JPH10266517A - 建築物の吹き付け塗装方法 - Google Patents

建築物の吹き付け塗装方法

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JPH10266517A
JPH10266517A JP7176597A JP7176597A JPH10266517A JP H10266517 A JPH10266517 A JP H10266517A JP 7176597 A JP7176597 A JP 7176597A JP 7176597 A JP7176597 A JP 7176597A JP H10266517 A JPH10266517 A JP H10266517A
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joint
spray
blowing
joint rod
spraying
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JP7176597A
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Kiyomi Hamanaka
清海 濱中
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HAMA CAST KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目地の内壁が崩れてしまうことのない建築物
の吹き付け塗装方法を提供する。 【解決手段】 外壁等10の上に目地棒11を貼り付け
る。次に、3頭式スプレーガンを高圧にした状態で、目
地棒11が貼り付けられた外壁等10の上に吹き付け材
14aを吹き付ける(下吹き)。次に、吹き付け材14
aが湿った状態(硬化する前の状態)のときに、ヘラを
使って目地棒11を覆っている吹き付け材14aを掻き
取り、目地棒11の側面近傍に沿って押し込むと共に、
目地棒11の近傍を均す。次に、3頭式スプレーガンの
圧縮空気を低圧状態に切り替えて、吹き付け材14bを
吹き付ける(上吹き)。次に、目地棒11の表面側の離
型紙13を剥がした後、吹き付け面を、約30%の研磨
率で研磨する。最後に、目地棒11を除去し、全体にト
ップコートを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の吹き付け
塗装方法に関する。さらに詳細には、吹き付け塗装面に
形成される目地をきれいに仕上げることのできる建築物
の吹き付け塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁面等の表面は、美観や本体保
護上等の観点から、天然石や金属の薄い板を張り付けた
り、疑似天然石模様を付けたり、吹き付け塗装を行う等
によって施工されている。ここで、『建築物』には、構
築された物だけではなく、ブロック、パネル、ボード等
の建築物に使用する建材も含まれる。
【0003】従来、建築物の壁面等の表面に模様等を付
する方法としては、例えば、リシン系(骨材が含まれる
配合)及び塗料系の材料をコテ塗り法、ローラー塗装法
等によって塗布する方法がある。コテ塗り法は、コテを
用いて材料を建築物の表面に移して延ばす方法である。
ローラー塗装法は、ローラーやコテを用いて材料を建築
物の表面に移し、ローラーによって延ばす方法である。
これらは手作業によって行われるため、大きな模様を付
することはできるが、厚塗りや大面積の塗装には適して
いない。
【0004】このため、本発明者は、圧縮空気を利用
し、スプレーガン等から吹き付け材を噴出させることに
よって塗装する方法を提案した。この吹き付け塗装方法
は、顔料とともに焼成し、かつ、適度に粉砕したセラミ
ックスを、合成樹脂中に混入してなる混合材の異なる色
のもの複数種を1機のスプレーガン内の別個のタンクに
それぞれ用意し、該複数種の混合材を複数の吹き付け口
を有する多頭式スプレーガンの別個の吹き付け口から同
時に吹き付けることによって、非混合多色状に塗布する
ようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の単頭式
スプレーガンや上記多頭式スプレーガンなどを用いて吹
き付け塗装する方法では、吹き付け塗装面に目地を形成
する場合に、次のような問題があった。すなわち、図6
に示すように、目地を形成すべく建築物の外壁等30の
上に目地棒31を貼り付けた状態で、スプレーガンの吹
き付け口32から吹き付け材33を吹き付けると、スプ
レーガンを人が手に持って操作する関係上、スプレーガ
ンの吹き付け口32と外壁等30との角度がずれ、目地
棒31が障害となって、目地棒31の側面(図6では上
下面)の近傍に吹き付けられる吹き付け材33に気泡の
ような空隙が入った状態となってしまう(図7の領域3
4)。このため、このまま目地棒31を除去すると、吹
き付け材33が硬化した後の目地35(図8)の内側壁
が崩れてしまう虞れがあり、その結果、施工の信頼性が
低下するという問題点がある。
【0006】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、目地の内側壁が崩れ
てしまうことのない建築物の吹き付け塗装方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る建築物の吹き付け塗装方法は、目地棒
を貼り付けた建築物に吹き付け材を吹き付ける下吹き工
程と、前記目地棒の側面近傍に沿って吹き付け材を押し
込む吹き付け材充填工程と、吹き付け材を再度吹き付け
る上吹き工程と、前記目地棒を除去する目地棒除去工程
とを備えたことを特徴とする。この建築物の吹き付け塗
装方法によれば、スプレーガンの吹き付け口と建築物の
外壁等との角度がずれ、目地棒の側面の近傍に吹き付け
られる吹き付け材に気泡のような空隙が入った状態とな
っても、吹き付け材を目地棒の側面近傍に沿って押し込
むことにより、目地棒が貼り付けられた建築物の外壁等
に吹き付け材が均一に吹き付けられた状態にもっていく
ことができる。従って、目地棒を除去しても、吹き付け
材が硬化した後の目地の内側面が崩れてしまうことはな
く、石彫り調のシャープな目地に仕上げることができる
ので、施工の信頼性が向上する。
【0008】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法においては、下吹きされた目地棒上の吹き付け材を
掻き取り、前記目地棒の側面近傍に沿って押し込むよう
にするのが好ましい。この好ましい例によれば、吹き付
け塗装をスムーズに行うことができる。
【0009】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法においては、色の異なる複数種の吹き付け材を1機
のスプレーガン内の別個のタンクにそれぞれ用意し、前
記複数種の吹き付け材を複数の吹き付け口を有する多頭
式スプレーガンの別個の吹き付け口から同時に吹き付け
るようにするのが好ましい。この好ましい例によれば、
天然に存在する御影石と変わらない非常に美しい外観を
有する吹き付け塗装面を実現することができる。また、
この場合には、多頭式スプレーガンが3頭式であるのが
好ましい。また、この場合には、1.3〜1.7気圧の
圧縮空気で下吹きを行い、0.8〜1.3気圧の圧縮空
気で上吹きを行うのが好ましい。この好ましい例によれ
ば、次のような作用効果を奏することができる。すなわ
ち、高圧状態で吹き付け材を吹き付けた場合には、吹き
付け材が小さな粒状となり、高速で吹き付けることがで
きるので、下吹きを短時間で終了させることができる。
また、低圧状態で吹き付け材を吹き付けた場合には、吹
き付け材が大きな粒状となって吹き付けられるので、天
然石に近い模様を容易に形成することができる。
【0010】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法においては、上吹き工程の後、目地棒の上に、前記
目地棒より幅の広い第2の目地棒を、長手方向の一側部
を合わせた状態で貼り付け、吹き付け材を吹き付ける第
2の下吹き工程と、前記第2の目地棒の側面近傍に沿っ
て吹き付け材を押し込む第2の吹き付け材充填工程と、
吹き付け材を再度吹き付ける第2の上吹き工程とをさら
に備え、前記第2の上吹き工程の後に、前記目地棒及び
前記第2の目地棒を除去するようにするのが好ましい。
この好ましい例によれば、目地及び段差部を備え、しか
も目地及び段差部の内側面が崩れてしまうことのない吹
き付け塗装面を得ることができる。また、この場合に
は、下吹きされた第2の目地棒上の吹き付け材を掻き取
り、前記第2の目地棒の側面近傍に沿って押し込むよう
にするのが好ましい。また、この場合には、色の異なる
複数種の吹き付け材を1機のスプレーガン内の別個のタ
ンクにそれぞれ用意し、前記複数種の吹き付け材を複数
の吹き付け口を有する多頭式スプレーガンの別個の吹き
付け口から同時に吹き付けるようにするのが好ましい。
この場合にはさらに、多頭式スプレーガンが3頭式であ
るのが好ましい。この場合にはさらに、1.3〜1.7
気圧の圧縮空気で下吹きを行い、0.8〜1.3気圧の
圧縮空気で上吹きを行うのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】吹き付け材としては、次の成分に
調合したものを用いた。すなわち、 (1)セラミックス 61.60重量部 (2)アクリルエマルジョン(固形分50%) 25.20重量部 (3)増粘剤(ヒドロキシメチルセルロース) 11.35重量部 (4)pH調整剤(アンモニア水) 0.17重量部 (5)消泡剤(アルコール系) 0.03重量部 (6)造膜助剤(アルコール系) 0.39重量部 (7)水 1.26重量部 作業性や貯蔵の便のために増粘剤、pH調整剤、消泡
剤、造膜助剤等が混入されている。ここで、造膜助剤と
は、エマルジョンの透明造膜の温度を下げるためのもの
である。
【0012】合成樹脂は、アクリルエマルジョンに限定
されるものではなく、その他のエマルジョン系や、エポ
キシ系、ウレタン系のものを使用することもできる。骨
材としては、粘土に適当な色を有する顔料、例えば酸化
鉄、酸化亜鉛等を混合し、約1400℃で焼成してセラ
ミックスとし、それを粉砕したものを使用した。
【0013】骨材の粒度分布は、建築物用壁装材の模様
の表現によって自由に選択することができるが、その強
度や美観から、次のような粒度分布のものを採用した。
すなわち、 メッシュ 分布 3〜20 30重量% 20〜200 40重量% 200〜350 30重量% 以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明す
る。
【0014】〈第1の実施例〉図1は本発明の第1の実
施例における建築物の吹き付け塗装方法を示す工程断面
図、図2は本発明の建築物の吹き付け塗装方法で使用し
た3頭式スプレーガンを示す斜視図である。
【0015】図2に示すように、3頭式スプレーガンA
には、3つのタンク1、2、3が設けられており、各タ
ンク1、2、3に色の異なる第1〜第3の吹き付け材
7、8、9をそれぞれ別々に収容しておくことができる
ようにされている。また、タンク1、2、3には、それ
ぞれ別個に噴出ノズル4、5、6が設けられており、タ
ンク1、2、3内の第1〜第3の吹き付け材7、8、9
を圧縮空気によって噴出ノズル4、5、6からそれぞれ
噴出させることができるようにされている。噴出ノズル
4、5、6の口径はそれぞれ12mm、10mm、6m
mであり、第1の吹き付け材(白色)7、第2の吹き付
け材(灰色)8、第3の吹き付け材(黒色)9の吐出量
比は5:4:1である。噴出ノズル4、5、6はほぼ一
点に集中するようにその角度が調整されている。実際に
ぴったり一点に集中させると、第1〜第3の吹き付け材
7、8、9が混合するか、もしくは積層して一色となる
ため、第1〜第3の吹き付け材7、8、9を非混合多色
状に塗布することが困難となる。しかし、実際には、焦
点がぴったり一致していても、人が3頭式スプレーガン
Aを手に持って塗布するために、外壁等との距離や角度
がずれ、あまり問題とはならない。尚、この3頭式スプ
レーガンAには、圧縮空気を高圧状態(1.5気圧)か
ら低圧状態(1.0気圧)に(及び低圧状態から高圧状
態に)切り替えるための切り替えスイッチ(図示せず)
が設けられている。
【0016】まず、図1(a)に示すように、目地色が
塗布された外壁等10の上に、厚み3mm、幅1〜2c
mの発泡樹脂からなる目地棒11を水平状態で貼り付け
た。ここで、目地棒11は、その裏面及び表面に粘着剤
12が塗布されており、裏面及び表面にはさらに粘着防
止用のテープ(離型紙)13が貼られている。このた
め、外壁等10の上に目地棒11を貼り付ける際には、
目地棒11の裏面側の離型紙13が剥がされる。
【0017】次に、図1(b)に示すように、3頭式ス
プレーガンAを高圧(1.5気圧)にした状態で、目地
棒11が貼り付けられた外壁等10の上に、色の異なる
第1〜第3の吹き付け材7、8、9(以下、『14a』
と記す。)を、3〜4mmの厚みで吹き付けた(下吹
き)。このように高圧状態で吹き付け材14aを吹き付
けた場合には、吹き付け材14aが小さな粒状となり、
高速で吹き付けることができるので、下吹きを短時間で
終了させることができる。
【0018】ところで、人が3頭式スプレーガンAを手
に持って吹き付け材を吹き付け塗装する場合には、3頭
式スプレーガンAの噴出ノズル4、5、6と外壁等10
との角度がずれてしまい、その結果、目地棒11が障害
となって、目地棒11の側面(図1では上下面)の近傍
に吹き付けられる吹き付け材14aに気泡のような空隙
が入った状態となってしまう(図1(b)の領域1
5)。このため、このまま目地棒11を除去すると、吹
き付け材14aが硬化した後の目地の内側壁が崩れてし
まう虞れがある。
【0019】そこで、図1(c)に示すように、吹き付
け材14aが湿った状態(硬化する前の状態)のとき
に、ヘラを使って目地棒11を覆っている吹き付け材1
4aを掻き取り、目地棒11の側面(図1では上下面)
近傍に沿って押し込むと共に、目地棒11の近傍を均し
た。これにより、図1(b)に示した『気泡のような空
隙が入った領域15』に吹き付け材14aが充填され、
目地棒11が貼り付けられた外壁等10に吹き付け材1
4aが均一に吹き付けられた状態となった。
【0020】次に、図1(d)に示すように、3頭式ス
プレーガンAの圧縮空気を高圧状態(1.5気圧)から
低圧状態(1.0気圧)に切り替えて、再度、第1〜第
3の吹き付け材7、8、9(以下、『14b』と記
す。)を、1.4〜1.6mmの厚みで吹き付けた(上
吹き)。これにより、吹き付け材14bが非混合多色状
に塗布されると共に、凹凸模様が形成された。このよう
に低圧状態で吹き付け材14bを吹き付けた場合には、
吹き付け材14bが大きな粒状となって吹き付けられる
ので、天然石に近い模様を容易に形成することができる
(以下、下吹きと上吹きに用いた第1〜第3の吹き付け
材7、8、9を『14』と記す。)。
【0021】次に、図1(e)に示すように、目地棒1
1の表面側の離型紙13を剥がした後、吹き付け面を、
約30%の研磨率で研磨した。これにより、吹き付け面
の凸部が多少削られ、平面形状に成形された。
【0022】最後に、図1(f)に示すように、目地棒
11を除去し、アクリル−シリコン系塗料を用いて、全
体にトップコート(図示せず)を施した。このようにト
ップコートを施すことにより、吹き付け材の耐候性及び
耐久性が向上する。
【0023】以上の工程により、図3に示すような、目
地16を備え、しかも天然に存在する御影石と変わらな
い非常に美しい外観を有する吹き付け塗装面が実現され
た。また、目地棒11の側面(図1では上下面)の近傍
も吹き付け材14が均一に吹き付けられた状態(気泡の
ような空隙が入っていない状態)となっているため、目
地棒11を除去しても、吹き付け材14が硬化した後の
目地16の内側壁が崩れてしまうことはなく、また、石
彫り調のシャープな目地16に仕上げることができるの
で、施工の信頼性が向上する。
【0024】〈第2の実施例〉本実施例では、吹き付け
材を吹き付けた外壁等が目地を備え、かつ段差部を有す
る場合について説明する。
【0025】図4は本発明の第2の実施例における建築
物の吹き付け塗装方法を示す工程断面図である。まず、
図4(a)に示すように、目地色が塗布された外壁等1
0の上に、厚み3mm、幅1〜2cmの発泡樹脂からな
る目地棒11を水平状態で貼り付けた。ここで、目地棒
11は、その裏面及び表面に粘着剤12が塗布されてお
り、裏面及び表面にはさらに粘着防止用のテープ(離型
紙)13が貼られている。このため、外壁等10に目地
棒11を貼り付ける際には、目地棒11の裏面側の離型
紙13が剥がされる。
【0026】次に、図4(b)に示すように、3頭式ス
プレーガンAを高圧(1.5気圧)にした状態で、目地
棒11が貼り付けられた外壁等10の上に、上記第1の
実施例と同様にして色の異なる第1〜第3の吹き付け材
7、8、9(以下、『14a』と記す。)を、1.4〜
1.6mmの厚みで吹き付けた(第1の下吹き)。この
場合、上記第1の実施例で述べたように、目地棒11の
側面(図4では上下面)の近傍に吹き付けられる吹き付
け材14aに気泡のような空隙が入った状態となってし
まう(図4(b)の領域17)。
【0027】次に、図4(c)に示すように、3頭式ス
プレーガンAの圧縮空気を高圧状態(1.5気圧)から
低圧状態(1.0気圧)に切り替えて、再度、第1〜第
3の吹き付け材7、8、9(以下、『14b』と記
す。)を1.4〜1.6mmの厚みで吹き付けた(第1
の上吹き)。これにより、吹き付け材14bが混合多色
状に塗布されると共に、凹凸模様が形成された(以下、
第1の下吹きと第1の上吹きに用いた第1〜第3の吹き
付け材7、8、9を『14』と記す。)。
【0028】尚、この場合、上述したように、第1の下
吹き時に目地棒11の側面(図4では上下面)の近傍に
吹き付けられる吹き付け材14aに気泡のような空隙が
入った状態となっているので、図4(d)に示すよう
に、吹き付け材14が湿った状態(硬化する前の状態)
のときに、ヘラを使って目地棒11を覆っている吹き付
け材14を掻き取り、目地棒11の側面(図4では上下
面)近傍に沿って押し込むと共に、目地棒11の近傍を
均した。これにより、図4(b)、(c)に示した『気
泡のような空隙が入った領域17』に吹き付け材14が
充填され、目地棒11が貼り付けられた外壁等10に吹
き付け材14が均一に吹き付けられた状態となった。
【0029】次に、図4(e)に示すように、目地棒1
1の表面側の離型紙13を剥がした後、吹き付け材14
の吹き付け面を、目地棒11の厚みまで研磨した。これ
により、鏡面状態の第1の吹き付け塗装面18が得られ
た。
【0030】次に、図4(f)に示すように、目地棒1
1及び第1の吹き付け塗装面18の上に、厚み6mm、
幅30mmの発泡樹脂からなる目地棒19を、目地棒2
6と一側部を合わせた状態で貼り付けた。ここで、目地
棒19は、その裏面及び表面に粘着剤20が塗布されて
おり、裏面及び表面にはさらに粘着防止用のテープ(離
型紙)21が貼られている。このため、目地棒11及び
第1の吹き付け塗装面18の上に目地棒19を貼り付け
る際には、目地棒19の裏面側の離型紙21が剥がされ
る。
【0031】次に、図4(g)に示すように、3頭式ス
プレーガンAの圧縮空気を低圧状態(1.0気圧)から
高圧状態(1.5気圧)に切り替えて、目地棒19が貼
り付けられた第1の吹き付け塗装面18の上に、第1〜
第3の吹き付け材7、8、9(以下、『14c』と記
す。)を6〜7mmの厚みで吹き付けた(第2の下吹
き)。この場合にも、第1の下吹き(図4(b))の場
合と同様に、目地棒19の側面(図4では上下面)の近
傍に吹き付けられる吹き付け材14cに気泡のような空
隙が入った状態となってしまう(図4(g)の領域2
9)。
【0032】そこで、図4(h)に示すように、吹き付
け材14cが湿った状態(硬化する前の状態)のとき
に、ヘラを使って目地棒19を覆っている吹き付け材1
4cを掻き取り、目地棒19の側面(図4では上下面)
近傍に沿って押し込むと共に、目地棒19の近傍を均し
た。これにより、図4(g)に示した『気泡のような空
隙が入った領域29』に吹き付け材14cが充填され、
目地棒19が貼り付けられた第1の吹き付け塗装面18
に吹き付け材14cが均一に吹き付けられた状態となっ
た。
【0033】次に、図4(i)に示すように、3頭式ス
プレーガンAの圧縮空気を高圧状態(1.5気圧)から
低圧状態(1.0気圧)に切り替えて、再度、第1〜第
3の吹き付け材7、8、9(以下、『14d』と記
す。)を1.4〜1.6mmの厚みで吹き付けた(第2
の上吹き)。これにより、吹き付け材14dが混合多色
状に塗布されると共に、凹凸模様が形成された(以下、
第2の下吹きと第2の上吹きに用いた第1〜第3の吹き
付け材7、8、9を『22』と記す。)。
【0034】次に、図4(j)に示すように、目地棒1
9の表面側の離型紙21を剥がした後、吹き付け材22
の吹き付け面を、約30%の研磨率で研磨した。これに
より、吹き付け面の凸部が多少削られ、第2の吹き付け
塗装面23が得られた。
【0035】最後に、図4(k)に示すように、目地棒
26、19を除去し、アクリル−シリコン系塗料を用い
て、全体にトップコート(図示せず)を施した。以上の
工程により、図5に示すような、目地24及び段差部2
5を備え、しかも天然に存在する御影石と変わらない非
常に美しい外観を有する吹き付け塗装面が実現された。
また、また、目地棒26の側面(図4では上下面)近傍
及び目地棒19の側面(図4では上下面)近傍も吹き付
け材14、22が均一に吹き付けられた状態(気泡のよ
うな空隙が入っていない状態)となっているため、目地
棒11、19を除去しても、吹き付け材が硬化した後の
目地24及び段差部25の内側壁が崩れてしまうことは
なく、また、石彫り調のシャープな目地24に仕上げる
ことができるので、施工の信頼性が向上する。
【0036】尚、上記第1及び第2の実施例において
は、下吹きされた目地棒上の吹き付け材を掻き取り、目
地棒の側面近傍に沿って押し込むようにしているが、必
ずしもこの方法に限定されるものではない。例えば、別
に用意された吹き付け材を、目地棒の側面近傍に沿って
押し込むようにしてもよい。
【0037】また、上記第1及び第2の実施例において
は、多頭式スプレーガン(3頭式スプレーガンA)を用
いて吹き付け塗装する場合を例に挙げて説明している
が、必ずしもこの場合に限定されるものではない。例え
ば、噴射ノズルが1個のみのスプレーガンを用いて吹き
付け塗装する場合にも、本発明を適用することができ
る。
【0038】また、上記第1及び第2の実施例において
は、下吹き時における3頭式スプレーガンAの圧縮空気
が1.5気圧に設定され、上吹き時における3頭式スプ
レーガンAの圧縮空気が1.0気圧に設定されている
が、必ずしもこの空気圧に限定されるものではない。但
し、下吹き時における空気圧は1.3〜1.7気圧に設
定されるのが好ましく、上吹き時における空気圧は0.
8〜1.3気圧に設定されるのが好ましい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建築
物の吹き付け塗装方法によれば、スプレーガンの吹き付
け口と建築物の外壁等との角度がずれ、目地棒の側面の
近傍に吹き付けられる吹き付け材に気泡のような空隙が
入った状態となっても、吹き付け材を目地棒の側面近傍
に沿って押し込むことにより、目地棒が貼り付けられた
建築物の外壁等に吹き付け材が均一に吹き付けられた状
態にもっていくことができる。従って、目地棒を除去し
ても、吹き付け材が硬化した後の目地の内側面が崩れて
しまうことはなく、また、石彫り調のシャープな目地に
仕上げることができるので、施工の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における建築物の吹き付
け塗装方法を示す工程断面図である。
【図2】本発明の建築物の吹き付け塗装方法で使用した
3頭式スプレーガンを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例における建築物の吹き付
け塗装方法を用いて得られた吹き付け塗装面を示す平面
図である。
【図4】本発明の第2の実施例における建築物の吹き付
け塗装方法を示す工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例における建築物の吹き付
け塗装方法を用いて得られた吹き付け塗装面を示す平面
図である。
【図6】従来技術における建築物の吹き付け塗装方法を
示す概略断面図である。
【図7】従来技術における建築物の吹き付け塗装方法を
用いて得られた吹き付け塗装面を示す断面図である。
【図8】従来技術における建築物の吹き付け塗装方法を
用いて得られた吹き付け塗装面の目地棒を除去した状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2、3 タンク 4、5、6 噴出ノズル 7 第1の吹き付け材 8 第2の吹き付け材 9 第3の吹き付け材 10 外壁等 11、19 目地棒 12、20 粘着剤 13、21 離型紙 A 3頭式スプレーガン 14、14a、14b、14c、22 吹き付け材 15、17、26 気泡が混入した領域 16、24 目地 18 第1の吹き付け塗装面 25 段差部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目地棒を貼り付けた建築物に吹き付け材
    を吹き付ける下吹き工程と、前記目地棒の側面近傍に沿
    って吹き付け材を押し込む吹き付け材充填工程と、吹き
    付け材を再度吹き付ける上吹き工程と、前記目地棒を除
    去する目地棒除去工程とを備えた建築物の吹き付け塗装
    方法。
  2. 【請求項2】 下吹きされた目地棒上の吹き付け材を掻
    き取り、前記目地棒の側面近傍に沿って押し込む請求項
    1に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  3. 【請求項3】 上吹き工程の後、目地棒の上に、前記目
    地棒より幅の広い第2の目地棒を、長手方向の一側部を
    合わせた状態で貼り付け、吹き付け材を吹き付ける第2
    の下吹き工程と、前記第2の目地棒の側面近傍に沿って
    吹き付け材を押し込む第2の吹き付け材充填工程と、吹
    き付け材を再度吹き付ける第2の上吹き工程とをさらに
    備え、前記第2の上吹き工程の後に、前記目地棒及び前
    記第2の目地棒を除去する請求項1に記載の建築物の吹
    き付け塗装方法。
  4. 【請求項4】 下吹きされた第2の目地棒上の吹き付け
    材を掻き取り、前記第2の目地棒の側面近傍に沿って押
    し込む請求項3に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  5. 【請求項5】 色の異なる複数種の吹き付け材を1機の
    スプレーガン内の別個のタンクにそれぞれ用意し、前記
    複数種の吹き付け材を複数の吹き付け口を有する多頭式
    スプレーガンの別個の吹き付け口から同時に吹き付ける
    請求項1又は3に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  6. 【請求項6】 多頭式スプレーガンが3頭式である請求
    項5に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  7. 【請求項7】 1.3〜1.7気圧の圧縮空気で下吹き
    を行い、0.8〜1.3気圧の圧縮空気で上吹きを行う
    請求項5に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007029809A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sk Kaken Co Ltd 模様形成方法

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JP2007029809A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sk Kaken Co Ltd 模様形成方法

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