JPH10266073A - 布 帛 - Google Patents

布 帛

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Publication number
JPH10266073A
JPH10266073A JP7311897A JP7311897A JPH10266073A JP H10266073 A JPH10266073 A JP H10266073A JP 7311897 A JP7311897 A JP 7311897A JP 7311897 A JP7311897 A JP 7311897A JP H10266073 A JPH10266073 A JP H10266073A
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JP
Japan
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water
cloth
soluble
soluble sheet
layer
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JP7311897A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Ota
充 太田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイロンがけをした場合においても、アイロ
ンの滑り性がよく、溶解、もしくは縮みの発生しない水
溶性の基材を塗着、もしくは水溶性シートを貼着した布
帛を提供すること。 【解決手段】 融点が約150゜C以上に設定された水
溶性シート層3は、水溶性フィルム層3aと粘着剤層3
bとを積層してなり、その粘着剤層3b側の面を綿、
麻、絹等の布帛4の表面に貼着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縫製等に関する情
報を記録できるとともに、その記録された情報が使用さ
れた後は、その情報を水で洗い流すことのできる水溶性
の基材を塗着、若しくは水溶性シートを貼着した布帛に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、縫製に関する情報は、切
断パターンや縫目パターンと同型の型紙を布帛に当て、
その型紙の外形に沿ってチャコと呼ばれる筆記具を用い
て描かれていた。しかし、この方法は、非常に煩雑であ
ることから、縫製説明書を参照しながら行う場合が多
く、誤った縫製を行うおそれがあった。
【0003】そこで、この縫製の作業を簡便にするた
め、布帛上に縫製情報を提供する縫製情報マーキング装
置が考案された。縫製情報マーキング装置とは、特開平
4―91207号公報に記載されているような布帛の位
置を指示する直立台に記録装置を移動可能に取り付け、
布帛の搬送に伴って縫製情報を記録する装置である。本
縫製情報マーキング装置は、縫製情報の記録装置とし
て、インクジェットヘッドを用い、コンプレッサーから
の圧縮空気の流れをバルブソレノイドにより制御して、
その空気の流れに応じてインクを開口部から吐出させて
いた。
【0004】しかし、このインクジェットヘッドは、ノ
ズル開口部が大きく、記録された線が0.5〜2mmの
太さになっていたため、文字のような微細な縫製情報を
布帛に記録する場合、大きな文字として記録する必要が
あり、1枚の布帛に多くの文字情報を記録することは困
難であった。
【0005】そこで、ノズル開口部の小さなインクジェ
ットヘッドとしてプリンタ等の印刷装置に使われるヘッ
ドを用いることが提案された。この印刷装置に使用され
る高精細インクジェットヘッドは、1インチあたり10
0以上のノズル開口部を持ち、記録する1本の線が0.
5mm以下と極めて細い線を記録することができる。そ
のため、微細な縫製情報でも布帛上に記録することがで
きるようになった。
【0006】しかし、インクジェットヘッドを用いて記
録する場合には、そのインクが布帛に付着して布帛を染
めるため、装置の使用者は、縫製終了後に付着したイン
クを洗い流す必要があり、その作業が煩雑であるという
問題があった。
【0007】また、インクは、布帛に記録した後も視認
性を有する必要があるため、染料、顔料等の着色剤を混
合することは必須である。例えば、インクに染料を混合
した場合、全ての布帛に対し視認性を有する染料は存在
しないため、布帛の種類に応じて染料の種類の交換、す
なわち、インクの交換が必要であるという問題があっ
た。
【0008】また、インクに顔料を混合した場合、その
顔料は、インク中に溶けないため、布帛を染色すること
はないものの、布帛繊維の中に顔料がからみつき、縫製
完了後に布帛を洗浄しても、布帛から着色剤を取り除く
ことができないという問題があった。また、高解像度の
インクジェットヘッドを用いる場合には、個々のノズル
が細いため、顔料を用いたインクでは、ノズルの目詰ま
りを生ずるという問題があった。
【0009】また、従来の圧縮空気の流れによりインク
の吐出量を制御するインクジェットヘッドは、インクの
粘度が100〜500CPS程度でよかったため、イン
ク溶媒以外の添加物を多く含めることができ、大粒な顔
料粒子や結晶性の高い材料を使用することができた。
【0010】これに対し、高解像度のインクジェットヘ
ッドは、メカニカルな駆動によってインクを吐出するた
め、インクの粘度は、10CPS以下にする必要があ
る。しかし、インクは、着色剤等の添加剤を水に多く溶
かすことにより粘度が上昇するので、このレベルを達成
することが困難であるという問題があった。
【0011】たとえ、水で洗い流すことができ、かつ、
ノズルの目詰まりを生じないインク組成ができたとして
も、インクに使用する材料とヘッドに要求される性能と
がかなり限定される。例えば、染料系インクを用いて、
前記の条件を満たすインクを組成することは可能であ
る。そして、明るい色の布帛に、縫製情報の十分な視認
性を保ったまま記録することも可能である。しかし、暗
い色の布帛に記録した場合には、通常縫製情報の視認性
が保てず、視認性を保つためにインク濃度を高めると、
洗浄しても布帛に縫製情報が残ったままになるという問
題があった。
【0012】そこで、本出願人は、布帛上に縫製情報を
記録しても視認性がよく、記録された縫製情報に基づい
て縫製された後は、その縫製情報を水で洗い流すことの
できる水溶性シートを考案した。
【0013】この水溶性シートは、布帛に貼着された状
態において、縫製情報が記録され、その縫製情報に基づ
いて縫製された後は、水で洗い流されるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
溶性シートの貼着された布帛に縫製する場合において
は、水溶性シートにしわが発生するため、そのしわを伸
ばす必要があり、アイロンがけが必要であった。また、
通常、布帛上に縫い代の印付けをするに場合においても
アイロンがけが必要であった。ところが、水溶性シート
は、布帛に比べてアイロンの滑り性が悪いため、アイロ
ンがけの際に、よじれが発生するという問題があった。
【0015】また、水溶性シートは、融点が低いため、
アイロンの熱により溶解、もしくは縮みが発生するとい
う問題があった。
【0016】本発明は、上述した問題を解決するために
なされたものであり、アイロンがけをした場合において
も、アイロンの滑り性がよく、溶解、もしくは縮みの発
生しない水溶性の基材を塗着、もしくは水溶性シートを
貼着した布帛を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の布帛は、綿、麻、絹等の
布帛の表面に水溶性の基材を塗着したものを対象とし
て、特に、前記基材の融点を約150゜C以上に設定し
たことを特徴としている。
【0018】上記構成を有する本発明の請求項1に記載
の布帛において融点が約150゜C以上に設定された水
溶性の基材は、綿、麻、絹等の布帛の表面に塗着され
る。
【0019】また、請求項2に記載の布帛は、前記基材
が、ケン化度が98以下のポリビニルアルコールを主成
分とすることを特徴としている。
【0020】上記構成を有する請求項2に記載の布帛に
おいて、融点が約150゜C以上に設定され、かつ、ケ
ン化度が98以下のポリビニルアルコールを主成分とす
る水溶性の基材は、綿、麻、絹等の布帛の表面に塗着さ
れる。
【0021】また、請求項3に記載の布帛は、綿、麻、
絹等の布帛の表面に、水溶性の基材と水溶性の粘着剤と
を積層してなる水溶性シートの前記粘着剤側の面を貼着
したものを対象として、特に、前記水溶性シートの融点
を約150゜C以上に設定したことを特徴としている。
【0022】上記構成を有する請求項3に記載の布帛に
おいて、融点が約150゜C以上に設定された水溶性シ
ートは、水溶性の基材と水溶性の粘着剤とを積層してな
り、その粘着剤側の面が綿、麻、絹等の布帛の表面に貼
着される。
【0023】さらに、請求項4に記載の布帛は、前記水
溶性シートが、ケン化度が98以下のポリビニルアルコ
ールを主成分とすることを特徴としている。
【0024】上記構成を有する請求項4に記載の布帛に
おいて、融点が約150゜C以上に設定され、かつ、ケ
ン化度が98以下のポリビニルアルコールを主成分とす
る水溶性シートは、綿、麻、絹等の布帛の表面に貼着さ
れる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0026】図1は、本発明の実施の形態における水溶
性シート材の構成を示す構成図である。図1において、
綿、麻、絹等の布帛4に貼り付けられる水溶性シート材
1は、図1に示すように大きく分けて水溶性シートであ
る水溶性シート層3と、離型層2とから構成され、水溶
性シート層3は、水溶性の基材である水溶性高分子フィ
ルム層3aと水溶性の粘着材である粘着剤層3bとの積
層体とから構成されている。
【0027】すなわち、水溶性シート材1は、離型層2
に粘着剤層3bをコーティングし、その粘着剤層3bが
乾燥した後に、粘着剤層3bを挟むようにして水溶性高
分子フィルム層3aを貼り付けたものである。
【0028】水溶性高分子フィルム層3aは、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
でんぷん、デキストリン、アルブミン、アラビアゴム、
ゼラチン、カゼイン、アルギン酸等からなっている。
【0029】離型層2は、水溶性シート層3から剥離さ
れる時に粘着剤層3bが付着しないように、離型剤がコ
ーティングされている。
【0030】離型層2には、例えば、シリコーン樹脂、
シリコーン系ワックス、フッ素系樹脂等を用いることが
できる。
【0031】本実施の形態では、水溶性の基材の例とし
て、水溶性高分子フィルムを用いて説明するが、水溶性
高分子フィルムに限定する必要はなく、水溶性の紙を用
いてもよい。
【0032】水溶性高分子フィルム層3aの厚みは、1
0〜80μmの範囲が好ましく、10μm以下ではシー
ト強度が弱くなり過ぎ、80μm以上では布帛4特有の
柔らかさが失われるとともに、水への溶解時間も長くな
る。
【0033】本発明で使用する水溶性フィルム層3a
は、縫製時にアイロンがけを伴うことから、耐熱性が要
求される。すなわち、アイロンをかけても溶解しないこ
と、縮まないことが条件とされる。布帛4へのアイロン
がけは、綿素材で高温200℃、レーヨン、ナイロン、
アセテート、ポリエステルのような化繊素材で中温17
0℃、絹、毛素材で低温150℃の温度をかけて、布帛
4のしわ伸ばしや縫い代の印付けを行っている。
【0034】従って、水溶性フィルム層3aは、耐熱が
200℃以上である必要があるが、アイロンの表面温度
が200℃になっている場合においても、布帛4を通し
て加熱される水溶性フィルム層3aでは150℃前後の
温度に低下しているので、実際には、約150゜C以上
の耐熱があればよい。
【0035】アイロンがけの際の高温にも耐えうるもの
であって、かつ、水に溶解する素材としては、ポリビニ
ルアルコールが最適である。その中でも、さらに、重合
度が200〜4500であって、ケン化度が98モル%
以下の部分ケン化ポリビニルアルコールが望ましい。し
かし、部分ケン化されたポリビニルアルコールそのまま
では、水溶性が劣る場合があるので、部分的に変性した
ポリビニルアルコールを使用することが望ましい。
【0036】変性する化合物としては、アリルアルコー
ル、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸、アリル
スルホン酸、ビニルピロリドン、エチレン、種種のビニ
ル化合物、脂肪酸のビニルエステル等が好ましく用いら
れる。
【0037】また、ポリビニルアルコールフィルムを製
造する場合には、低温での柔軟性を高めるために、グリ
セリンペトリオール、エタノールアミン、グリコール類
等の可塑剤を添加することも可能である。
【0038】粘着剤層3bの厚みは、3〜30μmの範
囲が好ましく、厚みを変えることで布帛4への貼り付け
強度を調整することができる。
【0039】水溶性シート材1は、離型層2に粘着剤層
3bをコーティング、乾燥した後に粘着剤層3bを挟む
ように水溶性フィルム層3aを貼り付けた構造を有す
る。水溶性フィルム層3aを貼り付けてできた水溶性シ
ート材1は、紙管に巻き付けられてコールドラミネータ
ー機に装着できる状態になる。
【0040】次に、水溶性シート層3を布帛4に貼り付
けるコールドラミネーター機について説明する。
【0041】図2は、本実施の形態の布帛4に水溶性シ
ート層3を貼り付ける工程を説明する説明図である。図
2において、コールドラミネーター機は、貼り合わせロ
ーラー61と、加圧ローラー60と、離型フィルム送り
ローラー66と、ガイド65と、剥離ローラー62と、
離型層巻き取りローラー63と、水溶性シート搬送ロー
ラー64とを備えている。
【0042】このコールドラミネーター機の中央部に
は、貼り合わせローラー61とその上部に加圧ローラー
60とが配置されている。これら2つのローラーの下流
側には、離型フィルム送りローラー66が配置されてお
り、布帛4の搬送がないときには、水溶性シート層3が
貼り合わせローラー61に貼り付かないようにシート部
材である離型フィルム5を搬送する。貼り合わせローラ
ー61及び加圧ローラー60が回転する前後には、布帛
4の搬送と水溶性シート層3の貼りつけられた布帛4の
搬送を補助するガイド65が配置され、貼り合わせロー
ラー60の上流側には、剥離ローラー62、離型層巻き
取りローラー63及び水溶性シート搬送ローラー64が
配置されている。また、水溶性シート材1は、紙管に巻
き取られた状態で水溶性シート搬送ローラー64に巻か
れている。
【0043】次に、コールドラミネーター機を用いて水
溶性シート材1を布帛4に貼り付けるときの動作につい
て説明する。
【0044】まず、水溶性シート搬送ローラー64から
供給された水溶性シート材1は、剥離ローラー62によ
って、離型層2と水溶性シート層3との2層に分割さ
れ、離型層2は、2つの剥離ローラー62の間を通っ
て、離型層巻き取りローラ63に巻き取られていく。剥
離ローラー62で離型紙2から剥離された水溶性シート
層3は、粘着剤層3bの積層された面の反対側の水溶性
高分子フィルム層3aを加圧ローラー60に接触させな
がら搬送され、加圧ローラー60の回転上流側のガイド
65に沿って搬送されてきた布帛4と積層され、貼り合
わせローラー61と加圧ローラー60との圧力によって
貼り付けられる。
【0045】そして、水溶性シート層3の貼り付けられ
た布帛4は、加圧ローラー60の回転下流側ガイド65
に沿って搬送される。
【0046】図3は、水溶性シート層3が布帛4に貼り
付けられる場合の様子を示した図である。すなわち、水
溶性シート層3のうち、布帛4の端面から突出した部分
においては、水溶性シート層3が貼り合わせローラー6
1に貼り付かないように、離型フィルム5を貼り合わせ
ローラー61と加圧ローラー60との間に通して水溶性
シート層3に対向させる。水溶性シート層3を布帛4に
貼り付ける場合には、水溶性シート層3と離型フィルム
5の間に布帛4が存在し、貼り合わせローラー60と加
圧ローラー61の圧力によって、布帛4に水溶性シート
層3を貼り付ける。
【0047】水溶性シート層3の貼りつけられた布帛4
は、離型フィルム5とともにナイフのような切断手段を
用いて切り取られ、さらに、切り取られた離型フィルム
5のみが、縫製情報の記録時には不要であるため、廃棄
される。
【0048】なお、前記切断手段は、布帛4の突出した
部分において、水溶性シート層3と離型フィルム5とを
切り取るようにしてもよい。
【0049】また、布帛4への水溶性シート層3の貼り
付けは、加圧ローラー60の自重、もしくはバネによっ
て加圧され、布帛4に対して十分な接着力で貼り付けら
れる。加圧ローラー60、貼りつけローラー61及び離
型層巻き取りローラー63は、図示しないモーターによ
って駆動され、連動して稼働するように設計されてい
る。
【0050】布帛4は、2mほどの長さにカットされて
おり、1人分の衣服を縫製する場合等には、この布帛4
一枚でまかなうことができるようになっている。また、
布帛4の幅は、さまざまであるが、100cm〜120
cmの幅のものが最も多く使用されている。従って、加
圧ローラー60及び貼り合わせローラー60の幅は、1
20cm以上であることが好ましい。
【0051】なお、布帛4は、2mの長さ、100cm
〜120cmの幅に限定されるものではなく、これ以外
の長さ、幅に設定してもよい。また、連続した長さであ
ってもよい。
【0052】水溶性シート層3の貼りつけられた布帛4
には、縫製情報が、特開平4−91207号公報に記載
されているような縫製情報マーキング装置に高解像度の
インクジェットヘッドを搭載した縫製情報マーキング装
置を用いて記録される。すなわち、本縫製情報マーキン
グ装置は、縫製情報に基づいて布帛を搬送する搬送手段
と、縫製情報を記録するための記録手段と、縫製情報を
記録手段に提供する制御手段とから構成され、制御手段
から送られた縫製情報によって記録手段と搬送手段が連
動し、水溶性シート層3が貼り付けられた布帛4上に縫
製情報を記録する。
【0053】記録に使用されるインクジェットヘッドに
は、プリンタ等の印刷装置に使用されるようなピエゾ方
式記録ヘッド、バブル方式記録ヘッド等を用いることが
できる。
【0054】なお、水溶性シート層3の貼り付けられた
布帛4は、布帛4のこしが強くなり、搬送性が向上して
いるため、布帛搬送の際の位置ずれが少なく、正確な位
置に縫製情報を記録することができる。
【0055】また、布帛4は、表面を水溶性シート材1
で被覆されているので、インクが布帛の繊維に浸透せ
ず、繊維が染色されることもない。
【0056】また、水溶性シート層3で布帛の表面を処
理すれば、インクは、繊維に浸透せず、水溶性シート層
3の表面に付着しているため、水溶性シート層3が透明
でない場合には、縫製情報の視認性が良好となる。
【0057】また、水溶性シート層3は、水に簡単に溶
解するので、縫製後においては、そのシートに記録され
た縫製情報を、水溶性シート層3とともに簡単に洗い流
すことができる。
【0058】また、インクジェット用インクを使うこと
により、布帛への印刷だけではなく、マーキング装置を
使った紙への印刷も行うことができるので、縫製情報か
ら型紙印刷を行うことができる。
【0059】さらに、布帛を染色できるインクを使え
ば、布帛への捺染印刷も可能となり、1台のマーキング
装置で何種類もの用途を網羅することができる。
【0060】なお、本実施の形態では、布帛4に水溶性
シート3を張り付けたが、布帛4に水溶性のペースト等
の基材を塗着してもよい。
【0061】また、本実施の形態では、水溶性のインク
を使用したが、水溶性のインクでなくてもよく、油性の
インクであってもよい。
【0062】また、本実施の形態では、印刷装置とし
て、インクジェットプリンタを使用したが、インクジェ
ット方式のプリンタに限定する必要はなく、熱転写方
式、電子写真方式、磁気記録方式及びフォント方式等の
印刷方式の印刷装置であってもよい。
【0063】さらに、記録する情報として、縫製情報の
外に、編機に用いる編成情報や、織機に用いる柄模様情
報等としてもよい。
【0064】次に、本発明の布帛に貼着される水溶性シ
ートに使用されるポリビニルアルコールフィルムのケン
化度を変えたときの実験例について説明する。
【0065】(実験例1)離型紙上に溶剤系アクリル粘
着剤をコーティングし、重合度が1700、ケン化度が
88モル%のポリビニルアルコールフィルムを貼り付け
ながら、紙管に水溶性シート材1を巻き取る。巻き取ら
れた水溶性シート材1を用いて、コールドラミネーター
で綿素材に水溶性シート層3を張りつけた後、インクジ
ェット印刷機で縫製情報を印字し、高温でアイロンがけ
を行って縫製したところ、フィルムに縮みも溶解もなく
縫製を行うことができた。この水溶性フィルム層3aの
融点は153℃であった。融点の測定は、セイコー電子
製の示差操作熱量計を用いて行った。
【0066】また、縫製完了後に洗濯機を用いて、水道
水で10分間の水洗いを行ったところ、衣服についてい
る水溶性シート層3は全く見られなかった。
【0067】(実験例2)離型紙上に溶剤系アクリル粘
着剤をコーティングし、重合度が1700、ケン化度が
96モル%のポリビニルアルコールフィルムを貼り付け
ながら、紙管に水溶性シート材1を巻き取る。実験例1
と同じように、巻き取られた水溶性シート材1を用い
て、コールドラミネーターで綿素材に水溶性シート層3
を貼り付けた後、インクジェット印刷機で縫製情報を印
字し、高温でアイロンがけを行って縫製したところ、フ
ィルムに縮みも溶解もなく縫製を行うことができた。こ
の水溶性フィルム層3aの融点は170℃であった。
【0068】また、縫製完了後に洗濯機を用いて、水道
水で10分間の水洗いを行ったところ、衣服についてい
る水溶性シート層3は全く見られなかった。
【0069】(比較例1)離型紙上に溶剤系アクリル粘
着剤をコーティングし、重合度が1750、ケン化度が
99モル%のポリビニルアルコールフィルムを貼り付け
ながら、紙管に水溶性シート材1を巻き取る。実験例1
と同じように巻き取られた水溶性シート材1を用いて、
コールドラミネーターで綿素材に水溶性シート層3を貼
り付けた後、インクジェット印刷機で縫製情報を印字し
高温でアイロンがけを行って縫製したところ、フィルム
に縮みが生じ、縫製を行うことができなかった。この水
溶性フィルム層3aの融点を測定したところ130℃で
あった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1に記載の布帛によれば、綿、麻、絹等の
布帛の表面に融点が約150゜C以上に設定された水溶
性の基材が塗着されているので、水溶性の基材は、アイ
ロンがけをした場合においても、溶解したり、縮みが発
生したりせず、本布帛の使用者は、容易にアイロンがけ
をすることができる。
【0071】また、請求項2に記載の布帛によれば、
綿、麻、絹等の布帛の表面に、ケン化度が98以下のポ
リビニルアルコールを主成分とする水溶性の基材が塗着
されているので、水溶性の基材は、水に溶け易くなり、
本布帛の使用者は、簡単に、水溶性の基材を水で洗い流
すことができる。
【0072】また、請求項3に記載の布帛によれば、融
点が約150゜C以上に設定された、水溶性の基材と水
溶性の粘着剤とを積層してなる水溶性シートの前記粘着
剤側の面が、綿、麻、絹等の布帛の表面に貼着されてい
るので、水溶性シートは、アイロンがけをした場合にお
いても、溶解したり、縮みが発生したりせず、本布帛の
使用者は、容易にアイロンがけをすることができる。
【0073】さらに、請求項4に記載の布帛によれば、
綿、麻、絹等の布帛の表面に、ケン化度が98以下のポ
リビニルアルコールを主成分とする水溶性シートが貼着
されているので、水溶性シートは、水に溶け易くなり、
本布帛の使用者は、簡単に、水溶性シートを水で洗い流
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における水溶性シート材の
構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態の布帛に水溶性シートを貼り付け
る工程を説明する説明図である。
【図3】本実施の形態の布帛に水溶性シートを貼り付け
る様子を説明した説明図である。
【符号の説明】
3 水溶性シート層 3a 水溶性高分子フィルム層 3b 粘着剤層 4 布帛

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 綿、麻、絹等の布帛の表面に水溶性の基
    材を塗着した布帛において、 前記基材の融点を約150゜C以上に設定したことを特
    徴とする布帛。
  2. 【請求項2】 前記基材は、ケン化度が98以下のポリ
    ビニルアルコールを主成分とすることを特徴とする請求
    項1に記載の布帛。
  3. 【請求項3】 綿、麻、絹等の布帛の表面に、水溶性の
    基材と水溶性の粘着剤とを積層してなる水溶性シートの
    前記粘着剤側の面を貼着した布帛において、 前記水溶性シートの融点を約150゜C以上に設定した
    ことを特徴とする布帛。
  4. 【請求項4】 前記水溶性シートは、ケン化度が98以
    下のポリビニルアルコールを主成分とすることを特徴と
    する請求項3に記載の布帛。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016507661A (ja) * 2012-12-13 2016-03-10 ゾルナウ,ジョナソン 可撓性を有する構成要素材料の属性を一時的に変えることにより商品の組み立ての円滑化

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JP2016507661A (ja) * 2012-12-13 2016-03-10 ゾルナウ,ジョナソン 可撓性を有する構成要素材料の属性を一時的に変えることにより商品の組み立ての円滑化

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