JPH0474064B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は天然石の外観を表現する建築用板の製
造方法に関し、詳しくは天然石、特にみかげ石柄
の表面模様を形成する方法に関するものである。

［従来の技術］ 近年、外観の豪華さから天然石を建築材として
用いることが行なわれてきた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが天然石を建築材として用いると、コス
トが高い、重い、割れやすい、施工が大変等の欠
点を有している。このため天然石模様の建築用板
を得る方法として基材面にプリント印刷するもの
が最も広く使用されているが次の欠点がある。

製版及び印刷に時間と経費を要する。

天然石に見られる柄の変化がなく、画一的な
柄表現しかできない（製版した同一模様のみ）。

柄に変化をつけようとすれば版が多く必要で
ある。

製版のサイズのものしかできないため大きな
サイズは不可能である。

基材に凹凸（エンボス）を有するものはでき
ない。

このようなプリント印刷板の欠点を解消するた
め塗装による天然石の柄表現が近年見られるよう
になつてきた。塗装の方法としては塗料をスプレ
ーガンにて吹き付け、柄（模様）を付ける方法が
広く使用されているが、下記の欠点を有する。

表面にごみが付着したり、塗膜に気泡が残つ
たりして表面の外観が悪くなるという欠点を有
する。

フラツトな基材に柄形成後、クリアー塗料の
トツプコートを施しても柄部の凹凸によりクリ
アー塗料のトツプコート表面に微小な凹凸がで
き、天然石を磨いた表面の外観が得られない。

本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであつ
て、本発明の目的とするところは内、外装に使用
される天然石模様、特にみかげ石柄を有する建築
用板を得ることができ、しかも外観がよい建築用
板を得ることができる建築用板の製造方法を提供
するにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本発明建築用板の製造
方法は、表面の平滑な基板１上に隠蔽性のある塗
料のベースコート２を施し、次いで隠蔽性のある
塗料をスポツト状に塗布して第１柄コート３を形
成し、第１柄コート３を形成した状態で第１柄コ
ート３の上から隠蔽性の少ない塗料をスポツト状
に塗布して第２柄コート４を形成し、この上にク
リアー塗料のトツプコート５を形成し、トツプコ
ート５の表面を研摩して平滑に仕上げることを特
徴とするものである。

［作用］ 基材１にベースコート２、第１柄コート３、第
２柄コート４及びトツプコート５を順次施し、ト
ツプコート５の表面を研摩することにより、画一
的でない天然石模様、特にみかげ石柄の建築用板
を得ることができ、しかも外観のよい建築用板を
得ることができる。

［実施例］ 基板１は表面が平滑なものであつて、材料とし
ては硅酸カルシウム板、石綿セメント板、石膏ス
ラグ板、石膏ボード、FRP板、合板、木材板等
が用いられる。この基板１の表面には隠蔽性のあ
る塗料を用いて表現する天然石と同色の塗膜を形
成するベースコート２が形成される。かかるベー
スコート２の塗装を行なう塗装方法としてはロー
ルコーター、フローコーター、スプレー塗装等の
単独または併用がある。ベースコート２の塗料の
材質として例えばウレタン系エナメル塗料があ
る。次いでこのベースコート２上に隠蔽性のある
塗料をスポツト状に塗布して第１柄コート３が形
成される。この第１柄コート３は塗布した部分の
塗膜の厚い部分はベースコート２を完全に隠蔽さ
せ、塗膜の薄い部分はベースコート２の色が残り
色に変化を持たせる効果を有する。この第１柄コ
ート３をする塗料としてはウレタン系エナメル塗
料がある。第１柄コート３を施した後ベースコー
ト２上に隠蔽性の少ないカラーの塗料をスポツト
状に塗布して第２柄コート４が施される。この第
２柄コート４は塗布した部分の膜厚の差により微
妙な色の変化を表現する効果を有する。第２柄コ
ート４をする塗料としてはカラークリアー系塗料
（クリアーな塗料に着色を施したもの）等がある。
また第１柄コート３の上に第２柄コート４が塗布
されるため更に色の変化が効果的になる。また第
１柄コート３、第２柄コート４共に塗装時複数回
塗布するためより重なり部分がランダムにでき、
より多く重なつた微妙な色が表現できる。天然石
の柄には多数の色が微妙に混在しており、柄コー
トの色も多い程再現性がよくなるが、多くし過ぎ
ると、塗装回数の増加、柄の再現性が難しい等の
問題が発生し、柄コートは２〜３色が適当であ
る。また少ない柄コートで微妙な柄（色）を表現
できるのが本発明の特徴である。柄コートの色は
天然石と同色に合わせる。このようにベースコー
ト２上に第１柄コート３や第２柄コート４を施し
た後、天然石の持つ深みを出すため柄コート上に
クリアー塗料を塗布してトツプコート５を形成す
る。つまり柄コートのみでは天然石の深みのある
透明度が表現できず、柄コートにクリアー塗料の
トツプコート５を施すことによつて深み感を表現
する効果を有する。トツプコート５を施すクリア
ー塗料は例えばウレタン系のクリアー塗料であ
る。ところでトツプコート５を施したとき第２図
に示すように塗装時の表面に異物６が付着したり
気泡７が混入したりし、塗装だけでは良好な外観
が得られなく、また柄コートの凹凸によりトツプ
コート５の表面に微小な凹凸ができて天然石を研
摩した平滑面が得られないという問題がある。こ
の問題を解決するためトツプコート５の表面を研
摩し、第３図に示すように平滑に仕上げることに
よりクリアー塗料のトツプコート５の深み感を向
上させることができる。深みを効果的に出すには
クリアー塗料のトツプコート５の厚みを厚くすれ
ばより効果的であり、クリアー塗料を複数回塗布
しても良い。また研摩はクリアー塗料の塗装毎に
行なつても複数回行なつた後表面層のみを行なつ
てもよい。

［発明の効効果］ 本発明は叙述の如く表面の平滑な基板上に隠蔽
性のある塗料のベースコートを施し、次いで隠蔽
性のある塗料をスポツト状に塗布して第１柄コー
トを形成し、第１柄コートを形成した状態で第１
柄コートの上から隠蔽性の少ない塗料をスポツト
状に塗布して第２柄コートを形成し、この上にク
リアー塗料のトツプコートを形成しているので、
プリント印刷法では表現できない画一的でない
（柄コート塗装による適度なばらつきが発生し、
全て微妙に違う柄が得られる）天然石、特にみか
げ石柄が表現された建築用板が得られるものであ
り、しかも第１柄コートの上に隠蔽性の少ない塗
料の第２柄コートをスポツト状に塗布するため、
一層微妙な色の変化が表現された建築用板が得ら
れるものであり、またトツプコートの表面を研摩
して平滑に仕上げているので、気泡や異物を除去
できて外観を向上できるものであり、また研摩す
ることにより表面の平滑性がよくなり天然石の磨
いた外観に近付けることができて一層外観を向上
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明建築用板の製造方法により得ら
れた建築用板の一例を示す断面図、第２図は同上
のトツプコートを研摩する前の状態を示す断面
図、第３図は同上のトツプコートの研摩した後の
状態を示す断面図であつて、１は基板、２はベー
スコート、３は第１柄コート、４は第２柄コー
ト、５はトツプコートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面の平滑な基板上に隠蔽性のある塗料のベ
   ースコートを施し、次いで隠蔽性のある塗料をス
   ポツト状に塗布して第１柄コートを形成し、第１
   柄コートを形成した状態で第１柄コートの上から
   隠蔽性の少ない塗料をスポツト状に塗布して第２
   柄コートを形成し、この上にクリアー塗料のトツ
   プコートを形成し、トツプコートの表面を研摩し
   て平滑に仕上げることを特徴とする建築用板の製
   造方法。