JP3316846B2 - 走査露光方法及び該方法を用いるデバイス製造方法 - Google Patents

走査露光方法及び該方法を用いるデバイス製造方法

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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばオートフォーカ
ス機構又はオートレベリング機構を備えたスリットスキ
ャン露光方式の投影露光装置に使用して好適な走査露光
方法及びその方法を使用するデバイス製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フ
ォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称す
る)のパターンを感光材が塗布された基板(ウエハ、ガ
ラスプレート等)上に転写する投影露光装置が使用され
ている。従来の投影露光装置としては、ウエハの各ショ
ット領域を順次投影光学系の露光フィールド内に移動さ
せて、各ショット領域に順次レチクルのパターン像を露
光するというステップ・アンド・リピート方式の縮小投
影型露光装置(ステッパー)が多く使用されていた。
【0003】図20は従来のステッパーの要部を示し、
この図20において、図示省略された照明光学系からの
露光光ELのもとで、レチクル51上のパターンの像が
投影光学系52を介してフォトレジストが塗布されたウ
エハ53上の各ショット領域に投影露光される。ウエハ
53は、Zレベリングステージ54上に保持され、Zレ
ベリングステージ54はウエハ側XYステージ55の上
に載置されている。ウエハ側XYステージ55は、投影
光学系52の光軸AX1に垂直な平面(XY平面)内で
ウエハ53の位置決めを行い、Zレベリングステージ5
4は、ウエハ53の露光面のフォーカス位置(光軸AX
1に平行な方向の位置)及びその露光面の傾斜角を指定
された状態に設定する。
【0004】また、Zレベリングステージ54上に、移
動鏡56が固定されている。外部のレーザ干渉計57か
らのレーザビームがその移動鏡56で反射され、ウエハ
側XYステージ55のX座標及びY座標がレーザ干渉計
57により常時検出され、これらX座標及びY座標が主
制御系58に供給されている。主制御系58は、駆動装
置59を介してウエハ側XYステージ55及びZレベリ
ングステージ54の動作を制御することにより、ステッ
プ・アンド・リピート方式でウエハ53上の各ショット
領域に順次レチクル51のパターン像を露光する。
【0005】この際、レチクル51上のパターン形成面
(レチクル面)とウエハ53の露光面とは投影光学系5
2に関して共役になっている必要があるが、投影倍率が
高く、焦点深度が大きい為にレチクル面はあまり変動し
ない。そこで、従来は一般に、斜め入射型の多点のフォ
ーカス位置検出系によってウエハ53の露光面が投影光
学系52の像面に焦点深度の範囲内で合致しているかど
うか(合焦しているかどうか)のみを検出し、ウエハ5
3の露光面のフォーカス位置及び傾斜角の制御を行って
いた。
【0006】従来の多点のフォーカス位置検出系におい
て、露光光ELとは異なりウエハ53上のフォトレジス
トを感光させない照明光が、図示省略された照明光源か
ら光ファイバ束60を介して導かれている。光ファイバ
束60から射出された照明光は、集光レンズ61を経て
パターン形成板62を照明する。パターン形成板62を
透過した照明光は、レンズ63、ミラー64及び照射対
物レンズ65を経てウエハ53の露光面に投影され、ウ
エハ53の露光面にはパターン形成板62上のパターン
の像が光軸AX1に対して斜めに投影結像される。ウエ
ハ53で反射された照明光は、集光対物レンズ66、回
転方向振動板67及び結像レンズ68を経て受光器69
に受光面に再投影され、受光器69の受光面には、パタ
ーン形成板62上のパターンの像が再結像される。この
場合、主制御系58は加振装置70を介して回転方向振
動板67に後述のような振動を与え、受光器69の多数
の受光素子からの検出信号が信号処理装置71に供給さ
れ、信号処理装置71は、各検出信号を加振装置70の
駆動信号で同期検波して得た多数のフォーカス信号を主
制御系58に供給する。
【0007】図21(b)は、パターン形成板62上に
形成された開口パターンを示し、この図21(b)に示
すように、パターン形成板62上には十字状に9個のス
リット状の開口パターン72−1〜72−9が設けられ
ている。それらの開口パターン72−1〜72−9はウ
エハ53の露光面に対してX軸及びY軸に対して45°
で交差する方向から照射されるため、ウエハ53の露光
面上の投影光学系52の露光フィールド内での、それら
開口パターン72−1〜72−9の各投影像AF1〜A
F9は図21(a)に示すような配置になる。図21
(a)において、投影光学系52の円形の照明視野に内
接して最大露光フィールド74が形成され、最大露光フ
ィールド74内の中央部及び2個の対角線上の計測点A
F1〜AF9にそれぞれスリット状の開口パターンの投
影像が投影されている。
【0008】図21(c)は、受光器69の受光面の様
子を示し、この図21(c)に示すように、受光器69
の受光面には十字型に9個の受光素子75−1〜75−
9が配置され、各受光素子75−1〜75−9の上には
スリット状の開口を有する遮光板(図示省略)が配置さ
れている。そして、図21(a)の各計測点AF1〜A
F9上の像がそれぞれ受光器69の各受光素子75−1
〜75−9の上に再結像されている。この場合、図20
のウエハ53の露光面(ウエハ面)で反射された照明光
は、集光対物レンズ66の瞳位置に存在すると共に図2
0の紙面にほぼ垂直な軸の回りに振動(回転振動)する
回転方向振動板67に反射されるため、図21(c)に
示すように、受光器69上では各受光素子75−1〜7
5−9上に再結像される投影像の位置がスリット状の開
口の幅方向であるRD方向に振動する。
【0009】また、図21(a)の各計測点AF1〜A
F9上のスリット状の開口の像は、投影光学系52の光
軸に対して斜めに投影されているため、ウエハ53の露
光面のフォーカス位置が変化すると、それら投影像の受
光器69上での再結像位置はRD方向に変化する。従っ
て、信号処理装置71内で、各受光素子75−1〜75
−9の検出信号をそれぞれ回転方向振動板67の加振信
号で同期検波することで、計測点AF1〜AF9のフォ
ーカス位置にそれぞれ対応する9個のフォーカス信号が
得られる。そして、9個のフォーカス位置から、露光フ
ィールド74の平均的な面の傾斜角及びその平均的な面
のフォーカス位置が求められて主制御系58に供給さ
れ、主制御系58は、駆動装置59及びZレベリングス
テージ54を介してウエハ53の当該ショット領域のフ
ォーカス位置及び傾斜角(レベリング角)を所定の値に
設定する。このようにして、ステッパーにおいては、ウ
エハ53の各ショット領域においてフォーカス位置及び
傾斜角が投影光学系52の像面に合わせ込まれた状態
で、それぞれレチクル51のパターン像が露光されてい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体素子等に
おいてはパターンが微細化しているため、投影光学系の
解像力を高めることが求められている。解像力を高める
ための手法には、露光光の波長の短波長化、又は投影光
学系の開口数の増大等の手法があるが、何れの手法を用
いる場合でも、従来例と同じ程度の露光フィールドを確
保しようとすると、露光フィールドの全面で結像性能
(ディストーション、像面湾曲等)を所定の精度に維持
することが困難になってきている。そこで現在見直され
ているのが、所謂スリットスキャン露光方式の投影露光
装置である。
【0011】このスリットスキャン露光方式の投影露光
装置では、矩形状又は円弧状等の照明領域(以下、「ス
リット状の照明領域」という)に対してレチクル及びウ
エハを相対的に同期して走査しながら、そのレチクルの
パターンがウエハ上に露光される。従って、前記スリッ
ト状の照明領域と共役な領域内で像が平均化され、ディ
ストーション精度が向上するという利点があった。
【0012】また、従来のレチクルの大きさの主流は6
インチサイズであり、投影光学系の投影倍率の主流は1
/5倍であったが、半導体素子等の回路パターンの大面
積化により、倍率1/5倍のもとでのレチクルの大きさ
は6インチサイズでは間に合わなくなっている。そのた
め、投影光学系の投影倍率を例えば1/4倍に変更した
投影露光装置を設計する必要がある。そして、このよう
な被転写パターンの大面積化に対して投影光学系の露光
フィールド径を小さくする事ができるスリットスキャン
露光方式がコスト面に於いても有利である。
【0013】斯かるスリットスキャン露光方式の投影露
光装置において、従来のステッパーで用いられていた多
点型のフォーカス位置検出系をそのまま適用して、ウエ
ハ上の露光面のフォーカス位置及び傾斜角を計測したと
しても、ウエハが所定の方向に走査されているため、実
際の露光面を投影光学系の像面に合わせ込むことが困難
であるという不都合があった。即ち、従来はスリットス
キャン露光方式の投影露光装置において、ウエハのフォ
ーカス位置及び傾斜角を投影光学系の像面に合わせ込む
ための手法が確率されていなかった。
【0014】本発明は斯かる点に鑑み、感光基板上での
回路パターン像(ショット領域)、ひいては各回路パタ
ーンを高精度に大型化できる露光方法を提供することを
第1の目的とする。更に本発明は、そのような露光方法
を使用して高精度にデバイスを製造できるデバイス製造
方法を提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による走査露光方
法は、露光ビームに対してマスクを第1方向へ移動する
のに同期して、投影系を通過した露光ビームに対して基
板を第2方向へ移動することにより、その基板を走査露
光する走査露光方法において、そのマスクの大きさは6
インチサイズであり、その投影系は、そのマスクのパタ
ーンの像をほぼ1/4に縮小してその基板上に投影し、
その投影系を通過した露光ビームの照射領域から離れた
複数の検出点において、その走査露光中に、その投影系
の光軸方向におけるその基板の位置に関する情報を検出
し、その検出結果に基づいてその投影系の像面とその基
板との位置関係を調整するものである。
【0016】この場合、その走査露光中、そのマスクの
移動速度をVとしたとき、その基板はそのマスクと同期
してほぼV/4の速度で移動することが望ましい。次
に、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の走査露
光方法を用いるものである。
【0017】
【作用】斯かる本発明によれば、走査露光を行うと共
に、投影系の倍率をほぼ1/4倍に設定しているため、
感光基板上での回路パターンの面積を大型化できる。ま
た、走査露光によって、大面積化に伴う投影像の歪等が
軽減される。更に、本発明においては、一例として第1
物体としてのマスク(12)及び第2物体としての感光
基板(5)を同期して走査して感光基板(5)上にマス
ク(12)のパターン像を露光する際に、例えばその走
査の方向の手前の計測点を含む複数の計測点でその多点
計測手段を用いて感光基板(5)の高さを計測する。そ
して、それら複数の計測点でそれぞれ走査の方向に沿っ
て複数回高さ情報を得ることにより、感光基板(5)の
傾斜角を求める。その後、そのように傾斜角が求められ
た領域にマスク(12)のパターン像を露光する際に、
予め求めた傾斜角に基づいてその領域の傾斜角を設定す
る。これにより、スリットスキャン露光方式でも感光基
板(5)の露光面が投影光学系(8)の像面に平行に設
定される。
【0018】また、本発明ではそのようなレベリングを
行う際に、スキャン方向のレベリングの応答速度と、非
スキャン方向レベリングの応答速度とが異なっている。
これによる作用効果につき説明するため、スリットスキ
ャン露光時のフォーカシング及びレベリングの誤差要因
について説明する。スリットスキャン露光方式の露光装
置では、以下の誤差が考えられる。 フォーカスオフセット誤差及び振動誤差 フォーカスオフセット誤差とは、露光面の平均的な面と
投影光学系の像面とのフォーカス位置の差であり、振動
誤差とは走査露光する際の基板側ステージのフォーカス
方向の振動等に起因する誤差である。これについて、オ
ートフォーカス制御だけを行うものとして、ステッパー
のように一括露光する場合と、スリットスキャン露光方
式で露光する場合とに分けてより詳細に説明する。
【0019】図14(a)は一括露光する場合、図14
(b)はスリットスキャン露光方式で露光する場合を示
す。図14(a)においては、感光基板の露光面5aの
平均的な面34が投影光学系の像面に合致しているが、
位置Ya,Yb及びYcのフォーカス位置はそれぞれ一
定の平均的な面34に対して、−ΔZ1,0及びΔZ2
だけ異なっている。従って、位置Ya及びYbにおける
フォーカスオフセット誤差はそれぞれ−ΔZ1及びΔZ
2である。
【0020】一方、図14(b)の場合には、スキャン
方向に対して露光面5a上の一連の部分的な平均面35
A,35B,35C,‥‥が順次投影光学系の像面に合
わせ込まれる。従って、各位置Ya,Yb及びYcでの
フォーカスオフセット誤差はそれぞれ平均化効果で0と
なる。しかし、位置Yb上の像を形成するのに、平均面
35Bから平均面35Dまでの高さΔZBの間をフォー
カス位置が移動するので、位置Yb上の像は、ΔZBだ
けフォーカス方向にばらつきを持った像になってしま
う。同様に、位置Ya及びYc上の像はそれぞれフォー
カス方向にΔZA及びΔZBだけばらつきを持った像に
なる。
【0021】即ち、スリットスキャン露光方式において
は、フォーカスオフセット誤差はある一定周波数以下の
感光基板面の凹凸に対しほぼ0になるが、基板側ステー
ジのローリング、ピッチング、フォーカス方向(Z軸方
向)の振動、低周波空気揺らぎ誤差にオートフォーカス
機構及びオートレベリング機構が追従してしまうことに
よる誤差成分、露光光(KrFエキシマレーザ光等)の
短期の波長変動等が、新たな誤差(振動誤差)を生ず
る。
【0022】フォーカス追従誤差、空気揺らぎ誤差、
ステージ振動誤差 で言及した振動誤差の内の代表的な例であり、これら
はオートフォーカス機構及びオートレベリング機構の応
答周波数に依存するが、更に以下の誤差に分類できる。 (1) 制御系で制御出来ない高周波ステージ振動誤差、露
光光(KrFエキシマレーザ光等)の短期の波長変動誤
差等、(2) 空気揺らぎ誤差の中で、基板側ステージが追
従してしまう低周波空気揺らぎ誤差等、(3) フォーカス
位置検出系又は傾斜角検出系の測定結果には含まれる
が、基板側ステージが追従しないので、フォーカス誤差
にならない測定誤差等。
【0023】感光基板の露光面の凸凹による誤差 この誤差は、投影光学系による露光フィールドが2次元
的な面単位であり、感光基板の露光面でのフォーカス位
置の計測を有限個の計測点で且つスリットスキャン露光
時に行うことに起因する誤差であり、以下の2つの誤差
に分類できる。 (1) 例えば図15(a)及び(b)に示すように、感光
基板の露光面5a上の多点でフォーカス位置を計測して
位置合わせ対象面(フォーカス面)36A及び36Bを
求める場合の計測点の位置に対する演算方法に起因す
る、そのフォーカス面36Aと理想フォーカス面とのず
れの誤差、(2) スキャン速度とオートフォーカス機構及
びオートレベリング機構の追従速度との差、フォーカス
位置検出系の応答速度等による誤差。
【0024】この場合、フォーカス位置を投影光学系の
像面に合わせる場合の応答速度(フォーカス応答)は、
図15(c)に示すような時間遅れ誤差と、図15
(d)に示すようなサーボゲインとにより決定される。
即ち、図15(c)において、曲線37Aは、感光基板
の露光面5aの一連の部分領域を順次投影光学系の像面
に合わせるためのフォーカス方向用の駆動信号(目標フ
ォーカス位置信号)を示し、曲線38Aは、露光面5a
の一連の部分領域のフォーカス方向への移動量を駆動信
号に換算して得られた信号(追従フォーカス位置信号)
を示す。曲線37Aに対して曲線38Aは一定の時間だ
け遅れている。同様に、図15(d)において、曲線3
7Bは、感光基板の露光面5aの一連の部分領域の目標
フォーカス位置信号、曲線38Bは、露光面5aの一連
の部分領域の追従フォーカス位置信号であり、曲線37
Bに対して曲線38Bの振幅(サーボゲイン)は一定量
だけ小さくなっている。
【0025】本発明では、これらの誤差を取り除く為
に、レベリング機構のスキャン方向の応答性と非スキャ
ン方向の応答性とを変えている。本発明におけるオート
レベリング機構用の多点計測手段としては、斜入射型の
多点のフォーカス位置検出系を前提とする。また、投影
光学系の露光フィールド内の所定の領域での感光基板の
露光面の平均的な面を考慮するのではなく、その所定の
領域での露光面の各点と投影光学系の像面とのずれの最
大値を最小にすることを目標とする。このように、投影
光学系の露光フィールド内の所定の領域において、感光
基板の露光面のほぼ全ての点と投影光学系の像面とのず
れの最大値が最小である場合の露光フィールドを「良好
なフィールド(Good Field)」と呼ぶ。
【0026】先ず、図16に示すように、スリット状の
照明領域と投影光学系に関して共役なスリット状の露光
フィールド24内にフォーカス位置の多数の計測点(不
図示)があると仮定する。図16において、感光基板上
の1つのショット領域SAijをスリット状の露光フィー
ルド24に対してY方向に速度V/βで走査するものと
して、ショット領域SAijのスキャン方向の幅をWY、
非スキャン方向の幅をWX、露光フィールド24のスキ
ャン方向の幅をDとする。また、露光フィールド24内
の中心領域24a内の多数の計測点でのフォーカス位置
を平均化することにより、露光フィールド24の中心点
での平均的な面のフォーカス位置を求め、露光フィール
ド24のスキャン方向の両端の計測領域24b,24c
内の計測点でのフォーカス位置より最小自乗近似に基づ
いて平均的な面のスキャン方向の傾斜角θY を求め、露
光フィールド24の非スキャン方向の両端の計測領域2
4b,24c内の計測点でのフォーカス位置より最小自
乗近似に基づいて平均的な面の非スキャン方向の傾斜角
θX を求めるものとする。また、スキャン方向のレベリ
ングの応答周波数をfm[Hz]、非スキャン方向のレ
ベリングの応答周波数をfn[Hz]として、fm及び
fnの値を独立に設定する。
【0027】そして、感光基板上のショット領域SAij
のスキャン方向の周期的な曲がりの周期を、スキャン方
向の幅WY(非スキャン方向も同様の曲がり周期に設定
する)との比の値として曲がりパラメータFで表し、そ
の周期的な曲がりがあるときの露光フィールド24内の
各計測点でのフォーカス誤差を、スキャンした場合のフ
ォーカス誤差の平均値の絶対値と、スキャンした場合の
フォーカス誤差の振幅の1/3との和で表す。また、曲
がりパラメータFの周期的な曲がりの振幅を1に規格化
し、曲がりパラメータがFであるときの、それら各計測
点でのフォーカス誤差の内の最大値を示す誤差パラメー
タSを、曲がりパラメータFに対する比率として表す。
即ち、次式が成立している。 F=曲がりの周期/WY (1) S=フォーカス誤差の最大値/F (2)
【0028】図17(a)は、スキャン方向のレベリン
グの応答周波数fm、及び非スキャン方向のレベリング
の応答周波数fnが等しく且つ大きい場合の曲がりパラ
メータFに対する誤差パラメータSを表し、曲線A1は
非スキャン方向での誤差パラメータS、曲線B1は非ス
キャン方向の誤差パラメータS中の通常のフォーカス誤
差の平均値の絶対値、曲線A2はスキャン方向での誤差
パラメータS、曲線B2はスキャン方向の誤差パラメー
タS中の通常のフォーカス誤差の平均値を示す。曲線A
1及び曲線A2がそれぞれより現実的なフォーカス誤差
を現わしている。メータFの値が小さく露光面の凹凸の
周期が小さいときには、スキャン方向のレベリング制御
の追従性は悪く(曲線A2)、凹凸の周期が大きくなる
につれて、スキャン方向のレベリング制御が曲がりに追
従するようになることが分かる。また、非スキャン方向
に対してはスキャン方向の様に逐次フォーカス位置が変
わらない為、曲がりの周期が大きくなっても、スキャン
方向の追従性より悪い(曲線A1)。以上のように、パ
ラメータSが0.5以下になるようにフォーカス誤差が
なることが望ましいが、スキャン方向及び非スキャン方
向共に全体としてフォーカス誤差が大きい。
【0029】一方、図17(b)は、スキャン方向のレ
ベリングの応答周波数fmが非スキャン方向のレベリン
グの応答周波数fnより大きく、且つ両応答周波数fm
及びfnが小さい場合の曲がりパラメータFに対する誤
差パラメータSを表し、曲線A3は非スキャン方向での
誤差パラメータS、曲線B3は非スキャン方向の通常の
フォーカス誤差の平均値の絶対値、曲線A4はスキャン
方向での誤差パラメータS、曲線B4はスキャン方向で
の通常のフォーカス誤差の平均値の絶対値を示す。図1
7(a)と図17(b)との比較より、ほぼ完全応答
(図17(a))の場合よりも応答周波数が小さい(図
17(b))場合の方が、誤差パラメータSが0.5に
近くなっており、フォーカス誤差は小さいことが分か
る。これは、感光基板上の細かい凸凹にオートレベリン
グ機構が追従すると、スリット状の露光フィールド24
内で精度が悪化する点が発生するためである。但し、応
答周波数を小さくし過ぎると、低周波の凸凹部まで追従
できなくなるため、応答周波数は適当な値に設定する必
要がある。
【0030】また、図17(b)の例では、スキャン方
向のレベリングの応答周波数fmが非スキャン方向のレ
ベリングの応答周波数fnより高く設定されている。こ
れは、同じ曲がりパラメータFの凹凸であっても、スキ
ャン方向ではスリット幅に応じて実質的に周期が短くな
るため、良好に露光面の凹凸に追従するための応答周波
数は、非スキャン方向よりもスキャン方向で高くする必
要があるためである。
【0031】また、オートレベリング機構用の多点計測
手段が、その所定形状の照明領域と投影光学系(8)に
関して共役な露光領域(24)内の複数の点及びその共
役な露光領域内に対して感光基板(5)が走査される際
の手前の領域内の複数の点よりなる複数の計測点におい
て、感光基板(5)の高さをそれぞれ計測する場合に
は、手前の計測点において部分的にフォーカス位置の先
読みが行われる。これを「分割先読み」と呼ぶ。従っ
て、全部の計測点で先読みを行う手法(完全先読み)に
比べて、露光までに多点計測手段でフォーカス位置を読
み取る際の長さ(助走距離)が短縮される。
【0032】また、その多点計測手段が、感光基板
(5)の1つのショット領域へ順次マスク(12)のパ
ターンを露光する過程において、順次それら複数の計測
点の位置を変化させる場合には、例えばそのショット領
域の端部では分割先読みを行い、そのショット領域の中
央部以降では完全先読みを行い、露光位置検出部でオー
プン制御の確認を行う。これにより、レベリング精度を
高精度に維持した状態で、ショット領域の端部での助走
距離を短縮して露光のスループットを高めることができ
る。
【0033】次に、本発明におけるオートフォーカス制
御について検討する。上述の良好なフィールド(Good F
ield)の概念を取り入れると、図16に示すように、露
光フィールド24の中央部24a内の各計測点のフォー
カス位置の平均化処理を行って、そのフォーカス位置の
平均値で示される面を投影光学系の像面に合わせるので
は、精度が悪化する可能性がある。即ち、図18(a)
は、感光基板の深さHの凹部のある露光面5aの各計測
点のフォーカス位置の平均値に対応する面34Aを示
し、その面34Aと凹部とのフォーカス方向の差ΔZ3
は、H/2より大きくなっている。
【0034】これに対して本発明においては、露光面5
a上の所定の計測領域内の各計測点のフォーカス位置の
最大値と最小値とを求め、それら最大値と最小値との中
間のフォーカス位置に対応する面を投影光学系の像面に
合わせ込むようにする。図18(b)は、感光基板の深
さHの凹部のある露光面5aにおける、各計測点のフォ
ーカス位置の内の最大値Zmax と最小値Zmin との中間
のフォーカス位置に対応する面34Bを示し、面34B
のフォーカス位置Z34B は次のように表すことができ
る。 Z34B =(Zmax +Zmin )/2 (3)
【0035】その後、その面34Bが投影光学系の像面
に合わせ込まれる。また、面34Bと露光面5aの表面
とのフォーカス方向の差ΔZ4と、面34Bとその凹部
とのフォーカス方向の差ΔZ5とは、それぞれほぼH/
2になっている。即ち、図18(a)の面34Aに比べ
て図18(b)の面34Bの方が、露光面5a上の各点
におけるフォーカス位置の誤差の最大値が小さくなるた
め、良好なフィールド(Good Field)の概念上では、本
発明により感光基板の露光面をより高精度に投影光学系
の像面に合わせ込むことができる。
【0036】更に、図17(a)のように、スキャン方
向のレベリングの応答周波数fmと非スキャン方向のレ
ベリングの応答周波数fnとを等しく且つ大きくしてオ
ートレベリング制御を行うと同時に、図18(a)の平
均化処理に基づくオートフォーカス制御又は図18
(b)の最大値と最小値との平均値に基づくオートフォ
ーカス制御を施した場合の、曲がりパラメータFに対す
る誤差パラメータSの特性をそれぞれ図19(a)及び
(b)に示す。即ち、平均化処理に基づく図19(a)
において、曲線A5及びB5はそれぞれ非スキャン方向
の誤差パラメータS、曲線A6及びB6はそれぞれスキ
ャン方向の誤差パラメータSを表す。また、最大値と最
小値との平均値に基づく図19(b)において、曲線A
7及びB7はそれぞれ非スキャン方向の誤差パラメータ
S、曲線A8及びB8はそれぞれスキャン方向の誤差パ
ラメータSを表す。
【0037】図19(b)より明かなように、最大値と
最小値との平均値に基づいてオートフォーカス制御を施
した場合には、全ての曲がりパラメータF、即ちあらゆ
る周波数帯において、誤差パラメータSの値が0.5に
近くなっていると共に、平均化処理に基づいてオートフ
ォーカス制御を施した場合に比べてフォーカス誤差の最
大値が小さくなっている。
【0038】また、図15(a)及び(b)に戻り、所
定の計測領域内の計測点で得られたフォーカス位置の最
大値と最小値との平均値に基づいてオートフォーカス制
御のみを施した場合には、図15(a)に示すように、
振幅2・ΔZaの曲がりを有する露光面5aに対して、
最大値とのフォーカス位置の差がΔZaの面36Aが投
影光学系の像面に合わせ込まれる。一方、振幅2・ΔZ
aの曲がりを有する露光面5aに対して、単にそれら計
測点で得られたフォーカス位置の平均値に基づいてオー
トフォーカス制御を行うと共に、得られたフォーカス位
置の最小自乗近似に基づいてオートレベリング制御を行
うと、図15(b)に示すように、振幅ΔZc(>2・
ΔZa)の範囲内で最大値からのフォーカス位置の差が
ΔZb(>ΔZa)の面36Bが投影光学系の像面に合
わせ込まれることがある。従って、オートレベリング機
構を使用する場合でも使用しない場合でも、得られたフ
ォーカス位置の最大値と最小値との平均値に基づいてオ
ートフォーカス制御を行う方がフォーカス誤差が小さく
なる。
【0039】なお、本発明では、(フォーカス位置の最
大値Zmax +フォーカス位置の最小値Zmin )/2で定
まる面を像面に合わせ込むように制御しているが、デバ
イス工程によっては感光基板の露光面5aの凸部又は凹
部の何れかの焦点深度が要求される場合もある。従っ
て、所定の係数M及びNを用いて、次式のような比例配
分で定まるフォーカス位置ZMNの面を像面に合わせるよ
うな制御を行うことが望ましい。 ZMN=(M・Zmax +N・Zmin )/(M+N) (4)
【0040】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。本実施例は、オートフォーカス機構及びオ
ートレベリング機構を備えたスリットスキャン露光方式
の投影露光装置を用いて露光を行う場合に本発明を適用
したものである。図1は本実施例の投影露光装置を示
し、この図1において、図示省略された照明光学系から
の露光光ELによる矩形の照明領域(以下、「スリット
状の照明領域」という)により6インチサイズのレチク
ル12上のパターンが照明され、そのパターンの像が投
影光学系8を介してウエハ5上に投影される。この走査
露光の際、露光光ELのスリット状の照明領域に対し
て、レチクル12が図1の紙面に対して手前方向(又は
向こう側)に一定速度Vで走査されるのに同期して、ウ
エハ5は図1の紙面に対して向こう側(又は手前方向)
に一定速度V/β(1/βは投影光学系の縮小倍率で例
えば1/4)で走査される。
【0041】レチクル12及びウエハ5の駆動系につい
て説明するに、レチクル支持台9上にY軸方向(図1の
紙面に垂直な方向)に駆動自在なレチクルY駆動ステー
ジ10が載置され、このレチクルY駆動ステージ10上
にレチクル微小駆動ステージ11が載置され、レチクル
微小駆動ステージ11上にレチクル12が真空チャック
等により保持されている。レチクル微小駆動ステージ1
1は、投影光学系8の光軸に垂直な面内で図1の紙面に
平行なX方向、Y方向及び回転方向(θ方向)にそれぞ
れ微小量だけ且つ高精度にレチクル12の位置制御を行
う。レチクル微小駆動ステージ11上には移動鏡21が
配置され、レチクル支持台9上に配置された干渉計14
によって、常時レチクル微小駆動ステージ11のX方
向、Y方向及びθ方向の位置がモニターされている。干
渉計14により得られた位置情報S1が主制御系22A
に供給されている。
【0042】一方、ウエハ支持台1上には、Y軸方向に
駆動自在なウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その
上にX軸方向に駆動自在なウエハX軸駆動ステージ3が
載置され、その上にZレベリングステージ4が設けら
れ、このZレベリングステージ4上にウエハ5が真空吸
着によって保持されている。Zレベリングステージ4上
にも移動鏡7が固定され、外部に配置された干渉計13
により、Zレベリングステージ4のX方向、Y方向及び
θ方向の位置がモニターされ、干渉計13により得られ
た位置情報も主制御系22Aに供給されている。主制御
系22Aは、ウエハ駆動装置22B等を介してウエハY
軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3及びZレ
ベリングステージ4の位置決め動作を制御すると共に、
装置全体の動作を制御する。
【0043】また、ウエハ側の干渉計13によって計測
される座標により規定されるウエハ座標系と、レチクル
側の干渉計14によって計測される座標により規定され
るレチクル座標系の対応をとるために、Zレベリングス
テージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定さ
れている。この基準マーク板6上には各種基準マークが
形成されている。これらの基準マークの中にはZレベリ
ングステージ4側に導かれた照明光により裏側から照明
されている基準マーク、即ち発光性の基準マークも設け
られている。
【0044】本例のレチクル12の上方には、基準マー
ク板6上の基準マークとレチクル12上のマークとを同
時に観察するためのレチクルアライメント顕微鏡19及
び20が装備されている。この場合、レチクル12から
の検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡19及
び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在
に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系
22Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び1
8によりそれぞれ偏向ミラー15及び16は待避され
る。
【0045】図1のスリットスキャン方式の投影露光装
置に、図20及び図21を参照して説明した従来方式の
斜め入射型の多点フォーカス位置検出系を装着する。但
し、本例の多点フォーカス位置検出系は、計測点の個数
が従来例よりも多いと共に、計測点の配置が工夫されて
いる。図2(b)は、図21(b)の従来のパターン形
成板62に対応する本例のパターン形成板62Aを示
し、図2(b)に示すように、パターン形成板62Aの
第1列目には9個のスリット状の開口パターン72−1
1〜72−19が形成され、第2列目〜第5列目にもそ
れぞれ9個の開口パターン72−12〜72−59が形
成されている。即ち、パターン形成板62Aには、合計
で45個のスリット状の開口パターンが形成されてお
り、これらのスリット状の開口パターンの像が図1のウ
エハ5の露光面上にX軸及びY軸に対して斜めに投影さ
れる。
【0046】図2(a)は、本例の投影光学系8の下方
のウエハ5の露光面を示し、この図2(a)において、
投影光学系8の円形の照明視野23に内接するX方向に
長い矩形の露光フィールド24内に図1のレチクル12
のパターンが露光され、この露光フィールド24に対し
てY方向にウエハ5が走査(スキャン)される。本例の
多点フォーカス位置検出系により、露光フィールド24
のY方向の上側のX方向に伸びた第1列の9個の計測点
AF11〜AF19、第2列の計測点AF21〜AF2
9、露光フィールド24内の第3列の計測点AF31〜
AF39、露光フィールド24のY方向の下側の第4列
の計測点AF41〜AF49及び第5列の計測点AF5
1〜AF59にそれぞれスリット状の開口パターンの像
が投影される。
【0047】図2(c)は、本例の多点フォーカス位置
検出系の受光器69Aを示し、この受光器69A上に第
1列目には9個の受光素子75−11〜75−19が配
置され、第2列目〜第5列目にもそれぞれ9個の受光素
子75−12〜75−59が配置されている。即ち、受
光器69Aには、合計で45個の受光素子が配列されて
おり、各受光素子上にはスリット状の絞り(図示省略)
が配置されている。また、それら受光素子75−11〜
75−59上にそれぞれ図2(a)の計測点AF11〜
AF59に投影されたスリット状の開口パターンの像が
再結像される。そして、ウエハ5の露光面で反射された
光を、図20の回転方向振動板67に対応する振動板で
回転振動することで、受光器69A上では再結像された
各像の位置が絞りの幅方向であるRD方向に振動する。
【0048】各受光素子75−11〜75−59の検出
信号が信号処理装置71Aに供給され、信号処置装置7
1Aではそれぞれの検出信号を回転振動周波数の信号で
同期検波することにより、ウエハ上の各計測点AF11
〜AF59のフォーカス位置に対応する45個のフォー
カス信号を生成し、これら45個のフォーカス信号の内
の所定のフォーカス信号より後述のように、ウエハの露
光面の傾斜角(レベリング角)及び平均的なフォーカス
位置を算出する。これら計測されたレベリング角及びフ
ォーカス位置は図1の主制御系22Aに供給され、主制
御系22Aは、その供給されたレベリング角及びフォー
カス位置に基づいて駆動装置22B及びZレベリングス
テージ4を介してウエハ5のレベリング角及びフォーカ
ス位置の設定を行う。
【0049】従って、本例では図2(a)に示す45個
の全ての計測点AF11〜AF59のフォーカス位置を
計測することができる。但し、本例では、図3に示すよ
うに、ウエハのスキャン方向に応じてそれら45個の計
測点中で実際にフォーカス位置を計測する点(以下、
「サンプル点」という)の位置を変えている。一例とし
て、図3(a)に示すように、露光フィールド24に対
してY方向にウエハをスキャンする場合で、且つ後述の
ような分割先読みを行う場合には、第2列25Bの計測
点中の奇数番目の計測点AF21,AF23,‥‥,A
F29及び露光フィールド24内の偶数番目の計測点A
F32,AF34,‥‥,AF38がサンプル点とな
る。また、図3(b)に示すように、露光フィールド2
4に対して−Y方向にウエハをスキャンする場合で、且
つ後述のような分割先読みを行う場合には、第4列25
Dの計測点中の奇数番目の計測点AF41,AF43,
‥‥,AF49及び露光フィールド24内の偶数番目の
計測点AF32,AF34,‥‥,AF38がサンプル
点となる。
【0050】更に、スリットスキャン露光時のフォーカ
ス位置の計測結果は、ウエハ側のステージの移動座標に
応じて逐次変化していくため、それらフォーカス位置の
計測結果は、ステージのスキャン方向の座標及び非スキ
ャン方向の計測点の座標よりなる2次元のマップとして
図1の主制御系22A内の記憶装置に記憶される。この
ように記憶された計測結果を用いて、露光時のウエハの
フォーカス位置及びレベリング角が算出される。そし
て、実際に図1のZレベリングステージ4を駆動してウ
エハの露光面のフォーカス位置及びレベリング角を設定
する場合は、計測結果に従ってオープンループ制御によ
りZレベリングステージ4の動作が制御される。この場
合、予め計測された結果に基づいて露光フィールド24
内での露光が行われる。即ち、図4(a)に示すよう
に、例えば第2列25Bの計測点の所定のサンプリング
点でウエハ上の領域26のフォーカス位置の計測が行わ
れ、その後図4(b)に示すようにウエハ上の領域26
が露光フィールド24内に達したときに、図4(a)で
の計測結果に基づいて、ウエハ上の領域26のフォーカ
シング及びレベリング制御が行われる。
【0051】図5は本例のZレベリングステージ4及び
この制御系を示し、この図5において、Zレベリングス
テージ4の上面部材は下面部材上に3個の支点28A〜
28Cを介して支持されており、各支点28A〜28C
はそれぞれフォーカス方向に伸縮できるようになってい
る。各支点28A〜28Cの伸縮量を調整することによ
り、Zレベリングステージ4上のウエハ5の露光面のフ
ォーカス位置、スキャン方向の傾斜角θY 及び非スキャ
ン方向の傾斜角θX を所望の値に設定することができ
る。各支点28A〜28Cの近傍にはそれぞれ、各支点
のフォーカス方向の変位量を例えば0.01μm程度の
分解能で計測できる高さセンサー29A〜29Cが取り
付けられている。なお、フォーカス方向(Z方向)への
位置決め機構として、よりストロークの長い高精度な機
構を別に設けても良い。
【0052】Zレベリングステージ4のレベリング動作
を制御するために、主制御系22Aはフィルタ部30A
及び30Bにそれぞれ刻々に変化する非スキャン方向の
設定すべき傾斜角θX 及びスキャン方向の設定すべき傾
斜角θY を供給する。フィルタ部30A及び30Bはそ
れぞれ異なるフィルタ特性でフィルタリングして得られ
た傾斜角を演算部31に供給し、主制御系22Aは演算
部31にはウエハ5上の露光対象とする領域の座標W
(X,Y)を供給する。演算部31は、座標W(X,
Y)及び2つの傾斜角に基づいて駆動部32A〜32C
に設定すべき変位量の情報を供給する。各駆動部32A
〜32Cにはそれぞれ高さセンサー29A〜29Cから
支点29A〜29Cの現在の高さの情報も供給され、各
駆動部32A〜32Cはそれぞれ支点29A〜29Cの
高さを演算部31に設定された高さに設定する。
【0053】これにより、ウエハ5の露光面のスキャン
方向の傾斜角及び非スキャン方向の傾斜角がそれぞれ所
望の値に設定されるが、この際にフィルタ部30A及び
30Bの特性の相違により、スキャン方向のレベリング
の応答周波数fm[Hz]が非スキャン方向のレベリン
グの応答速度fn[Hz]よりも高めに設定されてい
る。一例としてスキャン方向のレベリングの応答周波数
fmは10Hz、非スキャン方向のレベリングの応答速
度fnは2Hzである。
【0054】また、支点28A,28B及び28Cが配
置されている位置をそれぞれ駆動点TL1,TL2及び
TL3と呼ぶと、駆動点TL1及びTL2はY軸に平行
な1直線上に配置され、駆動点TL3は駆動点TL1と
TL2との垂直2等分線上に位置している。そして、投
影光学系によるスリット状の露光フィールド24が、ウ
エハ5上のショット領域SAij上に位置しているものと
すると、本例では、支点28A〜28Cを介してウエハ
5のレベリング制御を行う際に、そのショット領域SA
ijのフォーカス位置は変化しない。従って、レベリング
制御とフォーカス制御とが分離した形で行われるように
なっている。また、ウエハ5の露光面のフォーカス位置
の設定は、3個の支点28A〜28Cを同じ量だけ変位
させることにより行われる。
【0055】次に、本例のレベリング動作及びフォーカ
シング動作につき詳細に説明する。先ず、レベリング用
の傾斜角及びフォーカシング用のフォーカス位置の算出
法を示す。 (A)傾斜角の算出法 図4に示すように、各列の計測点において非スキャン方
向のm番目のサンプル点のX座標をXm 、スキャン方向
のn番目のサンプル点のY座標をYn として、X座標X
m 及びY座標Yn のサンプル点で計測されたフォーカス
位置の値をAF(Xm ,Yn )で表す。また、非スキャ
ン方向のサンプル数をM、スキャン方向のサンプリング
数をNとして、次の演算を行う。但し、和演算Σm は添
字mに関する1〜Mまでの和を表す。
【0056】 SX=Σm m ,SX2=Σm m 2,SMZ=Σm AF(Xm ,Yn ), SXZ=Σm (AF(Xm ,Yn )・Xm ) (5) 同様に、和演算Σn が添字nに関する1〜Nまでの和を
表すものとして、次の演算を行う。 SY=Σn n ,SY2=Σn n 2,SNZ=Σn AF(Xm ,Yn ), SYZ=Σn (AF(Xm ,Yn )・Yn ) (6)
【0057】そして、(5)式及び(6)式を用いて次
の演算を行う。 An=(SX・SMZ−M・SXZ)/(SX2−M・SX2) (7) Am=(SY・SNZ−N・SYZ)/(SY2−N・SY2) (8) 次に、各Anより、最小自乗近似によりスキャン方向の
n番目のサンプル点における非スキャン方向(X方向)
の傾斜角AL(Yn )を求め、各Amより、最小自乗近
似により非スキャン方向のm番目のサンプル点における
スキャン方向(Y方向)の傾斜角AL(Xm )を求め
る。その後、次のような平均化処理により非スキャン方
向の傾斜角θX 及びスキャン方向の傾斜角θY を求め
る。 θX =(Σn AL(Yn ))/N (9) θY =(Σm AL(Xm )) (10)
【0058】(B)フォーカス位置算出法 フォーカス位置の算出法には平均化処理法と最大最小検
出法とがあり、本例では最大最小検出法でフォーカス位
置を算出する。参考のため、平均化処理法では、上述の
フォーカス位置の値AF(Xm ,Yn )を用いて、次式
よりウエハ5の露光面の全体としてのフォーカス位置
〈AF〉を計算する。 〈AF〉=(Σn Σm AF(Xm ,Yn ))/(M・N) (11)
【0059】次に、最大最小検出法では、最大値及び最
小値を表す関数をそれぞれMax( )及びMin( )とし
て、次式よりウエハ5の露光面の全体としてのフォーカ
ス位置AF′を計算する。 AF′=(Max(AF(Xm ,Yn ))+Min(AF(Xm ,Yn ))/2 (12) そして、図4(b)に示すように、計測された領域26
が露光フィールド24に達したときには、(9)式、
(10)式、(12)式の検出結果θX ,θY 及びA
F′に基づいて、図5の3個の支点28A〜28Cがそ
れぞれ高さセンサー29A〜29Cの計測結果を基準と
してオープンループで駆動される。具体的に、オートフ
ォーカス制御は、3個の支点28A〜28Cを同時に駆
動することにより実行され、オートレベリング制御は、
図5に示す露光フィールド24内のフォーカス位置が変
化しないように実行される。
【0060】即ち、図5において、露光フィールド24
の中心点と支点28A,28BのX方向の間隔をX1
露光フィールド24の中心点と支点28CのX方向の間
隔をX2 、露光フィールド24の中心点と支点28Aの
Y方向の間隔をY1 、露光フィールド24の中心点と支
点28BのY方向の間隔をY2 として、非スキャン方向
の傾斜角θX の結果に基づき、支点28A,28Bと支
点28CとにそれぞれX1 :X2 との比で逆方向の変位
が与えられ、スキャン方向の傾斜角θY の結果に基づ
き、支点28Aと支点28BとにそれぞれY1 :Y2
の比で逆方向の変位が与えられる。
【0061】また、上記処理法では、フォーカス位置及
び傾斜角が露光装置に応じて刻々変化するので実際のフ
ォーカス位置の計測値を補正する必要がある。図6
(a)は、或るフォーカス位置の計測点(AF点)でウ
エハの露光面5a上の領域26の全体としてのフォーカ
ス位置及び傾斜角を計測している状態を示し、図6
(a)の状態では、図5の各駆動点TL1〜TL3にあ
る支点のフォーカス方向の駆動量〈TL1〉,〈TL
2〉及び〈TL3〉はそれぞれ0(基準位置)であると
する。そして、その領域26が図6(b)に示すよう
に、露光フィールド内の露光点に達したときには、露光
のためにそれら駆動量はそれぞれ、〈TL1〉=a,
〈TL2〉=b,〈TL3〉=c、に設定される。この
場合、フォーカス位置の計測点(AF点)で計測されて
いる領域26Aのフォーカス位置は、図6(a)の場合
に比べてΔFだけ変化しているが、このΔFの変化量に
は各駆動点TL1〜TL3における駆動量の影響が含ま
れているため、次に領域26Aの露光を行う場合には、
図6(b)の状態での各駆動点TL1〜TL3の駆動量
を補正する形でレベリング及びフォーカシングを行う必
要がある。
【0062】即ち、領域26に関して計測されたフォー
カス位置、X方向の傾斜角及びY方向の傾斜角をそれぞ
れF1 、θ1X及びθ1Yとして、領域26Aに関して計測
されたフォーカス位置、X方向の傾斜角及びY方向の傾
斜角をそれぞれFn ′、θnX′及びθnY′とする。ま
た、フォーカス位置の計測点(AF点)と露光点とのX
方向及びY方向の間隔をそれぞれΔX及びΔYとする
と、フォーカス位置の補正量ΔF1は次のようになる。 ΔF1=−F1 −θ1X・ΔX−θ1Y・ΔY (13)
【0063】その補正量ΔF1を用いると、領域26A
に関して計測されたフォーカス位置、X方向の傾斜角及
びY方向の傾斜角のそれぞれの補正後の値Fn 、θnX
びθ nYは次のようになる。 Fn =Fn ′+ΔF1 (14) θnX=θnX′−θ1X (15) θnY=θnY′−θ1Y (16) また、ウエハ5の露光面の高周波の凸凹面に対しては追
従しない様に応答性を管理する必要がある。即ち、ウエ
ハ5の走査速度が変わった場合も、ステージ位置に対応
した応答が要求されるので、計測されたフォーカス位置
及び傾斜角を高速フーリエ変換(FFT)用の数値フィ
ルターで管理するか、図5の3個の支点28A〜28C
の駆動部のサーボゲインを速度に応じて可変できる機構
にする。但し、FFT用の数値フィルターは予備スキャ
ンが必要で、サーボゲインは位相遅れがあるので、これ
らを考慮した機構が必要である。
【0064】(C)サーボゲイン可変法 ここでは図5の3個の支点28A〜28Cの駆動部のサ
ーボゲインを速度に応じて可変する方法の一例につき説
明する。ウエハの走査速度がV/βのときの応答周波数
をνとすると、伝達関数G(s)は以下の様に表され
る。 G(s)=1/(1+Ts) (17) 但し、T=1/(2πν)、s=2πfi、である。
【0065】解析結果より、走査速度V/βが80mm
/sの場合、非スキャン方向の応答周波数νは2Hzが
最適で、スキャン方向の応答周波数νは10Hzが最適
であることが分かった。但し、ウエハの露光面の凸凹を
ピッチpの正弦波で表し、ウエハ上の各ショット領域の
走査方向の長さをL0 とすると、(17)式中の周波数
fは次のようになる。 f=(V/β)/L0 ・(L0 /p)=(V/β)/p (18) 従って、走査速度V/βが変化すると周波数fも変化す
るので、最適な応答周波数νを新たに求める必要があ
る。このようにして求めた応答周波数νよりサーボゲイ
ンを決定する。
【0066】(D)数値フィルタリング法 ここでウエハの露光面上の凹凸のピッチpは、ステージ
位置に依存した関数なので、フォーカス位置のサンプリ
ングをステージ位置に同期して位置基準で行うと、走査
速度V/βに依存しない制御が可能になる。即ち、位置
関数で伝達関数G(s)と同等のフィルタリング効果を
持たせるためには、伝達関数G(s)を逆フーリエ変換
して位置関数F(x)を求め、この位置関数F(x)を
用いて数値フィルタリングを行う。具体的に応答周波数
νの伝達関数G(s)の一例を図7(a)に示し、それ
に対応する位置関数F(x)を図7(b)に示す。但
し、数値フィルタリング時は助走スキャン距離をとる必
要があり、これを行わない場合は位相遅れが生じる。
【0067】なお、上述のサーボゲイン可変法及び数値
フィルタリング法の内の何れの方法においても、位相遅
れとフィルタリング効果とで応答性を管理する。位相遅
れ(時間遅れ)とは、図15(c)の曲線37Aで示さ
れる目標とするフォーカス位置に対応する信号と、曲線
38Aで示される実際に計測されたフォーカス位置に対
応する信号との間に存在する時間遅れである。フィルタ
リング効果とは、図15(d)の曲線37B及び38B
で示すように、目標とするフォーカス位置に対して実際
のフォーカス位置の振幅を所定量だけ小さくすることで
ある。
【0068】上述のように、本例ではウエハの各ショッ
ト領域への露光を行う際に、予備的な走査である助走ス
キャンを行う場合がある。そこで、その助走スキャン距
離の設定方法について説明する。図8(a)は、ウエハ
上のショット領域SA11の露光を終わってから、順次隣
りのショット領域SA12及びSA13へレチクルのパター
ンを露光する場合の走査方法を示す。この図8(a)に
おいて、ウエハを−Y方向に走査して、ウエハ上のショ
ット領域SA11への露光が終わってから、加減速期間T
W1の間にウエハをX軸及びY軸に対して斜めに移動させ
て、次のショット領域SA12の下端の近傍を投影光学系
の露光フィールドに配置する。最初のショット領域SA
11への露光が終わってから、次のショット領域SA12
下端の近傍へ移動する間にY方向へ間隔ΔLの移動が行
われる。また、その加減速期間TW1の終期において、ウ
エハのY方向への移動が開始される。
【0069】その後の制定(整定)期間TW2の間に、ウ
エハの走査速度がほぼV/βに達し、それに続く露光期
間TW3の間にショット領域SA12へのレチクルのパター
ンの露光が行われる。この場合の、ウエハ側での加減速
期間TW1、制定期間TW2及び露光期間TW3を図8(c)
に示し、レチクル側での加減速期間TR1、制定期間T R2
及び露光期間TR3を図8(b)に示す。なお、レチクル
側では図8(a)のように隣りのショット領域へ移動す
る必要がないため、レチクル側のステージの移動はY軸
に沿う往復運動である。また、ウエハ側では、図8
(c)に示すように、加減速期間TW1から制定期間TW2
へ移行する程度の時点ts から、多点フォーカス位置検
出系によるフォーカス位置のサンプリングが開始され
る。
【0070】本例では位相遅れとフィルタリング効果と
で、レベリング及びフォーカシング時の応答性を管理す
るので、ウエハ上でフォーカス位置のサンプリングを開
始するときの開始点が、状況によって異なってくる。例
えば、サンプリングをステージ位置に同期させるものと
して、数値フィルタリングを行うとすると、次の手順で
サンプリング開始位置が決定される。
【0071】先ず、図7(a)のように伝達関数G
(s)が与えられ、この伝達関数G(s)より逆フーリ
エ変換で図7(b)の位置関数F(x)を求め、この位
置関数F(x)の原点からゼロクロス点までの長さΔL
を求める。この長さΔLが、図8(a)に示すように、
隣りのショット領域SA12への露光のために斜めに移動
する際のY方向への移動量ΔLと等しい。
【0072】また、レチクルの加減速期間TR1に対し
て、ウエハの加減速期間TW1が小さいため、時間(TR1
−TW1)はウエハ側の待ち時間となる。この場合、ΔL
<(V/β)(TR1−TW1)、のときはスループットの
低下にならないが、ΔL>(V/β)(TR1−TW1)、
のときはスループットの低下となる。なお、ΔY=ΔL
−(V/β)(TR1−TW1)、で表される長さΔYは位
相遅れとして処理しても、伝達関数G(s)と同様のフ
ィルタリング効果が得られれば、固定関数として良い。
これらのフィルタリングを行うことにより、多点フォー
カス位置検出系に対する空気揺らぎや、多点フォーカス
位置検出系の制御誤差の影響を低減する効果も期待でき
る。
【0073】次に、本例のスリットスキャン露光方式の
投影露光装置における、多点フォーカス位置検出系の計
測点中のサンプル点の配置を検討する。先ず、図2
(a)において、多点フォーカス位置検出系による計測
点AF11〜AF59の内で、スリット状の露光フィー
ルド24内の計測点AF31〜AF39のフォーカス位
置の計測結果を用いる場合、即ち計測点AF31〜AF
39をサンプル点とする場合には、従来のステッパーの
場合と同様の「露光位置制御法」による制御が行われ
る。更に、本例のウエハのスキャンはY方向又は−Y方
向へ行われるので、露光フィールド24に対して走査方
向の手前に計測点中のサンプルを配置することで、先読
み制御、時分割レベリング計測、及び計測値平均化等が
可能になる。
【0074】先読み制御とは、図2(a)にようのウエ
ハを露光フィールド24に対して−Y方向にスキャンす
る場合には、走査の手前の計測点AF41〜AF49,
AF51〜AF59中からもサンプル点を選択すること
を意味する。先読み制御を行うことにより、オートフォ
ーカス機構及びオートレベリング機構の伝達関数G
(s)に対して、実際の応答周波数に対する追従誤差は
|1−G(s)|となる。但し、この追従誤差には位相
遅れとフィルタリング誤差要因とが入っているので、先
読み制御を行えば、位相遅れを除去できることになる。
この誤差は1−|G(s)|なので、約4倍の伝達能力
を持たせる事が出来る。
【0075】図9(a)は従来と同様の露光位置制御を
行った場合の目標とするフォーカス位置に対応する曲線
39A及び実際に設定されたフォーカス位置に対応する
曲線38Bを示し、図9(b)は先読み制御を行った場
合の目標とするフォーカス位置に対応する曲線40A及
び実際に設定されたフォーカス位置に対応する曲線40
Bを示し、露光位置制御では位相がずれている。従っ
て、露光位置制御の場合の目標位置と追従位置との差F
aは、先読み制御の場合の目標位置と追従位置との差F
bの約4倍となる。従って、先読み制御では約4倍の伝
達能力をもたせることができる。
【0076】しかし、既に述べた様に、オートレベリン
グの応答周波数はスキャン方向で10Hz程度が適当
(位置制御法では)なので、先読み制御を行うと、スキ
ャン方向では2.5Hz程度のフィルタリング応答で良
いことになる。このフィルタリングを数値フィルタ又は
制御ゲインによって行うと、ウエハの走査速度を80m
mとして、5(≒80/(2π*2.5))mm程度の助走スキャ
ン長が、露光前に必要になる。以下に両制御法による、
フォーカス誤差を示す。
【0077】そのため、図17の場合と同様に、ウエハ
上のショット領域SAijのスキャン方向の周期的な曲が
りの周期を、スキャン方向の幅との比の値として曲がり
パラメータFで表し、その周期的な曲がりがあるときの
各計測点でのフォーカス誤差を、各計測点でのフォーカ
ス位置の誤差の平均値の絶対値と、フォーカス位置の誤
差の振幅の1/3との和で表す。また、曲がりパラメー
タFの周期的な曲がりの振幅を1に規格化し、曲がりパ
ラメータがFであるときの、それら各計測点でのフォー
カス誤差の内の最大値を示す誤差パラメータSを、曲が
りパラメータFに対する比率として表す。
【0078】図10(a)は、露光位置制御を行った場
合で、且つスキャン方向のレベリングの応答周波数fm
が10Hz、非スキャン方向のレベリングの応答周波数
fnが2Hzの場合の曲がりパラメータFに対する誤差
パラメータSを表し、曲線A9及びB9は共に非スキャ
ン方向での誤差パラメータS、曲線A10及びB10は
共にスキャン方向での誤差パラメータSを示す。一方、
図17(b)は、先読み制御を行った場合で、且つスキ
ャン方向のレベリングの応答周波数fmが2.5Hz、
非スキャン方向のレベリングの応答周波数fnが0.5
Hzの場合の曲がりパラメータFに対する誤差パラメー
タSを表し、曲線A11及びB11は共に非スキャン方
向での誤差パラメータS、曲線A12及びB12は共に
スキャン方向での誤差パラメータSを示す。
【0079】以上の様に先読み制御で位相遅れを除去す
ることは、応答を向上するためには良いが、応答を低下
させる場合には適さない。しかし、先読み制御はソフト
ウェア的に自由度が多く、図11で示すような時間的平
均化及び露光開始時でのフォーカス位置の計測点の予測
設定を行うこともできる。即ち、図11(a)におい
て、ウエハの露光面5a上の或る領域26Bに対して多
点フォーカス位置検出系の走査方向に対して手前のサン
プル点(AF点)において、幅ΔLの長さだけフォーカ
ス位置が検出される。そして、図11(b)に示すよう
に、領域26Bが露光点に達したときには、幅ΔLの範
囲で検出されたフォーカス位置の情報を平均化して高精
度にレベリング及びフォーカシングが行われる。
【0080】また、図11(c)に示すように、露光位
置制御法で計測点と露光点とが等しい場合で、ウエハの
露光面5aに段差部26Cがあっても、図11(d)に
示すように、フォーカス対象とする面(フォーカス面)
AFPは次第に上昇するだけで、その段差部26Cでは
デフォーカスされた状態で露光が行われる。これに対し
て、図11(e)に示すように、先読み制御法で計測点
と露光点とが離れている場合で、ウエハの露光面5aに
段差部26Dがあると、予めその段差に合わせて図11
(f)に示すように、フォーカス面AFPを次第に上昇
することにより、その段差部26Dでは合焦された状態
で露光が行われる。
【0081】なお、先読み制御法のみならず、通常の露
光位置制御法も備えておき、2つの制御法を選択可能な
システムにすることが望ましい。本例のオートフォーカ
ス及びオートレベリング機構には、上述のような機能が
あるので、実際にウエハの露光面の制御を行うには、
露光位置制御、完全先読み制御、分割先読み制御よ
りなる3種類の制御法が考えられる。以下ではこれら3
種類の制御法につき詳細に説明する。 (F)露光位置制御法 この方式ではオートフォーカス及びオートレベリング機
構の応答性能を一切考慮せず、露光時に計測して得られ
たフォーカス位置の値を用いて、ウエハの露光面のフォ
ーカス位置及びレベリング角の制御を行う。即ち、図1
2(a)に示すように、露光フィールド24に対して走
査方向(Y方向)に手前側の第2列25Bの偶数番目の
計測点をサンプル点41として、露光フィールド24内
の第3列25Cの奇数番目の計測点をもサンプル点とす
る。そして、第2列25Bのサンプル点でのフォーカス
位置の計測値と第3列25Cのサンプル点でのフォーカ
ス位置の計測値とから、ウエハの露光面のスキャン方向
のレベリング制御を行う。
【0082】また、第2列25B及び第3列25Cのサ
ンプル点でのフォーカス位置の計測値から最小自乗近似
法で非スキャン方向の傾きを求めて、非スキャン方向の
レベリング制御を行う。また、フォーカス制御は、露光
フィールド24内の第3列の計測点でのフォーカス位置
の計測値も用いてフォーカス制御を行う。なお、図12
(b)に示すように、ウエハのスキャン方向が−Y方向
である場合には、サンプル点は第3列25C及び第4列
25Dの計測点から選択される。この方式では、最も制
御が簡単であるが、ウエハのスキャン速度等により追従
精度が変わってしまうという不都合がある。また、第2
列25B及び第3列25Cの各計測点でのフォーカス位
置のキャリブレーションが必要である。
【0083】(G)完全先読み制御法 この方式では、図12(c)に示すように、露光フィー
ルド24に対して走査方向に手前側の第1列25Aの全
ての計測点をサンプル点として、予め露光前に第1列2
5Aのサンプル点でのフォーカス位置の値を全て計測し
ておく。そして、平均化処理やフィルタリング処理を行
い、位相遅れを見込んで露光時にオープンでオートフォ
ーカス及びオートレベリング機構を制御する。即ち、第
1列25Aの各サンプル点でのフォーカス位置の計測値
を記憶しておき、時間軸上で計測されたフォーカス位置
の値からスキャン方向の傾きを算出し、露光時にスキャ
ン方向のレベリング制御をオープン制御で行う。
【0084】それと並行して、第1列25Aの各サンプ
ル点でのフォーカス位置の計測値から最小自乗近似法で
非スキャン方向の傾きを求め、非スキャン方向のレベリ
ング制御をオープン制御で行う。先読みなので、時間軸
での平均化も可能である。また、第1列25Aの各サン
プル点でのフォーカス位置の計測値を記憶しておき、露
光時にフォーカス合わせをオープン制御で行う。なお、
図12(d)に示すように、ウエハの走査方向が−Y方
向の場合には、第5列25Eの全ての計測点がサンプル
点として選択される。
【0085】この方式では、第1列25Aにおいてサン
プル点が9点確保できるため、情報量が多く精度向上が
期待できる。また、サンプル点は1ラインなのでキャリ
ブレーションが不要である共に、応答性の管理ができる
という利点がある。一方、第1列25Aのサンプル点に
関してまともに計測を行うと、各ショット領域の端部の
露光を行うために走査すべき距離(助走スキャン長)が
長くなり、スループットが低下する不都合がある。ま
た、オープン制御なので、多点フォーカス位置検出系に
よる確認ができないという不都合もある。
【0086】(H)分割先読み制御法 この方式では、図12(e)に示すように、露光フィー
ルド24に対して走査方向(Y方向)に手前側の第2列
25Bの奇数番目の計測点をサンプル点として、露光フ
ィールド24内の第3列25Cの偶数番目の計測点をも
サンプル点とする。そして、第2列25B及び第3列2
5Cのサンプル点において、予め露光前にフォーカス位
置の値を全て計測しておく。その後、平均化処理やフィ
ルタリング処理を行い、位相遅れを見込んで露光時にオ
ープン制御で制御を行う。即ち、第2列25B及び第3
列25Cのサンプル点におけるフォーカス位置の計測値
を記憶しておき、時間軸上で計測されたフォーカス位置
の値からスキャン方向の傾きを算出し、露光時にスキャ
ン方向のレベリングをオープン制御で行う。
【0087】また、第2列25B及び第3列25Cのサ
ンプル点におけるフォーカス位置の計測値から最小自乗
近似法で非スキャン方向の傾きを求め、非スキャン方向
のレベリングをオープン制御で行う。先読みなので、時
間軸での平均化も可能である。また、第2列25B及び
第3列25Cのサンプル点におけるフォーカス位置の計
測値を記憶しておき、露光時にフォーカス合わせをオー
プン制御で行う。なお、図12(f)に示すように、ウ
エハのスキャン方向が−Y方向である場合には、サンプ
ル点は第3列25C及び第4列25Dの計測点から選択
される。
【0088】この方式では、第2列25B(又は第4列
25D)が露光フィールド24に近接しているため、ウ
エハの各ショット領域の端部の露光を行うための助走ス
キャン距離を少なくできると共に、応答性の管理ができ
るという利点がある。また、露光時の第3列25Cのサ
ンプル点でのフォーカス位置の計測値から、オープン制
御で露光面の制御を行った結果の確認が可能である。一
方、第2列25Bのサンプル点でのフォーカス位置と第
3列のサンプル点でのフォーカス位置とのキャリブレー
ションが必要であるという不都合がある。
【0089】また、完全先読み制御法では、図13
(a)〜(d)に示すように、露光開始、露光中及び露
光終了間際のフォーカス位置のサンプル点を変えること
によって、より正確なオートフォーカス及びオートレベ
リング制御を行っている。即ち、図13(a)に示すよ
うに、露光すべきショット領域SAが露光フィールド2
4に対して間隔D(露光フィールド24のスキャン方向
の幅と同じ)の位置に達したときに、露光フィールド2
4から間隔Dのサンプル領域42で多点フォーカス位置
検出系によるフォーカス位置の計測が開始される。幅
D、即ち露光フィールド24のスキャン方向の幅の一例
は8mmである。その後、図13(b)に示すように、
ショット領域SAの先端部が露光フィールド24に接触
したときに、ウエハ上の2個のサンプル点間の検出域4
4でのフォーカス位置の計測値に基づいてスキャン方向
のレベリング制御が行われ、1個のサンプル点よりなる
検出域45でのフォーカス位置の計測値に基づいてオー
トフォーカス制御が行われる。
【0090】次に、図13(c)に示すように、ショッ
ト領域SAの先端部が露光フィールド24に入ったとき
に、ウエハ上の2個のサンプル点間の検出域44でのフ
ォーカス位置の計測値に基づいてスキャン方向のレベリ
ング制御が行われ、2個のサンプル点間の検出域45で
のフォーカス位置の計測値に基づいてオートフォーカス
制御が行われる。また、図13(d)に示すように、シ
ョット領域SAが露光フィールド24を覆うようになっ
たときには、露光フィールド24を覆う検出域44での
フォーカス位置の計測値に基づいてスキャン方向のレベ
リング制御が行われ、露光フィールド24を覆う検出域
45でのフォーカス位置の計測値に基づいてオートフォ
ーカス制御が行われる。
【0091】一方、分割先読み制御法でも、図13
(e)〜(h)に示すように、露光開始、露光中及び露
光終了間際のフォーカス位置のサンプル点を変えること
によって、より正確なオートフォーカス及びオートレベ
リング制御を行っている。即ち、図13(e)に示すよ
うに、露光すべきショット領域SAが露光フィールド2
4に対して間隔D/2(露光フィールド24のスキャン
方向の幅の1/2)の位置に達したときに、露光フィー
ルド24から外側に間隔D/2のサンプル領域43A及
び露光フィールド24から内側に間隔D/2のサンプル
領域43Bで多点フォーカス位置検出系によるフォーカ
ス位置の計測が開始される。その後、図13(f)に示
すように、ショット領域SAの先端部が露光フィールド
24に接触したときに、露光フィールド24を覆う検出
域46でのフォーカス位置の計測値に基づいてスキャン
方向のレベリング制御が行われ、1個のサンプル点より
なる検出域47でのフォーカス位置の計測値に基づいて
オートフォーカス制御が行われる。
【0092】次に、図13(g)に示すように、ショッ
ト領域SAの先端部が露光フィールド24に幅D/2だ
け入ったときに、露光フィールド24を覆う検出域46
でのフォーカス位置の計測値に基づいてスキャン方向の
レベリング制御が行われ、幅D/2の検出域47でのフ
ォーカス位置の計測値に基づいてオートフォーカス制御
が行われる。また、図13(h)に示すように、ショッ
ト領域SAが露光フィールド24を覆うようになったと
きには、露光フィールド24を覆う検出域46でのフォ
ーカス位置の計測値に基づいてスキャン方向のレベリン
グ制御が行われ、露光フィールド24を覆う検出域47
でのフォーカス位置の計測値に基づいてオートフォーカ
ス制御が行われる。図13より、分割先読み法では、助
走スキャン長(=D/2)を完全先読み法に比べて1/
2にできることが分かる。
【0093】なお、上述実施例においては、ウエハの露
光面の多点のフォーカス位置を計測するために、2次元
的に配列されたスリット状の開口パターン像をウエハ上
に投影する多点フォーカス位置検出系が使用されてい
る。しかしながら、その代わりに、非スキャン方向に細
長いスリット状になっているパターンの像をウエハ上に
投影し、その非スキャン方向の全体のフォーカス位置を
計測する1次元のフォーカス位置検出系を使用しても良
い。また、画像処理方式のフォーカス位置検出系を用い
て、ウエハの露光面上の2次元的なフォーカス位置の分
布を計測する場合でも、上述実施例と同様の分割先読み
等を適用することにより、高精度なフォーカシング及び
レベリングを行うことができる。更に、本例では図17
より分かるように、非スキャン方向のレベリング誤差に
対して、スキャン方向のレベリング誤差が小さいことか
ら、スキャン方向のレベリング動作を行うことなく、非
スキャン方向のみのレベリング動作を行っても良い。
【0094】なお、本発明は上述実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る
ことは勿論である。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、6インチサイズのマス
クを用いて投影倍率をほぼ1/4として走査露光を行っ
ているため、感光基板上での回路パターンの面積を高精
度に大型化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の投影露光装置を示す構成図
である。
【図2】(a)は実施例において投影光学系による露光
フィールドを含む領域に投影された2次元的なスリット
状の開口パターン像を示す平面図、(b)は多点フォー
カス位置検出系のパターン形成板上の開口パターンを示
す図、(c)は受光器上の受光素子の配列を示す図であ
る。
【図3】(a)は実施例で分割先読みを行う場合のサン
プル点を示す図、(b)は逆方向にスキャンする場合で
且つ分割先読みを行う場合のサンプル点を示す図であ
る。
【図4】(a)はフォーカス位置を先読みする場合を示
す図、(b)は先読みしたフォーカス位置を用いて露光
を行う場合を示す図である。
【図5】実施例のオートフォーカス及びオートレベリン
グ機構並びにその制御部を示す構成図である。
【図6】フォーカス位置の計測値の補正方法の説明図で
ある。
【図7】(a)は応答周波数νが10Hzの場合の伝達
関数を示す図、(b)は図7(a)の伝達関数を逆フー
リエ変換して得られた位置関数を示す図である。
【図8】(a)は隣接するショット領域へ露光を行う場
合のウエハの軌跡を示す図、(b)はレチクルの走査時
のタイミングチャート、(c)はウエハの走査時のタイ
ミングチャートである。
【図9】(a)は露光位置制御法でレベリング及びフォ
ーカシングを行う場合の追従精度を示す図、(b)は先
読み制御法でレベリング及びフォーカシングを行う場合
の追従精度を示す図である。
【図10】(a)は露光位置制御法を使用した場合の曲
がりパラメータFに対する誤差パラメータSの計算結果
を示す図、(b)は先読み制御法を使用した場合の曲が
りパラメータFに対する誤差パラメータSの計算結果を
示す図である。
【図11】(a)及び(b)は先読み制御法における平
均化効果の説明図、(c)及び(d)は露光位置制御を
行う場合のフォーカス面を示す図、(e)及び(f)は
先読み制御を行う場合のフォーカス面を示す図である。
【図12】(a)及び(b)は露光位置制御を行う場合
のフォーカス位置のサンプル点を示す平面図、(c)及
び(d)は完全先読み制御を行う場合のフォーカス位置
のサンプル点を示す平面図、(e)及び(f)は分割先
読み制御を行う場合のフォーカス位置のサンプル点を示
す平面図である。
【図13】(a)〜(d)は完全先読み制御法で露光を
行う場合の制御法の説明図、(e)〜(h)は分割先読
み制御法で露光を行う場合の制御法の説明図である。
【図14】(a)は一括露光を行う場合のフォーカス誤
差を示す図、(b)はスリットスキャン露光方式で露光
を行う場合のフォーカス誤差を示す図である。
【図15】(a)は計測値の最大値と最小値とを用いて
オートフォーカス制御を行う場合のフォーカス誤差を示
す図、(b)は計測値の平均値を用いてオートフォーカ
スを行う場合のフォーカス誤差を示す図、(c)は時間
遅れ誤差を示す図、(d)はサーボゲインの変化を示す
図である。
【図16】スリット状の露光フィールドでウエハ上のシ
ョット領域への露光を行う状態を示す平面図である。
【図17】(a)はスキャン方向の応答周波数と非スキ
ャン方向の応答周波数とを等しくしてレベリング制御を
行った場合の曲がりパラメータFに対する誤差パラメー
タSの計算結果を示す図、(b)はスキャン方向の応答
周波数を非スキャン方向の応答周波数より高くしてレベ
リング制御を行った場合の曲がりパラメータFに対する
誤差パラメータSの計算結果を示す図である。
【図18】(a)はフォーカス位置の平均値を用いてオ
ートフォーカス制御を行う状態を示す図、(b)はフォ
ーカス位置の最大値及び最小値の平均値を用いてオート
フォーカス制御を行う状態を示す図である。
【図19】(a)は図17(a)の状態において更に平
均化処理でオートフォーカス制御を行った場合の曲がり
パラメータFに対する誤差パラメータSの計算結果を示
す図、(b)は図17(b)の状態において更にフォー
カス位置の最大値及び最小値の平均値を用いてオートフ
ォーカス制御を行った場合の曲がりパラメータFに対す
る誤差パラメータSの計算結果を示す図である。
【図20】従来のステッパーにおける多点フォーカス位
置検出系を示す構成図である。
【図21】(a)は図20において投影光学系による露
光フィールドを含む領域に投影された2次元的なスリッ
ト状の開口パターン像を示す平面図、(b)は図20の
多点フォーカス位置検出系のパターン形成板上の開口パ
ターンを示す図、(c)は図20の受光器上の受光素子
の配列を示す図である。
【符号の説明】
2 ウエハY軸駆動ステージ 4 Zレベリングステージ 5 ウエハ 8 投影光学系 10 レチクルY駆動ステージ 12 レチクル 22A 主制御系 24 スリット状の露光フィールド 62A パターン形成板 69A 受光器 71A 信号処理装置 AF11〜AF59 計測点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−196513(JP,A) 特開 平5−62871(JP,A) 特開 平4−277612(JP,A) 特開 平3−179723(JP,A) 特開 平4−354320(JP,A) 特開 平2−198130(JP,A) 特開 平2−28312(JP,A) 特開 平4−350925(JP,A) 特開 平3−256317(JP,A) 特開 平1−170022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/23

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光ビームに対してマスクを第1方向へ
    移動するのに同期して、投影系を通過した露光ビームに
    対して基板を第2方向へ移動することにより、前記基板
    を走査露光する走査露光方法において、 前記マスクの大きさは6インチサイズであり、 前記投影系は、前記マスクのパターンの像をほぼ1/4
    に縮小して前記基板上に投影し、 前記投影系を通過した露光ビームの照射領域から離れた
    複数の検出点において、前記走査露光中に、前記投影系
    の光軸方向における前記基板の位置に関する情報を検出
    し、 前記検出結果に基づいて、前記投影系の像面と前記基板
    との位置関係を調整する ことを特徴とする走査露光方
    法。
  2. 【請求項2】 前記走査露光中、前記マスクの移動速度
    をVとしたとき、前記基板は前記マスクと同期してほぼ
    V/4の速度で移動することを特徴とする請求項1に記
    載の走査露光方法。
  3. 【請求項3】 前記走査露光中、前記第1方向に関する
    前記マスクの位置と、前記第1方向と交差する方向に関
    する前記マスクの位置は、各々干渉計を用いて計測され
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査露光方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数の検出点は、前記投影系を通過
    した露光ビームの照射領域内の検出点をも含むことを特
    徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の走査露光方
    法。
  5. 【請求項5】 前記複数の検出点は、前記第2方向と交
    差する方向に離れた複数の検出点を含むことを特徴とす
    る請求項1〜4の何れか一項に記載の走査露光方法。
  6. 【請求項6】 前記第2方向と交差する方向に離れた複
    数の検出点のうちの一部の検出点の検出結果が前記位置
    関係の調整に用いられることを特徴とする請求項に記
    載の走査露光方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の検出点は、前記第2方向に離
    れた複数の検出点を含むことを特徴とする請求項1〜6
    の何れか一項に記載の走査露光方法。
  8. 【請求項8】 前記位置関係の調整は、前記第2方向と
    交差する方向に関する前記投影系の像面と前記基板との
    傾きの関係の調整を含むことを特徴とする請求項1〜7
    の何れか一項に記載の走査露光方法。
  9. 【請求項9】 前記位置関係の調整は、前記第2方向に
    関する前記投影系の像面と前記基板との傾きの関係の調
    整を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に
    記載の走査露光方法。
  10. 【請求項10】 前記投影系の光軸方向に関する前記基
    板の位置情報を検出するための検出点は、前記基板の移
    動中に変更されることを特徴とする請求項1〜9の何れ
    か一項に記載の走査露光方法。
  11. 【請求項11】 前記投影系の光軸方向における前記基
    板の位置に関する情報の検出は、前記基板上の複数のシ
    ョット領域のうちの一つの走査露光終了後、次のショッ
    ト領域に対する走査露光の開始前から行なわれることを
    特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の走査露
    光方法。
  12. 【請求項12】 前記一つのショット領域に対する走査
    露光終了後に、前記基板は前記第2方向と交差する方向
    に移動することを特徴とする請求項11に記載の走査露
    光方法。
  13. 【請求項13】 前記走査露光が終了したショット領域
    と前記次のショット領域とは、前記第2方向とほぼ直交
    する方向に並設されていることを特徴とする請求項12
    に記載の走査露光方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れか一項に記載の
    走査露光方法を用いるデバイス製造方法。
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