JPH10264004A - ワイヤソーのワイヤ径検出装置およびそれを使用したワイヤソー - Google Patents

ワイヤソーのワイヤ径検出装置およびそれを使用したワイヤソー

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JPH10264004A
JPH10264004A JP7145097A JP7145097A JPH10264004A JP H10264004 A JPH10264004 A JP H10264004A JP 7145097 A JP7145097 A JP 7145097A JP 7145097 A JP7145097 A JP 7145097A JP H10264004 A JPH10264004 A JP H10264004A
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wire
diameter
conductor
detecting device
wire saw
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JP7145097A
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Hideyuki Namatame
英幸 生田目
Mitsuo Tanmachi
三男 反町
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤソーにおいて走行中のワイヤの径を非
接触で常時検出できるようにしてワイヤ径を管理し、断
線の発生を未然に防止すると共に、正確な加工を可能に
する。 【解決手段】 走行するワイヤ1を被加工物54に押し
当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液40を供給し
て被加工物を加工するワイヤソーのワイヤ1、14の径
を検出するワイヤ径検出装置であって、ワイヤ1は導電
性の材料で作られており、内部をワイヤ1が通過する円
筒状の導体4と、導体4とワイヤ1の間の静電容量を検
出する容量検出器5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料のイン
ゴットから薄い円板状のウエハを同時に複数枚切り出す
などのために使用されるワイヤソーに取り付けられ、非
接触でワイヤの径を検出するワイヤ径検出装置及びこの
ようなワイヤ径検出装置を有するワイヤソーに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体インゴットから薄い円板状のウエ
ハを切り出したり、セラミックやガラス等の脆性材料に
薄溝を加工するためにダイシングソーやスライシングソ
ーと呼ばれる装置が使用される。この装置は、ダイヤモ
ンド砥粒をニッケル等で固着させた砥石刃を高速で回転
させて溝加工を行うものであり、外側が砥石刃のものを
ダイシングソー、内側が砥石刃のものをスライシングソ
ーと呼んでいる。溝の加工は、砥石刃に対して被加工物
(ワーク)を相対的に移動させることにより行う。この
ような装置では、砥石刃は通常1個であり、1回の相対
的な移動で1個の溝が加工できる。
【0003】ワークには多数の平行な溝を所定の間隔で
加工するものがある。例えば、半導体材料のインゴット
から薄い円板状のウエハを切り出す場合には、1枚のウ
エハを切り出すと、インゴットを軸方向に厚さに相当す
る量移動させた後切出し動作を行い、この動作を繰り返
して1本のインゴットから多数のウエハを切り出してい
る。しかし、これでは切り出すウエハの枚数分上記の動
作を繰り返す必要があり、1本のインゴットを処理する
のに長時間かかり、十分に高い生産効率が得られないと
いう問題があった。上記のような問題を解決するため、
ダイシングソーでは砥石刃を平行に2枚設け、2本の溝
を同時に加工することも行われているが、同時に加工で
きるのはたかだか2本の溝であり、十分に生産性を向上
させることはできない。
【0004】一方、薄溝を加工する装置として、溝の幅
より若干小さな径のワイヤを走行させながらワークに押
し当て、その部分に砥粒を含む加工液を供給して加工を
行うワイヤソーと呼ばれる装置がある。ワイヤソーで
は、ワイヤを複数の溝を有するローラに巻掛けて所定の
間隔で平行に走行するワイヤ列を形成し、このワイヤ列
の部分をワークに押し当てることにより、複数の平行な
溝を同時に加工することができる。このワイヤソーで
は、ワイヤの一端は一方のワイヤリールに巻回され、他
端は他方のワイヤリールに巻回され、ワイヤが一方のワ
イヤリールと他方のワイヤリールの間を通常500m/
分〜1000m/分という高速で往復走行する。この往
復走行の際に、ワイヤ列にワークを押し当てると共に、
ワイヤ列に砥粒を含む加工液を供給して、砥粒のラッピ
ング作用によりワークを多数の薄板状のウエハに切断す
る。
【0005】ワイヤソーで使用されるワイヤは、所定の
径の均一な真円形状であることが望ましい。しかし、ワ
イヤは鋼材を引き抜いて製造するため、ある程度径のバ
ラツキがある上、全長は均一でなく種々の歪みや局部的
な径の変化がある。また、ワイヤは、ワークを加工して
いる間に、砥粒によりそれ自体が磨耗して径が徐々に小
さくなる。加工中は、ワイヤ列がワークに所定の圧力で
押し当たるように、ワイヤは所定の力で引っ張られてい
る。そのため、ワイヤの径が小さくなったり、上記のよ
うな歪みがあると、ワイヤが断線する。ワイヤが断線す
ると、ワークやワイヤソーを構成する部品を損傷した
り、ワイヤが装置に絡みつき、それを取り除く間装置を
停止する必要があり生産効率が低下するといった問題が
あった。このような問題を解決するため、ワイヤの磨耗
状態を検出して、断線する前にワイヤを交換することが
行われていた。
【0006】ワイヤの磨耗状態の検出はワイヤの径を測
定することにより行われる。ワイヤの径は200μm程
度であり、十分な管理を行うためには、ワイヤ径が数μ
mの分解能で検出できることが必要である。ワイヤは高
速で走行しており、ワイヤの径を測定するのにマイクロ
メータなどの接触型の測定器を使用する場合、ワイヤが
走行したままでは測定できなかった。そのため、一定時
間毎にワイヤソーを一時的に停止させ、この間に作業者
がマイクロメータなどでワイヤ径を測定して、所定の値
以下になったらワイヤを交換していた。しかし、ワイヤ
径を測定するためにワイヤソーを一時的に停止させる
と、その分生産効率が低下するという問題があった。そ
のため、走行中のワイヤの状態を非接触で測定すること
が望まれていた。
【0007】そこで、本出願人は、特願平8−3330
75号で、励磁コイルと2個の検出用コイルの中に走行
するワイヤを通し、励磁コイルに発振信号を印加して差
動トランスを構成し、2個の検出用コイルに生じる起電
力の差を検出することでワイヤの歪みを非接触で検出す
るワイヤ形状検知装置を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の特願平8−33
3075号に開示されているワイヤ形状検知装置を使用
することにより、ワイヤソーを停止することなしに常時
ワイヤの状態を検出でき、生産効率を低下させることな
くワイヤの断線の発生を低減することができるようにな
る。
【0009】しかし、特願平8−333075号に開示
されているワイヤ形状検知装置では、差動トランスの原
理を使用しており、検出できるのは2個の検出用コイル
内に位置するワイヤの差である。すなわち、検出できる
のはワイヤの部分的な歪みであり、歪みのない一様な部
分のワイヤ径の変化は検出できない。そのため、加工に
伴ってワイヤ径が小さくなり、ワイヤに加えられる引張
力に耐えられずに起きる断線については検出できないと
いう問題があった。
【0010】本発明は、このような問題を解決するため
のもので、ワイヤソーのワイヤ径の変化を非接触で検出
できるワイヤ径検出装置およびそれを使用して生産効率
を低下させることなくワイヤ径を管理できるワイヤソー
の実現を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明のワイヤ
ソーのワイヤ径検出装置の基本構成を示す図である。図
1に示すように、本発明のワイヤソーのワイヤ径検出装
置は、導電性の材料で作られたワイヤ1が内部を通過す
るように筒状の導体4を設け、容量検出器でワイヤの径
に応じて変化する導体4とワイヤ1の間の静電容量を検
出することでワイヤ径を検出する。
【0012】すなわち、本発明のワイヤソーのワイヤ径
検出装置は、走行するワイヤ1を被加工物に押し当て、
押し当てた部分に砥粒を含む加工液を供給して被加工物
を加工するワイヤソーのワイヤ1の径を検出するワイヤ
径検出装置であって、ワイヤ1は導電性の材料で作られ
ており、内部をワイヤ1が通過する筒状の導体4と、導
体4とワイヤ1の間の静電容量を検出する容量検出器5
とを備えることを特徴とする。
【0013】本発明のワイヤソーのワイヤ径検出装置で
は、筒状の導体4の内部を走行するワイヤ1が通過する
ため、ワイヤ1が導体4に接触することはない。導体4
とワイヤ1の間の静電容量は、ワイヤ1の径に応じて変
化する。従って、容量検出器5で導体4とワイヤ1の間
の静電容量を検出すれば、ワイヤ1の径を非接触で検出
できる。
【0014】容量検出器5は、微少な容量の変化を検出
できるものであればどのようなものでもよいが、例え
ば、発振信号印加回路で一定の振幅の発振信号を導体4
に印加し、それにより生じる信号の振幅電圧を振幅電圧
検出回路で検出することができる。この場合、導体4の
周囲の電界が影響するのを防止するため、導体4の周囲
に周囲の電界の影響を遮断するガード部材を設けること
が望ましい。
【0015】また、本発明のワイヤソーは、上記のよう
なワイヤ径検出装置を備え、ワイヤ径検出装置が検出し
たワイヤの径が所定値以下になった時にワイヤの走行を
停止して、ワイヤの交換を指示するようにする。これに
より、断線を未然に防止できる。また、上記のワイヤ径
検出装置は、ワイヤ表面が汚れていたり、洗浄液がつい
ているとワイヤ径を正確に検出できないため、ワイヤが
ワイヤ径検出装置中を通過する前の部分に、ワイヤを洗
浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段を設けることが望まし
い。また、ワイヤ径検出装置の洗浄・乾燥手段が設けら
れている反対側に更にワイヤを乾燥する乾燥手段又はワ
イヤを洗浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段を設けること
が望ましい。また、ワイヤ径検出装置の汚れを防止する
ためには、ワイヤ径検出装置は、ワイヤが垂直方向に走
行する部分に設けることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の実施例のワイヤ
ソーの全体構成を示す図である。まず、ワイヤソーの全
体構成を簡単に説明する。図1に示すように、一方のリ
ール12に巻回されたワイヤ14は、ワイヤ案内装置1
6a、複数の固定ガイドローラ18、移動ローラ20を
経由して3本の溝付きローラ22a、22b、22cに
順次巻き掛けられてワイヤ列24を形成した後、複数の
固定ガイドローラ18、移動ローラ20、ワイヤ案内装
置16bを経て他方のリール26に巻き取られというワ
イヤ走行経路を形成する。移動ローラ20には、所定重
量のおもり44が吊り下げられ、おもり44の荷重によ
りワイヤ14に常時所定の張力が印加される。また、ワ
イヤ走行経路の途中には、ワイヤ洗浄装置46aと46
bが設けられており、ワイヤ14に付着した加工液40
が除去される。ワイヤ14は鋼材でできている。
【0017】各リール12、26は、正逆回転可能な駆
動モータ28、30に連結されており、3本の溝付きロ
ーラ22のうち1本の溝付きローラ22は正逆回転可能
な駆動モータ32に連結されている。一方のリール12
から繰り出されたワイヤ14は、図中実線で示した矢印
34の方向に500m/分〜1000m/分の高速で走
行しながら他方のリール26に巻き取られる。また、一
端他方のリール26に巻き取られたワイヤ14は、矢印
34と反対の方向に走行してリール12に巻き取られ
る。すなわち、ワイヤ14は一方のリール12と他方の
リール26の間を往復走行する。
【0018】2個の溝付きローラ22bと22cの間に
形成されるワイヤ列24の部分には、砥粒貯留タンク3
8に貯留された砥粒(通常、GC#600〜GC#10
00程度の砥粒が使用される。)を含む加工液40が砥
粒供給ノズル42から供給される。ワイヤ列24の下方
には被加工物(ワーク)を載置して移動させるワーク送
りテーブル48が設けられている。ワーク送りテーブル
48は、モータ50で回動する送りネジ52によりワイ
ヤ列24の平面に対して垂直な方向(図中Y−Y方向)
に移動可能であり、ワーク送りテーブル48のワイヤ列
24側にはワークである半導体インゴット54がブロッ
ク56とスライスベース58を介して支持される。ワー
ク送りテーブル48をワイヤ列24側に移動させると、
半導体インゴット54は高速に走行するワイヤ列24に
押し当てられ、ワイヤ列24に供給される加工液40の
砥粒によるラッピング作用により、半導体インゴット5
4を多数の薄板状のウエハに切断する。以上は、従来の
ワイヤソーと同じ構成である。
【0019】本実施例のワイヤソーは、上記の構成に加
えて、ワイヤ径検出装置60aと60bを有している。
ワイヤ径検出装置60aは、ワイヤ14が矢印34の方
向に走行する時のワイヤ洗浄装置46aの後の位置に設
けられており、その部分ではワイヤ14は垂直方向に走
行する。また、ワイヤ径検出装置60bは、ワイヤ14
が矢印34と逆の方向に走行する時のワイヤ洗浄装置4
6bの後の位置に設けられており、その部分ではワイヤ
14は垂直方向に走行する。後述するように、本実施例
で使用するワイヤ径検出装置60aと60bは、ワイヤ
14に加工液や砥粒が付着しているとワイヤ径を正確に
検出できない。そのため、ワイヤ径検出装置60aは、
ワイヤ14が矢印34の方向に走行する時に、ワイヤ洗
浄装置46aで洗浄された後のワイヤ14の径を検出す
る。ワイヤ14が矢印34の方向に走行する時には、ワ
イヤ径検出装置60bはワイヤ径の検出を行わない。ま
た、ワイヤ径検出装置60bは、ワイヤ14が矢印34
と逆の方向に走行する時に、ワイヤ洗浄装置46bで洗
浄された後のワイヤ14の径を検出する。ワイヤ14が
矢印34と逆の方向に走行する時には、ワイヤ径検出装
置60aはワイヤ径の検出を行わない。
【0020】図3は、本実施例で使用するワイヤ径検出
装置60aの構成を示す図であり、ワイヤ径検出装置6
0bも同様の構成を有する。図3に示すように、ワイヤ
径検出装置60aは、ワイヤ14が内部を通過するよう
に円筒状の導体61が設けられており、その回りには周
囲の電界が導体61に影響するのを防止するためのガー
ド部材62が設けられている。ガード部材62の更に外
側には接地された遮蔽部材63が設けられている。導体
61、ガード部材62及び遮蔽部材63の間には絶縁体
が設けられている。導体61の上下には乾燥機82と8
3が設けられている。参照番号71はゲイン制御可能な
発振回路であり、数kHz〜数十kHzの一定の周波数
の正弦波信号を出力し、その振幅はオートマチック・ゲ
イン・コントロール(AGC)回路72により常に一定
になるように制御される。この正弦波信号はアンプ73
1で増幅された後、コンデンサ77を介して導体61に
印加される。この信号は、オペアンプ732の非反転入
力端子に入力され、オペアンプ732の出力端子は、ガ
ード部材62に接続されている。オペアンプ732の反
転入力端子は出力に接続されており、オペアンプ732
はゲイン1の増幅器を構成する。上記の正弦波信号が導
体61に印加されると導体61の電圧が正弦波状に変化
する。この時の導体61の電圧信号の振幅は、ワイヤ1
4と導体61で構成されるコンデンサの容量に応じて変
化する。この導体61の電圧信号と同じ信号がオペアン
プ732の非反転入力端子に現れるが、上記のようにオ
ペアンプ732はゲイン1の増幅器を構成しており、オ
ペアンプ732の出力にも導体61の電圧信号と同じ信
号が現れる。従って、ガード部材62の電圧も導体61
の電圧と同じになるので、導体61とワイヤ14で構成
されるコンデンサの容量は周囲の影響を受けない。振幅
電圧検出回路74は、ガード部材62の電圧、すなわち
導体61の電圧を検出し、検出信号は増幅回路75で増
幅されてメータ76に印加され、メータ76は導体61
の振幅電圧に応じた値を示す。
【0021】図4は、図3のワイヤ径検出装置60aに
おける検出原理を示す図であり、(1)が等価回路を、
(2)が信号の変化を示す。導体61の内部をワイヤ1
4が通過しており、この部分はコンデンサ80と等価で
ある。コンデンサ80の容量は、ワイヤ14の径に応じ
て変化し、ワイヤ14の径が小さくなると容量も低下す
る。ワイヤ14は金属のローラに接触しているため接地
されており、このコンデンサ80の一方は接地され、他
方にアンプアンプ731から正弦波信号が印加されるこ
とになる。正弦波信号が印加されると、コンデンサ80
の一方の電圧は、図4の(2)に示すように正弦波状に
変化する。ここで、図4の(2)の正弦波信号の振幅は
コンデンサ80の容量に応じて変化する。従って、図3
の構成で、振幅電圧検出回路74で導体61の振幅電圧
を検出すれば、導体61とワイヤ14で構成されるコン
デンサ80の容量、すなわち、ワイヤ14の径が検出で
きる。
【0022】図3の構成で、導体61やワイヤ14に加
工液40の滴などが付着しているとコンデンサの容量が
変化し、ワイヤ14の径を正確に検出できなくなる。そ
のため、上記のように、ワイヤ径検出装置60aは、ワ
イヤ洗浄装置46aで洗浄された後のワイヤ14の径を
検出するが、ワイヤ洗浄装置46aで洗浄されたワイヤ
14には洗浄液が付着している。そのため、ワイヤ径検
出装置60aとワイヤ洗浄装置46aの間に乾燥機82
を設けて洗浄液を除去した後導体61を通過させるよう
にしている。
【0023】また、ワイヤ14が矢印34と逆の方向に
走行する場合には、ワイヤ14の径の検出はワイヤ径検
出装置60bで行われ、ワイヤ径検出装置60aではワ
イヤ径の検出は行わない。しかし、ワイヤ列24の部分
では加工液40が供給されるため、ワイヤ径検出装置6
0aを通過するワイヤ14には加工液40の滴が付着し
ている。ワイヤ14は導体61には接触しないようにな
っているが、この滴が導体61に付着する場合がある。
滴が付着している状態ではもちろん容量が変化するが、
滴が乾燥した場合加工液40の成分や砥粒が導体61の
内壁に固着し、累積する。そのため容量が大きく変化す
る可能性がある。このような問題を防止するため、ワイ
ヤ径検出装置60aの上側にも乾燥機83を設け、ワイ
ヤ14に付着した加工液40を乾燥させた後、導体61
内を通過させるようにする。これであればワイヤ14は
導体61に接触しないので、導体61の内壁が汚れるこ
とはなくなる。乾燥機81で乾燥されるため加工液40
の成分や砥粒がワイヤ14に付いた状態になるが、これ
はワイヤ洗浄装置46aで洗浄され、更に逆方向に走行
する時に再びワイヤ洗浄装置46aで洗浄されるため除
去される。
【0024】ワイヤ径検出装置60aを設ける位置は、
図2及び図3に示すように、ワイヤ14が垂直方向に走
行する位置であることが望ましい。ワイヤ14が水平に
走行する位置では、ワイヤ14は自重で多少たわむ。し
かし、ワイヤ14が導体61内を通過する位置は多少変
動しても容量の変化はほとんど無視できるので、この点
からは、ワイヤ径検出装置60aを設ける位置はあまり
問題にならない。しかし、上記のように、ワイヤ14に
加工液や洗浄液又は乾燥されたそれらの成分が付着して
いる場合や、水平に走行している部分ではそれらがワイ
ヤ14から離脱して導体61の表面に堆積する可能性が
高くなる。これに対して、ワイヤ14が垂直に走行して
いる部分にワイヤ径検出装置60aを設ければ、ワイヤ
14に付着している加工液や洗浄液又は乾燥されたそれ
らの成分が離脱する可能性が減り、更にたとえ離脱して
も導体61の表面には付着しにくい。従って、ワイヤ径
検出装置60aは、ワイヤ14が垂直に走行している部
分に設けることが望ましい。
【0025】上記のように、図2の構成では、2個のワ
イヤ径検出装置60aと60bを設けることにより、往
復走行するワイヤ14の径を非接触で常時検出できるよ
うにしている。図2の構成であれば、ワイヤ14は、ワ
イヤ径検出装置60aと60bでワイヤ径が検出された
後、加工部分に供給される。いいかえれば、2個のワイ
ヤ径検出装置60aと60bは加工部分に対して同じ条
件でワイヤ14の径を検出するといえる。これに対し
て、2個のワイヤ径検出装置60aと60bのいずれか
一方のみを残し他方を除去しても、往復走行するワイヤ
14の径を検出できる。ただし、この場合には、図8に
示すように、ワイヤ径検出装置の前後にワイヤ洗浄装置
84,86と乾燥機85,87の組を設ける必要があ
る。これであれば、いずれの方向に走行する場合もワイ
ヤ14の径を検出することができる。ただし、一方に走
行する場合と逆方向に走行する場合で、加工部に対する
検出位置の関係がことなる。すなわち、加工部分に供給
される前のワイヤ径を検出するか、加工部分で使用され
た後のワイヤ径を検出するかの違いが生じる。
【0026】本実施例のワイヤソーは、ワイヤ14の径
を装置を停止することなく常時検出して、ワイヤ14の
径が所定の値以下になった時には装置の動作を停止して
ワイヤ14を交換するように作業者に指示する。図5
は、ワイヤソーの制御部の本発明に関係する部分のみを
示したブロック構成図である。図示のように、全体の制
御部90には、ワイヤ径検出装置60(60aと60b
で構成される。)が接続されており、ワイヤ径検出装置
60が検出したワイヤ径が所定の閾値以下になった時に
は、モータ28、30、32、50を停止させて、表示
装置91にワイヤ14の交換を指示する表示を行う。
【0027】ここで、ワイヤ径を管理することの必要性
について説明する。図6は、ワイヤ列24がワーク54
に押し当てられている部分の断面を示す図である。図示
のように、平行に走行するワイヤ14がワーク54に押
し当てられ、上部に設けられた砥粒供給ノズル42から
は加工液40が供給される。ここで、ワイヤ列24のワ
イヤ14のピッチをPw、ワイヤ径をφw、砥粒径をφ
gとすると、切り出されるウエハの厚さTは、Pw−φ
w−3φgとなることが知られている。Pwとφgは一
定に保持することが可能であるから、Tの誤差はワイヤ
径φwによって決定される。従って、ワイヤ径φwを管
理すれば切り出すウエハの圧差を所定の範囲内にでき
る。
【0028】また、ワイヤ14の材質や加える引張圧、
およびワークの材質等の条件が同じであれば、ワイヤ1
4の径と断線の発生する率は、図7に示すように変化す
る。図7から明らかなように、あるワイヤ径以上になる
と、断線発生率が急激に増加することが分かる。従っ
て、常時ワイヤ径を監視して、図示のような交換すべき
ワイヤ径になった時点でワイヤ14を交換すれば、効率
よくワイヤ14を使用した上で、断線の発生を防止する
ことができる。
【0029】なお、ワーク54に途中まで溝を加工した
時点でワイヤ14を交換するのは面倒である上、途中で
ワイヤ径が異なるので好ましくない。そこで、あらかじ
め加工時間とワイヤ径の減少の関係を調べておき、次の
溝を加工している途中でワイヤ径が上記の交換すべきワ
イヤ径になる恐れがある場合には、その溝の加工を開始
する前にワイヤを交換するように指示することが望まし
い。図9は、この操作を説明する図であり、ワイヤソー
の動作時間とワイヤ14の磨耗量、すなわちワイヤ径の
減少量との関係があらかじめ調べられており、その関係
が制御部90に記憶されているとする。(ここでは、動
作時間とワイヤ径の減少量が比例するとして示してあ
る。)すなわち、1回の溝の加工で減少するワイヤ径の
量が記憶されている。ここで、ワイヤ14を交換する必
要のあるワイヤ径を交換閾値とすると、交換閾値に1回
当りのワイヤ径の減少量を加えた値を判定値とする。そ
して、加工中にこの判定値以下になった時には、その溝
の加工が終了した時点で、ワイヤの交換を指示する表示
を行う。また、溝の加工を開始する前に、ワイヤ径の検
出を行って、判定値以下であった場合には、ワイヤの交
換を指示する表示を行うようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤソーにおいて走行中のワイヤの径を非接触で常時
検出できるので、ワイヤ径を管理することができる。こ
れにより、断線の発生を未然に防止しながらワイヤを効
率よく使用できる上、正確な加工が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤソーのワイヤ径の検出装置の基
本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例のワイヤソーの全体構成を示す
図である。
【図3】実施例のワイヤ径検出装置の構成を示す図であ
る。
【図4】実施例におけるワイヤ径検出の原理を説明する
図である。
【図5】実施例のワイヤソーの全体の制御部の構成を示
すブロック図である。
【図6】ワイヤソーでの加工部分の様子を示す図であ
る。
【図7】ワイヤソーでのワイヤ径と断線発生率の関係を
示す図である。
【図8】ワイヤ径検出装置の前後にワイヤ洗浄装置と乾
燥機の組を設けた例を示す図である。
【図9】溝加工の途中でワイヤを交換しないようにする
ための処理を説明する図である。
【符号の説明】
1、14…ワイヤ 4、61…筒状導体 5…容量検出器 62…ガード部材 71…ゲイン可変発振回路 72…オートマチック・ゲイン・コントロール(AG
C)回路 731…アンプ 732…オペアンプ 74…振幅電圧検出回路 75…増幅回路 46a、46b、84、86…洗浄装置 82、83、85、87…乾燥機

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するワイヤ(1)を被加工物に押し
    当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液を供給して前
    記被加工物を加工するワイヤソーの前記ワイヤ(1)の
    径を検出するワイヤ径検出装置であって、 前記ワイヤ(1)は導電性の材料で作られており、 内部を前記ワイヤ(1)が通過する筒状の導体(4)
    と、 該導体(4)と前記ワイヤ(1)の間の静電容量を検出
    する容量検出器(5)とを備えることを特徴とするワイ
    ヤソーのワイヤ径検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のワイヤソーのワイヤ径
    検出装置であって、 前記容量検出器(5)は、一定の振幅の発振信号を前記
    導体(4)に印加する発振信号印加回路(71、72、
    73)と、前記発振信号を印加することにより前記導体
    (4)に生じる信号の振幅電圧を検出する振幅電圧検出
    回路(74)とを備えるワイヤソーのワイヤ径検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のワイヤソーのワイヤ径
    検出装置であって、 前記導体(4)の周囲に設けられ、周囲の電界の前記導
    体(4)への影響を遮断するガード部材(62)を備え
    るワイヤソーのワイヤ径検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    ワイヤソーのワイヤ径検出装置(60a,60b)を備
    えるワイヤソー。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ(1)が前記ワイヤ径検出装置(60a,6
    0b)中を通過する前の部分に、前記ワイヤ(1)を洗
    浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段(46a,46b,8
    0)を備えるワイヤソー。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ径検出装置(60a,60b)の前記洗浄・
    乾燥手段(46a,46b,80)が設けられている側
    と反対側に、更に前記ワイヤ(1)を乾燥する第2の乾
    燥手段(81)を備えるワイヤソー。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ(1)が前記ワイヤ径検出装置(60a,6
    0b)中を通過する前後に、前記ワイヤ(1)を洗浄し
    た後乾燥する2つの洗浄・乾燥手段(84,85;8
    6,87)を備えるワイヤソー。
  8. 【請求項8】 請求項4から6のいずれか1項に記載の
    ワイヤソーであって、 前記ワイヤ径検出装置(60a,60b)は、前記ワイ
    ヤ(1)が垂直方向に走行する部分に設けられているワ
    イヤソー。
  9. 【請求項9】 請求項4から8のいずれか1項に記載の
    ワイヤソーであって、 前記ワイヤ径検出装置(60a,60b)が検出した前
    記ワイヤ(1)の径が所定値以下になった時に前記ワイ
    ヤ(1)の走行を停止して、前記ワイヤ(1)の交換を
    指示する制御部(90)を備えるワイヤソー。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のワイヤソーであっ
    て、 前記制御部(90)は、前記ワイヤ(1)の径が1回の
    加工で減少する単位減少量をあらかじめ記憶しており、
    前記ワイヤ(1)の径が前記所定値に前記単位減少量を
    加えた値以下になった時には、加工終了後次の加工を開
    始するまでの間に前記ワイヤ(1)の交換を指示するワ
    イヤソー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102636104A (zh) * 2012-05-15 2012-08-15 安徽工业大学 一种电容式螺纹钢线径在线测量系统及其检测方法
JP2019198947A (ja) * 2018-05-18 2019-11-21 株式会社小松製作所 ワイヤソーの運転パラメータの設定方法及びワイヤソー

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