JPH10267111A - 歯車駆動装置及びガバナ駆動歯車 - Google Patents

歯車駆動装置及びガバナ駆動歯車

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JPH10267111A
JPH10267111A JP9090252A JP9025297A JPH10267111A JP H10267111 A JPH10267111 A JP H10267111A JP 9090252 A JP9090252 A JP 9090252A JP 9025297 A JP9025297 A JP 9025297A JP H10267111 A JPH10267111 A JP H10267111A
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JP
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drive
governor
fitted
drive gear
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JP9090252A
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Kazuyuki Kobayashi
和之 小林
Kokichi Kawachi
弘吉 河内
Shogo Nakamura
彰吾 中村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガバナ駆動歯車装置等の比較的駆動トルクの
小さい歯車駆動装置において、駆動軸とこれに嵌合され
る駆動歯車との組立時には緩い嵌め合いとして組立てを
容易にし、運転時には隙間の無い締まり嵌め状態を保持
して騒音を低減し、耐久性を向上せしめる。 【解決手段】 駆動軸に嵌合される駆動歯車に加わる負
荷トルクが比較的小さい歯車駆動装置において、前記駆
動軸に、前記駆動歯車が嵌合される嵌合軸部に、その軸
線方向に平行な溝を形成し、前記駆動歯車は、前記駆動
軸よりも大きい熱膨張係数を有する合成樹脂材料にて構
成されるとともに、前記嵌合軸部に嵌合される嵌合穴の
内周に前記溝に嵌合される突起が設けられ、さらに前記
突起の幅方向寸法が歯車装置の運転時における前記ケー
シング内の温度上昇による熱膨張によって前記溝に締ま
り嵌め状態となる寸法に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのガバナ装
置を駆動するガバナ駆動歯車装置等、駆動トルクが比較
的小さく、運転時に常温よりもある程度温度上昇がある
雰囲気中で運転される歯車駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汎用エンジンのガバナ装置の駆動歯車
は、一般にクランク軸にキーを設け、内径にキー溝を設
けたガバナ駆動歯車を前記クランク軸に圧入し、キーに
て回転止めを施している。しかしながら、かかる構成の
ものは機械加工部分が多く、多大な加工工数を要し、ま
た、クランク軸にガバナ駆動歯車を組み付ける際、歯車
を加熱することを要する場合は、組立てにより多くの工
数を要する。
【0003】前記のように加工工数が低減可能な考察と
して、実開昭63−123858号及び実開昭57−1
45823号の考察が提案されている。実開昭63−1
23858号の考察は、図5及び図6に示すように、ク
ランク軸51にその軸心線に平行な溝Bを設け、該クラ
ンク軸51に嵌合される焼結成形歯車50の内周に、前
記溝Bに対応する突起Aを焼結と同時成形して設け、両
者を組み合わせるものである。このように、前記歯車5
0がタイミングギヤの場合は、カム軸(図示省略)に伝
達する駆動トルクが大きいことから、前記焼結成形歯車
Bとクランク軸51との嵌合は締まり嵌め、つまりタイ
トな設定とせざるを得ない。
【0004】また、実開昭57−145823号の考察
は、クランク軸1にキー溝状の溝を設けるとともに、該
クランク軸1に嵌合される回転体3の内周に、前記溝2
に嵌合される突起5を一体に成形して両者を締まり嵌め
にて組立てている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術におい
ては、歯車50をあるいは回転体3をクランク軸51あ
るいは1に圧入するか、ナットあるいはスナップリング
で止める手段を施すことにより、クランク軸方向に前記
歯車50等を固定する手段が必要となり部品点数が多く
なる。
【0006】また、かかる従来技術においては、歯車側
を突起、軸側を溝の組合わせにおいての嵌合であるた
め、その組立てを容易とするためには歯車側とクランク
軸側とは緩い嵌合(ルーズな嵌合)とすることが必須で
あるが、かかる嵌合では軸方向、つまり周方向のすきま
によって運転中に振動や騒音が生じやすい。このため、
かかる振動騒音防止のためにはクランク軸と歯車との嵌
合は締まり嵌めとするほうが好ましいが、この場合は、
歯車の材料は縦弾性率11,000Kg/mm2以上の
金属系に限定されるため、組立てに多くの手数がかか
る。
【0007】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、
ガバナ駆動歯車装置等の比較的駆動トルクの小さい歯車
駆動装置において、駆動軸とこれに嵌合される駆動歯車
との組立時には緩い嵌め合いとして組立てを容易にし、
運転時には隙間の無い締まり嵌め状態を保持して振動、
騒音を低減し、耐久性を向上せしめることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、第1発明として、エンジンのクランク軸
等の鉄系材料からなる駆動軸に嵌合された駆動歯車から
これに噛合される従動歯車を介して、該従動歯車に連結
されるガバナ装置等の被駆動装置を駆動するように構成
されて、クランクケース等のケーシング内に収納された
歯車駆動装置において、前記駆動軸は、前記駆動歯車が
嵌合される嵌合軸部に、その軸線方向に平行な溝が形成
されてなり、また、前記駆動歯車は、前記駆動軸よりも
大きい熱膨張係数を有する合成樹脂材料にて構成される
とともに、前記嵌合軸部に嵌合される嵌合穴の内周に前
記溝に嵌合される突起が設けられてなり、さらに前記突
起の幅方向寸法が歯車装置の運転時における前記ケーシ
ング内の温度上昇による熱膨張によって前記溝に締まり
嵌め状態となる寸法に設定されたことを特徴とする歯車
駆動装置及びこれのガバナ駆動装置用ガバナ駆動歯車を
提案する。
【0009】かかる発明によれば、ガバナ駆動歯車を構
成する合成樹脂材料は、駆動軸を構成する鉄系材料に較
べて最大で8倍程度と熱膨張係数が大きいため、歯車駆
動装置の運転時にその近傍の温度が上昇すると、駆動歯
車の駆動軸への嵌合穴に設けられた突起と該突起が嵌合
される駆動軸に設けられた溝との幅方向、つまり周方向
の変形量は凸側の駆動歯車側の方が凹側の駆動軸側より
も大きくなり、前記突起と溝との幅方向隙間が縮小され
る。
【0010】従って、かかる発明においては、駆動歯車
を駆動軸に組み付ける際の常温での組立て時における前
記突起と溝との隙間を、運転時における歯車駆動装置近
傍の温度上昇量に対応する前記縮小量に相当する量だけ
大きく採って緩い嵌め合いとしている。これにより駆動
歯車と駆動軸との組立てはきわめて容易となり、組立工
数が低減される。
【0011】一方、歯車駆動装置の運転時においては前
記のように該歯車駆動装置の温度上昇により前記突起と
溝との隙間が前記縮小量に相当する量を減少し、その結
果、運転中には両者は隙間の無い締まり嵌め(タイトな
嵌合)となる。これにより、運転時における振動や騒音
の発生が低減されるとともに、前記隙間に起因する歯車
の噛み合い部のかじりの発生や突起の嵌合面の摩耗等の
事故の発生が防止される。
【0012】また、第2発明として、前記前記駆動歯車
が、耐摩耗性樹脂材料から成り、前記従動歯車と噛合さ
れる外歯歯車部と、形状記憶樹脂材からなり、外周が該
外歯歯車部の内周に固着されて、内周の嵌合穴には前記
駆動歯車の溝に嵌合される突起が形成された内筒とより
成り、前記突起を前記歯車装置の運転時における前記ケ
ーシングの温度による記憶形状への復帰によって、該突
起の幅方向が前記溝に締まり嵌め状態となる寸法形状に
設定してなる歯車駆動装置及びガバナ駆動装置のガバナ
駆動歯車を提案する。
【0013】かかる第2発明によれば、形状記憶樹脂材
からなる駆動歯車の内筒の嵌合穴に設けられた該駆動歯
車の突起を、該内筒の成形時に駆動軸に設けられた溝と
締まり嵌めになるように成形し、該形状記憶樹脂のガラ
ス転移点を超えた温度において、前記溝に緩い嵌め合い
(ルーズな嵌め合い)となるように拘束して冷却し、凍
結する。
【0014】この拘束状態は常温においても保持されて
いるので、駆動歯車を駆動軸へ組み付ける際には、幅方
向の隙間を有する締まり嵌めとなり、容易に組立てがで
きる。歯車駆動装置の運転時においては、該装置の近傍
の温度が上昇し、ガラス転移点を超えると、前記突起は
成形時の記憶形状に戻ろうとするため、突起と溝との前
記隙間が無くなり、締まり嵌め(タイトな嵌合)とな
る。かかる締まり嵌めへの移行により騒音の発生が回避
される。
【0015】かかる発明においては、突起が形状記憶樹
脂で成形されているので、運転時の温度が該形状記憶樹
脂のガラス転移点を超えてさえいれば、運転時に確実に
元の記憶形状に戻るので、運転温度が変動しても隙間の
再生は無く、締まり嵌めの状態が正確に得られる。
【0016】さらに本発明の第3発明は、前記駆動歯車
を、前記駆動軸を支持する軸受と該駆動軸の段部との間
に設置し、該駆動歯車の内周嵌合部の軸線方向長さを前
記歯車駆動装置の運転時におけるケーシング内の温度上
昇による熱膨張によって前記軸受に対する軸線方向のサ
イドクリアランスが適正値となる寸法に設定して構成さ
れる。
【0017】かかる第3発明によれば、合成樹脂材料か
らなる駆動歯車を駆動軸の段部と軸受との間に組み付け
る際の駆動歯車の軸線方向長さを、運転中における熱膨
張による伸長を見込んだ寸法に選択的に設定することに
より、軸受のサイドクリアランスを自動的に調整するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施
例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その
相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明
例にすぎない。
【0019】図1は本発明の実施形態に係る汎用エンジ
ンのガバナ駆動歯車装置の要部縦断面図、図2はガバナ
駆動歯車取付部の要部斜視図である。
【0020】図1〜図2において、1はクランクケー
ス、2は該クランクケース1を覆蓋するクランクケース
蓋である。3はクランク軸で、前記クランクケース1と
クランクケース蓋2に軸受21を介して支持されてい
る。3aは前記クランク軸3に設けられた溝である。4
はガバナ駆動歯車であり、4aは該ガバナ駆動歯車に設
けられた突起である。
【0021】30はガバナ装置、5は該ガバナ装置30
のガバナ軸で、クランクケース蓋2に固設されている。
6は該ガバナ軸5に相対回転自在に挿設されたガバナ歯
車、7は該ガバナ歯車にピン止めされて半径方向に回転
自由に支えられた複数のガバナ重錘である。前記ガバナ
装置30において、前記ガバナ歯車4によりガバナ歯車
6が回転せしめられると、ガバナ重錘7は遠心力により
該重錘7側が外方に広がり、ガバナ重錘7と反対側の爪
が前記遠心力に比例した押力でガバナ移動筒8を押し出
す。該移動筒8の移動により、アーム10の先端が押さ
れて、取出軸9を回転させ、これによってガバナトルク
がクランクケース1の外側へ伝達され、図示省略の気化
器のスロットル弁の開閉を調整し、エンジンの回転数の
上限が制御される。
【0022】前記ガバナ歯車6及びガバナ駆動歯車4
は、合成樹脂の成形品から構成されている。かかる合成
樹脂材としては、クランク軸3の材料である鋼材よりも
熱膨張率の大きい材料とし、フェノール系樹脂材料が好
適である。
【0023】前記合成樹脂材料からなるガバナ駆動歯車
4は、図2に示すように、前記クランク軸3への嵌合穴
4bにキー状の突起4aが成形時に形成される。また、
鋼材からなるクランク軸3には、前記突起4aが嵌合す
る溝3aが機械加工により形成される。
【0024】そして、前記クランク軸3の溝3aとガバ
ナ駆動歯車4の突起とは該ガバナ駆動歯車4が合成樹脂
材料から成るため、常温時における組立時において、溝
3aの幅Eが好ましくは、S=5mm程度において、基
準寸法に対し、+0.024mm〜+0.050mm突
起4aの幅eが前記基準寸法Sに対し、0〜0.010
mm程度の緩い(ルーズな)嵌め合いにて嵌合され、周
囲温度が上昇する運転時において、熱膨張率の大きい側
の合成樹脂材料製ガバナ駆動歯車4の突起4aが伸長し
て嵌め合いが固く(タイトな)なるようにしている。
【0025】かかる構成からなるガバナ駆動歯車装置を
備えた汎用エンジンの運転時には、ガバナ駆動歯車4の
近傍の温度は70℃〜140℃に上昇する。然るにクラ
ンク軸3を構成する鉄系材料及びガバナ駆動歯車4を構
成する合成樹脂材料の熱膨張係数αは次の通りである。 クランク軸(鉄系材料) :α1 = (1.1〜1.5)×10-5/℃ ガバナ駆動歯車(合成樹脂材料):α2 = (2〜10)×10-5/℃
【0026】ここで前記熱膨張係数α1 、α2 を、 クランク軸:α1 = 1.3×10-5/℃ ガバナ駆動歯車α2 = 8×10-5/℃ とし、エンジンの運転時と組立時におけるガバナ駆動歯
車4の周囲温度差t=100℃とすると、クランク軸3
の溝3aの幅Eと、これに嵌合されるガバナ駆動歯車4
の突起4aの幅eとの間における前記温度差による隙間
の縮小量ΔSは(E、eの基準寸法S=5mmとする) ΔS=e−E=(α2+α1)×S×t =(8−1.03)×10-5×5×100 =0.0335mm
【0027】ところで、前記のように、E及びeの寸法
公差は、 溝:E= +0.024〜+0.0050 突起:e=0〜−0.010 であり、組立時の最大隙間:δ=0.024+0.01
0=0.034mm
【0028】従って、運転時におけるガバナ駆動歯車4
の突起4aとクランク軸3の溝3aとの隙間の縮小量Δ
Sは前記のようにΔS=0.0335mmであり、ΔS
=0.034mmと略等しくなり、エンジンの運転時に
はこれにより、ガバナ駆動歯車4の突起4aとクランク
軸3の溝3aとを組立時に緩い(ルーズな)嵌合(例え
ば、前記のように最大隙間δ=0.034mm程度)と
しても、運転時には、温度上昇によってこの隙間がほぼ
ゼロの嵌合あるいは若干の締まり嵌めとなり、いわゆる
タイトな嵌め合いが得られる。
【0029】従って、かかる実施形態によれば、カム軸
駆動歯車をクランク軸に組立る際には緩い嵌合とするこ
とができるので、組立がきわめて容易となり、組立工数
が低減される。
【0030】一方、運転時においては、合成樹脂材料か
らなるガバナ駆動歯車4と鋼材等の鉄系材料からなるク
ランク軸3との熱膨張係数の差により上記隙間が縮小さ
れて両者がタイトな嵌合となるので、運転時の騒音の発
生が防止されるとともに、前記隙間に起因するガバナ駆
動歯車4と従動側のガバナ歯車6との噛み合い部のかじ
りの発生や、突起4aの溝3aへの嵌合面の摩耗の発生
が回避される。
【0031】また、図2に示すように側端面がクランク
軸3の段部3bに当接されるガバナ駆動歯車4のクラン
ク軸3への嵌合部の長さTを常温での組立時において、
エンジン運転時の温度上昇(例えば前記t=1,000
℃)による熱膨張を見込み、図1に示すように運転時に
おいて軸受21とクランク軸3との間の軸受側部隙間S
が適正な値になるような寸法に設定しておけば、上記側
部隙間Sの自動調整が可能となる。
【0032】図3〜図4は本発明の第2実施形態を示
し、図3はガバナ駆動歯車の縦断面図、図4はガバナ駆
動歯車の正面図である。尚、かかるガバナ駆動歯車の取
付部近傍は図1に示す第1実施形態と同一であるので、
図示省略する。図3〜図4において14はガバナ駆動歯
車であり、15は該ガバナ駆動歯車14を構成する外周
側の外周歯車、16は該ガバナ駆動歯車14の内筒であ
る。16aは内筒16に設けられたキー状の突起であ
る。前記外周歯車15は耐摩耗性を有するフェノール系
樹脂等の合成樹脂材料、内筒16は形状記憶ポリマー材
とし、両者は外周嵌合面161にて嵌着されて複合成形
により同時に成形される。
【0033】前記内筒16の材料である形状記憶ポリマ
ーは、例えば、ビニール芳香族化合物の単独重合体、ビ
ニール芳香族化合物と他のビニール芳香族化合物の共重
合体、ビニール芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重
合体とからなる重合体ブロックと、ブタジエンの単独重
合体と他の共役ジエン化合物の共重合体との重合体ブロ
ックとを合わせたブロック共重合体、非晶質ポリエステ
ルと結晶性芳香族ポリエステルとのブロック非晶質共重
合体、熱可塑性ポリウレタンとポリエチレンとエチレン
系共重合体との熱可塑性樹脂組成物等がある。そして、
かかる形状記憶形状ポリマー材は、いずれも使用温度
(かかるガバナ駆動歯車14では、前記のように運転時
の温度上昇70℃〜140℃)と材料の強度とを選別し
て採用する。
【0034】内筒16に設けられた前記突起16aは、
前記成形加工時に図4の破線で示した形状、つまり記憶
形状に成形され、ガラス転移点温度を超えた温度におい
て、図4の実線に示した形状に拘束した状態で冷却し、
凍結する。常温では凍結したままの状態、つまり図4の
実線の状態を維持しているので、ガバナ駆動歯車14は
クランク軸3の所定位置つまり溝3a(図1、2参照)
内に容易に取組むことができる。しかして、エンジンを
運転し、クランクケース1内の温度が上昇して内筒16
を構成する形状記憶ポリマーのガラス転移点を超える
と、内筒16の突起16aは破線で示した記憶形状に戻
ろうとするために、該突起16aとクランク軸の溝3a
との間に締まり圧力が生じて締まり嵌めとなる。これに
より、ガバナ駆動歯車14はその回転方向において確実
に固定され、エンジンの運転中、つまりガバナ駆動歯車
14の周囲温度クランク室温:70〜140℃において
は、クランク軸3とガバナ歯車突起部14aの嵌合はタ
イトとなるため、回転方向の隙間による騒音の発生は無
い。
【0035】以上の実施形態は、汎用エンジンのガバナ
駆動歯車装置について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、エンジンのポンプ駆動歯車装置、回転計駆動歯車装
置等、駆動トルクが比較的小さく、運転時に常温よりも
ある程度温度上昇がある雰囲気中で運転される歯車装置
に適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上の記載のごとく、請求項1及び3の
発明によれば、合成樹脂材料からなる駆動歯車を駆動軸
に組み付ける際の常温での組立て時における前記突起と
溝との隙間を、運転時における歯車駆動装置近傍の温度
上昇量に対応する前記縮小量に相当する量だけ大きく採
って緩い嵌め合いとすることができる。これにより、駆
動歯車と駆動軸との組立ては極めて容易となり、組立工
数の低減が実現でき、製造コストが低減される。
【0037】また、歯車駆動装置の運転時においては、
前記のように該歯車駆動装置の温度上昇により、前記突
起と溝との隙間が前記縮小量に相当する量だけ減少し、
その結果、運転中には両者は隙間の無い締まり嵌めとな
る。
【0038】これにより運転時における振動及び騒音の
発生が低減されるとともに、前記隙間に起因する歯車の
噛み合い部のかじりの発生や突起の嵌合面の摩耗等の事
故発生を防止することができる。
【0039】また、請求項2及び3の発明によれば、駆
動軸の溝に嵌合される突起が形状記憶樹脂で成形されて
いるので、運転時の温度が該形状記憶樹脂のガラス転移
点を超えてさえいれば、運転時に確実に元の記憶形状に
戻るので、運転温度が変動しても隙間の再生は無く、締
まり嵌めの状態が正確に得られる。
【0040】さらに請求項4の発明によれば、合成樹脂
材料から成る駆動歯車を駆動軸の段部と軸受との間に組
み付ける際の駆動歯車の軸線方向長さを、運転中におけ
る熱膨張による伸長を見込んだ寸法に選択的に設定する
ことにより、軸受のサイドクリアランスを自動的に適正
値に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る汎用エンジンのガ
バナ駆動歯車装置の要部縦断面図である。
【図2】上記第1実施形態におけるガバナ駆動歯車取付
部の要部斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る汎用エンジンのガ
バナ駆動歯車の縦断面図である。
【図4】上記第2実施形態におけるガバナ駆動歯車の正
面図である。
【図5】従来技術に係る汎用エンジンのガバナ駆動歯車
の正面図である。
【図6】上記従来技術におけるガバナ駆動歯車の取付部
側面図である。
【符号の説明】
1 クランクケース 3 クランク軸 3a 溝 4、14 ガバナ駆動歯車 4a、16a 突起 4b 嵌合穴 5 ガバナ軸 6 ガバナ歯車 7 重錘 8 移動筒 9 取出軸 10 アーム 15 外周歯車 16 内筒 21 軸受 30 ガバナ装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸等の鉄系材料から
    なる駆動軸に嵌合された駆動歯車からこれに噛合される
    従動歯車を介して、該従動歯車に連結されるガバナ装置
    等の被駆動装置を駆動するように構成されて、クランク
    ケース等のケーシング内に収納された歯車駆動装置にお
    いて、 前記駆動軸は、前記駆動歯車が嵌合される嵌合軸部に、
    その軸線方向に平行な溝が形成されてなり、また、前記
    駆動歯車は、前記駆動軸よりも大きい熱膨張係数を有す
    る合成樹脂材料にて構成されるとともに、前記嵌合軸部
    に嵌合される嵌合穴の内周に前記溝に嵌合される突起が
    設けられてなり、さらに前記突起の幅方向寸法が歯車装
    置の運転時における前記ケーシング内の温度上昇による
    熱膨張によって前記溝に締まり嵌め状態となる寸法に設
    定されたことを特徴とする歯車駆動装置。
  2. 【請求項2】 エンジンのクランク軸等の鉄系材料から
    なる駆動軸に嵌合された駆動歯車からこれに噛合される
    従動歯車を介して、該従動歯車に連結されるガバナ装置
    等の被駆動装置を駆動するように構成されて、クランク
    ケース等のケーシング内に収納された歯車駆動装置にお
    いて、 前記駆動軸は、前記駆動歯車が嵌合される嵌合軸部に、
    その軸線方向に平行な溝が形成されてなり、前記駆動歯
    車は、耐摩耗性樹脂材料から成り、前記従動歯車と噛合
    される外歯歯車部と、形状記憶樹脂材からなり、外周が
    該外歯歯車部の内周に固着されて、内周の嵌合穴には前
    記駆動歯車の溝に嵌合される突起が形成された内筒とよ
    り成り、前記突起を前記歯車装置の運転時における前記
    ケーシングの温度による記憶形状への復帰によって、該
    突起の幅方向が前記溝に締まり嵌め状態となる寸法形状
    に設定してなることを特徴とする歯車駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動歯車を、前記駆動軸を支持する
    軸受と該駆動軸の段部との間に設置し、該駆動歯車の内
    周嵌合部の軸線方向長さを前記歯車駆動装置の運転時に
    おけるケーシング内の温度上昇による熱膨張によって前
    記軸受に対する軸線方向のサイドクリアランスが適正値
    となる寸法に設定してなることを特徴とする請求項1又
    は2記載の歯車駆動装置。
  4. 【請求項4】 エンジンのクランク軸等の鉄系材料から
    なる駆動軸に嵌合されたガバナ駆動歯車からこれに噛合
    される従動歯車を介して、該従動歯車に連結されるガバ
    ナ装置を駆動するように構成されて、クランクケースに
    収納されたガバナ駆動歯車装置において、 前記ガバナ駆動歯車は、前記駆動軸よりも大きい熱膨張
    係数を有する合成樹脂材料にて構成されるとともに、前
    記嵌合軸部に嵌合される嵌合穴の内周に前記溝に嵌合さ
    れる突起が設けられてなり、前記突起の幅方向寸法が歯
    車装置の運転時における前記ケーシング内の温度上昇に
    よる熱膨張によって前記溝に締まり嵌め状態となる寸法
    に設定されたことを特徴とするエンジンのガバナ駆動歯
    車。
  5. 【請求項5】 エンジンのクランク軸等鉄系材料からな
    る駆動軸に嵌合されたガバナ駆動歯車からこれに噛合さ
    れる従動歯車を介して、該従動歯車に連結されるガバナ
    装置を駆動するように構成されて、クランクケースに収
    納されたガバナ駆動歯車装置において、 前記ガバナ駆動歯車は、耐摩耗性樹脂材料から成り、前
    記従動歯車と噛合される外歯歯車部と、形状記憶樹脂材
    からなり、外周が該外歯歯車部の内周に固着されて、内
    周の嵌合穴には前記駆動歯車の溝に嵌合される突起が形
    成された内筒とより成り、前記突起を前記ガバナ駆動歯
    車装置の運転時における前記ケーシングの温度による記
    憶形状への復帰によって、該突起の幅方向が前記溝に締
    まり嵌め状態となる寸法形状に設定してなることを特徴
    とする請求項4記載のエンジンのガバナ駆動歯車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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