を含めて考慮する。
つまり、分割パタンの各々において、まず現像されるか
されないかの境界となる臨界エネルギーを算出し、次に
各設計パタンの輪郭付近の蓄積エネルギーがなるべくそ
の臨界エネルギーに近づく様に、分割パタンの各々の照
射量を算出することにより、現像後のレジスト形状の精
度を向上させることを可能としている。あるいは、設計
パタンの少なくとも輪郭付近に決定された複数の評価点
の各々において、まず現像されるかされないかの境界と
なる臨界エネルギーを算出し、次に各評価点の蓄積エネ
ルギーがなるべくその臨界エネルギーに近づく様に、分
割パタンの各々の照射量を算出することにより、現像後
のレジスト形状の精度を向上させることを可能としてい
る。
【0020】また、本発明の電子ビーム描画方法におい
ては、試料の素材とレジストの特性と照射する前記電子
ビームの加速電圧などによって決まる点露光強度分布関
数に加えて、レジスト中の蓄積エネルギーの分布形状と
現像後のレジスト形状の関係を示す表または関数を用い
て現像後のレジスト形状を推定し、そのレジスト形状が
所望の形状になるべく近づくように、分割パタンの照射
量を決定することにより、現像後のレジスト形状の精度
を向上させることを可能としている。
【0021】また、本発明の電子ビーム描画方法におい
ては、レジスト中の蓄積エネルギーの分布形状から現像
時のレジスト表面の後退速度を求めて現像後のレジスト
形状についての予測をすることにより、現像後のレジス
ト形状の精度を向上させることを可能としている。
【0022】図12に示した、課題を解決する方法を分
かりやすく説明するための模式図で、図12(b)に示
した様なレジスト形状を得るために、各評価点や分割パ
タンでその周辺のパタン形状を考慮して、表や関数を用
いて各々に適切な蓄積エネルギーを得る。その結果、図
(c)に示した様な蓄積エネルギー分布が必要となり、
この蓄積エネルギー分布を実現するために分割パタンの
照射量は図12(d)の様にしなければならないという
ことが分かる。
【0023】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0024】〔実施例1〕図1は本発明の第1の実施例
を示す電子ビーム描画法のフローチャート図であって、
jは設計パタンを分割した多数の分割パタン、jは1
から分割パタンの総数まで変化する整数、xiは評価点
の列、iは1から評価点の総数まで変化する整数、Eci
は評価点xiに対応する臨界エネルギーの列、DPjは各
分割パタンPjの照射量の列、Eiは評価点xiの蓄積エ
ネルギーの値の列、Kijは分割パタンの照射量の列DPj
と評価点の蓄積エネルギーEiとの関係を表す係数の行
列、eは蓄積エネルギーと臨界エネルギーの許容誤差で
ある。また、図7は第1の実施例を説明するための設計
パタンの分割と評価点の決定の例を示す図である。
【0025】本実施例では、まず設計パタンを表すデー
タを入力し、この設計パタンを多数の分割パタンに分割
する。次に、設計パタンの輪郭上に多数の評価点を、分
割パタンの中心付近に少数の評価点を採る。評価点の総
数は分割パタンの総数よりも多いこととする。この分割
の方法および評価点の採り方は従来の電子ビーム描画法
で用いられている方法で良く、例えば図7に示した様に
図形の輪郭付近や細かいパタン部分を分割パタンとし、
各分割パタンの輪郭の辺の中心や頂点に評価点を採る方
法が良く用いられる。次に、評価点の各々に対応した臨
界エネルギーを評価点付近の設計パタン形状から求め
る。この臨界エネルギーの算出方法の例は次の段落で説
明する。次に、各分割パタンの照射量と各評価点での蓄
積エネルギーとの関係をEID関数を用いて求める。こ
の関係は(分割パタンの総数)×(評価点の総数)の行
列によって表すことができる。用いるEID関数は、同
様の試料、レジストや電子の加速電圧での実験等により
あらかじめ求めておく。次に、各評価点での蓄積エネル
ギーがその臨界エネルギーになるべく近づく様に、分割
パタンの照射量を最小自乗法により求める。つまり、各
評価点での蓄積エネルギーと臨界エネルギーの差の自乗
を全ての評価点で合計した値が最小となるように連立方
程式を立て、これを数値的に解くことで各分割パタンの
照射量を求めることができる。次に、各評価点での蓄積
エネルギーと臨界エネルギーの差を調べる。この差の絶
対値が許容誤差以上である場合には、その評価点付近の
分割パタンを再分割して分割パタン数を増やす。全評価
点において、蓄積エネルギーと臨界エネルギーの差の絶
対値が許容誤差未満であった場合には、十分な精度で分
割パタンと照射量が決まったことになり最後の描画の段
階に入る。それ以外の場合には、十分な精度で分割パタ
ンと照射量を決めることができるまで、上記の評価点を
決める段階から同様のことを繰り返す。最後に、求めた
分割パタンと照射量のデータに従って、電子ビームを試
料に照射し、描画を行う。
【0026】次に、評価点に対応した臨界エネルギーを
評価点付近の設計パタン形状から求める方法の例につい
て説明する。図2(a)および(b)は、順にライン状
のパタンおよびドット状(または正方形状)のパタンに
おける、パタンの幅あるいは直径(または正方形の一辺
の長さ)と臨界エネルギーとの関係を示すグラフであ
る。様々な目的に応用される電子ビーム描画の描画パタ
ンのうち、近接効果または現像のパタン依存性が大きい
ほとんどの部分は、ラインやドットまたは矩形の組み合
わせとして近似できる。また任意の評価点は、ラインか
ドットまたは矩形の何れかのパタン内部か輪郭付近にあ
ると近似でき、よってこのパタンがライン状かドット状
か、抜きパタン(レジストがライン状またはドット状に
抜ける場合)か残しパタン(レジストがライン状または
ドット状に残る場合)かによって、図2(a)または
(b)の該当する曲線を用い、パタンの幅や直径または
長辺長から任意の評価点の臨界エネルギーを求めること
ができる(矩形の長辺/短辺比の大きいものがラインで
あるが、2〜5の適切な比を決めて区別できるので大き
な問題ではない)。例えば図7に示した設計パタンで
は、T字の細いラインパタン上の評価点ではラインのグ
ラフを用い、3個の大きな矩形パタン上の評価点では矩
形(ドット)のグラフを用いる。百nm程度以下の抜き
ラインや抜きドットについては臨界エネルギーは大きく
なるが、これはレジストの粒状構造を壊しながら現像し
ないといけないため、また現像中に新鮮な現像液にさら
されにくいためと考えられる。また、残しラインや残し
ドットについては臨界エネルギーは小さくなるが、これ
は新鮮な現像液に多くさらされるため、また粒状構造が
基板から遊離しやすいためと考えられる。図2(a)お
よび(b)に示した様な、パタンの幅あるいは直径(ま
たは長辺の長さ)と臨界エネルギーとの関係を示すグラ
フは、EID関数および同様のレジストの材料や厚さ等
の条件での電子ビーム描画および現像の実験等によっ
て、あらかじめ求めておく。つまり、各種の線幅のライ
ンパタンや各種の大きさのドット(または矩形)パタン
を様々な照射量で描画し、現像後にレジストちょうど定
められた厚さとなったパタンについて、その蓄積エネル
ギーをパタンの照射量およびEID関数によって求めて
おけば良い。レジストの厚さについては、レジストをそ
のままかまたは一定の加工をした後に、原子間力顕微鏡
や走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で測定や評価
することが可能である。
【0027】この様に、評価点の各々について、隣接す
る分割パタンの形状に依存した臨界エネルギーを求め、
この値と評価点の蓄積エネルギーが一致する様に、各分
割パタンの照射量を決めることにより、現像後のレジス
ト形状を精度良く制御することが可能となる。つまり、
パタン形状によって現像され易い部分では蓄積エネルギ
ーが少なめになり、現像され難い部分では蓄積エネルギ
ーが多めになるように、分割パタンの照射量を決めるこ
とで、現像後のレジスト形状を所望の形状に精度良く一
致させることができる。また、パタンが抜きか残しかに
よって異なる臨界エネルギーとなることは必然である
が、パタン形状をライン状とドット(または矩形)状に
分けて、形状の大きさから臨界エネルギーを求めること
により、より精度の高い制御が可能となる。更に、各評
価点での蓄積エネルギーと臨界エネルギーとの差の絶対
値が許容誤差未満となるまで分割パタンを再分割し直
し、分割パタンの照射量を求め直すことにより、設計パ
タンの隅々までレジスト形状を精度良く制御できるとい
う利点がある。
【0028】本実施例では、簡単のため設計パタン全体
をそのまま分割パタンに分割する例を示したが、遠く離
れたパタン間には近接効果はないので、設計パタン全体
を階層的にパタンのグループに分割し、グループの中ま
たは隣接グループ間のみの近接効果を考慮にいれるとい
う方法でも良い。また、パタン形状から評価点の臨界エ
ネルギーを求める際に、表や関数を用いても良いし、パ
タン形状をもっと多くの種類に分類しても良いことは言
うまでもない。更に、各評価点での臨界エネルギーの算
出と、分割パタンの照射量と蓄積エネルギーとの関係の
行列の算出との順序が入れ替わっても良いということも
言うまでもない。
【0029】〔実施例2〕図3は本発明の第2の実施例
を示すフローチャート図であって、Pjは設計パタンを
分割した多数の分割パタン、jは1から分割パタンの総
数まで変化する整数、siは設計パタンの輪郭で且つ分
割パタンの輪郭である評価線分の列、xiは設計パタン
の輪郭を持たない分割パタンの中心にある評価点の列、
iは1から評価線分および評価点の総数まで変化する整
数、DPjは各分割パタンPjの照射量の列、Eiは評価線
分上の蓄積エネルギーの平均値および評価点の蓄積エネ
ルギーの列、Eciは評価線分および評価点に対応する臨
界エネルギー、Kijは分割パタンの照射量の列DPjと、
評価線分上の蓄積エネルギーの平均値および評価点の蓄
積エネルギーの関係を表す係数の行列である。
【0030】本実施例では、まず設計パタンを表すデー
タを入力し、この設計パタンを多数の分割パタンに分割
する。この分割の方法は実施例1でも説明した従来の電
子ビーム描画法で用いられている方法で良い。次に、設
計パタンの輪郭で且つ分割パタンの輪郭である線分を分
割パタン別に評価線分とし、設計パタンの輪郭を持たな
い分割パタンの中心に評価点を採る。次に評価線分およ
び評価点の各々に対応した臨界エネルギーの値を評価点
付近の設計パタン形状およびパタンに隣接した非照射領
域の蓄積エネルギーから求める。この臨界エネルギーの
算出方法の例は次の段落で説明する。次に、各分割パタ
ンの照射量と各評価線分上での蓄積エネルギーの平均値
および評価点の蓄積エネルギーとの関係をEID関数を
用いて求める。この関係は(分割パタンの総数)×(評
価線分および評価点の総数)の行列によって表すことが
できる。用いるEID関数は、同様の試料、レジストや
電子の加速電圧での実験等によりあらかじめ求めてお
く。次に、各評価線分および評価点での蓄積エネルギー
がその臨界エネルギーと一致する様に、またはなるべく
近づく様に、分割パタンの照射量を数値計算により求め
るる。この数値計算の方法は、単純な行列計算の方法を
用いて良い。最後に、分割パタンと求めた照射量のデー
タに従って、電子ビームを試料に照射し、描画を行う。
【0031】次に、評価線分に対応した臨界エネルギー
の値を、評価線分付近のパタン形状および隣接した非照
射領域の蓄積エネルギーから求める方法の例について説
明する。図4(a)および(b)は、順にライン状のパ
タンおよびドット状(または正方形状)のパタンにおけ
る、パタンの幅あるいは直径(または正方形の一辺の長
さ)および隣接した非照射領域の蓄積エネルギーと臨界
エネルギーの関係を示すグラフである。パタンに隣接し
た非照射領域の蓄積エネルギーは、分割パタンから一定
の距離にある描画パタン外部の点について、仮に定めた
分割パタンの照射量とEID関数から概算することがで
きる。任意の評価線分は、その分割パタン付近の設計パ
タンがライン状かドット状か、抜きパタン(レジストが
ライン状またはドット状に抜ける場合)か残しパタン
(レジストがライン状またはドット状に残る場合)かに
よって、また隣接した非照射領域の蓄積エネルギーの値
によって図4(a)または(b)の該当する曲線を用
い、パタンの幅や直径または長辺長から、対応する臨界
エネルギーを求めることができる。隣接する非照射領域
の蓄積エネルギーが大きくなると臨界エネルギーは小さ
くなるが、これは現像中に隣接領域のレジスト膜厚が減
っていき評価線分上のレジストが新鮮な現像液にさらさ
れ易くなるため、またレジストの粒状構造がまとまって
遊離しやすくなるためと考えられる。図4(a)および
(b)に示した様な、パタンの幅あるいは直径(または
長辺の長さ)および外部の蓄積エネルギーと臨界エネル
ギーの関係を示すグラフは、EID関数および同様のレ
ジストの材料や厚さ等の条件での電子ビーム描画および
現像の実験等によって、あらかじめ求めておく。つま
り、いくつかの照射量の大面積のパタンの中に各種の線
幅のラインパタンや各種の大きさのドット(または矩
形)パタンを様々な照射量で描画し、現像後にレジスト
がちょうど定められた厚さとなったパタンについて、そ
の蓄積エネルギーをパタンおよび大面積パタンの照射量
およびEID関数によって求めておけば良い。レジスト
の厚さについては、レジストをそのままかまたは一定の
加工をした後に、原子間力顕微鏡や走査型電子顕微鏡、
透過型電子顕微鏡等で測定や評価することが可能であ
る。
【0032】この様に、評価線分の各々について、付近
の描画パタンの形状および隣接する非照射領域の蓄積エ
ネルギーに依存した臨界エネルギーを求め、この値と評
価線分上の蓄積エネルギーの平均値が一致する様に、各
分割パタンの照射量を決めることにより、現像後のレジ
スト形状を精度良く制御することが可能となる。また、
パタン外部の蓄積エネルギーによって臨界エネルギーを
求めることにより、より精度の高い制御が可能となる。
更に設計パタンの輪郭で且つ分割パタンの輪郭である線
分を評価線分とし、その線分上の蓄積エネルギーの平均
値を考慮することにより、より精度の高い制御が可能と
なる。
【0033】本実施例では、仮に求めたパタン外部の蓄
積エネルギーを用いて臨界エネルギーを求めた例を示し
たが、本実施例の方法で求めた分割パタンの照射量を用
いてより正確なパタン外部の蓄積エネルギーを用いて臨
界エネルギーを求め直し、再度分割パタンの照射量を計
算し直すということを繰り返すという方法でも良い。ま
た本実施例では、分割パタンの総数と評価線分及び評価
点の総数が等しい場合を示したが、評価線分を分割した
り評価点数を増やし、最小自乗法を用いて分割パタンの
照射量を求めるという方法でも良い。また本実施例で
は、初めに決めた分割パタンや評価線分および評価点は
最後まで不変であるが、臨界エネルギーと蓄積エネルギ
ーの平均値の差が大きい評価線分がある場合や、評価線
分内の蓄積エネルギーの変動の大きい場合など得られた
結果に応じて、分割パタンを再分割する等により適切な
分割パタンや評価線分および評価点を選び直し、再度分
割パタンの照射量を計算し直すということを繰り返すと
いう方法でも良い。同様に実施例1の中で言及した他の
方法を用いても良いことは言うまでもない。
【0034】〔実施例3〕図5は本発明の第3の実施例
を示すフローチャート図であって、Pjは設計パタンを
分割した多数の分割パタン、jは1から分割パタンの総
数まで変化する整数、xiは設計パタンの輪郭上の評価
点の列、xikは各評価点の周辺に採った準評価点の列、
iは1から評価線分および評価点の総数まで変化する整
数、kは1から1評価点当りの準評価点の総数まで変化
する整数、Eiは評価点xiの蓄積エネルギーの値の列、
Exi、Eyiは順に評価点xiでのパタン輪郭方向およ
びそれに垂直方向の蓄積エネルギー分布の傾き、Zi
評価点xiでのレジスト厚、Z0はレジストの初期膜厚、
tは現像開始後の時間、Zxi、Zyiは順に評価点xi
でのパタン輪郭方向およびそれに垂直方向のレジスト表
面の傾き、Zxxi、Zyyiは順に評価点xiでのパタ
ン輪郭方向およびそれに垂直方向のレジスト表面の曲
率、E′xik、E′yik、Z′xik、Z′yik、Z′x
ik、E′yyikは順評価点x′ikに対するダッシ
ュ(′)と添え字kの付いていない相当する記号の意味
するもの、Δtは時間間隔、tdは現像時間、Eciは評
価点xiに対応する臨界エネルギーの列、DPjは各分割
パタンPjの照射量、Kijは分割パタンの照射量の列D
Pjと、評価点での蓄積エネルギー分布の値Eiとの関係
を表す係数の行列である。また、図8は本実施例を説明
するための、準評価点を決定する例を示す図である。
【0035】本実施例では、実施例1と同様に設計パタ
ンを表すデータを入力し、この設計パタンを多数の分割
パタンに分割し、設計パタンの輪郭上に多数の評価点
を、分割パタンの中心付近に少数の評価点を採る。次
に、各評価点の周辺にいくつかの準評価点を採る。準評
価点は、図8に示したように評価点を中心としてパタン
の輪郭方向およびそれに垂直な(平面内の)方向を対角
線とする正方形内に、この対角線方向に単位ベクトルを
持つ正方格子点上に採る。評価点が頂点にある場合は、
この頂点を含む2本の輪郭線分の方向の中間の方向を輪
郭の方向とみなせば良い。分割パタンの中心付近に採っ
た評価点については、任意の方向に準評価点を採って良
い。準評価点列の正方形の頂点と中心の評価点の間の対
角線上に並ぶ準評価点の数は、(現像時間td)/(現
像計算の時間間隔Δt)より少し大きい整数となる。次
に、各分割パタンの仮の照射量とEID関数を用いて、
各評価点および準評価点での蓄積エネルギー分布の値お
よびパタン輪郭方向とそれに垂直な方向の傾きを算出す
る。次に、各評価点および準評価点でのレジスト膜厚を
初期膜厚として、現像後の時間tをゼロに設定する。次
に、各評価点および準評価点でのレジスト表面の傾きお
よび曲率をパタン輪郭方向とそれに垂直な方向に付いて
それぞれ求めるが、現像後の時間tがゼロの時は何れも
ゼロである。次に、各評価点および準評価点で、蓄積エ
ネルギー分布の値と傾きおよびレジスト表面の傾きと曲
率から、現像中におけるレジスト表面の後退速度を求め
る。このレジスト表面の後退速度の算出方法の例は次の
段落で説明する。次に、時間Δt後の各評価点および準
評価点でのレジスト膜厚を算出し、時間tをΔtだけ進
ませる。ここで、レジスト膜厚がゼロになった評価点お
よび準評価点についてはそれ以上現像は進まないので以
後の計算は行わず、また評価点についてはレジスト膜厚
がゼロになった時間を記録しておく。時間tが現像時間
となるまで、以上の計算をレジスト表面の傾きおよび曲
率を算出する段階から繰り返す。時間tが現像時間とな
ったり次に、各評価点のレジスト膜厚またはレジスト膜
厚がゼロとなった時間から、適正な臨界エネルギーを求
める。この臨界エネルギーは、仮に求めた蓄積エネルギ
ーの値と現像時間またはレジスト膜厚からの比例計算で
求めたものであって構わない。次に、実施例1と同様
に、各分割パタンの照射量と各評価点での蓄積エネルギ
ーとの関係をEID関数を用いて求め、各評価点での蓄
積エネルギーがその臨界エネルギーと一致する様に、ま
たはなるべく近づく様に、分割パタンの照射量を数値計
算により求める。最後に、分割パタンと求めた照射量の
データに従って、電子ビームを試料に照射し、描画を行
う。
【0036】次に、図6および図9を用いて、各評価点
および準評価点で、蓄積エネルギー分布の値と傾きおよ
びレジスト表面の傾きと曲率から、現像中におけるレジ
スト表面の後退速度を求める方法の例について説明す
る。図6(a)は、蓄積エネルギーおよびレジスト表面
の曲率と、現像中のレジスト表面の後退速度の関係を示
すグラフであり、図6(b)は、蓄積エネルギーの傾き
およびレジスト表面の傾きの絶対値と、レジスト表面の
後退速度の補正係数の関係を示すグラフである。また、
図9は、現像途中のレジスト形状の例を示す図である。
図6(a)を用いて、レジスト表面についてパタン輪郭
方向とそれに垂直な方向の曲率の値の平均と、蓄積エネ
ルギーからレジスト表面の後退速度を求めることができ
る。次に、図6(b)を用いて蓄積エネルギーの傾きの
絶対値およびレジストの表面の傾きの絶対値から補正係
数を求め、図6(a)で求めた後退速度に乗じること
で、レジスト表面の後退速度を精度よく求めることがで
きる。パタン輪郭方向のレジスト表面の傾きZxとそれ
に垂直な方向のレジスト表面の傾きZyから、レジスト
表面の傾きの絶対値を求めるには、(Zx2+Zy2)の
平方根を取れば良い。蓄積エネルギーの傾きに付いても
同様である。さて、図6(a)のグラフに示した様に、
図9中B点の様なレジスト表面の曲率が負の値でその絶
対値が大きくなるとこころでは、図9中A点の様な平坦
な表面に比べ現像中の表面の後退速度は大きくなるが、
これはレジスト表面が凸形であるため新鮮な現像液に多
くさらされるため、またレジストの粒状構造が遊離しや
すくなるためと考えられる。逆に図9中C点の様なレジ
スト表面の曲率が正の大きな値をとるところでは、図9
中A点の様な平坦な表面に比べ現像液中の表面の後退速
度は小さくなる。蓄積つえねるぎーの傾きの絶対値が小
さくなると表面の後退速度は大きくなるが、これは実施
例2の中で説明した隣接した非照射領域の蓄積エネルギ
ーが大きい場合に相当し、同様の理由によると考えられ
る。図6(a)および(b)に示した様な、蓄積エネル
ギー分布の値と傾きおよびレジスト表面の傾きと曲率か
ら現像中におけるレジスト表面の後退速度を導く関係の
グラフは、EID関数および同様のレジスト材料や厚さ
等の条件での電子ビーム描画および現像の実験等によっ
て、あらかじめ求めておく。つまり、いくつかの照射量
の大面積のパタンの中に各種の線幅のラインパタン、各
種の大きさのドット(または矩形)パタン、各種の大き
さのカギ型パタンを様々な照射量で描画し、通常の現像
時間より短い現像の後、各パタンの形状を測定し、更に
一定の時間の現像を追加した後、再び各パタンの形状を
測定する。各パタンおよび大面積パタンの照射量および
EID関数により求めた蓄積エネルギー分布と測定した
レジスト形状からレジスト表面の後退速度を求めること
ができ、その結果をまとめることで図6(a)および
(b)に示した関係のグラフを得ることができる。レジ
スト表面の形状については、レジストをそのままかまた
は一定の加工をした後に、原子間力顕微鏡や3次元走査
型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で測定や評価するこ
とが可能である。
【0037】この様に、評価点およびその周囲の点で蓄
積エネルギー分布および現像中のレジスト表面の後退の
様子をシミュレーションし、更に各評価点での現像の過
不足から臨界エネルギーを求め、この値と評価点の蓄積
エネルギーが一致するように、各分割パタンの照射量を
決めることにより、現像後のレジスト形状を精度良く制
御することが可能となる。また、レジスト表面の後退速
度の算出に蓄積エネルギーとレジスト表面の曲率は必須
だが、蓄積エネルギーの傾きおよびレジスト表面の傾き
を用いて補正することにより、より精度の高いレジスト
形状の予測が可能となる。更に、現像のシミュレーショ
ンにおける時間間隔を現像時間よりもはるかに短くする
ことにより、計算の為の時間はかかるが精度の高い予測
が可能となる。
【0038】本実施例では、まず蓄積エネルギーとレジ
スト表面の曲率からレジスト表面の後退速度を大まかに
求め、次に蓄積エネルギー分布の傾きとレジスト表面の
傾きによって補正係数を掛ける方法を示したが、蓄積エ
ネルギーとレジスト表面の曲率と蓄積エネルギー分布の
傾きとレジスト表面の傾きの独立な4個の変数を持つ関
数としてレジスト表面の後退速度を求める方法でも良
い。また、準備の実験等の為の時間を短縮したい場合や
必要な精度が高くない場合には、レジスト表面の傾きや
蓄積エネルギーの傾きの影響を無視してレジスト表面の
後退速度を求めても、従来法に比べれば十分良い精度で
レジスト形状を制御することができる。更に、本実施例
では現像のシミュレーションを1回しか行わないが、得
られた分割パタンの照射量を用いて再度現像のシミュレ
ーションを行ったり繰り返したりすることにより、精度
が向上することは言うまでもない。同様に実施例1およ
び実施例2の中で言及した他の方法を用いても良いこと
は言うまでもない。
【0039】なお、以上に挙げた本発明の実施例は、本
発明により考え得る実施例の極く一部であり、電子ビー
ム描画に関する既存の方法や描画パタンの分割方法・評
価点の選択方法など近接効果補正に関する既存の方法組
み合わせにより本発明は多数の実施様態を取り得るもの
である。
【0040】具体的な組み合わせの方法は、描画するパ
タンや目的に応じて最適なものを選択するべきである
が、適切な組み合わせにより同様の効果が得られるもの
である。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
半導体の電子ビーム描画方法においては、評価点、評価
線分や分割パタンの各々に別個の臨界エネルギーを対応
させることにより、また蓄積エネルギーやレジスト表面
の曲率を用いた現像のシミュレーション結果を用いるこ
とにより、現像後のレジストパタン形状を高精度に制御
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例を示す電子ビーム描画方法
のフローチャート図である。
【図2】(a)、(b)は本発明第1の実施例を説明す
るためのパタンの幅あるいは直径臨界エネルギーとの関
係を示すグラフである。
【図3】本発明第2の実施例を示す電子ビーム描画方法
のフローチャート図である。
【図4】(a)、(b)は本発明第2の実施例を説明す
るためのパタンの幅あるいは直径および外部の蓄積エネ
ルギーと臨界エネルギーとの関係を示すグラフである。
【図5】本発明第3の実施例を示す電子ビーム描画方法
のフローチャート図である。
【図6】(a)は本発明第3の実施例を説明するための
蓄積エネルギーおよびレジスト表面の曲率とレジスト表
面の後退速度との関係を示すグラフ、(b)は本発明第
3の実施例を説明するための蓄積エネルギーの傾きの絶
対値およびレジスト表面の傾きの絶対値とレジスト表面
の後退速度に対する補正係数との関係を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の第1の実施例を説明するための設計パ
タンの分割と評価点の決定の例とを示す図である。
【図8】本発明第3の実施例を説明するための準評価点
を決定する例を示す図である。
【図9】本発明第3の実施例を説明するための現像途中
のレジスト形状の例を示す図である。
【図10】従来の方法を示す電子ビーム描画方法のフロ
ーチャート図である。
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は
従来の方法を分かりやすく説明するための模式図であ
る。
【図12】(a)は従来の方法の課題点を分かりやすく
説明するための模式図、(b)、(c)、(d)は従来
の方法の課題を解決する方法を分かりやすく説明するた
めの模式図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設計パタンを複数の分割パタンに分割し、
    前記設計パタンの形状および分布に基づいて前記分割パ
    タンの各々の照射量を決定し、前記分割パタンの形状と
    前記照射量とに従って電子ビームを試料に照射する電子
    ビーム描画方法において、前記設計パタンの内部、輪郭
    付近の少なくとも輪郭付近に評価位置を設定し、前記評
    価位置のレジスト膜厚が現像後に所望の残存値になるよ
    うな臨界蓄積エネルギーを、前記評価位置の関数として
    求め、前記評価位置の蓄積エネルギーが、前記評価位置
    に対応して定まる前記臨界蓄積エネルギーに近づくよう
    に前記分割パタンの照射量を決定することを特徴とする
    電子ビーム描画方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子ビーム描画方法におい
    て、前記評価位置の蓄積エネルギーが、前記評価位置に
    対応して定まる前記臨界蓄積エネルギーに近づくように
    分割パタンを再分割することを繰り返すとともに、前記
    再分割パタンの照射量を決定することを特徴とする電子
    ビーム描画方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子ビーム描画方法におい
    て、描画条件によって決まる点露光強度分布関数ならび
    に前記レジスト中の蓄積エネルギーの分布形状と現像後
    の前記レジスト形状との関係を示す表または関数を用い
    て、前記臨界蓄積エネルギーと前記評価位置との関数関
    係を求めることを特徴とする電子ビーム描画方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電子ビーム描画方法におい
    て、前記レジスト中の蓄積エネルギーの分布形状と現像
    時の前記レジスト表面の後退速度との関係を示す表また
    は関数を用いて、前記レジスト中の前記蓄積エネルギー
    の分布形状と現像後の前記レジスト形状との関係を求め
    ることにより、前記臨界蓄積エネルギーと前記評価位置
    との関数関係を求めることを特徴とする電子ビーム描画
    方法。
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