JPH11153194A - 弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材 - Google Patents
弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材Info
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- JPH11153194A JPH11153194A JP33478197A JP33478197A JPH11153194A JP H11153194 A JPH11153194 A JP H11153194A JP 33478197 A JP33478197 A JP 33478197A JP 33478197 A JP33478197 A JP 33478197A JP H11153194 A JPH11153194 A JP H11153194A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F9/00—Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
- F16F9/30—Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium with solid or semi-solid material, e.g. pasty masses, as damping medium
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F1/00—Springs
- F16F1/36—Springs made of rubber or other material having high internal friction, e.g. thermoplastic elastomers
- F16F1/42—Springs made of rubber or other material having high internal friction, e.g. thermoplastic elastomers characterised by the mode of stressing
- F16F1/50—Springs made of rubber or other material having high internal friction, e.g. thermoplastic elastomers characterised by the mode of stressing loaded mainly in shear
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コストが安く、大,中,小の地震や強風に対
する振動低減効果がある制振部材を提供する。 【解決手段】 鋼製中心軸力部材1の周囲に減衰材3を
充填し、当該減衰材3の外側を第1の鋼製座屈防止部材
2aで覆い、更に当該第1の鋼製座屈防止部材2aの外
側に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第2の鋼
製座屈防止部材2bで覆い、当該第1の鋼製座屈防止部
材2aの一端と鋼製中心軸力部材1の一端を固着し、当
該第2の鋼製座屈防止部材2bの一端と鋼製中心軸力部
材1の他の一端を固着し、当該第1の鋼製座屈防止部材
2aと当該第2の鋼製座屈防止部材2bは減衰材3を介
して粘弾性的に接触していることを特徴とする。
する振動低減効果がある制振部材を提供する。 【解決手段】 鋼製中心軸力部材1の周囲に減衰材3を
充填し、当該減衰材3の外側を第1の鋼製座屈防止部材
2aで覆い、更に当該第1の鋼製座屈防止部材2aの外
側に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第2の鋼
製座屈防止部材2bで覆い、当該第1の鋼製座屈防止部
材2aの一端と鋼製中心軸力部材1の一端を固着し、当
該第2の鋼製座屈防止部材2bの一端と鋼製中心軸力部
材1の他の一端を固着し、当該第1の鋼製座屈防止部材
2aと当該第2の鋼製座屈防止部材2bは減衰材3を介
して粘弾性的に接触していることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として構造物の
耐震,耐風部材(以下耐震部材という)として利用され
る筋交い材,間柱等における弾塑性・粘弾性ダンパーを
一体化した制振部材に関するものである。
耐震,耐風部材(以下耐震部材という)として利用され
る筋交い材,間柱等における弾塑性・粘弾性ダンパーを
一体化した制振部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の筋交い材や間柱における耐震部
材は、大きく分けると、次の(A),(B)になる。 (A)筋交い材や間柱に組込んだ鋼材,鉛などの金属の
弾塑性挙動によるエネルギー吸収(弾塑性ダンパー)構
造で、図12(a)で示す面積がそのエネルギー量であ
る。 (B)筋交い材や間柱に組合わせた高減衰ゴム,ポリマ
ー,シリコーン,オイルなどの粘性・弾性によるエネル
ギー吸収(粘弾性ダンパー)構造で、図12(b)で示
す面積がそのエネルギー量である。
材は、大きく分けると、次の(A),(B)になる。 (A)筋交い材や間柱に組込んだ鋼材,鉛などの金属の
弾塑性挙動によるエネルギー吸収(弾塑性ダンパー)構
造で、図12(a)で示す面積がそのエネルギー量であ
る。 (B)筋交い材や間柱に組合わせた高減衰ゴム,ポリマ
ー,シリコーン,オイルなどの粘性・弾性によるエネル
ギー吸収(粘弾性ダンパー)構造で、図12(b)で示
す面積がそのエネルギー量である。
【0003】前記(A)は製作コストは安いが、弾性範
囲ではエネルギーを吸収しないので、中小地震に対して
は殆ど効果を発揮しない。また、強風に対しては、低サ
イクル疲労の問題が生じ易い。前記(B)では、大、
中、小の地震レベルに対して均等に効果がある。しか
し、強風に対する振動低減効果も高いが、製作コストは
高いという問題がある。このように、(A),(B)に
はそれぞれ一長一短がある。
囲ではエネルギーを吸収しないので、中小地震に対して
は殆ど効果を発揮しない。また、強風に対しては、低サ
イクル疲労の問題が生じ易い。前記(B)では、大、
中、小の地震レベルに対して均等に効果がある。しか
し、強風に対する振動低減効果も高いが、製作コストは
高いという問題がある。このように、(A),(B)に
はそれぞれ一長一短がある。
【0004】前記(B)に属する従来の座屈拘束筋交い
の概念図を図13に示し、その配置例を図14に示す。
この座屈拘束筋交い10では、鋼製中心軸力部材1の外
側に減衰材3を充填し、減衰材3の外側に鋼製座屈防止
部材2を接着して構成される。この座屈拘束筋交い10
が、図14に示す構造物7における梁5と6に対し、同
図(a)のV字状配置又は、同図(b)の傾斜配置に設
けられる。
の概念図を図13に示し、その配置例を図14に示す。
この座屈拘束筋交い10では、鋼製中心軸力部材1の外
側に減衰材3を充填し、減衰材3の外側に鋼製座屈防止
部材2を接着して構成される。この座屈拘束筋交い10
が、図14に示す構造物7における梁5と6に対し、同
図(a)のV字状配置又は、同図(b)の傾斜配置に設
けられる。
【0005】前記において、図13(a)に示すように
鋼製中心軸力部材1が地震により引張力を受けたとき、
同図(c)に示すように鋼製座屈防止部材2が伸びる。
この場合、鋼製座屈防止部材2の軸剛性は減衰材3に比
べてはるかに高いので、この鋼製座屈防止部材2は軸変
形をほとんど生じない。この結果、鋼製中心軸力部材1
の両側に接着されている減衰材3は同図(b)のような
せん断変形を生ずる。即ち、減衰材3のせん断変形は中
央部では0であり、また両端部のせん断変形量は鋼製中
心軸力部材1の伸び量の半分なので、せん断変形量は全
体としては少なく、この結果、減衰材3による減衰効果
は後述する本発明に比べて少ない。
鋼製中心軸力部材1が地震により引張力を受けたとき、
同図(c)に示すように鋼製座屈防止部材2が伸びる。
この場合、鋼製座屈防止部材2の軸剛性は減衰材3に比
べてはるかに高いので、この鋼製座屈防止部材2は軸変
形をほとんど生じない。この結果、鋼製中心軸力部材1
の両側に接着されている減衰材3は同図(b)のような
せん断変形を生ずる。即ち、減衰材3のせん断変形は中
央部では0であり、また両端部のせん断変形量は鋼製中
心軸力部材1の伸び量の半分なので、せん断変形量は全
体としては少なく、この結果、減衰材3による減衰効果
は後述する本発明に比べて少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の課
題を解決し、コストが安く、しかも大,中,小の地震や
強風に対する振動低減効果のある制振部材を実現するこ
とを目的とする。
題を解決し、コストが安く、しかも大,中,小の地震や
強風に対する振動低減効果のある制振部材を実現するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した
制振部材は、鋼製中心軸力部材1の外側に減衰材3を充
填し、当該減衰材3の外側を第1の鋼製座屈防止部材2
aで覆い、更に当該第1の鋼製座屈防止部材2aの外側
に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第2の鋼製
座屈防止部材2bで覆い、当該第1の鋼製座屈防止部材
2aの一端と鋼製中心軸力部材1の一端を固着し、当該
第2の鋼製座屈防止部材2bの一端と鋼製中心軸力部材
1の他の一端を固着し、当該第1の鋼製座屈防止部材2
aと当該第2の鋼製座屈防止部材2bは減衰材3を介し
て粘弾性的に接触していることを特徴とする。本発明に
おいて、前記鋼製中心軸力部材1と、前記第1の鋼製座
屈防止部材2a及び第2の鋼製座屈防止部材2bの断面
が平板からなり、減衰材3は、当該鋼製中心軸力部材1
及び第1の鋼製座屈防止部材2aの間の空間並びに、当
該鋼製中心軸力部材1及び第2の鋼製座屈防止部材2b
の間の空間にそれぞれ平板状に充填されていることを特
徴とする。本発明において、前記鋼製中心軸力部材1及
び前記第1の鋼製座屈防止部材2aの断面が平板からな
り、当該鋼製中心軸力部材1及び第1の鋼製座屈防止部
材2aの間の空間及び、周囲に充填された減衰材3の外
側に、第2の鋼製座屈防止部材2bが矩形断面に配置さ
れていることを特徴とする。本発明において、前記鋼製
中心軸力部材1の両端部には、断面が十字型に鋼材が固
着されていることを特徴とする。本発明において、前記
鋼製中心軸力部材1及び前記第1の鋼製座屈防止部材2
aの端部並びに、鋼製中心軸力部材1の他の端部及び第
2の鋼製座屈防止部材2bには、それぞれ鋼板を固着し
ていることを特徴とする。本発明において、前記第2の
鋼製座屈防止部材2bの外側に更に減衰材3を充填し、
当該減衰材3の外側を第3の鋼製座屈防止部材2cで覆
うことを特徴とする。
め、本発明に係る弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した
制振部材は、鋼製中心軸力部材1の外側に減衰材3を充
填し、当該減衰材3の外側を第1の鋼製座屈防止部材2
aで覆い、更に当該第1の鋼製座屈防止部材2aの外側
に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第2の鋼製
座屈防止部材2bで覆い、当該第1の鋼製座屈防止部材
2aの一端と鋼製中心軸力部材1の一端を固着し、当該
第2の鋼製座屈防止部材2bの一端と鋼製中心軸力部材
1の他の一端を固着し、当該第1の鋼製座屈防止部材2
aと当該第2の鋼製座屈防止部材2bは減衰材3を介し
て粘弾性的に接触していることを特徴とする。本発明に
おいて、前記鋼製中心軸力部材1と、前記第1の鋼製座
屈防止部材2a及び第2の鋼製座屈防止部材2bの断面
が平板からなり、減衰材3は、当該鋼製中心軸力部材1
及び第1の鋼製座屈防止部材2aの間の空間並びに、当
該鋼製中心軸力部材1及び第2の鋼製座屈防止部材2b
の間の空間にそれぞれ平板状に充填されていることを特
徴とする。本発明において、前記鋼製中心軸力部材1及
び前記第1の鋼製座屈防止部材2aの断面が平板からな
り、当該鋼製中心軸力部材1及び第1の鋼製座屈防止部
材2aの間の空間及び、周囲に充填された減衰材3の外
側に、第2の鋼製座屈防止部材2bが矩形断面に配置さ
れていることを特徴とする。本発明において、前記鋼製
中心軸力部材1の両端部には、断面が十字型に鋼材が固
着されていることを特徴とする。本発明において、前記
鋼製中心軸力部材1及び前記第1の鋼製座屈防止部材2
aの端部並びに、鋼製中心軸力部材1の他の端部及び第
2の鋼製座屈防止部材2bには、それぞれ鋼板を固着し
ていることを特徴とする。本発明において、前記第2の
鋼製座屈防止部材2bの外側に更に減衰材3を充填し、
当該減衰材3の外側を第3の鋼製座屈防止部材2cで覆
うことを特徴とする。
【0008】本発明によると、従来の(A)弾塑性ダン
パーと、(B)粘弾性ダンパーとを有機的結合すること
で、両者の長所を生かし、欠点を克服している。つま
り、前記(A)の座屈止めおよび絶縁材を前記(B)の
粘弾性ダンパーとして兼用することで、それぞれ別々に
作るよりも安く製作でき、耐震性能も向上させることが
できる。
パーと、(B)粘弾性ダンパーとを有機的結合すること
で、両者の長所を生かし、欠点を克服している。つま
り、前記(A)の座屈止めおよび絶縁材を前記(B)の
粘弾性ダンパーとして兼用することで、それぞれ別々に
作るよりも安く製作でき、耐震性能も向上させることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1(a),(b)は本発明の第1
例に係る制振部材8を示す概念図で、鋼製中心軸力部材
1の外側に減衰材3における第1の減衰材3aを接着し
て充填し、当該減衰材3aの外側を第1の鋼製座屈防止
部材2aで接着して覆い、更に、当該第1の鋼製座屈防
止部材2aの外側に第2の減衰材3bを接着して充填
し、当該減衰材3bの外側を第2の鋼製座屈防止部材2
bで接着して覆い、当該第1の鋼製座屈防止部材2aの
一端と、鋼製中心軸力部材1の他の一端を固着し、当該
第1の鋼製座屈防止部材2aと当該第2の鋼製座屈防止
部材2bとを第2の減衰材3bを介して粘性的に接着し
ている。前記減衰材3は、各種粘弾性材料(具体例とし
て、高減衰ゴム,アクリル系ポリマー,ゴムアスファル
ト,シリコーンゴムなど)など応力ーひずみ関係が楕円
となる特性を持つ材料であればいずれでもよい。また、
前記鋼製座屈防止部材2a,2bはせん断歪み発生部材
でもよい。
参照して説明する。図1(a),(b)は本発明の第1
例に係る制振部材8を示す概念図で、鋼製中心軸力部材
1の外側に減衰材3における第1の減衰材3aを接着し
て充填し、当該減衰材3aの外側を第1の鋼製座屈防止
部材2aで接着して覆い、更に、当該第1の鋼製座屈防
止部材2aの外側に第2の減衰材3bを接着して充填
し、当該減衰材3bの外側を第2の鋼製座屈防止部材2
bで接着して覆い、当該第1の鋼製座屈防止部材2aの
一端と、鋼製中心軸力部材1の他の一端を固着し、当該
第1の鋼製座屈防止部材2aと当該第2の鋼製座屈防止
部材2bとを第2の減衰材3bを介して粘性的に接着し
ている。前記減衰材3は、各種粘弾性材料(具体例とし
て、高減衰ゴム,アクリル系ポリマー,ゴムアスファル
ト,シリコーンゴムなど)など応力ーひずみ関係が楕円
となる特性を持つ材料であればいずれでもよい。また、
前記鋼製座屈防止部材2a,2bはせん断歪み発生部材
でもよい。
【0010】前記において、図1(a)の制振部材8に
おける鋼製中心軸力部材1の両端部に、地震による引張
り力が生じた場合、鋼製中心軸力部材1が伸びる。この
とき、第1の鋼製座屈防止部材2aの伸び及び第2の鋼
製座屈防止部材2bの軸剛性は、第1と第2の減衰材3
a,3bに比べてはるかに高いので、第1と第2の減衰
材3a,3bがせん断変形を生ずる。第1と第2の減衰
材3a,3bのせん断変形量の合計(すなわち、減衰効
果)は、図13のせん断変形のそれぞれ2倍〜4倍であ
り、図1の機構が第1と第2の減衰材3a,3bを効率
的に変形させることがわかる。ここで、鋼製中心軸力部
材1と接する第1の減衰材3aの歪は、一端(根元側)
でゼロ、他端で鋼製中心軸力部材1の歪量と等しくな
る。一方、第2の減衰材3bの歪は、全領域にわたった
鋼製中心軸力部材1の歪量と等しくなる。
おける鋼製中心軸力部材1の両端部に、地震による引張
り力が生じた場合、鋼製中心軸力部材1が伸びる。この
とき、第1の鋼製座屈防止部材2aの伸び及び第2の鋼
製座屈防止部材2bの軸剛性は、第1と第2の減衰材3
a,3bに比べてはるかに高いので、第1と第2の減衰
材3a,3bがせん断変形を生ずる。第1と第2の減衰
材3a,3bのせん断変形量の合計(すなわち、減衰効
果)は、図13のせん断変形のそれぞれ2倍〜4倍であ
り、図1の機構が第1と第2の減衰材3a,3bを効率
的に変形させることがわかる。ここで、鋼製中心軸力部
材1と接する第1の減衰材3aの歪は、一端(根元側)
でゼロ、他端で鋼製中心軸力部材1の歪量と等しくな
る。一方、第2の減衰材3bの歪は、全領域にわたった
鋼製中心軸力部材1の歪量と等しくなる。
【0011】図1(a),(b)で述べた減衰効果は、
圧縮力に対しても同様である。つまり、鋼製中心軸力部
材1に圧縮力が生じても、第1の鋼製座屈防止部材2a
と第2の鋼製座屈防止部材2bの座屈拘束効果により座
屈は生じない。
圧縮力に対しても同様である。つまり、鋼製中心軸力部
材1に圧縮力が生じても、第1の鋼製座屈防止部材2a
と第2の鋼製座屈防止部材2bの座屈拘束効果により座
屈は生じない。
【0012】図2は本発明の第2例に係わる制振部材8
aを示す概念図である。この第2例の制振部材8aが第
1例の制振部材8と異なる点は、この第1例の制振部材
8における第2の鋼製座屈防止部材2bの外側にさらに
第3の減衰材3cを充填し、この第3の減衰材3cの外
側を第3の鋼製座屈防止部材2cで覆っている点であ
り、他の構成は第1例の制振部材8と同じである。図2
の制振部材8aにおいて、地震力により鋼製中心軸力部
材1に引張力が働いて、これが伸長したときは、図1の
制振部材8と同じ原理で、第1と第2と第3の減衰材3
a,3b,3cを効率的に変形させ、より大きな地震力
に対しても、この制振部材8aの有する弾塑性・粘弾性
ダンパ−作用により、この地震力を有効に吸収できる。
aを示す概念図である。この第2例の制振部材8aが第
1例の制振部材8と異なる点は、この第1例の制振部材
8における第2の鋼製座屈防止部材2bの外側にさらに
第3の減衰材3cを充填し、この第3の減衰材3cの外
側を第3の鋼製座屈防止部材2cで覆っている点であ
り、他の構成は第1例の制振部材8と同じである。図2
の制振部材8aにおいて、地震力により鋼製中心軸力部
材1に引張力が働いて、これが伸長したときは、図1の
制振部材8と同じ原理で、第1と第2と第3の減衰材3
a,3b,3cを効率的に変形させ、より大きな地震力
に対しても、この制振部材8aの有する弾塑性・粘弾性
ダンパ−作用により、この地震力を有効に吸収できる。
【0013】
【実施例】図3〜図10を参照して本発明の実施例を説
明する。図3は本発明の第1実施例を示す。同図に示す
ように、互いに間隔を有して平行に配設された鋼製中心
軸力部材(主に鋼材)1と、第1の鋼製座屈防止部材
(主に鋼材)2aのそれぞれの一端部同士を第1接合用
鋼材4aで接合し、また、鋼製中心軸力部材1の他端部
と第2の鋼製座屈防止部材(主に鋼材)の他端部とを第
2接合用鋼材4bで接合し、かつ、鋼製中心軸力部材1
と第1と第2の鋼製座屈防止部材2aと2bの間に形成
される平行な間隔に第1と第2の減衰材3a,3bを充
填して制振部材8を構成する。そして、この制振部材8
を図3(b)に示すように梁5と柱6とからなる構造物
7に対し、V字状ブレースの様に接合する。
明する。図3は本発明の第1実施例を示す。同図に示す
ように、互いに間隔を有して平行に配設された鋼製中心
軸力部材(主に鋼材)1と、第1の鋼製座屈防止部材
(主に鋼材)2aのそれぞれの一端部同士を第1接合用
鋼材4aで接合し、また、鋼製中心軸力部材1の他端部
と第2の鋼製座屈防止部材(主に鋼材)の他端部とを第
2接合用鋼材4bで接合し、かつ、鋼製中心軸力部材1
と第1と第2の鋼製座屈防止部材2aと2bの間に形成
される平行な間隔に第1と第2の減衰材3a,3bを充
填して制振部材8を構成する。そして、この制振部材8
を図3(b)に示すように梁5と柱6とからなる構造物
7に対し、V字状ブレースの様に接合する。
【0014】前記において、地震時に、構造物が水平変
形を生じると、前記制振部材8に引張り/圧縮降伏が生
じ、第1と第2の減衰材3a,3bにせん断変形が生じ
る。この結果、第1と第2の減衰材3a,3bが図12
(b)に示すようなエネルギー吸収を行なう。さらに、
この、引張力/圧縮力が大きい場合、鋼製中心軸力部材
1に引張り/圧縮降伏が生じ、図12(a)に示すよう
なエネルギー吸収を行なう。また、鋼製中心軸力部材1
に圧縮力が生じても、第1の鋼製座屈防止部材2aと、
第2の鋼製座屈防止部材2bの座屈拘束効果により、座
屈は生じない。
形を生じると、前記制振部材8に引張り/圧縮降伏が生
じ、第1と第2の減衰材3a,3bにせん断変形が生じ
る。この結果、第1と第2の減衰材3a,3bが図12
(b)に示すようなエネルギー吸収を行なう。さらに、
この、引張力/圧縮力が大きい場合、鋼製中心軸力部材
1に引張り/圧縮降伏が生じ、図12(a)に示すよう
なエネルギー吸収を行なう。また、鋼製中心軸力部材1
に圧縮力が生じても、第1の鋼製座屈防止部材2aと、
第2の鋼製座屈防止部材2bの座屈拘束効果により、座
屈は生じない。
【0015】図4(a),(b)〜図7は本発明の第2
実施例を示す。第2実施例において、鋼製中心軸力部材
1の中間部は、図4(b)のB−B断面として図6に示
すように板状で、左右の両端部は図4(b)のA−A断
面、C−C断面として図5,図7に示すように、前記板
部材に補強中心軸力部材11が取付けられて略十字状断
面に構成されている。
実施例を示す。第2実施例において、鋼製中心軸力部材
1の中間部は、図4(b)のB−B断面として図6に示
すように板状で、左右の両端部は図4(b)のA−A断
面、C−C断面として図5,図7に示すように、前記板
部材に補強中心軸力部材11が取付けられて略十字状断
面に構成されている。
【0016】鋼製中心軸力部材1の外側に、一定の間隔
をあけて配設される第1の鋼製座屈防止部材2aの各部
は、鋼製中心軸力部材1の各部の断面形状に対応して変
化させて構成されており、中間部では、図4(b)のB
−B断面として図6に示すように板状の鋼製中心軸力部
材1を間隔をあけて挾むよう2枚平行に設けられてお
り、その一端では、図4(b)のA−A断面として、図
5に示すように略L字状に4部片として設けられ、各部
片の一方の折曲げ部は、固定ボルト12で補強中心軸力
部材11に固定されており、その他端では、図4(b)
のC−C断面として図7に示すように板状の部材が、補
強中心軸力部材11の位置を避けるべく中間部が切除さ
れて小幅4部片とされている。
をあけて配設される第1の鋼製座屈防止部材2aの各部
は、鋼製中心軸力部材1の各部の断面形状に対応して変
化させて構成されており、中間部では、図4(b)のB
−B断面として図6に示すように板状の鋼製中心軸力部
材1を間隔をあけて挾むよう2枚平行に設けられてお
り、その一端では、図4(b)のA−A断面として、図
5に示すように略L字状に4部片として設けられ、各部
片の一方の折曲げ部は、固定ボルト12で補強中心軸力
部材11に固定されており、その他端では、図4(b)
のC−C断面として図7に示すように板状の部材が、補
強中心軸力部材11の位置を避けるべく中間部が切除さ
れて小幅4部片とされている。
【0017】第1の鋼製座屈防止部材2aの外側に、一
定の間隔をあけて配設される第2の鋼製座屈防止部材2
bの各部も、鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座屈防止
部材2aの各部の断面形状に対応して、一定の間隔を形
成すべく変化させて構成されており、中間部では図6に
示すようにコ字状の2部材の開口部を向い合わせ、各部
材の両端鍔縁13同士を接合し、固定ボルト12で固定
することにより、断面箱状に構成されており、その内側
の空間に第1と第2の減衰材3a,3bを充填したうえ
鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座屈防止部材2aを内
包している。
定の間隔をあけて配設される第2の鋼製座屈防止部材2
bの各部も、鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座屈防止
部材2aの各部の断面形状に対応して、一定の間隔を形
成すべく変化させて構成されており、中間部では図6に
示すようにコ字状の2部材の開口部を向い合わせ、各部
材の両端鍔縁13同士を接合し、固定ボルト12で固定
することにより、断面箱状に構成されており、その内側
の空間に第1と第2の減衰材3a,3bを充填したうえ
鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座屈防止部材2aを内
包している。
【0018】第2の鋼製座屈防止部材2bの一端では、
図5に示すようにコ字形状の2部材が、補強中心軸力部
材11と、第1鋼製座屈防止部材2aのL形状4部片の
部位を避けるべく、中間部が切除部14として切除され
て、左右が分離されており、その他端では、図7に示す
ように補強中心軸力部材11を避けるべく形成された切
除部14において、左右の分離部材から直角に補強第2
座屈防止部材15が設けられ、この防止部材15と補強
中心軸力部材11との間が固定ボルト12で固定されて
いる。
図5に示すようにコ字形状の2部材が、補強中心軸力部
材11と、第1鋼製座屈防止部材2aのL形状4部片の
部位を避けるべく、中間部が切除部14として切除され
て、左右が分離されており、その他端では、図7に示す
ように補強中心軸力部材11を避けるべく形成された切
除部14において、左右の分離部材から直角に補強第2
座屈防止部材15が設けられ、この防止部材15と補強
中心軸力部材11との間が固定ボルト12で固定されて
いる。
【0019】この第2実施例においても、第1実施例と
同様地震時に、構造物が水平変形を生じると、前記制振
部材8に引張り/圧縮降伏が生じ、第1と第2の減衰材
3a,3bにせん断変形が生じる。この結果、第1と第
2減衰材3a,3bが図12(b)に示すようなエネル
ギー吸収を行なう。さらに、この引張力/圧縮力が大き
い場合、鋼製中心軸力部材1に引張り/圧縮降伏が生
じ、図12(a)に示すようなエネルギー吸収を行な
う。また、鋼製中心軸力部材1に圧縮力が生じても、第
1の鋼製座屈防止部材2aと第2の鋼製座屈防止部材2
bの座屈拘束効果により、座屈は生じない。
同様地震時に、構造物が水平変形を生じると、前記制振
部材8に引張り/圧縮降伏が生じ、第1と第2の減衰材
3a,3bにせん断変形が生じる。この結果、第1と第
2減衰材3a,3bが図12(b)に示すようなエネル
ギー吸収を行なう。さらに、この引張力/圧縮力が大き
い場合、鋼製中心軸力部材1に引張り/圧縮降伏が生
じ、図12(a)に示すようなエネルギー吸収を行な
う。また、鋼製中心軸力部材1に圧縮力が生じても、第
1の鋼製座屈防止部材2aと第2の鋼製座屈防止部材2
bの座屈拘束効果により、座屈は生じない。
【0020】図8(a)〜(b)は本発明の第3実施例
を示す。第3実施例のおいては、鋼製中心軸力部材1
は、図8(a)のD−D,E−E,F−F断面図とし
て、同図(b),(c),(d)に示すところから分か
るように全長にわたって略十字状断面に構成されてい
る。
を示す。第3実施例のおいては、鋼製中心軸力部材1
は、図8(a)のD−D,E−E,F−F断面図とし
て、同図(b),(c),(d)に示すところから分か
るように全長にわたって略十字状断面に構成されてい
る。
【0021】この十字状断面の鋼製中心軸力部材1の外
側に、図8(b),(c),(d)に断面図で示す配設
構造で、第1と第2の鋼製座屈防止部材2a,2bと、
第1と第2の減衰材(粘弾性材料)3a,3bと、接合
用鋼材18が設けられている。
側に、図8(b),(c),(d)に断面図で示す配設
構造で、第1と第2の鋼製座屈防止部材2a,2bと、
第1と第2の減衰材(粘弾性材料)3a,3bと、接合
用鋼材18が設けられている。
【0022】さらに説明すると、図8(a)の左端にお
いては、図8(b)に示すように十字状断面中心軸力部
材1の外側に4つの断面L字形の接合用鋼材18が配設
され、この接合用鋼材18の外側にはスペーサ18aを
介して4つの断面L字形の第2の鋼製座屈防止部材2b
が配設され、その翼部において各部材を貫通する固定用
ボルト19とナット20により接合用鋼材18を介して
中心軸力部材1と第2の鋼製座屈防止部材2bとが結合
されている。
いては、図8(b)に示すように十字状断面中心軸力部
材1の外側に4つの断面L字形の接合用鋼材18が配設
され、この接合用鋼材18の外側にはスペーサ18aを
介して4つの断面L字形の第2の鋼製座屈防止部材2b
が配設され、その翼部において各部材を貫通する固定用
ボルト19とナット20により接合用鋼材18を介して
中心軸力部材1と第2の鋼製座屈防止部材2bとが結合
されている。
【0023】図8(a)の中間部においては、図8
(c)に示すように、十字状断面の中心軸力部材1の外
側に、内から順にそれぞれ断面L字形の薄層の第1の減
衰材3aと、第1の鋼製座屈防止部材2aと、第2の減
衰材3bと、第2の鋼製座屈防止部材2bとが積層さ
れ、各内外層部材は第1と第2の減衰材3a,3bに接
合されている。図8(a)の右端部においては、図8
(c)に示すように、十字状断面の中心軸力部材1の外
側にフイラープレート24を介して第1の鋼製座屈防止
部材2aが配設され、その翼部において、各部材を貫通
する固定用ボルト19とナット20により両部材が結合
されている。さらに図8(a)の左端から右方向に伸長
する第2鋼製座屈防止部材2bの先端21は、第2の鋼
製座屈防止部材2bの基端段部23と近接する位置で停
止している。また、図8(b)の右端から左方向に伸長
する第1の鋼製座屈防止部材2aの先端22は、接合用
鋼材18と近接する位置で停止している。
(c)に示すように、十字状断面の中心軸力部材1の外
側に、内から順にそれぞれ断面L字形の薄層の第1の減
衰材3aと、第1の鋼製座屈防止部材2aと、第2の減
衰材3bと、第2の鋼製座屈防止部材2bとが積層さ
れ、各内外層部材は第1と第2の減衰材3a,3bに接
合されている。図8(a)の右端部においては、図8
(c)に示すように、十字状断面の中心軸力部材1の外
側にフイラープレート24を介して第1の鋼製座屈防止
部材2aが配設され、その翼部において、各部材を貫通
する固定用ボルト19とナット20により両部材が結合
されている。さらに図8(a)の左端から右方向に伸長
する第2鋼製座屈防止部材2bの先端21は、第2の鋼
製座屈防止部材2bの基端段部23と近接する位置で停
止している。また、図8(b)の右端から左方向に伸長
する第1の鋼製座屈防止部材2aの先端22は、接合用
鋼材18と近接する位置で停止している。
【0024】この第3実施例においても、第1,第2実
施例と同様地震時に、構造物が水平変形を生じると、前
記制振部材8に引張り/圧縮降伏が生じ、第1と第2の
減衰材3a,3bにせん断変形が生じる。この結果、第
1と第2の減衰材3a,3bによってエネルギ−吸収が
行われる。さらに、引張力/圧縮力が大きい場合、鋼製
中心軸力部材1に引張り/圧縮降伏が生じエネルギ−吸
収が行われる。また、鋼製中心軸力部材1に圧縮力が生
じても、第1の鋼製座屈防止部材2aと第2の鋼製座屈
防止部材2bの座屈拘束効果により、座屈は生じない。
施例と同様地震時に、構造物が水平変形を生じると、前
記制振部材8に引張り/圧縮降伏が生じ、第1と第2の
減衰材3a,3bにせん断変形が生じる。この結果、第
1と第2の減衰材3a,3bによってエネルギ−吸収が
行われる。さらに、引張力/圧縮力が大きい場合、鋼製
中心軸力部材1に引張り/圧縮降伏が生じエネルギ−吸
収が行われる。また、鋼製中心軸力部材1に圧縮力が生
じても、第1の鋼製座屈防止部材2aと第2の鋼製座屈
防止部材2bの座屈拘束効果により、座屈は生じない。
【0025】図9には、第1実施例と第2実施例に係る
各制振部材8,8a、構造物7における柱6と梁5への
配置例を示し、通常のブレースと同じように、図9
(a)ではV字状配置、同図(b)では山形配置、同図
(c)では右上り傾斜配置、同図(d)は左上り傾斜の
配置の例を示す。また、各制振部材8,8aの柱6や梁
5に対する固定構造も通常のブレースと同様で、鋼製中
心軸力部材1をボルト,溶接などを用いて固定する。
各制振部材8,8a、構造物7における柱6と梁5への
配置例を示し、通常のブレースと同じように、図9
(a)ではV字状配置、同図(b)では山形配置、同図
(c)では右上り傾斜配置、同図(d)は左上り傾斜の
配置の例を示す。また、各制振部材8,8aの柱6や梁
5に対する固定構造も通常のブレースと同様で、鋼製中
心軸力部材1をボルト,溶接などを用いて固定する。
【0026】図10は本発明の第3実施例を示す。同図
に示すようにこの制振部材8は、互いに間隔を有して平
行に配設された鋼製中心軸力部材1と、第1の鋼製座屈
防止部材(又はせん断歪発生部材)2aの一端部同士を
複数のボルト穴16を有する角板状の第1接合用鋼材1
7aで接合し、また、鋼製中心軸力部材1の他端部と、
第2の鋼製座屈防止部材(又はせん断歪発生部材)2b
の他端部とを同じく複数のボルト穴16を有する角板状
の第2接合用鋼材17bで接合し、かつ、鋼製中心軸力
部材1と、第1,第2の鋼製座屈防止部材2a,2bの
間に形成される平行な間隙に第1と第2の減衰材(粘弾
性材料)3a,3bを充填して制振部材8を構成する。
に示すようにこの制振部材8は、互いに間隔を有して平
行に配設された鋼製中心軸力部材1と、第1の鋼製座屈
防止部材(又はせん断歪発生部材)2aの一端部同士を
複数のボルト穴16を有する角板状の第1接合用鋼材1
7aで接合し、また、鋼製中心軸力部材1の他端部と、
第2の鋼製座屈防止部材(又はせん断歪発生部材)2b
の他端部とを同じく複数のボルト穴16を有する角板状
の第2接合用鋼材17bで接合し、かつ、鋼製中心軸力
部材1と、第1,第2の鋼製座屈防止部材2a,2bの
間に形成される平行な間隙に第1と第2の減衰材(粘弾
性材料)3a,3bを充填して制振部材8を構成する。
【0027】第3実施例の制振部材8の上下端は、柱6
と梁5が組まれた構造物7における上下の梁5に固定ボ
ルトを用いて固定される。
と梁5が組まれた構造物7における上下の梁5に固定ボ
ルトを用いて固定される。
【0028】図10の制振部材8において、鋼製中心軸
力部材1は地震時に、せん断変形を生じる。このとき、
鋼製中心軸力部材1は、第1と第2の鋼製座屈防止部材
2a,2bと第1と第2の減衰材3a,3bで拘束され
ているため、局部座屈を生じることがない。そして、あ
る荷重を越えた場合、せん断降伏を生じ、図12(a)
で示すような復元力特性を示し、エネルギーを吸収す
る。また、第1と第2の鋼製座屈防止部材2a,2b
は、せん断剛性が高いので、ほとんど変形しない。した
がって、地震時に、鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座
屈防止部材2aとの間及び、第1と第2の鋼製座屈防止
部材2a,2bとの間に相対変位が生じ、第1と第2の
減衰材3a,3bがせん断変形を生じる。この結果、図
12(b)に示すような復元力特性を示し、エネルギー
を吸収する。なお、第3実施例において薄層の減衰材3
aはなくても構わない。
力部材1は地震時に、せん断変形を生じる。このとき、
鋼製中心軸力部材1は、第1と第2の鋼製座屈防止部材
2a,2bと第1と第2の減衰材3a,3bで拘束され
ているため、局部座屈を生じることがない。そして、あ
る荷重を越えた場合、せん断降伏を生じ、図12(a)
で示すような復元力特性を示し、エネルギーを吸収す
る。また、第1と第2の鋼製座屈防止部材2a,2b
は、せん断剛性が高いので、ほとんど変形しない。した
がって、地震時に、鋼製中心軸力部材1と第1の鋼製座
屈防止部材2aとの間及び、第1と第2の鋼製座屈防止
部材2a,2bとの間に相対変位が生じ、第1と第2の
減衰材3a,3bがせん断変形を生じる。この結果、図
12(b)に示すような復元力特性を示し、エネルギー
を吸収する。なお、第3実施例において薄層の減衰材3
aはなくても構わない。
【0029】図11には本発明と従来の制振部材との性
能比較を示している。同図に示すように、弾塑性ダンパ
ーは強風や中小地震ではほぼ線形挙動を示すので、地震
エネルギー吸収量が少ないが、大地震時には地震エネル
ギー吸収量が大きい。一方、粘弾性ダンパーは、強風,
中小地震,大地震に対して、常に安定したエネルギー吸
収を行なう。しかし、粘弾性ダンパーは、コストが高い
という欠点をもつ。本発明の各実施形態では、前記弾塑
性ダンパーと粘弾性ダンパーの欠点を補いつつ、合体し
て構成されており、コストを抑えながら、強風,中小地
震,大地震に対して、常に安定したエネルギー吸収性能
を持つことが分かる。
能比較を示している。同図に示すように、弾塑性ダンパ
ーは強風や中小地震ではほぼ線形挙動を示すので、地震
エネルギー吸収量が少ないが、大地震時には地震エネル
ギー吸収量が大きい。一方、粘弾性ダンパーは、強風,
中小地震,大地震に対して、常に安定したエネルギー吸
収を行なう。しかし、粘弾性ダンパーは、コストが高い
という欠点をもつ。本発明の各実施形態では、前記弾塑
性ダンパーと粘弾性ダンパーの欠点を補いつつ、合体し
て構成されており、コストを抑えながら、強風,中小地
震,大地震に対して、常に安定したエネルギー吸収性能
を持つことが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明によると、弾塑性ダンパーと粘弾
性ダンパーとを有機的結合することで、両者の長所を生
かし、欠点を克服でき、大、中、小の地震レベルおよび
強風に対するに振動低減効果があると共に、製造コスト
も安い。特に、制振(耐震)部材の位置・個所・数は、
一般に建物の平面計画上制限がある。このように限られ
た位置に、粘弾性,弾塑性ダンパーを一体化したものを
使うことは、粘弾性ダンパーや弾塑性ダンパーを単独に
別々に設置するよりも、効果やコストの点で下記表1の
とおり優れている。
性ダンパーとを有機的結合することで、両者の長所を生
かし、欠点を克服でき、大、中、小の地震レベルおよび
強風に対するに振動低減効果があると共に、製造コスト
も安い。特に、制振(耐震)部材の位置・個所・数は、
一般に建物の平面計画上制限がある。このように限られ
た位置に、粘弾性,弾塑性ダンパーを一体化したものを
使うことは、粘弾性ダンパーや弾塑性ダンパーを単独に
別々に設置するよりも、効果やコストの点で下記表1の
とおり優れている。
【0031】
【表1】
【図1】(a),(b)は本発明の第1例に係わる制振
部材の概念図、(c)は第1と第2減衰材の歪み分布図
である。
部材の概念図、(c)は第1と第2減衰材の歪み分布図
である。
【図2】本発明の第2例に係わる制振部材の概念図であ
る。
る。
【図3】(a)は第1実施例に係わる制振部材の斜視
図、(b)はその使用例の配置説明図である。
図、(b)はその使用例の配置説明図である。
【図4】(a),(b)は第2実施例に係わる制振部材
の側面図と平面図である。
の側面図と平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4のC−C断面図である。
【図8】(a)は第3実施例に係わる制振部材の側面
図、(b),(c),(d)は同図(a)のD−D,E
−E,F−F断面図である。
図、(b),(c),(d)は同図(a)のD−D,E
−E,F−F断面図である。
【図9】(a),(b),(c),(d)は本発明の実
施例に係わる制振部材の使用例の配置説明図である。
施例に係わる制振部材の使用例の配置説明図である。
【図10】(a)は第3実施例に係わる制振部材の斜視
図、(b)はその使用例の配置説明図である。
図、(b)はその使用例の配置説明図である。
【図11】本発明と従来例に係わる制振部材の比較例を
示す図である。
示す図である。
【図12】(a),(b)はそれぞれ弾塑性ダンパ−と
粘弾性ダンパ−の地震エネルギ−量を面積で示す図であ
る。
粘弾性ダンパ−の地震エネルギ−量を面積で示す図であ
る。
【図13】(a)従来の座屈拘束筋かいの引張力を与え
る前の概念図、(b)は引張後の粘弾性体の歪み分布
図、(c)は引張力を与えた後の概念図である。
る前の概念図、(b)は引張後の粘弾性体の歪み分布
図、(c)は引張力を与えた後の概念図である。
【図14】(a),(b)は従来の座屈拘束筋かいの使
用例の配置説明図である。
用例の配置説明図である。
1 鋼製中心軸力部材 2a 第1の鋼製座屈防止部材 2b 第2の鋼製座屈防止部材 2c 第3の鋼製座屈防止部材 3a 第1の減衰材 3b 第2の減衰材 4a 第1の接合用鋼材 4b 第2の接合用鋼材 5 梁 6 柱 7 構造物 8 制振部材 10 座屈拘束筋かい 11 補強中心軸力部材 12 固定ボルト 13 両端鍔縁 14 切除部 15 補強第2座屈防止部材 16 ボルト穴 17a 第1接合用鋼材 17b 第2接合用鋼材 18 接合用鋼材 19 固定用ボルト 20 ナット 21 先端 22 先端 23 基端段部 24 フィラープレート(接合用鋼材)
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼製中心軸力部材1の外側に減衰材3を
充填し、当該減衰材3の外側を第1の鋼製座屈防止部材
2aで覆い、更に当該第1の鋼製座屈防止部材2aの外
側に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第2の鋼
製座屈防止部材2bで覆い、当該第1の鋼製座屈防止部
材2aの一端と鋼製中心軸力部材1の一端を固着し、当
該第2の鋼製座屈防止部材2bの一端と鋼製中心軸力部
材1の他の一端を固着し、当該第1の鋼製座屈防止部材
2aと当該第2の鋼製座屈防止部材2bは減衰材3を介
して粘弾性的に接触していることを特徴とする弾塑性・
粘弾性ダンパーを一体化した制振部材。 - 【請求項2】 前記鋼製中心軸力部材1と、前記第1の
鋼製座屈防止部材2a及び第2の鋼製座屈防止部材2b
の断面が平板からなり、減衰材3は、当該鋼製中心軸力
部材1及び第1の鋼製座屈防止部材2aの間の空間並び
に、当該鋼製中心軸力部材1及び第2の鋼製座屈防止部
材2bの間の空間にそれぞれ平板状に充填されているこ
とを特徴とする請求項1記載の弾塑性・粘弾性ダンパー
を一体化した制振部材。 - 【請求項3】 前記鋼製中心軸力部材1及び前記第1の
鋼製座屈防止部材2aの断面が平板からなり、当該鋼製
中心軸力部材1及び第1の鋼製座屈防止部材2aの間の
空間及び、周囲に充填された減衰材3の外側に、第2の
鋼製座屈防止部材2bが矩形断面に配置されていること
を特徴とする請求項1記載の弾塑性・粘弾性ダンパーを
一体化した制振部材。 - 【請求項4】 前記鋼製中心軸力部材1の両端部には、
断面が十字型に鋼材が固着されていることを特徴とする
請求項2又は3記載の弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化
した制振部材。 - 【請求項5】 前記鋼製中心軸力部材1及び前記第1の
鋼製座屈防止部材2aの端部並びに、鋼製中心軸力部材
1の他の端部及び第2の鋼製座屈防止部材2bには、そ
れぞれ鋼板を固着していることを特徴とする請求項1〜
4の何れか1項に記載の弾塑性・粘弾性ダンパーを一体
化した制振部材。 - 【請求項6】 前記第2の鋼製座屈防止部材2bの外側
に更に減衰材3を充填し、当該減衰材3の外側を第3の
鋼製座屈防止部材2cで覆うことを特徴とする請求項1
〜5の何れか1項に記載の弾塑性・粘弾性ダンパーを一
体化した制振部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33478197A JPH11153194A (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33478197A JPH11153194A (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11153194A true JPH11153194A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18281171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33478197A Pending JPH11153194A (ja) | 1997-11-20 | 1997-11-20 | 弾塑性・粘弾性ダンパーを一体化した制振部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11153194A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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