JP3572430B2 - 露光方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路や液晶基板の回路パターンをフォトリソグラフィー技術により基板上に形成するために使用される投影露光方法及びその装置に係り、特にマスクパターンを投影光学系を介して感光基板上の複数のショット領域に順次転写するステップアンドリピート方式及びスリットスキャン方式の露光方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステップ・アンド・リピート方式の露光装置、特に半導体素子製造用の縮小投影型露光装置であるウエハステッパーには、大きな開口数(N.A.)を有する投影レンズ系が用いられていることから、焦点深度が非常に小さく、このためウエハの露光領域を投影レンズ系の像面に対して平行にするレベリング動作を合焦動作と並行して実行するようにし、露光領域表面をその全面に渡って投影レンズ系の焦点深度内に設定しない限り、露光領域全体にわたって鮮明なパターンの露光を行なうことができない。
【0003】
ウエハ全体は別途に設けられたオートフォーカス機構(例えば、特開平5−190423号公報に開示されているようないわゆる斜入射方式の多点AF系)によりウエハ面上3点以上の検出によって投影レンズ系の像面に対してウエハ表面をほぼ平行に設定することが可能であり、従来より、このような露光前に1度だけウエハを傾ける、いわゆるグローバルレベリングがなされていた。
【0004】
しかしながら、ウエハの大型化やシリコンに代わるガリウム・砒素等の新材料ではウエハ自体の平面性が不安定になるため、ウエハの部分的な垂直位置検出が必要となる。そして、各回の露光と化学処理によりさらにウエハの変形が増大されるため、露光領域の正確な水平検出が不可欠となってきていた。このようなウエハの部分的な(ショット領域毎の)垂直位置検出のための装置が特開昭58−113706号公報に開示されている。この装置は、「主対物レンズに関して所定の共役関係になる領域へ微小開口から発する平行光束を該対物レンズの光軸に対して斜めより供給する照射光学系と、該照射光学系から供給され前記共役領域で反射される光束を光電素子上に集光する集光光学系とを設け、該両光学系の光軸を前記主対物レンズに関して対称に配置したもの」で、受光素子の出力により主対物レンズに関する共役領域がこの主対物レンズの光軸に垂直であるか否かを判別するものである。一部の機種では、この特開昭58−113706号公報に開示されたような位置検出装置を用いてショット領域毎に投影レンズ系の像面に対してウエハを傾ける、いわゆるチップレベリングが行なわれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したグローバルレベリングのみを採用する機種では、基板全体の傾斜は補正できるが、チップ毎の傾斜を補正することができないという不都合があった。一方、上述したチップレベリングを採用する機種では、チップ毎(ショット領域毎)の傾斜の補正は可能であるが、各ショット領域への位置決めが完了した時点でその都度レベリング、合焦動作をそれぞれ行なうことから、スループットが低下するという不都合があった。
【0006】
また、近年、レチクルのパターン領域の一部をスリット状あるいは円弧状に照明し、その照明された領域に対してレチクルを走査するとともに、その照明された領域に対して投影光学系と共役な領域(露光領域)に対して感光基板をレチクルの走査と同期して走査することによりレチクルのパターンを逐次感光基板上に露光するスリットスキャン方式の露光装置が開発されている。この方式の露光装置ではレチクル上の照明領域がステップアンドリピート方式の露光装置に比べて小さく、投影光学系のイメージフィールドの一部分しか露光に使用されないため投影像の歪みを防止し、照度を均一にし易いという利点がある。かかるスリットスキャン方式の露光装置においてもスループットを低下させずにチップ毎の合焦及びレベリング調整を実行することが望まれる。
【0007】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、スループットを極端に低減させることなく、露光位置での高精度のレベリング、合焦動作を行なうことが可能な露光方法及びその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に従えば、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光基板上の複数のショット領域の各々に順次転写するステップアンドリピート方式の露光方法において、前記感光基板上の複数の計測点(位置を計測するための点)の各々における前記投影光学系の光軸方向の位置を計測する第1の工程と;前記複数のショット領域の1つを前記投影光学系のイメージフィールド内に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記計測結果に基づいて前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第2の工程と;前記投影光学系の像面に対する前記1つのショット領域の表面の傾斜量と焦点ずれ量とを検出し、該検出結果に基づいて前記感光基板を傾けるとともに前記光軸方向に移動する第3の工程と;前記マスクパターンを前記1つのショット領域に転写するとともに、前記第3の工程での前記感光基板の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める第4の工程と;前記別のショット領域を前記投影光学系のイメージフィールド内に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記求められた位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動する第5の工程と;を含むことを特徴とする露光方法が提供される。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、第2の工程で感光基板全体の傾斜補正(グローバルレベリング)が複数のショット領域の1つを投影光学系のイメージフィールド(投影視野内)に位置決めするための感光基板の移動中に行なわれ、第3の工程で各ショット領域の露光位置(投影光学系によるマスクパのターンの投影位置)への位置決め後に各露光位置でのレベリング(チップレベリング)が行なわれる。従って、レベンリング動作が分割され、各露光位置でのレベリング補正量が小さくなり、露光位置では短時間でレベリングが完了する。
【0010】
また、第5の工程において第4の工程で求められた投影光学系の像面からの位置ずれ量に応じた量だけ次ショット領域(前記1つの領域とは別の領域)移動中に感光基板を光軸方向に沿って像面へ向けて移動させるので、各ショット領域が位置決めされた時には、大まかな合焦がなされている。従って、合焦動作、感光基板の移動が分割され、各露光位置での光軸方向への感光基板の移動量は小さくなり、露光位置では短時間に合焦が完了する。即ち、感光基板の露光位置への位置決めのための移動と共に合焦動作の一部がなされる。
【0011】
請求項2記載の発明に従えば、請求項1記載の露光方法であって、前記第1の工程において、感光基板上の計測点は、少なくとも3つのショット領域の各々の同一位置に設定されることを特徴とする請求項1記載の露光方法が提供される。請求項2記載の発明によれば、投影光学系の光軸方向の位置を検出すべき感光基板上の計測点は少なくとも3つのショット領域の各々の同一位置に設定される。従って、ショット領域内に凸凹(段差)が存在しても各ショット領域の同一点で焦点位置検出が行なわれるので、その凸凹によらず感光基板の傾斜量を正確に求めることができ、グローバルレベリングの精度向上が期待できる。
【0012】
請求項3記載の発明に従えば、請求項2記載の露光方法であって、前記第1の工程は、前記感光基板上のいくつかのショット領域の各々に付設されたアライメントマークの位置を計測する工程と、該計測された複数の位置を統計処理することにより前記感光基板上の全てのショット領域の位置を決定する工程とを含み、前記計測点が設定される少なくとも3つのショット領域は、前記アライメントマークの位置が計測されるいくつかのショット領域に含まれることを特徴とする露光方法が提供される。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、第1の工程において統計的手法を採用したグローバルアライメント、いわゆるエンハンストグローバルアライメントの対象となる複数のショット領域(EGAショット)についてマーク位置が計測され、それぞれの計測結果を統計処理することにより感光基板上の全てのショット領域の位置が定められる。このとき、各EGAショットについて感光基板表面の光軸方向の位置計測が行なわれる。そして、第2の工程において1つのショット領域の位置決めのための感光基板の移動中にこの計測結果に基づいてグローバルレベリングが行なわれる。従って、EGA計測動作の一部としてそのEGAショットについて焦点位置検出を加えるだけで、第2の工程においてグローバルレベリングが行なわれ、各露光位置では短時間でレベリングが完了する。なお、グローバルレベリングでは感光基板上の少なくとも3点で焦点位置検出を行なえばよく、全てのEGAショットで焦点位置検出を行なわずとも少なくとも3つのEGAショットを選択して焦点位置を検出すればよい。
【0014】
請求項4記載の発明に従えば、請求項1記載の露光方法であって、前記第1の工程において、前記感光基板上の計測点は前記マスクのパターンを転写可能な全てのショット領域の各々に設定されるとともに、該各ショット領域内の計測点はプロセス段差が比較的小さくなる位置に定められ、前記第4の工程において、前記別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める際に、前記第1の工程で得られたショット領域間の偏差を用いることを特徴とする露光方法が提供される。請求項4記載の発明によれば、第1の工程において感光基板上のマスクのパターンを転写可能な全有効ショット領域について各ショット領域内のプロセス段差が比較的少ない任意の位置を計測点として感光基板表面の光軸方向の位置計測が行なわれる。そして、第4の工程において次ショット領域位置での感光基板表面の光軸方向の像面からの位置ずれ量が第1の工程で得られたショット領域間の偏差を用いて求められる。従って、ショット領域での感光基板の傾斜から次ショット領域位置での感光基板表面の光軸方向の像面からの位置ずれ量を推定により求める場合に比較して第5の工程において合焦位置により近い位置に感光基板を位置させることができ、各露光位置ではより短時間で合焦動作が完了する。
【0015】
請求項5記載の発明に従えば、請求項4記載の露光方法であって、前記マスクのパターンを前記感光基板上のショット領域に転写するのに先立ち、該ショット領域の表面を前記投影光学系の像面に合致させる際に、前記第1の工程で得られた全てのショット領域の位置情報のうち、当該ショット領域に隣接するショット領域の位置情報を用いて前記感光基板を傾けることを特徴とする露光方法が提供される。請求項5記載の発明によれば、マスクのパターンを感光基板上のショット領域に転写するのに先立ち、該ショット領域の表面を投影光学系の像面に合致させる際に、第1の工程で得られた全有効ショット領域の位置情報のうち、当該ショット領域に隣接するショット領域の位置情報を用いて感光基板を傾ける。従って、露光位置での傾斜検出が不要となり、より一層短時間でレベリングが可能となる。
【0016】
請求項6記載の発明に従えば、マスクを照明しながら、該マスク上の照明領域に対して該マスクを走査するとともに、上記照明領域と投影光学系に関して共役な露光領域に対して感光基板を前記マスクの走査に同期して走査することにより、上記マスクのパターンを上記投影光学系を介して感光基板の複数のショット領域上に順次露光する走査型露光方法において、前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記投影光学系の光軸方向の位置を計測する第1の工程と;前記複数のショット領域の1つを露光開始位置に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記計測結果に基づいて前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第2の工程と;前記感光基板の1つのショット領域と前記マスクとを同期して走査露光しながら、前記投影光学系の像面に対する前記1つのショット領域の表面の傾斜量と焦点ずれ量とを検出し、該検出結果に基づいて前記露光領域における前記1つのショット領域の表面が前記投影光学系の像面と平行になるとともに前記投影光学系の焦点位置と一致するように前記感光基板を傾けるとともに前記光軸方向に移動する第3の工程と;前記1つのショット領域の走査露光終了時の前記感光基板の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める第4の工程と;前記別のショット領域を前記露光開始位置に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記求められた位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動する第5の工程と;を含むことを特徴とする露光方法が提供される。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、第2の工程で感光基板全体の傾斜補正(グローバルレベリング)が複数のショット領域の1つを投影光学系のイメージフィールド(投影視野内)に位置決めするための感光基板の移動中に行なわれ、第3の工程で、前記感光基板の1つのショット領域と前記マスクとを同期して走査露光しながら各露光位置でのレベリング(チップレベリング)が行なわれる。従って、レベンリング動作が分割され、各露光位置でのレベリング補正量が小さくなり、露光位置では短時間でレベリングが完了する。また、第5の工程において第4の工程で求められた投影光学系の像面からの位置ずれ量に応じた量だけ次ショット領域(前記1つの領域とは別の領域)への移動中に感光基板を光軸方向に沿って像面へ向けて移動させるので、各ショット領域が位置決めされた時には、大まかな合焦がなされている。従って、合焦動作、感光基板の移動が分割され、各露光位置での光軸方向への感光基板の移動量は小さくなり、露光開始位置では短時間に合焦が完了する。即ち、感光基板の露光位置への位置決めのための移動と共に合焦動作の一部がなされる。
【0018】
請求項7記載の発明に従えば、前記マスクの走査の間に生じるマスクの光軸方向における位置変動による前記投影光学系の像面の光軸方向の位置の変動分を、上記第3の工程における前記検出結果に基づいて前記感光基板を前記光軸方向に移動するための移動量に取り込み、且つ上記第4の工程における前記投影光学系の像面からの位置ずれ量に取り込むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法が提供される。請求項7記載の発明によれば、走査型露光方法に特有のマスクの走査によりに生じる投影光学系の像面の光軸方向の位置の変動分を予め測定しておき、その変動分を第3の工程及び第4工程における光軸方向の移動量に加算することによって、かかる変動分をも有効に補正できる。
【0019】
請求項8記載の発明に従えば、マスクに形成されたパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系を有し、前記マスクのパターン像を前記感光基板上の複数のショット領域の各々に順次転写するステップアンドリピート方式の露光装置において、前記感光基板を保持して、前記投影光学系の光軸方向に移動するとともに、前記投影光学系の像面に対して傾斜可能な可動部材と;該可動部材を載置して、前記投影光学系の光軸と垂直な面内で2次元移動する基板ステージと;前記感光基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位置を光学的に検出する第1の検出手段と;前記投影光学系の像面に対する前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜を光学的に検出する第2の検出手段と;前記第1の検出手段を用いて前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて前記可動部材を傾けることにより、前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第1のレべリング手段と;前記基板ステージの移動位置をモニタしつつ前記感光基板上の複数のショット領域が前記マスクのパターン像で順次露光されるように前記基板ステージの移動位置を制御する第1の制御手段と;前記傾斜補正された感光基板上の1つのショット領域の表面が前記投影光学系の焦点位置に一致するように、前記第1の検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する合焦手段と;前記1つのショット領域の表面が前記投影光学系の像面と平行になるように、前記第2の検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する第2のレべリング手段と;前記第2のレベリング手段によって駆動される前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め、前記別のショット領域を露光位置に位置付けるために前記第1の制御手段による前記基板ステージの移動中に、前記位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動するように前記可動部材の移動を制御する第2の制御手段と;を備えたことを特徴とする露光装置が提供される。
【0020】
この場合において、感光基板上の中心付近に位置するショット領域では、当該ショット領域及びこれに隣接するショット領域の位置情報、又は当該ショット領域に隣接するショット領域の位置情報のみ、を用いてレベリングを行なっても良いが、感光基板の周辺付近に位置するショット領域では、それに隣接するショット領域の数が少なくなるので、当該ショット領域及びこれに隣接するショット領域の両者の位置情報を用いてレベリングを行なうことが望ましい。いずれにしても、ショット領域のレベリングは、少なくとも3つの位置情報を用いて行なうことが望ましい。
【0021】
現在、半導体素子製造のフォトリソグラフィ工程では、製造コストの抑制と生産性の向上のために、感光基板上のショット領域に微細なパターンを高解像で転写するための、いわゆるクリティカルレイア用の露光装置と、感光基板上のショット領域に比較的粗いパターンを高スループットで転写するための、いわゆるノンクリティカルレイア用の露光装置とが併用されるようになっている。クリティカルレイア用の露光装置は、例えばフィールドサイズが22mm角、焦点深度を考慮した実用上の解像力が0・35μmである、フィールドサイズは大きくないものの高解像力の投影光学系が搭載されている。一方、ノンクリティカルレイア用の露光装置は、例えばフィールドサイズが44mm角、解像力が0・8μmである、解像力は高くないものの広フィールドの投影光学系が搭載されている。なお、これらの数値は全て感光基板上での値であり、あくまでも一例にすぎない。
【0022】
従って、ノンクリティカルレイア用の露光装置では、広フィールドの投影光学系の搭載により、クリティカルレイア用の露光装置によって微細パターンが形成された、感光基板上の複数個(例えば4個程度)のショット領域を一度に粗いパターンで露光できるようになっている。すなわち、ノンクリティカルレイア用の露光装置では1枚の感光基板のショット領域の数が少ない、例えばクリティカルレイア用の露光装置におけるその感光基板のショット領域の数の数分の1(例えば1/4)程度である。このため、ノンクリティカルレイア用の露光装置では感光基板上の全てのショット領域でその光軸方向の位置を計測しても、これに伴う露光時間の増大がスループットに及ぼす影響は比較的小さい。
【0023】
以上のことから、請求項4、5に記載された発明はノンクリティカルレイア用の露光装置に対して特に有効であることがわかる。
【0024】
請求項8記載の発明に係る露光装置によれば、第1のレべリング手段では、第1の検出手段を用いて感光基板上の複数の計測点の各々における光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて可動部材を傾けることにより、投影光学系の像面と感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する。これにより、感光基板のいわゆるグローバルレベリングが行なわれる。この場合において、第1の検出手段では感光基板周辺部の複数のショット領域でその表面の光軸方向の位置を計測するようにすることが望ましい。
【0025】
第1の制御手段では、基板ステージの移動位置をモニタしつつ感光基板上の複数のショット領域がマスクのパターン像で順次露光されるように基板ステージの移動位置を制御する。この第1の制御手段により各ショット領域の位置決めがなされると、合焦手段では、前記傾斜補正された感光基板上の1つのショット領域の表面が投影光学系の焦点位置に一致するように、第1の検出手段の出力に基づいて可動部材を駆動する。これとともに、第2のレべリング手段では、当該1つのショット領域の表面が投影光学系の像面と平行になるように、第2の検出手段の出力に基づいて可動部材を駆動する。これらにより、感光基板のショット領域位置における合焦及びいわゆるチップレベリングがおこなわれる。
【0026】
その後、露光が開始され、投影光学系により、感光基板上の当該1つのショット領域にマスクに形成されたパターンが投影され、露光が行なわれる。
【0027】
この露光中に、第2の制御手段では、第2のレベリング手段によって駆動される前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め(推定し)、露光終了後、第1の制御手段による前記別のショット領域の露光位置への位置決めのための基板ステージの移動中に、位置ずれ量に応じた量だけ感光基板を光軸方向に移動するように可動部材の移動を制御する。これにより、次ショット領域の露光位置への位置決めが完了するまでの間に、大まかな合焦が行なわれる。
【0028】
請求項9記載の発明に従えば、マスク上の照明領域に対して該マスクを走査するマスクステージと、前記マスク上のパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記照明領域と前記投影光学系に関して共役な露光領域に対して前記感光基板を前記マスクの走査と同期して走査する2次元移動可能な基板ステージとを備え、前記感光基板上の複数のショット領域を順次露光する走査型露光装置であって、前記2次元移動可能な基板ステージ上に設置され、且つ前記感光基板を保持したまま前記投影光学系の光軸方向に移動するとともに前記投影光学系の像面に対して傾斜可能な可動部材と;前記感光基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位置及び前記投影光学系の像面に対する傾斜を光学的に検出する検出手段と;前記検出手段を用いて前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて前記可動部材を傾けることにより、前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第1のレべリング手段と;前記基板ステージの移動位置をモニタしつつ前記感光基板上の複数のショット領域が前記マスクのパターン像で順次露光されるように前記基板ステージの移動位置を制御する第1の制御手段と;前記感光基板の1つのショット領域と前記マスクとが同期して走査されている間に、前記露光領域内に存在する該1つのショット領域の表面が前記投影光学系の焦点位置に一致し且つ前記投影光学系の像面と平行になるように、前記検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する第2のレべリング手段と;前記第2のレベリング手段によって駆動された前記感光基板上のショット領域の表面の走査露光終了時の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め、前記別のショット領域を露光開始位置に位置付けるために前記第1の制御手段による前記基板ステージの移動中に、前記位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動するように前記可動部材の移動を制御する第2の制御手段と;を備えたことを特徴とする走査型露光装置が提供される。
【0029】
請求項9記載の発明に係る露光装置によれば、第1のレべリング手段では、前記検出手段を用いて感光基板上の複数の計測点の各々における光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて可動部材を傾けることにより、投影光学系の像面と感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する。これにより、感光基板のいわゆるグローバルレベリングが行なわれる。この場合において、検出手段では感光基板周辺部の複数のショット領域でその表面の光軸方向の位置を計測するようにすることが望ましい。
【0030】
第1の制御手段では、基板ステージの移動位置をモニタしつつ感光基板上の複数のショット領域がマスクのパターン像で順次露光されるように基板ステージの移動位置を制御する。この第1の制御手段により各ショット領域の露光開始位置決めがなされると、基板ステージとマスクステージとが同期して移動を始め、走査露光が行われる。この走査露光が行われている間、第2のレべリング手段により、露光が行われている1つのショット領域の表面、特に露光領域が投影光学系の焦点位置に一致し且つ投影光学系の像面と平行になるように検出手段の出力に基づいて可動部材を駆動する。これらにより、感光基板上の露光領域における合焦及びいわゆるチップレベリングがおこなわれる。第2の制御手段では、第2のレベリング手段によって走査露光終了時に駆動された前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め(推定し)、露光終了後、第1の制御手段による前記別のショット領域の露光位置への位置決めのための基板ステージの移動中に、位置ずれ量に応じた量だけ感光基板を光軸方向に移動するように可動部材の移動を制御する。これにより、次ショット領域の露光開始位置への位置決めが完了するまでの間に、大まかな合焦が行なわれる。
【0031】
【実施例】
《第1実施例》
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図2に基づいて説明する。
【0032】
図1には、第1実施例に係る露光装置10の構成が概略的に示されている。この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRの転写領域(パターン領域)PAに露光用の照明光ILを照射すると共に感光基板としてのウエハWを順次移動し、レチクルRの裏面に形成されたパターン(レチクルパターン)を投影光学系PLを介してウエハW上の複数のショット領域に順次転写するステップアンドリピート方式の縮小投影型露光装置、いわゆるウエハステッパーである。
【0033】
この露光装置10は、照明光学系12、投影光学系PL、可動部材としてのレベリングステージ14、基板ステージとしてのxyステージ16、第1の検出手段、第2の検出手段及び制御系等を含んで構成されている。
【0034】
この内、照明光学系12は、図示しない水銀ランプからの照明光ILのレチクルR上での照度均一性を高めるためのオプチカルインテグレータとしてのフライアイレンズFLと、このフライアイレンズFLから射出された照明光ILを集光するコンデンサレンズCLと、このコンデンサレンズCLで集光された照明光ILを反射して90度方向を変換させるミラーMとを有している。
【0035】
このミラーMで反射された照明光ILの進行方向先には、投影光学系PLがその光軸AXを鉛直方向として配設されている。
【0036】
ミラーMと投影光学系PLとの間には、光軸AXに直交してレチクルRが配置されている。このレチクルRの裏面にはクロム層からなるパターン領域PAが形成されている。レチクルRは、光軸AXに直交する平面上を図1の左右方向(X軸方向)に往復移動可能なレチクルステージRST上に載置され、レチクルホルダRHによって保持されている。レチクルステージRSTは、実際には、投影光学系PLが保持された図示しない本体コラムに沿って移動可能な構成とされている。
【0037】
また、このレチクルステージRSTの一端(図1における左端)には、反射鏡18が紙面直交方向(Y軸方向)に沿って延設されている。この反射鏡18に対向してレチクルステージRSTの移動位置を検出するレーザ干渉計20が設けられており、レチクルステージコントローラRSCでは、このレーザ干渉計20の出力に基づいてレチクルステージRSTを所定位置(例えば、主制御ユニット(MCU)56から与えられる、レチクルRとウエハWとのアライメントのための目標位置)に位置決めすべく、モータ22を駆動制御するようになっている。すなわち、このようにしてレチクルRが所定位置に位置決めされるようになっている。
【0038】
投影光学系PLとしては、本実施例では、両側テレセントリック系で投影倍率が1/5のものが使用されている。
【0039】
この投影光学系PLの下方には、前述したレベリングステージ14が光軸AXに略直交した状態で配置されており、このレベリングステージ14上に図示しないウエハホルダが設けられ、このウエハホルダによってウエハWが真空吸着され、保持されている。レベリングステージ14は、図示しないステージ調整機構(駆動系58を含む)によって光軸AX方向の移動及びXY平面に対する傾斜が調整可能に構成されている。ステージ調整機構は、例えば、3個の伸縮部材、例えばピエゾ素子等の圧電素子から構成することができる。
【0040】
前記レベリングステージ14は、光軸AXの直交平面内でX軸及びこれと直交するY軸方向にそって移動可能に構成されたxyステージ16上に、図示しないステージ調整機構を介して載置されている。
【0041】
また、ウエハWはその表面が、投影光学系PLに対しレチクルRのパターン面と共役となるようにレベリングステージ14に保持されている。従って、レチクルRが所定位置に位置決めされた状態では、図示しない光源から出た照明光ILは照明光学系12(FL,CL,M)を通りレチクルRを照明し、このレチクルRを通過した照明光ILは、投影光学系PLを通りウエハW上に結像される。これにより、レチクルRの裏面に形成されたパターンの像がウエハW上のレジスト層に縮小投影される。
【0042】
次に、ウエハW表面の光軸AX方向の位置変化を光学的に検出する第1の検出手段の構成について構成各部の作用と共に説明する。この第1の検出手段としては、斜入射光式の多点オートフォーカス系を採用するものとする。ここで、多点AF系とは投影光学系PLのイメージフィールド(投影視野)内の複数箇所に、ウエハWの光軸AX方向の位置ずれ(いわゆる焦点ずれ)を計測する測定点を設けたものである。
【0043】
この第1の検出手段は、第2の光源24、コンデンサーレンズ26、複数の投影スリット(線状開口)を有する絞り28、コリメータレンズ30、第1ダイクロイックミラー32、照射対物レンズ34、受光対物レンズ36、第2ダイクロイックミラー38、コンデンサーレンズ40、振動ミラー42、受光スリット(線状開口)を有する絞り44及び受光素子46等を含んで構成されている。
【0044】
これを更に詳述すると、第2の光源24は照明光学系12中の露光光源とは波長の異なるウエハWのレジストに対して非感光性の光を発生する。第2の光源24からの光束はコンデンサーレンズ26により絞り28上に集光され、コリメーターレンズ30により平行光束となって第1ダイクロイックミラー32に達する。第1ダイクロイックミラー32で反射された平行光束は、照射対物レンズ34によりその焦点位置に集光されウエハWを斜めに照射する。この時、ウエハWの表面が投影光学系PLの最良結像面にあると、絞り28の複数のスリット像がコリメータレンズ30、照射対物レンズ34によってウエハWの表面に結像される。また照射対物レンズ34の光軸(60a)とウエハW表面との角度は5〜12度位に設定され、絞り28のスリット像の中心は、投影光学系PLの光軸AXがウエハWと交差する点に位置する。
【0045】
さてウエハWで反射した光束は、投影光学系PLの光軸AXに対しその光軸(62a)が照射対物レンズ34の光軸と対称に配置された集光対物レンズ36に入射する。集光対物レンズ36を通り第2ダイクロイックミラー38で反射された光束はコンデンサーレンズ40、振動ミラー42を介して絞り44上に再結像される。
【0046】
振動ミラー42は絞り44上に再結像されるスリット像を、その長手方向と直交する方向に微小振動させるものである。この振動ミラー42は、本実施例では、発振器(OSC.)48からの振動信号でドライブされるミラー駆動部(M−DRV)50によって振動されるようになっている。
【0047】
こうして、スリット像が絞り44上で振動すると、絞り44のスリットを透過した光束は受光素子46で受光される。この受光素子46としては、本実施例では絞り44のスリットの長手方向を複数の微小領域に分割し、各微小領域ごとに個別の光電セルを配列したアレイセンサ、例えばシリコンフォトダイオード、またはフォトトランジスタのアレイセンサが使用されている。
【0048】
そして、受光素子46を構成するアレイセンサの各受光セルからの信号はセレクタ回路52を介してセレクト、またはグループ化されて、同期検波回路(PSD)54に入力する。このPSD54にはOSC.48からの駆動信号と同じ位相の交流信号が入力し、この交流信号の位相を基準として同期整流が行われる。この時PSD54は、受光素子46の中から選ばれた複数の受光セルの各出力信号を別個に同期検波するために、複数の検波回路を備え、その各検波出力信号FSは主制御ユニット(MCU)56に出力される。検波出力信号FSは、いわゆるSカーブ信号と呼ばれ、絞り44のスリット中心とウエハWからの反射スリット像の振動中心とが一致したときに零レベルとなり、ウエハWがその状態から上方に変位しているときは正のレベル、ウエハWが下方に変位しているときは負のレベルになる。従って出力信号FSが零レベルになるウエハWの高さ位置(光軸AX方向の位置)が合焦点として検出される。
【0049】
即ち、主制御ユニット(MCU)56は、多点AF系の各出力信号FSに基づいて、レベリングステージ14の光軸方向の位置及び傾きを調整する図示しないステージ調整機構を構成する駆動系58をドライブする回路(Z−DRV)59に制御信号を出力し、これにより上記のようにして合焦を行なう自動合焦(AF)機能を備えている。
【0050】
なお、このような斜入射光方式では合焦点(出力信号FSが零レベル)となったウエハWの高さ位置が、いつでも最良結像面と必ず一致しているという保証はない。すなわち斜入射光方式では、その系自体で決まる仮想的な基準面を有し、その基準面にウエハ表面が一致したときにPSD出力信号FSが零レベルになるのであって、基準面と最良結像面とは装置製造時等に極力一致するように設定されてはいるが、長期間に渡って一致しているという保証はない。そこで、振動ミラー42と絞り44との間に、絞り44上のスリットとウエハWからの反射スリット像の振動中心との相対関係を、スリット長手方向と直交する方向にシフトさせるプレーンパラレルを設け、このプレーンパラレルを傾けることによって仮想的な基準面を光軸AX方向に変位させることで、基準面と最良結像面との一致(または位置関係の規定)を図るようにしてもよい。
【0051】
次に、ウエハW上の各ショット領域の表面の光軸AXに直交する平面(XY平面)、すなわち投影光学系PLの結像面に対する傾斜を光学的に検出する第2の検出手段について、構成各部の作用と共に説明する。
【0052】
この第2の検出手段は、チップレベリング用のセンサで、照射光学系60と集光光学系62とから構成されている。これを更に詳述すると、照射光学系60は、第3の光源64、コンデンサーレンズ66、微小円形開口を有する絞り68、前述した照射対物レンズ34から成り、コンデンサーレンズ66は光源64の像を絞り68上に形成し、絞り68上に焦点を有する照射対物レンズ34により平行光束がウエハW上に供給される。
【0053】
照射光学系60から供給する光はウエハW上のレジストを感光させないために露光用照明光ILと異なる波長の光で、さらに本実施例では第2の光源24からの光とも波長の異なる光であるものとする。
【0054】
また、集光光学系62は、前述した受光対物レンズ36と4分割受光素子70とから成り、照射光学系60から供給されウエハWで反射された光束は受光対物レンズ36によりその焦点位置に設けられた4分割受光素子70上に集光される。ここで、前記の如く、投影光学系PLの光軸AXに関して、照射光学系60の光軸60aと、受光光学系62の光軸62aとは対称である。従って、光軸AXに関してウエハWの露光領域が垂直を保っているならば、照射光学系60からの光束は4分割受光素子70の中心位置に集光され、この一方、ウエハWの露光領域が垂直からθだけ傾いている(XY平面に対しθだけ傾いている)ならば、ウエハWで反射される照射光学系60からの平行光束は受光光学系62の光軸62aに対して2θ傾くため、4分割受光素子70上で中心から外れた位置に集光される。
【0055】
4分割受光素子70上での集光点の位置に対応した信号が信号処理回路72を介してMCU56に入力されるようになっている。従って、MCU56では、信号処理回路72からの出力信号に基づきウエハWの露光領域の傾き方向を検出し、4分割受光素子70上の集光点の変位方向及び量に対応する制御信号DSを発生し、レベリングステージ14の調整機構の駆動系58をドライブする回路(Z−DRV)59へ出力する。これにより、Z−DRV59によりレベリングステージ14がウエハWの露光領域表面の傾きを補正するように移動される。このようにして、チップレベリングが行なわれる。
【0056】
また、xyステージ16の移動位置(X,Y座標位置)は、レーザ干渉計IFM(このレーザ干渉計は、図1ではX軸用のみが示されているが、実際にはY軸用のものも存在する)により測定されるようになっており、これらのレーザ干渉計IFMの出力信号がMCU56に入力されるようになっている。従って、MCU56は、xyステージ16の移動位置を干渉計IFMの出力によりモニタしつつウエハWのショット領域が順次露光されるようにXY−DRV74を制御する機能をも有している。
【0057】
なお、図1には、レベリングセンサ用光束が実線で、また多点AF系用の光束が点線で示されている。
【0058】
さらに、本実施例では、図1に示されるように、例えば特開昭60−130742号公報に開示されたTTL(Through The Lens)方式のアライメントセンサ80が設けられている。このアライメントセンサ80は、投影光学系PLを介してX方向に延びた細長い帯状スポット光SPをウエハW上に形成するとともに、xyステージ16を微動してスポット光SPとウエハW上のショット領域に付設されたアライメントマーク(回折格子マーク)とをY方向に相対走査したときに、当該マークから発生する、例えば±1次〜±3次回折光を投影光学系PLを介して光電検出するものである。アライメントセンサ80から出力される回折光強度に応じた光電信号は、xyステージ16の移動位置を計測する干渉計IMFからの位置信号と共に信号処理回路82に入力する。さらに信号処理回路82は、xyステージ16の単位移動量毎に発生するアップダウンパルスに同期して光電信号をサンプリングし、各サンプリング値をデジタル値に変換してメモリに番地順に記憶した後、所定の演算処理によってアライメントマークのY方向の座標位置を算出し、この情報を主制御ユニット(MCU)56に出力する。
【0059】
次に、上述のようにして構成された本第1実施例の露光装置10による露光方法について、MCU56の主要な制御アルゴリズムを示す図2のフローチャートに沿って説明する。このフローチャートがスタートするのは、図示しない操作部からの露光開始指示コマンドがMCU56に入力された時である。なお、ここでは、既にウエハW上に複数のチップパターン(ショット領域)が形成されており、各ショット領域にレチクルRのパターンを重ね合わせて露光する動作について説明する。
【0060】
まず、ステップ100でウエハWのオリエンテーション・フラットを使ってウエハのプリアライメントを行なう。即ち、図示しないウエハ・プリアライメント・ユニットのコントローラが、MCU56からの指示コマンドによりウエハWのオリエンテーション・フラットがx軸方向と略一致するように、当該ウエハ・プリアライメント・ユニットを構成するターンテーブルを位置決めする。
【0061】
次のステップ102でウエハWのローディング及びレベリングステージ14上への吸着が行われる。より具体的には、図示しないウエハオートローダのコントローラがMCU56からの制御信号を受け、図示しないロード用アームによって前記ターンテーブル上からウエハWをオリエンテーション・フラットがx軸と平行を保つような状態でレベリングステージ14上に搬送し、図示しないウエハホルダ上に載置する。この状態で図示しない吸引ポンプが駆動されると、ウエハWがウエハホルダに真空吸着される。
【0062】
次のステップ104では、ウエハWの回転量を補正するため、図示しないオフアクシス方式のアライメント系を用いて、公知の手法、例えば、特開昭61−44429号に開示されるように所定間隔を隔てたスポット光を用い、ウエハ上のアライメントマーク位置を検出することによりウエハホルダを回転制御し、グローバルアライント(ウエハWの回転量補正)を行なう。
【0063】
次のステップ106では、ウエハW上のショット領域の、レーザ干渉計IMFによって規定される直交座標系XY上における座標を求めるためにEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)計測を行なう。この時、第1の検出手段によりEGA計測される各ショットの光軸AX方向の位置を計測する。ここで、このステップ106の処理について更に詳述する。
【0064】
まず、EGA方式について説明する。このEGA方式は、特開昭61−44429号公報に開示されており、ウエハ上のショット配列の規則性を統計的手法によって精密に特定するものである。これを更に詳述すると、ウエハ上の複数のショット領域(チップパターン)の各々にレチクルのパターンを重ね合わせ露光するとき、既知の配列座標(例えば設計値)に従ってウエハを位置決めしても、以下の(1) 〜(4) の要因により必ずしも満足な重ね合わせ精度が得られるとは限らない。
【0065】
(1)座標系xyに対するウエハ(ショット配列)の残存回転誤差θ
(2)座標系xy(又はショット配列)の直交度誤差w
(3)ウエハのx、y方向の線形伸縮Rx、Ry
(4)ウエハ(ショット配列)のx、y方向のオフセットOx、Oy
これら4種の誤差量は6つのパラメータ(θ、w、Rx、Ry、Ox、Oy)であらわすことができることから、EGA方式では、その内の4つのパラメータ(θ、w、Rx、Ry)で表わされる要素からなる2行×2列の変換行列Aと、オフセットOx、Oyを要素とする2行×1列の変換行列Oとを考える。さらに、ウエハ上の各ショット領域の設計上の配列座標(Dxn、Dyn)(但し、n=1、2、‥‥)と、ステップアンドリピート方式で位置合わせすべき実際の配列座標値(Fxn、Fyn)とが、それら変換行列A、Oを用いて次式のように表わせるものと仮定する。
【0066】
【数1】
Figure 0003572430
ここで、残存回転誤差θ、直交度誤差wは微小であるから、変換行列A、Oは近似的に次式で表わされる。
【0067】
【数2】
Figure 0003572430
そこで、EGA方式では、次のようにしてウエハ上のすべてのショット領域の配列座標値を決定する。
【0068】
まず、ウエハ上に配列された複数のショット領域の中から、予め選択された複数個(少なくとも3個必要であり、通常は8〜15個程度)のショット領域(アライメントショット)の各々について、アライメントセンサ80を用いてその付設されたアライメントマークを検出することによりその配列座標(FMxn、FMyn)を計測する。次に、少なくとも3つのアライメントショット(以下、「EGAショット」という)の各々における、この計測された配列座標値(FMxn、FMyn)と、式(1) とから定まる計算上の配列座標値(Fxn、Fyn)との偏差が最小となるように、例えば最小二乗法を用いて変換行列A、Oを決定する。すなわち、次式で表わされる残差の二乗和Eを最小とするような変換行列A、Oの各要素を求める。
【0069】
E=Σ{(FMxn−Fxn)+(FMyn−Fyn)}‥‥(3)
次に、この決定された変換行列A、Oと設計上の配列座標値(Dxn、Dyn)とに基づいて、式(1) からウエハ上の全てのショット領域の配列座標値を算出することにより、ウエハ上のすべてのショット領域の配列座標値を決定する。そして、この算出された配列座標に従ってxyステージ16を一義的にステッピングさせながら、ウエハ上の各ショット領域にレチクルパターンを転写していくものである。
【0070】
本実施例では、ステップ106においてMCU56は、前述したEGA方式を採用してウエハW上の全てのショット領域の座標位置を算出するとともに、この算出された各座標位置にアライメントセンサ80のベースライン量(アライメントセンサの照射位置と投影光学系の光軸との間隔)だけオフセットを与えてその座標位置を内部メモリに記憶しておくものとする。従って、この記憶された座標位置と干渉計IFMの計測値(座標位置)とが一致するようにxyステージ16を位置決めすれば、ウエハW上の各ショット領域にレチクルパターンの投影像が正確に重ね合わされることになる。
【0071】
さらに、ステップ106では、ウエハW上のm(m≧3なる整数)個のEGAショットの各々について、第1の検出手段(多点AF系)を用いてそのショット表面の光軸AX方向の位置を検出する。このとき、少なくとも3つのEGAショットではいずれもショットセンタにおいてその光軸方向の位置が検出されるものとする。これは、EGAショット内に段差(前の露光現像工程により形成されたパターンの凹凸部)が存在しても、EGAショット毎に同一位置で上記計測を行なうことで、その影響を受けることなくウエハWの傾斜量を正確に求めるためである。ここでは、第1の検出手段による位置計測点をショットセンタとしたが、この計測点は複数のEGAショットの各々で同一位置であれば、EGAショット内の任意の位置で構わない。
【0072】
なお、ステップ106ではウエハW上の全てのEGAショットにおいてその光軸方向の位置を検出するものとしたが、上記計測点を設定すべきEGAショットの数は3つ以上であればいくつでも良い。さらに、EGAショット以外に少なくとも1つのショット領域を選択してEGAショットと共にその光軸方向の位置を検出するようにしても良い。すなわち、上記計測点を設定すべきショット領域はEGAショットであるか否かに関係なく、その総数が3個以上となるように選択すれば良い。但し、スループットを考えると、上記計測点を設定すべきショット領域の全ては、前述のEGA方式で使用される少なくとも3つのEGAショットに含まれることが望ましい。
【0073】
ここで、ウエハW上の各ショット領域は通常、2組の1次元アライメントマークを有し、かつEGA方式は式(2) のような6個のパラメータを持つ。従って、前述したEGA方式ではEGAショットが3つ以上必要となる。しかしながら、最低限必要なEGAショットの数は、ショット配列の規則性を表わすモデル式(例えば式(1) )に含まれるパラメータの数やアライメントマークが1次元か2次元か等によって増減するものである。すなわち、統計的な手法を用いるグローバルアライメント方式では、EGAショット数の最小値が3つに限定されるものではなく、モデル式のパラメータ数等に応じて適宜決定されるものである。
【0074】
また、以上の説明では、少なくとも3つのショット領域の各々について1つの計測点を設定するものとしたが、1つのショット領域に2つ以上の計測点を設定しても良いし、ウエハW上のショット領域以外、例えばショット領域を区画するストリートライン上、又はウエハ周辺の、チップパターンが形成されていない領域内に、少なくとも1つの計測点を設定するようにしても良い。すなわち、前述の計測点はウエハW上の任意の位置に設定してもよく、要はその数を少なくとも3つとするだけで良い。但し、その内の3つは同一直線上に並ばないものとする。
【0075】
次のステップ108では、ステップ106で求めた3点以上のウエハW表面の光軸AX方向の位置に基づいてウエハW全体の傾斜量(グローバルレベリング量)を求める。この傾斜量は、最小二乗近似等の統計処理によってウエハW表面を近似して求め、この近似面から求めるようにしても、あるいは計測ショット数が少ない場合は、ウエハW上の計測点間の距離とその計測点における光軸方向の位置の差とから求めても良い。
【0076】
次のステップ110では、露光のため、第1のショット(ファーストショット)を投影光学系PLのイメージフィールド(投影視野)内の露光位置に位置決めすべく、MCU56はステップ106で決定された位置に対応する量だけxyステージ16を駆動する制御信号をXY−DRV74へ出力する。これにより、xyステージ16の移動が開始されるが、この際に、前記ステップ108で求めたウエハ全体の傾斜量分だけレベリングステージ14の傾斜量を補正すべく制御信号をZ−DRV59へ出力する。これにより、Z−DRV59により調整機構を構成する駆動系58が駆動され、xyステージ16の移動中にグローバルレベリングが行なわれる。
【0077】
次のステップ112では、ショット領域のx、y方向の位置決め動作と同時にレベリング及び合焦を行なう。具体的には、上記ステップ106で求めたファーストショットのXY座標位置へ当該ファーストショットを位置決めすべく、干渉計IFMの出力をモニターしつつXY−DRV74を介してxyステージ16を駆動して位置決めを行なう。この位置決めの直後に、第2の検出手段(レベリングセンサ)を用いて前述の如くして当該ファーストショットのチップレベリングを行なうとともに第1の検出手段(多点AF系)により前述した自動合焦(オートフォーカス)を行なう。これにより、ファーストショットの表面が投影光学系PLの結像面と正確に合致する、すなわちファーストショット表面はその全面に渡って投影光学系PLの焦点深度内に設定される。
【0078】
次のステップ114では、図示しない露光コントローラに制御信号を送出して露光を行なうと共にレベリングステージ14の傾斜量(チップレベリングの際に得られる)に基づいて次ショットへ移動したとき生じる焦点ずれ量を算出し、図示しない内部メモリに記憶する。
【0079】
これは、ステップ112でのチップレベリング及び合焦動作によって、ファーストショットはその表面が投影光学系PLの結像面と正確に合致するが、その一方でファーストショットに隣接する、次にレチクルパターンを転写すべきショット領域(セカンドショット)ではその表面が投影光学系PLの結像面からずれるためである。このずれ量はセカンドショットにおける合焦動作によって補正できるが、その合焦動作におけるレベリングステージ14の光軸方向の移動量はチップレベリングによって大きくなり得る。このため、セカンドショット以降の各ショット領域での合焦動作に要する時間が増大してスループットが低下することになる。そこで、ステップ114では、セカンドショットでの合焦動作の時間短縮を図るため、換言すればxyステージ16のステッピング中にレベリングステージ14を光軸方向に微動することで、セカンドショットにおける合焦動作時のレベリングステージ14の移動量を小さくするために、ファーストショットでのレベリングステージ14の傾斜量に応じたセカンドショットにおける焦点ずれ量を算出する。すなわち、MCU56は、ファーストショットとセカンドショットとの中心間距離(ステップピッチ)とに基づいて、そのチップレベリングに伴って生じる、セカンドショットにおけるその表面の投影光学系PLの結像面との光軸AX方向のずれ量(焦点ずれ量)を予測するのである。
【0080】
次に、ステップ116に進んで露光すべき全てのショットの露光を終了したか否かを判断し、この判断が否定された場合には、ステップ118に進み、次ショット露光のためそのショット領域を露光位置に位置決めするため、MCU56はステップ106で決定された位置に対応する量だけxyステージ16を駆動すべく制御信号をXY−DRV74へ出力してxyステージ16の移動を開始する。この際に、前記ステップ114で内部メモリに記憶された焦点ずれ量分だけレベリングステージ14を光軸AX方向に沿って駆動すべく、制御信号をZ−DRV59に出力する。これにより、次ショットの露光位置への位置決めが終了するまでの間に、大まかな合焦が行なわれる。
【0081】
その後、ステップ112に戻り、以後ステップ112→114→116→118→112のループが繰り返されるが、その過程において全てのショットの露光が終了し、ステップ116の判断が肯定されると、ステップ120に進んでウエハをアンロードした後、本制御ルーチンの処理を終了する。
【0082】
以上説明した本第1実施例の露光方法によれば、ステップ110においてウエハW全体の傾斜調整(グローバルレベリング)がおこなれた後に、ステップ112においてチップレベリングが行なわれるので、チップレベリングの際には、極僅かな傾斜補正を行なうだけで良く、また、ステップ118において次ショットへの移動中に大まかな合焦が行なわれるので、実際に次ショットが露光位置に位置決めされた時には、レベリングステージ14を極く僅かな量だけ光軸AX方向へ移動させるか全く移動させることなく、合焦状態を得ることができる。従って、レベリング動作及び合焦動作を分割して、ショット領域毎のレベリング及び合焦動作(ステップ112)とは別に、xyステージ16の移動動作と同時並行的にグローバルレベリング(ステップ110)とレベリングステージ14の光軸方向へのシフト(ステップ118)とを実行して、xyステージ16の移動中にレベリングステージ14の傾斜補正動作及び合焦動作の大部分を行なうことが可能となり、ショット領域毎にレベリング、合焦動作を行なうにも拘らず、スループットの低下が殆どないという効果がある。
【0083】
これまでの説明から明らかなように、本第1実施例では、MCU56により第1のレべリング手段、第1の制御手段、合焦手段、第2のレべリング手段及び第2の制御手段が管理されている。より具体的には、第1のレべリング手段及び第2のレべリング手段は、いずれも、MCU56の制御下で駆動されるレベリングステージ14に相当する。第1の制御手段はMCU56の制御下にあるXY−DRV74に相当し、合焦手段はMCU56の制御下にあるZ−DRV59及びレベリングステージ14に相当する。第2の制御手段はMCU56に相当する。
【0084】
《第2実施例》
次に、本発明の第2実施例を図3に基づいて説明する。この第2実施例では、MCU56の露光時の制御アルゴリズムが前述した第1実施例と相違し、各部の構成等は第2の検出手段(レベリングセンサ)が不要となる点を除いては、第1実施例と同一であるので、第2実施例に係る露光装置の露光方法について、MCU56の主要な制御アルゴリズムを示す図3のフローチャートに沿って説明する。
【0085】
ステップ200〜ステップ204で、第1実施例におけるステップ100〜104と同一の処理を行なう。
【0086】
次のステップ206では、第1実施例と同様にウエハW上のショット領域の座標を求めるためにEGA計測を行なうと共に、第1の検出手段によりウエハW上の全ての有効ショット(少なくとも1つのチップが部分的に欠けることなく、完全な形で確保できる、レチクルパターンを転写可能なショット領域)の各々について、ショット領域内のプロセス段差が比較的少ない任意の位置を計測点としてその表面の光軸AX方向の位置を計測すると共にその計測値を図示しない内部メモリ内に記憶する。
【0087】
また、ウエハW上の全ての有効ショットの各々でその光軸方向の位置を検出するために、EGA計測では全て(N個)の有効ショットがEGAショットとなる。すなわち、EGA計測では、ウエハW上の全ての有効ショットの各々について、アライメントセンサ80を用いてその座標位置を検出することになる。さらに、全ての座標位置を使った統計演算(最小二乗近似等)によって式(1) の変換行列A、Oを決定するとともに、この決定された変換行列A、Oを用いてウエハW上の全てのショット領域の座標位置を算出する。
【0088】
次のステップ208では、ステップ206で求めた全有効ショットの表面の光軸AX方向の位置に基づいてウエハ全体の傾斜量(グローバルレベリング量)を求める。この傾斜量の演算は、第1実施例(図2)のステップ108と同様に最小二乗近似等の統計処理によって求める。
【0089】
さらに、このステップ208では、ステップ206で求めた全て(N個)の有効ショットの表面の光軸方向の位置に基づいて、各有効ショット毎にその傾斜量を計算して内部メモリに記憶する。例えばファーストショットの傾斜量は、ステップ206で記憶された位置データのうち、ファーストショット、及びそれに隣接する少なくとも1つのショット領域の各位置データを用いて算出する。より具体的には、複数の位置データを使った統計演算(最小二乗近似)によってファーストショットの近似面を算出し、この近似面からファーストショットの傾斜量を求める、あるいは2つの位置データの偏差と、その位置データが検出されるショット領域間の距離とからファーストショットの傾斜量を求めればよい。ここでは、ファーストショットの位置データを用いるものとしたが、ファーストショットに隣接する複数のショット領域の各位置データのみを用いてファーストショットの傾斜量を求めるようにしても良い。さらに、ショット領域の傾斜量は、当該領域の位置データを使用するか否かに関係なく、少なくとも3つの位置データを用いて求めることが望ましい。また、ウエハWの中心付近に位置するショット領域では、それに隣接する8つのショット領域の各位置データを用いてその傾斜量を算出すると良い。一方、ウエハWの周辺付近に位置するショット領域では、それに隣接するショット領域の数が少なくなるので、当該領域の位置データも使用することが望ましい。
【0090】
次にステップ210では、第1実施例(図2)のステップ110と同様の処理を行う。
【0091】
次にステップ212では、第1実施例(図2)のステップ112と同様に、ステップ206で求めたファーストショットの座標位置に従ってxyステージ16を位置決めする。さらにこの位置決め動作の直後に、第1の検出手段(多点AF系)を用いた合焦動作を実行するとともに、ステップ208で算出されたウエハWの傾斜量(グローバルレベリング量)とファーストショットの傾斜量との差分、すなわちファーストショットの残留傾斜量(本第2実施例でのチップレベリング量に相当)を求め、この残留傾斜量を零とするようにレベリングステージ14を傾ける。これは、ステップ210のグローバルレベリングではウエハWの表面全体が投影光学系PLの結像面とほぼ平行となるように傾けられるものであり、グローバルレベリングが行われたウエハW上のファーストショットはその表面が投影光学系PLの結像面に対して前述の残留傾斜量だけ傾いているためである。従ってステップ212では、有効ショット毎にその残留傾斜量だけレベリングステージ14を傾ける、チップレベリングが行われることになる。この合焦動作とチップレベリングとによって、ファーストショットの表面が投影光学系PLの結像面と正確に合致することになる。
【0092】
本実施例では、ステップ206で全有効ショットについてその光軸方向の位置を計測しているため、ステップ212ではそのチップレベリングにおいて、第2の検出手段(レベリングセンサ)を用いることなく有効ショット毎にその残留傾斜量(チップレベリング量)を計算で求めることができるようになっている。また、前述の残留傾斜量が所定の許容値以下となっていれば、スループットの低下を最小限に抑さえるためにレベリングステージ14を傾けなくても良い。前述したようにファーストショットでは、ステップ208で求まるその傾斜量とグローバルレベリング量との差が残留傾斜量となるが、ウエハW上のセカンドショット以降、例えばn(2≦n≦Nなる整数)番目の有効ショットではその傾斜量と、(n−1)番目の有効ショットの傾斜量との差が残留傾斜量となる。ウエハW上の各有効ショットの残留傾斜量は、例えばステップ208において、MCU56で計算されてその内部メモリに記憶される。
【0093】
次のステップ214では、図示しない露光コントローラに制御信号を送出して、レチクルパターンの投影像をファーストショットに重ね合わせ露光する。
【0094】
次にステップ216に進み、ウエハW上の全ての有効ショットに対して重ね合わせ露光が終了したか否かを判断する。この判断が否定された場合には、ステップ218に進み、次有効ショット露光の為にその有効ショットを露光位置に位置決めすべく、ステップ206で決定された座標位置とxyステージ16の現在位置(干渉系IFMの計測値)との差だけxyステージ16を駆動する制御信号をXY−DRV74へ出力してxyステージ16の移動を開始する。
【0095】
ここで、ウエハW上のセカンドショット以降、例えばn番目の有効ショットを位置決めするときには、(n−1)番目の有効ショットでのチップレベリングに伴なってその表面が投影光学系PLの結像面から光軸AX方向にずれている。このn番目の有効ショットの表面の結像面からのずれ量(焦点ずれ量)は、内部メモリに記憶された各有効ショットの残留傾斜量と隣接する有効ショット間の中心間距離(ステップピッチ)とから計算で求めることができる。そこで本実施例では、ステップ208においてMCU56は有効ショット毎の残留傾斜量と共に、セカンドショット以降の各有効ショットの焦点ずれ量を計算してその内部メモリに記憶しておくものとする。
【0096】
従って、ステップ218では、xyステージ16を駆動してn番目の有効ショットを位置決めする際、ステップ208で内部メモリに記憶された焦点ずれ量を零とするようにレベリングステージ14を光軸AX方向に沿って駆動すべく、MCU56はその焦点ずれ量に応じた制御信号をZ−DRV59に出力する。これにより、n番目の有効ショットが露光位置に位置決めされるまでの間に大まかな合焦が行われる。
【0097】
なお、ステップ208において前述した焦点ずれ量が計算されていない場合には、ステップ208で求まる(n−1)番目の有効ショットの残留傾斜量(レベリングステージ14の傾斜量に相当)を用いて、ステップ214、又は218においてn番目の有効ショットへの移動時に生じる焦点ずれ量を計算しても良い。
【0098】
上述のようにして、xyステージ16の移動を開始した後、ステップ212に戻り、以後ステップ212→214→216→218→212のループが繰り返されるが、その過程において全ての有効ショットの露光が終了し、ステップ216の判断が肯定されると、ステップ220に進んでウエハをアンロードした後、本制御ルーチンの処理を終了する。
【0099】
以上説明した第2実施例の露光方法によれば、第1実施例と同様に、チップ毎にレベリング、合焦動作を行なうにも拘らず、スループットの低下が殆どないという効果が得られる他、現ショット領域におけるレベリングステージ14の傾斜量から次ショット領域での焦点ずれ量を予測するのではなく、全有効ショットについて実際に計測したウエハW表面の光軸AX方向の位置の計測データに基づいて次ショット領域での焦点ずれ量を実際に演算し、この演算結果に基づいてステップ218において次ショットへの移動中に合焦が行なわれるので、実際に露光位置へ位置決めされた時には、より真の合焦位置状態に近い状態となっている。従って、露光位置での合焦動作では、第1の検出手段(多点AF系)によって検出されるフォーカスオフセットだけレベリングステージ14を光軸AX方向へ移動させるか、あるいはこのフォーカスオフセットが所定の許容値以下であればレベリングステージ14を全く移動させることなく、合焦状態を得ることができる。
【0100】
また、第2実施例では、ステップ212でチップレベリングを行うものとしたが、第2の検出手段(レベリングセンサ)を用いることなく、ステップ208において各有効ショットの残留傾斜量を計算で求めているので、ウエハW上のセカンドショット以降ではステップ218においてチップレベリングを行うこともできる。すなわち、xyステージ16のステッピング中に、前述の焦点ずれ量を零とするためにレベリングステージ14を光軸方向に微動するとともに、次有効ショットの残留傾斜量を零とするためにレベリングステージ14を傾けるようにする。これにより、ステップ212でのチップレベリングが不用となってスループットを向上させることができる。
【0101】
さらに、第2実施例では、ステップ208でのウエハWの傾斜量(グローバルレベルング量)の算出、及びステップ210でのグローバルレベリングを省略しても良い。この場合、ステップ210ではxyステージ16のステッピング中に、ステップ208で求めたファーストショットの傾斜量を零とするようにレベリングステージ14を傾けるようにする。これにより、グローバルレベリングが不要となり、かつxyステージ16のステッピング中にファーストショットのチップレベリングを行うことができるので、スループットを大幅に向上させることができる。
【0102】
また、第2実施例ではステップ212で第1の検出手段(多点AF系)を用いて合焦動作を行うものとしたが、ステップ212では合焦動作を行わずに、ステップ218において第1の検出手段を用いることなく合焦動作を行うようにしても良い。すなわちウエハW上のセカンドショット以降、例えばn番目の有効ショットでは、ステップ218におけるxyステージ16のステッピング中に、ステップ206で求めたその光軸方向の位置と(n−1)番目の有効ショットの光軸方向の位置との差(以下、「残留フォーカスオフセット」という)と、ステップ208で求めた有効ショットの焦点ずれ量とに基づいて、レベリングステージ14を光軸方向に微動する。これにより、n番目の有効ショットはその表面が投影光学系PLの結像面と一致するとともに、ステップ212での合焦動作が不用となってスループットを向上させることができる。以上のことから、第2実施例では前述のごとくグローバルレベリングを省略し、かつ合焦動作、及びチップレベリングをxyステージ16のステッピング中に行うシーケンスが最もスループットが高くなる。
【0103】
なお、第2実施例ではステップ210でグローバルレベリングを行うので、前述の残留フォーカスオフセットは、各有効ショットの位置データをグローバルレベリング量で補正し、この補正された位置データを用いて計算している。
【0104】
また、上記第2実施例では、ステップ206で求めた位置データをそのまま使って有効ショットの合焦動作を行うものとしたが、1つの有効ショットの光軸方向の位置を、例えばその有効ショット、及びそれに隣接する少なくとも1つの有効ショットの各位置データを用いて算出しても良い。具体的には、複数の位置データを使った統計演算(最小二乗近似等)によってその有効ショットの近似面を算出し、この近似面からその光軸方向の位置を求める、あるいは複数の位置データを平均化処理、又は加重平均化処理してその光軸方向の位置を求めれば良い。
【0105】
また、ウエハW上のファーストショットの合焦動作では、ステップ206で求まるその光軸方向の位置を、ステップ210で求めるグローバルレベリング量で補正し、この補正された位置データに従ってレベリングステージ14を光軸方向に微動すれば良い。一方、前述の如くグローバルレベリングを行わない場合には、ステップ206で求めた光軸方向の位置をそのまま使ってレベリングステージ14を光軸方向に微動すれば良い。
【0106】
なお、第1、第2実施例では、ステップ112、212においてxyステージ16を駆動してウエハW上の各ショット領域を露光位置に位置決めすることで、レチクルパターンの投影像と各ショット領域との重ね合わせ(アライメント)を行うものとしたが、例えばxyステージ16は投影光学系PLのイメージフィールド内にショット領域が設定されるようにウエハWを位置決めするためだけに用い、干渉計IFMによって検出されるレチクルパターンの投影像とショット領域とのアライメント誤差(xyステージ16の現在位置(干渉計IFMの計測値)とステップ206で求まるショット領域の座標位置との偏差)はレチクルステージRSTを微動して補正するようにしても良い。
【0107】
また、第1、第2実施例では第1の検出手段として多点AF系を用いるものとしたが、例えば特開昭60−168112号公報に開示された、ウエハ上の1点のみにスリットパターンを投影し、そのパターン像を光電検出する定点AF系を用いても良い。また、多点AF系や定点AF系は投影光学系PLを介すことなくウエハ上の所定点での光軸方向の位置を検出するものであるが、投影光学系PLを通してAFビームをウエハ上に照射し、その反射光を投影光学系PLを介して光電検出する構成であっても構わない。
【0108】
さらに、前述した多点AF系や定点AF系のような光学センサの代わりに、エアマイクロメータを用いても良い。
【0109】
さらに、第1実施例では、第2の検出手段としてコリメータ方式のレベリングセンサを用いるものとしたが、前述の多点AF系や定点AF系を用いても良い。特に多点AF系を用いる場合には、第1の検出手段との兼用も可能となり、装置構成を簡略化できるといった利点がある。
【0110】
《第3実施例》
この実施例では本発明をスリットスキャン型(走査型)投影露光装置に適用した例を、図4〜6を用いて説明する。
【0111】
図4に、スリットスキャン型投影露光装置90の構成を概略的に示す。スリットスキャン型投影露光装置90は、レチクルRのパターン領域の一部をスリット状に照明し、その照明された領域(本文中、照明領域という)に対してレチクルRを走査するとともに、投影光学系PLに関してその照明領域と共役な関係にある領域(本文中、露光領域という)に対してウエハWをレチクルRの走査と同期して走査することにより、レチクルRのパターンを逐次ウエハ上に露光する装置である。この露光装置90は、図1のステップアンドリピート方式の露光装置10の主な構成要素である、照明光学系12、投影光学系PL、可動部材としてのレベリングステージ14、基板ステージとしてのxyステージ16、第1の検出手段及び制御系等を含んで構成されている。それゆえ、この露光装置90について、図1の露光装置10と異なる装置構成及び異なる動作のみを説明し、共通の装置構成及び動作については説明を省略する。
【0112】
この装置90の照明光学系12は、フライアイレンズFL、リレーレンズ92、可動ブラインド94、ミラーM、リレーレンズ96、コンデンサレンズ98等から構成されており、フライアイレンズFLを射出した照明光ILは紙面に垂直な方向(Y方向)に長く延びた開口部を有する可動ブラインド94により制限される。このため、レチクルR上の照明領域もY方向に長く延びたスリット状となる。
【0113】
スリットスキャン型投影露光装置90では、露光の間、レチクルステージRSTが走査方向(X方向)に移動して、照明領域に対してレチクルRが走査される。レチクルステージコントローラRSCは、一回の走査によりレチクルR内の全てのパターンが照明領域を通過するようにレチクルステージRSTの移動のストロークを制御する。一方、XYステージ16はレチクルステージRSTと同期して逆の方向に移動し、ウエハWを露光領域に対して走査する。レチクルステージRSTとXYステージ16の移動速度比は投影光学系PLの縮小倍率によって決定され、レチクルステージRST及びXYステージ16の同期移動はレチクルステージコントローラRSC及び主制御ユニット56により制御される。
【0114】
スリットスキャン型投影露光装置90では、実施例1の露光装置10と同様に、ウエハW表面の光軸AX方向の位置変化を光学的に検出する手段として、斜入射光式の多点オートフォーカス系を備える。この多点オートフォーカス系は、実施例1と同様に、第2の光源24、コンデンサーレンズ26、複数の投影スリットを有する絞り28、コリメータレンズ30、第1ダイクロイックミラー32、照射対物レンズ34、受光対物レンズ36、第2ダイクロイックミラー38、コンデンサーレンズ40、振動ミラー42、受光スリットを有する絞り44及び受光素子46等から構成されている。但し、本実施例において、この多点オートフォーカス系は、後述するように、実施例1における第2の検出手段であるチップレベリングセンサ60,62としても機能し、ウエハ面の傾斜量も同時に計測することが可能である。
【0115】
多点オートフォーカス系の絞り28には、Y方向に沿って一定間隔で並んだ9個のスリットからなるスリット列が、X方向に所定の間隔で5列設けられている。ここで、中央列(第3列)のスリット群の投影光学系PLによる像の中心は投影光学系PLの光軸AXがウエハWと交差する点に位置する。
【0116】
図5に、この絞り28により照明されたウエハW上のショット領域SHの平面図を概略的に示した。図中、投影光学系PLの円形の照明視野IFに内接し且つ走査方向と直交する方向(Y方向)に延びた矩形の露光領域EF内に、レチクルRのパターンが露光される。この露光領域EFに対して走査方向(X方向)にウエハWのショット領域SHが走査される。上記多点オートフォーカス系により、図中の上方に位置し且つY方向に並列した第1列の計測点AF11〜19、第2列の計測点AF21〜29、露光領域EF内の第3列の計測点AF31〜39、第4列の計測点AF41〜49、及び第5列の計測点AF51〜59に、それぞれ、上記絞り28の5列のスリットパターンの像が投影される。上記5列のスリット列を有する絞り28に対応して受光器46には5列×9個の受光素子(図示しない)が設置されており、それらの受光素子上に、前記計測点に投影されたスリットパターンの像が再結像される。各受光素子で検出された信号は、実施例1と同様にして、セレクタ回路52及びPSD54で同期検波されて、ショット領域SH上の各計測点AF11〜AF59のフォーカス位置に対応する45個のフォーカス信号を生成する。これらの45個のフォーカス信号のうちのいくつかのフォーカス信号を用いてウエハの露光面の傾斜角及び平均的なフォーカス位置を算出することができる。図5中の計測点のうち、ウエハWの走査方向に応じて、フォーカス位置を計測する点を適宜選択することができる。例えば、図5に示すように、ウエハWを露光領域EFに対して−X方向に走査する場合には、第3列及び第4列のみの計測点AF31〜39及びAF41〜49に光スポットを照射してフォーカス位置を検出することができる。一方、ウエハWを露光領域EFに対してX方向に走査する場合には、第2列及び第3列のみの計測点AF21〜29及びAF31〜39に光スポットを照射してフォーカス位置を検出することができる。この場合、偶数番または奇数番だけの計測点を光スポットで照射してもよい。ウエハW(ショット領域SH)の露光面の傾斜角は、上記複数の計測点におけるフォーカス位置情報から走査方向及び非走査方向における傾斜角に分けてそれぞれ算出することができる。計算方法の詳細は特開平6−283403号を参照することができる。
【0117】
次に、露光装置90におけるスリットスキャン方式の露光動作について簡単に説明する。最初に、レチクルR及びウエハWがレチクルステージRST及びXYステージによって露光開始位置(ステージ助走開始位置)に位置決めされる。この露光開始位置では、ファーストショットと露光領域EFとが所定の間隔で隔てられており、この間隔はウエハWがXYステージにより等速度(一定速度)で移動するまでの助走距離として設けられている。次いで、両ステージが同期して移動(助走)を開始し、ともに等速度の移動速度に達した後に、ショット領域が露光領域内に入り、露光が始まる。露光の間、照明領域内で照明されたレチクルRのパターンが、順次、投影光学系PLによって露光領域内にあるショット領域に転写される。照明領域に対するレチクルRのパターンの一回の走査により、レチクルRパターン全体が一つのショット領域に転写(露光)される。一回の走査露光が終了すると、XYステージ16はステップアンドリピート方式の露光装置10と同様にステッピング動作により次のショット領域SHにウエハWを移動する。次のショット領域SHの露光開始位置にウエハWが位置決められた後、レチクルステージRSTは、前回の走査方向と逆の方向に移動(助走)を開始し、それと同期してXYステージ16もレチクルステージRSTと逆の方向に移動(助走)を開始する。そして、前記のように両ステージがともに等速度に達した後に、走査露光を実行する。このようにレチクルステージRSTは、一回の往復運動を行うことによって、ウエハW上の2つのショット領域を露光することになる。
【0118】
上記スリットスキャン方式の露光が行われている間、ウエハWは図5に示した計測点上でスリット状の複数のスポットによりフォーカス位置が連続的に計測される。例えば、ウエハWの走査方向が−X方向ならば、ショット領域SHの前縁部が露光領域EFにさしかかる前に計測点AF41〜49で該前縁部のフォーカス位置及び傾斜角が計測(先読み)される。そして、各計測点でのフォーカス位置の計測結果はXYステージの移動(ウエハWの走査方向の位置変化)に伴ってPSD54から逐次出力され、XYステージの走査方向(X及び−X方向)の座標及び非走査方向(Y及び−Y方向)の計測点座標よりなる2次元のマップとして主制御系56内の記憶装置内に記憶される。このように記憶された計測結果を用いて、露光時のウエハフォーカス位置及び傾斜角が算出される。次いで、フォーカス位置が計測されたショット領域の前縁部が露光領域EFにさしかかったときに、上記算出されたフォーカス位置及び傾斜角に基づいてレベルリングステージ14が駆動される。すなわち、スリットスキャン型投影露光装置90では、走査露光中に、露光領域EFの直前にある計測点でフォーカス位置及び傾斜角が計測され(先読み)、計測が行われたショット上の地点が露光領域EF内に入ったときにその計測されたフォーカス位置及び傾斜角に基づいて算出されたウエハWの光軸方向の移動量及びレベリング量でレベリングステージ14が駆動される。
【0119】
さらに、ショット領域が露光領域EF内に存在するときに、ウエハWが上記算出結果に基づいて好適なフォーカス位置及び傾斜角に調整されているかを第3列の計測点AF31〜39からのフォーカス位置及び傾斜角の実測結果から確認することができる。フォーカス位置及び傾斜角が所定の範囲内になければ、第3列の計測点AF31〜39からの計測結果に基づいて合焦及びレベリングを補正するようにレベリングステージ14の動作を再調整することもできる。
【0120】
上記スリットスキャン方式において走査露光中に露光領域を含めたウエハW上の複数の計測点上でフォーカス位置を連続的に計測し、レベリングステージ等で合焦及びレベリング調整を行う技術は、出願人による特開平6−283403号公報にすでに開示されており、詳細はその公報を参照することができる。
【0121】
次に、MCU56の主要な制御アルゴリズムを示す図6のフローチャートに沿って本実施例の露光装置90によるスリットスキャン方式の露光方法について、説明する。このフローチャートがスタートするのは、実施例1及び2の場合と同様に、図示しない操作部からの露光開始指示コマンドがMCU56に入力された時である。なお、この実施例においても、ファーストショットを位置決めするまでのステップ300〜310は実施例1(図2)のステップ100〜110と同様であるので説明を省略する。
【0122】
ステップ312では、ファーストショットがXYステージ16により露光開始位置に位置決めされる。
【0123】
次のステップ313では、XYステージ16とレチクルステージRSTとの同期移動が開始され、照明領域内にあるレチクルRのパターンが露光領域内のショット領域に露光されつつ、レベリング及び合焦が行なわれる。具体的には、前記のように、ウエハWの走査方向が−X方向ならば露光領域EFの直前にある第4列の計測点AF41〜49及び第3列の計測点AF31〜39でフォーカス位置及び傾斜角を予め計測し、計測点AF41〜49で計測が行われたショット上の地点が露光領域EF内に入ったときにその計測されたフォーカス位置及び傾斜角に基づいて合焦及びレベリングをレベリングステージ14により実行する。この動作を一つのショット領域の走査が終了するまで行う。これにより、走査露光中のファーストショットの表面の各点が投影光学系PLの結像面と正確に合致する。すなわちファーストショット表面がその全面に渡って投影光学系PLの焦点深度内に設定された状態で、露光が実行されることになる。
【0124】
次のステップ314では、露光終了時のレベリングステージ14の傾斜量に基づいて次ショットへ移動したとき生じる焦点ずれ量を算出し、図示しない内部メモリに記憶する。ここで露光終了時のレベリングステージ14の傾斜量は、多点オートフォーカス系による計測結果による露光終了時のレベリングステージ14の傾斜量(角)を用いることができる。あるいは、レベリングステージ14を駆動するアクチュエータ(図示しない)の移動量等から得られたレベリングステージ14の実際の傾斜量を用いてもよい。
【0125】
次に、ステップ316に進んで露光すべき全てのショットの露光を終了したか否かを判断する。この判断が否定された場合には、ステップ318に進み、次ショット領域を露光開始位置に位置決めするため、MCU56はステップ306で決定された位置に対応する量だけxyステージ16を駆動すべく制御信号をXY−DRV74へ出力してxyステージ16の移動を開始する。この際に、前記ステップ314で内部メモリに記憶された焦点ずれ量分だけレベリングステージ14を光軸AX方向に沿って駆動すべく、制御信号をZ−DRV59に出力する。これにより、次ショットの露光開始位置への位置決めが終了するまでの間に、大まかな合焦が行なわれる。
【0126】
その後、ステップ312に戻り、以後ステップ312→313→314→316→318→312のループが繰り返されるが、その過程において全てのショットの露光が終了し、ステップ316の判断が肯定されると、ステップ320に進んでウエハをアンロードした後、本制御ルーチンの処理を終了する。
【0127】
以上説明した本第3実施例の走査型露光方法では、ステップ310においてウエハW全体の傾斜調整(グローバルレベリング)がおこなれた後に、ステップ314においてチップレベリングが行なわれるので、チップレベリングの際には、極僅かな傾斜補正を行なうだけで良く、また、ステップ318において次ショットへの移動中に大まかな合焦が行なわれるので、実際に次ショットが露光位置に位置決めされた時には、レベリングステージ14を極く僅かな量だけ光軸AX方向へ移動させるか全く移動させることなく、合焦状態を得ることができる。従って、ショット領域毎にレベリング、合焦動作を行なうにも拘らず、スループットの低下が殆どないという効果がある。
【0128】
上記スリットスキャン型露光装置においては、レチクルRの走査のためにレチクルステージRSTが走査方向に移動するため、レチクルRの光軸方向位置が変動し、その結果、投影光学系PLによるレチクルRパターンの像面の光軸方向位置が変動する可能性がある。この問題に対処するために、本実施例では、予め、レチクルステージRSTを移動して、レチクルRの上下動による像面の光軸方向位置の変動分をレチクルステージRSTの走査方向位置毎に計算または測定しておく。この際、レチクルステージRSTの位置をそれに同期して移動するXYステージの座標系の位置に変換して、像面の光軸方向位置の変動分を変換した座標位置とともに主制御系56の記憶装置に記憶する。そしてその走査方向の位置毎に記憶された像面の光軸方向位置の変動分で、ステップ313において多点オートフォーカス系で走査方向の位置毎に計測されたフォーカス位置をそれぞれ補正することができる。また、ステップ314において演算した焦点ずれ量をレチクルRの上下動による像面の光軸方向位置の変動分で補正することができる。ステップ314の場合、像面の光軸方向位置の変動分は、レチクルRのパターンにおける走査方向の2つの端部のうち、走査開始側の端部位置に対応する像面の光軸方向位置の変動分の値を採用する。これは、レチクルRは往復運動によって2つのショット領域を転写するために、レチクルRのパターンの走査開始位置(端部)はレチクルRの走査方向(X方向、−X方向)に応じて変化するからである。上記のようにして走査型露光におけるレチクルステージRSTの移動のために発生する像面の変動による焦点位置のずれを有効に補正することができる。
【0129】
レチクルステージ上にオートフォーカス(AF)センサを載置して、レチクルRの上下動をリアルタイムに計測してもよい。そしてこの計測結果をレベリングステージ14系にフィート゛バックしてレチクルRのパターンの像面の光軸方向位置の変動を補正することができる。また、レチクルステージ上に新たなレチクルZ方向移動ステージ(RZステージ)を設けて、この計測結果に基づいてRZステージを上下動させることによりレチクルRのパターンの像面の光軸方向位置の変動を補正してもよい。
【0130】
第3実施例の走査型露光装置及び走査型露光方法に、前記の第2実施例及びその変形例を適用することもできる。
【0131】
なお、上記各実施例では重ね合わせ露光を前提として説明を行ったが、第1層目のレチクルパターンをウエハ上に順次転写する場合にも本発明をそのまま適用できることは勿論である。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るステップアンドリピート方式の露光方法及びその装置によれば、感光基板上のショット領域の露光位置への位置決めのための感光基板の移動中にレベリング及び合焦動作の一部がなされ、各露光位置では短時間にレベリング及び合焦動作を行なうことができることから、スループットを極端に低減させることなく、露光位置毎に高精度のレベリング、合焦動作を行なうことができるという従来にない優れた効果がある。また、本発明に係るスリットスキャン方式の露光方法及びその装置によれば、感光基板上のショット領域の露光開始位置への位置決めのための感光基板の移動中にレベリング及び合焦動作の一部がなされ、走査露光中に露光領域においてレベリング及び合焦動作を行なうことができることから、スループットを極端に低減させることなく、露光位置毎に高精度のレベリング、合焦動作を行なうことができるという従来にない優れた効果がある。
【0133】
特に、請求項2記載の露光方法では、感光基板上のショット領域内に凸凹(段差)が存在しても、その凸凹によらず感光基板の傾斜量を正確に求めることができ、グローバルレベリングの精度向上が期待できるという効果がある。
【0134】
また、請求項3記載の露光方法では、感光基板上の全てのショット領域の位置を決定するための統計的手法を採用したグローバルアライメント、いわゆるエンハンストグローバルアライメントの対象となる複数のショット領域(EGAショット)の計測動作の一部としてそのEGAショットについて焦点位置検出を加えるだけで、第2の工程においてグローバルレベリングが行なわれ、各露光位置では短時間でレベリングが完了するという利点がある。
【0135】
また、請求項4記載の露光方法によれば、上記請求項1〜3の場合に比較して各露光位置ではより短時間で合焦動作が完了するという効果がある。
【0136】
更に、請求項5記載の露光方法によれば、露光位置での傾斜検出が不要となり、請求項4の場合に比較してもより一層短時間でレベリングが可能となるという効果がある。
【0137】
更に、請求項7記載の露光方法によれば、走査型露光に特有のマスクの上下位置の変動に伴う投影光学系による像面の光軸方向の位置ずれを有効に補正することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るステップアンドリピート型の露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1のMCUの主要な制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】第2実施例に係るMCUの主要な制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】第3実施例に係るスリットスキャン型の露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】第3実施例の露光装置の多点オートフォーカス系によるウエハWの上での計測点を示す概念図である。
【図6】図4のスリットスキャン型の露光装置のMCUの主要な制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ステップアンドリピート型露光装置
14 レベリングステージ(可動部材)
16 xyステージ(基板ステージ)
56 MCU
90 スリットスキャン型露光装置
94 可動ブラインド
R レチクル(マスク)
IL 照明光
W ウエハ(感光基板)
PL 投影光学系
RST レチクルステージ
EF 露光領域
SH ショット領域
AF 計測点

Claims (9)

  1. マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光基板上の複数のショット領域の各々に順次転写するステップアンドリピート方式の露光方法において、
    前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記投影光学系の光軸方向の位置を計測する第1の工程と;
    前記複数のショット領域の1つを前記投影光学系のイメージフィールド内に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記計測結果に基づいて前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第2の工程と;
    前記投影光学系の像面に対する前記1つのショット領域の表面の傾斜量と焦点ずれ量とを検出し、該検出結果に基づいて前記感光基板を傾けるとともに前記光軸方向に移動する第3の工程と;
    前記マスクパターンを前記1つのショット領域に転写するとともに、前記第3の工程での前記感光基板の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める第4の工程と;
    前記別のショット領域を前記投影光学系のイメージフィールド内に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記求められた位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動する第5の工程と;
    を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記第1の工程において、感光基板上の計測点は、少なくとも3つのショット領域の各々の同一位置に設定されることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 前記第1の工程は、前記感光基板上のいくつかのショット領域の各々に付設されたアライメントマークの位置を計測する工程と、該計測された複数の位置を統計処理することにより前記感光基板上の全てのショット領域の位置を決定する工程とを含み、
    前記計測点が設定される少なくとも3つのショット領域は、前記アライメントマークの位置が計測されるいくつかのショット領域に含まれることを特徴とする請求項2記載の露光方法。
  4. 前記第1の工程において、前記感光基板上の計測点は前記マスクのパターンを転写可能な全てのショット領域の各々に設定されるとともに、該各ショット領域内の計測点はプロセス段差が比較的小さくなる位置に定められ、
    前記第4の工程において、前記別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める際に、前記第1の工程で得られたショット領域間の偏差を用いることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  5. 前記マスクのパターンを前記感光基板上のショット領域に転写するのに先立ち、該ショット領域の表面を前記投影光学系の像面に合致させる際に、前記第1の工程で得られた全てのショット領域の位置情報のうち、当該ショット領域に隣接するショット領域の位置情報を用いて前記感光基板を傾けることを特徴とする請求項4記載の露光方法。
  6. マスクを照明しながら、該マスク上の照明領域に対して該マスクを走査するとともに、上記照明領域と投影光学系に関して共役な露光領域に対して感光基板を前記マスクの走査に同期して走査することにより、上記マスクのパターンを上記投影光学系を介して感光基板の複数のショット領域上に順次露光する走査型露光方法において、
    前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記投影光学系の光軸方向の位置を計測する第1の工程と;
    前記複数のショット領域の1つを露光開始位置に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記計測結果に基づいて前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第2の工程と;
    前記感光基板の1つのショット領域と前記マスクとを同期して走査露光しながら、前記投影光学系の像面に対する前記1つのショット領域の表面の傾斜量と焦点ずれ量とを検出し、該検出結果に基づいて前記露光領域における前記1つのショット領域の表面が前記投影光学系の像面と平行になるとともに前記投影光学系の焦点位置と一致するように前記感光基板を傾けるとともに前記光軸方向に移動する第3の工程と;
    前記1つのショット領域の走査露光終了時の前記感光基板の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求める第4の工程と;
    前記別のショット領域を前記露光開始位置に位置決めするための前記感光基板の移動中に、前記求められた位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動する第5の工程と;
    を含むことを特徴とする露光方法。
  7. 前記マスクの走査の間に生じるマスクの光軸方向における位置変動による前記投影光学系の像面の光軸方向の位置の変動分を、上記第3の工程における前記検出結果に基づいて前記感光基板を前記光軸方向に移動するための移動量に取り込み、且つ上記第4の工程における前記投影光学系の像面からの位置ずれ量に取り込むことを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. マスクに形成されたパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系を有し、前記マスクのパターン像を前記感光基板上の複数のショット領域の各々に順次転写するステップアンドリピート方式の露光装置において、
    前記感光基板を保持して、前記投影光学系の光軸方向に移動するとともに、前記投影光学系の像面に対して傾斜可能な可動部材と;
    該可動部材を載置して、前記投影光学系の光軸と垂直な面内で2次元移動する基板ステージと;
    前記感光基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位置を光学的に検出する第1の検出手段と;
    前記投影光学系の像面に対する前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜を光学的に検出する第2の検出手段と;
    前記第1の検出手段を用いて前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて前記可動部材を傾けることにより、前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第1のレべリング手段と;
    前記基板ステージの移動位置をモニタしつつ前記感光基板上の複数のショット領域が前記マスクのパターン像で順次露光されるように前記基板ステージの移動位置を制御する第1の制御手段と;
    前記傾斜補正された感光基板上の1つのショット領域の表面が前記投影光学系の焦点位置に一致するように、前記第1の検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する合焦手段と;
    前記1つのショット領域の表面が前記投影光学系の像面と平行になるように、前記第2の検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する第2のレべリング手段と;
    前記第2のレベリング手段によって駆動される前記感光基板上のショット領域の表面の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め、前記別のショット領域を露光位置に位置付けるために前記第1の制御手段による前記基板ステージの移動中に、前記位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動するように前記可動部材の移動を制御する第2の制御手段と;
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  9. マスク上の照明領域に対して該マスクを走査するマスクステージと、前記マスク上のパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記照明領域と前記投影光学系に関して共役な露光領域に対して前記感光基板を前記マスクの走査と同期して走査する2次元移動可能な基板ステージとを備え、前記感光基板上の複数のショット領域を順次露光する走査型露光装置であって、
    前記2次元移動可能な基板ステージ上に設置され、且つ前記感光基板を保持したまま前記投影光学系の光軸方向に移動するとともに前記投影光学系の像面に対して傾斜可能な可動部材と;
    前記感光基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位置及び前記投影光学系の像面に対する傾斜を光学的に検出する検出手段と;
    前記検出手段を用いて前記感光基板上の複数の計測点の各々における前記光軸方向の位置を計測し、該計測された複数の位置に基づいて前記可動部材を傾けることにより、前記投影光学系の像面と前記感光基板の表面との相対的な傾斜を補正する第1のレべリング手段と;
    前記基板ステージの移動位置をモニタしつつ前記感光基板上の複数のショット領域が前記マスクのパターン像で順次露光されるように前記基板ステージの移動位置を制御する第1の制御手段と;
    前記感光基板の1つのショット領域と前記マスクとが同期して走査されている間に、前記露光領域内に存在する該1つのショット領域の表面が前記投影光学系の焦点位置に一致し且つ前記投影光学系の像面と平行になるように、前記検出手段の出力に基づいて前記可動部材を駆動する第2のレべリング手段と;
    前記第2のレベリング手段によって駆動された前記感光基板上のショット領域の表面の走査露光終了時の傾斜量に基づいて、次にマスクパターンを転写すべき前記1つのショット領域とは別のショット領域の表面の前記投影光学系の像面からの位置ずれ量を求め、前記別のショット領域を露光開始位置に位置付けるために前記第1の制御手段による前記基板ステージの移動中に、前記位置ずれ量に応じた量だけ前記感光基板を前記光軸方向に移動するように前記可動部材の移動を制御する第2の制御手段と;
    を備えたことを特徴とする走査型露光装置。
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