JPH11176746A - 走査型露光方法、装置及び素子製造方法 - Google Patents

走査型露光方法、装置及び素子製造方法

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JPH11176746A
JPH11176746A JP10032087A JP3208798A JPH11176746A JP H11176746 A JPH11176746 A JP H11176746A JP 10032087 A JP10032087 A JP 10032087A JP 3208798 A JP3208798 A JP 3208798A JP H11176746 A JPH11176746 A JP H11176746A
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sensor
substrate
sensors
exposure
focus
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JP10032087A
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Masayoshi Yamazaki
真義 山崎
Osamu Furukawa
治 古川
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外走査露光時のデフォーカスに起因する色
ムラの発生防止が可能な走査型露光方法を提供する。 【解決手段】 レチクルと基板を相対移動しつつレチク
ル上のパターンを基板上に転写する走査型露光方法であ
って、多点フォーカスセンサによって基板上の複数の検
出点において基板の投影光学系の光軸Z方向位置を検出
するフォーカス検出工程と、基板をZ方向またはZ直交
面に対して傾斜駆動する基板駆動工程と、基板駆動工程
における感応基板の駆動を制御する制御工程と、使用状
態にあるセンサの配列と基板上の所定のショット領域と
が所定の関係にある場合に、使用状態にあるセンサが検
出可能かを判定する判定工程とを備え、制御工程は、判
定結果に基づいて基板のZ方向位置のみを調整するか、
基板のZ方向位置及びZ軸直交面に対する傾斜を調整す
るかのいずれかの調整工程を行う走査型露光方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型露光装置に
係り、さらに詳しくは半導体素子、液晶表示素子等をリ
ソグラフィ工程で製造する際に用いられる走査型露光方
法、装置及び素子製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンを投影光学系を介してフォトレジスト等が塗布
されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜
「感応基板又はウエハ」という)上に投影露光する投影
露光装置が用いられている。この種の装置としては、例
えば半導体素子の製造工程では、従来は、感応基板とし
てのウエハが搭載されたウエハステージを所定量だけ
X、Yの2次元方向にステッピングさせた後、レチクル
のパターンを投影光学系を介して感応基板上のショット
領域に転写する静止型(ステップ&リピート方式ともい
う)の露光装置が主流であったが、半導体素子の高集積
化に伴う回路パターンの微細化に伴い、露光装置の性能
として一層の高解像力、露光精度の高さが要求されるよ
うになり、かかる要求に応える新方式の露光装置とし
て、レチクルを保持するレチクルステージとウエハステ
ージとを投影光学系に対して所定の走査方向に相対移動
させることにより、レチクルパターンを投影光学系を介
してウエハ上に逐次転写するいわゆるステップ・アンド
・スキャン方式の走査型露光装置が製品化された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したような走査型
露光装置では、ウエハ上のあるショット領域にレチクル
パターンを露光する際には、露光直前に、露光位置(露
光対象ショット領域内)でのウエハ表面の投影光学系の
光軸方向位置の情報(フォーカス情報)をフォーカスセ
ンサを用いて計測し、ウエハ上のショット領域表面が投
影光学系の焦点深度の範囲内に一致するように、ウエハ
を保持して前記光軸方向に微少移動する試料台(Zステ
ージ)を位置決めしながら、走査露光を行なう必要があ
る。
【0004】かかる走査型露光装置では、ウエハの周辺
以外のショット領域については、露光開始直前のウエハ
のフォーカス情報は、容易に検出できるので問題はな
い。しかしながら、ウエハ周辺のショット領域の露光の
場合、Zステージの追従性以上のウエハ表面の光軸方向
変位が存在する場合、そのショット領域にはデフォーカ
ス状態でレチクルパターンが露光されるという不都合が
あった。
【0005】これまで、レチクル上の照明領域と共役な
露光領域をウエハの周辺部から内部に向かって相対走査
しつつ(ここで、実際には露光領域が固定でウエハが移
動するのであるが、説明の便宜上このような表現を用い
ている)露光を行なう場合には、常に露光領域をウエハ
の内部から周辺部に向かって相対走査しながら露光する
方法や、露光ショットの有効領域の位置や形状により使
用するフォーカスセンサを選択追加する方法が行われて
いるが、逆にウエハ内部から周辺部に向かって相対走査
しつつ露光する場合について、デフォーカス状態での露
光が認められるにもかかわらず、これといった対策をさ
れることなく放置され続けてきた。
【0006】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、本発明の目的は、露光時のデフォーカスに起因する
色ムラのさらなる発生防止ができる走査型露光方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による走査型露光方法は、図5
に示すように、レチクルと感応基板とを投影光学系に対
して所定の走査方向に相対移動しつつ、前記レチクルに
形成されたパターンを投影光学系を介して前記感応基板
上に逐次転写する走査型露光方法であって;多点フォー
カスセンサによって前記感応基板上の複数の検出点にお
ける前記感応基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位
置を検出するフォーカス検出工程と;前記感応基板を前
記投影光学系の光軸方向への駆動または前記光軸直交面
に対して傾斜駆動する基板駆動工程と;前記基板駆動工
程における感応基板の駆動を制御する制御工程と;前記
多点フォーカスセンサのうち使用状態にあるセンサの配
列と前記感応基板上の所定のショット領域とが所定の関
係にある場合に、前記使用状態にあるセンサが検出可能
か否かを判定する判定工程(SP3)とを備え;前記制
御工程は、前記判定結果に基づいて、前記感応基板の前
記光軸方向位置のみを調整する調整工程か、前記感応基
板の光軸方向位置及び前記光軸直交面に対する傾斜を調
整する調整工程かのいずれかの調整工程を行う。
【0008】ここで使用状態にあるセンサとは、典型的
には、ユーザーの指定するセンサ、直前の走査露光工程
で用いられていたセンサ等であり、スイッチがオンにさ
れて検出状態に設定されているセンサのことである。
【0009】このように構成すると、使用状態にあるセ
ンサが基板の有効領域内に位置しており検出可能か否か
を判定する判定工程を備えるので、それらのセンサが基
板の位置等の制御に使用できるか否かが判定でき、制御
工程を備えるので、基板の光軸方向位置のみを調整する
調整工程か、基板の傾斜を調整する調整工程かのいずれ
かの調整工程により感応基板の表面の位置等を制御する
ことができる。
【0010】このとき、請求項2に記載のように、前記
判定工程で、前記所定の関係にある場合が、使用状態に
ある前記センサの配列が前記所定のショット領域の露光
終了位置にある場合とするのが望ましい。
【0011】このようにすると、露光領域がウエハ内部
から周辺部に向かって相対走査しつつ露光する場合につ
いて、周辺部のショット領域を露光する場合であって
も、フォーカス制御又はフォーカス制御及びレベリング
制御のフォーカス・レベリング制御が適切に行われる。
【0012】以上の場合、請求項3に記載のように、前
記使用状態にあるセンサが、前の処理で選択されていた
追従センサであってもよい。このときは、あらためてセ
ンサを選択することなく直ちに判定工程を行うことがで
きる。
【0013】以上の場合、請求項4に記載のように、セ
ンサの配列に伴って定まる調整工程が、前記使用状態に
あるセンサが、前記所定の走査方向に配列されたセンサ
を含む場合は、前記所定の走査方向の前記光軸直交面に
対する傾斜を調整する調整工程であり、前記所定の走査
方向に直交する方向に配列されたセンサを含む場合は、
前記所定の走査方向に直交する方向の前記光軸直交面に
対する傾斜を調整する調整工程としてもよい。このよう
な場合、センサの配列に応じて可能な傾斜調整をするこ
とができる。
【0014】以上の方法において、請求項5に記載のよ
うに、前記感応基板上のショット毎にショット形状を記
録したショットマップを用意し、該ショットマップに基
づいて前記判定工程の判定をしてもよい。
【0015】このようにすると、各ショットの形状と配
置等が事前に分かっていれば、それをショットマップに
情報として記憶しておき、その情報と使用する露光機の
センサの配置や応答速度等の露光機の特性等を組み合わ
せて、判定することができる。
【0016】請求項6に係る発明による走査型露光方法
は、レチクルと感応基板とを投影光学系に対して所定の
走査方向に相対移動しつつ、前記レチクルに形成された
パターンを投影光学系を介して前記感応基板上に逐次転
写する走査型露光方法であって;多点フォーカスセンサ
によって前記感応基板上の複数の検出点における前記感
応基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位置を検出す
るフォーカス検出工程と;前記感応基板を前記投影光学
系の光軸方向への駆動または前記光軸直交面に対して傾
斜駆動する基板駆動工程と;前記基板駆動工程における
感応基板の駆動を制御する制御工程と;前記感応基板上
のショット毎に所定のショット領域の露光終了位置にあ
る場合に検出可能なセンサを指定したマップを用意する
工程と;前記マップに基づいて使用状態にあるセンサの
配列を定める工程とを備え;前記制御工程は、前記セン
サの配列に伴って定まる調整工程であって、前記感応基
板の前記光軸方向位置のみを調整する調整工程か、前記
感応基板の光軸方向位置及び前記光軸直交面に対する傾
斜を調整する調整工程かのいずれかの調整工程を行う。
【0017】このように構成すると、例えば各ショット
の形状と配置及び使用する露光機のセンサの配置や応答
速度等の露光機の特性等が事前に分かっているときに
は、それらのデータに基づいて基板上のショット毎に所
定のショット領域の露光終了位置にある場合に検出可能
なセンサを指定したマップを用意することができ、その
マップに基づいて使用状態にあるセンサの配列を定める
ことができる。そして、制御工程は、そのようなセンサ
の配列によって、基板の前記光軸方向位置のみを調整す
る調整工程か、基板の傾斜を調整する調整工程かのいず
れかの調整工程を行うことにより、フォーカス検出工程
の検出結果に基づいて基板の駆動を制御することができ
る。
【0018】また、請求項7に記載のように、請求項1
記載の走査型露光方法では、前記判定工程の結果に基づ
いて、前記使用状態にあるセンサの配列を変更する自動
選択工程を有することとしてもよい。
【0019】この方法においては、請求項8に記載のよ
うに、前記自動選択工程では、所定の基準を充足するフ
ォーカスセンサを、所定の順番に従って選択するように
してもよい。
【0020】このように構成すると、所定の基準を例え
ば先頭行の最も内側と外側のように決めれば、センサの
カバーする幅を大きくとることができるのでレベリング
ができる可能性が高まり、また所定の順番を、例えばレ
ベリングに寄与するセンサを先に、単にフォーカスに寄
与するだけのセンサを後に選択するというように決めれ
ば、従来はあきらめていたレベリングも実行することが
できる。
【0021】請求項9に係る発明による露光装置は、図
1に示されるように、レチクルRと感応基板Wとを同期
して走査しながら、前記レチクルRのパターンを投影光
学系PLを介して前記基板W上のショット領域IA(図
2)に露光する露光装置100において;設定された複
数のフォーカスセンサS11〜S59(図3)によって前記
基板W上の複数の検出点における前記基板Wの前記投影
光学系PLの光軸AX方向の位置を検出するフォーカス
検出系40、42と;前記基板Wを前記光軸AX方向ま
たは前記光軸直交面に対して傾斜駆動する駆動機構21
と;前記フォーカスセンサと前記基板と前記ショット領
域との位置関係に基づいて、前記フォーカスセンサが検
出可能か否かを判定する判定部とを有する。
【0022】この場合、請求項10に記載のように、前
記判定部は、前記判定結果に基づいて前記基板の前記光
軸方向の位置と、前記基板の光軸方向の位置及び前記傾
斜とのいずれか一方を調整するように構成されていても
よい。
【0023】さらにこの場合、請求項11に記載のよう
に、前記判定部は、前記基板の周辺部に位置するショッ
ト領域の形状に基づいて、前記フォーカスセンサの設定
を変更するように構成してももよい。
【0024】さらにこの場合、請求項12に記載のよう
に、前記判定部は、前記ショット領域の両端の前記走査
方向の長さの差に基づいて前記フォーカスセンサの設定
を変更するように構成してもよい。
【0025】請求項13に係る発明による素子製造方法
は、レチクルと感応基板とを同期して走査しながら、前
記レチクルのパターンを前記基板上のショット領域に露
光することで前記基板上に半導体素子を製造する素子製
造方法において;複数のフォーカスセンサによって、前
記基板上の複数の検出点におけるフォーカス位置を検出
し、前記基板をフォーカス方向への駆動または前記基板
面を傾斜駆動すること;前記フォーカスセンサと前記基
板と前記ショット領域との位置関係に基づいて、前記フ
ォーカスセンサが検出可能か否かを判定すること;前記
判定結果に基づいて決定された前記フォーカスセンサを
使って前記基板の前記光軸方向の位置と前記基板の傾斜
との少なくとも一方を調整すること;前記調整後の基板
に前記レチクルのパターンを露光することを特徴とす
る。
【0026】このようにすると、例えば基板の周辺領域
においても、可能な限りフォーカス制御あるいはレベリ
ング制御が適切になされ、全体的に露光精度とスループ
ットの両立を図りながら半導体等の素子の製造ができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施に適した走査
型露光装置及び本発明の実施形態を図1ないし図30を
参照して説明する。
【0028】図1には、本発明の実施に適した走査型露
光装置100の概略的な構成が示されている。この走査
型露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキ
ャン露光方式の投影露光装置である。
【0029】この走査型露光装置100は、光源1及び
照明光学系(2、3、5〜7)を含む照明系、マスクあ
るいはレチクル(以下単に「レチクル」と呼ぶ)Rを保
持するレチクルステージRST、投影光学系PL、感応
基板としてのウエハWを保持して、投影光学系の光軸に
平行なZ軸に直交するXY平面内をXY2次元方向に移
動する基板テーブル18を備えたXYステージ装置1
4、及びこれらの制御系等を備えている。
【0030】前記照明光学系は、光源1、コリメータレ
ンズ、フライアイレンズ等(いずれも図示せず)からな
る照度均一化光学系2、リレーレンズ3、レチクルブラ
インド5、リレーレンズ6及び折り曲げミラー7(この
内、照度均一化光学系2、リレーレンズ3、6及び折り
曲げミラー7によって照明光学系が構成される)等を含
んで構成されている。
【0031】ここで、この照明系の構成各部についてそ
の作用とともに説明すると、光源1で発生した露光光と
しての照明光ILは不図示のシャッターを通過した後、
照度均一化光学系2により照度分布がほぼ均一な光束に
変換される。照明光ILとしては、例えばKrFエキシ
マレーザ光やArFエキシマレーザ光あるいはF2エキ
シマレーザー等のエキシマレーザ光、銅蒸気レーザやY
AGレーザの高調波、あるいは超高圧水銀ランプからの
紫外域の輝線(g線、i線等)等が用いられる。
【0032】照度均一化光学系2から水平に射出された
光束は、リレーレンズ3を介して、レチクルブラインド
5に達する。このレチクルブラインド5は、2枚の可動
ブレード45A、45Bを有する可動ブラインド(以
下、この可動ブラインドを適宜「可動ブラインド45
A、45B」と呼ぶ)と、この可動ブラインド45A、
45Bの近傍に配置された開口形状が固定された固定ブ
ラインド46とから構成される。可動ブラインド45
A、45Bの配置面はレチクルRのパターン面と共役と
なっている。固定ブラインド46は、例えば4個のナイ
フエッジにより矩形の開口を囲んだ視野絞りであり、そ
の矩形開口の上下方向の幅が可動ブラインド45A、4
5Bによって規定されるようになっており、これにより
レチクルRを照明するスリット状の照明領域IAR(図
2参照)の幅を所望の大きさに設定できるようになって
いる。可動ブラインド45A、45Bは、可動ブライン
ド駆動機構43A、43Bによって開閉方向に駆動され
るようになっており、この駆動機構43A、43Bの動
作が不図示のメモリに格納されたプロセスプログラムと
呼ばれるファイル内のマスキング情報に応じて主制御装
置20によって制御されるようになっている。
【0033】レチクルブラインド5を通過した光束は、
リレーレンズ6を通過して折り曲げミラー7に至り、こ
こで鉛直下方に折り曲げられて回路パターン等が描かれ
たレチクルRの照明領域IAR部分を照明する。
【0034】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチク
ルステージRSTは、レチクルRの位置決めのため、照
明光学系の光軸IX(後述する投影光学系PLの光軸A
Xに一致)に垂直な平面内で2次元的に(X軸方向及び
これに直交するY軸方向及びXY平面に直交するZ軸回
りの回転方向に)微少駆動可能に構成されている。
【0035】また、このレチクルステージRSTは、不
図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示省略)により、所定の走査方向
(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で移
動可能となっている。このレチクルステージRSTは、
レチクルRの全面が少なくとも照明光学系の光軸IXを
横切ることができるだけの移動ストロークを有してい
る。
【0036】レチクルステージRST上にはレチクルレ
ーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16か
らのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されてお
り、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置
はレチクル干渉計16によって、例えば0.5〜1nm
程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レ
チクルステージRST上には走査方向(Y軸方向)に直
交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方向)
に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レチク
ル干渉計16は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設
けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡1
5、レチクル干渉計16として示されている。
【0037】レチクル干渉計16からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
して主制御装置20に送られ、ステージ制御系19では
主制御装置20からの指示に応じてレチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0038】なお、不図示のレチクルアライメント系に
より所定の基準位置にレチクルRが精度良く位置決めさ
れるように、レチクルステージRSTの初期位置が決定
されるため、移動鏡15の位置をレチクル干渉計16で
測定するだけでレチクルRの位置を十分高精度に測定し
たことになる。
【0039】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れ、ここでは両側テレセントリックな光学配置となるよ
うに光軸AX方向に沿って所定間隔で配置された複数枚
のレンズエレメントから成る屈折光学系が使用されてい
る。この投影光学系PLは所定の投影倍率、例えば1/
5(あるいは1/4)を有する縮小光学系である。この
ため、照明光学系からの照明光ILによってレチクルR
の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通
過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチ
クルRの回路パターンの縮小像が表面にフォトレジスト
が塗布されたウエハW上に形成される。
【0040】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方
向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステー
ジ16上をY軸方向と直交するX軸方向(図1における
紙面直交方向)に往復移動可能なXステージ12と、こ
のXステージ12上に設けられた基板テーブル18とを
有している。また、基板テーブル18上に、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によって感応
基板としてのウエハWが真空吸着によって保持されてい
る。
【0041】基板テーブル18は、Xステージ12上に
XY方向に位置決めされかつZ軸方向の移動及び傾斜が
許容された状態で取り付けられている。そして、この基
板テーブル18は、異なる3点の支持点で不図示の3本
の軸によって支持されており、これら3本の軸がウエハ
駆動装置21によって独立してZ軸方向に駆動され、こ
れによって基板テーブル18上に保持されたウエハWの
面位置(Z軸方向位置及びXY平面に対する傾斜)が所
望の状態に設定されるようになっている。
【0042】基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉
計(以下、「ウエハ干渉計」という)31からのレーザ
ビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置さ
れたウエハ干渉計31により、基板テーブル18のXY
面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常
時検出されている。
【0043】ここで、実際には、基板テーブル18上に
は走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移
動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有
する移動鏡とが設けられ、ウエハ干渉計31は走査方向
に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計31とし
て示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動装置21(これは、Xステージ1
2、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18の駆
動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xステー
ジ12を制御する。
【0044】また、基板テーブル18上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された基準マー
ク板FMが固定されている。本実施形態の走査型露光装
置100においては、図2に示されるように、レチクル
Rの走査方向(Y軸方向)に対して垂直な方向に長手方
向を有する長方形(スリット状)の照明領域IARでレ
チクルRが照明され、レチクルRは露光時に−Y方向に
速度VR で走査(スキャン)される。照明領域IAR
(中心は光軸AXとほぼ一致)は投影光学系PLを介し
てウエハW上に投影され、照明領域IARに共役なスリ
ット状の投影領域、すなわち露光領域IAが形成され
る。ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるた
め、ウエハWは速度VR の方向とは反対方向(+Y方
向)にレチクルRに同期して速度VW で走査され、ウエ
ハW上のショット領域SAの全面が露光可能となってい
る。走査速度の比VW /VR は正確に投影光学系PLの
縮小倍率に応じたものになっており、レチクルRのパタ
ーン領域PAのパターンがウエハW上のショット領域S
A上に正確に縮小転写される。照明領域IARの長手方
向の幅は、レチクルR上のパターン領域PAよりも広
く、遮光領域STの最大幅よりも狭くなるように設定さ
れ、走査(スキャン)することによりパターン領域PA
全面が照明されるようになっている。
【0045】この走査型露光装置100では、上記の走
査露光の際に、不図示のアライメント検出系の検出信号
に基づいて主制御装置20によりステージ制御系19及
びウエハ駆動装置21等を介してレチクルRとウエハW
との位置合わせ(アライメント)が行なわれ、また、後
述する多点フォーカス位置検出系の検出信号に基づい
て、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影光
学系PLに関して共役となるように、かつ投影光学系P
Lの結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表面が
投影光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に入
る)ように、主制御装置20によりステージ制御系19
及びウエハ駆動装置21を介して基板テーブル18がZ
軸方向及び傾斜方向に駆動制御されて面位置の調整(合
わせ面の設定)が行なわれる。
【0046】本走査型露光装置100では、上記のよう
なウエハW上のショット領域に対する走査露光によるレ
チクルパターンの転写と、次ショット領域の走査開始位
置へのステッピング動作とを繰り返し行なうことによ
り、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行なわ
れ、ウエハW上の全ショット領域にレチクルパターンが
転写されるようになっている。
【0047】更に、本走査型露光装置では、ウエハW表
面の前記露光領域IA内部分及びその近傍の領域のZ方
向(光軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式
のフォーカス検出系(焦点検出系)の一つである多点フ
ォーカス位置検出系が設けられている。この多点フォー
カス位置検出系は、図1に示されるように、光ファイバ
束81、集光レンズ82、パターン形成板83、レンズ
84、ミラー85及び照射対物レンズ86から成る照射
光学系40と、集光対物レンズ87、回転方向振動板8
8、結像レンズ89、受光用スリット板98及び多数の
フォトセンサを有する受光器90から成る受光光学系4
2とから構成されている。
【0048】ここで、この多点フォーカス位置検出系
(40、42)の構成各部について、その作用とともに
説明する。露光光とは異なるウエハW上のフォトレジス
トを感光させない波長の照明光が、図示しない照明光源
から光ファイバ束81を介して導かれている。光ファイ
バ束81から射出された照明光は、集光レンズ82を経
てパターン形成板83を照明する。
【0049】このパターン形成板83上には不図示の4
5個のスリット状の開口パターンが5行9列のマトリッ
クス状配置で形成されており、パターン形成板83の各
スリット状の開口パターンを透過した照明光(開口パタ
ーンの像光束)はレンズ84、ミラー85及び照射対物
レンズ86を経てウエハWの露光面に投影され、ウエハ
Wの露光面にはパターン形成板83上の5×9、合計4
5個のスリット状の開口パターンの像が投影結像され
る。ここで、実際には、照射光学系40からの開口パタ
ーンの像光束は、YZ平面、XZ平面に対し45度を成
す平面内で光軸AXに対して所定角度α傾斜した方向か
らウエハW面(又は基準マーク板FM表面)に照射され
る。
【0050】このため、ウエハW表面の露光領域IA近
傍には、図3に示されるように、5行9列のマトリクス
状配置で5×9、合計45個のX軸、Y軸に対して45
度傾斜したスリット状の開口パターンの像(以下、適宜
「スリット像」という)S11〜S59が、X軸、Y軸方向
に沿ってほぼ等間隔で形成される。これらのスリット像
11〜S59の光束のウエハW面からの反射光束が、光軸
AXに対して前記照射光学系40からの像光束と対称に
所定角度α傾斜した方向に進んで、集光対物レンズ8
7、回転方向振動板88及び結像レンズ89を経て受光
器90の手前側に配置された受光用スリット板98上に
再結像される。
【0051】これを更に詳述すると、受光器90上には
スリット像S11〜S59に対応して5行9列のマトリクス
状に45個のフォトセンサD11〜D59(図4参照)が配
列されており、この受光器90の前面(図1における下
面)に配置された受光用スリット板98には各フォトセ
ンサDに対向してスリットがそれぞれ形成されており、
これらのスリット上にそれぞれ図3に示されるスリット
像S11〜S59がそれぞれ再結像される。
【0052】ここで、主制御装置20には発振器(OS
C.)が内蔵されており、主制御装置20によりOS
C.からの駆動信号でドライブされる加振装置92を介
して回転方向振動板88に所定の振動が与えられると、
受光用スリット板98上では再結像された各像の位置が
所定方向(スリット板98の各スリットの長手方向と直
交する方向)に振動する。これにより、各フォトセンサ
11〜D59の検出信号がセンサ選択回路93を介して信
号処理装置91により、回転振動周波数の信号で同期検
波される。そして、この信号処理装置91により同期検
波して得られた多数のフォーカス信号が主制御装置20
に供給される。なお、センサ選択回路93及び信号処理
装置91については後述する。なお、結像レンズ89と
スリット板98との間に、スリット板98上のスリット
とウエハWからの反射スリット像の振動中心との相対関
係を、スリット板98の各スリットの長手方向と直交す
る方向)にシフトさせるプレーンパラレルを配置しても
良い。
【0053】以上の説明から明らかなように、本走査型
露光装置の場合、ウエハW上の検出点である各スリット
像S11〜S59と受光器90上の各フォトセンサD11〜D
59とは1対1で対応し、各スリット像の位置のウエハ表
面のZ位置の情報(フォーカス情報)が各フォトセンサ
Dからの出力であるフォーカス信号に基づいて得られる
ので、以下の説明では便宜上スリット像S11〜S59を特
に別の必要がない限りフォーカスセンサと呼ぶものとす
る。
【0054】そして、フォーカスセンサS11〜S59
内、図3における露光領域IA内に位置する第2行目の
フォーカスセンサS21〜S29、第3行目のフォーカスセ
ンサS 31〜S39及び第4行目のフォーカスセンサS41
49の出力は、露光領域IA内の面位置設定のため基板
テーブル18の追従制御に用いられるので、これら3行
のフォーカスセンサをそれぞれ追従センサ103a、1
03b、103cと呼ぶ。また、これら3行のフォーカ
スセンサ103a、103b、103cを纏めて追従セ
ンサ103と呼ぶ。
【0055】また、本実施形態では、露光領域IAの外
側に所定距離だけ離れた位置に配置された第1行目のフ
ォーカスセンサS11〜S19、第5行目のフォーカスセン
サS51〜S59の出力は、次のフォーカス状態を予測する
ため、すなわちウエハW表面が+Z方向又は−Z方向の
いずれの方向に変化するかの予測のためにのみ用いられ
るので、これら2行のフォーカスセンサをそれぞれ先読
みセンサ102a、102bと呼ぶ。なお、各先読みセ
ンサ102a、102bを、追従センサ103と同様に
それぞれ複数行のセンサで構成しても良く、このように
した場合には、レベリングに関する予測も可能になる。
【0056】次に、センサ選択回路93及び信号処理装
置91の構成について、図4に基づいて説明する。この
図4には、センサ選択回路93と信号処理装置91とが
受光器90とともに概略的に示されている。この内、セ
ンサ選択回路93は、スイッチ部AS と、レジスタ部R
S とから成り、スイッチ部AS 内には逆バイアス電圧が
印加されたフォトセンサ(ここではフォトダイオード)
11、D12、……D59のP側に一方の固定接点がそれぞ
れ接続された切替スイッチSA1 〜SA45と、各切替ス
イッチSA1 〜SA45の可動接点(共通接点)とn本の
出力線O1 〜On との間に設けられた(45×n)個の
開閉スイッチSB1-1 、SB1-2 、SB1-3 、……、S
45-nとが配置されている。各切替スイッチSA1 〜S
45の他方の固定接点は接地されている。また、フォト
センサD11〜D59のN側は不図示の電源回路に接続され
ている。また、n本の光電変換信号の出力線O1 〜On
のそれぞれは、これらの出力線に対応して設けられた信
号処理回路941 〜94nにそれぞれ接続されている。
【0057】このため、例えば、切替スイッチSA1
フォトセンサD11側に切り替え、開閉スイッチSB1-1
をオンにすると、フォトセンサD11が受光する光の強さ
に比例した強さの逆電流(光電流、すなわち光電変換信
号)が、フォトセンサD11→スイッチSA1 →スイッチ
SB1-1 の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回
路941 によって検出され、デジタル信号に変換されて
信号出力回路95に送出される。また、例えば、切替ス
イッチSA45をフォトセンサD59側に切り替え、開閉ス
イッチSB45-nをオンにすると、フォトセンサD59が受
光する光の強さに比例した強さの逆電流(光電流)が、
フォトセンサD59→スイッチSA45→スイッチSB45-n
の順に閉回路内を流れ、この電流が信号処理回路94n
によって検出され、デジタル信号に変換されて、信号出
力回路95に送出される。このように、本装置では、切
替スイッチSAと開閉スイッチSBとの任意の組み合わ
せをオンにすることにより、任意のフォトセンサDの受
光する光の強さに応じた光電流を所望の出力線Oを介し
て取り出すことが可能になっている。
【0058】レジスタ部Rs 内には、切替スイッチSA
1 〜SA45にそれぞれ対応して設けられた45個の第1
レジスタRS1 〜RS45と、開閉スイッチSB1-1 〜S
45 -nに対応してn個ずつ45組設けられた第2レジス
タRSS1-1 〜RSS45-nとが配置されている。第1レ
ジスタRS1 〜RS45は、同一のラインL1 に共通に
接続され、第2レジスタRSS1-1 〜RSS45-nは、同
一のラインL2 に共通に接続されている。従って、例え
ば、フォトセンサD11の出力を出力線O1 に出力させる
には、ラインL1 にデータ(Data)1(「1,0,
0,………,0」)を入力し、ラインL2 にデータ(D
ata)2(「1,0,0,0,0,0,0、0,0,
0,0,0,0,0、………、0,0,0,0,0,
0,0」)を入力すれば良い。これにより、第1レジス
タRS1 と第2レジスタRSS1-1とが「1」で、その
他のレジスタは0となり、切替スイッチSA1 がフォト
センサD11側に切り替えられ、開閉スイッチSB1-1
オンとなって、フォトセンサD11の出力が出力線O1
に出力される。このように、本装置では、主制御装置2
0からラインL1 、ラインL2 を介してレジスタ部Rs
内に入力されるデータ1,データ2の内容によって、所
望のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわち
これに対応する信号処理回路94に出力させることがで
きる。従って、例えばn=45である場合には、各フォ
トセンサDを各別に信号処理回路941〜94n にそれ
ぞれ独立して接続することにより主制御装置20では露
光領域IA及びその前後の検出領域内の個々の検出点で
あるフォーカスセンサ位置の光軸方向位置を演算するこ
とができる。
【0059】信号処理装置91は、出力線O1 〜On
それぞれ接続されたn個の信号処理回路941 〜94n
を備えている。各信号処理回路94には同期検波回路
(PSD)が内蔵されており、このPSDにはOSC.
からの駆動信号と同じ位相の交流信号が入力されてい
る。そして、各信号処理回路94では、各出力線からの
信号を上記の交流信号の位相を基準としてそれぞれ同期
整流(同期検波)を行ない、ウエハW上の各スリット像
11〜S59の場所のZ軸方向位置(フォーカス位置)に
対応する焦点位置検出信号(フォーカス信号)FSを生
成する。そして、信号処理回路941 〜94n からのフ
ォーカス信号FSは、出力回路95によりデジタル変換
され、シリアルデータとして主制御装置20に出力され
るようになっている。
【0060】ところで、各フォーカス信号FSは、いわ
ゆるSカーブ信号と呼ばれ、受光用スリット板98のス
リット中心とウエハWからの反射スリット像の振動中心
とが一致したときに零レベルとなり、ウエハWがその状
態から上方に変位しているときは正のレベル、ウエハW
が下方に変位しているときは負のレベルになる信号であ
る。従って、各フォーカス信号FSにオフセットが加え
られていない状態では、主制御装置20によって、各フ
ォーカス信号FSが零レベルになるウエハWの高さ位置
(光軸方向位置)が合焦点としてそれぞれ検出されるこ
とになる。
【0061】前述したように、本装置においては、所望
のフォトセンサDの出力を所望の出力線O、すなわちこ
れに対応する信号処理回路94に出力させることがで
き、例えば、複数のフォトセンサDが同一出力先に設定
された場合には、その出力先として指定された(選択さ
れた)信号処理回路94ではフォトセンサ出力の合成信
号を回転振動周波数の信号で同期検波し、その複数のフ
ォトセンサの出力の合成信号に対応するフォーカス信号
のデジタル変換データが主制御装置20に出力される。
【0062】先に述べた通り、先読みセンサ102a、
102bは、次のフォーカス状態を予測するためにのみ
用いられているので、以下の説明においては、先読みセ
ンサ102aの各フォーカスセンサに対応するフォトセ
ンサD11〜D19、先読みセンサ102bの各フォーカス
センサに対応するフォトセンサD51〜D59は、ぞれぞれ
同一出力先である出力線O1 、出力線On に出力されて
いるものとする。また、追従センサ103を構成する各
フォーカスセンサに対応するフォトセンサD21〜D29
31〜D39、D41〜D49を、それぞれ異なる出力線O2
〜O(n-1)に個別に接続可能にするため、例えばn>2
9であるものとする。
【0063】さらに、本装置の走査型露光装置100で
はウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン
を投影露光する際のフォーカス・レベリング制御の方法
として次の異なる3つのモードの制御方法が行なわれ
る。
【0064】すなわち、第1の制御方法は、追従センサ
103を構成する各フォーカスセンサに対応するフォー
カス信号に基づいて基板テーブル18をZ駆動及びX方
向及びY方向に傾斜駆動する通常のオートフォーカス・
オートレベリング制御である。
【0065】第2の制御方法は、追従センサ103を構
成する複数のフォーカスセンサに対応するフォーカス信
号に基づいて基板テーブル18をZ駆動及びX方向に傾
斜駆動する変則的なオートフォーカス・レベリング制御
である。
【0066】第3の制御方法は、追従センサ103を構
成する1又は2以上のセンサに対応するフォーカス信号
に基づいて基板テーブル18をZ駆動のみするオートフ
ォーカス制御である。
【0067】ここで、上記第1〜第3の制御方法の判定
を含む走査露光時の主制御装置20のフォーカス・レベ
リング制御について、以下図を参照して説明する。図5
〜図9に示されるフローチャートは、実際には、露光処
理プログラムの一部であり、例えば、各ショット領域の
露光開始に先立って、1ショット露光の度毎に繰り返し
行われるが、1枚のウエハWの露光をする前にフローチ
ャートに示されるプログラムを実行し、制御方法モード
を各ショット毎に前もって決めてしまい、それに従って
ウエハW全体の露光を実行するようにしてもよい。
【0068】図5は、本発明の第1の実施の形態を示す
フロー図である。図中ステップSP0において、種々の
初期設定を露光前にオペレータ入力、もしくはプロセス
プログラムへの書き込みによって制御装置20に登録す
る。本実施の形態では、前述のセンサ選択回路93で選
択されるセンサの初期指定と、後述するステップSP2
3、SP34A等におけるセンサ自動選択のアルゴリズ
ムを初期設定する。すなわち、ステップSP23、SP
34A等において、センサの数を自動選択する場合は
「1」、自動選択しない場合は「2」を設定する。
【0069】ここでは、追従センサとして図3のS2
2、S28、S42、S48、S35、先読みセンサと
して、S52、S55、S58(内外用)、S12、S
15、S18(外内用)が指定されている。露光で使用
状態に置くことのできるセンサの上限値は、制御装置2
0に例えば9個〜20個のいずれかを設定する。例えば
初期指定センサを追従センサ5個と先読みセンサ3個の
計8個とし、上限9個の範囲内で使用する。したがっ
て、内外スキャンの場合には、追従センサ5個と内外用
先読みセンサ3個(S52、S55、S58)が初期指
定され、外内スキャンの場合には、追従センサ5個と外
内用先読みセンサ3個(S12、S15、S18)が初
期指定される。
【0070】次に、ステップSP1において、露光対象
のショット領域がウエハWの周辺部のショット領域であ
るか否かを判断する。このステップSP1における判断
は、予め定められたショットの露光順序とショットマッ
プ等に基づいて行われる。この判断が否定された場合
は、ステップSP13に移行し、そのショット領域の走
査露光中に、多点フォーカス位置検出系(40、42)
の追従センサ103からの各フォーカス信号に基づいて
ステージ制御系19を介してウエハ駆動装置21を制御
して、基板テーブル18をX、Yチルト(傾斜)及びZ
方向の位置制御をする通常のオートフォーカス・オート
レベリング(自動傾斜)制御を行った後、本ルーチンの
処理を終了する。
【0071】一方、ステップSP1の判断が肯定された
場合は、ステップSP2に進んで当該ショット領域の露
光の際に露光領域IAがウエハWの内部から外周部に向
かって相対走査されるか否かを判断する。
【0072】そして、この判断が否定された場合は、ス
テップSP41へ移行する。ステップSP41以降の処
理については後述する。
【0073】一方、ステップSP2の判断が肯定された
場合には、次のステップSP3に進み、本発明でいう使
用状態にある追従センサである初期設定された追従セン
サ(内外スキャンに関し、最後行の追従センサ)がショ
ット領域の露光終了位置にあるとき、該初期設定された
全ての追従センサが検出可能か否かを判断する。すなわ
ち、初期設定にしたがって指定された追従センサの全て
がウエハWの有効領域内に位置しているか否かを判断す
る。
【0074】この判断は、ウエハエッジ座標と、ショッ
トマップ等によりウエハエッジからどのくらいの距離の
所にそのショット領域があるかがわかり、また走査終了
位置とフォーカスセンサとの相対位置関係がわかってい
るので、これらに基づいて、全てのセンサがウエハWの
有効領域にあるか否かでなされる。ここで、ウエハWの
有効領域とは、ウエハWの周辺部に通常パターン禁止帯
が設けられているので、その内部を意味し、したがって
ウエハエッジとは、このパターン禁止帯の内側を指す。
【0075】そして、上記ステップSP3における判断
が肯定された場合には、ステップSP13に移行し、基
板テーブル18をX、Yチルト(傾斜)及びZ方向の位
置制御をする通常のオートフォーカス・オートレベリン
グ(自動傾斜)制御をする。
【0076】一方、ステップSP3における判断が否定
された場合には、ステップSP21(図6)に移行す
る。ステップSP21では、Y方向(スキャン方向)の
傾斜制御はあきらめ、X方向の傾斜制御及びフォーカス
制御の可否を判断するために、先読みセンサと最前行の
追従センサ(内外スキャンに関し、最前行の追従セン
サ)のみを有効と設定する。そして、ステップSP22
に進む。
【0077】ステップSP22では、判定位置即ち最前
行の追従センサが露光終了位置にあるときに、ステップ
SP21で設定されたセンサの内、フォーカス可能な追
従センサが少なくとも1つあるか否かを判断する。この
判断が肯定されたときは、使用可能なセンサのみを有効
に設定する(ステップSP23)。
【0078】ここで、ステップSP0の初期設定がセン
サを自動選択する(増加する)「1」に設定されている
場合は、ステップSP22で指定された追従センサの幅
(X方向に関する指定追従センサの最大幅)内で検出
(フォーカス)可能となる追従センサを判定し、該検出
可能と判定された追従センサと同列に位置する先読みセ
ンサ(検出可能な追従センサと対になる先読みセンサ)
と検出可能な追従センサとの組みを有効にする。
【0079】一方、ステップSP0の初期設定がセンサ
を自動選択しない(増加しない)「2」に設定されてい
る場合は、ステップSP22で有効と判定された追従セ
ンサ及び該有効と判定された追従センサと対になる先読
みセンサの組みを有効に設定する。
【0080】内から外へのショットでは、先読みセンサ
がウエハWの外縁近く或いはウエハWの外側になり、先
読みセンサがフォーカス制御不能になっても追従センサ
は連動せずに独立してフォーカス制御可能であるので、
追従センサが露光領域内にあるときだけフォーカスが保
証されればよい。しかしながら、先読みセンサと追従セ
ンサは組で使用するのが好ましいので前記のような選定
のしかたをする。
【0081】次にステップSP24では、そのようにし
て有効に設定された(追従)センサ中に、X方向の傾斜
制御を行うのに十分な間隔をもってX方向に配列された
センサが含まれているかを判定し(ステップSP2
4)、含まれている場合はX方向の傾斜制御を行い(ス
テップSP25)、かつZ方向の位置制御を行い(ステ
ップSP26)、X方向に配列されたセンサが無くX方
向傾斜制御ができない場合はZ方向の位置制御を行う
(ステップSP26)。
【0082】ステップSP22で、検出可能な追従セン
サがないと判定されたときには、図7のステップSP3
1に進み、フォーカス可、傾斜制御不可と設定する。こ
こではショットの露光領域内でフォーカス可能な瞬間が
あるか否かを判定するものである。可能な瞬間があれば
それを利用して露光する。これは、ウエハWの周辺領域
のショットは、その領域のショットを製品として生かす
(場合もあり得るが)よりも、それに隣接するショット
の露光を完全なものとするために、できるだけ良好な露
光をしておきたいとの要請に基づいて行われることが多
い。そのため、露光できるところはできるだけ露光しよ
うとの発想に基づいている。
【0083】次にステップSP32に進み、露光領域の
Y方向の2辺の長さを計算し、長い辺にフォーカスをか
けるために十分な長さがあるか否かを判定する。ここ
で、長い辺をYロングと、短い辺をYショートと呼ぶ。
【0084】Yロングにフォーカスをかけるに十分な長
さがないときは全センサが使用不可であり、傾斜制御は
もちろんのこと、Z方向位置制御もできないので、フォ
ーカスは行われない。しかし、この場合でも前述のでき
るだけ露光しようとの発想に基づいて露光は行われた上
で本ルーチンは終了となる。
【0085】Yロングにフォーカスをかけるに十分な長
さがあると判定されたときは、とにかく露光中にフォー
カス可能となるセンサが存在していることが分かるの
で、ステップSP33に進む。ここでは、YロングとY
ショートの長さを比較し、差があまりない、即ちフォー
カスできる領域の形状がほぼ四角形であると言えるとき
はステップSP34に進む。ここでは、センサを横(X
方向)1行のみ有効にする。本実施例では、露光領域開
始端でフォーカス可能な先読みセンサを追従センサに、
フォーカス不可能な先読みセンサと追従センサを無効に
設定することにより、横1行のセンサのみを有効にして
いる。
【0086】次にステップSP34Aに進む。ここで、
図5のステップSP0での初期設定が「1」か否かを判
定する。このステップSP34Aでの判定が肯定された
場合は、ステップSP34Bに進み、初期指定された先
読みセンサのX方向の幅内の1行すべての先読みセンサ
を追従センサとして有効に設定し、ステップSP35に
進む。ステップSP34Aでの判定が否定された場合
は、有効なセンサの数を増やすことなくステップSP3
5に進む。
【0087】そのように設定して、次に有効なセンサを
使ってフォーカスを行いZ方向の位置制御をした上で
(ステップSP35)露光することになる。
【0088】ステップSP33で、YロングとYショー
トの長さの差が大きいと判定されたときは、そのショッ
トの露光領域は実質的に三角形をしていると判定し、ス
テップSP36に進み、ウエハWの内部寄りの先読みセ
ンサと追従センサの一組のみを有効と設定する。
【0089】その後ステップSP35に進み、その有効
なセンサを使ってフォーカスを行いZ方向の位置制御を
した後露光することになる。
【0090】その後、現像、エッチング、ドーピング等
のプロセスを経てコータデベロッパでレジストを塗布し
た後、露光を行う。これらの一連の動作を繰り返して半
導体素子を製造する。
【0091】さて図5のステップSP2において否定的
判定がされた場合、即ち外側から内側に走査される場合
に、ステップSP41に進む(図8)。このステップS
P41は、Y方向の傾斜制御が可能であるか否かを判定
する工程である。言い換えれば、Y方向の傾斜制御が可
能な最低限の助走距離だけ離れた位置でフォーカスが可
能か(センサが検出可能か)を判定する。
【0092】本実施の形態では、ステップSP41で、
最前行の追従センサと露光領域の露光開始位置がa1
け離れた状態で初期指定された全ての追従センサが検出
可能かを判定する。ここで可能の判定がされたときに
は、ステップSP13(図5)に進み、先に図5で説明
したように、X、Yチルト(傾斜)及びZ方向の位置制
御を行う。ここで、距離a1 はY方向傾斜制御するのに
必要とされる最前行の追従センサ(外→内スキャンの最
前行の追従センサ)を基準とした距離であり、各センサ
間距離や露光機の応答速度などによって定まる値であ
る。
【0093】ステップSP41の判定が否定的であっ
た、即ち一つでも検出できないセンサがあると判定され
たときには、Y方向傾斜制御は断念し、X方向の傾斜制
御ができるか否かを判定する。そのために、X方向傾斜
制御するために最低限必要な助走距離だけ手前でフォー
カスが可能か否かを判定することになる。このときはY
方向傾斜制御は断念しているのでY方向に多くのセンサ
を使うことは無意味となるので、先読みセンサと最前行
の追従センサだけを有効に設定する(ステップSP4
2)。そしてステップSP43に進む。
【0094】ステップSP43では、最前行の追従セン
サと露光開始位置とがa2 だけ離れた状態で前の処理で
選択された追従センサの中で検出可能なものがあるか否
かを判定する。外から内の走査では追従センサが先読み
センサよりもウエハWの外側にあるので、追従センサが
検出できると保証されていれば、先読みセンサも検出可
能とみなすことができる。したがって、ここで判定対象
とするのは追従センサのみでよい。
【0095】ここで、距離a2 はX方向傾斜制御するの
に必要とされる最前行の追従センサ(外→内スキャンの
最前行の追従センサ)を基準とした距離であり、各セン
サ間距離や露光機の応答速度などによって定まる値であ
る。(判定位置を距離a1 でみるか距離a2 でみるか
は、センサ追加のアルゴリズムには依存せず、何の判定
のために処理をしているか(X方向傾斜制御かXY方向
傾斜制御か)に依存する。)ステップSP43の判定が
肯定的なときは、即ちa2 だけ離れた位置で検出可能な
追従センサがあると判定されたときには、ステップSP
23(図6)に進む。ステップSP23以降は、図6を
参照して説明したように、X方向の傾斜制御の可否を判
定し、その判定結果によりX方向傾斜制御とZ方向の位
置制御、あるいはZ方向位置制御のみを行う。
【0096】ステップSP43の判定が否定的なとき
は、即ちa2 だけ離れた位置で検出可能な追従センサが
無いと判定されたときには、ステップSP100(図
9)に進む。
【0097】ステップSP43で、検出可能なセンサが
ないと判定されたときには、図9のステップSP100
に進み、フォーカス追従可、傾斜制御不可と設定する。
ここではショットの露光領域内でフォーカス可能な瞬間
があるか否かを判定するものである。可能な瞬間があれ
ばそれを利用して露光する。これは、図7のステップ3
1の場合と同様にウエハWの周辺領域のショットは、そ
の領域のショットを製品として生かす(場合もあり得る
が)よりも、それに隣接するショットの露光を完全なも
のとするために、できるだけ良好な露光をしておきたい
との要請に基づいて行われることが多い。そのため、露
光できるところはできるだけ露光しようとの発想に基づ
いている。
【0098】次にステップSP101に進み、露光領域
のY方向の2辺の長さを計算し、長い辺にフォーカスを
かけるために十分な長さがあるか否かを判定する。ここ
で、長い辺をYロングと、短い辺をYショートと呼ぶ。
【0099】Yロングにフォーカスをかけるに十分な長
さがないときは全センサが使用不可であり、傾斜制御は
もちろんのこと、Z方向位置制御もできないので、フォ
ーカスは行われない。しかし、この場合でも前述のでき
るだけ露光しようとの発想に基づいて露光は行われた上
で本ルーチンは終了となる。
【0100】Yロングにフォーカスをかけるに十分な長
さがあると判定されたときは、とにかく露光中にフォー
カス可能となるセンサが存在していることが分かるの
で、ステップSP102に進む。ここでは、Yロングと
Yショートの長さを比較し、差があまりない、即ちフォ
ーカスできる領域の形状がほぼ四角形であると言えると
きはステップSP103に進む。ここでは、センサを横
(X方向)1行のみ有効にする。本実施例では、露光領
域終了端でフォーカス可能な先読みセンサを追従センサ
に、フォーカス不可能な先読みセンサと追従センサを無
効に設定することにより、横1行のセンサのみを有効に
している。
【0101】そして図7のステップSP34Aに進む。
ステップSP34A以降は、図7を参照して説明したよ
うに、初期設定「1」の場合はステップSP34Bに進
んでセンサを増やしてステップSP35に進む。初期設
定「1」でない場合は、センサを増やすことなくステッ
プSP35に進む。
【0102】そのように設定して、次に有効なセンサを
使ってフォーカスを行いZ方向の位置制御をした上で
(ステップSP35)露光することになる。
【0103】ステップSP102で、YロングとYショ
ートの長さの差が大きいと判定されたときは、そのショ
ットの露光領域は実質的に三角形をしていると判定し、
ステップSP36に進み(図7)、ウエハWの内部寄り
(中心寄り)の先読みセンサと追従センサの一組(一
列)のみを有効と設定する。
【0104】その後ステップSP35に進み、その有効
なセンサを使ってフォーカスを行いZ方向の位置制御を
した後露光することになる。
【0105】その後、現像、エッチング、ドーピング等
のプロセスを経てコータデベロッパでレジストを塗布し
た後、露光を行う。これらの一連の動作を繰り返して半
導体素子を製造する。
【0106】次に、上で説明した図5〜図9のフローチ
ャートに従ったフォーカス・レベリング制御の具体例に
ついて、図10〜図21を参照して説明する。なお以下
各図においてセンサを示す丸形スポットが黒で塗りつぶ
されたものは先読みセンサ、白抜きのものは追従センサ
を示す。また各図において、ウエハWはショット領域と
周辺部の関係を示すのに必要な部分のみ示し、他の部分
は破断線により省略して図示してある。以下の具体例で
は、図5のステップSP0で先読みセンサ102aはセ
ンサS12、S15、S18、追従センサ103aはセ
ンサS22、S25、S28、追従センサ103bはセ
ンサS35、追従センサ103cはS42、S45、S
48、先読みセンサ102bはセンサS52、S55、
S58が指定されているものとする。なお、図10以下
でセンサを示す符号は、例えばS12のようにSに全角
の数字を付したものとなっているが、これは図3のSに
下付添字を付した例えばS12に対応する。
【0107】ウエハWを内側から外側へ走査するショッ
ト領域では、露光開始時点よりも露光終了時点でフォー
カスが可能か否か、即ちセンサによる検出が可能かが重
要である。露光終了時点でフォーカスが可能であれば、
開始時点はそれよりも内側にあるのであるから当然フォ
ーカスは可能である。
【0108】図10には、先読みセンサがX方向に一
行、等間隔で3個(S52、S55、S58)、先読みセンサ
の直後の行に追従センサの第1行目が前記3個の先読み
センサの両端と同列に2個(S42、S48)、続いて
3個の先読みセンサの中央のセンサと同列に第2行目の
追従センサが1個(S35)、次の行に第3行目の追従
センサが第1行目の追従センサと同配列で2個(S2
2、S28)が配置されている。都合、先読みセンサが
1行3個、追従センサが3行合計5個、等しい行間隔で
配列されている。なお、ここではX方向のならびを行と
呼びY方向のならびを列とよぶ。スリットの照明領域I
Aは第1行目の追従センサと第3行目の追従センサの間
の領域をカバーしている。
【0109】図5のステップSP3では、露光終了時に
設定通りの指定センサで露光が可能か否かを判定する。
ここでは追従センサの全てが検出可能か、言い換えれば
全ての追従センサがウエハWの有効領域内にあるか否か
を判定する。先読みセンサがフォーカス不可能な領域即
ちウエハWの有効領域外に出てしまっても、先読みセン
サが機能しなくなるだけであって、追従センサは機能し
続けるのでフォーカスは正常になされる。
【0110】図10に示される場合には、指定された追
従センサのうち最後の第3行目の追従センサ(S22、
S28)が露光領域SAのX方向の辺である露光終了位
置EBに来たときに、第1行から第3行までの全ての追
従センサがウエハWの有効領域内にあり、検出が可能で
あるので、図5に示される次のステップSP13に進む
ことができる。このとき先読みセンサ3個のうち右端の
センサS58は有効領域をはずれているが、前述のよう
に先読みセンサがフォーカス制御不能になっても追従セ
ンサは連動せずに独立してフォーカス可能なので問題と
ならない。
【0111】図11は、ステップSP3の判断が否定さ
れた場合、即ち選択された追従センサの中にフォーカス
可能でないものがあった場合に(例えば図10のような
配列の追従センサが図11のような位置関係にある露光
領域SAを検出できるかを判定した場合)、ステップS
P21に進み、先読みセンサと最前行の追従センサのみ
を有効とした状態を示している。その後図6のステップ
SP22に進む。
【0112】図11は、図5のステップSP3が否定さ
れ、図6のステップSP21でセンサが選択された状態
を示している。
【0113】図11の例では、最前行の追従センサ(S
42、S48)が露光終了位置EBにあるとき、検出可
能な追従センサが少なくとも1つあるか否かが判定され
る(ステップSP22)。即ち判定位置で最前行の追従
センサ(S42、S48)がウエハWの有効領域内にあ
るか否かが判定される。図11は最前行の追従センサ
(S42、S48)が露光終了位置EBにあるとき、追
従センサ(S42、S48)が検出可能である様子を示
している。したがってステップSP22の判定は肯定さ
れ、ステップSP23に進む。
【0114】図5のステップSP0で初期設定が「2」
(センサの増加なし)と設定されていた場合は、図11
の例では、有効と判定された追従センサS42と先読み
センサS52の組及び有効と判定された追従センサS4
8と先読みセンサS58の組を使用可能なセンサとして
有効に設定する。
【0115】図5のステップSP0で初期設定が「1」
(センサの増加あり)と設定されていた場合を図12を
参照して説明する。図12では指定された追従センサ
(S42、S48)のX方向の幅内で検出可能な他の追
従センサ(S43、S44、SS45、S46、S4
7)を有効としてセンサの数を増やしている。そして検
出可能な各追従センサと同列に位置する先読みセンサ
(S52、S53、S54、S55、S56、S57、
S58)を有効に設定する。したがって、先読みセンサ
(S52からS58)と追従センサ(S42からS4
8)との各組(同列毎の組)を有効に設定する。
【0116】尚、図12では両端に位置する指定追従セ
ンサ(S42、S48)が検出可能である例を示した
が、例えば指定追従センサS48のみが検出可能である
ときで初期設定が「1」と設定されていた場合は、追従
センサS42とS48の方向の幅内での残りの追従セン
サ(S42からS47)の中で検出可能な追従センサ及
び該検出可能な追従センサと対になる先読みセンサを有
効に設定すればよい。すなわち、図12のケースで初期
設定が「1」と指定されている場合は、指定された追従
センサのX方向の幅内でセンサの数を増やすシーケンス
となる。
【0117】どの追従センサが検出可能であるかは、シ
ョットSAとウエハエッジとの位置関係、及び判定位置
における追従センサとウエハの有効領域との位置関係に
よって定まり、ウエハエッジ座標とショットマップ等及
びセンサの配置情報とセンサの指定情報に基づいて、主
制御装置20が判定することができる。
【0118】図6のステップSP22の判定が否定され
た場合は、傾斜制御不可と判断し、ステップSP31に
進み、露光領域の左右の辺の長さを比較する。
【0119】図13は露光領域の左右の辺の長さ(Y方
向の辺の長さ)を比較する状態の一例を示す。図中ウエ
ハWの内部寄りの辺である右側の辺の方が左側の辺より
長いので、右側がYロングということになる。
【0120】図14にステップSP33で左右の辺の長
さの差が小さいと判定された場合の例を示す。Yロング
とYショートの長さの差があまりない、即ちフォーカス
できる領域の形状がほぼ四角形であると言えるような場
合であり、ステップSP34、SP34A、SP34B
で説明したように、露光開始位置SBで検出可能な先読
みセンサを横1行のみ有効にする。図14の例では、ス
テップSP34Aが肯定されステップSP34Bで横1
行の先読みセンサ(S52〜S58)を追従センサとす
ることで、指定センサ(S52、S55、S58)から
数を増やしている。
【0121】図15にステップSP33で左右の辺の長
さの差が大きいと判定された場合の例を示す。図中左側
の辺であるYショートはゼロ、右側の辺であるYロング
は辺の全長を残しているので、YロングとYショートの
長さの差が大きい。したがって、そのショットの露光領
域は実質的に三角形をしていると判定される。そして、
ステップSP36(図7)で説明したように、ウエハW
の内部寄りの先読みセンサ(S58)と追従センサ(S
48)の一組のみを有効と設定している。
【0122】ステップSP21(図6)では、図11に
示されるように、先読みセンサと最前行の追従センサの
みを有効としたが、そのようにすると、スリットの領域
が図11に示されるよりもさらにすすんで、スリットの
最終ラインが露光領域SAの露光終了位置EBに来たと
きには、有効な第1行の追従センサはウエハWの有効領
域を外れており、スリット部分はデフォーカスしている
可能性がある。しかしながら、ウエハWの周辺領域のシ
ョットは、その領域のショットを製品として生かす(場
合もあり得るが)よりも、それに隣接するショットの露
光を完全なものとするために、できるだけ良好な露光を
しておきたいとの要請に基づいて行われることが多い。
そのため、露光終了時点で多少デフォーカスしても、ほ
とんどの領域でフォーカスされていれば問題はない。
【0123】但し、図11に示されるようにする代わり
に、最終行第3行の追従センサを使用可能とすることも
できる。そのようにしたときは、露光開始時点では追従
センサは露光領域SAを検出していないが、露光終了時
にはまだ検出していることになる。
【0124】またステップSP21のような設定は行わ
ず、ステップSP22での判定は、最前行の追従センサ
を使って行い、ステップSP23で、使用可能な全ての
追従センサと先読みセンサの組を有効とするようにして
もよい。
【0125】以上の実施の形態において、ショット領域
によってはY傾斜制御あるいはX傾斜制御または双方の
傾斜制御が行えない場合があるが、そのようなときには
主制御装置に当該露光領域の直前のショットの傾斜情報
を記憶しておき、その情報を用いて制御できない方向の
傾斜制御をおこなうようにしてもよい。
【0126】図16は、ステップSP2の判定が否定的
であった場合、即ちウエハを外側から内側に走査する処
理である場合にステップSP41に進むが、そのような
場合の典型的なウエハとセンサの位置関係を示してい
る。ステップSP41では、先に説明したように最前行
の追従センサ(S22、S28)と露光領域の露光開始
位置がa1 だけ離れた状態(判定位置)で、指定された
追従センサのうち一つでも検出不可能なものがないかを
判定するが、図16では指定された追従センサ中で右端
の追従センサ(S48)が有効領域からはずれている。
したがって、ステップSP41の判断は否定的なものと
なり、次のステップSP42に進む(図8)。
【0127】図17は、Y方向傾斜制御を断念し先読み
センサ(S12、S15、S18)と最前行の追従セン
サ(S22、S28)のみを有効とし(ステップSP4
2)、最前行の追従センサと露光開始位置とがa2 だけ
離れた状態(判定位置)で前の処理(ステップSP4
2)で指定された追従センサの中で検出可能なものがあ
るか否かを判定しようとする際(ステップSP43)の
典型的なウエハとセンサの位置関係を示している。図1
7では、有効に設定された追従センサのうち左端のセン
サ(S22)1個がウエハWの有効領域内に位置してい
る。したがって、ステップSP43は肯定され、次のス
テップSP23に進むことになる(図8、図6)。
【0128】図5のステップSP0で初期設定が「2」
(センサの増加なし)と設定されていた場合は、ステッ
プSP42で設定されたセンサの中からステップSP2
3において使用可能なセンサを有効に設定するため、図
17の例では、有効と判定された追従センサS22と先
読みセンサS12の組のみを使用可能なセンサとして有
効に設定する。
【0129】しかしながら、有効に設定された追従セン
サS22と先読みセンサS12は同列にあるセンサであ
り、図17の例ではX方向の傾斜制御を行うのに十分な
間隔を有するセンサではない。したがって、図17の例
では次のステップSP24の判断が否定され、ステップ
SP26へ進み、Z方向位置制御のみを行う。
【0130】図5のステップSP0で初期設定が「1」
(センサの増加あり)と設定されていた場合を図18を
参照して説明する。図18は指定された追従センサのX
方向に関する両端のセンサ(S22、S28)の幅内
で、追従センサS23からS27を検出可能なセンサと
して増やしている。そして、各検出可能な追従センサと
同列に位置する先読みセンサ(S12からS17)を有
効に設定する。したがって、先読みセンサ(S12から
S17)と追従センサ(S22からS27)との各組
(同列毎の組)を有効に設定する。
【0131】どの追従センサが検出可能であるかは、シ
ョットSAとウエハエッジとの位置関係、及び判定位置
における追従センサとウエハの有効領域との位置関係に
よって定まり、ウエハエッジ座標とショットマップ等及
びセンサの配置情報とセンサの指定情報に基づいて、主
制御装置20が判定することができる。
【0132】図8のステップSP43の判定が否定され
た場合は、傾斜制御不可と判断し、ステップSP100
に進み、露光領域の左右の辺の長さを比較する。
【0133】図19は、内外走査の場合の図13に対応
する外内走査の場合の図であるが、露光開始位置SBが
ウエハWの周辺部側である点が異なる。本図は、ステッ
プSP100の設定をしたのち、ステップSP101の
判定をする場合の、典型的なウエハWとセンサの位置関
係を示している。図19で、Y方向の辺のうち右側の辺
が長いのでYロング、左側の辺が短いのでYショートと
いうことになる。
【0134】図20は、内外走査の場合の図14に対応
する外内走査の場合の図であるが、露光開始位置SBが
ウエハWの周辺部側である点が異なる。本図は、Yロン
グとYショートの長さを比較し(ステップSP102)
その差が小さいと判定されて、露光終了位置EBで検出
可能な先読みセンサを横(X方向)1行のみ有効にした
(ステップSP103、SP34A、SP34B)状態
を示している。図20の例では、ステップSP34Aが
否定され、指定された先読みセンサ(S12、S15、
S18)を追従センサとして設定している。
【0135】図21は、内外走査の場合の図15に対応
する外内走査の場合の図であるが、露光開始位置SBが
ウエハWの周辺部側である点が異なる。本図は、ステッ
プSP102で左右の辺の長さの差が大きいと判定され
た場合の例である。即ち、そのショットの露光領域は実
質的に三角形をしていると判定され、ウエハWの内部よ
りの先読みセンサ(S18)と追従センサ(S28)が
一組のみ有効と設定されている(ステップSP36)。
【0136】以上、内外走査の場合と重複する説明は一
部省略したが、ここで説明したように、本発明は外内走
査の場合にも応用することができる。
【0137】次に、図5及び図22〜図30を参照して
本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態
は、レベリングあるいはフォーカスを諦めずに可能な限
り実行する、またできるだけ多くのセンサを使用して実
行することを意図するものである。
【0138】図22は、第2の実施の形態における内外
走査の場合を説明するフロー図である。本実施の形態で
は、図5に示されるようにウエハ周辺ショット領域では
ないと判断されたときXYZ制御、即ち通常のオートフ
ォーカス・オートレベリングを行うとするのは、第1の
実施の形態と同様である。
【0139】図22には、図5において内外走査かつシ
ョット領域の露光終了位置で使用状態にある追従センサ
の中に検出が出来ない、即ちウエハWの有効領域の外に
あるセンサが少なくとも1つあると、ステップSP3で
判断された以降が示されている。
【0140】図22中、ステップSP151ではステッ
プSP3の判断時点で使用状態にある追従センサのう
ち、ステップSP3で検出できないと判断されたセンサ
を使用状態から削除し、検出可能なセンサを有効のまま
残す。ここで使用状態にある追従センサは、典型的には
ユーザーの指定する追従センサである。例えば通常はユ
ーザーは、図3のように配列されているセンサ45個の
うち、追従センサとして走査方向の最前行と最後行にお
ける、ショットの非走査方向の一番左端と右端、そして
中央のセンサを指定する。例えば図3でいえば、センサ
S22、S28、S42、S48、S35を指定する。
先読みセンサとしては、このようにして指定された追従
センサに対応する、即ち走査方向の同一列上のセンサ、
図3でいえばセンサS52、S55、S58(内外走査
における先読みセンサ)(及びS12、S15、S18
(外内走査における先読みセンサ))を指定する。この
場合使用状態に置かれるセンサは、追従センサ5個と内
外の走査方向に対しての先読みセンサ3個で合計8個と
なる(外内走査の場合は、先読みセンサはS12、S1
5、S18となる)。なお、使用状態にある追従センサ
は、他の決め方例えば当該工程の直前の工程で使用して
いたセンサとしてもよい。
【0141】ここでセンサの自動選択が許されている場
合、即ち初期設定が1の場合は図26で説明するステッ
プSP211に進む。
【0142】ユーザーのプロセスによっては、指定する
センサ位置(例えば前記のように前後左右と中央の合計
5点の追従センサ)以外のセンサを追加すると差し支え
のある場合がある。そのような場合はセンサの自動選択
を設定しない。自動選択が許されていない場合、即ち初
期設定が2の場合は(ステップSP152で初期設定が
1か2かを判断し)、ステップ151で有効として残さ
れたセンサでXYレベリングが可能か否かを判断する
(ステップSP153)。これは露光終了位置で、先頭
行の検出可能な追従センサの間隔がXレベリングするに
十分な状態かで定まる。内外走査であるので、露光終了
位置で先頭行がXレベリングが可能であれば、ウエハの
内部側にある後続の追従センサは当然検出可能であるの
で、Yレベリングも可能であることになる。したがっ
て、ステップSP153での判断が肯定的であればステ
ップSP154に進み、有効なセンサを使用して、Zフ
ォーカスとXYレベリング、即ち通常のオートフォーカ
ス・オートレベリングを行う。
【0143】ステップSP154の後、ステップSP5
00に進み、当該ショットに関して有効とすべきセンサ
の設定は終了する。そして次のショットについて有効と
すべきセンサの設定に移り、同様なステップを踏む。
【0144】ステップSP153で否定的判断がされた
場合、即ち有効とされているセンサではXレベリングの
ために十分ではないと判断された場合は、ステップSP
155に進む。ステップ155では、露光終了位置で、
有効とされている先頭行の追従センサ中に1個でも検出
可能なものがあるかを判断する。
【0145】ステップ155の判定が肯定的であるとき
は、少なくとも1個は検出可能な追従センサがあるの
で、ステップSP156に進みそのセンサを使用してZ
フォーカスを行うものとし、有効とすべきセンサの選定
が終了する(ステップSP500)。
【0146】ステップ155の判定が否定的であるとき
は、ステップ157に進み、ここでは露光開始位置で、
有効とされている先頭行の追従センサ中の特に内寄りの
センサが検出可能かを判断する。露光終了位置では先頭
行の追従センサ中に検出可能なものが無くても、それよ
り条件の良い露光開始位置では検出可能なものが存在す
ることがあり、その判定が肯定的であるときはステップ
SP158に進み、その内寄りのセンサ1列を有効とし
てZフォーカスを行う。レベリングは行わない。そして
エンドとする(ステップSP500)。
【0147】ここで、有効なセンサの配列によっては、
Xレベリングが不可能であってYレベリングが可能な場
合もあるはずであるが、一般的には走査方向に直角な方
向であるX方向のレベリングをせずに、走査方向である
Y方向のレベリングだけをするのは現実的ではない。し
たがって、以下の説明中でもXレベリングなしでYレベ
リングを行う場合は言及しない。ただし、そのような場
合を特許請求の範囲から排除するものではない。
【0148】ステップSP157の判定が否定的である
ときは、フォーカスもレベリングも行わない(ステップ
159)。しかしながらこの場合でも、先に説明したよ
うにできるだけ露光しようとの発想に基づいて露光は行
うものとする。そしてエンドとする(ステップSP50
0)。
【0149】図22のステップSP152に戻り、ここ
で初期設定が自動選択を許す1であるときは、図26に
示されるフローに進む。このフロー中の各ステップに対
応する、露光領域とセンサ配置の関係は、図27〜図3
0に示されている。
【0150】図26は、センサの自動選択が許されてい
る場合の選択のアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。ステップ152で自動選択可と判定されたときは、
ステップSP211に進む。ステップSP211は、セ
ンサが追従センサ3行と先読みセンサ1行の合計4行配
列の場合の追従センサ選択の基準と順序を示している。
【0151】ステップSP211では、次に示すような
順番(1)〜(5)で選択可能な限りセンサを選択して
ゆく。いくつのセンサまで選択可能であるかは、予め主
制御装置20に記憶しておくか、あるいはユーザが最大
数を指定するようにしておく。例えば順番(3)で選択
可能でなくなったら、ステップSP211は終了して、
次のステップに進む。
【0152】ここで選択可能か否かは、先ず例えば使用
する露光装置で使用状態に置くことができるセンサの上
限数で決まる。それは、例えば当該露光装置が含む制御
装置20に予め設定しておくか、あるいはユーザが最大
数を指定しておく。例えば上限数が9個であれば、全セ
ンサ45個中9個だけ使用状態に置くことができる。そ
の数を越えて選択することはできない。
【0153】また、判断中の位置において基板の有効領
域がカバーできるセンサの数でも決まる。その領域が狭
い場合は、極端な場合は隅の1個だけしか選択できない
場合もあり得る。
【0154】ステップSP211での、センサ選択ステ
ップを説明する。本実施の形態では、選択の基本的基準
は、できるだけ最前行と最後行を、また最内側と最外側
を選択することである。順番は、下記の通り外縁を画成
してから内部へという順番である。
【0155】(1)先ず最前(先頭)行で内側にある検
出可能、即ちフォーカス可能なセンサを選択し有効にす
る。ここで有効にされるセンサは、図29では、菱形マ
ーク中の1で示されるセンサS42である。この場合、
指定センサの中で有効として残されていたものと一致し
ている。センサ42に対応する先読みセンサ52も自動
的に有効となるが、これも指定センサと一致している。
【0156】図29は内外走査の場合の図であり、長手
方向がX方向に向いた露光領域スリットIA(図2)の
後方端が、矩形の露光領域の露光終了端と接する位置
(外接位置)にある。ここでいう「矩形の露光領域」と
は、ショットに欠けがない状態を仮定した長方形(正方
形の場合もある)の領域を意味する。
【0157】(2)次に最前行で最も外側にある検出可
能なセンサを選択し有効にする。ここで有効にされるセ
ンサは、図29では、菱形マーク中の2で示されるセン
サS47である。これは指定センサの中で有効として残
されていたものと一致する場合もある。その場合は既に
有効であるので、新たに選択して追加する必要はない。
指定されていたセンサが例えば図3でいえばS48であ
り、S48は削除されているような場合には、ここでS
47が新たに選択されて追加され得る。センサS47に
対応する先読みセンサS57も自動的に有効とされる。
【0158】(3)最後行で最内側にある検出可能なセ
ンサを選択し有効にする。ここで有効にされるセンサ
は、図29では、菱形マーク中の3で示されるセンサS
22である。この場合も、指定センサの中で有効として
残されていたものと一致する。
【0159】(4)次には、最後行で最外側にある検出
可能なセンサを選択し有効にする。ここで有効にされる
センサは、図29では、菱形マーク中の4で示されるセ
ンサS28である。センサS28に対応する先読みセン
サS58も自動的に有効とされる。
【0160】(5)次には、最前行と最後行との中間の
行で最内側にある検出可能なセンサを選択し有効にす
る。ここで有効にされるセンサは、図29では、菱形マ
ーク中の5で示されるセンサS32である。
【0161】なお、上述の(1)〜(5)は、センサの
追加の順番を示すものであり、指定センサS35、S1
5は図示省略してある。したがって、センサの上限数が
9個と設定されていた場合には、実際にはセンサ32は
追加されない。
【0162】前述のごとく、いずれの場合も追従センサ
が有効とされたときは、それと同列にある対応する先読
みセンサも有効にする。追従センサS42、S47、S
28が有効にされたときは、先読みセンサS52、S5
7、S58が有効とされる。追従センサの追加で、セン
サ選択の上限値となり、対応する先読みセンサが追加で
きない場合には、その追従センサの追加を無効とするよ
うに、予め設定する方が精度上望ましい。なお、追従セ
ンサのみを追加するような設定をすることも可能であ
る。
【0163】ステップSP211で選択が終了したら、
ステップ212に進み、まだ選択可能なセンサが残って
いるかを判断する。否定的判定のときは、選択の余裕は
残っていないので、図22のステップSP153に戻
る。
【0164】ステップSP212での判定が肯定的なと
きは、まだセンサを選択して追加する余裕があるので、
ステップSP213に進む。ステップ213では、次の
ように順番(1)から(4)に従ってセンサを選択す
る。
【0165】(1)先ず最前行で内側第1列にある検出
可能、即ちフォーカス可能なセンサを選択し有効にす
る。ここで有効にされるセンサは、図30では、菱形マ
ーク中の1で示されるセンサS42である。
【0166】(2)最前行でできるだけ外側にある検出
可能なセンサを選択し有効にする。ここで有効にされる
センサは、図30では、菱形マーク中の2で示されるセ
ンサS47である。指定センサの中で有効として残され
ていたものと一致する場合もあるが扱いは図29の場合
と同様である。
【0167】なお、以上の(1)、(2)のアルゴリズ
ムは、図29で説明したアルゴリズムと同様なので、図
29で説明したような選択に続いて(1)、(2)のセ
ンサ選択を行った場合、このような選択は既に済んでお
り、実質的には(3)からセンサの選択が始まることに
なる。
【0168】(3)最前行でまだ有効とされていない検
出可能な追従センサを内側から順番に選択可能な限り選
択し有効にして行く。図30の場合、既に有効なセンサ
S42の隣りのセンサS43が追加され、それに対応す
る先読みセンサS53が自動的に追加される。
【0169】(4)最前行で検出可能な追従センサを内
側から順番に選択して行き、選択可能な上限数(装置設
定値あるいはユーザ指定値)に達するか、最前行で検出
可能な全ての追従センサを選択してしまったらこのステ
ップSP213は終了する。
【0170】以上において、いずれの場合も追従センサ
が有効とされたときは、それと同列にある対応する先読
みセンサも有効にするが、これは図29の場合と同様で
ある。
【0171】ステップSP213で選択が終了したら、
図22のステップSP153に戻る。
【0172】なお、第1の実施の形態の図12のセンサ
追加の場合も、この(1)〜(4)のシーケンスを適用
してもよい。
【0173】また、以上の実施の形態では、内外走査で
は、図29、図30に示されるように、センサが検出可
能か否かの判定は外接位置で行う。それは、通常は露光
終了時に追従センサが検出可能であることを要するから
である。したがって以上の実施の形態の外内走査では、
レベリングがX方向しか行われないということは考えて
いない。しかしながら、内外走査の場合でも、Y方向の
レベリングを諦めてX方向のレベリング(とZ方向のフ
ォーカス)を行って、可能な限り露光するという形態も
可能である。その場合は、センサをX方向の1行だけ残
し、センサが検出可能か否かの判定は、長手方向がX方
向に向いた露光領域スリットIA(図2)の前方端が、
矩形の露光領域の露光終了端と接する位置(内接位置)
とする。センサを残す1行は、最前行とする。そしてセ
ンサの選択は、ステップSP213のように行えばよ
い。このときは、有効にされたセンサが露光領域の露光
終了端をはずれてもまだ露光は継続されており、それ以
降はレベリングとフォーカスは正しくは行われない状態
で露光されるが、隣接するショットの露光を完全なもの
とするために、露光できるところはできるだけ露光しよ
うとの発想には沿っている。
【0174】また、内外走査の場合で、Y方向のレベリ
ングを諦めてX方向のレベリングを行って、可能な限り
露光するという形態において、センサが検出可能か否か
の判定を外接位置で行い、センサを残す1行は、最後行
とすることもできる。そしてセンサの選択は、ステップ
SP213のように、内側のセンサから順番に有効にし
てゆく。このときは、有効にされたセンサは露光終了時
に露光領域の露光終了端にある。この場合も、Y方向の
レベリングをあきらめても、隣接するショットの露光を
完全なものとするために、露光できるところはできるだ
け露光しようとの発想に沿うことができる。
【0175】次に、図23〜図25を参照して、第2の
実施の形態の外内走査の場合を説明する。この場合は、
外内走査なので追従センサ5個と先読みセンサ3個S1
2、S15、S18の計8個が使用状態に置かれる。図
5のステップSP2で、外内走査と判定されたときは、
図23のステップ251に進む。ステップSP251で
は、そのときに使用状態にある追従センサの全てが検出
可能かを判断する。ここの判定が肯定的であるときは、
全センサが検出可能でありXYZ制御が可能であるので
ステップSP13(図5)に進み、通常のオートフォー
カス・オートレベリングを行う。
【0176】ステップSP251の判定が否定的である
ときは、少なくとも1個の追従センサが検出不可能であ
るので、ステップ252に進み、検出不可能なセンサを
削除し可能なセンサを残す。そしてステップSP253
に進む。
【0177】ステップSP253では、初期設定が1か
2かを判断する。初期設定が1のときは、センサの自動
選択が許されており、図26のステップSP211に進
む。これは後で説明する。
【0178】ステップSP253で、初期設定2と判断
されたときは、センサの自動選択は許されていないの
で、ステップ254に進み、そのとき有効とされている
追従センサでXYレベリングが可能かを判断する。即
ち、外内走査であるので露光開始位置で、Y方向の追従
センサが検出可能であり、また先頭行の検出可能な追従
センサのX方向の間隔幅もXレベリングに十分なものか
を判断する。
【0179】ステップ254の判定が肯定的なときは、
ステップSP255に進み、有効なセンサを使用して、
XYZ制御をしてオートフォーカス・オートレベリング
を行うものとする。しかる後ステップ500に進みエン
ドとする。
【0180】ステップSP254の判定が否定的なとき
は、XY両方向のレベリングはできず、Xレベリングの
可能性を残して、図24に示されるステップSP256
に進む。
【0181】既にYレベリングはあきらめているので、
Y方向のセンサを残すのは無意味となり、ステップSP
256では、2行目以降のセンサを削除する。その後ス
テップSP257に進み、初期設定が1か2かを判断す
る。
【0182】初期設定が1のときは、センサの自動選択
が許されるので図26に示されるステップ212に進
む。これは後で説明する。
【0183】初期設定が2のときは、センサの自動選択
が許されないので、ステップSP258に進み、使用状
態にある追従センサでXレベリングが可能かを判断す
る。即ち、露光開始位置、図27でいえば、長手方向が
X方向に向いた露光領域スリットIA(図2)の前方端
が矩形の露光領域の露光開始端と接する位置より距離a
1だけ手前の位置にある状態を示している。ここでいう
「矩形の露光領域」は、図29、図30で説明した通り
である。距離a1は図16で説明したように、Yレベリ
ング整定に必要とされる走行距離である。
【0184】ステップSP258の判定が肯定的なとき
は、ステップSP259に進み、有効な追従センサを使
用して、Z方向のフォーカスとXレベリングを行うもの
として、ステップSP500に進みエンドとする。
【0185】ステップSP258の判定が否定的なとき
は、Xレベリングが不可能であるが、Z方向のフォーカ
スの可能性を残して、図25のステップSP260に進
む。
【0186】ステップSP260では、使用状態にある
追従センサの中に検出可能なものがあるかを判断する。
判断位置は図28に示されるように、長手方向がX方向
に向いた露光領域スリットIA(図2)の前方端が、矩
形の露光領域の露光開始端と接する位置より距離a2だ
け手前の位置にある状態を示している。ここでいう「矩
形の露光領域」の意味は先に説明した通りである。距離
a2は図17で説明したように、Xレベリング整定に必
要とされる走行距離である。図28は、最前行の追従セ
ンサが有効として残された場合を示しているが、後続行
のセンサも残されている場合で最前行の追従センサに注
目した場合の図としても用いられる。
【0187】ステップSP260の判定が肯定的なとき
は、有効なセンサを使用してZフォーカスを行う。レベ
リングはできないので行わない。そしてステップSP5
00に進みエンドとなる。
【0188】ステップSP260の判定が否定的なとき
は、ステップSP262で初期設定を判断し、それが1
のときはステップ263に進む。初期設定が「1」の場
合については後述する。
【0189】ステップSP262で初期設定を判断し、
それが2のときはステップ266に進み、露光終了位置
において、使用状態にある、即ち指定されたセンサ(例
えば9個)のうちで内寄り1列目の追従センサが検出可
能で、しかも露光領域が距離a2以上あるかを判定す
る。
【0190】ステップSP266の判定が肯定的なとき
は、内寄り1列目の追従センサが検出可能であり、ステ
ップSP267に進む。このステップでは、検出可能な
内寄りの追従センサとそれと対をなす先読みセンサを有
効とし、Zフォーカスを行うものとする。レベリングは
できないので行わない。そしてステップSP500に進
みエンドとなる。
【0191】ステップSP266の判定が否定的である
ときは、レベリングはもとよりフォーカスもできないの
で、ステップSP265に進み、ノーフォーカス、ノー
レベリングとする。そしてステップSP500に進みエ
ンドとする。
【0192】図23のステップSP253で、初期設定
が1と判定されたときは、センサの自動選択が許されて
おり、図26のステップSP211に進む。ステップS
P211では、図22と共に説明した内外走査の場合と
同様な基準と順番で追従センサが選択されるが、判定位
置は図27に示されるように、露光開始位置、即ち露光
領域スリットIA(図2)の前方端が矩形の露光領域の
露光開始端から距離a1だけ手前の位置にある状態であ
る。
【0193】内外走査の場合(図22)と同様にして図
27では、 (1)先ず、最前行で内側にある菱形マーク1で示され
る検出可能なセンサS22を選択する。図22では、指
定センサの中で有効として残されていたものと一致す
る。そしてセンサS22と同列にある先読みセンサS1
2も有効となる。
【0194】(2)次に、最前行で最も外側にある検出
可能なセンサを選択する。図27では、菱形マーク2で
示されるセンサS27であり、指定センサS28は、ウ
エハ上にないので、無効として削除される。そしてセン
サS27と同列にある先読みセンサS17も有効とす
る。
【0195】(3)次に、菱形マーク3で示されるよう
に、最後行で最内側にある検出可能な追従センサS42
(指定センサ)を有効とし、 (4)菱形マーク4で示されるように、最後行で最外側
にある検出可能なセンサS45(指定センサ)及びセン
サS45と同列にある先読みセンサS15を有効とす
る。
【0196】(5)次に、菱形マーク5で示されるよう
に、最前行と最後行との中間の行で最内側にある検出可
能なセンサS32を有効とする。
【0197】ここで検出可能であれば、Yレベリング整
定に必要とされる走行距離a1が確保されているので、
フォーカスに使用できる。選択の基準と順番は先に説明
したのと同様であるので説明は省略する。
【0198】ステップSP211の後、センサ選択の余
裕がなければ図23のステップSP254に戻る。
【0199】ステップSP211の後、まだセンサ選択
の余裕があればステップSP213に進み、図22と共
に説明した内外走査の場合と同様な基準と順番で追従セ
ンサが選択される。選択の基準と順番は先に説明したの
と同様であるので説明は省略する。ステップSP213
の後、図23のステップSP254に戻る。以下前述と
同様の手順を行う。
【0200】ステップ254の判断が否定され、図24
のステップSP257で、初期設定が1と判定されたと
きは、センサの自動選択が許されており、図26のステ
ップSP212、SP213に進む。ステップSP21
2、SP213については、図22で共に説明した内外
走査の場合と同様な基準と順番で追従センサが選択され
る。
【0201】しかしながら、判定位置は図28に示され
るように、露光開始位置、即ち露光領域スリットIA
(図2)の前方端が矩形の露光領域の露光開始端から距
離a2だけ手前の位置にある状態である。ここで検出可
能であれば、Xレベリング整定に必要とされる走行距離
a2が確保されているので、Xレベリング及びフォーカ
スに使用できる。選択シーケンスについては、既に図3
0で説明したのと同様なので、説明を省略する。そし
て、ステップSP258に戻る。
【0202】以下図24、図25を使って説明したシー
ケンスと同様である。そしてステップSP262で初期
設定が「1」のときは、ステップSP263に進む。
【0203】露光終了位置において、用意された全セン
サ(図3の例では45個)のうちで内寄り1列目の追従
センサが検出可能で、しかも露光領域が距離a2以上あ
るかを判定する。距離a2以上あるか否かを判定するの
は、折角露光終了位置で検出可能な追従センサがあった
としても、そのセンサの位置から露光領域の端までの走
査方向の距離がXレベリングするのに必要な助走距離で
ある距離a2以上なければ、結局フォーカスができない
からである。
【0204】ここで用意された全センサとは、指定セン
サによって規定されるセンサ範囲内に存在する全センサ
を意味する。例えばセンサS12、S15、S18、S
22、S25、S28、S35、S42、S45、S4
8、S52、S55、S58が指定センサであるとする
と、センサS12、センサS18、センサS52、セン
サS58で囲まれる矩形領域内に存在する全センサであ
る。
【0205】ステップSP263の判定が肯定的である
ときは、その追従センサとそれに対応する先読みセンサ
の1対を選択して有効とした上で、Zフォーカスを行う
ものとする。レベリングはできないので行わない。そし
てステップSP500に進みエンドとする。
【0206】ステップSP263の判定が否定的である
ときは、レベリングはもとよりフォーカスもできないの
で、ステップSP265に進み、全てのセンサを無効に
設定、即ちノーフォーカス、ノーレベリングとする。そ
してステップSP500に進みエンドとする。
【0207】以上説明したように、本発明の第1と第2
の実施の形態によると、いかなる周辺ショット領域に関
しても、内外方向の走査露光時の最適なフォーカス制御
が可能となることから、許容し難いデフォーカス状態が
発生するのを防止することができ、これによりデフォー
カスに起因する色ムラの発生を防止することができる。
【0208】また外内方向の走査露光についても最適な
フォーカス制御が可能となる。
【0209】なお、上記実施の形態では、Z方向フォ
ーカス及びXチルト制御、Z方向フォーカス及びX、
Yチルト制御、Z方向フォーカス制御のみの判定を、
図5〜図9あるいは図22〜図26のフローチャートに
基づいて行なう場合について説明したが、これに限ら
ず、例えばウエハW上にどのようなショット配置を採用
し、どのような露光順序で露光を行なうかの、露光マッ
プが作成された時点で、各ショットとウエハエッジとの
位置関係を求めることができるので、各ショット毎に
〜のいずれにより面位置調整を行なうかを、テーブル
データとして作成してメモリに記憶し、走査露光の際に
は、このテーブルデータに従って面位置調整を行なうよ
うにすることも可能である。
【0210】また、先に説明したような制御方法の判定
機能や、センサの選択機能の追加は、ソフトウェアの簡
単な変更で実施可能なものである。
【0211】また、上述の実施の形態をEB(電子ビー
ム)露光装置やX線露光装置に適用してもよい。また、
投影光学系は屈折系に限らず、反射屈折系、反射系のい
ずれの場合でもよく、EB露光装置の場合は電磁レンズ
となる。また、投影系に限らず、プロキシミティの露光
装置に適用してもよい。
【0212】なお、以上の説明で内外走査、外内走査と
いうときの内と外の意味は下記の通りである。基板のほ
ぼ中心に直角座標系XY座標の原点をとり、走査はY軸
方向に行われるとすると、第1象限と第2象限に相当す
る基板上では、Y軸の正の向きに走査する場合を内外走
査、Y軸の負の向きに走査する場合を外内走査と呼び、
第3象限と第4象限では、Y軸の負の向きに走査する場
合を内外走査、Y軸の正の向きに走査する場合を外内走
査と呼ぶ。例えば、図10では下向き(Y軸の負の向
き)の矢印と共に「スキャン方向(内→外)」と示して
ある。図10は、基板の第4象限に相当する部分を図示
説明しているからである。図11〜図21も同様であ
る。但し、図10〜図21あるいは図27〜図30で
は、XY座標は方向と向きを示すものとしてのみ示さ
れ、原点は基板の中心に置かれていない。また、X軸方
向内部寄り、外寄りという場合は、基板中心原点のXY
座標において、いずれの象限においてもY軸に近い方を
内部寄り、Y軸から遠い方を外部寄りと呼んでいる。
【0213】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
露光時のデフォーカスに起因する色ムラの発生防止がで
きるという従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適した走査型露光装置の概略構
成を示す図である。
【図2】図1の装置の走査露光の原理を説明するための
図である。
【図3】多点フォーカス位置検出系の各検出点であるス
リット像の配置と露光領域との位置関係を示す図であ
る。
【図4】センサ選択回路と信号処理装置の概略構成を受
光器とともに示す図である。
【図5】本発明の第1と第2の実施の形態を説明するフ
ロー図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を説明するフロー図
である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を説明するフロー図
である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を説明するフロー図
である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を説明するフロー図
である。
【図10】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態のうち内外走査の
場合を説明するフロー図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態のうち外内走査の
場合を説明するフロー図である。
【図24】図23の続きのフローを示すフロー図であ
る。
【図25】図24の続きのフローを示すフロー図であ
る。
【図26】本発明の第2の実施の形態において、センサ
の自動選択が許される場合を説明するフロー図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態のうち外内走査の
場合を露光領域とセンサ配置との関係において説明する
図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態のうち内外走査の
場合を露光領域とセンサの配置との関係において説明す
る図である。
【符号の説明】
20 主制御装置(制御手段) 21 ウエハ駆動装置(基板駆動系) 40 送光光学系(フォーカス検出系の一部) 42 受光光学系(フォーカス検出系の一部) 93 センサ選択回路(センサ選択手段) 100 走査型露光装置 EB 露光終了位置 IAR スリット状の照明領域 IA スリット状露光領域 R レチクル(マスク W ウエハ(感応基板) PL 投影光学 D フォトセンサ S フォーカスセンサ(検出点) SA ショット領域 SB 露光開始位置 Ylong Yロング Yshort Yショート

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レチクルと感応基板とを投影光学系に対
    して所定の走査方向に相対移動しつつ、前記レチクルに
    形成されたパターンを投影光学系を介して前記感応基板
    上に逐次転写する走査型露光方法であって;多点フォー
    カスセンサによって前記感応基板上の複数の検出点にお
    ける前記感応基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位
    置を検出するフォーカス検出工程と;前記感応基板を前
    記投影光学系の光軸方向への駆動または前記光軸直交面
    に対して傾斜駆動する基板駆動工程と;前記基板駆動工
    程における感応基板の駆動を制御する制御工程と;前記
    多点フォーカスセンサのうち使用状態にあるセンサの配
    列と前記感応基板上の所定のショット領域とが所定の関
    係にある場合に、前記使用状態にあるセンサが検出可能
    か否かを判定する判定工程とを備え;前記制御工程は、
    前記判定結果に基づいて、前記感応基板の前記光軸方向
    位置のみを調整する調整工程か、前記感応基板の光軸方
    向位置及び前記光軸直交面に対する傾斜を調整する調整
    工程かのいずれかの調整工程を行う;走査型露光方法。
  2. 【請求項2】 前記判定工程で、前記所定の関係にある
    場合が、使用状態にある前記センサの配列が前記所定の
    ショット領域の露光終了位置にある場合である、請求項
    1に記載の、走査型露光方法。
  3. 【請求項3】 前記使用状態にあるセンサが、前の処理
    で選択されていた追従センサであることを特徴とする、
    請求項1または請求項2に記載の、走査型露光方法。
  4. 【請求項4】 センサの配列に伴って定まる調整工程
    が、前記使用状態にあるセンサが、前記所定の走査方向
    に配列されたセンサを含む場合は、前記所定の走査方向
    の前記光軸直交面に対する傾斜を調整する調整工程であ
    り、前記所定の走査方向に直交する方向に配列されたセ
    ンサを含む場合は、前記所定の走査方向に直交する方向
    の前記光軸直交面に対する傾斜を調整する調整工程であ
    ることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の、走査型露光方法。
  5. 【請求項5】 前記感応基板上のショット毎にショット
    形状を記録したショットマップを用意し、該ショットマ
    ップに基づいて前記判定工程の判定をすることを特徴と
    する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の、走
    査型露光方法。
  6. 【請求項6】 レチクルと感応基板とを投影光学系に対
    して所定の走査方向に相対移動しつつ、前記レチクルに
    形成されたパターンを投影光学系を介して前記感応基板
    上に逐次転写する走査型露光方法であって;多点フォー
    カスセンサによって前記感応基板上の複数の検出点にお
    ける前記感応基板表面の前記投影光学系の光軸方向の位
    置を検出するフォーカス検出工程と;前記感応基板を前
    記投影光学系の光軸方向への駆動または前記光軸直交面
    に対して傾斜駆動する基板駆動工程と;前記基板駆動工
    程における感応基板の駆動を制御する制御工程と;前記
    感応基板上のショット毎に所定のショット領域の露光終
    了位置にある場合に検出可能なセンサを指定したマップ
    を用意する工程と;前記マップに基づいて使用状態にあ
    るセンサの配列を定める工程とを備え;前記制御工程
    は、前記センサの配列に伴って定まる調整工程であっ
    て、前記感応基板の前記光軸方向位置のみを調整する調
    整工程か、前記感応基板の光軸方向位置及び前記光軸直
    交面に対する傾斜を調整する調整工程かのいずれかの調
    整工程を行う;走査型露光方法。
  7. 【請求項7】 前記判定工程の結果に基づいて、前記使
    用状態にあるセンサの配列を変更する自動選択工程を有
    することを特徴とする、請求項1記載の走査型露光方
    法。
  8. 【請求項8】 前記自動選択工程では、所定の基準を充
    足するフォーカスセンサを、所定の順番に従って選択す
    ることを特徴とする、請求項7記載の走査型露光方法。
  9. 【請求項9】 レチクルと感応基板とを同期して走査し
    ながら、前記レチクルのパターンを投影光学系を介して
    前記基板上のショット領域に露光する露光装置におい
    て;設定された複数のフォーカスセンサによって前記基
    板上の複数の検出点における前記基板の前記投影光学系
    の光軸方向の位置を検出するフォーカス検出系と;前記
    基板を前記光軸方向または前記光軸直交面に対して傾斜
    駆動する駆動機構と;前記フォーカスセンサと前記基板
    と前記ショット領域との位置関係に基づいて、前記フォ
    ーカスセンサが検出可能か否かを判定する判定部とを有
    することを特徴とする;露光装置。
  10. 【請求項10】 前記判定部は、前記判定結果に基づい
    て前記基板の前記光軸方向の位置と、前記基板の光軸方
    向の位置及び前記傾斜とのいずれか一方を調整すること
    を特徴とする、請求項9記載の露光装置。
  11. 【請求項11】 前記判定部は、前記基板の周辺部に位
    置するショット領域の形状に基づいて、前記フォーカス
    センサの設定を変更することを特徴とする、請求項10
    記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 前記判定部は、前記ショット領域の両
    端の前記走査方向の長さの差に基づいて前記フォーカス
    センサの設定を変更することを特徴とする、請求項11
    記載の装置。
  13. 【請求項13】 レチクルと感応基板とを同期して走査
    しながら、前記レチクルのパターンを前記基板上のショ
    ット領域に露光することで前記基板上に半導体素子を製
    造する素子製造方法において;複数のフォーカスセンサ
    によって、前記基板上の複数の検出点におけるフォーカ
    ス位置を検出し、前記基板をフォーカス方向への駆動ま
    たは前記基板面を傾斜駆動すること;前記フォーカスセ
    ンサと前記基板と前記ショット領域との位置関係に基づ
    いて、前記フォーカスセンサが検出可能か否かを判定す
    ること;前記判定結果に基づいて決定された前記フォー
    カスセンサを使って前記基板の前記光軸方向の位置と前
    記基板の傾斜との少なくとも一方を調整すること;前記
    調整後の基板に前記レチクルのパターンを露光するこ
    と;を特徴とする素子製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6117598A (en) * 1997-11-25 2000-09-12 Nikon Corporation Scanning exposure method with alignment during synchronous movement
JP2010517310A (ja) * 2007-01-30 2010-05-20 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム
JP2017054046A (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 キヤノン株式会社 リソグラフィ装置、パターン形成方法、および物品の製造方法

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