JPH11233433A - 走査型露光装置及び走査露光方法並びにデバイス製造方法 - Google Patents

走査型露光装置及び走査露光方法並びにデバイス製造方法

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JPH11233433A
JPH11233433A JP10051563A JP5156398A JPH11233433A JP H11233433 A JPH11233433 A JP H11233433A JP 10051563 A JP10051563 A JP 10051563A JP 5156398 A JP5156398 A JP 5156398A JP H11233433 A JPH11233433 A JP H11233433A
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JP10051563A
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Shinji Wakamoto
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上の次の区画領域の露光を開始するまで
に確実に基板の区画領域間の非走査方向の移動を終了さ
せ、しかもスループットの向上を図る。 【解決手段】 基板W上に非走査方向に並んだ第1領域
(例えばC)と第2領域(例えばD)とに連続してパター
ンを転写するに際し、基板W上の第1領域に対するパタ
ーン転写の終了後に、基板Wの走査方向(Y方向)の減
速及び非走査方向(X方向)の移動が開始され、基板W
の位置がX方向の移動終了位置に対しX方向の距離が所
定の閾値距離内となったときに第2領域のパターン転写
のための基板WのY方向の加速を開始する。このため、
基板WのY方向の加速が開始された時点では、基板Wの
X方向の領域間の移動距離の大小にかかわらず必ず基板
WのX方向の移動が終了しており、しかも基板WのX方
向の領域間の移動中にY方向の加速が開始される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型露光装置及
び走査露光方法並びにデバイス製造方法に係り、更に詳
しくは、半導体素子、液晶表示素子等の製造に際しリソ
グラフィ工程で用いられる走査型露光装置及び走査露光
方法、並びにこれらを用いたデバイス製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フォトマ
スク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)の
パターンを、投影光学系を介して表面にフォトレジスト
等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の
基板上に転写する投影露光装置、例えば所謂ステップ・
アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるス
テッパ)が用いられている。このステッパは、各ショッ
ト領域の露光がレチクルと基板とを静止させた状態で行
われるため、静止型露光装置とも呼ばれる。
【0003】しかるに、集積回路等は年々高集積化して
おり、これに伴って回路パターンの最小線幅(デバイス
ルール)も年々微細化の傾向を強め、重ね合わせ精度を
含む露光精度に対する要求も厳しくなってきた。かかる
背景の下、近年では、矩形又は円弧状の照明光によりレ
チクルを照明し、レチクル及び基板を投影光学系に対し
て1次元方向に同期走査することにより、レチクルパタ
ーンを投影光学系を介して基板上に逐次転写する所謂ス
リット・スキャン方式、あるいは、所謂ステップ・アン
ド・スキャン方式などの走査型露光装置が開発され、現
在ではこの走査型露光装置が主流になりつつある。かか
る走査型露光装置によれば、収差の最も少ない投影光学
系の有効露光フィールドの一部(中央部)のみを使用し
てレチクルパターンの転写が可能となるため、静止型露
光装置に比べてより微細なパターンをより高精度に露光
することが可能になる。また、走査型露光装置によれ
ば、走査方向には投影光学系の制限を受けずに露光フィ
ールドを拡大することができるので、大面積露光が可能
であり、また、投影光学系に対してレチクル及びウエハ
を相対走査することで平均化効果があり、ディストーシ
ョンや焦点深度の向上が期待出来る等のメリットがあ
る。
【0004】従来の走査型露光装置では、基板上に走査
方向(スキャン方向)に直交する非走査方向(非スキャ
ン方向)に隣接するショット領域、例えばショット領域
S1とS2に対して連続して露光を行う際には、前記レ
チクル上の照明光が照射される領域に共役な投影領域
(ここでは矩形領域とする)IAの軌跡は図14に示さ
れるようになっていた。なお、実際には、投影領域IA
が固定で基板(各ショット領域)の方が移動するのであ
るが、説明をわかりやすくするため図14においては、
基板が固定で投影領域IA(中心O)の方が移動するも
のとして図示されている。
【0005】すなわち、投影領域IAは図14中のIA
1 の位置からIA2 の位置まで−Y方向に基板上を相対
走査してショット領域S1の露光を行った後、走査方向
(−Y方向)の減速と非走査方向(+X方向)の移動を
行う。そして、投影領域IAはショット領域S2の露光
のための加速開始位置IA3 に一旦位置決めされた後、
ショット領域S2の露光のための走査方向(+Y方向)
の加速が開始されていた。このときの、基板(すなわ
ち、基板を保持する基板ステージ)のX方向、Y方向の
速度の時間変化は図9のようになる。図9においては、
Y方向については基板の移動方向が+Y方向であるとき
速度が正であるものとし、またX方向については基板の
移動方向−X方向であるときに速度が正であるものとし
ている。
【0006】また、基板Wの周辺ショットであって投影
領域IAが基板の外側から内側に走査されるショット
(例えば図16のショットS2)の露光に際しては、図
16に示されるように、投影領域内にあるフォーカスセ
ンサの検出点pの選択(オートフォーカス制御に用いる
検出点の選択)を最適化していた。すなわち、図14と
同様の移動軌跡を想定した際に、投影領域IAのショッ
ト間移動中(ステッピング中)にその選択された検出点
pが基板W上に掛かる位置における投影領域IAの中心
点OのY座標Y1(実際には基板ステージのY座標)を
予め設定しておいて、実際のショット間移動中にそのY
座標位置に基板ステージが来たときにオートフォーカス
制御を開始するシーケンスとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の基板のショット間移動方法にあっては、前ショ
ット(ショットS1)の露光後の非走査方向のステッピ
ングが終了した後に、次ショット(ショットS2)の露
光のための走査方向の加速が開始されるため、今後ショ
ット領域が大きくなるにつれステッピング時間が長くな
り、十分なスループットを維持できないおそれがある。
【0008】かかる不都合を改善する方法として、図1
5に示されるように、ショット間の投影領域IA(中心
O)の移動軌跡を、IA4 →IA5 のように放物線状
(あるいはU字状)に変更することが考えられる。この
場合、基板の非走査方向の位置決めが完了する前に、基
板のショットS2の露光のための走査方向の加速が開始
されるので、非走査方向の移動時間と走査方向の加速時
間とを一部オーバーラップさせることができ、その分ス
ループットの向上が期待できる。
【0009】この場合の基板(すなわち、基板を保持す
る基板ステージ)のX方向、Y方向の速度の時間変化が
図17に示されている。図17において、Y方向につい
ては基板の移動方向が+Y方向であるとき速度が正であ
るものとし、またX方向については基板の移動方向−X
方向であるときに速度が正であるものとしている。この
図17に示されるように、ショット間移動の際に、基板
ステージはY方向(走査方向)について見ると停止時間
がほぼ零であり、前述した図9のような待ち時間が発生
しないことがわかる。
【0010】しかしながら、図15に示されるようなシ
ョット間移動時の基板ステージの位置制御を無条件に採
用したのでは、次のような不都合がある。
【0011】すなわち、非走査方向(X方向)のショ
ット間ステッピング距離が大きい場合には、基板ステー
ジが次ショット露光のための走査方向(Y方向)の加速
が終了して露光が開始される時点で未だX方向のステッ
ピングが終了していない事態が想定される。また、走査
速度(スキャンスピード)は基板への必要露光量に依存
して定められるので、走査速度が小さく、基板ステージ
の走査方向の加減速時間(プリスキャン時間及びオーバ
ースキャン時間)が短い場合も、上記と同様の事態が生
じ得る。
【0012】さらに、基板の周辺ショットであって投
影領域が基板の外側から内側に走査されるショット(例
えば図16のショットS2)の露光に際しては、先に説
明したようにしてフォーカスセンサの検出点の選択の最
適化を行い、投影領域のショット間移動中(ステッピン
グ中)にその選択された検出点が基板上に掛かる位置に
おける基板ステージのY座標を予め設定しているが、図
15に示されるような移動軌跡では、その設定されたY
座標位置を基板がショット間移動の間に2回通過するよ
うな事態が大いに考えられ、かかる場合に、そのY座標
を通過しても、基板上に検出点が乗っていないという不
都合が生じる可能性が高い。かかる不都合が生じるのを
未然に防止するため、基板の移動軌跡を予め定めるとと
もに、この移動軌跡と基板上のショット配列とに基づい
て、その選択された検出点が基板上に掛かる位置におけ
る基板ステージのXY座標を計算により予め求めること
も理論上は考えられる。しかしながら、このようにする
と、非常に複雑な演算が必要となるという不都合があ
る。
【0013】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、基板上の次の区画領域の露光を
開始するまでに確実に基板の区画領域間の非走査方向の
移動を終了させ、しかもスループットの向上を図ること
が可能な走査型露光装置及び走査露光方法を提供するこ
とにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、スループッ
トの向上を図りつつ、露光精度の低下を防止することが
できる走査型露光装置及び走査露光方法を提供すること
にある。
【0015】さらに、本発明の第3の目的は、高集積度
のマイクロデバイスを低コストに製造することができる
デバイス製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、マスク(R)と基板(W)のそれぞれを所定の走査
方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを
前記基板上の複数の区画領域(S)に順次転写する走査
型露光装置であって、前記基板を保持して前記走査方向
及びこれに直交する非走査方向に2次元移動する基板ス
テージ(18)と;前記基板ステージを駆動する駆動装
置(12、16、19、20、21)とを備え、前記基
板上に非走査方向に並んだ第1区画領域と第2区画領域
とに連続して前記パターンを転写するに際し、前記駆動
装置が、前記基板上の第1区画領域に対するパターン転
写の終了後に、前記基板ステージの走査方向の減速及び
非走査方向の移動を開始し、前記基板ステージの位置が
前記非走査方向の移動終了位置に対し非走査方向の距離
が所定の閾値距離(L)内となったときに前記第2区画
領域のパターン転写のための前記基板ステージの前記走
査方向の加速を開始することを特徴とする。
【0017】これによれば、基板上に非走査方向に並ん
だ第1区画領域と第2区画領域とに連続してパターンを
転写するに際し、駆動装置により、基板上の第1区画領
域に対するパターン転写の終了後に、基板ステージの走
査方向の減速及び非走査方向の移動が開始され、基板ス
テージの位置が非走査方向の移動終了位置に対し非走査
方向の距離が所定の閾値距離内となったときに第2区画
領域のパターン転写のための基板ステージの走査方向の
加速が開始される。ここで、所定の閾値距離は、例えば
予め定めた基板ステージの走査方向及び非走査方向の速
度制御マップに基づいて、走査方向の助走時間(加速開
始位置から加速終了位置までの時間)よりその移動に要
する時間が短くなるという条件を少なくとも満足する非
走査方向の距離が定められる(後述する請求項5におい
て同じ)。
【0018】このため、第2区画領域のパターン転写の
ための基板ステージの走査方向の加速が終了した時点で
は、基板ステージの非走査方向の区画領域間の移動距離
の大小にかかわらず必ず基板ステージの非走査方向の移
動が終了しており、しかも基板ステージの非走査方向の
区画領域間の移動中に走査方向の加速が開始されるの
で、基板ステージの非走査方向の移動終了後に走査方向
の移動が開始されていた従来例に比べて明らかにスルー
プットを向上させることができる。走査速度が小さく、
基板ステージの走査方向の加減速時間(プリスキャン時
間及びオーバースキャン時間)が短い場合も同様であ
る。
【0019】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記駆動装置(12、16、19、20、2
1)は、前記非走査方向の閾値距離を、前記パターン転
写時の前記基板ステージ(18)の目標走査速度に応じ
て変更するようにしても良い。これは、走査方向の加速
開始後、露光が開始されるまでの時間は目標走査速度
(スキャンスピード)に依存するため、この閾値を目標
走査速度応じて変更することにより、目標走査速度が変
更されても支障なく、かつスループットを可能な限り高
い状態で維持できるからである。
【0020】請求項3に記載の発明は、マスク(R)と
基板(W)とを同期移動して前記マスクに形成されたパ
ターンを前記基板上の複数の区画領域(S)に順次転写
する走査型露光装置であって、前記マスクを照明光(I
L)で照明する照明光学系(2、3、5〜7)と;前記
マスクから出射される前記照明光を前記基板上に投射す
る投影光学系(PL)と;前記基板を保持して前記走査
方向及びこれに直交する非走査方向に2次元移動する基
板ステージ(18)と;前記基板上の前記照明光の投射
領域内に複数の検出点(s11〜s77)を有し、当該各検
出点の位置毎に前記基板の前記投影光学系の光軸方向の
位置を検出する位置検出系(40、42)と;前記基板
を前記光軸方向及び傾斜方向に駆動する駆動機構(2
1)と;前記基板ステージを駆動する駆動装置(12、
16、19、20、21)とを備え、前記基板上に非走
査方向に並んだ第1区画領域と第2区画領域とに連続し
て前記パターンを転写するに際し、前記駆動装置が、前
記第1区画領域と第2区画領域との基板上の位置に応じ
て、前記第2区画領域のパターン転写のための走査方向
の加速開始時点で前記検出点のいずれかが前記基板上に
位置するように、前記第1区画領域のパターン転写の終
了後の前記基板ステージの移動軌跡を変更することを特
徴とする。
【0021】これによれば、基板上に非走査方向に並ん
だ第1区画領域と第2区画領域とに連続してパターンを
転写するに際し、駆動装置により、第1区画領域と第2
区画領域との基板上の位置に応じて、例えば基板上の特
定の周辺領域かそれ以外かによって第2区画領域のパタ
ーン転写のための走査方向の加速開始時点で、位置検出
系の検出点のいずれかが基板上に位置するように、第1
区画領域のパターン転写の終了後の基板ステージの移動
軌跡が変更される。このため、上記特定の周辺領域以外
の基板上の領域のパターン転写の際には位置検出系の検
出点が基板から外れることがないので、第1区画領域の
パターン転写の終了後の基板ステージの移動軌跡をスル
ープットを優先した移動軌跡に変更するとともに、上記
特定の周辺領域の場合には多少スループットを犠牲にし
ても走査方向の加速開始時点以後少なくとも1つの検出
点において基板の投影光学系の光軸方向の位置の検出が
可能になるように第1区画領域のパターン転写の終了後
の基板ステージの移動軌跡に変更することにより、その
検出結果に基づいて駆動機構を介して基板の光軸方向位
置の制御(フォーカス制御)を行うようにすることが可
能になる。従って、フォーカス制御の遅れに起因するデ
フォーカス等による露光精度の低下を防止するとともに
最大限スループットを向上させるようなことが可能にな
る。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記検出点(s11〜s77)が、前記基
板(W)上の投射領域(IA)内の全域に渡ってほぼ均
一に配置され、前記駆動装置(12、16、19、2
0、21)は、前記第1区画領域のパターン転写の終
了位置で、前記投射領域の少なくとも一部が前記基板外
に位置し、前記非走査方向に沿って見て第2区画領域
が第1区画領域の基板中心側に位置し、かつ前記第2
区画領域のパターン転写のための走査方向の加速開始位
置で前記投射領域の少なくとも一部が基板上に掛かると
いう〜の条件が満たされる場合には、前記基板ステ
ージ(18)の前記第2区画領域のパターン転写のため
の走査方向の加速を前記基板ステージの非走査方向の移
動が終了した時点で開始し、前記いずれかの条件が満た
されない場合には、前記基板ステージの前記第2区画領
域のパターン転写のための走査方向の加速を前記基板ス
テージの非走査方向の移動終了前に開始することを特徴
とする。
【0023】ここで、上記の条件、すなわち前記第1
区画領域のパターン転写の終了位置で、前記投射領域の
少なくとも一部が前記基板外に位置するとは、第1区画
領域が基板の非走査方向の周辺領域であり、その区画領
域の露光終了後に投射領域、すなわち前記検出点の少な
くとも一部が基板から外れるという条件である。また、
上記の条件、すなわち前記非走査方向に沿って見て第
2区画領域が第1区画領域の基板中心側に位置しとは、
第1区画領域のパターン転写の終了後、第2区画領域の
パターン転写の開始までに行われる基板ステージの非走
査方向の移動方向は、投射領域が基板の中心に向かって
移動する方向であるという条件である。また、上記の
条件、すなわち前記第2区画領域のパターン転写のため
の走査方向の加速開始位置で前記投射領域の少なくとも
一部が基板上に掛かるとは、第2区画領域のパターン転
写のための走査方向の加速開始位置で前記投射領域、す
なわち前記検出点の少なくとも一部が基板上に掛かると
いう条件である。従って、上記〜の条件の全てを満
足する場合には、基板ステージの非走査方向の移動中に
第2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を
開始するためには、前述した非常に複雑な演算をして検
出点の選択を最適化しない限り、フォーカス制御の開始
点を定められない。そこで、このような場合には、基板
ステージの第2区画領域のパターン転写のための走査方
向の加速を基板ステージの非走査方向の移動が終了した
時点で開始することとして、多少スループットを犠牲に
しても簡易な同じ計算方法を用いてフォーカス制御を行
うようにする。
【0024】一方、〜の条件のいずれかが満たされ
ない場合とは、a.第1区画領域が基板の内部にある、
あるいはb.区画領域間の基板ステージの非走査方向の
移動方向が投射領域が基板中心から外側に移動する方向
である、あるいはc.第2区画領域のパターン転写のた
めの走査方向の加速開始位置で前記検出点が基板上にな
いのいずれかである。すなわち、〜の条件のいずれ
かが満たされない場合とは、第1区画領域、第2区画領
域がともに、複雑な計算を行うことなく、第2区画領域
の走査開始位置から全ての検出点を用いてフォーカス制
御を行うことができる基板内部の区画領域であるか、第
2区画領域が移動軌跡を変更しても走査開始点からフォ
ーカス制御を行うことができない基板周辺の区画領域で
あるかのいずれかであることを意味する。そこで、この
ような場合には、スループットを最優先して基板ステー
ジの第2区画領域のパターン転写のための走査方向の加
速を基板ステージの非走査方向の移動終了前に開始す
る。なお、第2区画領域が走査開始点からフォーカス制
御を行うことができない基板周辺の区画領域である場合
には、走査開始後検出点が基板上に掛かった段階から位
置検出系の検出結果に基づいて駆動機構を介して基板の
光軸方向位置の制御(フォーカス制御)又は基板の光軸
方向位置制御及び傾斜制御(フォーカス・レベリング制
御)が開始され、フォーカス制御の開始座標にずれを生
じることはない。
【0025】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の走査型露光装置において、前記検出点(s11〜s77)
が、前記基板上の投射領域(IA)内の全域に渡ってほ
ぼ均一に配置され、前記駆動装置(12、16、19、
20、21)は、第2区画領域の露光開始位置から走
査方向に加速距離分、非走査に所定の閾値距離(L)分
離れた判断位置で前記投射領域の少なくとも一部が前記
基板(W)外に位置し、前記判断位置が基板の非走査
方向の中心線より非走査方向の基板ステージ(18)の
移動方向に対して反対側にあり、かつ第2区画領域の
パターン転写のための加速中に前記投射領域が前記基板
のエッジに掛かるという〜の条件が満たされる場合
には、前記基板ステージの前記第2区画領域のパターン
転写のための走査方向の加速を前記基板ステージの非走
査方向の移動が終了した時点で開始し、前記いずれかの
条件が満たされない場合には、前記基板ステージの前記
第2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を
前記基板ステージの非走査方向の移動終了前に開始する
ことを特徴とする。
【0026】ここで、上記の条件、すなわち第2区画
領域の露光開始位置から走査方向に加速距離分、非走査
方向に所定の閾値距離分離れた判断位置で前記投射領域
の少なくとも一部が前記基板外に位置しとは、第1区画
領域が基板の周辺領域であり、基板ステージの第2区画
領域のパターン転写のための走査方向の加速を基板ステ
ージの非走査方向の移動終了前に開始する放物線状(又
はU字状)の移動軌跡を採用した場合の走査方向の減速
終了位置、かつ非走査方向に所定の閾値距離分離れた判
断位置で投射領域、すなわち検出点の少なくとも一部が
基板外に位置するという条件である。また、前記判断
位置が基板の非走査方向の中心線より非走査方向の基板
ステージの移動方向に対して反対側にありとは、第1区
画領域のパターン転写の終了後、第2区画領域のパター
ン転写の開始までに行われる基板ステージの移動方向は
投射領域が基板中心に向かって移動する方向であるとい
う条件である。また、第2区画領域のパターン転写の
ための加速中に投射領域が基板のエッジに掛かるとは、
第2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速開
始点から露光開始点までのいずれかの時点で投射領域、
すなわち検出点のいずれかが基板のエッジに掛かるとい
う条件である。
【0027】従って、上記〜の条件の全てを満足す
る場合には、基板ステージの非走査方向の移動中に第2
区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を開始
するためには、前述した非常に複雑な演算をして検出点
の選択を最適化しない限り、フォーカス制御の開始点を
定められない。そこで、このような場合には、基板ステ
ージの第2区画領域のパターン転写のための走査方向の
加速を基板ステージの非走査方向の移動が終了した時点
で開始することとして、多少スループットを犠牲にして
も簡易な計算方法を用いてフォーカス制御を行うように
する。
【0028】一方、〜の条件のいずれかが満たされ
ない場合とは、a.第1区画領域が周辺ショットでない
(上記判断位置で全ての検出点が基板上にある)、ある
いはb.基板ステージの非走査方向の移動方向は投射領
域が基板中心から外側に向かって移動する方向である、
あるいはc.加速開始点で検出点の全てが基板上にある
か加速終了後に検出点のいずれかが基板のエッジに掛か
る場合である。従って、a.の場合には、放物線状(又
はU字状)の軌跡をとっても複雑な計算を行うことな
く、第2区画領域の走査開始位置から全ての検出点を用
いてフォーカス制御を行うことができ、b.の場合に
は、第2区画領域が基板上の周辺領域である場合には軌
跡を変更しても走査開始点からフォーカス制御を行うこ
とができず、c.の内、加速開始点で検出点の全てが基
板上にある場合には、放物線状(又はU字状)の軌跡を
とっても複雑な計算を行うことなく、第2区画領域の走
査開始位置から全ての検出点を用いてフォーカス制御を
行うことができ、加速終了後に検出点のいずれかが基板
のエッジに掛かる場合には軌跡を変更しても走査開始点
からフォーカス制御を行うことができないが、検出点が
基板上に掛かった段階から位置検出系の検出結果に基づ
いて駆動機構を介して基板の光軸方向位置の制御(フォ
ーカス制御)が開始され、フォーカス制御の開始座標に
ずれを生じることはない。
【0029】そこで、このような場合には、スループッ
トを最優先して基板ステージの第2区画領域のパターン
転写のための走査方向の加速を基板ステージの非走査方
向の移動終了前に開始する。
【0030】請求項6に記載の発明に係るデバイス製造
方法は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査型露
光装置を用いて露光を行う露光工程を含むことを特徴と
する。
【0031】請求項7に記載の発明は、マスク(R)と
基板(W)とを同期移動して前記マスクに形成されたパ
ターンを前記基板上の複数の区画領域(S)に順次転写
する走査露光方法であって、前記基板上に走査方向に直
交する非走査方向に並んだ第1区画領域と第2区画領域
とに連続して前記パターンを転写するに際し、前記基板
上の第1区画領域に対するパターン転写の終了後に、前
記基板の走査方向の減速及び非走査方向の移動を開始
し、前記基板の位置が前記非走査方向の移動終了位置に
対し非走査方向の距離が所定の閾値距離(L)内となっ
たときに前記第2区画領域のパターン転写のための走査
方向の加速を開始することを特徴とする。
【0032】これによれば、基板上に非走査方向に並ん
だ第1区画領域と第2区画領域とに連続してパターンを
転写するに際し、基板上の第1区画領域に対するパター
ン転写の終了後に、基板ステージの走査方向の減速及び
非走査方向の移動が開始され、基板の位置が非走査方向
の移動終了位置に対し非走査方向の距離が所定の閾値距
離内となったときに第2区画領域のパターン転写のため
の基板ステージの走査方向の加速が開始される。
【0033】このため、第2区画領域のパターン転写の
ための基板ステージの走査方向の加速が終了した時点で
は、基板ステージの非走査方向の区画領域間の移動距離
の大小にかかわらず必ず基板ステージの移動が終了して
おり、しかも基板ステージの非走査方向の区画領域間の
移動中に走査方向の加速が開始されるので、基板ステー
ジの非走査方向の移動終了後に走査方向の移動が開始さ
れていた従来例に比べて明らかにスループットを向上さ
せることができる。走査速度が小さく、基板ステージの
走査方向の加減速時間(プリスキャン時間及びオーバー
スキャン時間)が短い場合も同様である。
【0034】この場合において、請求項8に記載の発明
の如く、前記非走査方向の閾値距離(L)は、前記パタ
ーン転写時の前記基板(W)の目標走査速度に応じて設
定されても良い。これは、走査方向の加速開始後、露光
が開始されるまでの時間は目標走査速度(スキャンスピ
ード)に依存するため、閾値距離が目標走査速度応じて
設定されることにより、目標走査速度の大小にかかわら
ず、スループットを可能な限り高い状態で維持できる。
【0035】請求項9に記載の発明は、マスク(R)と
基板(W)とを投影光学系(PL)に対して所定の走査
方向に同期移動するとともに、前記基板上の照明領域
(IA)内に配置された複数の検出点(s11〜s77)毎
に検出される前記基板の前記投影光学系の光軸方向の位
置に基づき前記基板の前記光軸方向位置及び傾斜を調整
しながら、前記マスクに形成されたパターンを前記投影
光学系を介して前記基板上に逐次転写する走査露光方法
において、前記基板上に走査方向に直交する非走査方向
に並んだ第1区画領域と第2区画領域とに連続して前記
パターンを転写するに際し、前記第1区画領域と第2区
画領域との基板上の位置に応じて、前記第2区画領域の
パターン転写のための走査方向の加速開始時点でいずれ
かの前記検出点が前記基板上に配置されるように、前記
第1区画領域のパターン転写終了後の前記基板の移動軌
跡を設定することを特徴とする。
【0036】これによれば、基板上に非走査方向に並ん
だ第1区画領域と第2区画領域とに連続してパターンを
転写するに際し、第1区画領域と第2区画領域との基板
上の位置に応じて、例えば基板上の特定の周辺領域かそ
れ以外かによって第2区画領域のパターン転写のための
走査方向の加速開始時点で、位置検出系の検出点のいず
れかが基板上に位置するように、第1区画領域のパター
ン転写の終了後の基板ステージの移動軌跡が変更され
る。このため、上記特定の基板の内部領域のパターン転
写の際には検出点が基板から外れることがないので、第
1区画領域のパターン転写の終了後の基板の移動軌跡を
スループットを優先した移動軌跡に変更するとともに、
上記特定の周辺領域の場合には多少スループットを犠牲
にしても走査方向の加速開始時点以後少なくとも1つの
検出点において基板の投影光学系の光軸方向の位置の検
出が可能になるように第1区画領域のパターン転写の終
了後の基板の移動軌跡に変更することにより、その検出
結果に基づいて基板の光軸方向位置の制御(フォーカス
制御)を行うようにすることが可能になる。従って、フ
ォーカス制御の遅れに起因するデフォーカス等による露
光精度の低下を防止するとともに最大限スループットを
向上させるようなことが可能になる。
【0037】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の走査露光方法において、前記検出点(s11〜s77)
が、前記基板(W)上の前記照明領域(IA)内の全域
に渡ってほぼ均一に配置され、前記第1区画領域のパタ
ーン転写の終了位置で、前記照明領域の少なくとも一部
が前記基板外に位置する第1条件と、前記非走査方向に
沿って見て第2区画領域が第1区画領域の基板中心側に
位置する第2条件と、前記第2区画領域のパターン転写
のための走査方向の加速開始位置で照明領域の少なくと
も一部が基板上に掛かるという第3条件とが満たされる
か否かを判断し、前記全ての条件が満たされた場合に、
前記基板の前記第2区画領域のパターン転写のための走
査方向の加速を前記基板の非走査方向の移動が終了した
時点で開始し、前記いずれかの条件が満たされない場合
には、前記基板の前記第2区画領域のパターン転写のた
めの走査方向の加速を前記基板の非走査方向の移動終了
前に開始することを特徴とする。
【0038】ここで、第1の条件、すなわち第1区画領
域のパターン転写の終了位置で、照明領域の少なくとも
一部が基板外に位置するとは、第1区画領域が基板の非
走査方向の周辺領域であり、その区画領域の露光終了後
に照明領域、すなわち前記検出点の少なくとも一部が基
板から外れるという条件である。また、第2の条件、す
なわち非走査方向に沿って見て第2区画領域が第1区画
領域の基板中心側に位置するとは、第1区画領域のパタ
ーン転写の終了後、第2区画領域のパターン転写の開始
までに行われる基板ステージの移動方向が基板の中心に
向かう方向であるという条件である。また、第3の条
件、すなわち第2区画領域のパターン転写のための走査
方向の加速開始位置で照明領域の少なくとも一部が基板
上に掛かるとは、第2区画領域のパターン転写のための
走査方向の加速開始位置で照明領域、すなわち検出点の
少なくとも一部が基板上に掛かるという条件である。従
って、上記第1〜第3条件の全てを満足する場合には、
基板ステージの非走査方向の移動中に第2区画領域のパ
ターン転写のための走査方向の加速を開始するために
は、前述した非常に複雑な演算をして検出点の選択を最
適化しない限り、フォーカス制御の開始点を定められな
い。そこで、このような場合には、基板ステージの第2
区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を基板
ステージの非走査方向の移動が終了した時点で開始する
こととして、多少スループットを犠牲にしても簡易な計
算方法を用いてフォーカス制御を行うようにする。
【0039】一方、第1〜第3条件のいずれかが満たさ
れない場合とは、a.第1区画領域が周辺ショットでな
い、あるいはb.区画領域間の基板の非走査方向の移動
方向が中心から外側に向かう、あるいはc.第2区画領
域のパターン転写のための走査方向の加速開始位置で前
記検出点が基板上にないのいずれかである。すなわち、
第1〜第3条件のいずれかが満たされない場合とは、第
1区画領域、第2区画領域がともに、複雑な計算を行う
ことなく、第2区画領域の走査開始位置から全ての検出
点を用いてフォーカス制御を行うことができる基板内部
の区画領域であるか、第2区画領域がもともと走査開始
点からフォーカス制御を行うことができない基板周辺の
区画領域であるかのいずれかであることを意味する。そ
こで、このような場合には、スループットを最優先して
基板の第2区画領域のパターン転写のための走査方向の
加速を基板の非走査方向の移動終了前に開始する。な
お、第2区画領域が走査開始点からフォーカス制御を行
うことができない基板周辺の区画領域である場合には、
走査開始後検出点が基板上に掛かった段階から基板の光
軸方向位置の制御(フォーカス制御)又は基板の光軸方
向位置制御及び傾斜制御(フォーカス・レベリング制
御)が開始される。
【0040】請求項11に記載の発明は、請求項9に記
載の走査露光方法において、前記検出点(s11〜s77)
が、前記基板(W)上の照明領域(IA)内の全域に渡
ってほぼ均一に配置され、前記第2区画領域の露光開始
位置から走査方向に加速距離分、非走査に所定の閾値距
離(L)分離れた判断位置で前記照明領域の少なくとも
一部が前記基板外に位置する第1条件と、前記判断位置
が基板の非走査方向の中心線より非走査方向の基板の移
動方向に対して反対側にある第2条件と、前記第2区画
領域のパターン転写のための加速中に前記照明領域が前
記基板のエッジに掛かるという第3条件が満たされるか
否かを判断し、前記全ての条件が満たされた場合に、前
記基板の前記第2区画領域のパターン転写のための走査
方向の加速を前記の非走査方向の移動が終了した時点で
開始し、前記いずれかの条件が満たされない場合には、
前記基板の前記第2区画領域のパターン転写のための走
査方向の加速を前記基板の非走査方向の移動終了前に開
始することを特徴とする。
【0041】ここで、第1条件、すなわち第2区画領域
の露光開始位置から走査方向に加速距離分、非走査方向
に所定の閾値距離分離れた判断位置で照明領域の少なく
とも一部が基板外に位置するとは、第1区画領域が基板
の周辺領域であり、基板の第2区画領域のパターン転写
のための走査方向の加速を基板の非走査方向の移動終了
前に開始する放物線状(又はU字状)の移動軌跡を採用
した場合の走査方向の減速終了位置、かつ非走査方向に
所定の閾値距離分離れた判断位置で照明領域、すなわち
検出点の少なくとも一部が基板外に位置するという条件
である。また、第2条件、すなわち、前記判断位置が基
板の非走査方向の中心線より非走査方向の基板の移動方
向に対して反対側にあるとは、第1区画領域のパターン
転写の終了後、第2区画領域のパターン転写の開始まで
に行われる基板の移動方向が基板の中心に向かう方向で
あるという条件である。また、第3条件、すなわち第2
区画領域のパターン転写のための加速中に照明領域が基
板のエッジに掛かるとは、第2区画領域のパターン転写
のための走査方向の加速開始点から露光開始点までのい
ずれかの時点で照明領域、すなわち検出点のいずれかが
基板のエッジに掛かるという条件である。
【0042】従って、上記第1〜第3条件の全てを満足
する場合には、基板の非走査方向の移動中に第2区画領
域のパターン転写のための走査方向の加速を開始するた
めには、前述した非常に複雑な演算をして検出点の選択
を最適化しない限り、フォーカス制御の開始点を定めら
れない。そこで、このような場合には、基板の第2区画
領域のパターン転写のための走査方向の加速を基板の非
走査方向の移動が終了した時点で開始することとして、
多少スループットを犠牲にしても簡易な計算方法を用い
てフォーカス制御を行うようにした。
【0043】一方、第1〜第3条件のいずれかが満たさ
れない場合とは、a.第1区画領域が周辺ショットでな
いか、又は上記判断位置で全ての検出点が基板上にあ
る、あるいはb.区画領域間の基板の非走査方向の移動
方向が中心から外側に向かう、あるいはc.加速開始点
で検出点の全てが基板上にあるか、加速終了後に検出点
のいずれかが基板のエッジに掛かる場合である。従っ
て、a.の場合には、放物線状(又はU字状)の軌跡を
とっても複雑な計算を行うことなく、第2区画領域の走
査開始位置から全ての検出点を用いてフォーカス制御を
行うことができ、b.の場合には、第2区画領域が基板
上の周辺領域である場合には軌跡を変更しても走査開始
点からフォーカス制御を行うことができず、c.の場合
には、放物線状(又はU字状)の軌跡をとっても複雑な
計算を行うことなく、第2区画領域の走査開始位置から
全ての検出点を用いてフォーカス制御を行うことができ
るか、第2区画領域が基板上の周辺領域である場合には
軌跡を変更しても走査開始点からフォーカス制御を行う
ことができない。
【0044】そこで、このような場合には、スループッ
トを最優先して基板の第2区画領域のパターン転写のた
めの走査方向の加速を基板の非走査方向の移動終了前に
開始することとしたものである。
【0045】請求項12に記載の発明は、マスク(R)
と基板(W)のそれぞれを所定の走査方向へ同期移動し
て前記マスクに形成されたパターンを前記基板上の複数
の区画領域(S)に順次転写する走査露光方法であっ
て、前記基板上の第1区画領域と第2区画領域とに前記
マスクのパターンを順次転写するときに、前記第1区画
領域および前記第2区画領域の前記基板上での位置に応
じて、前記第1区画領域のパターン転写の終了後の前記
基板の移動軌跡を設定することを特徴とする。
【0046】これによれば、第1区画領域および第2区
画領域の基板上での位置に応じて第1区画領域のパター
ン転写の終了後の前記基板の移動軌跡が設定されるの
で、例えば第1区画領域および第2区画領域が基板上の
特定の周辺領域であるかそれ以外の領域であるかによっ
て、基板の移動軌跡をそれぞれ設定することが可能にな
る。従って、例えば、特定の周辺領域の場合にはフォー
カス制御等の露光精度を優先し、それ以外の領域の場合
にはスループットを優先するようなことが可能になる。
【0047】この場合において、請求項13に記載の発
明の如く、前記基板(W)の走査方向と直交する非走査
方向に並んだ前記基板上の第1区画領域と第2区画領域
と第3区画領域の各々に前記マスクのパターンを順次転
写するときに、前記第1区画領域のパターン転写終了後
の前記基板の移動軌跡と前記第2区画領域のパターン転
写終了後の前記基板の移動軌跡が異なっていてもよい。
【0048】上記請求項12又は13に記載の走査露光
方法において、請求項14に記載の発明の如く、前記第
1区画領域は前記基板(W)の周縁部に位置していても
良い。
【0049】請求項12に記載の走査露光方法におい
て、請求項15に記載の発明の如く、前記走査方向とほ
ぼ直交する非走査方向に並んだ前記第1区画領域及び前
記第2区画領域の前記基板(W)上での位置に応じて、
前記第2区画領域のパターン転写のための前記非走査方
向への前記基板の移動中に前記走査方向への前記基板の
加速が開始されるような移動軌跡と、前記第2区画領域
のパターン転写のための前記非走査方向への前記基板の
移動終了後に前記走査方向への前記基板の加速が開始さ
れるような移動軌跡とのいずれか一方が、前記第1区画
領域のパターン転写終了後の前記基板の移動軌跡として
設定されるようにしてもよい。
【0050】請求項16に記載の発明は、マスクと基板
とを投影光学系に対して所定の走査方向へそれぞれ同期
移動するとともに、前記投影光学系の光軸方向に関する
前記基板の位置を複数の検出点で検出して、前記マスク
に形成されたパターンを前記投影光学系を介して前記基
板上の複数の区画領域に順次転写する走査露光方法にお
いて、前記基板上の第1区画領域と第2区画領域とに連
続的に前記マスクのパターンを転写するときに、前記第
1区画領域に対するパターン転写の終了後の前記検出点
と前記基板との位置関係に基づいて前記第1区画領域に
対するパターン転写終了後の前記基板の移動軌跡を設定
することを特徴とする。
【0051】これによれば、基板上の第1区画領域と第
2区画領域とに連続的に前記マスクのパターンを転写す
るときに、第1区画領域に対するパターン転写の終了後
の検出点と基板との位置関係に基づいて第1区画領域に
対するパターン転写終了後の基板の移動軌跡が設定され
る。このため、例えば、スループットを向上させるた
め、前述した放物線状の移動軌跡を想定しても第2区画
領域の走査開始位置〜露光開始位置手前所定距離の範囲
のいずれかの時点で複数の検出点の一部が基板上に位置
するような場合には、放物線状の軌跡を設定し、前記い
ずれの時点でも検出点の一部が基板上に位置しない場合
には、基板の非走査方向の移動が終了した後、第2区画
領域のパターン転写のための基板の走査方向加速が開始
されるような移動軌跡を設定することによりフォーカス
制御の遅れに起因する露光精度の低下を抑制することが
できる。
【0052】上記請求項16に記載の走査露光方法にお
いて、請求項17に記載の発明の如く、前記第2区画領
域に対するパターン転写のための前記基板の加速移動
中、前記投影光学系を介して形成される露光フィールド
に対して前記第2区画領域が前記基板の走査方向に所定
距離だけ離れているときに前記複数の検出点の内の所定
の検出点が前記基板上に位置するよう、前記第1区画領
域に対するパターン転写終了後の前記基板の移動軌跡を
設定しても良い。
【0053】また、上記請求項16又は17に記載の走
査露光方法において、請求項18に記載の発明の如く、
前記第1区画領域と前記第2区画領域は、前記基板の走
査方向とほぼ直交する方向に並んでおり、前記第1区画
領域は前記基板の周縁部に位置していても良い。
【0054】請求項16又は17に記載の走査露光方法
において、請求項19に記載の発明の如く、前記第1区
画領域と前記第2区画領域は、前記基板の走査方向とほ
ぼ直交する方向に並んで形成されるとともに、前記基板
の中心に対して前記第1区画領域が前記第2区画領域よ
りも離れて形成されており、前記第1区画領域に対する
パターン転写終了時に前記検出点の少なくとも一部が前
記基板上から外れる場合には、前記第2区画領域のパタ
ーン転写のための前記走査方向と直交する非走査方向へ
の前記基板の移動終了後に前記走査方向への前記基板の
加速が開始されるように前記基板の移動軌跡を設定する
ようにしても良い。
【0055】請求項20に記載の発明は、マスクと基板
のそれぞれを所定の走査方向へ同期移動して前記マスク
に形成されたパターンを前記基板上の複数の区画領域に
順次転写する走査露光方法であって、前記基板上の第1
区画領域と第2区画領域とに前記マスクのパターンを順
次転写するときに、前記第1区画領域および前記第2区
画領域の前記基板上での位置に応じて、前記第2区画領
域のパターン転写のための走査方向の加速開始のタイミ
ングを変更することを特徴とする。
【0056】請求項21に記載の発明に係るデバイス製
造方法は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の走査
露光方法を用いることを特徴とする。
【0057】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を図1ないし図10に基づいて説明す
る。
【0058】図1には、一実施形態に係る走査型露光装
置100の概略的な構成が示されている。この走査型露
光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン
露光方式の投影露光装置である。
【0059】この走査型露光装置100は、光源1及び
照明光学系(2、3、5〜7)を含む照明系、マスクと
してのレチクルRを保持するレチクルステージRST、
投影光学系PL、基板としてのウエハWを保持してXY
平面内をXY2次元方向に移動する基板ステージとして
の基板テーブル18を備えたXYステージ装置14、及
びこれらを制御する制御系等を備えている。
【0060】前記照明系は、光源1、コリメータレン
ズ、フライアイレンズ等(いずれも図示せず)からなる
照度均一化光学系2、リレーレンズ3、レチクルブライ
ンド5、リレーレンズ6及び折り曲げミラー7等を含ん
で構成されている。
【0061】ここで、この照明系の構成各部についてそ
の作用とともに説明すると、光源1で発生した露光光と
しての照明光ILは不図示のシャッターを通過した後、
照度均一化光学系2により照度分布がほぼ均一な光束に
変換される。照明光ILとしては、例えばKrFエキシ
マレーザ光、ArFエキシマレーザ光あるいはF2 エキ
シマレーザ光(波長:157nm)等のエキシマレーザ
光、銅蒸気レーザやYAGレーザの高調波、あるいは超
高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)等
が用いられる。
【0062】照度均一化光学系2から水平に射出された
光束は、リレーレンズ3を介して、レチクルブラインド
5に達する。このレチクルブラインド5は、2枚の可動
ブレード45A、45Bを有する可動ブラインド(以
下、この可動ブラインドを適宜「可動ブラインド45
A、45B」と称する)と、この可動ブラインド45
A、45Bの近傍に配置された開口形状が固定された固
定ブラインド46とから構成される。可動ブラインド4
5A、45Bの配置面は、レチクルRのパターン面と共
役となっている。固定ブラインド46は、例えば4個の
ナイフエッジにより矩形の開口を囲んだ視野絞りであ
り、その矩形開口の上下方向の幅が可動ブラインド45
A、45Bによって規定されるようになっており、これ
によりレチクルRを照明するスリット状の照明領域IA
R(図2参照)のレチクルRの走査方向の幅を所望の大
きさに設定できるようになっている。可動ブレード45
A、45Bは、可動ブラインド駆動機構43A、43B
によって開閉方向に駆動されるようになっており、この
駆動機構43A、43Bの動作が不図示のメモリに格納
されたプロセスプログラムと呼ばれるファイル内のマス
キング情報に応じて主制御装置20によって制御される
ようになっている。
【0063】レチクルブラインド5を通過した光束は、
リレーレンズ6を通過して折り曲げミラー7に至り、こ
こで鉛直下方に折り曲げられて回路パターン等が描かれ
たレチクルRの照明領域IAR部分を照明する。
【0064】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、レチクルRの位置決めのため、照
明光学系の光軸IX(後述する投影光学系PLの光軸A
Xに一致)に垂直な平面内で2次元的に(X軸方向及び
これに直交するY軸方向及びXY平面に直交するZ軸回
りの回転方向に)微少駆動可能に構成されている。
【0065】また、このレチクルステージRSTは、不
図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示省略)により、所定の走査方向
(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で移
動可能となっている。このレチクルステージRSTは、
レチクルRの全面が少なくとも照明光学系の光軸IXを
横切ることができるだけの移動ストロークを有してい
る。
【0066】レチクルステージRST上には、レチクル
レーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13
からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されて
おり、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位
置はレチクル干渉計13によって、例えば0.5〜1n
m程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、
レチクルステージRST上には走査方向(Y軸方向)に
直交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方
向)に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レ
チクル干渉計13は走査方向に1軸、非走査方向には2
軸設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡
15、レチクル干渉計13として示されている。
【0067】レチクル干渉計13からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
して主制御装置20に送られ、ステージ制御系19では
主制御装置20からの指示に応じてレチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0068】なお、不図示のレチクルアライメント系に
より所定の基準位置にレチクルRが精度良く位置決めさ
れるように、レチクルステージRSTの初期位置が決定
されるため、移動鏡15の位置をレチクル干渉計13で
測定するだけでレチクルRの位置を十分高精度に測定し
たことになる。
【0069】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されてい
る。この投影光学系PLは所定の投影倍率、例えば1/
5(あるいは1/4)を有する縮小光学系である。この
ため、照明光学系からの照明光ILによってレチクルR
の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通
過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその
照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像
(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗布されたウ
エハW上に形成される。
【0070】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方
向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステー
ジ16上をY軸方向に直交するX軸方向(図1における
紙面直交方向)に往復移動可能なXステージ12と、こ
のXステージ12上に設けられた基板テーブル18とを
有している。また、基板テーブル18上に、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によって基板
としてのウエハWが真空吸着によって保持されている。
【0071】基板テーブル18は、Xステージ12上に
XY方向に位置決めされ、かつZ軸方向の移動及び傾斜
が許容された状態で取り付けられている。そして、この
基板テーブル18は、異なる3点の支持点で不図示の3
本の軸によって支持されており、これら3本の軸が駆動
機構としてのウエハ駆動装置21によって独立してZ軸
方向に駆動され、これによって基板テーブル18上に保
持されたウエハWの面位置(Z軸方向位置及びXY平面
に対する傾斜)が所望の状態に設定されるようになって
いる。
【0072】基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉
計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザ
ビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置さ
れたウエハ干渉計31により、基板テーブル18のXY
面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常
時検出されている。
【0073】ここで、実際には、基板テーブル18上に
は走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移
動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有
する移動鏡とが設けられ、ウエハ干渉計18は走査方向
に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計31とし
て示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動装置21(これは、Xステージ1
2、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18の駆
動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xステー
ジ12を制御する。
【0074】また、基板テーブル18上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された基準マー
ク板FMが固定されている。
【0075】本実施形態の走査型露光装置100におい
ては、図2に示されるように、レチクルRの走査方向
(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方向を有する長
方形(スリット状)の照明領域IARでレチクルRが照
明され、レチクルRは露光時に−Y方向に速度VR で走
査(スキャン)される。照明領域IAR(中心は光軸I
Xとほぼ一致)は投影光学系PLを介してウエハW上に
投影され、照明領域IARに共役なスリット状の投影領
域、すなわち露光領域IAが形成される。ウエハWはレ
チクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは速度
R の方向とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同
期して速度VW で走査され、ウエハW上の区画領域とし
てのショット領域Sの全面が露光可能となっている。走
査速度の比VW /VR は正確に投影光学系PLの縮小倍
率に応じたものになっており、レチクルRのパターン領
域PAのパターンがウエハW上のショット領域S上に正
確に縮小転写される。照明領域IARの長手方向の幅
は、固定ブラインド46によって、レチクルR上のパタ
ーン領域PAよりも広く、遮光領域STの最大幅よりも
狭くなるように設定され、レチクルRを走査(スキャ
ン)することによりパターン領域PA全面が照明される
ようになっている。
【0076】この走査型露光装置100では、上記の走
査露光の際に、不図示のアライメント検出系の検出信号
に基づいて主制御装置20によりステージ制御系19及
びウエハ駆動装置21等を介してレチクルRとウエハW
との位置合わせ(アライメント)が行われ、また、後述
する多点フォーカス位置検出系の検出信号に基づいて、
レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影光学系
PLに関して共役となるように、かつ投影光学系PLの
結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表面が投影
光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に入る)よ
うに、主制御装置20によりステージ制御系19及びウ
エハ駆動装置21を介して基板テーブル18がZ軸方向
及び傾斜方向に駆動制御されて面位置の調整が行われ
る。
【0077】本実施形態の走査型露光装置100では、
上記のようなウエハW上のショット領域に対する走査露
光によるレチクルパターンの転写と、次ショット領域の
走査開始位置へのステッピング動作とを繰り返し行うこ
とにより、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行
われ、ウエハW上の全ショット領域にレチクルパターン
が転写されるようになっている。
【0078】更に、本実施形態では、ウエハW表面の前
記露光領域IA内部分及びその近傍の領域のZ方向(光
軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式のフォ
ーカス検出系(焦点検出系)の一つである位置検出系と
しての多点フォーカス位置検出系が設けられている。こ
の多点フォーカス位置検出系は、図1に示されるよう
に、光ファイバ束81、集光レンズ82、パターン形成
板83、レンズ84、ミラー85及び照射対物レンズ8
6から成る照射光学系40と、集光対物レンズ87、回
転方向振動板88、結像レンズ89、受光用スリット板
98及び多数のフォトセンサを有する受光器90から成
る受光光学系42とから構成されている。
【0079】ここで、この多点フォーカス位置検出系
(40、42)の構成各部について、その作用とともに
説明する。露光光とは異なるウエハW上のフォトレジス
トを感光させない波長の照明光が、図示しない照明光源
から光ファイバ束81を介して導かれている。光ファイ
バ束81から射出された照明光は、集光レンズ82を経
てパターン形成板83を照明する。
【0080】このパターン形成板83上には不図示の4
9個のスリット状の開口パターンが7行7列のマトリッ
クス状配置で形成されており、パターン形成板83の各
スリット状の開口パターンを透過した照明光(開口パタ
ーンの像光束)はレンズ84、ミラー85及び照射対物
レンズ86を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハ
Wの露光面にはパターン形成板83上の7×7=合計4
9個のスリット状の開口パターンの像が投影結像され
る。ここで、実際には、照射光学系40からの開口パタ
ーンの像光束は、YZ平面、XZ平面に対し45度を成
す平面内で光軸AXに対して所定角度α傾斜した方向か
らウエハW面(又は基準マーク板FM表面)に照射され
る。
【0081】このため、ウエハW表面の露光領域IA近
傍には、図3に示されるように、7行7列のマトリクス
状配置で7×7、合計49個のX軸、Y軸に対して45
度傾斜したスリット状の開口パターンの像(以下、適宜
「スリット像」という)s11〜s77が、X軸、Y軸方向
に沿ってほぼ等間隔で形成される。これらのスリット像
s11〜s77の光束のウエハW面からの反射光束が、光軸
AXに対して前記照射光学系40からの像光束と対称に
所定角度α傾斜した方向に進んで、集光対物レンズ8
7、回転方向振動板88及び結像レンズ89を経て受光
器90の手前側に配置された受光用スリット板98上に
再結像される。
【0082】これを更に詳述すると、受光器90上には
スリット像s11〜s77に対応して7行7列のマトリクス
状に49個のフォトセンサD11〜D77(図4参照)が配
列されており、この受光器90の前面(図1における下
面)に配置された受光用スリット板98には各フォトセ
ンサDに対向してスリットがそれぞれ形成されており、
これらのスリット上にそれぞれ図3に示されるスリット
像s11〜s77がそれぞれ再結像される。
【0083】ここで、主制御装置20には発振器(OS
C.)が内蔵されており、主制御装置20によりOS
C.からの駆動信号でドライブされる加振装置92を介
して回転方向振動板88に所定の振動が与えられると、
受光用スリット板98上では再結像された各像の位置が
所定方向(スリット板98の各スリットの長手方向と直
交する方向)に振動する。これにより、各フォトセンサ
D11〜D77の検出信号がセンサ選択回路93を介して信
号処理装置91により、回転振動周波数の信号で同期検
波される。そして、この信号処理装置91により同期検
波して得られた多数のフォーカス信号が主制御装置20
に供給される。なお、センサ選択回路93及び信号処理
装置91については後述する。なお、結像レンズ89と
スリット板98との間に、スリット板98上のスリット
とウエハWからの反射スリット像の振動中心との相対関
係を、スリット板98の各スリットの長手方向と直交す
る方向)にシフトさせるプレーンパラレルを配置しても
良い。
【0084】以上の説明から明らかなように、本実施形
態の場合、ウエハW上の検出点である各スリット像s11
〜s77と受光器90上の各フォトセンサD11〜D77とは
1対1で対応し、各スリット像の位置のウエハ表面のZ
位置の情報(フォーカス情報)が各フォトセンサDから
の出力であるフォーカス信号に基づいて得られるので、
以下の説明では便宜上スリット像s11〜s77を特別に必
要のない限りフォーカスセンサと呼ぶものとする。
【0085】そして、フォーカスセンサs11〜s77の
内、図3における露光領域IA内に位置する第3行のフ
ォーカスセンサs31〜s37、第4行のフォーカスセンサ
s41〜s47及び第5行のフォーカスセンサs51〜s57の
出力は、露光領域IA内の面位置設定のため基板テーブ
ル18の追従制御に用いられるので、これら3行のフォ
ーカスセンサをそれぞれ追従センサ103a、103
b、103cと呼ぶ。また、これら3行のフォーカスセ
ンサ103a、103b、103cをまとめて追従セン
サ103と呼ぶ。
【0086】また、本実施形態では、露光領域IAの外
側に所定距離離れた位置に配置された第1行のフォーカ
スセンサs11〜s17、第7行のフォーカスセンサs71〜
s77の出力は、次のフォーカス状態を予測するため、す
なわちウエハW表面が+Z方向又は−Z方向のいずれの
方向に変化するかの予測のためにのみ用いられるので、
これら2行のフォーカスセンサをそれぞれ先読みセンサ
102a、102bと呼ぶ。なお、各先読みセンサ10
2a、102bを、追従センサ103と同様にそれぞれ
複数行のセンサ列で構成しても良く、このようにした場
合は、レベリングに関する予測も可能になる。例えば、
本実施形態では使用しない第2行のフォーカスセンサs
21〜s27、第6行のフォーカスセンサs61〜s67の出力
をそれぞれ各先読みセンサ102a、102bとして併
用するようにしても良い。
【0087】次に、センサ選択回路93及び信号処理装
置91の構成について、図4に基づいて説明する。この
図4には、センサ選択回路93と信号処理装置91とが
受光器90とともに概略的に示されている。この内、セ
ンサ選択回路93は、スイッチ部AS と、レジスタ部R
S とから成り、スイッチ部AS 内には逆バイアス電圧が
印加されたフォトセンサ(ここではフォトダイオード)
11、D12、……D77のP側に一方の固定接点がそれぞ
れ接続された切替スイッチSA1 〜SA49と、各切替ス
イッチSA1 〜SA49の可動接点(共通接点)とn本の
出力線O1 〜On との間に設けられた(49×n)個の
開閉スイッチSB1-1 、SB1-2 、SB1-3 、……、S
49-nとが配置されている。各切替スイッチSA1 〜S
49の他方の固定接点は接地されている。また、フォト
センサD11〜D77のN側は不図示の電源回路に接続され
ている。また、n本の光電変換信号の出力線O1 〜On
のそれぞれは、これらの出力線に対応して設けられた信
号処理回路941 〜94nにそれぞれ接続されている。
【0088】このため、例えば、切替スイッチSA1
フォトセンサD11側に切り替え、開閉スイッチSB1-1
をオンにすると、フォトセンサD11が受光する光の強さ
に比例した強さの逆電流(光電流、すなわち光電変換信
号)が、フォトセンサD11→スイッチSA1 →スイッチ
SB1-1 の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回
路941 によって検出され、デジタル信号に変換されて
信号出力回路95に送出される。また、例えば、切替ス
イッチSA49をフォトセンサD77側に切り替え、開閉ス
イッチSB49-nをオンにすると、フォトセンサD77が受
光する光の強さに比例した強さの逆電流(光電流)が、
フォトセンサD77→スイッチSA49→スイッチSB49-n
の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回路94n
によって検出され、デジタル信号に変換されて、信号出
力回路95に送出される。このように、本実施形態で
は、切替スイッチSAと開閉スイッチSBとの任意の組
み合わせをオンにすることにより、任意のフォトセンサ
Dの受光する光の強さに応じた光電流を所望の出力線O
を介して取り出すことが可能になっている。
【0089】レジスタ部Rs内には、切替スイッチSA
1 〜SA49にそれぞれ対応して設けられた49個の第1
レジスタRS1 〜RS49と、開閉スイッチSB1-1 〜S
49 -nに対応してn個ずつ49組設けられた第2レジス
タRSS1-1 〜RSS49-nとが配置されている。第1レ
ジスタRS1 〜RS49は、同一のラインL1 に共通に接
続され、第2レジスタRSS1-1 〜RSS49-nは、同一
のラインL2 に共通に接続されている。従って、例え
ば、フォトセンサD11の出力を出力線O1 に出力させる
には、ラインL1 にデータ(Data)1(「1,0,
0,………,0」)を入力し、ラインL2 にデータ(D
ata)2(「1,0,0,0,0,0,0、0,0,
0,0,0,0,0、………、0,0,0,0,0,
0,0」)を入力すれば良い。これにより、第1レジス
タRS1 と第2レジスタRSS1-1 とが「1」で、その
他のレジスタは0となり、切替スイッチSA1 がフォト
センサD11側に切り替えられ、開閉スイッチSB1-1
オンとなって、フォトセンサD11の出力が出力線O1
出力される。このように、本実施例では、主制御装置4
4からラインL1 、ラインL2 を介してレジスタ部Rs
内に入力されるデータ1,データ2の内容によって、所
望のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわち
これに対応する信号処理回路94に出力させることがで
きる。従って、例えばn=49である場合には、各フォ
トセンサDを各別に信号処理回路941 〜94n にそれ
ぞれ独立して接続することにより主制御装置44では露
光領域IA及びその前後の検出領域内の個々の検出点で
あるフォーカスセンサ位置の光軸方向位置を演算するこ
とができる。
【0090】信号処理装置91は、出力線O1 〜On
それぞれ接続されたn個の信号処理回路941 〜94n
を備えている。各信号処理回路94には同期検波回路
(PSD)が内蔵されており、このPSDにはOSC.
からの駆動信号と同じ位相の交流信号が入力されてい
る。そして、各信号処理回路94では、各出力線からの
信号を上記の交流信号の位相を基準としてそれぞれ同期
整流(同期検波)を行い、ウエハW上の各スリット像s
11〜s77の場所のZ軸方向位置(フォーカス位置)に対
応する焦点位置検出信号(フォーカス信号)FSを生成
する。そして、信号処理回路941 〜94n からのフォ
ーカス信号FSは、出力回路95によりデジタル変換さ
れ、シリアルデータとして主制御装置20に出力される
ようになっている。
【0091】ところで、各フォーカス信号FSは、いわ
ゆるSカーブ信号と呼ばれ、受光用スリット板98のス
リット中心とウエハWからの反射スリット像の振動中心
とが一致したときに零レベルとなり、ウエハWがその状
態から上方に変位しているときは正のレベル、ウエハW
が下方に変位しているときは負のレベルになる信号であ
る。従って、各フォーカス信号FSにオフセットが加え
られていない状態では、主制御装置44によって、各フ
ォーカス信号FSが零レベルになるウエハWの高さ位置
(光軸方向位置)が合焦点としてそれぞれ検出されるこ
とになる。
【0092】前述したように、本実施形態においては、
所望のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわ
ちこれに対応する信号処理回路94に出力させることが
でき、例えば、複数のフォトセンサDが同一出力先に設
定された場合には、その出力先として指定された(選択
された)信号処理回路94ではフォトセンサ出力の合成
信号を回転振動周波数の信号で同期検波し、その複数の
フォトセンサの出力の合成信号に対応するフォーカス信
号のデジタル変換データが主制御装置20に出力され
る。
【0093】次に、上述のようにして構成された本実施
形態の走査型露光装置100におけるウエハW上の複数
のショット領域にレチクルパターンの露光を行う場合の
動作について、主制御装置20内のCPUの制御アルゴ
リズムを示す図5、図6のフローチャートに基づいて説
明する。
【0094】前提条件として、先に述べた通り、先読み
センサ102a、102bは、次のフォーカス状態を予
測するためにのみ用いられているので、先読みセンサ1
02aの各フォーカスセンサに対応するフォトセンサD
11〜D17、先読みセンサ102bの各フォーカスセンサ
に対応するフォトセンサD71〜D77は、ぞれぞれ同一出
力先である出力線O1 、出力線On に接続され、また、
追従センサ103を構成する各フォーカスセンサに対応
するフォトセンサD31〜D37、D41〜D47、D51〜D57
はそれぞれ異なる出力線O2〜On-1 (n≧23)に個
別に接続されているものとする。更に、図3から明らか
なように第2行目のフォーカスセンサs21〜s27及び第
6行目のフォーカスセンサs61〜s67は使用されないの
で、これらに対応するフォトセンサD21〜D27及びフォ
トセンサD61〜D67はいずれの出力線にも接続されてい
ないものとする。
【0095】また、オペレータにより不図示のコンソー
ル等から入力されたショット配列、ショットサイズ、各
ショットの露光順序その他の必要なデータに基づいて、
予めショットマップデータ(各ショット領域の露光順序
と走査方向とを定めたデータ)が作成され、不図示のメ
モリ内に格納されているものとする。
【0096】さらに、以下の説明において、「特定エッ
ジショット」とは、走査露光中のいずれかの時点で、露
光領域IAの一部(従ってこの場合には追従センサ10
3のいずれか)がウエハWの有効領域から外れるような
ウエハW周辺部のショット領域の内、ウエハWに対して
露光領域IAが内側から外側に相対走査される(従っ
て、ウエハWは露光領域に対して反対向きに走査され
る)いわゆる内スキャンが行われるショット領域を意味
をする。また、ウエハWの周辺部は通常テーパ状になっ
ていて露光に適さないパターン禁止帯が設けられてお
り、このパターン禁止帯の外縁をウエハの「エッジ」と
言い、その内部を「ウエハWの有効領域」と呼ぶものと
する。
【0097】この図5の制御アルゴリズムがスタートす
るのは、ウエハ交換、レチクルアライメント等の準備作
業が終了し、ウエハ上の第1番目のショット領域(ファ
ーストショット)に対する露光(レチクルパターンの転
写)のための、レチクルステージRST及び基板テーブ
ル18の加速(助走:プリスキャン)が終了しレチクル
ステージRSTと基板テーブル18とが等速同期状態に
達した時点であるものとする。
【0098】まず、ステップ100でファーストショッ
トの走査露光を開始した後、ステップ101で当該露光
対象のショット領域(この場合ファーストショット)が
特定エッジショットであるか否かを判断する。このステ
ップ101における判断は、予め作成されメモリ内に格
納されたショットマップデータ(ウエハW内の複数のシ
ョット領域を順次露光処理する際に、予めショット配
列、露光順序、走査方向等が決定されたデータ)及び前
記フォーカスセンサの位置情報に基づいて、当該露光対
象のショット領域の露光終了位置(パターン転写の終了
位置)で、前記露光領域IAの少なくとも一部、すなわ
ち追従センサ103のいずれかが前記ウエハの有効領域
外に位置するか否かを判断することにより行われる。
【0099】そして、このステップ101における判断
が否定された場合には、ステップ110に移行して、前
述した図15のような放物線状(又はU字状)の移動軌
跡(以下、適宜「第1の移動軌跡」と呼ぶ)を設定し、
その移動軌跡に従って基板テーブル18を制御するため
のデータをメモリ内の所定領域に格納する。
【0100】一方、ステップ101における判断が肯定
された場合には、次のステップ102へ進んで同一行の
次ショットがあるか否かを判断する。ここで、同一行の
次ショットとは、非走査方向の隣接ショットを意味す
る。このステップ102における判断は、メモリ内に格
納されたショットマップデータに基づいて行われる。そ
して、このステップ102における判断が肯定された場
合には、次のステップ104に進んで当該露光対象のシ
ョット領域の露光終了後に行われるステッピング方向
(非走査方向のショット間移動方向)が中心に向かう方
向か否かを判断する。ここで、ステッピング方向が中心
に向かう方向とは、ウエハWを固定して考えた場合に、
この固定のウエハW上を露光領域IAが外側から中心に
向かって移動する場合(実際には、固定の露光領域IA
に対してウエハWが中心側から外側に移動される場合)
を意味し、この反対の場合をステッピング方向が中心か
ら外側と呼ぶものとする。このステップ104における
判断は、メモリ内のショットマップデータに基づいて、
非走査方向に沿って見て次ショットが当該露光ショット
のウエハWの中心側に位置するか否かを判断することに
よりなされる。そして、このステップ104における判
断が否定された場合には、ステップ110に移行する。
【0101】一方、上記ステップ104における判断が
肯定された場合には、ステップ106に進んで次ショッ
トの露光のための基板テーブル18の走査方向の加速開
始位置(走査開始位置)で露光領域IA(又は追従セン
サ103)の少なくとも一部がウエハWの有効領域内に
位置するか否かを判断する。ここで、次ショットの露光
のための基板テーブル18の走査方向の加速開始位置と
は、前述した図14に示されるような移動軌跡を露光領
域IAがとったときの次ショットの露光のための走査開
始位置を意味する。このステップ106における判断
も、メモリ内に格納されたショットマップデータ及びフ
ォーカスセンサの位置情報に基づいて行われる。そし
て、このステップ106における判断が否定された場合
には、ステップ110に移行する。
【0102】一方、上記ステップ106における判断が
肯定された場合には、ステップ108に進んで、前述し
た図14と同様の移動軌跡(以下、適宜「第2の移動軌
跡」と呼ぶ)を設定し、その移動軌跡に従って基板テー
ブル18を制御するためのデータをメモリ内の所定領域
に格納する。
【0103】この一方、前述したステップ102におけ
る判断が否定された場合には、ステップ105に移行し
て次行のショットがあるか否かを判断する。ここで、次
行とは走査方向の隣接行を意味する。このステップ10
5における判断はメモリ内に格納されたショットマップ
データに基づいて行われる。そして、このステップ10
5における判断が肯定された場合には、ステップ107
に移行して次行の第1番目のショット領域の露光(レチ
クルパターン転写)のための走査方向の走査開始位置へ
の移動軌跡(以下、適宜「第3の移動軌跡」と呼ぶ)を
設定し、その移動軌跡に従って基板テーブル18を制御
するためのデータをメモリ内の所定領域に格納する。
【0104】一方、上記ステップ105における判断が
否定された場合には、ステップ109に移行してその露
光対象ショット(この場合、最終ショット)の露光が終
了するのを待ち、該露光が終了すると、本ルーチンの一
連の動作を終了する。
【0105】これと異なり、第1の移動軌跡を設定した
場合(ステップ110)、第2の移動軌跡を設定した場
合(ステップ108)及び第3の移動軌跡を設定した場
合(ステップ107)のいずれの場合にも、ステップ1
12に進んで当該露光対象ショットの露光が終了するの
を待つ。そして、露光が終了すると、ステップ114の
「ショットマップデータ及びメモリ内のデータに従っ
て、ショット間移動を行う」サブルーチンに移行する。
【0106】図6には、ステップ114のサブルーチン
の内容が示されている。このサブルーチンでは、まず、
ステップ120においてメモリ内の所定領域のデータに
基づき、第1の移動軌跡が設定されているか否かを判断
する。そして、この判断が肯定された場合には、ステッ
プ122に進んでY方向(走査方向)の減速及びX方向
(非走査方向)のステッピングを開始する。
【0107】図7には、ショット間の移動軌跡として第
1の移動軌跡が設定された場合のウエハW上にX方向に
隣接する2ショットを連続して露光する場合の基板テー
ブル18の速度制御マップが示されている。この図7の
上側は基板テーブル18のY方向速度(すなわちYステ
ージ16の速度)を示し、下側は基板テーブル18のX
方向速度(すなわちXステージ12の速度)を示す。こ
の図7においてY方向については、+Y方向に基板テー
ブル18が移動するとき速度を正とし、X方向について
は基板テーブル18が−X方向に移動するときを正とし
ている。また、横軸は時間を示す。上記ステップ122
では、図7のa点以後に示されるような速度制御マップ
に従って基板テーブル18の移動制御が行われる。
【0108】図6のステップ124では基板テーブル1
8のX方向位置がステッピング終了位置から閾値距離L
内の位置に達するのを待つ。この場合、閾値距離Lは図
7の斜線部の面積に相当する距離が定められており、従
って、ステップ124ではウエハ干渉計31の計測値を
モニタしつつ図7の速度制御マップに従って時間a−b
間に進む距離だけステッピング開始位置からX方向に移
動するのを待つことになる。
【0109】そして、基板テーブル18のX方向位置が
ステッピング終了位置から閾値距離内の位置に達する
と、ステップ130に進み、次ショットの露光のための
Y方向(走査方向)の加速を開始し(図7参照)、メイ
ンルーチンのステップ116にリターンする。その後、
図7のb点以後の速度制御マップに従って基板テーブル
18のY方向、X方向の速度制御が行われる。
【0110】一方、上記ステップ120における判断が
否定された場合には、ステップ121に進んでメモリ内
の所定領域のデータに基づき、第2の移動軌跡が設定さ
れているか否かを判断する。そして、この判断が肯定さ
れた場合には、ステップ126に進んでY方向(走査方
向)の減速及びX方向(非走査方向)のステッピングを
開始する。
【0111】図9には、ショット間の移動軌跡として第
2の移動軌跡が設定された場合のウエハW上にX方向に
隣接する2ショットを連続して露光する場合の基板テー
ブル18の速度制御マップが示されている。この図9の
上側は基板テーブル18のY方向速度(すなわちYステ
ージ16の速度)を示し、下側は基板テーブル18のX
方向速度(すなわちXステージ12の速度)を示す。こ
の図9において、Y方向については+Y方向に基板テー
ブル18が移動するときを正とし、X方向については−
X方向に基板テーブル18が移動するときを正としてい
る。また、横軸は時間を示す。上記ステップ126で
は、図9のe点以後に示されるような速度制御マップに
従って基板テーブル18の移動制御が行われる。
【0112】図6のステップ128では基板テーブル1
8のX方向のステッピングが終了するのを待つ。すなわ
ち、ステップ128ではウエハ干渉計31の計測値をモ
ニタしつつ図9の速度制御マップに従って時間e−f間
に進む距離(隣接ショット間隔に相当)だけステッピン
グ開始位置からX方向に移動するのを待つことになる。
【0113】そして、基板テーブル18のX方向のステ
ッピングが終了すると、ステップ130に進み、次ショ
ットの露光のためのY方向(走査方向)の加速を開始し
(図9参照)、メインルーチンのステップ116にリタ
ーンする。その後、図9のf点以後の速度制御マップに
従って基板テーブル18のY方向の速度制御が行われ
る。
【0114】この一方、上記ステップ121における判
断が否定された場合、すなわち前述したステップ107
においてメモリ内に第3の移動軌跡のデータが格納され
ている場合には、ステップ123に進んでその移動軌跡
のデータに従って基板テーブル18を次行の第1番目の
ショットの走査開始位置へ移動を開始する。そして、ス
テップ125でその移動が終了するのを待ち、基板テー
ブル18が次行の第1番目のショットの走査開始位置へ
移動すると、ステップ130に進み、次ショットの露光
のためのY方向(走査方向)の加速を開始し、メインル
ーチンのステップ116にリターンする。
【0115】図5に戻り、ステップ116では、走査方
向(Y方向)の加速が終了するのを待ち、基板テーブル
18が目標走査速度(スキャン速度)VW まで加速され
ると、ステップ100に戻って露光を開始し、以後上述
した処理・判断を繰り返す。
【0116】図10には、上で説明したフローチャート
に従った露光シーケンスにおける基板テーブル18の移
動軌跡の一例が示されている。なお、この図10におい
ては、説明を分かり易くするため及び図示の便宜上から
ウエハWを固定として露光領域IAが移動するものとし
て、基板テーブル18の移動軌跡に変えて露光領域IA
の中心Oの軌跡が示されているが、実際には、露光領域
IAが固定であり、基板テーブル18が移動するので、
実質的には、この図10は基板テーブル18の移動軌跡
を示したものに他ならない。
【0117】ここでは、ショット領域(以下、「ショッ
ト」という)Aをファーストショットとして、以後、シ
ョットB→ショットCの順序で、いわゆる完全交互スキ
ャンにより、露光処理が行われる場合について説明す
る。まず、ショット領域Aの露光が開始されると(図5
のステップ100)、当該ショットAが特定エッジショ
ットであるか否かが前述の如くして判断される(図5の
ステップ101)。この場合、図10中に露光領域I
A’(中心O’)として示されるように、ショットAの
露光終了位置で露光領域IAの一部がウエハWの有効領
域外に位置するので、ショットAは特定エッジショット
であるから、次いで同一行の次ショットがあるか否かが
判断される(図5のステップ102)。この場合、次シ
ョットBがあるので、次いでステッピング方向が中心に
向かうか否かが判断される(ステップ104)。この場
合、次ショットBがショットAの非走査方向に沿って見
てウエハWの中心側に位置するので、次いで走査開始位
置で露光領域IAの一部(又は全部)がウエハW上に位
置するか否かが判断される(図5のステップ106)。
この場合、図10中の露光領域IAで示されるように、
ショットBの走査開始位置で露光領域IAがウエハW上
に位置するので、第2の移動軌跡、すなわち図14の従
来例と同様の基板テーブル18のショット間移動軌跡の
データが設定される(図5のステップ108)。この結
果、ショットAの露光が終了すると(図5のステップ1
12)、前述した図9の速度制御マップに従って、ショ
ットA、B間のステッピングが行われ、ステッピング完
了と同時にショットBの露光のための走査(加速)が開
始される。このときの移動軌跡は図10の通りである。
【0118】ここで、上記ステップ101、104、1
06の全ての条件を満足する2ショット(例えば、ショ
ットA、B)間の移動軌跡を第2の移動軌跡とするの
は、次のような理由による。
【0119】すなわち、ショットAのような特定エッジ
ショットにおいては、完全交互スキャンの場合、次ショ
ットでは露光領域IAがウエハWの外側から内側へ走査
されるようなスキャン(外スキャン)が行われるが、か
かる外スキャン中にフォーカスの制御を高精度に行うた
めには、フォーカス制御に用いられるフォーカスセンサ
の選択を最適化するとともにそのセンサ出力に基づくフ
ォーカス制御(又はフォーカス・レベリング制御)の開
始点を定める必要があり、特にステッピング中に露光領
域IAがウエハエッジに掛かるようなショットでは、各
フォーカスセンサの配置とウエハWのショット間移動軌
跡とを考慮してフォーカス制御が可能となる基板テーブ
ル18の(X、Y座標位置)を求めるため、非常に複雑
な演算を行う必要があるが、このようなことは現実的な
選択となり得ない。
【0120】しかるに、従来の図14のようなシーケン
スであれば、先にも説明したように、フォーカスセンサ
の選択を最適化するとともにX座標を固定した状態でそ
のセンサがステッピング中にウエハWに乗るY座標をウ
エハ外径に基づいて計算しておくだけで、そのY座標位
置に基板テーブル18が達した時点からフォーカス制御
を開始することができるようになっていた。
【0121】そこで、ステッピング中にウエハエッジに
掛かるようなショットの内、移動軌跡の設定の仕方によ
り走査開始点からフォーカス制御を、従来と同様の簡単
な演算により開始できるショットについては、スループ
ットを多少犠牲にしてもそのようにすることとしたもの
である。
【0122】ショットBの露光のための加速が開始され
ると、この加速時点でウエハWの有効領域内にあるフォ
ーカスセンサを用いてフォーカス制御が開始される。そ
して、ショットBの露光のための加速が終了すると(ス
テップ116)、ショットBの露光が開始される。そし
て、ショットBが特定エッジショットであるか否かが判
断されるが、ショットBは特定エッジショットでないの
で、露光中に第1の移動軌跡が設定される(ステップ1
10)。このショットBの露光中のフォーカス・レベリ
ング制御は、先に走査開始時点で用いられたフォーカス
センサのみをずっと用いて行っても良いが、加速中にウ
エハ有効領域内となったフォーカスセンサを徐々に増や
して用いるようにしても良い。このようなことは、主制
御装置20がセンサ選択回路93を介して制御に用いる
フォーカスセンサを追加選択することにより容易に行う
ことができる。
【0123】そして、ショットBの露光が終了すると
(ステップ112)、前述した図7の速度制御マップに
従って、ショットB、C間のステッピングが行われる。
この場合、図7から明らかなように、ステッピング中に
ショットBの露光のための走査(加速)が開始される。
このときの移動軌跡は図10の通りである。従って、ス
テッピング時間とプリスキャン時間とを一部オーバーラ
ップすることができるので、その分スループットの向上
が可能である。
【0124】ここで、非走査方向のショット間隔が大き
く(すなわちショットサイズが大きく)X方向のステッ
ピング距離が大きい場合を考えてみる。この場合の基板
テーブル18の速度制御マップの一例が図8に示されて
いる。この場合も、閾値距離Lが定められているので、
必ず加速終了時点(d点)ではX方向のステッピングが
終了しているとともに、その閾値距離Lに対応する時間
b−cだけステッピング時間とプリスキャン時間とをオ
ーバーラップさせることができるので、スループットの
向上が可能である。走査速度が小さく、基板テーブル1
8の走査方向の加減速時間(プリスキャン時間及びオー
バースキャン時間)が短い場合も同様である。また、数
ショットおきにステッピングを行うような場合にも、上
記の閾値距離Lを定めれば、同様にステッピング時間と
プリスキャン時間とを一部オーバーラップさせることが
できる。
【0125】ところで、所定の閾値距離Lは、例えば予
め定めた基板テーブル18の非走査方向の速度制御マッ
プと走査方向の速度制御マップとに基づいて、走査方向
の助走時間(加速開始位置から加速終了位置までの時
間)よりその移動に要する時間が短くなるという条件を
少なくとも満足する非走査方向の距離が定められる。
【0126】しかし、通常、基板テーブル18の走査方
向の加速度はほぼ最大加速度に設定されるため、目標走
査速度(スキャン速度)により加速時間(プリスキャン
時間)が変わるため、主制御装置20は、非走査方向の
閾値距離Lを、パターン転写時の基板テーブル18の目
標走査速度に応じて変更するようにすることが望まし
い。例えば、スキャン速度が小さい時、加速時間も小さ
くなるので、閾値距離Lも小さくする。例えば、スキャ
ンスピードに比例した値を閾値距離Lとしても良い。こ
れにより、目標走査速度が変更されても支障なく、かつ
スループットを可能な限り高い状態で維持できる。
【0127】以後、上記と同様にして、ショットC以降
の露光動作及びショット間移動動作が図5のフローチャ
ートに沿って行われる。図10のショットマップにおい
て、露光中に上記ステップ101の判断が肯定されるの
は、ショットAの他に、ショットI,Kがあるが、その
内、ショットKの露光の際には、ステップ104の判断
が否定され、残りのショットIの露光の際にはステップ
106の判断が否定されるので、結論としてこれらのシ
ョットI、Kとそれぞれの次ショットJ、Lとの間で
は、スループットを優先した第1の移動軌跡(放物線状
軌跡)に従って基板テーブル18の移動が行われる。こ
れは、これらのショット間では、ショット間の移動軌跡
を変更しても次ショットJ、Kの走査開始点からフォー
カス制御を行うことができないため、各次ショットJ、
Kのパターン転写に際しては、スループットを最優先し
て基板テーブルび走査方向の加速を基板テーブル18の
非走査方向の移動終了前に開始することとしたものであ
る。これらのショットJ、Kのように、走査開始点から
フォーカス制御を行うことができないウエハ周辺の区画
領域では、走査開始後フォーカスセンサがウエハW上に
掛かった段階からそのフォーカスセンサの検出結果に基
づいてウエハ駆動装置21を介してウエハWの光軸方向
位置の制御(フォーカス制御)又はウエハWの光軸方向
位置制御及び傾斜制御(フォーカス・レベリング制御)
が開始され、フォーカス制御の開始座標にずれを生じる
ことはない。なお、ショットGはウエハW上にないので
ダミーのショットである。
【0128】これまでの説明から明らかなように、本第
1の実施形態では、Xステージ12、Yステージ16、
ウエハ駆動装置21、ステージ制御系19及び主制御装
置20によって、基板ステージを駆動する駆動装置が構
成されている。
【0129】以上詳細に説明したように、本第1の実施
形態に係る走査型露光装置100及びその走査露光方法
によると、各ショットのスキャン露光の開始までにショ
ット間ステッピング動作が確実に終わるようにするとと
もに、複雑な計算を行うことなく、フォーカス制御遅れ
に起因するデフォーカスの発生を可能な限り抑制して露
光精度低下を極力防止しつつ、最大限スループットの向
上を図ることができるという効果がある。
【0130】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態に係る走査型露光装置及びその露光方法につい
て図11及び図10に基づいて説明する。ここで、前述
した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分につ
いては同一の符号を用いるとともに、その説明を省略す
る。
【0131】本第2の実施形態の装置は、前述した第1
の実施形態と比べて、ウエハW上の複数のショット領域
にレチクルパターンの露光を行う場合の主制御装置20
内CPUの制御アルゴリズムが僅かに異なるのみであ
り、その他の構成等は第1の実施形態と同じである。そ
こで、以下においては、この異なる点を中心に説明す
る。図11には、この第2の実施形態の装置の主制御装
置20内のCPUの制御アルゴリズムを示すメインルー
チンのフローチャートが示されている。
【0132】この図11と前述した図5との違いは、前
記ステップ101、104、106にそれぞれ代えてス
テップ101’、104’、106’の判断ステップが
それぞれ設けられた点のみである。
【0133】ステップ101’では、次ショットが第2
の特定エッジショットであるか否かを判断する。ここで
「第2の特定エッジショット」とは、走査露光中のいず
れかの時点で、露光領域IAの一部(従ってこの場合に
は追従センサ103のいずれか)がウエハWの有効領域
から外れるようなウエハW周辺部のショット領域の内、
ウエハWに対して露光領域IAが外側から内側に相対走
査される(従って、ウエハWは露光領域に対して反対向
きに走査される)いわゆる外スキャンが行われるショッ
ト領域を意味をする。このステップ101’における判
断は、メモリ内のショットマップデータとフォーカスセ
ンサの位置データとに基づいて、当該露光対象のショッ
ト領域の次ショット領域の露光開始位置から走査方向
(Y方向)に加速距離分、非走査方向(X方向)に前述
した所定の閾値距離L分離れた判断位置(図10のO”
参照)に露光領域IAの中心があるときに露光領域IA
の少なくとも一部、すなわち追従センサ103のいずれ
かがウエハWの有効領域外に位置するか否かを判断する
ことにより行われる。ここで、判断位置とは、図15あ
るいは図10に示されるような放物線状(又はU字状)
の移動軌跡を採用した場合の走査方向の減速終了位置、
かつ非走査方向に所定の閾値距離分離れた位置を意味す
る。
【0134】また、ステップ104’では、前述したス
テップ104と同様に、次ショットに対するステッピン
グ方向が中心に向かうか否かを判断するが、その判断基
準が異なる。すなわち、このステップ104’ではメモ
リ内のショットマップデータに基づいて、前述した判断
位置がウエハWの非走査方向の中心線より非走査方向の
基板テーブル18の移動方向に対して反対側にあるか否
かにより判断する。
【0135】また、ステップ106’では、次ショット
の露光(パターン転写)のための走査方向の加速中に露
光領域IAが、ウエハエッジと交差するか否かを判断す
る。すなわち、次ショットのパターン転写のための走査
方向の加速開始点から露光開始点までのいずれかの時点
で露光領域、すなわちフォーカスセンサのいずれかがウ
エハWのエッジに掛かるか否かを、メモリ内に格納され
たショットマップデータ及び前記フォーカスセンサの位
置情報に基づいて判断する。これは、次のような理由に
よる。
【0136】もし、スキャン露光を開始した後であれ
ば、非スキャン方向の位置決めは既に終わっていること
になり、フォーカス制御の開始座標にずれを生じること
はないし、逆に加速開始位置でウエハW内に露光領域I
Aが完全に入っている場合には、エッジショットでなく
内部ショットであるから、ステップ101の判断が否定
される筈だからである。その他のステップは、前述した
図5のフローチャートと同一である。
【0137】以上説明した図11の制御アルゴリズムに
よっても、図10のショットマップの場合、第2の移動
軌跡が設定されるのは、ショットA、B間だけである。
【0138】すなわち、上記ステップ101’の判断結
果が肯定的となる次ショットとしては、ショットB、
F,H,J,Lがあるが、その内、ショットF、Lの前
ショットであるショットE、Kの露光の際には、ステッ
プ104’の判断が否定され、残りのショットH,Jに
ついてはステップ106’の判断が否定されるので、結
論としてショットE,F間、G,H間,I,J間、K,
L間では、スループットを優先した第1の移動軌跡(放
物線状軌跡)に従って基板テーブル18のショット間移
動が行われる。これは、ショットF,H,J,Lは、シ
ョット間の移動軌跡を変更しても走査開始点からフォー
カス制御を行うことができない基板周辺のショット領域
であるため、スループットを最優先して基板テーブル1
8の該各ショットのパターン転写に際しては、基板テー
ブル18の走査方向の加速を非走査方向の移動終了前に
開始することとしたものである。これらのショットのよ
うに、走査開始点からフォーカス制御を行うことができ
ないウエハ周辺のショットでは、前述の如く、走査開始
後フォーカスセンサがウエハW上に掛かった段階からフ
ォーカスセンサの検出結果に基づいてウエハ駆動装置2
1を介してフォーカス制御又はフォーカス・レベリング
制御が開始され、フォーカス制御の開始座標にずれを生
じることはない。
【0139】従って、本第2の実施形態によっても、前
述した第1の実施形態と同等の効果を得ることができ
る。
【0140】なお、上記各実施形態では、ウエハW上の
各ショット領域のスキャン露光中に、図5又は図11の
制御アルゴリズムに従ってショット間の基板テーブル1
8の移動軌跡を設定又は変更する場合について説明した
が、本発明に係る走査型露光装置及び走査露光方法がこ
れに限定されることはなく、露光開始時より相当前に露
光処理プログラムを作成する際に、上記制御アルゴリズ
ムと同様の手順でショット間移動軌跡を決定しておき、
これをショットマップデータと関連付けてメモリ内に格
納しておき、実際の各ショットの露光に際しては、単に
これらのデータに従って走査露光及びフォーカス・レベ
リング制御を行うようにしても良い。この場合であって
も、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0141】また、上記各実施形態ではそれぞれ3つの
判断基準により基板テーブル18のショット間移動軌跡
を変更する場合について説明したが、これに限らず、ウ
エハW上の第1区画領域(ショット領域)と第2区画領
域とにレチクルRのパターンを順次転写するときに、前
記第1区画領域および第2区画領域のウエハW上での位
置に応じて、第1区画領域のパターン転写の終了後のウ
エハの移動軌跡を設定するようにしても良い。かかる場
合であっても、第1区画領域および第2区画領域のウエ
ハW上での位置に応じて第1区画領域のパターン転写の
終了後のウエハWの移動軌跡が設定されるので、例えば
第1区画領域および第2区画領域が基板上の特定の周辺
領域であるかそれ以外の領域であるかによって、基板の
移動軌跡をそれぞれ設定することが可能になる。従っ
て、例えば、特定の周辺領域の場合にはフォーカス制御
等の露光精度を優先し、それ以外の領域の場合にはスル
ープットを優先するようなことが可能になる。この場合
において、第1区画領域に対するパターン転写の終了後
のスリット像sとウエハWとの位置関係に基づいて第1
区画領域に対するパターン転写終了後の前記基板の移動
軌跡を設定しても良い。
【0142】かかる場合にも、例えば、スループットを
向上させるため、前述した放物線状の移動軌跡を想定し
ても第2区画領域の走査開始位置〜露光開始位置手前所
定距離の範囲のいずれかの時点で複数の検出点の一部が
基板上に位置するような場合には、放物線状の軌跡を設
定し、前記いずれの時点でも検出点(前述した追従セン
サのみでなく先読みセンサを含む)の一部が基板上に位
置しない場合には、基板の非走査方向の移動が終了した
後、第2区画領域のパターン転写のための基板の走査方
向加速が開始されるような移動軌跡を設定することによ
り先読みセンサを含むフォーカスセンサのいずれかを用
いて可能な限り速やかにフォーカス制御を開始すること
により、フォーカス制御に遅れに起因するデフォーカス
の発生を抑制することが可能となる。
【0143】《デバイス製造方法》次に、上述した走査
型露光装置及び走査露光方法をリソグラフィ工程で使用
したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0144】図12には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図12に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0145】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0146】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0147】図13には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されてい
る。図13において、ステップ211(酸化ステップ)
においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ213(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ2
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0148】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上記説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ217(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ218(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0149】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0150】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記の走査型露光装置100及びその露光方法が用いられ
るので、高集積度のデバイスを低コストで生産すること
ができる。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
記載の各発明によれば、基板上の次の区画領域の露光を
開始するまでに確実に基板の区画領域間の非走査方向の
移動を終了させ、しかもスループットの向上を図ること
が可能な走査型露光装置を提供することができる。
【0152】また、請求項3〜5に記載の各発明によれ
ば、スループットの向上を図りつつ、露光精度の低下を
防止することができる走査型露光装置を提供することが
できる。
【0153】また、請求項7及び8に記載の各発明によ
れば、基板上の次の区画領域の露光を開始するまでに確
実に基板の区画領域間の非走査方向の移動を終了させ、
しかもスループットの向上を図ることが可能な走査露光
方法を提供することができる。
【0154】また、請求項9〜20に記載の各発明によ
れば、スループットの向上を図りつつ、露光精度の低下
を防止することができる走査露光方法を提供することが
できる。
【0155】さらに、請求項6及び21に記載の発明に
よれば、高集積度のマイクロデバイスを低コストに製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る走査型露光装置の概略構
成を示す図である。
【図2】図1の装置の走査露光の原理を説明するための
図である。
【図3】多点フォーカス検出系の各検出点であるスリッ
ト像の配置と露光領域との位置関係を示す図である。
【図4】センサ選択回路と信号処理装置の概略構成を受
光器とともに示す図である。
【図5】第1の実施形態の走査型露光装置におけるウエ
ハW上の複数のショット領域にレチクルパターンの露光
を行う場合の主制御装置内のCPUの制御アルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップ114のサブルーチンの内容を
示すフローチャートである。
【図7】第1の移動軌跡に対応する基板ステージの速度
制御マップを示す図である。
【図8】非走査方向のショット間移動距離が長い場合の
第1の移動軌跡に対応する基板ステージの速度制御マッ
プを示す図である。
【図9】第2の移動軌跡に対応する基板ステージの速度
制御マップを示す図である。
【図10】図5のフローチャートに沿って行われる露光
シーケンスにおける基板ステージの移動軌跡の一例を説
明するための図である。
【図11】第2の実施形態の走査型露光装置におけるウ
エハW上の複数のショット領域にレチクルパターンの露
光を行う場合の主制御装置内のCPUの制御アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図12】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図13】図12のステップ204における処理を示す
フローチャートである。
【図14】従来例を示す説明図である。
【図15】発明が解決しようとする第1の課題を説明す
るための図であって、ショット間移動軌跡を放物線状に
した場合の一例を示す図である。
【図16】発明が解決しようとする第2の課題を説明す
るための図である。
【図17】図15に対応する基板の速度の時間変化の一
例を示す図である。
【符号の説明】
2 照度均一化光学系(照明光学系の一部) 3、6 リレーレンズ(照明光学系の一部) 5 レチクルブラインド(照明光学系の一部) 7 ミラー(照明光学系の一部) 18 基板テーブル(基板ステージ) 40 照射光学系(位置検出系の一部) 42 受光光学系(位置検出系の一部) 12 Xステージ(駆動装置の一部) 16 Yステージ(駆動装置の一部) 19 ステージ制御系(駆動装置の一部) 20 主制御装置(駆動装置の一部) 21 ウエハ駆動装置(駆動機構) 100 走査型露光装置 R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) A〜L ショット(区画領域) S ショット(区画領域) L 閾値距離 PL 投影光学系 s11〜s77 スリット像(検出点)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクと基板のそれぞれを所定の走査方
    向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前
    記基板上の複数の区画領域に順次転写する走査型露光装
    置であって、 前記基板を保持して前記走査方向及びこれに直交する非
    走査方向に2次元移動する基板ステージと;前記基板ス
    テージを駆動する駆動装置とを備え、 前記基板上に非走査方向に並んだ第1区画領域と第2区
    画領域とに連続して前記パターンを転写するに際し、前
    記駆動装置が、前記基板上の第1区画領域に対するパタ
    ーン転写の終了後に、前記基板ステージの走査方向の減
    速及び非走査方向の移動を開始し、前記基板ステージの
    位置が前記非走査方向の移動終了位置に対し非走査方向
    の距離が所定の閾値距離内となったときに前記第2区画
    領域のパターン転写のための前記基板ステージの前記走
    査方向の加速を開始することを特徴とする走査型露光装
    置。
  2. 【請求項2】 前記駆動装置は、前記非走査方向の閾値
    距離を、前記パターン転写時の前記基板ステージの目標
    走査速度に応じて変更することを特徴とする請求項1に
    記載の走査型露光装置。
  3. 【請求項3】 マスクと基板とを同期移動して前記マス
    クに形成されたパターンを前記基板上の複数の区画領域
    に順次転写する走査型露光装置であって、 前記マスクを照明光で照明する照明光学系と;前記マス
    クから出射される前記照明光を前記基板上に投射する投
    影光学系と;前記基板を保持して前記走査方向及びこれ
    に直交する非走査方向に2次元移動する基板ステージ
    と;前記基板上の前記照明光の投射領域内に複数の検出
    点を有し、当該各検出点の位置毎に前記基板の前記投影
    光学系の光軸方向の位置を検出する位置検出系と;前記
    基板を前記光軸方向及び傾斜方向に駆動する駆動機構
    と;前記基板ステージを駆動する駆動装置とを備え、 前記基板上に非走査方向に並んだ第1区画領域と第2区
    画領域とに連続して前記パターンを転写するに際し、前
    記駆動装置が、前記第1区画領域と第2区画領域との基
    板上の位置に応じて、前記第2区画領域のパターン転写
    のための走査方向の加速開始時点で前記検出点のいずれ
    かが前記基板上に位置するように、前記第1区画領域の
    パターン転写の終了後の前記基板ステージの移動軌跡を
    変更することを特徴とする走査型露光装置。
  4. 【請求項4】 前記検出点が、前記基板上の投射領域内
    の全域に渡ってほぼ均一に配置され、 前記駆動装置は、前記第1区画領域のパターン転写の終
    了位置で、前記投射領域の少なくとも一部が前記基板外
    に位置し、前記非走査方向に沿って見て第2区画領域が
    第1区画領域の基板中心側に位置し、かつ前記第2区画
    領域のパターン転写のための走査方向の加速開始位置で
    前記投射領域の少なくとも一部が基板上に掛かるという
    条件が満たされる場合には、前記基板ステージの前記第
    2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を前
    記基板ステージの非走査方向の移動が終了した時点で開
    始し、前記いずれかの条件が満たされない場合には、前
    記基板ステージの前記第2区画領域のパターン転写のた
    めの走査方向の加速を前記基板ステージの非走査方向の
    移動終了前に開始することを特徴とする請求項3に記載
    の走査型露光装置。
  5. 【請求項5】 前記検出点が、前記基板上の投射領域内
    の全域に渡ってほぼ均一に配置され、 前記駆動装置は、第2区画領域の露光開始位置から走査
    方向に加速距離分、非走査に所定の閾値距離分離れた判
    断位置で前記投射領域の少なくとも一部が前記基板外に
    位置し、前記判断位置が基板の非走査方向の中心線より
    非走査方向の基板ステージの移動方向に対して反対側に
    あり、かつ第2区画領域のパターン転写のための加速中
    に前記投射領域が前記基板のエッジに掛かるという条件
    が満たされる場合には、前記基板ステージの前記第2区
    画領域のパターン転写のための走査方向の加速を前記基
    板ステージの非走査方向の移動が終了した時点で開始
    し、前記いずれかの条件が満たされない場合には、前記
    基板ステージの前記第2区画領域のパターン転写のため
    の走査方向の加速を前記基板ステージの非走査方向の移
    動終了前に開始することを特徴とする請求項3に記載の
    走査型露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の走
    査型露光装置を用いて露光を行う露光工程を含むことを
    特徴とするデバイス製造方法。
  7. 【請求項7】 マスクと基板とを同期移動して前記マス
    クに形成されたパターンを前記基板上の複数の区画領域
    に順次転写する走査型露光方法であって、 前記基板上に走査方向に直交する非走査方向に並んだ第
    1区画領域と第2区画領域とに連続して前記パターンを
    転写するに際し、前記基板上の第1区画領域に対するパ
    ターン転写の終了後に、前記基板の走査方向の減速及び
    非走査方向の移動を開始し、前記基の位置が前記非走査
    方向の移動終了位置に対し非走査方向の距離が所定の閾
    値距離内となったときに前記第2区画領域のパターン転
    写のための走査方向の加速を開始することを特徴とする
    走査露光方法。
  8. 【請求項8】 前記非走査方向の閾値距離は、前記パタ
    ーン転写時の前記基板の目標走査速度に応じて設定され
    ることを特徴とする請求項7に記載の走査露光方法。
  9. 【請求項9】 マスクと基板とを投影光学系に対して所
    定の走査方向に同期移動するとともに、前記基板上の照
    明領域内に配置された複数の検出点毎に検出される前記
    基板の前記投影光学系の光軸方向の位置に基づき前記基
    板の前記光軸方向位置及び傾斜を調整しながら、前記マ
    スクに形成されたパターンを前記投影光学系を介して前
    記基板上に逐次転写する走査露光方法において、 前記基板上に走査方向に直交する非走査方向に並んだ第
    1区画領域と第2区画領域とに連続して前記パターンを
    転写するに際し、前記第1区画領域と第2区画領域との
    基板上の位置に応じて、前記第2区画領域のパターン転
    写のための走査方向の加速開始時点でいずれかの前記検
    出点が前記基板上に配置されるように、前記第1区画領
    域のパターン転写終了後の前記基板の移動軌跡を設定す
    ることを特徴とする走査露光方法。
  10. 【請求項10】 前記検出点が、前記基板上の前記照明
    領域内の全域に渡ってほぼ均一に配置され、 前記第1区画領域のパターン転写の終了位置で、前記照
    明領域の少なくとも一部が前記基板外に位置する第1条
    件と、前記非走査方向に沿って見て第2区画領域が第1
    区画領域の基板中心側に位置する第2条件と、前記第2
    区画領域のパターン転写のための走査方向の加速開始位
    置で前記投射領域の少なくとも一部が基板上に掛かると
    いう第3条件とが満たされるか否かを判断し、 前記全ての条件が満たされた場合に、前記基板の前記第
    2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を前
    記基板の非走査方向の移動が終了した時点で開始し、 前記いずれかの条件が満たされない場合には、前記基板
    の前記第2区画領域のパターン転写のための走査方向の
    加速を前記基板の非走査方向の移動終了前に開始するこ
    とを特徴とする請求項9に記載の走査露光方法。
  11. 【請求項11】 前記検出点が、前記基板上の前記照明
    領域内の全域に渡ってほぼ均一に配置され、 前記第2区画領域の露光開始位置から走査方向に加速距
    離分、非走査に所定の閾値距離分離れた判断位置で前記
    照明領域の少なくとも一部が前記基板外に位置する第1
    条件と、前記判断位置が基板の非走査方向の中心線より
    非走査方向の基板の移動方向に対して反対側にある第2
    条件と、前記第2区画領域のパターン転写のための加速
    中に前記照明領域が前記基板のエッジに掛かるという第
    3条件が満たされるか否かを判断し、 前記全ての条件が満たされた場合に、前記基板の前記第
    2区画領域のパターン転写のための走査方向の加速を前
    記の非走査方向の移動が終了した時点で開始し、 前記いずれかの条件が満たされない場合には、前記基板
    の前記第2区画領域のパターン転写のための走査方向の
    加速を前記基板の非走査方向の移動終了前に開始するこ
    とを特徴とする請求項9に記載の走査露光方法。
  12. 【請求項12】 マスクと基板のそれぞれを所定の走査
    方向へ同期移動して前記マスクに形成されたパターンを
    前記基板上の複数の区画領域に順次転写する走査露光方
    法であって、 前記基板上の第1区画領域と第2区画領域とに前記マス
    クのパターンを順次転写するときに、前記第1区画領域
    および前記第2区画領域の前記基板上での位置に応じ
    て、前記第1区画領域のパターン転写の終了後の前記基
    板の移動軌跡を設定することを特徴とする走査露光方
    法。
  13. 【請求項13】 前記基板の走査方向と直交する非走査
    方向に並んだ前記基板上の第1区画領域と第2区画領域
    と第3区画領域の各々に前記マスクのパターンを順次転
    写するときに、前記第1区画領域のパターン転写終了後
    の前記基板の移動軌跡と前記第2区画領域のパターン転
    写終了後の前記基板の移動軌跡が異なることを特徴とす
    る請求項12の走査露光方法。
  14. 【請求項14】 前記第1区画領域は前記基板の周縁部
    に位置することを特徴とする請求項12又は13に記載
    の走査露光方法。
  15. 【請求項15】 前記走査方向とほぼ直交する非走査方
    向に並んだ前記第1区画領域及び前記第2区画領域の前
    記基板上での位置に応じて、前記第2区画領域のパター
    ン転写のための前記非走査方向への前記基板の移動中に
    前記走査方向への前記基板の加速が開始されるような移
    動軌跡と、前記第2区画領域のパターン転写のための前
    記非走査方向への前記基板の移動終了後に前記走査方向
    への前記基板の加速が開始されるような移動軌跡とのい
    ずれか一方が、前記第1区画領域のパターン転写終了後
    の前記基板の移動軌跡として設定されることを特徴とす
    る請求項12に記載の走査露光方法。
  16. 【請求項16】 マスクと基板とを投影光学系に対して
    所定の走査方向へそれぞれ同期移動するとともに、前記
    投影光学系の光軸方向に関する前記基板の位置を複数の
    検出点で検出して、前記マスクに形成されたパターンを
    前記投影光学系を介して前記基板上の複数の区画領域に
    順次転写する走査露光方法において、 前記基板上の第1区画領域と第2区画領域とに連続的に
    前記マスクのパターンを転写するときに、前記第1区画
    領域に対するパターン転写の終了後の前記検出点と前記
    基板との位置関係に基づいて前記第1区画領域に対する
    パターン転写終了後の前記基板の移動軌跡を設定するこ
    とを特徴とする走査露光方法。
  17. 【請求項17】 前記第2区画領域に対するパターン転
    写のための前記基板の加速移動中、前記投影光学系を介
    して形成される露光フィールドに対して前記第2区画領
    域が前記基板の走査方向に所定距離だけ離れているとき
    に前記複数の検出点の内の所定の検出点が前記基板上に
    位置するよう、前記第1区画領域に対するパターン転写
    終了後の前記基板の移動軌跡を設定することを特徴とす
    る請求項16に記載の走査露光方法。
  18. 【請求項18】 前記第1区画領域と前記第2区画領域
    は、前記基板の走査方向とほぼ直交する方向に並んでお
    り、前記第1区画領域は前記基板の周縁部に位置するこ
    とを特徴とする請求項16又は17に記載の走査露光方
    法。
  19. 【請求項19】 前記第1区画領域と前記第2区画領域
    は、前記基板の走査方向とほぼ直交する方向に並んで形
    成されるとともに、前記基板の中心に対して前記第1区
    画領域が前記第2区画領域よりも離れて形成されてお
    り、前記第1区画領域に対するパターン転写終了時に前
    記検出点の少なくとも一部が前記基板上から外れる場合
    には、前記第2区画領域のパターン転写のための前記走
    査方向と直交する非走査方向への前記基板の移動終了後
    に前記走査方向への前記基板の加速が開始されるように
    前記基板の移動軌跡を設定することを特徴とする請求項
    16又は17に記載の走査露光方法。
  20. 【請求項20】 マスクと基板のそれぞれを所定の走査
    方向へ同期移動して前記マスクに形成されたパターンを
    前記基板上の複数の区画領域に順次転写する走査露光方
    法であって、 前記基板上の第1区画領域と第2区画領域とに前記マス
    クのパターンを順次転写するときに、前記第1区画領域
    および前記第2区画領域の前記基板上での位置に応じ
    て、前記第2区画領域のパターン転写のための走査方向
    の加速開始のタイミングを変更することを特徴とする走
    査露光方法。
  21. 【請求項21】 請求項7〜11のいずれか一項に記載
    の走査露光方法を用いることを特徴とするデバイス製造
    方法。
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