JPH10270303A - 走査型露光装置及び走査型露光方法 - Google Patents

走査型露光装置及び走査型露光方法

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JPH10270303A
JPH10270303A JP9088732A JP8873297A JPH10270303A JP H10270303 A JPH10270303 A JP H10270303A JP 9088732 A JP9088732 A JP 9088732A JP 8873297 A JP8873297 A JP 8873297A JP H10270303 A JPH10270303 A JP H10270303A
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JP
Japan
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shot
sensitive substrate
scanning
substrate
projection optical
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JP9088732A
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Shinji Wakamoto
信二 若本
Yuji Imai
裕二 今井
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F9/00Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically
    • G03F9/70Registration or positioning of originals, masks, frames, photographic sheets or textured or patterned surfaces, e.g. automatically for microlithography
    • G03F9/7003Alignment type or strategy, e.g. leveling, global alignment
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スループットを殆ど低下させることなく、フ
ォーカス制御の遅れに起因するデフォーカスの発生を防
止できるようにする。 【解決手段】 ウエハW上の任意のショット領域を走査
露光するに先立って、所定のショットマップデータに基
づいて、前ショットの終了位置から当該ショットの露光
開始位置までのXYステージ装置14のステッピング距
離が所定距離以上あり、かつ当該ショット領域の走査の
途中でフォーカス検出系(40、42)の検出点がウエ
ハWのエッジに掛かるという条件を満足するか否かを主
制御装置20が判断する。これらの判断が肯定された場
合は、当該ショット領域を露光する際に、投影光学系P
Lに対してウエハWを外側から内側に向かって走査する
ようにステージ制御系19を主制御装置20が制御す
る。これにより、スループットの低下が殆どなく、フォ
ーカス制御の遅れに起因するデフォーカスが防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型露光装置及
び走査型露光方法に係り、更に詳しくは、感応基板を順
次ステップ移動させつつ、マスクと感応基板とを投影光
学系に対して所定の走査方向に相対移動して、マスクに
形成されたパターンの像を感応基板上の複数のショット
領域に順次投影露光する走査型露光装置及び走査型露光
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をリソグラフィ工程で製造する際には、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンを投影光学系を介してレジストが塗布されたウ
エハ又はガラスプレート等(以下、「ウエハ」と総称す
る)上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
この種の投影露光装置として、ステップ・アンド・リピ
ート方式の縮小投影型露光装置である静止露光型のステ
ッパーが主として用いられていたが、最近になってレチ
クルとウエハとを投影光学系に対して相対走査しながら
レチクルパターンの像をウエハ上の複数のショット領域
に順次投影露光するステップ・アンド・スキャン方式の
走査型露光装置が開発された。かかる走査型露光装置に
おいても、ステッパーと同様に微細な回路パターンを精
度良く露光するため、高精度の結像特性が要求されると
ともに、半導体素子の大量生産を目的とすることから、
高スループットが要求される。
【0003】この種の走査型露光装置では、投影光学系
の結像面にウエハ上のショット領域を一致させるため、
ウエハ上の露光を行うショット領域内の所定の検出点に
おける投影光学系の光軸方向位置をフォーカス検出系を
用いて検出し、検出された光軸方向位置に基づいてウエ
ハ面の光軸方向位置又は光軸方向位置及び光軸直交面に
対する傾きを調整するフォーカス動作又はフォーカス・
レベリング動作が行われている。
【0004】ところで、走査型露光装置では、ウエハ周
辺部のショット領域であって露光のためのレチクルとウ
エハの相対走査開始時点又は開始から終了までのいずれ
かの時点で、焦点検出系の検出点の一部がウエハ外とな
るようなショット(以下、「エッジショット」という)
を露光する場合に、投影光学系に対してウエハを内側か
ら外側に相対走査するような走査方向(スキャン方向)
を選択すると、走査開始(スキャン開始)の時点では、
焦点検出系の検出点がウエハ上に存在せず、フォーカス
情報の取り込みが困難であり、検出点がウエハ面上に掛
かった位置からいきなりフォーカス制御動作が開始され
ることになる。また、ウエハのエッジ周辺はウエハ又は
レジストの「だれ」に起因してウエハ表面の傾きや光軸
方向の位置が大きく変動する部分である。従って、上記
のようなエッジショットにおける外側から内側へのスキ
ャン(実際には、固定の投影光学系に対してウエハが内
側から外側に相対走査されるのであるが、これを反対か
ら見ればスリット状の露光領域(レチクル上のスリット
状の照明領域に共役な領域)がウエハに対して外側から
内側に相対走査されるので、このような表現を用いてい
る)の際には、フォーカス制御を開始して実際にフォー
カスがかかるまでに整定時間がより多く必要となり、フ
ォーカス制御の遅れからいわゆるデフォーカスが発生し
易くなる。
【0005】このような理由により、従来の走査型露光
装置では、図11に示されるように、エッジショット
(s1〜s4、s5、s10、s11、s16、s1
7、s22、、s23、s28〜s32)を露光する際
には、スキャン方向として常に内側から外側を選択し
(スキャン方向を内側から外側に設定し)、フォーカス
引き込み量を小さくすることによりデフォーカスの発生
を防止していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の如く、エッジショットを露光する際に常にスキ
ャン方向を内側から外側に設定する(例えば、図11の
ショット領域s2〜s6参照)と、1つのエッジショッ
トの露光終了後、スキャン方向を反転させて次ショット
(通常は隣接ショットが選ばれる)を露光する場合に比
べてウエハのステッピング距離が大きくなるとととも
に、レチクルを走査開始位置まで戻す動作が必須とな
る。この種の走査型露光装置では、通常縮小投影型の投
影光学系が用いられるためスキャン露光時のレチクルの
移動ストロークは、ウエハのそれの何倍にもなり、レチ
クルの戻し動作には大きな時間が必要となり、結果的に
スループットを低下させるという不都合があった。
【0007】かかる不都合を改善すべく、最近では走査
型露光装置において、ウエハ上のショット領域を順次露
光するに際して、ウエハ内部のショットは勿論、エッジ
ショットをも含め、1ショット露光の度毎にスキャン方
向を、内側から外側、外側から内側に交互に切り換える
ことにより、特にレチクルの上記戻し動作を不要とし
て、スループットを向上させるいわゆる完全交互スキャ
ン方式が研究されている。
【0008】かかる完全交互スキャン方式では、エッジ
ショットの露光に際して、スキャン方向が内側から外側
の場合は、スキャン開始位置でフォーカスを検出できる
ので問題は生じないが、反対にスキャン方向が外側から
内側の場合、スキャン開始位置でフォーカスの検出が困
難であることから、フォーカス制御の遅れを防止するた
めの何等かの対応が必要である。このための手段とし
て、スキャン方向が内側から外側となるエッジショット
の露光の際に、焦点検出系の検出点がウエハエッジに掛
かると同時又はその直前にフォーカスの制御動作を停止
してウエハの光軸方向の位置をその位置に固定してお
き、次ショットである隣接するエッジショットをスキャ
ン方向を外側から内側として露光する際に、焦点検出系
の検出点がウエハのエッジの内側に掛かった時点でその
固定された光軸方向位置からフォーカスの制御動作を開
始することにより、フォーカスの制御遅れを防止するこ
とが考えられている。すなわち、この「前ショットにお
けるウエハの光軸方向位置の固定手法」は、前ショット
の露光の際にフォーカス制御を切った時のウエハ表面の
光軸方向位置と、次ショット(隣接ショット)の露光の
際にフォーカス制御を開始する時のウエハ表面の光軸方
向位置との差が殆どないことを前提として、フォーカス
の制御遅れを防止するものである。
【0009】しかしながら、実際の露光シーケンスは、
必ずしもウエハ上の隣接するショットを次から次へ露光
するシーケンスばかりではなく、例えば、相互に隣接し
ない特定の複数のエッジショットのサイズをその他のシ
ョットサイズと異ならしめ、当該サイズの異なるショッ
トを前記その他のショットを露光した後に露光したいよ
うな場合もあり、かかる場合に、当該特定の複数のエッ
ジショットの露光を、上述した「前ショットにおけるウ
エハの光軸方向位置の固定手法」を用いた完全交互スキ
ャンで行うと、ウエハ表面の凹凸や傾斜に起因して前シ
ョットのフォーカス制御終了位置におけるウエハ表面の
光軸方向位置と次ショットのフォーカス制御開始位置に
おけるウエハ表面の光軸方向位置とに大きな差がある場
合に、フォーカスの引き込み量が大きくなってフォーカ
ス制御の遅れが生じ、結果的にデフォーカスが生じるお
それがあった。同様のことは、ウエハ上のショット数が
少なく、各ショットサイズが大きい場合に上記の完全交
互スキャンによる隣接ショットの露光の際にも生じ得
る。
【0010】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなれたもので、請求項1ないし3に記載の発明
の目的は、所定距離以上のステッピングを必要とする感
応基板上のエッジショットを順次露光する場合にもスル
ープットが殆ど低下することがなく、しかもフォーカス
制御の遅れに起因するデフォーカスの発生を防止するこ
とができる走査型露光装置を提供することにある。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、所定距離
以上のステッピングを必要とする感応基板上のエッジシ
ョットを順次露光する場合にもスループットが殆ど低下
することがなく、しかもフォーカス制御の遅れに起因す
るデフォーカスの発生を防止することができる走査型露
光方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、感応基板(W)を順次ステップ移動させつつ、マス
ク(R)と感応基板(W)とを投影光学系(PL)に対
して所定の走査方向に相対移動して、前記マスク(R)
に形成されたパターンの像を前記感応基板(W)上の複
数ショット領域(例えば、s1〜s32)に順次投影露
光する走査型露光装置であって、前記マスク(R)を保
持して前記走査方向に移動可能なマスクステージ(RS
T)と;前記感応基板(W)を保持して前記走査方向を
含む2次元方向に移動可能な基板ステージ(14)と;
前記マスクステージ(RST)と基板ステージ(14)
との移動を制御するステージ制御系(19)と;前記感
応基板(W)上の所定の検出点における前記投影光学系
(PL)の光軸方向の位置を検出するフォーカス検出系
(40、42)と;前記感応基板(W)を前記投影光学
系(PL)の光軸方向に駆動する基板駆動系(21)
と;前記感応基板(W)上の任意のショット領域の走査
露光の開始に先立って、所定のショットマップデータに
基づいて、前ショット(例えば、s1)の終了位置から
当該ショット(例えば、s2)の露光開始位置までの前
記基板ステージ(14)のステッピング距離が所定距離
以上あり、かつそのショット(例えば、s2)の走査の
途中で前記フォーカス検出系(40、42)の検出点が
前記感応基板(W)のエッジに掛かるという条件を満足
するか否かを判断し、この判断が肯定された場合に、当
該ショット領域(例えば、s2)の露光に際し、前記投
影光学系(PL)に対し、前記感応基板(W)が外側か
ら内側に走査されるように前記ステージ制御系(19)
を制御する制御手段(20)とを有する。
【0013】これによれば、制御手段では、感応基板上
の任意のショット領域の走査露光の開始に先立って、所
定のショットマップデータに基づいて、前ショットの
終了位置から当該ショットの露光開始位置までの基板ス
テージのステッピング距離が所定距離以上あり、かつ
そのショットの走査の途中でフォーカス検出系の検出点
が感応基板のエッジに掛かるという条件を満足するか否
かを判断し、この判断が肯定された場合に、当該ショッ
ト領域の露光に際し、投影光学系に対し、感応基板が外
側から内側に走査されるようにステージ制御系を制御す
る。このため、ショット間の基板ステージのステッピン
グ距離が所定距離以上、例えば感応基板上の1ショット
以上離れた2つのショット領域を順次走査露光する場合
に、始めのショットを投影光学系に対して感応基板を外
側から内側に走査した後、次のショットを露光する際に
は、上記、の条件を満足するので、ショットマップ
データの如何にかかわらず、該次のショットが、感応基
板を投影光学系に対して外側から内側に走査する方向で
走査露光が行われる。従って、該次のショットの露光に
際しても、走査開始時点でのフォーカス検出系による検
出が可能であり、フォーカスの制御遅れが発生しない。
この場合、マスクステージの戻し動作が必要となるが、
前記の所定距離をマスクステージの戻し動作と同じ位、
ステッピング動作に時間を要する距離として定めておけ
ば、実質的なスループット低下は殆どない。
【0014】請求項2に記載の発明は、感応基板(W)
を順次ステップ移動させつつ、マスク(R)と感応基板
(W)とを投影光学系(PL)に対して所定の走査方向
に相対移動して、前記マスク(R)に形成されたパター
ンの像を前記感応基板(W)上の複数ショット領域(例
えば、s1〜s32)に順次投影露光する走査型露光装
置であって、前記マスク(R)を保持して前記走査方向
に移動可能なマスクステージ(RST)と;前記感応基
板(W)を保持して前記走査方向を含む2次元方向に移
動可能な基板ステージ(14)と;前記マスクステージ
(RST)と基板ステージ(14)との移動を制御する
ステージ制御系(19)と;前記感応基板(W)上の所
定の検出点における前記投影光学系(PL)の光軸方向
の位置を検出するフォーカス検出系(40、42)と;
前記感応基板(W)を前記投影光学系(PL)の光軸方
向に駆動する基板駆動系(21)と;前記感応基板
(W)上の任意のショット領域の走査露光の開始に先立
って、所定のショットマップデータに基づいて、前ショ
ット(例えば、s1)の終了位置から当該ショット(例
えば、s2)の露光開始位置までの前記基板ステージ
(14)のステッピング距離が所定距離以上あり、かつ
そのショット(例えば、s2)の走査の途中で前記フォ
ーカス検出系(40、42)の検出点が前記感応基板
(w)のエッジに掛かるという条件を満足するか否かを
判断し、この判断が肯定された場合に、当該ショット領
域(例えば、s2)の露光に際し、当該ショット領域
(例えば、s2)又はその近傍の感応基板(W)上の位
置で前記フォーカス検出系(40、42)の検出結果に
応じて前記基板駆動系(21)を制御するフォーカス動
作を一旦行った後に、前記投影光学系(PL)に対し前
記感応基板(W)が内側から外側に走査されるように前
記ステージ制御系(19)を制御する制御手段(20)
とを有する。
【0015】これによれば、制御手段では、感応基板上
の任意のショット領域の走査露光の開始に先立って、所
定のショットマップデータに基づいて、上記請求項1の
所で説明した,の条件を満足するか否かを判断し、
この判断が肯定された場合に、当該ショット領域の露光
に際し、そのショット領域又はその近傍の感応基板上の
位置で行うフォーカス検出系の検出結果に応じて、基板
駆動系を制御するフォーカス動作を一旦行った後、投影
光学系に対して感応基板が内側から外側に走査されるよ
うにステージ制御系を制御する。このため、ショット間
の基板ステージのステッピング距離が所定距離以上、例
えば、感応基板上の1ショット以上離れた2つのショッ
ト領域を順次走査露光する場合に、始めのショットを投
影光学系に対して感応基板を外側から内側に走査した
後、次のショットを露光する際には、上記、の条件
を満足するので、当該次のショット領域又はその近傍で
一旦フォーカス検出を行って、フォーカス動作を行った
後、該次のショットが投影光学系に対して感応基板を内
側から外側に走査する方向で走査露光が行われる。従っ
て、該次のショットの露光に際しても、走査開始時点で
のフォーカス検出系による検出が可能であり、フォーカ
スの制御遅れが発生しない。この場合、フォーカス検出
を行うために感応基板を一旦戻す動作が必要となるが、
マスクの戻し作業が不要となり、いわゆる完全交互スキ
ャンが可能となるので、請求項1の場合に比べればスル
ープットの向上を図ることができる。
【0016】請求項3に記載の発明は、感応基板(W)
を順次ステップ移動させつつ、マスク(R)と感応基板
(W)とを投影光学系(PL)に対して所定の走査方向
に相対移動して、前記マスク(R)に形成されたパター
ンの像を前記感応基板(W)上の複数ショット領域(例
えば、s1〜s32)に順次投影露光する走査型露光装
置であって、前記マスク(W)を保持して前記走査方向
に移動可能な基板ステージ(14)と;前記感応基板
(W)を保持して前記走査方向を含む2次元方向に移動
可能な基板ステージ(14)と;前記マスクステージ
(RST)と基板ステージ(14)との移動を制御する
ステージ制御系(19)と;前記感応基板(W)上の所
定の検出点における前記投影光学系(PL)の光軸方向
の位置を検出するフォーカス検出系(40、42)と;
前記感応基板(W)を前記投影光学系(PL)の光軸方
向に駆動する基板駆動系(21)と;前記感応基板
(W)上の任意のショット領域の走査露光の開始に先立
って、所定のショットマップデータに基づいて、前ショ
ット(例えば、s1)の終了位置から当該ショット(例
えば、s2)の露光開始位置までの前記基板ステージ
(14)のステッピング距離が所定距離以上あり、かつ
そのショット(例えば、s2)の走査の途中で前記フォ
ーカス検出系(40、42)の検出点が前記感応基板
(W)のエッジに掛かるという条件を満足するか否かを
判断し、この判断が肯定された場合に、前記投影光学系
(PL)に対し前記感応基板(W)が外側から内側に走
査されるように前記ステージ制御系(19)を制御する
か、当該ショット(例えば、s2)又はその近傍の感応
基板(W)上の位置で前記フォーカス検出系(40、4
2)の検出結果に応じて前記基板駆動系(21)を制御
するフォーカス動作を一旦行った後に、前記投影光学系
(PL)に対し前記感応基板(W)が内側から外側に走
査されるように前記ステージ制御系(19)を制御する
か、を予め定めた基準に従って選択する制御手段(2
0)とを有する。
【0017】これによれば、制御手段では、感応基板上
の任意のショット領域の走査露光の開始に先立って、所
定のショットマップデータに基づいて、前述した,
の条件を満足するか否かを判断し、この判断が肯定され
た場合に、当該ショット領域の露光に際し、投影光学系
に対し感応基板が外側から内側に走査されるようにステ
ージ制御系を制御するか、当該ショット又はその近傍の
感応基板上の位置でフォーカス検出系の検出結果に応じ
て基板駆動系を制御するフォーカス動作を一旦行った
後、投影光学系に対し感応基板が内側から外側に走査さ
れるようにステージ制御系を制御するかを、予め定めた
基準に従って選択する。ここで、上記の選択の基準とし
ては、例えばオペレータにより設定された第1モード、
第2モード等に基づくものであっても良く、あるいはマ
スクの戻し時間と感応基板のステッピング時間との関係
に基づいて定めた第1の所定距離、第2の所定距離等の
現実のステッピング距離との比較基準であっても良い。
このため、デフォーカスとスループットの2つの要請を
状況に応じて最も良く満足させるように、任意選択、あ
るいは自動選択によりステージ制御系の制御態様を適宜
選択して露光することが可能となる。この場合、該次の
ショットの露光に際して何れが選択されても、走査開始
時点でのフォーカス検出系による検出が可能となり、フ
ォーカスの制御遅れが発生しない。また、状況に応じて
マスクステージを戻した方が良い場合と、、フォーカス
検出を行うために感応基板を一旦戻した方が良い場合と
を選択することができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、感応基板(W)
を順次ステップ移動させつつ、マスク(R)と感応基板
(W)とを投影光学系(PL)に対して所定の走査方向
に相対移動して、前記マスク(R)に形成されたパター
ンの像を前記感応基板(W)上の複数ショット領域(例
えば、s1〜s32)に順次投影露光する走査型露光方
法であって、前記感応基板(W)上の任意のショット領
域の走査露光の開始に先立って、所定のショットマップ
データに基づいて、前ショット(例えば、s1)の終了
位置から当該ショット(例えば、s2)の露光開始位置
までの前記感応基板(W)のステッピング距離が所定距
離以上あり、かつそのショットの走査の途中で前記感応
基板(W)の前記投影光学系(PL)の光軸方向位置を
検出するフォーカス検出系(40、42)の検出点が前
記感応基板(W)のエッジに掛かるという条件を満足す
るか否かを判断し、この判断が肯定されたショット(例
えば、s2)について、前記投影光学系(PL)に対し
前記感応基板(W)を外側から内側に走査する動作か、
当該ショット(例えば、s2)又はその近傍の感応基板
(W)上の位置で前記フォーカス検出系(40、42)
の検出結果に応じて前記感応基板(W)の光軸方向位置
を制御するフォーカス動作を一旦行った後に、前記投影
光学系(PL)に対し前記感応基板(W)を内側から外
側に走査する動作か、を予め定めた基準に従って選択す
ることを特徴とする。
【0019】これによれば、感応基板上の任意のショッ
ト領域の走査露光の開始に先立って、所定のショットマ
ップデータに基づいて、前述した,の条件を満足す
るか否かを判断し、この判断が肯定されたショットにつ
いて、投影光学系に対し感応基板を外側から内側に走査
する動作か、当該ショット又はその近傍の感応基板上の
位置でフォーカス検出系の検出結果に応じて感応基板の
光軸方向位置を制御するフォーカス動作を一旦行った
後、投影光学系に対し感応基板を内側から外側に走査す
動作かを、予め定めた基準に従って選択するようにす
る。このため、デフォーカスとスループットの2つの要
請を状況に応じて最も良く満足させるように、任意選
択、あるいは自動選択により動作の選択が行われる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図10に基づいて説明する。
【0021】図1には、一実施形態に係る走査型露光装
置100の概略的な構成が示されている。この走査型露
光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン
露光方式の投影露光装置である。
【0022】この走査型露光装置100は、光源1及び
照明光学系(2、3、5〜7)を含む照明系、マスクと
してのレチクルRを保持するマスクステージとしてのレ
チクルステージRST、投影光学系PL、感応基板とし
てのウエハWを保持してXY平面内をXY2次元方向に
移動する基板ステージとしての基板テーブル18を備え
たXYステージ装置14、及びこれらを制御するステー
ジ制御系等を備えている。
【0023】前記照明系は、光源1、コリメータレン
ズ、フライアイレンズ等(いずれも図示せず)からなる
照度均一化光学系2、リレーレンズ3、レチクルブライ
ンド5、リレーレンズ6及び折り曲げミラー7等を含ん
で構成されている。
【0024】ここで、この照明系の構成各部についてそ
の作用とともに説明すると、光源1で発生した露光光と
しての照明光ILは不図示のシャッターを通過した後、
照度均一化光学系2により照度分布がほぼ均一な光束に
変換される。照明光ILとしては、例えばKrFエキシ
マレーザ光やArFエキシマレーザ光等のエキシマレー
ザ光、銅蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは
超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)
等が用いられる。
【0025】照度均一化光学系2から水平に射出された
光束は、リレーレンズ3を介して、レチクルブラインド
5に達する。このレチクルブラインド5は、2枚の可動
ブレード45A、45Bを有する可動ブラインド(以
下、この可動ブラインドを適宜「可動ブラインド45
A、45B」と称する)と、この可動ブラインド45
A、45Bの近傍に配置された開口形状が固定された固
定ブラインド46とから構成される。可動ブラインド4
5A、45Bの配置面は、レチクルRのパターン面と共
役となっている。固定ブラインド46は、例えば4個の
ナイフエッジにより矩形の開口を囲んだ視野絞りであ
り、その矩形開口の上下方向の幅が可動ブラインド45
A、45Bによって規定されるようになっており、これ
によりレチクルRを照明するスリット状の照明領域IA
R(図2参照)の幅を所望の大きさに設定できるように
なっている。可動ブレード45A、45Bは、可動ブラ
インド駆動機構43A、43Bによって開閉方向に駆動
されるようになっており、この駆動機構43A、43B
の動作が不図示のメモリに格納されたプロセスプログラ
ムと呼ばれるファイル内のマスキング情報に応じて主制
御装置20によって制御されるようになっている。
【0026】レチクルブラインド5を通過した光束は、
リレーレンズ6を通過して折り曲げミラー7に至り、こ
こで鉛直下方に折り曲げられて回路パターン等が描かれ
たレチクルRの照明領域IAR部分を照明する。
【0027】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、レチクルRの位置決めのため、照
明光学系の光軸IX(後述する投影光学系PLの光軸A
Xに一致)に垂直な平面内で2次元的に(X軸方向及び
これに直交するY軸方向及びXY平面に直交するZ軸回
りの回転方向に)微少駆動可能に構成されている。
【0028】また、このレチクルステージRSTは、不
図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示省略)により、所定の走査方向
(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で移
動可能となっている。このレチクルステージRSTは、
レチクルRの全面が少なくとも照明光学系の光軸IXを
横切ることができるだけの移動ストロークを有してい
る。
【0029】レチクルステージRST上には、レチクル
レーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16
からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されて
おり、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位
置はレチクル干渉計16によって、例えば0.01μm
程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レ
チクルステージRST上には走査方向(Y軸方向)に直
交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方向)
に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レチク
ル干渉計16は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設
けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡1
5、レチクル干渉計16として示されている。
【0030】レチクル干渉計16からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
して主制御装置20に送られ、ステージ制御系19では
主制御装置20からの指示に応じてレチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0031】なお、不図示のレチクルアライメント系に
より所定の基準位置にレチクルRが精度良く位置決めさ
れるように、レチクルステージRSTの初期位置が決定
されるため、移動鏡15の位置をレチクル干渉計16で
測定するだけでレチクルRの位置を十分高精度に測定し
たことになる。
【0032】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されてい
る。この投影光学系PLは所定の投影倍率、例えば1/
5(あるいは1/4)を有する縮小光学系である。この
ため、照明光学系からの照明光ILによってレチクルR
の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通
過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチ
クルRの回路パターンの縮小像が表面にフォトレジスト
が塗布されたウエハW上に形成される。
【0033】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方
向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステー
ジ16上をY軸方向と直交するX軸方向(図1における
紙面直交方向)に往復移動可能なXステージ12と、こ
のXステージ12上に設けられた基板テーブル18とを
有している。また、基板テーブル18上に、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によって感応
基板としてのウエハWが真空吸着によって保持されてい
る。
【0034】基板テーブル18は、Xステージ12上に
XY方向に位置決めされ、かつZ軸方向の移動及び傾斜
が許容された状態で取り付けられている。そして、この
基板テーブル18は、異なる3点の支持点で不図示の3
本の軸によって支持されており、これら3本の軸がウエ
ハ駆動装置21によって独立してZ軸方向に駆動され、
これによって基板テーブル18上に保持されたウエハW
の面位置(Z軸方向位置及びXY平面に対する傾斜)が
所望の状態に設定されるようになっている。
【0035】基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉
計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザ
ビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置さ
れたウエハ干渉計31により、基板テーブル18のXY
面内での位置が例えば0.01μm程度の分解能で常時
検出されている。
【0036】ここで、実際には、基板テーブル18上に
は走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移
動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有
する移動鏡とが設けられ、ウエハ干渉計18は走査方向
に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計31とし
て示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動装置21(これは、Xステージ1
2、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18の駆
動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xステー
ジ12を制御する。
【0037】また、基板テーブル18上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された基準マー
ク板FMが固定されている。
【0038】本実施形態の走査型露光装置100におい
ては、図2に示されるように、レチクルRの走査方向
(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方向を有する長
方形(スリット状)の照明領域IARでレチクルRが照
明され、レチクルRは露光時に−Y方向に速度VR で走
査(スキャン)される。照明領域IAR(中心は光軸A
Xとほぼ一致)は投影光学系PLを介してウエハW上に
投影され、照明領域IARに共役なスリット状の投影領
域、すなわち露光領域IAが形成される。ウエハWはレ
チクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは速度
VR の方向とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同
期して速度VW で走査され、ウエハW上のショット領域
SAの全面が露光可能となっている。走査速度の比VW
/VR は正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたもの
になっており、レチクルRのパターン領域PAのパター
ンがウエハW上のショット領域SA上に正確に縮小転写
される。照明領域IARの長手方向の幅は、レチクルR
上のパターン領域PAよりも広く、遮光領域STの最大
幅よりも狭くなるように設定され、走査(スキャン)す
ることによりパターン領域PA全面が照明されるように
なっている。
【0039】この走査型露光装置100では、上記の走
査露光の際に、不図示のアライメント検出系の検出信号
に基づいて主制御装置20によりステージ制御系19及
びウエハ駆動装置21等を介してレチクルRとウエハW
との位置合わせ(アライメント)が行われ、また、後述
する多点フォーカス位置検出系の検出信号に基づいて、
レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影光学系
PLに関して共役となるように、かつ投影光学系PLの
結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表面が投影
光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に入る)よ
うに、主制御装置20によりステージ制御系19及びウ
エハ駆動装置21を介して基板テーブル18がZ軸方向
及び傾斜方向に駆動制御されて面位置の調整が行われ
る。
【0040】本実施形態の走査型露光装置100では、
上記のようなウエハW上のショット領域に対する走査露
光によるレチクルパターンの転写と、次ショット領域の
走査開始位置へのステッピング動作とを繰り返し行うこ
とにより、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行
われ、ウエハW上の全ショット領域にレチクルパターン
が転写されるようになっている。
【0041】更に、本実施形態では、ウエハW表面の前
記露光領域IA内部分及びその近傍の領域のZ方向(光
軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式のフォ
ーカス検出系(焦点検出系)の一つである多点フォーカ
ス位置検出系が設けられている。この多点フォーカス位
置検出系は、光ファイバ束81、集光レンズ82、パタ
ーン形成板83、レンズ84、ミラー85及び照射対物
レンズ86から成る照射光学系40と、集光対物レンズ
87、回転方向振動板88、結像レンズ89、受光用ス
リット板98及び多数のフォトセンサを有する受光器9
0から成る受光光学系42とから構成されている。
【0042】ここで、この多点フォーカス位置検出系
(40、42)の構成各部について、その作用とともに
説明する。露光光とは異なるウエハW上のフォトレジス
トを感光させない波長の照明光が、図示しない照明光源
から光ファイバ束81を介して導かれている。光ファイ
バ束81から射出された照明光は、集光レンズ82を経
てパターン形成板83を照明する。
【0043】このパターン形成板83上には不図示の4
9個のスリット状の開口パターンが7行7列のマトリッ
クス状配置で形成されており、パターン形成板83の各
スリット状の開口パターンを透過した照明光(開口パタ
ーンの像光束)はレンズ84、ミラー85及び照射対物
レンズ86を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハ
Wの露光面にはパターン形成板83上の7×7=合計4
9個のスリット状の開口パターンの像が投影結像され
る。ここで、実際には、照射光学系40からの開口パタ
ーンの像光束は、YZ平面、XZ平面に対し45度を成
す平面内で光軸AXに対して所定角度α傾斜した方向か
らウエハW面(又は基準マーク板FM表面)に照射され
る。
【0044】このため、ウエハW表面の露光領域IA近
傍には、図3に示されるように、7行7列のマトリクス
状配置で7×7、合計49個のX軸、Y軸に対して45
度傾斜したスリット状の開口パターンの像(以下、適宜
「スリット像」という)S11〜S77が、X軸、Y軸方向
に沿ってほぼ等間隔で形成される。これらのスリット像
S11〜S77の光束のウエハW面からの反射光束が、光軸
AXに対して前記照射光学系40からの像光束と対称に
所定角度α傾斜した方向に進んで、集光対物レンズ8
7、回転方向振動板88及び結像レンズ89を経て受光
器90の手前側に配置された受光用スリット板98上に
再結像される。
【0045】これを更に詳述すると、受光器90上には
スリット像S11〜S77に対応して7行7列のマトリクス
状に49個のフォトセンサD11〜D77(図4参照)が配
列されており、この受光器90の前面(図1における下
面)に配置された受光用スリット板98には各フォトセ
ンサDに対向してスリットがそれぞれ形成されており、
これらのスリット上にそれぞれ図3に示されるスリット
像S11〜S77がそれぞれ再結像される。
【0046】ここで、主制御装置20には発振器(OS
C.)が内蔵されており、主制御装置20によりOS
C.からの駆動信号でドライブされる加振装置92を介
して回転方向振動板88に所定の振動が与えられると、
受光用スリット板98上では再結像された各像の位置が
所定方向(スリット板98の各スリットの長手方向と直
交する方向)に振動する。これにより、各フォトセンサ
D11〜D77の検出信号がセンサ選択回路93を介して信
号処理装置91により、回転振動周波数の信号で同期検
波される。そして、この信号処理装置91により同期検
波して得られた多数のフォーカス信号が主制御装置44
に供給される。なお、センサ選択回路93及び信号処理
装置91については後述する。なお、結像レンズ89と
スリット板98との間に、スリット板98上のスリット
とウエハWからの反射スリット像の振動中心との相対関
係を、スリット板98の各スリットの長手方向と直交す
る方向)にシフトさせるプレーンパラレルを配置しても
良い。
【0047】以上の説明から明らかなように、本実施形
態の場合、ウエハW上の検出点である各スリット像S11
〜S77と受光器90上の各フォトセンサD11〜D77とは
1対1で対応し、各スリット像の位置のウエハ表面のZ
位置の情報(フォーカス情報)が各フォトセンサDから
の出力であるフォーカス信号に基づいて得られるので、
以下の説明では便宜上スリット像S11〜S77を特別に必
要のない限りフォーカスセンサと呼ぶものとする。
【0048】そして、フォーカスセンサS11〜S77の
内、図3における露光領域IA内に位置する第3行のフ
ォーカスセンサS31〜S37、第4行のフォーカスセンサ
S41〜S47及び第5行のフォーカスセンサS51〜S57の
出力は、露光領域IA内の面位置設定のため基板テーブ
ル18の追従制御に用いられるので、これら3行のフォ
ーカスセンサをそれぞれ追従センサ103a、103
b、103cと呼ぶ。また、これら3行のフォーカスセ
ンサ103a、103b、103cをまとめて追従セン
サ103と呼ぶ。
【0049】また、本実施形態では、露光領域IAの外
側に所定距離離れた位置に配置された第1行のフォーカ
スセンサS11〜S17、第7行のフォーカスセンサS71〜
S77の出力は、次のフォーカス状態を予測するため、す
なわちウエハW表面が+Z方向又は−Z方向のいずれの
方向に変化するかの予測のためにのみ用いられるので、
これら2行のフォーカスセンサをそれぞれ先読みセンサ
102a、102bと呼ぶ。なお、各先読みセンサ10
2a、102bを、追従センサ103と同様にそれぞれ
複数行のセンサ列で構成しても良く、このようにした場
合は、レベリングに関する予測も可能になる。例えば、
本実施形態では使用しない第2行のフォーカスセンサS
21〜S27、第6行のフォーカスセンサS61〜S67の出力
をそれぞれ各先読みセンサ102a、102bとして併
用するようにしても良い。
【0050】次に、センサ選択回路93及び信号処理装
置91の構成について、図4に基づいて説明する。この
図4には、センサ選択回路93と信号処理装置91とが
受光器90とともに概略的に示されている。この内、セ
ンサ選択回路93は、スイッチ部AS と、レジスタ部R
S とから成り、スイッチ部AS 内には逆バイアス電圧が
印加されたフォトセンサ(ここではフォトダイオード)
D11、D12、……D77のP側に一方の固定接点がそれぞ
れ接続された切替スイッチSA1 〜SA49と、各切替ス
イッチSA1 〜SA49の可動接点(共通接点)とn本の
出力線O1 〜On との間に設けられた(49×n)個の
開閉スイッチSB1-1 、SB1-2 、SB1-3 、……、S
B49-nとが配置されている。各切替スイッチSA1 〜S
A49の他方の固定接点は接地されている。また、フォト
センサD11〜D77のN側は不図示の電源回路に接続され
ている。また、n本の光電変換信号の出力線O1 〜On
のそれぞれは、これらの出力線に対応して設けられた信
号処理回路941 〜94nにそれぞれ接続されている。
【0051】このため、例えば、切替スイッチSA1 を
フォトセンサD11側に切り替え、開閉スイッチSB1-1
をオンにすると、フォトセンサD11が受光する光の強さ
に比例した強さの逆電流(光電流、すなわち光電変換信
号)が、フォトセンサD11→スイッチSA1 →スイッチ
SB1-1 の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回
路941 によって検出され、デジタル信号に変換されて
信号出力回路95に送出される。また、例えば、切替ス
イッチSA49をフォトセンサD77側に切り替え、開閉ス
イッチSB49-nをオンにすると、フォトセンサD77が受
光する光の強さに比例した強さの逆電流(光電流)が、
フォトセンサD77→スイッチSA49→スイッチSB49-n
の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回路94n
によって検出され、デジタル信号に変換されて、信号出
力回路95に送出される。このように、本実施形態で
は、切替スイッチSAと開閉スイッチSBとの任意の組
み合わせをオンにすることにより、任意のフォトセンサ
Dの受光する光の強さに応じた光電流を所望の出力線O
を介して取り出すことが可能になっている。
【0052】レジスタ部Rs内には、切替スイッチSA
1 〜SA49にそれぞれ対応して設けられた49個の第1
レジスタRS1 〜RS49と、開閉スイッチSB1-1 〜S
B49-nに対応してn個ずつ49組設けられた第2レジス
タRSS1-1 〜RSS49-nとが配置されている。第1レ
ジスタRS1 〜RS49は、同一のラインL1 に共通に接
続され、第2レジスタRSS1-1 〜RSS49-nは、同一
のラインL2 に共通に接続されている。従って、例え
ば、フォトセンサD11の出力を出力線O1 に出力させる
には、ラインL1 にデータ(Data)1(「1,0,
0,………,0」)を入力し、ラインL2 にデータ(D
ata)2(「1,0,0,0,0,0,0、0,0,
0,0,0,0,0、………、0,0,0,0,0,
0,0」)を入力すれば良い。これにより、第1レジス
タRS1 と第2レジスタRSS1-1 とが「1」で、その
他のレジスタは0となり、切替スイッチSA1 がフォト
センサD11側に切り替えられ、開閉スイッチSB1-1 が
オンとなって、フォトセンサD11の出力が出力線O1 に
出力される。このように、本実施例では、主制御装置4
4からラインL1 、ラインL2 を介してレジスタ部Rs
内に入力されるデータ1,データ2の内容によって、所
望のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわち
これに対応する信号処理回路94に出力させることがで
きる。従って、例えばn=49である場合には、各フォ
トセンサDを各別に信号処理回路941 〜94n にそれ
ぞれ独立して接続することにより主制御装置44では露
光領域IA及びその前後の検出領域内の個々の検出点で
あるフォーカスセンサ位置の光軸方向位置を演算するこ
とができる。
【0053】信号処理装置91は、出力線O1 〜On に
それぞれ接続されたn個の信号処理回路941 〜94n
を備えている。各信号処理回路94には同期検波回路
(PSD)が内蔵されており、このPSDにはOSC.
からの駆動信号と同じ位相の交流信号が入力されてい
る。そして、各信号処理回路94では、各出力線からの
信号を上記の交流信号の位相を基準としてそれぞれ同期
整流(同期検波)を行い、ウエハW上の各スリット像S
11〜S77の場所のZ軸方向位置(フォーカス位置)に対
応する焦点位置検出信号(フォーカス信号)FSを生成
する。そして、信号処理回路941 〜94n からのフォ
ーカス信号FSは、出力回路95によりデジタル変換さ
れ、シリアルデータとして主制御装置44に出力される
ようになっている。
【0054】ところで、各フォーカス信号FSは、いわ
ゆるSカーブ信号と呼ばれ、受光用スリット板98のス
リット中心とウエハWからの反射スリット像の振動中心
とが一致したときに零レベルとなり、ウエハWがその状
態から上方に変位しているときは正のレベル、ウエハW
が下方に変位しているときは負のレベルになる信号であ
る。従って、各フォーカス信号FSにオフセットが加え
られていない状態では、主制御装置44によって、各フ
ォーカス信号FSが零レベルになるウエハWの高さ位置
(光軸方向位置)が合焦点としてそれぞれ検出されるこ
とになる。
【0055】前述したように、本実施形態においては、
所望のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわ
ちこれに対応する信号処理回路94に出力させることが
でき、例えば、複数のフォトセンサDが同一出力先に設
定された場合には、その出力先として指定された(選択
された)信号処理回路94ではフォトセンサ出力の合成
信号を回転振動周波数の信号で同期検波し、その複数の
フォトセンサの出力の合成信号に対応するフォーカス信
号のデジタル変換データが主制御装置44に出力され
る。
【0056】次に、上述のようにして構成された本実施
形態の走査型露光装置100におけるウエハW上の複数
のショット領域にレチクルパターンの露光を行う場合の
露光シーケンスについて、主制御装置20内のCPUの
制御アルゴリズムを示す図5のフローチャートに基づい
て説明する。
【0057】前提条件として、先に述べた通り、先読み
センサ102a、102bは、次のフォーカス状態を予
測するためにのみ用いられているので、先読みセンサ1
02aの各フォーカスセンサに対応するフォトセンサD
11〜D17、先読みセンサ102bの各フォーカスセンサ
に対応するフォトセンサD71〜D77は、ぞれぞれ同一出
力先である出力線O1 、出力線On に接続され、また、
追従センサ103を構成する各フォーカスセンサに対応
するフォトセンサD31〜D37、D41〜D47、D51〜D57
はそれぞれ異なる出力線O2〜On-1 (n≧23)に個
別に接続されているものとする。更に、図3から明らか
なように第2行目のフォーカスセンサS21〜S27及び第
6行目のフォーカスセンサS61〜S67は使用されないの
で、これらに対応するフォトセンサD21〜D27及びフォ
トセンサD61〜D67はいずれの出力線にも接続されてい
ないものとする。
【0058】また、オペレータにより不図示のコンソー
ル等から入力されたショット配列、ショットサイズ、各
ショットの露光順序その他の必要なデータに基づいて、
予めショットマップデータ(各ショット領域の露光順序
と走査方向とを定めたデータ)が作成され、不図示のメ
モリ内に格納されているものとする。
【0059】さらに、以下の説明において、「エッジシ
ョット」とは、ウエハW周辺部のショット領域であって
露光のためのレチクルRとウエハの相対走査開始から終
了までのいずれかの時点で、追従センサ103のいずれ
かがウエハWの有効領域から外れるようなショットを意
味する。また、ウエハWの周辺部は通常テーパ状になっ
ていて露光に適さないパターン禁止帯が設けられてお
り、このパターン禁止帯の外縁をウエハの「エッジ」と
言い、その内部を「ウエハWの有効領域」と呼ぶものと
する。
【0060】この図5の制御アルゴリズムがスタートす
るのは、ウエハ交換、レチクルアライメントが終了した
時点であるものとする。
【0061】まず、ウエハW内に設定された複数のショ
ット領域のうち、任意のショット領域を走査露光するに
際し、ステップ202で、当該露光対象のショット領域
がエッジショットであるか否かを判断する。このステッ
プ202における判断は、予め作成されメモリ内に格納
されたショットマップデータ(ウエハW内の複数のショ
ット領域を順次露光処理する際に、予めショット配列、
露光順序、走査方向等が決定されたデータ)に基づいて
行われる。そして、このステップ202における判断が
否定された場合には、ステップ216に移行して、当該
ショットをメモリ内のショットマップデータに従って走
査露光を行う。この場合、当該ショットはウエハWの内
部ショットであり走査開始時点でフォーカス検出が可能
であるから、スキャン開始に先だって静止状態にてフォ
ーカス・レベリング制御動作を一旦行った後、前述した
スキャン露光を行う。
【0062】一方、ステップ202における判断が肯定
された場合には、次のステップ204に進んで当該露光
対象のショット領域におけるスキャン方向が外側から内
側か否かを判断する。ここで、スキャン方向が外側から
内側とは、ウエハWを固定して考えた場合に、この固定
のウエハW上を露光領域IAが外側から内側へ相対走査
される場合(実際には、固定の露光領域IAに対してウ
エハWが内側から外側に走査される場合)を意味し、こ
の反対の場合をスキャン方向が内側から外側と呼ぶもの
とする。このステップ204における判断もメモリ内の
ショットマップデータに基づいて行われる。そして、こ
のステップ204における判断が否定された場合には、
ステップ216に移行して前述の如く、メモリ内のショ
ットマップデータに従った走査露光を行う。この場合も
スキャン開始に先だって静止状態にてフォーカス・レベ
リング制御動作を一旦行った後、前述したスキャン露光
を行う。
【0063】一方、上記ステップ204における判断が
肯定された場合には、ステップ206に進み、メモリ内
のショットマップデータに基づき直前に露光したショッ
ト領域(前ショット)の露光終了位置から当該ショット
の露光のためのスキャン開始位置までのステッピング距
離が予め定めた一定距離L以上あるか否かを判断する。
ここで、「一定距離L」とは、前ショットのフォーカス
制御終了時点におけるフォーカス値(フォトセンサDか
らのフォーカス情報)を固定した状態で、当該ショット
のフォーカス制御を開始した場合に、そのフォーカス制
御開始時点における実際のフォーカス検出値(ウエハW
の光軸方向位置)との差が大きく、前述した「前ショッ
トにおけるウエハの光軸方向位置の固定手法」を用いて
フォーカス制御動作を行った場合に、フォーカス制御の
遅れにより許容できないデフォーカスが発生する範囲と
して予め定めた距離を意味し、例えば、前ショットに対
して走査方向に直交する方向に1ショット離れたショッ
トへのステッピング距離を定めることができる。そし
て、ステップ206における判断が否定された場合は、
ステップ216に移行して当該ショットをメモリ内のシ
ョットマップデータに従った走査露光を行うが、この場
合の露光対象ショットは、エッジショットであって、ス
キャン方向が外側から内側のショットであって前ショッ
トに隣接するショットであるから、前述した「前ショッ
トにおけるウエハの光軸方向位置の固定手法」を用いて
フォーカス制御動作が行われる。
【0064】一方、ステップ206における判断が肯定
された場合には、ステップ208に進んで、メモリ内の
所定領域に格納された情報に基づいてオペレータにより
第1モードが設定されているか否かを判断する。この場
合、オペレータが不図示のコンソール等から予め第1モ
ードを設定している場合には、このステップ208にお
ける判断が肯定され、次のステップ210に進む。そし
て、このステップ210では、スキャン方向を内側から
外側に変更して当該ショットの露光を行う。この場合、
ウエハWの次ショットの走査開始位置へのステッピング
とともにレチクルRの戻し動作を行った後、静止状態で
のフォーカス動作を行い、その後に走査露光を行う。
【0065】この一方、オペレータが不図示のコンソー
ル等から予め第2モードを設定している場合には、ステ
ップ208における判断が否定され、ステップ212に
進む。このステップ212では、ウエハテーブル18を
移動させて追従センサ103を当該ショット領域内に位
置させた状態で、静止状態にてフォーカス・レベリング
制御動作(又は、追従センサの一部のセンサを当該ショ
ット領域内に位置させた状態で、静止状態にてフォーカ
ス制御動作)を行った後、次のステップ214にてウエ
ハテーブル18を走査開始位置に戻してショットマップ
データに従った走査露光を行う。
【0066】上記のステップ210、214、216の
いずれかで、当該ショットの走査露光が行われた後、い
ずれの場合もステップ218に進んで次ショット(次に
露光すべきショット)が有るか否かを判断する。そし
て、次のショットが有る場合は、ステップ202に戻っ
て上記の処理・判断を繰り返し、ウエハW上の全てのシ
ョット領域の露光が終了すると、ステップ208の判断
が肯定され、本ルーチンの一連の処理を終了する。
【0067】次に、上で説明したフローチャートに従っ
た露光シーケンスの一例について図6〜図9を用いて説
明する。
【0068】図6には、ウエハWの有効領域内に設定さ
れた複数のショット領域のショットマップデータの一例
が示されている。図6に示されるショットマップデータ
は、ウエハWに対するショット配列と露光順序(s1〜
s32)とが決められた場合に、その順序に従ってウエ
ハWとレチクルRの走査方向が交互に切り換わる完全交
互スキャンとなるように走査方向(図中の白抜き矢印)
を決めたものである。この図6のようなショットマップ
データが作成された場合には、全てのショット領域で図
5のステップ202、ステップ204、ステップ206
のいずれかの判断が否定され、全てのショット領域の走
査露光がショットマップデータに従って行われる(図5
のステップ216参照)。また、この図6に示されるよ
うな完全交互スキャンを採用した場合は、レチクルRを
戻す動作が不要となるため、スループットを最も高くす
ることができる。
【0069】また、例えば、図7に示されるようなショ
ットマップデータが予め作成されている場合には、ショ
ットs2の走査露光に先だって、上記ステップ202→
204→206→208の流れとなり、この場合に予め
オペレータが第1モードを設定しているとすると、上記
ステップ208の判断が肯定され、ステップ210に進
み、その結果、実際のステップs2の走査露光は、図8
に示されるように、スキャン方向を内側から外側に変更
して行われる。この場合、同様に、ショット領域s3の
露光に際しても、上記ステップ202→204→206
→208→210の流れとなって、スキャン方向がショ
ットマップ(図7参照)で定められた方向と反対に、内
側から外側に変更された状態で走査露光が行われる。こ
の場合、スキャン方向が内側から外側であるので、当該
ショット領域s2、s3の露光に際してフォーカス制御
の遅れが発生するおそれはなく、従ってデフォーカスの
ない良好な露光が行われる。この図8の場合、ショット
領域s1の露光終了からショット領域s2の露光開始ま
での間にレチクルRの戻し動作が必要となるが、ショッ
ト領域s1の走査露光の終了位置からショット領域s2
の走査開始位置までのウエハWのステッピング距離が大
きいので、主制御装置20ではステージ制御系19を介
してこのウエハWのステッピングと並行して上記のレチ
クルRの戻し動作を行えば、スループットの低下は殆ど
生じない。図8の場合、ショット領域s3の露光終了か
らショット領域s4の開始までの間でもレチクルRの戻
し動作が必要となるが、同様の理由によりスループット
の低下は殆ど生じない。
【0070】この一方、図7に示されるようなショット
マップデータが予め作成されている場合において、予め
オペレータにより第2モードが設定されている場合に
は、ショット領域s2の走査露光に先だって、上記ステ
ップ202→204→206→208→212→214
の流れとなって、図9に示されるように、ショット領域
s2のショット領域内(例えば、図9中のサンプル位置
SP1 )に追従センサ103が位置するようにウエハW
を一旦移動させて静止状態でフォーカス・レベリング制
御が行われた後(又は追従センサ103の一部のセンサ
を当該ショット領域内に位置させた状態で、静止状態に
てフォーカス制御動作が行われた後)に、ウエハWを走
査開始位置に戻してショットマップデータに従った走査
露光が行われる。この場合、上記のショット領域内の静
止状態フォーカス・レベリング制御が行われているの
で、実際の走査露光時のフォーカス制御の遅れは殆ど問
題とならず、結果的にデフォーカスのない良好な露光が
行われる。また、この場合、上記のショット領域内の静
止状態フォーカス・レベリング制御に多少の時間を要す
るが、レチクルRの戻し動作が不要なのでスループット
は殆ど低下しない。
【0071】また、この場合、ショット領域s3の場合
もショット領域s2の場合と同様に、ショット領域s3
のショット領域内(例えば、図9中のサンプル位置SP
2 )に追従センサ103が位置するようにウエハWを一
旦移動させて静止状態でフォーカス・レベリング制御を
行った後(又は追従センサ103の一部のセンサを当該
ショット領域内に位置させた状態で、静止状態にてフォ
ーカス制御動作を行った後)に、ウエハWを走査開始位
置に戻してショットマップデータに従った走査露光が行
われる。この場合も、スループットの低下が殆どなく、
デフォーカスのない良好な露光が行われる。
【0072】以上説明したように、本実施形態による
と、前ショットから当該ショットへのステッピング距離
が一定値L以上あり、当該ショットのスキャン方向が外
側から内側であるエッジショットの露光に際して、オペ
レータの事前の設定により、露光領域IAに対してウエ
ハWを常に外側から内側へ走査するようにスキャン方向
を変更する第1モードと、当該ショット領域内のウエハ
W上の位置で多点フォーカス位置検出系(40、42)
による検出を行い、その検出結果に応じてフォーカス・
レベリング制御動作を行った後、ウエハWをスキャン開
始位置に戻してスキャン方向を変更することなく、露光
領域IAに対してウエハWを内側から外側に走査する第
2モードとが設定可能になっている。このため、第1モ
ードが設定された場合には、走査開始時点にてフォーカ
ス情報の取り込み可能であるので当該ショット領域の露
光に際してフォーカス制御の遅れが発生するおそれはな
く、デフォーカスのない良好な露光が行われる。この場
合、前ショットの露光終了後、当該ショットの露光開始
までにレチクルRの戻し動作が必要であるが、ステッピ
ング距離が長いので、このステッピングと並行してレチ
クルRの戻し動作が行われるので、スループットも殆ど
低下しない。また、第2モードが設定された場合には、
一旦ウエハW上でフォーカス・レベリング制御動作が行
われた後に、実際の走査露光が開始されるので、この場
合にもフォーカス制御の遅れが発生するおそれは殆どな
く、デフォーカスのない良好な露光が可能になる。この
場合、一旦ウエハW上でフォーカス・レベリング制御動
作を行うための時間は幾分掛かるが、レチクルRの戻し
動作が不要なのでスループットは殆ど低下しない。
【0073】なお、上記実施形態では、オペレータの事
前の設定により第1モードと第2モードとが設定される
場合について説明したが、上記のステップ210と、ス
テップ212、214とを自動選択するようにすること
も可能である。例えば、レチクルRの戻し動作と同じ時
間を要するステッピング距離をL2とすると、ステッピ
ング距離がL2未満(従ってL以上L2未満)であるか
どうかを判断する判断ステップを、上記のステップ20
8に代えて設け、当該ステップの判断が肯定された場合
に、ステップ212に進み、否定された場合にステップ
210に進むような制御アルゴリズムにすれば良い。こ
のようにした場合、ステッピングに要する時間がレチク
ルRの戻し動作に要する時間より短い場合には、上記の
第2モードと同様のフォーカス・レベリング動作を行
い、ステッピングに要する時間がレチクルRの戻し動作
に要する時間と同じか、それよりも長い場合には、上記
の第1モードと同様のフォーカス・レベリング動作を、
自動的に行うことが可能となり、これによりスループッ
トの低下を極力防止してデフォーカスのない良好な露光
が可能となる。
【0074】なお、上記実施形態では、ウエハW上の各
ショット領域のスキャン露光の開始直前に、図5の制御
アルゴリズムに従ってスキャン方向を変更したり、事前
フォーカスを行うことを決定する場合について説明した
が、本発明がこれに限定されるものではなく、露光開始
時より相当前に露光処理プログラムを作成する際に、予
めオペレータの指示に応じて作成したショットマップデ
ータを、図5の制御アルゴリズムと同様のアルゴリズム
に従って修正し、この修正後のショットマップデータを
メモリ内に格納しておき、実際の各ショットの露光に際
しては、単にこの修正後のショットマップデータに従っ
て走査露光及びフォーカス・レベリング制御を行うよう
にしても良い。この場合であっても、上記実施形態と同
等の効果を得ることができる。
【0075】また、上記実施形態では、焦点検出系とし
て多点フォーカス位置検出系を用いる場合について説明
したが、本発明がこれに限定されることはなく、多点フ
ォーカス位置検出系に代えて露光領域内の検出点が一点
のみの焦点位置検出を用いても良い。また、この場合に
は、レベリング検出系を別に設けても良い。
【0076】また、本発明の応用として、例えば図10
に示されるように、図8のショット領域s2とショット
領域s3との露光順序を入れ替えることにより、レチク
ルRの戻し動作を必要としないようにすることも考えら
れる。
【0077】
【発明の効果】請求項1ないし3に記載の発明によれ
ば、所定距離以上のステッピングを必要とする感応基板
上のエッジショットを順次露光する場合にもスループッ
トが殆ど低下することがなく、しかもフォーカス制御の
遅れに起因するデフォーカスの発生を防止することがで
きる走査型露光装置を提供することが可能である。
【0078】また、請求項4に記載の発明によれば、所
定距離以上のステッピングを必要とする感応基板上のエ
ッジショットを順次露光する場合にもスループットが殆
ど低下することがなく、しかもフォーカス制御の遅れに
起因するデフォーカスの発生を防止することができる走
査型露光方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る走査型露光装置の概略構成を
示す図である。
【図2】図1の装置の走査露光の原理を説明するための
図である。
【図3】多点フォーカス検出系の各検出点であるスリッ
ト像の配置と露光領域との位置関係を示す図である。
【図4】センサ選択回路と信号処理装置の概略構成を受
光器とともに示す図である。
【図5】本実施形態に係るステージ制御装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図6】ウエハの有効領域内に設定された複数のショッ
ト領域のショットマップデータの一例を示す図である。
【図7】所定距離離れたショット領域間を露光する場合
のショットマップデータの一例を示す図である。
【図8】第1モード設定時における走査方向の変更例を
示す図である。
【図9】第2モード設定時におけるフォーカス検出位置
と走査方向の変更例を示す図である。
【図10】本発明の応用例を示す図である。
【図11】従来の走査型露光装置における複数のショッ
ト領域の露光順序と走査方向を示す図である。
【符号の説明】
14 XYステージ装置 19 ステージ制御系 20 主制御装置 21 ウエハ駆動装置 40 照射光学系 42 受光光学系 100 走査型露光装置 W ウエハ R レチクル PL 投影光学系 RST レチクルステージ s1〜s32 ショット領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感応基板を順次ステップ移動させつつ、
    マスクと感応基板とを投影光学系に対して所定の走査方
    向に相対移動して、前記マスクに形成されたパターンの
    像を前記感応基板上の複数ショット領域に順次投影露光
    する走査型露光装置であって、 前記マスクを保持して前記走査方向に移動可能なマスク
    ステージと;前記感応基板を保持して前記走査方向を含
    む2次元方向に移動可能な基板ステージと;前記マスク
    ステージと基板ステージとの移動を制御するステージ制
    御系と;前記感応基板上の所定の検出点における前記投
    影光学系の光軸方向の位置を検出するフォーカス検出系
    と;前記感応基板を前記投影光学系の光軸方向に駆動す
    る基板駆動系と;前記感応基板上の任意のショット領域
    の走査露光の開始に先立って、所定のショットマップデ
    ータに基づいて、前ショットの終了位置から当該ショッ
    トの露光開始位置までの前記基板ステージのステッピン
    グ距離が所定距離以上あり、かつそのショットの走査の
    途中で前記フォーカス検出系の検出点が前記感応基板の
    エッジに掛かるという条件を満足するか否かを判断し、
    この判断が肯定された場合に、当該ショット領域の露光
    に際し、前記投影光学系に対し、前記感応基板が外側か
    ら内側に走査されるように前記ステージ制御系を制御す
    る制御手段とを有する走査型露光装置。
  2. 【請求項2】 感応基板を順次ステップ移動させつつ、
    マスクと感応基板とを投影光学系に対して所定の走査方
    向に相対移動して、前記マスクに形成されたパターンの
    像を前記感応基板上の複数ショット領域に順次投影露光
    する走査型露光装置であって、 前記マスクを保持して前記走査方向に移動可能なマスク
    ステージと;前記感応基板を保持して前記走査方向を含
    む2次元方向に移動可能な基板ステージと;前記マスク
    ステージと基板ステージとの移動を制御するステージ制
    御系と;前記感応基板上の所定の検出点における前記投
    影光学系の光軸方向の位置を検出するフォーカス検出系
    と;前記感応基板を前記投影光学系の光軸方向に駆動す
    る基板駆動系と;前記感応基板上の任意のショット領域
    の走査露光の開始に先立って、所定のショットマップデ
    ータに基づいて、前ショットの終了位置から当該ショッ
    トの露光開始位置までの前記基板ステージのステッピン
    グ距離が所定距離以上あり、かつそのショットの走査の
    途中で前記フォーカス検出系の検出点が前記感応基板の
    エッジに掛かるという条件を満足するか否かを判断し、
    この判断が肯定された場合に、当該ショット領域の露光
    に際し、当該ショット領域又はその近傍の感応基板上の
    位置で前記フォーカス検出系の検出結果に応じて前記基
    板駆動系を制御するフォーカス動作を一旦行った後に、
    前記投影光学系に対し前記感応基板が内側から外側に走
    査されるように前記ステージ制御系を制御する制御手段
    とを有する走査型露光装置。
  3. 【請求項3】 感応基板を順次ステップ移動させつつ、
    マスクと感応基板とを投影光学系に対して所定の走査方
    向に相対移動して、前記マスクに形成されたパターンの
    像を前記感応基板上の複数ショット領域に順次投影露光
    する走査型露光装置であって、 前記マスクを保持して前記走査方向に移動可能な基板ス
    テージと;前記感応基板を保持して前記走査方向を含む
    2次元方向に移動可能な基板ステージと;前記マスクス
    テージと基板ステージとの移動を制御するステージ制御
    系と;前記感応基板上の所定の検出点における前記投影
    光学系の光軸方向の位置を検出するフォーカス検出系
    と;前記感応基板を前記投影光学系の光軸方向に駆動す
    る基板駆動系と;前記感応基板上の任意のショット領域
    の走査露光の開始に先立って、所定のショットマップデ
    ータに基づいて、前ショットの終了位置から当該ショッ
    トの露光開始位置までの前記基板ステージのステッピン
    グ距離が所定距離以上あり、かつそのショットの走査の
    途中で前記フォーカス検出系の検出点が前記感応基板の
    エッジに掛かるという条件を満足するか否かを判断し、
    この判断が肯定された場合に、前記投影光学系に対し前
    記感応基板が外側から内側に走査されるように前記ステ
    ージ制御系を制御するか、当該ショット又はその近傍の
    感応基板上の位置で前記フォーカス検出系の検出結果に
    応じて前記基板駆動系を制御するフォーカス動作を一旦
    行った後に、前記投影光学系に対し前記感応基板が内側
    から外側に走査されるように前記ステージ制御系を制御
    するかを選択する制御手段とを有する走査型露光装置。
  4. 【請求項4】 感応基板を順次ステップ移動させつつ、
    マスクと感応基板とを投影光学系に対して所定の走査方
    向に相対移動して、前記マスクに形成されたパターンの
    像を前記感応基板上の複数ショット領域に順次投影露光
    する走査型露光方法であって、 前記感応基板上の任意のショット領域の走査露光の開始
    に先立って、所定のショットマップデータに基づいて、
    前ショットの終了位置から当該ショットの露光開始位置
    までの前記感応基板のステッピング距離が所定距離以上
    あり、かつそのショットの走査の途中で前記感応基板の
    前記投影光学系の光軸方向位置を検出するフォーカス検
    出系の検出点が前記感応基板のエッジに掛かるという条
    件を満足するか否かを判断し、 この判断が肯定されたショットについて、前記投影光学
    系に対し前記感応基板を外側から内側に走査する動作
    か、当該ショット又はその近傍の感応基板上の位置で前
    記フォーカス検出系の検出結果に応じて前記感応基板の
    光軸方向位置を制御するフォーカス動作を一旦行った後
    に、前記投影光学系に対し前記感応基板を内側から外側
    に走査する動作か、を予め定めた基準に従って選択する
    ことを特徴とする走査型露光方法。
JP9088732A 1997-03-24 1997-03-24 走査型露光装置及び走査型露光方法 Pending JPH10270303A (ja)

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EP98105289A EP0867771A3 (en) 1997-03-24 1998-03-24 Exposure apparatus, exposure method, and circuit making method
US09/523,293 US6455214B1 (en) 1997-03-24 2000-03-10 Scanning exposure method detecting focus during relative movement between energy beam and substrate

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6117598A (en) * 1997-11-25 2000-09-12 Nikon Corporation Scanning exposure method with alignment during synchronous movement
JP2008258365A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 位置検出装置、パターン描画装置および位置検出方法
US10386736B2 (en) 2017-09-14 2019-08-20 Toshiba Memory Corporation Exposure apparatus and method

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