JPH10267077A - 鋼棒入り鉛円柱ダンパー - Google Patents

鋼棒入り鉛円柱ダンパー

Info

Publication number
JPH10267077A
JPH10267077A JP7472597A JP7472597A JPH10267077A JP H10267077 A JPH10267077 A JP H10267077A JP 7472597 A JP7472597 A JP 7472597A JP 7472597 A JP7472597 A JP 7472597A JP H10267077 A JPH10267077 A JP H10267077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
lead
steel rod
abutment
specimen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7472597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Karasuno
清 烏野
Hiroyuki Tsuchiya
博之 土屋
Kazuyoshi Sakumiya
一新 作宮
Tokihiko Noyori
剋彦 野寄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Zinc Co Ltd
Toho Aen KK
Original Assignee
Toho Zinc Co Ltd
Toho Aen KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Zinc Co Ltd, Toho Aen KK filed Critical Toho Zinc Co Ltd
Priority to JP7472597A priority Critical patent/JPH10267077A/ja
Publication of JPH10267077A publication Critical patent/JPH10267077A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過大な地震動に対する減衰力及び水平拘束力
を共に大きく発揮でき、かつ、減衰力と水平拘束力の大
きさを別個に設定でき、所望の水平拘束力の得られる断
面を従来の鉛ダンパーより大幅に小さくでき、鋼棒ダン
パーの如く大きなスペースを占有せず、装置の小型化等
により取付作業を容易にでき、後発的追加施工も簡単に
行い得る鋼棒入り鉛円柱ダンパーを提供する。 【解決手段】 鉛円柱13の中心部分に開けた穴に、当
該鉛円柱13の高さ寸法に略対応した長さ寸法を有する
鋼棒14を挿入してなる。また、前記鉛円柱13の上下
両端部に、前記鋼棒14に一体に結合された鋼板を配設
してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤と一体である
基礎と、この基礎に支持される構造物との間に介設さ
れ、又は機械の支持体と、この支持体に支持される被支
持体との間に介設され、地震時の振動エネルギーや機械
的な振動エネルギー等を吸収すると共に水平変位を抑制
する鋼棒入り鉛円柱ダンパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地震時において構造物に生じる振
動を制御する手段として制震装置が用いられているが、
この制震装置は、基礎と構造物との間に介設され、構造
物の鉛直荷重を常時支持すると共に、構造物の固有周期
を長くし、地震時の構造物による慣性力を低減させ、振
動エネルギーを吸収して当該構造物に生じる振動を制御
しようとするものである。かかる制震装置のうち、金属
材料の塑性域での履歴特性を利用して振動エネルギーを
吸収するタイプのものとして、鉛ダンパー及び鋼棒ダン
パーがある。
【0003】このうち、鉛ダンパーは、例えば、ゴム支
承を用いた建屋と基礎との間に介設されるもので、建屋
から基礎へと伝達される振動エネルギーを吸収し又は応
答を小さくする力(以下、減衰力という)が比較的大き
いという利点を有している。
【0004】即ち、鉛ダンパーによれば、地震動による
慣性力(以下、地震力という)の伝達が振動エネルギー
の吸収により制限されるため、地震力が基礎に与える負
担を低減することができると共に、建屋の固有周期と地
震動の周期との一致によって振動が異常に増幅する所謂
共振現象が回避されるため、基礎のみならず、建屋に与
える負担も低減することができる。
【0005】しかしながら、鉛ダンパーを用いる場合に
は、建屋の固有周期を短くしないようにする観点から、
基礎に対する建屋の水平変位を拘束する力(以下、水平
拘束力という)をできる限り小さくしなければならな
い。従って、鉛ダンパーを、例えば橋梁の橋脚と桁との
間等に用いる場合には、減衰力に比して水平拘束力を著
しく小さく設定することになるので、地震動が予定して
いた以上に過大であれば、桁の水平変位を拘束しきれな
くなり、桁が橋脚に掛かる部分から外れ、橋脚から落下
するという事態を招いてしまう。また、かかる事態を回
避すべく所望の水平拘束力を得ようとすれば、鉛ダンパ
ーの断面を著しく大きくしなければならず、かかる大断
面の鉛ダンパーでは、設置スペースを広くとるために桁
や橋脚の構造形式を変更しなければならず不経済である
ばかりか、取り付けの際の取り扱いが著しく困難となっ
てしまう。更に、大地震対策として、既存の構造物の補
強のために後発的に追加施工を行うことが必要になって
も、上記大断面の鉛ダンパーでは、設置スペースがとれ
なかったり、一基が重くなりすぎて人力による取り付け
が困難になったりして、追加施工をすること自体が不可
能になるという結果を招いてしまう。
【0006】また、鋼棒ダンパーも、例えば、鉛ダンパ
ーと同様に建屋と基礎との間に介設されるもので、鋼棒
の履歴減衰を利用したものである。
【0007】しかしながら、鋼棒ダンパーでは、橋梁の
桁の落橋防止装置として用いた場合、装置が大型になっ
てしまい、かかる大きなスペースを占有する大型の鋼棒
ダンパーの取り扱いは困難性を伴うものであることか
ら、施工がきわめて煩雑になってしまう。
【0008】一方、減衰力の大きさと水平拘束力の大き
さとを別個独立に自在に設定し得るダンパーを開発でき
れば、従来において対策がなく問題とされていた種類の
振動、例えば、橋梁上において停車中の自動車内のドラ
イバーに不安感を与える所謂交通振動や、エンジンの振
動等に起因する機械的振動等をも効果的に解消すること
が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、過
大な地震動に対する減衰力及び水平拘束力を共に大きく
発揮でき、かつ、減衰力の大きさと水平拘束力の大きさ
とを別個独立に設定でき、しかも、所望の水平拘束力を
得るための断面を従来の鉛ダンパーに比して大幅に小さ
くでき、鋼棒ダンパーの如く大きなスペースを占有しな
くてすみ、よって、装置の小型化、軽量化による取付作
業の容易化を図ることができ、後発的追加施工も簡単に
行い得る鋼棒入り鉛円柱ダンパーを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る鋼棒
入り鉛円柱ダンパーは、鉛円柱の中心部分に開けた穴
に、当該鉛円柱の高さ寸法に略対応した長さ寸法を有す
る鋼棒を挿入してなることを特徴とするものである。
【0011】このような技術的手段において、より水平
拘束力を大きくして落橋防止等に役立てる観点からすれ
ば、前記鉛円柱は、上下両端部に、前記鋼棒に一体に結
合された鋼板を配設してなることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。
【0013】◎実施の形態1 図1は本実施の形態1に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパーが
適用された単純桁橋の概略側面図を示している。同図に
おいて、符号1は左岸に本単純桁橋の基礎として構築さ
れている左岸橋台、符号2は右岸に本単純桁橋の基礎と
して構築されている右岸橋台、符号3は左岸橋台1と右
岸橋台2との中間部分に構築されている橋脚、符号4は
左岸橋台1と橋脚3との間に架設されている第一桁、符
号5は橋脚3と右岸橋台2との間に架設されている第二
桁、符号6は橋脚3と第一桁4又は右岸橋台2と第二桁
5との間に介設されているヒンジ支承、符号7は左岸橋
台1と第一桁4又は橋脚3と第二桁5との間に介設され
ているローラー支承である。
【0014】本実施の形態1では、ローラー支承7は、
図2のA−A断面矢視図に示すように、第一桁4の横断
方向の両側に係る部位に配設される第一ローラー支承7
aと、第二ローラー支承7bとで構成されており、ま
た、第一ローラー支承7aと第二ローラー支承7bとの
間には、第一ダンパー8aと第二ダンパー8bとで構成
される鋼棒入り鉛円柱ダンパー8が配設されている。
【0015】次に、これらの鋼棒入り鉛円柱ダンパー8
うち、例えば、第一ダンパー8aについて図3及び図4
を用いて説明する。
【0016】図3は第一ダンパー8aの側断面図を示し
ており、図4は当該第一ダンパー8aのB−B断面矢視
図、及びC−C断面矢視図を示している。第一ダンパー
8aは、これらの図に示すように、円柱形状の本体鉛円
柱部分11(図4C−C断面矢視図参照)と、本体鉛円
柱部分11の上下両端に形成される当該本体鉛円柱部分
11より外径の大きい円柱形状の取付鉛円柱部分12
(図4B−B断面矢視図の上部取付鉛円柱部分12a参
照、下部取付鉛円柱部分12bも同様)とからなる鉛円
柱13の中心部分に開けた穴に、当該鉛円柱13の高さ
寸法に略対応した長さ寸法を有する鋼棒14を挿入して
なるものである。尚、本実施の形態1に係る鉛円柱13
は、本体鉛円柱部分11と取付鉛円柱部分12との外径
が変化する部分がR形状を呈するよう加工されている。
【0017】また、ダンパー取付金物15(上部ダンパ
ー取付金物15a、下部ダンパー取付金物15b)は、
前記取付鉛円柱部分12より径の大きい円板部分16
と、この円板部分16表面から垂直方向に延設され、か
つ、取付鉛円柱部分12が挿嵌されている円筒部分17
と、この円筒部分17の先端部分から円板部分16と平
行に延設され、かつ、円筒部分17に挿嵌される取付鉛
円柱部分12の本体鉛円柱部分11側に係る面に当接し
て固止する鍔部分18とを有しており、本実施の形態1
では、ダンパー取付金物15と取付鉛円柱部分12とが
予め一体に製造されている。
【0018】かかるダンパー取付金物15の円板部分1
6には、円筒部分17の外側の全周に亘って略等間隔で
複数のボルト挿通穴18aが設けられる一方、左岸橋台
1及び第一桁4のダンパー取付金物15の取付部分であ
って、前記ボルト挿通穴18aに対応する部位には、ア
ンカーボルト20の取り外しが自在である袋ナット埋設
アンカー穴19が設けられている。
【0019】本実施の形態1において、かかる第一ダン
パー8aの左岸橋台1及び第一桁4への取付作業は、そ
のダンパー取付金物15の上下の円板部分16に穿設さ
れた各ボルト挿通穴18aが、左岸橋台1及び第一桁4
の各袋ナット埋設アンカー穴19の位置に合致するよう
に、第一ダンパー8aを左岸橋台1上に載置した上で、
アンカーボルト20を各ボルト挿通穴18aを通じて各
袋ナット埋設アンカー穴19に螺着し、かつ、螺着され
たアンカーボルト20に更にナット21を螺着してこれ
を締結するというものである。
【0020】次に、本実施の形態1に係る第一ダンパー
8aの作用について図3を用いて説明する。
【0021】先ず、地震が発生すると、地盤と一体であ
る左岸橋台1は、地盤の振動に応答して振動しはじめる
と共に、左岸橋台1と橋脚3を介して振動する第一桁4
との間で相対的な水平方向の移動が生ずる結果、第一桁
4に固着される上部ダンパー取付金物15aと左岸橋台
1に固着される下部ダンパー取付金物15bとの位置関
係にズレが生じる。
【0022】すると、第一ダンパー8aが、図2の想像
線22に示すように、上記位置関係のズレに追従して塑
性変形を起こすことから、第一桁4の橋軸水平方向の振
動エネルギーの多くが吸収され、地震力による第一桁4
の振動振幅は小さくなる。このため、橋脚3に伝達され
る第一桁4の慣性力が低下し、橋脚3への負担が大幅に
抑制される。
【0023】この時、第一ダンパー8aの構成要素のう
ち、鉛円柱13は主として減衰力を大きく発揮すること
により、振動エネルギーを吸収するように作用し、同時
に、鋼棒14は主として水平拘束力を大きく発揮して第
一桁4の水平変位を制御することにより、第一桁4が左
岸橋台1から落橋しないように作用する。第二ダンパー
8bの作用も同様である。
【0024】次に、本実施の形態1に係る鋼棒入り鉛円
柱ダンパー8の地震時における性能について、図5に示
す各供試体、即ち、当該鋼棒入り鉛円柱ダンパー8と略
同一構成に係る供試体A、供試体Aと同一鋼棒の供試体
B、及び従来型の鉛ダンパーに係る供試体Cについて実
験を行って調べたところ、図6(供試体A)、図7(供
試体B)、及び図8(供試体C)に示す結果が得られ
た。
【0025】尚、図6〜図8においては、履歴曲線によ
って囲まれている面積(吸収されるエネルギー=減衰
力)が直接比較できるよう、水平荷重と水平変位のスケ
ールを同一にしている。
【0026】図6及び図7によれば、水平荷重に関して
は、供試体Aの方が供試体Bより大きい(最大値だけを
比較すれば供試体Aの方が供試体Bより僅かに大きい)
ことが把握されるのに対し、吸収されるエネルギーに関
しては、供試体Aの方が供試体Bよりかなり大きいこと
が把握される。
【0027】よって、供試体Aと略同一構成に係る本実
施の形態1に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパー8は、地震時
において、鋼棒と比較して、略同等以上の水平拘束力を
発揮し、かつ、かなり大きい減衰力を発揮することを確
認した。
【0028】一方、図6び図8によれば、水平荷重に関
しては、供試体Aの方が供試体Cよりかなり大きいこと
が把握され、また、吸収されるエネルギーに関しても、
供試体Aの方が供試体Cよりかなり大きいことが把握さ
れる。
【0029】よって、供試体Aと略同一構成に係る本実
施の形態1に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパー8は、従来型
の鉛円柱ダンパーと比較して、地震時における水平拘束
力及び減衰力が共にかなり大きいことを確認した。
【0030】即ち、過大な地震動に対しても、水平拘束
力及び減衰力が共に大きく発揮されることに加え、所望
の水平拘束力を得るための断面が従来型の鉛円柱ダンパ
ーの場合に比して大幅に小さくなることが把握される。
【0031】従って、本実施の形態1によれば、従来型
の鉛円柱ダンパーの小型化、軽量化を実現することがで
きるので、取り付け作業を容易化することができ、新設
の構造物のみならず、既存の構造物の補強のために後発
的に追加施工を行うような場合にも、簡単に取り付ける
ことが可能である。
【0032】◎実施の形態2 図9は、実施の形態2に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパー4
1の側断面図を示している。尚、実施の形態1と同様な
構成要素については実施の形態1と同様な符号を付して
ここではその詳細な説明を省略する。
【0033】この実施の形態2に係る鋼棒入り鉛円柱ダ
ンパー41の基本構成は実施の形態1に係る鋼棒入り鉛
円柱ダンパー8と略同様であるが、鉛円柱13の上下両
端部に配設される円板部分16と前記鋼棒14とを溶接
部分42を設けて一体に結合しており、ダンパー取付金
物15を構成する円板部分16が鋼棒入り鉛円柱ダンパ
ー41の構成要素になっている点で、実施の形態1と異
なっている。即ち、本実施の形態2に係る鋼棒入り鉛円
柱ダンパー41は、鉛円柱13の上下両端部に、鋼棒1
4に一体に結合された鋼板たる円板部分16を配設して
なるものである。
【0034】かかる鋼棒入り鉛円柱ダンパー41の地震
時における性能について、この鋼棒入り鉛円柱ダンパー
41と略同一構成を有する供試体D(図10)について
再度実験を行って調べたところ、図11に示す結果が得
られた。図11における水平荷重と水平変位のスケール
は、図6〜図8と同一にしている。
【0035】図11及び図7によれば、水平荷重に関し
ては、供試体Dの方が供試体Bより大きいことが把握さ
れ、また、吸収されるエネルギーに関しても、供試体D
の方が供試体Bよりかなり大きいことが把握される。
【0036】ここで、供試体D及び供試体Bが同一の鋼
棒を使用したにも拘わらず、供試体Bより供試体Dの水
平荷重が大きくなったのは、供試体Dは、塑性変形する
過程において鋼棒が鉛に拘束されていることから、供試
体Bの鋼棒とは異なった変形形状となったことに起因す
ると考えられる。
【0037】よって、供試体Dと略同一構成に係る本実
施の形態2に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパー41は、鋼棒
と比較して、地震時における水平拘束力を大きく発揮で
き、かつ、減衰力はかなり大きく発揮できることを確認
した。
【0038】一方、図11及び図8によれば、水平荷重
に関しては、供試体Dの方が供試体Cよりかなり大きい
ことが把握され、また、吸収されるエネルギーに関して
も、供試体Dの方が供試体Cよりかなり大きいことが把
握される。
【0039】よって、供試体Dと略同一構成に係る本実
施の形態2に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパー41は、従来
型の鉛円柱ダンパーと比較して、地震時における水平拘
束力及び減衰力を共にかなり大きく発揮できることを確
認した。
【0040】また、図11及び図6によれば、実施の形
態2は、実施の形態1と比較しても、かなり大きな水平
拘束力及び減衰力を発揮できることが把握され、このこ
とは、鋼棒14と円板部分16との取付方法を溶接結合
とするか、フリーとするかによって、水平拘束力の調整
が可能であることを意味している。尚、鋼棒14とし
て、硬めの材料を用いるか、軟らかめの材料を用いるか
によっても、水平拘束力の調整が可能である。また、水
平拘束力の調整とは別個に、鉛円柱13の断面の大きさ
を適当に変えることにより、減衰力の調整も可能であ
る。
【0041】尚、図11及び図6によれば、実施の形態
2は、水平変位が大きくなり、鋼棒14が破断した後に
おいても、実施の形態1と同程度の水平拘束力及び減衰
力が得られることを確認できる。
【0042】即ち、本実施の形態によれば、構造形式、
目的に応じて水平拘束力及び減衰力の調整を別個独立し
て行うことができ、それゆえ、従来において対策がなか
った交通振動や機械的振動等をも効果的に解消されるよ
う設計することが可能となる一方、構造形式、目的に合
致した無駄のない設計をも可能となる。例えば、橋梁の
落橋防止の目的のために水平拘束力を大きくし、かつ、
減衰力を増加させるような場合に効果的である。
【0043】尚、実施の形態1及び実施の形態2におい
ては、本発明に係る鋼棒入り鉛円柱ダンパーを基礎と構
造物との間に介設して地震による振動エネルギーを吸収
する場合に用いることとしたが、この場合に限られず、
例えば、ブロック工法等のブロック間に跨設して地震時
にブロック間で発生する滑りに対抗させる場合や、上記
した交通振動や、機械的振動に対する対策としてこれら
の振動エネルギーを吸収する場合に用いることも効果的
である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉛円柱の中心部分に開けた穴に、当該鉛円柱の高さ寸法
に略対応した長さ寸法を有する鋼棒を挿入したので、過
大な地震動に対しても減衰力及び水平拘束力を共に大き
く発揮でき、かつ、減衰力の大きさと水平拘束力の大き
さとを別個独立に設定でき、しかも、所望の水平拘束力
の得られる断面を従来の鉛ダンパーより大幅に小さくで
き、鋼棒ダンパーの如く大きなスペースを占有しなくて
すむから、装置の小型化、軽量化を通じて取付作業の容
易化を図ることができ、よって、後発的追加施工も簡単
に行うことが可能である。
【0045】また、鋼棒と鋼板との取付方法や鋼棒の硬
さ、鉛円柱の断面の大きさを適宜変更すれば、構造形式
や目的に応じた水平拘束力及び減衰力の調整を別個独立
して行うことができ、例えば、前記鉛円柱の上下両端部
に、前記鋼棒に一体に結合された鋼板を配設すれば、減
衰力及び水平拘束力のうち、特に水平拘束力を大きくす
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る鋼棒入り鉛円柱ダ
ンパーが適用された単純桁橋の概略側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る鋼棒入り鉛円柱ダ
ンパーが適用された単純桁橋の断面矢視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る第一ダンパーの側
断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る第一ダンパーの断
面矢視図である。
【図5】実験に用いる供試体の側断面図である。
【図6】実験結果(供試体A)を示すグラフである。
【図7】実験結果(供試体B)を示すグラフである。
【図8】実験結果(供試体C)を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る鋼棒入り鉛円柱ダ
ンパーの側断面図である。
【図10】実験に用いる供試体の側断面図である。
【図11】実験結果(供試体D)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…左岸橋台 2…右岸橋台 3…橋脚 4…第一桁 5…第二桁 6…ヒンジ支承 7…ローラー支承 8…鋼棒入り鉛円柱ダンパー 8a…第一ダンパー 8b…第二ダンパー 11…本体鉛円柱部分 12…取付鉛円柱部分 12a…上部取付鉛円柱部分 12b…下部取付鉛円柱部分 13…鉛円柱 14…鋼棒 15…ダンパー取付金物 15a…上部ダンパー取付金物 15b…下部ダンパー取付金物 16…円板部分 17…円筒部分 18…鍔部分 18a…ボルト挿通穴 19…袋ナット埋設アンカー穴 20…アンカーボルト 21…ナット 22…想像線 41…鋼棒入り鉛円柱ダンパー 42…溶接部分
フロントページの続き (72)発明者 作宮 一新 東京都中央区日本橋本町一丁目6番1号 東邦亜鉛株式会社内 (72)発明者 野寄 剋彦 東京都中央区日本橋本町一丁目6番1号 東邦亜鉛株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛円柱の中心部分に開けた穴に、当該鉛
    円柱の高さ寸法に略対応した長さ寸法を有する鋼棒を挿
    入してなることを特徴とする、鋼棒入り鉛円柱ダンパ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記鉛円柱は、上下両端部に、前記鋼棒
    に一体に結合された鋼板を配設してなることを特徴とす
    る、請求項1に記載の鋼棒入り鉛円柱ダンパー。
JP7472597A 1997-03-27 1997-03-27 鋼棒入り鉛円柱ダンパー Pending JPH10267077A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7472597A JPH10267077A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 鋼棒入り鉛円柱ダンパー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7472597A JPH10267077A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 鋼棒入り鉛円柱ダンパー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10267077A true JPH10267077A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13555498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7472597A Pending JPH10267077A (ja) 1997-03-27 1997-03-27 鋼棒入り鉛円柱ダンパー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10267077A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250257A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sus Corp 金属ダンパ装置
CN105649231A (zh) * 2016-03-16 2016-06-08 上海天华建筑设计有限公司 一种三折线外形面内弯曲屈服型消能器及其制造方法
CN105804264A (zh) * 2016-05-05 2016-07-27 上海天华建筑设计有限公司 角钢加劲防屈曲剪切屈服型消能器及其制造方法
CN105863113A (zh) * 2016-06-03 2016-08-17 上海天华建筑设计有限公司 带翼缘钢板剪力墙
CN105952018A (zh) * 2016-07-12 2016-09-21 上海天华建筑设计有限公司 一种多点屈服耗能软钢消能器
CN106088769A (zh) * 2016-08-04 2016-11-09 上海天华建筑设计有限公司 多维方向屈服耗能软钢消能器
CN106401003A (zh) * 2016-11-22 2017-02-15 上海天华建筑设计有限公司 多工况工作软钢消能器
CN110296173A (zh) * 2019-06-19 2019-10-01 西安理工大学 一种双u型缓冲支座及其制作方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250257A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sus Corp 金属ダンパ装置
CN105649231A (zh) * 2016-03-16 2016-06-08 上海天华建筑设计有限公司 一种三折线外形面内弯曲屈服型消能器及其制造方法
CN105804264A (zh) * 2016-05-05 2016-07-27 上海天华建筑设计有限公司 角钢加劲防屈曲剪切屈服型消能器及其制造方法
CN105863113A (zh) * 2016-06-03 2016-08-17 上海天华建筑设计有限公司 带翼缘钢板剪力墙
CN105952018A (zh) * 2016-07-12 2016-09-21 上海天华建筑设计有限公司 一种多点屈服耗能软钢消能器
CN106088769A (zh) * 2016-08-04 2016-11-09 上海天华建筑设计有限公司 多维方向屈服耗能软钢消能器
CN106401003A (zh) * 2016-11-22 2017-02-15 上海天华建筑设计有限公司 多工况工作软钢消能器
CN110296173A (zh) * 2019-06-19 2019-10-01 西安理工大学 一种双u型缓冲支座及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4624048B2 (ja) スリット板バネとこれを使用した耐震支柱および建築物の耐震補強構造
JPH10267077A (ja) 鋼棒入り鉛円柱ダンパー
JP3304060B2 (ja) 回転剛性調整型柱梁接合構造及び耐震建築物
JP7312422B2 (ja) 橋梁の変位制限装置
JP3957890B2 (ja) 建築物の制震装置
JP2000120022A (ja) 高架橋の下部構造
JP2827828B2 (ja) 構造物の耐震構造
JP2003184031A (ja) 鉛ダンパー
JP4350619B2 (ja) 建物の耐震改修構造及び耐震改修方法
JP2522527B2 (ja) 免振装置
JPH05311921A (ja) 制振装置
JPH11125685A (ja) 原子炉圧力容器の支持装置
JPH033723Y2 (ja)
JP2827830B2 (ja) 構造物の耐震構造
JPH09302681A (ja) 制震機構を備えた建築構造物
JP3102548B2 (ja) 杭の免震構造
JPH0728429Y2 (ja) 弾塑性ダンパー
JPH0971952A (ja) 杭基礎構造
JPH1077750A (ja) 免震装置
JP3254322B2 (ja) 免震装置
JPH10252081A (ja) 制振構造物
JP2816818B2 (ja) 耐震用支承装置
JPH0647148Y2 (ja) 鋼棒ダンパ
JPH09268798A (ja) 木造式建築物の振動防止方法とその防止装置
JPH0833082B2 (ja) 積層ゴム免震装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040916

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041006

A521 Written amendment

Effective date: 20041126

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050608