JP3521543B2 - 走査露光方法及び装置 - Google Patents

走査露光方法及び装置

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JP3521543B2 JP11419695A JP11419695A JP3521543B2 JP 3521543 B2 JP3521543 B2 JP 3521543B2 JP 11419695 A JP11419695 A JP 11419695A JP 11419695 A JP11419695 A JP 11419695A JP 3521543 B2 JP3521543 B2 JP 3521543B2
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばスリットスキャ
ン方式、又はステップ・アンド・スキャン方式等でマス
クパターンを感光性の基板上に逐次露光する走査露光方
及び装置に関し、特にオートフォーカス又はオートレ
ベリングを行いながら走査露光方式で露光を行う場合に
適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子、撮像素子
(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等をフォトリソグラ
フィ工程で製造する際に、レチクル(又はフォトマスク
等)のパターンを感光材が塗布されたウエハ(又はガラ
スプレート等)上に転写する投影露光装置が使用されて
いる。従来の投影露光装置としては、ウエハの各ショッ
ト領域を順次投影光学系の露光フィールド内に移動させ
て、各ショット領域にそれぞれレチクルのパターン像を
一括露光するというステップ・アンド・リピート方式の
縮小投影型露光装置(ステッパー)が多く使用されてい
た。
【0003】このようなステッパー方式の投影露光装置
においては、ウエハの各ショット領域を投影光学系の結
像面に合わせ込むためのオートフォーカス機構、及びオ
ートレベリング機構が設けられている。これらオートフ
ォーカス機構、及びオートレベリング機構は、投影光学
系の露光フィールド内の所定の計測点(又は計測領域)
でのフォーカス位置(又は傾斜角)を計測し、この計測
結果に基づいて例えばサーボ系によりウエハのフォーカ
ス位置(又は傾斜角)を補正するものである。この場
合、ウエハは露光中静止しているため、オートフォーカ
ス機構、及びオートレベリング機構の応答速度が遅くと
も、特に不都合はなかった。
【0004】これに対して、最近の半導体素子等におい
てはパターンが益々微細化しているため、投影光学系の
解像力を高めることが求められている。解像力を高める
ための手法には、露光光の波長の短波長化、又は投影光
学系の開口数の増大等の手法があるが、何れの手法を用
いる場合でも、従来例と同じ程度の露光フィールドを確
保しようとすると、露光フィールドの全面で結像性能
(ディストーション、像面湾曲等)を所定の精度に維持
することが困難になってきている。そこで最近見直され
ているのが、所謂スリットスキャン方式、又はステップ
・アンド・スキャン方式等の走査露光方式の投影露光装
置である。
【0005】この走査露光方式の投影露光装置では、矩
形状、円弧状、又は2次元的に配置された複数の台形状
等の照明領域(以下、「スリット状の照明領域」とい
う)に対してレチクル及びウエハを相対的に同期して走
査しながら、そのレチクルのパターンがウエハ上に露光
される。従って、ステッパー方式と同じ面積のパターン
をウエハ上に露光する場合、走査露光方式では、ステッ
パー方式に比べて投影光学系の露光フィールドを小さく
することができ、露光フィールド内での結像性能が向上
する可能性がある。
【0006】また、従来レチクルの大きさの主流は6イ
ンチサイズであり、投影光学系の投影倍率の主流は1/
5倍であったが、半導体素子等の回路パターンの大面積
化により、倍率1/5倍のもとでのレチクルの大きさは
6インチサイズでは間に合わなくなっている。そのた
め、投影光学系の投影倍率を例えば1/4倍に変更した
投影露光装置を設計する必要がある。そして、このよう
な被転写パターンの大面積化に応えるためにも、走査露
光方式が有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】斯かる走査露光方式の
投影露光装置においても、走査露光中にウエハの各ショ
ット領域を結像面に合わせ込む機構が必要である。とこ
ろが、走査露光方式でステッパー方式と同様に、実際の
露光領域内でウエハのフォーカス位置(又は傾斜角)を
計測し、この計測結果に基づいて補正を行うものとして
も、ウエハが走査されていると共に、オートフォーカス
機構(又はオートレベリング機構)の応答速度が所定の
値であるために、実際の露光領域を結像面に合わせ込む
のが困難であるという不都合がある。
【0008】また、その応答速度を考慮して、実際の露
光領域に対して走査方向に手前側の計測点でウエハのフ
ォーカス位置を先読みし、この先読みした結果に基づい
て露光領域でのフォーカス位置(又は傾斜角)を補正す
る方法も考えられる。しかしながら、このような先読み
方式をそのまま採用した場合、ウエハの周辺部等におい
てウエハの表面の高さが大きく変化する領域があると、
オートフォーカス機構(又はオートレベリング機構)で
の補正量が大きくなり過ぎて、実際の露光領域が結像面
に追従できない恐れがある。これを避けるためには、ウ
エハの走査速度を低くすればよいが、それでは露光工程
のスループットが低下してしまう。
【0009】更に、例えばウエハとウエハホルダとの間
にレジスト残屑等の大きな異物が挟まれている場合に
も、ウエハの表面の高さが大きく変化する。従って、異
物が存在する領域での先読み情報をそのまま使用する
と、フォーカス位置又は傾斜角の補正量が大きくなり過
ぎて、実際の露光面が結像面に追従できない恐れがあ
る。更に、異物が存在する領域では高さが部分的に大き
く変化するため、その異物が存在する領域での先読み情
報をそのまま使用すると、他の領域でのフォーカス位置
又は傾斜角が実際の値から大きく外れてしまう恐れがあ
る。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、走査露光方式で
露光する際に、走査速度を低くすることなく、ウエハ等
の感光性の基板上の実際の露光領域を投影光学系の結像
面に対して正確に合わせ込むと共に、感光性の基板表面
の高さが大きく変化するような場合にも、全体としてオ
ートフォーカス又はオートレベリングの追従精度を悪化
させないようにすることを目的とする。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の走査露光方法
は、例えば図1〜図3に示すように、転写用のパターン
が形成されたマスク(12)上の所定形状の照明領域を
照明し、この照明領域内のパターンを投影光学系(8)
を介して感光性の基板(5)上に投影し、その照明領域
に対してマスク(12)を所定方向に走査するのと同期
して基板(5)をその照明領域と共役な露光領域(2
4)に対して所定方向(±Y方向)に走査することによ
り、マスク(12)上のパターンを逐次基板(8)上に
露光する方法において、例えば図7及び図8に示すよう
に、その照明領域と共役な露光領域(24)に対して走
査方向に手前側の計測点(25D)で基板(5)の投影
光学系(8)の光軸方向の高さを先読みし、このように
先読みされた高さに基づいてその照明領域と共役な露光
領域(24)内の基板(5)の高さ(フォーカス位置)
を制御するに際して、そのように先読みされた高さが投
影光学系(8)の結像面に対して所定の許容範囲を超え
て外れたときに、基板(8)の高さをそれまでに設定さ
れていた高さに固定するものである。
【0013】この場合、その先読みされた高さに基づい
て基板(5)の傾斜角の制御(レベリング)をも行い、
その先読みされた高さが投影光学系(8)の結像面に対
して所定の許容範囲を超えて外れたときに、基板(5)
の高さ及び傾斜角をそれぞれそれまでに設定されていた
高さ及び傾斜角に固定することが望ましい。また、その
照明領域と共役な露光領域(24)に対して走査方向に
手前側で走査方向に交差する方向に配列された一列の計
測点(25D)で基板(5)の高さを計測するのと並行
して、露光領域(24)内で走査方向に交差する方向に
配列された一列の計測点(25C)でも基板(5)の高
さを計測し、露光領域(24)に対して走査方向に手前
側の一列の計測点(25D)で計測された高さが投影光
学系(8)の結像面に対して所定の許容範囲を超えて外
れたときに、基板(5)の高さをそれまでに設定されて
いた高さに固定するようにしてもよい。
【0014】更に、例えば図3に示すように、露光領域
(24)に対して走査方向に手前側の計測点は、走査方
向に交差する方向に配列された複数の計測点を有する第
1列の計測点(AF11〜AF19)と、第1列の計測
点よりも露光領域側に位置し、走査方向に交差する方向
に配列された複数の計測点を有する第2列の計測点(A
F21〜AF29)とを有し、基板の高さを制御する際
は、何れかの列の計測点を選択可能であることが望まし
い。
【0015】次に、本発明においては、そのように先読
みされた高さを所定の記憶部(22A)中の所定のサン
プリング周波数で定まるアドレスで指定される領域に順
次格納し、その所定の記憶部中で基板(5)の走査速度
に応じて定まるアドレスで指定される領域から順次高さ
を読み出し、このように読み出された高さがその所定の
許容範囲内であるときに、このように読み出された高さ
に基づいて基板(5)の高さを投影光学系(8)の結像
面に合焦させるようにしてもよい。
【0016】また、本発明の走査露光装置は、マスク
(12)上の転写用のパターンの一部を投影光学系
(8)を介して感光性の基板(5)上の所定形状の露光
領域(24)に投影し、そのマスクをその投影光学系に
対して所定方向に走査するのと同期してその基板をその
所定方向に対応する方向に走査することにより、そのマ
スクのパターンを逐次その基板上に転写露光する走査露
光装置において、その露光領域に対して走査方向に手前
側の計測点でその基板のその投影光学系の光軸方向の高
さを先読みするフォーカス位置検出系(60〜71A)
と、該先読みされた高さに基づいてその露光領域内のそ
の基板の高さを制御するに際して、その先読みされた高
さがその投影光学系の結像面に対して所定の許容範囲を
超えて外れたときに、その基板の高さをそれまでに設定
されていた高さに固定する制御系(22A)と、を有す
ることを特徴とするものである。 この場合、その制御系
は、そのフォーカス位置検出系から得られるその先読み
された高さに基づいてその基板の傾斜角の制御をも行
い、その先読みされた高さがその投影光学系の結像面に
対して所定の許容範囲を超えて外れたときに、その基板
の高さ及び傾斜角をそれぞれそれまでに設定されていた
高さ及び傾斜角に固定することが望ましい。
【0017】
【作用】斯かる本発明の走査露光方法によれば、マスク
(12)及び基板(5)を同期して走査して基板(5)
上にマスク(12)のパターン像を露光する際に、基板
(5)上で走査方向に対して手前側の計測点(25D)
で基板(5)の高さを計測する。その後、先読み方式で
高さが計測された領域がマスク(12)のパターン像の
露光領域(24)に達した際に、先読みした高さに基づ
いてその領域の高さを設定する。これにより、走査露光
方式でも走査速度を低くすることなく、基板(5)の露
光面が投影光学系(8)の結像面にほぼ正確に合わせ込
まれる。即ち、オートフォーカスが行われる。
【0018】また、例えば図8(a)に示すように、計
測点(25D)で先読みされた高さが結像面(39)に
対して所定の許容範囲を超えた外れた場合には、その計
測結果を無視する。即ち、その計測された領域が露光領
域(24)に達したときの基板(5)の高さをそれまで
に設定されていた高さに設定することにより、オートフ
ォーカスの制御量が急激に大きくなり全体として追従精
度が悪化することがなくなる。また、一般に基板(5)
上で高さが急激に変化する部分は、基板(5)の周辺部
の露光に適さない部分であることが多いため、その部分
での計測データを無視しても影響は少ない。
【0019】次に、そのように基板(5)を走査しなが
ら所定の計測点で高さを先読みすることにより、その基
板(5)上の走査方向の傾斜角が検出できる。更に、所
定の計測点が走査方向に交差する方向に複数ある場合に
は、基板(5)上での非走査方向の傾斜角も検出でき
る。そこで、検出された傾斜角に基づいて基板(5)の
傾斜角の制御(レベリング)をも行うことができる。こ
の際にも、その先読みされた高さが投影光学系(8)の
結像面に対して所定の許容範囲を超えて外れたときに、
基板(5)の傾斜角をそれまでに設定されていた傾斜角
に固定することにより、オートレベリングを行うときの
追従精度が全体として悪化することがなくなる。
【0020】また、その照明領域と共役な露光領域(2
4)に対して走査方向に手前側で走査方向に交差する方
向に配列された一列の計測点(25D)で基板(5)の
高さを計測するのと並行して、露光領域(24)内で走
査方向に交差する方向に配列された一列の計測点(25
C)でも基板(5)の高さを計測する場合には、露光領
域(24)内の計測データと先読みされた計測データと
を用いて、より高精度にオートフォーカスが行われる。
この際にも、先読みされた高さが投影光学系(8)の結
像面に対して所定の許容範囲を超えて外れたときに、基
板(5)の高さをそれまでに設定されていた高さに固定
することにより、オートフォーカスを行う際の追従精度
が全体として悪化することがない。
【0021】更に、基板の高さを制御する際に、第1列
の計測点(AF11〜AF19)と、第2列の計測点
(AF21〜AF29)との何れかの列の計測点を選択
可能であるため、例えば先読み領域が露光領域に近すぎ
た場合や、基板の走査速度が速い場合は、走査方向に手
前側の先読み領域である第1の計測点(AF11〜AF
19)をサンプル点とすることができる。
【0022】次に、本発明においては、上述のように先
読みされた高さデータは、所定の記憶部(22A)中で
例えば所定のサンプリング周波数で順次連続するアドレ
スで指定される領域に格納される。そこで、実際の露光
領域での高さ又は傾斜角の制御を行うための高さデータ
を読み出すとき、走査速度が常に一定である場合には、
現在格納中のアドレスから所定量だけ離れたアドレスの
高さデータを読み出せばよい。しかしながら、実際には
走査速度は基板上の感光材料の感度等に応じて変化する
ため、正確に制御を行うには、現在格納中のアドレスか
ら基板(5)の走査速度に応じて定まるアドレスで指定
される領域から高さデータを読み出すことが望ましい。
【0023】また、本発明の走査露光装置によれば、マ
スク(12)及び基板(5)を同期して走査して基板
(5)上にマスク(12)のパターン像を露光する際
に、フォーカス位置検出系(60〜71A)が基板
(5)上で走査方向に対して手前側の計測点(25D)
で基板(5)の高さを計測する。その後、先読み方式で
高さが計測された領域がマスク(12)のパターン像の
露光領域(24)に達した際に、主制御系(22A)が
先読みした高さに基づいてその領域の高さを設定する。
このとき、例えば図8(a)に示すように、計測点(2
5D)で先読みされた高さが結像面(39)に対して所
定の許容範囲を超えた外れた場合には、その計測された
領域が露光領域(24)に達したときの基板(5)の高
さをそれまでに設定されていた高さに設定する。このこ
とにより、オートフォーカスの制御量が急激に大きくな
り全体として追従精度が悪化することがなくなる。
に、所定の計測点が走査方向に交差する方向に複数ある
場合には、基板(5)上での非走査方向の傾斜角も検出
できる。そこで、主制御系(22A)は、検出された傾
斜角に基づいて基板(5)の傾斜角の制御(レベリン
グ)をも行うことができる。この際にも、その先読みさ
れた高さが投影光学系(8)の結像面に対して所定の許
容範囲を超えて外れたときに、基板(5)の傾斜角をそ
れまでに設定されていた傾斜角に固定することにより、
オートレベリングを行うときの追従精度が全体として悪
化することがなくなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。本実施例は、ステップ・アンド・スキャン
方式の投影露光装置で露光を行う際に本発明を適用した
ものである。図1は本実施例で使用される投影露光装置
を示し、この図1において、図示省略された照明光学系
からの露光光ELによる矩形の照明領域(以下、「スリ
ット状の照明領域」という)によりレチクル12上のパ
ターンが照明され、そのパターンの像が投影光学系8を
介してウエハ5上に投影露光される。この際、図1の紙
面に垂直な方向にY軸を取ると、露光光ELのスリット
状の照明領域に対して、レチクル12が+Y方向(又は
−Y方向)に一定速度Vで走査されるのに同期して、ウ
エハ5は−Y方向(又は+Y方向)に一定速度V・β
(βは投影光学系8の投影倍率)で走査される。投影倍
率βは例えば1/4、又は1/5である。
【0025】レチクル12及びウエハ5の駆動系につい
て説明するに、レチクル支持台9上にY軸方向に移動自
在にレチクルY駆動ステージ10が載置され、このレチ
クルY駆動ステージ10上にレチクル微小駆動ステージ
11が載置され、レチクル微小駆動ステージ11上にレ
チクル12が真空チャック等により保持されている。レ
チクル微小駆動ステージ11は、投影光学系8の光軸に
垂直な面内で図1の紙面に平行なX方向、Y方向及び回
転方向(θ方向)にそれぞれ微小量だけ且つ高精度にレ
チクル12の位置制御を行う。レチクル微小駆動ステー
ジ11上には移動鏡21が配置され、レチクル支持台9
上に配置された干渉計14によって、常時レチクル微小
駆動ステージ11のX方向、Y方向及びθ方向の位置が
モニターされている。干渉計14により得られた位置情
報S1が主制御系22Aに供給されている。
【0026】一方、ウエハ支持台1上には、Y軸方向に
移動自在にウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その
上にX軸方向に移動自在にウエハX軸駆動ステージ3が
載置され、その上にZレベリングステージ4が設けら
れ、このZレベリングステージ4上にウエハ5が真空吸
着によって保持されている。Zレベリングステージ4上
にも移動鏡7が固定され、外部に配置された干渉計13
により、Zレベリングステージ4のX方向、Y方向及び
θ方向の位置がモニターされ、干渉計13により得られ
た位置情報も主制御系22Aに供給されている。主制御
系22Aは、ウエハ駆動装置22B等を介してウエハY
軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3及びZレ
ベリングステージ4の位置決め動作を制御すると共に、
装置全体の動作を制御する。
【0027】また、ウエハ側の干渉計13によって計測
される座標により規定されるウエハ座標系と、レチクル
側の干渉計14によって計測される座標により規定され
るレチクル座標系の対応をとるために、Zレベリングス
テージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定さ
れている。この基準マーク板6上には各種基準マークが
形成されている。これらの基準マークの中にはZレベリ
ングステージ4側に導かれた照明光により裏側から照明
されている基準マーク、即ち発光性の基準マークも設け
られている。
【0028】本例のレチクル12の上方には、基準マー
ク板6上の基準マークとレチクル12上のマークとを同
時に観察するためのレチクルアライメント顕微鏡19及
び20が装備されている。この場合、レチクル12から
の検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡19及
び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在
に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系
22Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び1
8によりそれぞれ偏向ミラー15及び16は露光光EL
の光路外に退避される。
【0029】図1の走査露光方式の投影露光装置には、
斜め入射型の多点フォーカス位置検出系が装着されてい
る。本例の多点フォーカス位置検出系は、露光領域内、
及び露光領域に対して走査方向に手前側でそれぞれウエ
ハのフォーカス位置(投影光学系8の光軸方向の位置)
を検出する先読み方式である。図2は本実施例の多点フ
ォーカス位置検出系の光学系を示し、この図2におい
て、レチクル12上のパターン形成面(レチクル面)と
ウエハ5の露光面とは投影光学系8に関して共役になっ
ている必要があるが、レチクル面はあまり変動しない。
そこで、斜め入射型の多点のフォーカス位置検出系によ
ってウエハ5の露光面が投影光学系8の結像面に焦点深
度の範囲内で合致しているかどうか(合焦しているかど
うか)のみを検出し、この検出結果に基づいてウエハ5
の露光面のフォーカス位置及び傾斜角の制御を行う。
【0030】多点のフォーカス位置検出系において、露
光光ELとは異なりウエハ5上のフォトレジストを感光
させない照明光が、図示省略された照明光源から光ファ
イバ束60を介して導かれている。光ファイバ束60か
ら射出された照明光は、集光レンズ61を経てパターン
形成板62Aを照明する。パターン形成板62Aを透過
した照明光は、レンズ63、ミラー64及び照射対物レ
ンズ65を経てウエハ5の露光面に投影され、ウエハ5
の露光面にはパターン形成板62A上のパターンの像が
投影光学系8の光軸AX1に対して斜めに投影結像され
る。ウエハ5で反射された照明光は、集光対物レンズ6
6、回転方向振動板67及び結像レンズ68を経て受光
器69Aの受光面に再投影され、受光器69Aの受光面
には、パターン形成板62A上のパターンの像が再結像
される。この場合、主制御系22Aは加振装置70を介
して回転方向振動板67に後述のような振動を与え、受
光器69Aの多数の受光素子からの検出信号が信号処理
装置71Aに供給され、信号処理装置71Aは、各検出
信号を加振装置70の駆動信号で同期検波して得た多数
のフォーカス信号を主制御系22Aに供給する。
【0031】図3(b)は、図2の本例のパターン形成
板62Aを示し、図3(b)に示すように、パターン形
成板62Aの第1列目には9個のスリット状の開口パタ
ーン72−11〜72−19が形成され、第2列目〜第
5列目にもそれぞれ9個の開口パターン72−21〜7
2−59が形成されている。即ち、パターン形成板62
Aには、合計で45個のスリット状の開口パターンが形
成されており、これらのスリット状の開口パターンの像
が図2のウエハ5の露光面上にX軸及びY軸に対して斜
めに投影される。
【0032】図3(a)は、本例の投影光学系8の下方
のウエハ5の露光面を示し、この図3(a)において、
投影光学系8の円形の照明視野23に内接するX方向に
長い矩形の露光フィールド24内に図2のレチクル12
のパターンが露光され、この露光フィールド24に対し
てY方向にウエハ5が走査(スキャン)される。本例の
多点フォーカス位置検出系により、露光フィールド24
のY方向の上側のX方向に伸びた第1列の9個の計測点
AF11〜AF19よりなる先読み領域25A、第2列
の計測点AF21〜AF29よりなる先読み領域25
B、露光フィールド24内の第3列の計測点AF31〜
AF39よりなる計測領域25C、露光フィールド24
のY方向の下側の第4列の計測点AF41〜AF49よ
りなる先読み領域25D、及び第5列の計測点AF51
〜AF59よりなる先読み領域25Eにそれぞれスリッ
ト状の開口パターンの像が投影される。
【0033】図3(c)は、本例の多点フォーカス位置
検出系の受光器69Aを示し、この受光器69A上の第
1列目には9個の受光素子75−11〜75−19が配
置され、第2列目〜第5列目にもそれぞれ9個の受光素
子75−21〜75−59が配置されている。即ち、受
光器69Aには、合計で45個の受光素子が配列されて
おり、各受光素子上にはスリット状の絞り(図示省略)
が配置されている。また、それら受光素子75−11〜
75−59上にそれぞれ図3(a)の計測点AF11〜
AF59に投影されたスリット状の開口パターンの像が
再結像される。各受光素子75−11〜75−59の検
出信号は信号処理装置71Aに供給されている。そし
て、ウエハ5の露光面で反射された光を、図2の回転方
向振動板67で振動することで、受光器69A上では再
結像された各像の位置が絞りの幅方向であるRD方向に
振動する。
【0034】また、図3(a)の各計測点AF11〜A
F59上のスリット状の開口の像は、投影光学系8の光
軸に対して斜めに投影されているため、ウエハ5の露光
面のフォーカス位置が変化すると、それら投影像の受光
器69A上での再結像位置はRD方向に変化する。従っ
て、信号処理装置71A内で、各受光素子75−11〜
75−59の検出信号をそれぞれ回転方向振動板67の
加振信号で同期検波することで、計測点AF11〜AF
59のフォーカス位置にそれぞれ対応する45個のフォ
ーカス信号が得られる。これら45個のフォーカス信号
の内の所定のフォーカス信号より後述のように、ウエハ
の露光面の傾斜角(レベリング角)及び平均的なフォー
カス位置を算出する。これら計測されたレベリング角及
びフォーカス位置は図2の主制御系22Aに供給され、
主制御系22Aは、その供給されたレベリング角及びフ
ォーカス位置に基づいて駆動装置22B及びZレベリン
グステージ4を介してウエハ5のレベリング角及びフォ
ーカス位置の設定を行う。
【0035】従って、本例では図3(a)に示す45個
の全ての計測点AF11〜AF59のフォーカス位置を
計測することができる。但し、本例では、図4に示すよ
うに、ウエハのスキャン方向に応じてそれら45個の計
測点中で実際にフォーカス位置を計測する点(以下、
「サンプル点」という)の位置を変えている。また、本
実施例では、先読み領域25A若しくは25B(又は2
5E若しくは25D)のみでフォーカス位置の先読みを
行う「先読みモード」と、それら先読み領域の他に露光
フィールド24内の計測領域25Cでもフォーカス位置
を計測する「分割先読みモード」とを有している。先
ず、単純な先読みモードでは、例えばウエハを−Y方向
に走査するときには、先読み領域25D内の全ての計測
点AF41〜AF49をサンプル点として計測を行う。
逆に、ウエハを+Y方向に走査する際には、先読み領域
25B(又は25A)内の計測点がサンプル点となる。
なお、露光フィールド24のY方向の幅が広く、先読み
領域25D(又は25B)が露光フィールド24に近づ
き過ぎた場合や、ウエハの走査速度が速いような場合に
は、それよりも走査方向に手前側の先読み領域25E
(又は25A)内の計測点をサンプル点とすることがあ
る。これは以下の分割先読みモードでも同様である。
【0036】次に、分割先読みモードでは、図4(a)
に示すように、露光フィールド24に対して+Y方向に
ウエハをスキャンする場合には、先読み領域25B中の
奇数番目の計測点AF21,AF23,‥‥,AF2
9、及び露光フィールド24内の計測領域25C中の偶
数番目の計測点AF32,AF34,‥‥,AF38が
サンプル点となる。逆に、図4(b)に示すように、露
光フィールド24に対して−Y方向にウエハをスキャン
する場合には、先読み領域25D中の奇数番目の計測点
AF41,AF43,‥‥,AF49、及び露光フィー
ルド24内の計測領域25C中の偶数番目の計測点AF
32,AF34,‥‥,AF38がサンプル点となる。
【0037】更に、先読みモード、及び分割先読みモー
ドの何れでも、走査露光時のフォーカス位置の計測結果
は、ウエハ側のステージの移動座標に応じて逐次変化し
ていくため、それらフォーカス位置の計測結果は、ステ
ージのスキャン方向(Y方向)の座標及び非スキャン方
向(X方向)の計測点の座標よりなる2次元のマップと
して図1の主制御系22内の記憶部に記憶される。この
ように記憶された計測結果を用いて、露光時のウエハの
フォーカス位置及びレベリング角が算出される。そし
て、際に図1のZレベリングステージ4を駆動してウエ
ハの露光面のフォーカス位置及びレベリング角を設定す
る場合は、計測結果に従ってオープンループ制御により
Zレベリングステージ4の動作が制御される。
【0038】なお、レチクル及びウエハの走査速度は常
に一定ではなく、ウエハ上のフォトレジストの感度等に
応じて変更される。このように走査速度が変更される場
合には、以下のようなデータ処理を行うことが望まし
い。即ち、先ず、先読みモード、及び分割先読みモード
の何れでも、走査露光時のフォーカス位置の計測結果
(計測データ)は、ウエハ側のステージの移動に同期し
て所定のサンプリング周波数で、主制御系22A内のバ
ッファメモリ内のアドレスに順次記憶される。また、図
1の主制御系22A内には、ウエハ側のステージの走査
速度VW 、及び先読み領域の中心から露光フィールドの
中心までの走査方向の間隔Gscの情報が供給されてい
る。そして、走査露光の開始後に、実際に図1のZレベ
リングステージ4を駆動してウエハの露光面のフォーカ
ス位置及びレベリング角を設定する場合は、主制御系2
2Aでは、内部のバッファメモリ内で現在先読みデータ
が格納されるアドレスに対して、(間隔Gsc/走査速度
W )で表される時間だけ前に読み込まれた計測結果を
読み出し、このように読み出した結果を用いてオープン
ループ制御によりZレベリングステージ4の動作を制御
する。これにより、走査速度が変化しても正確に合焦が
行われる。
【0039】この場合、先読みモードでは、予め計測さ
れた結果に基づいて露光フィールド24内での露光が行
われる。即ち、図5(a)に示すように、例えばウエハ
を+Y方向に走査するときには、第2列の先読み領域2
5B中の所定のサンプル点でウエハ上の領域26のフォ
ーカス位置の計測が行われ、その後図5(b)に示すよ
うにウエハ上の領域26が露光フィールド24内に達し
たときに、図5(a)での計測結果に基づいて、ウエハ
上の領域26のフォーカシング及びレベリング制御が行
われる。一方、分割先読みモードでは、その領域26の
フォーカシング及びレベリング制御を行う際に、図4
(a)及び(b)に示したように、露光フィールド24
内の計測領域25C中のサンプル点、即ちその領域26
で露光中に計測されるフォーカス位置のデータも合わせ
て使用される。この分割先読みモードでは、露光フィー
ルド24内の計測領域25Cでの計測データは追従誤差
(ウエハの露光面と投影光学系の結像面との姿勢の差
分)の補正用として使用される。
【0040】図6は本例のZレベリングステージ4及び
この制御系を示し、この図5において、Zレベリングス
テージ4の上面部材は下面部材上に3個の支点28A〜
28Cを介して支持されており、各支点28A〜28C
はそれぞれフォーカス方向(Z方向)に伸縮自在になっ
ている。各支点28A〜28Cの伸縮量を調整すること
により、Zレベリングステージ4上のウエハ5の露光面
のフォーカス位置、スキャン方向の傾斜角θY 及び非ス
キャン方向の傾斜角θX を所望の値に設定することがで
きる。各支点28A〜28Cの近傍にはそれぞれ、各支
点のフォーカス方向の変位量を例えば0.01μm程度
の分解能で計測できる高さセンサー29A〜29Cが取
り付けられている。なお、フォーカス方向(Z方向)へ
の位置決め機構として、よりストロークの長い高精度な
機構を別に設けても良い。
【0041】Zレベリングステージ4のレベリング動作
を制御するために、主制御系22Aはフィルタ部30A
及び30Bにそれぞれ刻々に変化する非スキャン方向の
設定すべき傾斜角θX 及びスキャン方向の設定すべき傾
斜角θY を供給する。フィルタ部30A及び30Bはそ
れぞれ異なるフィルタ特性でフィルタリングして得られ
た傾斜角を演算部31に供給し、主制御系22Aは演算
部31にはウエハ5上の露光対象とする領域の座標W
(X,Y)を供給する。更に、不図示の信号ラインを介
して主制御系22Aは、演算部31に対してウエハの露
光面の設定すべきフォーカス位置の情報をも供給する。
演算部31は、座標W(X,Y)、フォーカス位置、及
び2つの傾斜角に基づいて駆動部32A〜32Cに設定
すべき変位量の情報を供給する。各駆動部32A〜32
Cにはそれぞれ高さセンサー29A〜29Cから支点2
9A〜29Cの現在の高さの情報も供給され、各駆動部
32A〜32Cはそれぞれ支点29A〜29Cの高さを
演算部31に設定された高さに設定する。
【0042】これにより、ウエハ5の露光面のスキャン
方向の傾斜角及び非スキャン方向の傾斜角がそれぞれ所
望の値に設定される。また、支点28A,28B及び2
8Cが配置されている位置をそれぞれ駆動点TL1,T
L2及びTL3と呼ぶと、駆動点TL1及びTL2はY
軸に平行な1直線上に配置され、駆動点TL3は駆動点
TL1とTL2との垂直2等分線上に位置している。そ
して、投影光学系によるスリット状の露光フィールド2
4が、ウエハ5上のショット領域SAij上に位置してい
るものとすると、本例では、支点28A〜28Cを介し
てウエハ5のレベリング制御を行う際に、そのショット
領域SAijのフォーカス位置は変化しない。従って、レ
ベリング制御とフォーカス制御とが分離した形で行われ
るようになっている。また、ウエハ5の露光面のフォー
カス位置の設定は、3個の支点28A〜28Cを同じ量
だけ変位させることにより行われる。
【0043】次に、本例のレベリング動作及びフォーカ
シング動作につき詳細に説明する。先ず、レベリング用
の傾斜角及びフォーカシング用のフォーカス位置の算出
法を示す。 (A)傾斜角の算出法 図5に示すように、各列の計測点において非スキャン方
向のm番目のサンプル点のX座標をXm 、スキャン方向
のn番目のサンプル点のY座標をYn として、X座標X
m 及びY座標Yn のサンプル点で計測されたフォーカス
位置の値をAF(Xm ,Yn )で表す。また、非スキャ
ン方向のサンプル数をM、スキャン方向のサンプル数を
Nとして、次の演算を行う。但し、和演算Σm は添字m
に関する1〜Mまでの和を表す。
【0044】 SX=Σm m ,SX2=Σm m 2,SMZ=Σm AF(Xm ,Yn ), SXZ=Σm (AF(Xm ,Yn )・Xm ) (1) 同様に、和演算Σn が添字nに関する1〜Nまでの和を
表すものとして、次の演算を行う。 SY=Σn n ,SY2=Σn n 2,SNZ=Σn AF(Xm ,Yn ), SYZ=Σn (AF(Xm ,Yn )・Yn ) (2) そして、(1)式及び(2)式を用いて次の演算を行
う。
【0045】 An=(SX・SMZ−M・SXZ)/(SX2−M・SX2) (3) Am=(SY・SNZ−N・SYZ)/(SY2−N・SY2) (4) 次に、各Anより、最小自乗近似によりスキャン方向の
n番目のサンプル点における非スキャン方向(X方向)
の傾斜角AL(Yn )を求め、各Amより、最小自乗近
似により非スキャン方向のm番目のサンプル点における
スキャン方向(Y方向)の傾斜角AL(Xm )を求め
る。その後、次のような平均化処理により非スキャン方
向の傾斜角θX 及びスキャン方向の傾斜角θY を求め
る。
【0046】θX =(Σn AL(Yn ))/N (5) θY =(Σm AL(Xm ))/M (6)
【0047】(B)フォーカス位置算出法フォーカス位
置の算出法には平均化処理法と最大最小検出法とがあ
り、本例では最大最小検出法でフォーカス位置を算出す
る。参考のため、平均化処理法では、上述のフォーカス
位置の値AF(Xm ,Yn )を用いて、次式よりウエハ
5の露光面の全体としてのフォーカス位置〈AF〉を計
算する。
【0048】 〈AF〉=(Σn Σm AF(Xm ,Yn ))/(M・N) (7) 次に、最大最小検出法では、最大値及び最小値を表す関
数をそれぞれMax( )及びMin( )として、次式よりウ
エハ5の露光面の全体としてのフォーカス位置AF′を
計算する。 AF′=(Max(AF(Xm ,Yn ))+Min(AF(Xm ,Yn )) (8) そして、図5(b)に示すように、計測された領域26
が露光フィールド24に達したときには、(5)式、
(6)式、(8)式の検出結果θX ,θY 及びAF′に
基づいて、図6の3個の支点28A〜28Cがそれぞれ
高さセンサー29A〜29Cの計測結果を基準としてオ
ープンループで駆動される。具体的に、オートフォーカ
ス制御は、3個の支点28A〜28Cを同時に駆動する
ことにより実行され、オートレベリング制御は、図6に
示す露光フィールド24内のフォーカス位置が変化しな
いように実行される。
【0049】即ち、図6において、露光フィールド24
の中心点と支点28A,28BのX方向の間隔をX1
露光フィールド24の中心点と支点28CのX方向の間
隔をX2 、露光フィールド24の中心点と支点28Aの
Y方向の間隔をY1 、露光フィールド24の中心点と支
点28BのY方向の間隔をY2 として、非スキャン方向
の傾斜角θX の結果に基づき、支点28A,28Bと支
点28CとにそれぞれX1 :X2 の比で逆方向の変位が
与えられ、スキャン方向の傾斜角θY の結果に基づき、
支点28Aと支点28BとにそれぞれY1 :Y2 の比で
逆方向の変位が与えられる。
【0050】次に、本実施例における露光動作の一例に
つき図7〜図9を参照して説明する。先ず、図7は、本
実施例のウエハ5のショット配列を示し、この図7にお
いて、ウエハ5上にX方向及びY方向にそれぞれ所定ピ
ッチでショット領域SA1,SA2,…,SA20が配
列されている。1層目への露光を行う際にはショット領
域SA1〜SA20は仮想的なものであり、2層目への
露光を行う際にはショット領域SA1〜SA20には既
にそれぞれ同一又は異なる回路パターンが形成されてい
る。
【0051】そして、先ず第1のショット領域SA1に
露光を行う際には、露光フィールド24に対してウエハ
5をY方向に走査し、それに同期してレチクル12(図
1参照)を−Y方向に走査する。この結果、ウエハ5に
対して相対的に露光フィールド24は軌跡33Aに沿っ
て移動する。この際に、分割先読みモードでは、先読み
領域25D、及び露光フィールド24内の計測領域25
C内の所定の計測点でフォーカス位置が計測され、この
計測結果に基づいてウエハ5のフォーカシング及びレベ
リングが実行される。但し、そのショット領域SA1
は、ウエハ5の周辺部にあるため、実測されたフォーカ
ス位置のデータをそのまま使用すると、フォーカス位
置、及びレベリング角の補正量が大きくなり過ぎて追従
精度が悪化する。そのため、以下のように実測されたフ
ォーカス位置のデータが所定の許容値から外れたときに
は、そのデータを無視するようにしている。
【0052】即ち、図8(a)は、ショット領域SA1
への露光を開始するために、ウエハ5のY方向への走査
を開始した直後の状態を示し、この図8(a)におい
て、露光フィールド24及び先読み領域25Dは、ウエ
ハ5の周辺部の薄い部分(ウエハ5に塗布されたフォト
レジスト層の膜厚が大きく変化する周辺領域)に位置し
ている。また、本例の多点フォーカス位置検出系では、
予め計測点においてその仮想的な基準面が投影光学系8
の結像面と一致している、すなわちウエハ5の露光面
(例えば表面)が投影光学系8の結像面に合致している
ときに、検出されるフォーカス位置が0になるようにキ
ャリブレーションが行われているものとする。このと
き、先読み領域25D(ウエハ5の表面)で計測される
フォーカス位置ΔZは、そのまま結像面39のフォーカ
ス位置からの差分を表しており、そのフォーカス位置Δ
Zはかなり大きな値となる。そこで、本実施例では、予
め許容値Δmaxを定め、その計測されたフォーカス位
置ΔZの絶対値がその許容値Δmaxを超える場合に
は、そのフォーカス位置ΔZを無視する。具体的に、シ
ョット領域SA1への露光を行う前に、ショット領域S
A1の例えば中央部でフォーカス位置を計測しておき、
図8(a)の状態では計測されたフォーカス位置ΔZの
絶対値がその許容値Δmaxを超えるものとすると、図
8(a)の状態ではその予め計測されたフォーカス位置
のデータに基づいてZレベリングステージ4のフォーカ
ス位置、及びレベリング角を制御する。
【0053】その後、ウエハ5を更に+Y方向に走査し
て図8(b)のように、先読み領域25Dがショット領
域SA1にかかると、計測されるフォーカス位置の絶対
値は許容値Δmax以下になるため、その実測されたフ
ォーカス位置に基づいて、Zレベリングステージ4のフ
ォーカス位置、及びレベリング角を制御する。これによ
り、図8(a)の状態から図8(b)の状態に移行する
過程で、ウエハ5のフォーカス位置又はレベリング角
(傾斜角)が大きく変動することがなくなるため、図8
(b)の状態からショット領域SA1に露光を開始する
際に、ショット領域SA1の露光面は正確に結像面に合
わせ込まれる。従って、ウエハ5の走査速度を低くする
ことなく、オートフォーカス及びオートレベリングの追
従精度が良好であり、ショット領域SA1の全面に高い
解像度でレチクルのパターンが露光される。
【0054】次に、図7において、ショット領域SA1
への露光終了後に隣のショット領域SA2への露光を行
う際には、図1のウエハX軸駆動ステージ3を介してウ
エハ5を−X方向にステッピングさせる。これにより、
露光フィールド24はウエハ5に対して+X方向に移動
して、ショット領域SA2への走査開始位置に至る。そ
の状態から、露光フィールド24に対してウエハ5を−
Y方向に走査し、それに同期してレチクル12(図1参
照)を+Y方向に走査する。この結果、ウエハ5に対し
て相対的に露光フィールド24は軌跡33Bに沿って移
動する。この際に、分割先読みモードでは、先読み領域
25B、及び露光フィールド24内の計測領域25C内
の所定の計測点でフォーカス位置が計測され、この計測
結果に基づいてウエハ5のフォーカシング及びレベリン
グが実行される。但し、そのショット領域SA2も、ウ
エハ5の周辺部にあるため、実測されたフォーカス位置
のデータをそのまま使用すると、フォーカス位置、及び
レベリング角の補正量が大きくなり過ぎて追従精度が悪
化する恐れがある。そのため、以下のようにしている。
【0055】即ち、図9(a)は、ショット領域SA2
の中央部への露光を行っている状態を示し、この図9
(a)において、先読み領域25Bでのフォーカス位置
の計測結果の結像面からのずれ量は許容値以内であるた
め、計測結果に基づいてオートフォーカス及びオートレ
ベリングが行われる。ところが、その後ウエハ5が更に
−Y方向に走査されて、図9(b)に示すように、先読
み領域25Bがウエハ5の周辺部の薄い部分に移動する
と、先読み領域25Bで計測されるフォーカス位置ΔZ
(即ち、結像面からのずれ量)の絶対値は上述の許容値
Δmaxを超えてしまう。そこで、先読み領域25Bで
計測されたフォーカス位置ΔZの絶対値が許容値Δma
xを超えたときには、そのフォーカス位置ΔZのデータ
を無視して、Zレベリングステージ4のフォーカス位
置、及びレベリング角をそれまでに設定されていた値に
維持して露光を行う。
【0056】但し、図9(b)の状態で、先読み領域2
5Bで計測されたフォーカス位置ΔZの絶対値が許容値
Δmaxを超えるのは、回路パターンが露光されないウ
エハ5の周辺部であると共に、先読みされたデータが実
際に使用されるまでは時間遅れがあるため、ショット領
域SA2への露光に関しては絶対値が許容値Δmaxを
超えるデータを無視しても殆ど影響はない。しかしなが
ら、このように絶対値が許容値Δmaxを超えるデータ
を無視することにより、図9(b)の状態からZレベリ
ングステージ4のフォーカス位置及びレベリング角が大
きく変化することがなくなる。即ち、Zレベリングステ
ージ4の無駄な動作がなくなり、制御系の安定性が高ま
る利点がある。
【0057】図7に戻り、その後同様にしてウエハ5上
のショット領域SA3〜SA20への走査露光が行われ
る。また、各ショット領域SA3〜SA20に対する露
光フィールド24の相対的な走査方向をそれぞれ矢印で
示す。この場合、中央部のショット領域SA3〜SA1
8では先読み領域での計測データをそのまま使用してオ
ートフォーカス及びオートレベリングが実行されるが、
周辺部のショット領域SA19,SA20では、部分的
に先読み領域での計測データが無視される。これによ
り、ウエハ5の各ショット領域をそれぞれ結像面に合わ
せ込んだ状態で、且つZレベリングステージ4が無駄な
動きをすることなく効率的に走査露光方式での露光が行
われる。
【0058】なお、図7ではウエハ上の走査方向に対し
て周辺部のショット領域への露光を行う場合について説
明したが、ウエハ上の非走査方向(X方向)に対して周
辺部のショット領域への露光を行う場合につき、図10
を参照して説明する。図10は、ウエハ5上のX方向の
エッジ部に近接して配置されたショット領域SAを示
し、この図10において、ショット領域SAを露光フィ
ールド24に対して+Y方向(紙面内右方向)に走査す
ることによりショット領域SAへの露光が行われる。従
って、分割先読みモードでは、露光フィールド24の手
前側の先読み領域25B内の計測点AF21,AF2
3,…,AF29で計測されたフォーカス位置のデー
タ、及び露光フィールド24内の計測領域の計測点で計
測されたフォーカス位置のデータが使用される。
【0059】また、図10では、ショット領域SAの走
査方向の両端部がウエハ5からはみ出しているものとす
る。このような場合でも、例えばショット領域SA内に
2個の同じ回路パターン34A及び34Bが形成される
ときには、回路パターン34Aの部分だけは正常に露光
されるため、ショット領域SAの全体が無駄になること
はない。しかしながら、露光フィールド24に対してシ
ョット領域SAを+Y方向に走査すると、先読み領域2
5B内の端部の計測点AF21でのフォーカス位置の絶
対値は、初期位置35Aでは許容値Δmaxを超え、中
間の位置35Bでは許容値Δmax以内となり、走査終
了に近い位置35Cでは再び許容値Δmaxを超えてし
まう。即ち、計測点AF21でのフォーカス位置の絶対
値は、Y方向の両端の区間ΔY1及びΔY3では許容値
Δmaxを超え、中央の区間ΔY2では許容値Δmax
以内となる。
【0060】そこで、このような場合には、区間ΔY1
及びΔY3での計測データを使用するときには計測点A
F21での計測データを無視し、区間ΔY2での計測デ
ータを使用するときには計測点AF21での計測データ
も使用するようにする。これにより、ショット領域SA
のフォーカス位置及び傾斜角が、ウエハ5の周辺部の露
光に適さない領域の計測データによって誤った値に設定
されることが防止され、少なくとも回路パターン34A
の領域には高い解像度でレチクルのパターンが露光され
る。
【0061】更に、先読み領域の計測点での計測値がウ
エハ周辺部の欠けショット(図10のショット領域SA
のようなショット領域)で許容値Δmaxを超えた場合
だけでなく、ウエハの内部についても計測値について許
容値(閾値)を設定してもよい。つまり、露光領域中に
はプロセス段差以外に、例えばウエハの裏面のレジスト
残屑のような異物に起因するZレベリングステージ4で
は追従できないような大きさの凹凸が存在する場合があ
り、このような場合、先読み領域内の計測値の一部にフ
ォーカス位置の特異的な大きな変動として現れる。例え
ば図10において、ショット領域SAの裏面に異物Qが
付着していると、区間ΔY1内で先読み領域25B内の
計測点AF23での計測値が大きく変動し、この計測値
をそのまま使用すると、Zレベリングステージ4では追
従できないためにその異物Qの付着領域の近くの領域が
合焦されなくなる。そこで、本例では、ウエハの内部に
おいて先読み領域内の1つ又は複数個の計測点でのフォ
ーカス位置の計測値が、所定の許容値を超えたとき、所
定の大きさを超える異物がウエハ裏面にあると認識する
と共に、主制御系22A内のバッファメモリに、異物が
存在するウエハ上の位置の座標(又は異物が存在するシ
ョット領域の位置)、及びそのときのフォーカス位置の
変動量を記憶する。
【0062】また、この際のフォーカス位置の変動量と
しては、Z方向のみの変位を用いてもよいが、ウエハス
テージの移動に伴うフォーカス位置の変化量を用いても
よい。そして、このフォーカス位置の変動量が局所的な
変化の場合は、一例としてその異物が存在する位置での
フォーカス位置の計測値を、高さ及び傾斜角の制御情報
としては除外する。その局所的な変化とはZレベリング
ステージ4の追従性能から判断され、Zレベリングステ
ージ4の追従応答以上のフォーカス変化量のみを無視す
るのが最もよい。
【0063】また、主制御系22A内に格納された異物
情報はウエハの露光終了時に付属のCRTディスプレイ
上に異物マップとして表示してもよい。また、オンライ
ン回線を用いてホストコンピュータ上に異物情報を送
り、異物情報をオンライン回線上のホストコンピュータ
で管理してもよい。なお、上述実施例においては、ウエ
ハの露光面の多点のフォーカス位置を計測するために、
2次元的に配列されたスリット状の開口パターン像をウ
エハ上に投影する多点フォーカス位置検出系が使用され
ている。しかしながら、その代わりに、例えばウエハ上
の1列の先読み領域に対しては、非スキャン方向に細長
いスリット状になっているパターンの像を投影し、その
非スキャン方向の全体のフォーカス位置を計測するフォ
ーカス位置検出系を使用しても良い。また、明暗パター
ンを投影してそのパターン像の横ずれ量を検出する画像
処理方式のフォーカス位置検出系を用いて、ウエハの露
光面上の2次元的なフォーカス位置の分布を計測する場
合でも、上述実施例と同様の分割先読み等を適用するこ
とにより、高精度なフォーカシング及びレベリングを行
うことができる。
【0064】なお、本発明は上述実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る
ことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明の走査露光方法によれば、基板の
高さを先読みし、先読みされた結果を用いて高さ制御を
行っているため、走査露光方式で露光する際に、走査速
度を低くすることなく、ウエハ等の感光性の基板上の実
際の露光領域の高さを投影光学系の結像面の高さに正確
に合わせ込むことができる。また、先読みされた高さが
所定の許容範囲を外れた場合に、基板の高さをそれまで
に設定されていた高さに固定しているため、基板表面の
高さが大きく変化するような場合にも、全体としてオー
トフォーカスの追従精度が悪化しない利点がある。
【0066】また、このように先読みされた高さが所定
の許容範囲を外れた場合に、基板の高さをそれまでに設
定されていた高さに固定する方法により、基板の周辺部
の露光領域での走査方向をどの方向にしても常に良好な
追従精度が得られる。更に、その先読みされた高さに基
づいて基板の傾斜角の制御をも行い、その先読みされた
高さが投影光学系の結像面に対して所定の許容範囲を超
えて外れたときに、基板の傾斜角をそれまでに設定され
ていた傾斜角に固定することにより、全体としてレベリ
ングの追従精度が悪化しない利点がある。
【0067】また、照明領域と共役な露光領域内に対し
て走査方向に手前側で走査方向に交差する方向に配列さ
れた一列の計測点で基板の高さを計測するのと並行し
て、露光領域内で走査方向に交差する方向に配列された
一列の計測点で前記基板の高さを計測する場合には、先
読みされた高さと実際の高さとを用いてより高精度にオ
ートフォーカス、及びオートレベリングを行うことがで
きる。この場合でも、露光領域に対して走査方向に手前
側の一列の計測点で計測された高さが所定の許容範囲を
超えたときに、基板の高さ及び傾斜角をそれまでに設定
されていた値に固定することにより、全体としてオート
フォーカス及びオートレベリングの追従精度が悪化しな
い。
【0068】更に、基板の高さを制御する際に、第1列
の計測点(AF11〜AF19)と、第2列の計測点
(AF21〜AF29)との何れかの列の計測点を選択
可能とした場合には、例えば先読み領域が露光領域に近
すぎた場合や、基板の走査速度が速い場合は、走査方向
に手前側の先読み領域である第1の計測点(AF11〜
AF19)をサンプル点とすることができる。
【0069】また、先読みされた高さを所定の記憶部中
の所定のサンプリング周波数で定まるアドレスで指定さ
れる領域に順次格納し、その所定の記憶部中で基板の走
査速度に応じて定まるアドレスで指定される領域から順
次高さを読み出し、該読み出された高さがその所定の許
容範囲内であるときに、このように読み出された高さに
基づいて基板の高さを投影光学系の結像面に合焦させる
ときには、基板の走査速度が変更された場合でも、正確
に合焦が行われる。
【0070】本発明の走査露光装置によれば、先読みさ
れた高さが所定の許容範囲を外れた場合に、基板の高さ
をそれまでに設定されていた高さに固定しているため、
基板表面の高さが大きく変化するような場合にも、全体
としてオートフォーカスの追従精度が悪化しない利点が
ある。 また、その先読みされた高さに基づいて基板の傾
斜角の制御をも行い、その先読みされた高さが投影光学
系の結像面に対して所定の許容範囲を超えて外れたとき
に、基板の傾斜角をそれまでに設定されていた傾斜角に
固定することにより、全体としてレベリングの追従精度
が悪化しない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による走査露光方法の一実施例が適用さ
れる投影露光装置を示す構成図である。
【図2】図1の投影露光装置の多点フォーカス位置検出
系の光学系を示す構成図である。
【図3】(a)は実施例において投影光学系による露光
フィールドを含む領域に2次元的な配列で投影されたス
リット状の開口パターン像を示す平面図、(b)は多点
フォーカス位置検出系のパターン形成板上の開口パター
ンを示す図、(c)は受光器上の受光素子の配列を示す
図である。
【図4】(a)は実施例で分割先読みを行う場合のサン
プル点を示す図、(b)は逆方向にスキャンする場合で
且つ分割先読みを行う場合のサンプル点を示す図であ
る。
【図5】先読みしたフォーカス位置を用いて露光を行う
場合を示す説明図である。
【図6】実施例のオートフォーカス及びオートレベリン
グ用の機構並びにその制御部を示す構成図である。
【図7】ウエハ上のショット配列の一例を示す平面図で
ある。
【図8】分割先読み方式でショット領域SA1に露光を
行う場合の動作の説明に供する要部の拡大断面図であ
る。
【図9】分割先読み方式でショット領域SA2に露光を
行う場合の動作の説明に供する要部の拡大断面図であ
る。
【図10】ウエハ5上の非走査方向のエッジ部に近いシ
ョット領域に露光を行う場合の説明に供するウエハの部
分拡大平面図である。
【符号の説明】
2 ウエハY軸駆動ステージ 4 Zレベリングステージ 5 ウエハ 8 投影光学系 10 レチクルY駆動ステージ 12 レチクル 22A 主制御系 24 スリット状の露光フィールド 25A,25B,25D,25E 先読み領域 25C 計測領域 62A パターン形成板 69A 受光器 71A 信号処理装置 AF11〜AF59 計測点 SA1〜SA20 ショット領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/207

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク上の転写用のパターンの一部を投
    影光学系を介して感光性の基板上の所定形状の露光領域
    に投影し、前記マスクを前記投影光学系に対して所定方
    向に走査するのと同期して前記基板を前記所定方向に対
    応する方向に走査することにより、前記マスクのパター
    ンを逐次前記基板上に転写露光する走査露光方法におい
    て、 前記露光領域に対して走査方向に手前側の計測点で前記
    基板の前記投影光学系の光軸方向の高さを先読みし、 該先読みされた高さに基づいて前記露光領域内の前記基
    板の高さを制御するに際して、 前記先読みされた高さが前記投影光学系の結像面に対し
    て所定の許容範囲を超えて外れたときに、前記基板の高
    さをそれまでに設定されていた高さに固定することを特
    徴とする走査露光方法。
  2. 【請求項2】 前記先読みされた高さに基づいて前記基
    板の傾斜角の制御をも行い、前記先読みされた高さが前
    記投影光学系の結像面に対して所定の許容範囲を超えて
    外れたときに、前記基板の高さ及び傾斜角をそれぞれそ
    れまでに設定されていた高さ及び傾斜角に固定すること
    を特徴とする請求項1記載の走査露光方法。
  3. 【請求項3】 前記露光領域内に対して走査方向に手前
    側で走査方向に交差する方向に配列された一列の計測点
    で前記基板の高さを計測するのと並行して、前記露光領
    域内で走査方向に交差する方向に配列された一列の計測
    点で前記基板の高さを計測し、 前記露光領域に対して走査方向に手前側の一列の計測点
    で計測された高さが前記投影光学系の結像面に対して所
    定の許容範囲を超えて外れたときに、前記基板の高さを
    それまでに設定されていた高さに固定することを特徴と
    する請求項1記載の走査露光方法。
  4. 【請求項4】 前記露光領域に対して走査方向に手前側
    の計測点は、前記走査方向に交差する方向に配列された
    複数の計測点を有する第1列の計測点と、前記第1列の
    計測点よりも前記露光領域側に位置し、前記走査方向に
    交差する方向 に配列された複数の計測点を有する第2列
    の計測点とを有し、前記基板の高さを制御する際は、何
    れかの列の計測点を選択可能であることを特徴とする請
    求項1〜3の何れか一項に記載の走査露光方法。
  5. 【請求項5】 前記先読みされた高さを所定の記憶部中
    の所定のサンプリング周波数で定まるアドレスで指定さ
    れる領域に順次格納し、前記所定の記憶部中で前記基板
    の走査速度に応じて定まるアドレスで指定される領域か
    ら順次高さを読み出し、該読み出された高さが前記所定
    の許容範囲内であるときに、該読み出された高さに基づ
    いて前記基板の高さを前記投影光学系の結像面に合焦さ
    せることを特徴とする請求項1記載の走査露光方法。
  6. 【請求項6】 マスク上の転写用のパターンの一部を投
    影光学系を介して感光性の基板上の所定形状の露光領域
    に投影し、前記マスクを前記投影光学系に対して所定方
    向に走査するのと同期して前記基板を前記所定方向に対
    応する方向に走査することにより、前記マスクのパター
    ンを逐次前記基板上に転写露光する走査露光装置におい
    て、 前記露光領域に対して走査方向に手前側の計測点で前記
    基板の前記投影光学系の光軸方向の高さを先読みするフ
    ォーカス位置検出系と、 該先読みされた高さに基づいて前記露光領域内の前記基
    板の高さを制御するに際して、 前記先読みされた高さが前記投影光学系の結像面に対し
    て所定の許容範囲を超えて外れたときに、前記基板の高
    さをそれまでに設定されていた高さに固定する制御系
    と、 を有することを特徴とする走査露光装置。
  7. 【請求項7】 前記制御系は、前記フォーカス位置検出
    系から得られる前記先読みされた高さに基づいて前記基
    板の傾斜角の制御をも行い、前記先読みされた高さが前
    記投影光学系の結像面に対して所定の許容範囲を超えて
    外れたときに、前記基板の高さ及び傾斜角をそれぞれそ
    れまでに設定されていた高さ及び傾斜角に固定すること
    を特徴とする請求項6に記載の走査露光装置。
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