JPH0728429Y2 - 弾塑性ダンパー - Google Patents

弾塑性ダンパー

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JPH0728429Y2
JPH0728429Y2 JP1989039053U JP3905389U JPH0728429Y2 JP H0728429 Y2 JPH0728429 Y2 JP H0728429Y2 JP 1989039053 U JP1989039053 U JP 1989039053U JP 3905389 U JP3905389 U JP 3905389U JP H0728429 Y2 JPH0728429 Y2 JP H0728429Y2
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damper
elasto
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美亀雄 小林
孝二 石井
直樹 田中
義勝 三浦
俊一 山田
祥三 前田
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Kajima Corp
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、制震、免震構造物において、地震等により
構造物に生じる振動エネルギーを吸収する曲げ降伏型の
弾塑性ダンパーに関するものである。
〔従来の技術〕
出願人は、特開昭63-219927号公報に記載されるよう
に、構造体間に介在して地震エネルギーを吸収する曲げ
降伏型の弾塑性ダンパーであり、中央の小径部を中実構
造とし、残りの部分を中空構造とし、部材の曲げ降伏に
よるエネルギー吸収が全体で行われるように、中央の小
径部から上方および下方に向って順次外径および内径が
大きくなる鼓形のダンパー本体と、ダンパー本体の両端
に一体に設けられたベースプレートとからなる弾塑性ダ
ンパーを開発している。
この弾塑性ダンパーは、構造体間に設置するにあたり、
取付方向を決定する必要がなく水平面内の全方向に機能
し、降伏荷重の大きさを自由に設定することができ、か
つ塑性域におけるエネルギー吸収能力が大きいという利
点がある。
特に、中央の小径部を除く残りの部分を中空構造とし
て、中間から上方および下方に向って順次外径および内
径が大きくなる鼓形とし、断面係数が弾塑性ダンパーに
生ずる曲げモーメントに合わせほぼ直線的に変化するよ
うにしたことで、ダンパー本体のほぼ全体が塑性変形
し、ダンパー本体全体でエネルギーを吸収するため、塑
性変形能力が大きく、エネルギー吸収能力が高い。
また、上述した特開昭63-219927号公報には、さらにエ
ネルギー吸収能力を向上させる目的で、中空部にコンク
リートや鉛を充填することが示唆されている。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述した特開昭63-219927号公報記載の弾塑性ダンパー
において、中空であることは、同じ水平断面積に対して
大きな断面係数が得られることを意味し、それに応じて
弾塑性ダンパーの重量も抑えることができ、また軸方向
の力に対しては安定した形状となる。
しかし、中空部における板厚が小さくなることで、局部
的な板座屈の問題が生ずる。
中空部にコンクリートを充填することは、ある意味で座
屈補強と考えられるが、構造物に使用するためのコンパ
クトで大きな水平力に対処可能な弾塑性ダンパーとして
は鋼製のダンパーが望ましく、その場合、コンクリート
は異種材料であること、大きなせん断力に対し容易に破
壊することなどから座屈補強の効果はほとんど期待でき
ず、また中空部にコンクリートや鉛を詰める場合の性状
把握が難しいという問題がある。
本考案は上述のような事情の下になされたものであり、
鼓形の外形を有する鋼製中空構造の弾塑性ダンパーにつ
いて、局部板座屈を防止するとともに、エネルギー吸収
能力の向上を図ったものである。
〔課題を解決するための手段〕
この考案の弾塑性ダンパーは、構造体間に介在して地震
エネルギーを吸収する曲げ降伏型の鋼製の弾塑性ダンパ
ーであり、中央の小径部から上方および下方に向って順
次外径が大きくなり、内部に中空部を形成した鼓形の外
形を有する中空構造のダンパー本体と、その両端に設け
られたベースプレートおよび座屈補強材兼エネルギー吸
収材としてダンパー本体の中空部に充満させた鋼球とか
らなる。
鼓形の外形を有する中空の鋼製ダンパー本体の断面係数
は、両端固定状態で端部に水平力を作用させたときの曲
げモーメントに合わせて軸方向に直線的に変化し、この
ことによりダンパー本体を構成する部材の曲げ降伏によ
るエネルギー吸収がダンパー本体のほぼ全体で行われる
ことになる。
〔作用〕
この考案の弾塑性ダンパーは、両端のベースプレートが
構造物に固定されるため、地震による水平力が作用した
場合の曲げモーメントは、弾塑性ダンパーの高さ方向に
直線的に変化し、端部で最大となり、中央で0となる。
これに対し、この発明の弾塑性ダンパーでは、鋼製中空
のダンパー本体を、曲げモーメントの勾配に合わせて、
小径部から上方および下方に向って順次外径および内径
が大きくなる鼓形としたことで、大きな水平力が作用し
たときに、順次、ダンパー本体のほぼ全体を降伏させ塑
性変形による大きなエネルギー吸収能力が発揮される。
すなわち、部材の曲げ降伏によるエネルギー吸収がダン
パー本体全体で行われるようにしたものであり、中空構
造部分の断面剛性を適切に設定することで、所定の大き
さの力までは弾性変形し、それ以上の力に対しては、ダ
ンパー本体全体が、順次、降伏し、塑性変形することで
最大限のエネルギー吸収が図れる。
ダンパー本体の降伏および降伏後の塑性変形は、地震に
よる水平力の増加により、まずダンパー本体の中空構造
部分の外縁部で降伏が生じ、軸方向中央部を除き、次々
と(ほぼ同時に)縦方向に降伏域が生じる。さらに、こ
の降伏域が水平力の作用方向について水平断面内側に広
がり、ダンパー本体の最外縁から中立軸へ向かって中空
構造部全体が降伏していく。
例えば、断面が一定の円筒状のダンパーを考えた場合、
水平断面が同じ断面積であっても、外径が大きくなるほ
ど断面係数が大きくなり、降伏荷重の設定はある程度自
由である。しかし、円筒状のダンパーの場合、曲げモー
メントが大きい端部のみが降伏し、端部のみの塑性変形
が進行し、その間の部分は降伏することなく(曲げモー
メントに対し断面剛性が大きいため、応力が弾性範囲内
にとどまっている)、端部で破壊することになり、それ
に応じたエネルギー吸収しか行われない。
これに対し、この考案の弾塑性ダンパーでは上述のよう
にダンパー本体全体が降伏し、塑性変形することで、大
きな塑性変形能力を有し、それに応じた大きなエネルギ
ー吸収が可能となる。
なお、曲げ降伏型の弾塑性ダンパーにおいて、ダンパー
に生ずる応力は全体的には曲げモーメントが支配的であ
るが、実際の断面には剪断力(加力される水平力そのも
の)が生じているので、曲げモーメントでは0でよい中
央の断面においてもこの剪断力に抵抗できる断面を有し
ていなければならない。従って、中央部は小径でくびれ
てはいるもののある程度の断面の大きさを確保していな
ければならない。
さらに、この考案の弾塑性ダンパーでは、大きな断面剛
性または断面係数を得るためにダンパー本体に形成した
中空部内に、エネルギー吸収材として同じ鋼製の鋼球を
充満させることで、鋼製のダンパー本体のエネルギー吸
収能力に鋼球の移動、抵抗に伴うエネルギー吸収能力を
付加しつつ、座屈補強材として中空のダンパー本体の板
座屈を効果的に防止することができる。
さらに、鋼球は鋼製のダンパー本体の中空部内に収まる
ため、弾塑性ダンパー全体としての嵩を増加させること
もない。
また、ダンパー本体と座屈補強材兼エネルギー吸収材と
しての鋼球が同じ鋼製であることから性状把握も容易で
合理的な構造の弾塑性ダンパーが得られる。
〔実施例〕
第1図は、この考案の弾塑性ダンパーAの鉛直断面を示
したもので、2つの円錐形の頂部を突き合わせたような
鼓形の鋼製中空構造のダンパー本体1と、このダンパー
本体1の両端に設けたベースプレート2,2および中空部
3内に充満させた多数の鋼球12,12,…とからなる。
図中、符号13は、充満させた鋼球12,12,…が落下しない
ように、ベースプレート2に溶接14した鋼球を示す。
第2図は、この考案の鋼製弾塑性ダンパーAを積層ゴム
支承10およびロッキングコントロール装置11とともに、
免震構造物に適用した場合を示したものであり、弾塑性
ダンパーAを建物の上部構造体6と基礎部7間に介在さ
せている。
弾塑性ダンパーAは、両端のベースプレート2,2を利用
して、上部構造体6と基礎部7に埋設されたアンカーボ
ルトにナットで固定するなどして容易に据え付けること
ができる。
第3図は、この考案の弾塑性ダンパーAの他の適用例を
示したもので、水平方向に相対変位可能な構造体18,19
間設置して、エネルギーの吸収を図ったものである。
これらの実施例において、地震による水平力が作用した
場合の曲げモーメントは、ダンパー本体1の高さ方向に
直線的に変化し、端部で最大、中央で0となり、ダンパ
ー本体1はこの曲げモーメントに合わせて断面係数が直
線的に変化する形状となっている。
水平力が小さい状態では、弾塑性ダンパーAの軸方向各
位置における曲げモーメントも小さく、弾性範囲での変
形(繰り返し変形)が生じる。
水平力が大きくなると、まずダンパー本体1の外縁部の
1点で降伏が生じ、軸方向中央部を除き、次々と(ほぼ
同時に)縦方向に降伏域が生じる。さらに、この降伏域
が水平力の作用方向について水平断面内側に広がり、ダ
ンパー本体1の最外縁から中立軸へ向かってほぼ全体が
降伏していく。
このようにほぼ全体が降伏し、塑性変形することで、大
きなエネルギー吸収能力が発揮されることになる。
このとき、ダンパー本体1の変形に伴い、中空部3内の
鋼球が移動、抵抗することで、その分のエネルギー吸収
能力が付加されるとともに、中空部3内がダンパー本体
1と同じ鋼製の材料で充満していることで、ダンパー本
体1における局部的な板座屈が防止される。
〔考案の効果〕
この考案の弾塑性ダンパーは、鋼製のダンパー本体全体
が降伏し、塑性変形することで、大きな塑性変形能力を
有し、それに応じた大きなエネルギー吸収が可能とな
る。
また、大きな断面剛性または断面係数を得るためにダン
パー本体に形成した中空部内に、エネルギー吸収材とし
て同じ鋼製の鋼球を充満させることで、鋼製のダンパー
本体のエネルギー吸収能力に鋼球の移動、抵抗に伴うエ
ネルギー吸収能力を付加しつつ、座屈補強材として中空
のダンパー本体の板座屈を効果的に防止することができ
る。
さらに、鋼球は鋼製のダンパー本体の中空部内に収まる
ため、弾塑性ダンパー全体としての嵩を増加させること
もない。
また、ダンパー本体と座屈補強材兼エネルギー吸収材と
しての鋼球が同じ鋼製であることから性状把握も容易で
合理的な構造の弾塑性ダンパーが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の弾塑性ダンパーの一実施例を示す鉛
直断面図、第2図は免震構造物への適用例を示す弾塑性
ダンパーの側面図、第3図は構造体間への他の設置状態
の一例を示す弾塑性ダンパーの側面図である。 A……弾塑性ダンパー、1……ダンパー本体、2……ベ
ースプレート、3……中空部、6……上部構造体、7…
…基礎部、10……積層ゴム、11……ロッキングコントロ
ール装置、12……鋼球、13……鋼板、14……溶接、18,1
9……構造体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 直樹 東京都調布市飛田給2丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)考案者 三浦 義勝 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)考案者 山田 俊一 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)考案者 前田 祥三 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−219926(JP,A) 特開 昭63−219927(JP,A) 特開 昭63−114781(JP,A)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造体間に介在して地震エネルギーを吸収
    する曲げ降伏型の鋼製の弾塑性ダンパーであり、中央の
    小径部から上方および下方に向って順次外径が大きくな
    り、内部に中空部を形成した鼓形の外形を有する中空構
    造のダンパー本体と、前記ダンパー本体の両端に設けら
    れたベースプレートとからなり、前記ダンパー本体の断
    面係数を、両端固定状態で端部に水平力を作用させたと
    きの曲げモーメントに合わせて、軸方向にほぼ直線的に
    変化するようにするとともに、前記中空部に座屈補強材
    兼エネルギー吸収材として鋼球を充満させたことを特徴
    とする弾塑性ダンパー。
JP1989039053U 1989-03-31 1989-03-31 弾塑性ダンパー Expired - Lifetime JPH0728429Y2 (ja)

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JPH02128844U JPH02128844U (ja) 1990-10-24
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JP3606651B2 (ja) * 1995-10-20 2005-01-05 オイレス工業株式会社 免震構造物の地震応答解析方法及び解析装置
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JPH0615892B2 (ja) * 1987-03-06 1994-03-02 鹿島建設株式会社 弾 塑 性 ダ ン パ ー

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