JPH10264006A - ワイヤソーのワイヤ径検出装置およびそれを使用したワイヤソー - Google Patents

ワイヤソーのワイヤ径検出装置およびそれを使用したワイヤソー

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JPH10264006A
JPH10264006A JP7236697A JP7236697A JPH10264006A JP H10264006 A JPH10264006 A JP H10264006A JP 7236697 A JP7236697 A JP 7236697A JP 7236697 A JP7236697 A JP 7236697A JP H10264006 A JPH10264006 A JP H10264006A
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diameter
oscillation
saw
detecting device
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JP7236697A
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Hideyuki Namatame
英幸 生田目
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤソーにおいて走行中のワイヤの径を非
接触で常時検出できるようにして、断線の発生を未然に
防止すると共に、正確な加工を可能にする。 【解決手段】 走行するワイヤ14を被加工物54に押
し当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液40を供給
して被加工物54を加工するワイヤソーのワイヤ14の
径を検出するワイヤ径検出装置であって、ワイヤ14は
磁性材料で作られており、内部をワイヤ14が通過する
インダクタンス素子61と、少なくとも1個の容量素子
62を有し、インダクタンス素子61とLC発振回路6
4を形成するLC発振補助回路63と、LC発振回路6
4の発振周波数を検出する発振周波数検出回路65、6
6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料のイン
ゴットから薄い円板状のウエハを同時に複数枚切り出す
などのために使用されるワイヤソーに取り付けられ、非
接触でワイヤの径を検出するワイヤ径検出装置及びこの
ようなワイヤ径検出装置を有するワイヤソーに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体インゴットから薄い円板状のウエ
ハを切り出したり、セラミックやガラス等の脆性材料に
薄溝を加工するためにダイシングソーやスライシングソ
ーと呼ばれる装置が使用される。この装置は、ダイヤモ
ンド砥粒をニッケル等で固着させた砥石刃を高速で回転
させて溝加工を行うものであり、外側が砥石刃のものを
ダイシングソー、内側が砥石刃のものをスライシングソ
ーと呼んでいる。溝の加工は、砥石刃に対して被加工物
(ワーク)を相対的に移動させることにより行う。この
ような装置では、砥石刃は通常1個であり、1回の相対
的な移動で1個の溝が加工できる。
【0003】ワークには多数の平行な溝を所定の間隔で
加工するものがある。例えば、半導体材料のインゴット
から薄い円板状のウエハを切り出す場合には、1枚のウ
エハを切り出すと、インゴットを軸方向に厚さに相当す
る量移動させた後切出し動作を行い、この動作を繰り返
して1本のインゴットから多数のウエハを切り出してい
る。しかし、これでは切り出すウエハの枚数分上記の動
作を繰り返す必要があり、1本のインゴットを処理する
のに長時間かかり、十分に高い生産効率が得られないと
いう問題があった。上記のような問題を解決するため、
ダイシングソーでは砥石刃を平行に2枚設け、2本の溝
を同時に加工することも行われているが、同時に加工で
きるのはたかだか2本の溝であり、十分に生産性を向上
させることはできない。
【0004】一方、薄溝を加工する装置として、溝の幅
より若干小さな径のワイヤを走行させながらワークに押
し当て、その部分に砥粒を含む加工液を供給して加工を
行うワイヤソーと呼ばれる装置がある。ワイヤソーで
は、ワイヤを複数の溝を有するローラに巻掛けて所定の
間隔で平行に走行するワイヤ列を形成し、このワイヤ列
の部分をワークに押し当てることにより、複数の平行な
溝を同時に加工することができる。このワイヤソーで
は、ワイヤの一端は一方のワイヤリールに巻回され、他
端は他方のワイヤリールに巻回され、ワイヤが一方のワ
イヤリールと他方のワイヤリールの間を通常500m/
分〜1000m/分という高速で往復走行する。この往
復走行の際に、ワイヤ列にワークを押し当てると共に、
ワイヤ列に砥粒を含む加工液を供給して、砥粒のラッピ
ング作用によりワークを多数の薄板状のウエハに切断す
る。
【0005】ワイヤソーで使用されるワイヤは、所定の
径の均一な真円形状であることが望ましい。しかし、ワ
イヤは鋼材を引き抜いて製造するため、ある程度径のバ
ラツキがある上、全長は均一でなく種々の歪みや局部的
な径の変化がある。また、ワイヤは、ワークを加工して
いる間に、砥粒によりそれ自体が磨耗して径が徐々に小
さくなる。加工中は、ワイヤ列がワークに所定の圧力で
押し当たるように、ワイヤは所定の力で引っ張られてい
る。そのため、ワイヤの径が小さくなったり、上記のよ
うな歪みがあると、ワイヤが断線する。ワイヤが断線す
ると、ワークやワイヤソーを構成する部品を損傷した
り、ワイヤが装置に絡みつき、それを取り除く間装置を
停止する必要があり生産効率が低下するといった問題が
あった。このような問題を解決するため、ワイヤの磨耗
状態を検出して、断線する前にワイヤを交換することが
行われていた。
【0006】ワイヤの磨耗状態の検出はワイヤの径を測
定することにより行われる。ワイヤの径は200μm程
度であり、十分な管理を行うためには、ワイヤ径が数μ
mの分解能で検出できることが必要である。ワイヤは高
速で走行しており、ワイヤの径を測定するのにマイクロ
メータなどの接触型の測定器を使用する場合、ワイヤが
走行したままでは測定できなかった。そのため、一定時
間毎にワイヤソーを一時的に停止させ、この間に作業者
がマイクロメータなどでワイヤ径を測定して、所定の値
以下になったらワイヤを交換していた。しかし、ワイヤ
径を測定するためにワイヤソーを一時的に停止させる
と、その分生産効率が低下するという問題があった。そ
のため、走行中のワイヤの状態を非接触で測定すること
が望まれていた。
【0007】そこで、本出願人は、特願平8−3330
75号で、励磁コイルと2個の検出用コイルの中に走行
するワイヤを通し、励磁コイルに発振信号を印加して差
動トランスを構成し、2個の検出用コイルに生じる起電
力の差を検出することでワイヤの歪みを非接触で検出す
るワイヤ形状検知装置を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の特願平8−33
3075号に開示されているワイヤ形状検知装置を使用
することにより、ワイヤソーを停止することなしに常時
ワイヤの状態を検出でき、生産効率を低下させることな
くワイヤの断線の発生を低減することができるようにな
る。
【0009】しかし、特願平8−333075号に開示
されているワイヤ形状検知装置では、差動トランスの原
理を使用しており、検出できるのは2個の検出用コイル
内に位置するワイヤの径の差である。すなわち、検出で
きるのはワイヤの部分的な歪みであり、歪みのない一様
な部分のワイヤ径の変化は検出できない。そのため、加
工に伴ってワイヤ径が小さくなり、ワイヤに加えられる
引張力に耐えられずに起きる断線については検出できな
いという問題があった。
【0010】本発明は、このような問題を解決するため
のもので、ワイヤソーのワイヤ径の変化を非接触で検出
できるワイヤ径検出装置およびそれを使用して生産効率
を低下させることなくワイヤ径を管理できるワイヤソー
の実現を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明のワイヤソーのワイヤ径検出装置は、ワイヤ
をインダクタンス素子の鉄心として作用させ、ワイヤ径
の変化に応じてインダクタンス素子のインダクタンスが
変化するようにして、インダクタンス素子のインダクタ
ンスの変化を検出することによりワイヤ径を検出する
か、ワイヤを筒状の導体内を通過させて容量素子を形成
し、ワイヤ径の変化に応じて容量素子の容量が変化する
ようにし、容量素子の容量の変化を検出することにより
ワイヤ径を検出する。インダクタンス素子のインダクタ
ンスの変化又は容量素子の容量の変化は、インダクタン
ス素子又は容量素子でLC発振回路を形成し、第1の態
様ではLC発振回路の発振周波数の変化で検出し、第2
の態様ではLC発振回路の発振信号の電圧の変化で検出
する。図1は、本発明の第1の態様のワイヤソーのワイ
ヤ径検出装置の基本構成を示す図であり、(1)がワイ
ヤをインダクタンス素子の鉄心として作用させる場合
を、(2)はワイヤで容量素子を形成する場合を示す。
また、図2は、本発明の第2の態様のワイヤソーのワイ
ヤ径検出装置の基本構成を示す図であり、(1)がワイ
ヤをインダクタンス素子の鉄心として作用させる場合
を、(2)はワイヤで容量素子を形成する場合を示す。
【0012】図1の(1)及び図2の(1)に示すよう
に、走行するワイヤ14が内部を通過するコイルなどの
インダクタンス素子61を設け、これに容量素子62を
組み合わせてLC発振回路64を形成する。第1の態様
では、図1の(1)に示すように、周波数−電圧(F−
V)変換器65でLC発振回路64の発振周波数を電圧
に変換してアンプ66で増幅した後、表示器67で表示
する。第2の態様では、図2の(1)に示すように、整
流回路81でLC発振回路64の発振信号を整流して直
流信号に変換し、その電圧をアンプ66で増幅した後、
表示回路83で表示する。定電圧電源は、電圧の変化を
正確に検出するためのものであり、各回路に一定の電圧
を供給する。
【0013】また、図1の(2)及び図2の(2)に示
すように、走行するワイヤ14が内部を通過する導体7
1を設け、ワイヤ14と導体71で容量素子を形成し、
この容量素子にインダクタンス素子72を組み合わせて
LC発振回路74を形成する。図1の(2)に示すよう
に、第1の態様では、図1の(1)の場合と同様に、L
C発振回路74の発振周波数を検出する。また、図2の
(2)に示すように、第2の態様では、図2の(1)の
場合と同様に、LC発振回路74の発振信号の電圧を検
出する。
【0014】本発明のワイヤソーのワイヤ径検出装置で
は、ワイヤ14は、インダクタンス素子61又は筒状の
導体71の内部を走行するので、ワイヤ14がインダク
タンス素子61又は筒状の導体71に接触することはな
く、ワイヤ14の径が非接触で検出できる。第1の態様
において、LC発振回路の周波数を逓倍するPLL回路
を設けることにより、周波数の変化を拡大でき、発振周
波数検出回路の検出感度を高くすることができる。
【0015】ワイヤ14と導体71で容量素子を形成す
る場合には、導体71の周囲の電界が影響するのを防止
するため、周囲の電界の影響を遮断するガード部材を導
体71の周囲に設けることが望ましい。また、ワイヤ1
4をインダクタンス素子61の鉄心として作用させる場
合も、インダクタンス素子61の周囲の磁界が影響する
のを防止するため、周囲の磁界の影響を遮断する磁気シ
ールドをインダクタンス素子61の周囲に設けることが
望ましい。
【0016】本発明のワイヤソーは、上記のようなワイ
ヤ径検出装置を備え、ワイヤ径検出装置が検出したワイ
ヤの径が所定値以下になった時にワイヤの走行を停止し
て、ワイヤの交換を指示するようにする。これにより、
断線を未然に防止できる。ワイヤ径検出装置として上記
のワイヤ14と導体71で容量素子を形成する装置を使
用する場合には、ワイヤ表面が汚れていたり、洗浄液が
ついているとワイヤ径を正確に検出できないため、ワイ
ヤがワイヤ径検出装置中を通過する前の部分に、ワイヤ
を洗浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段を設けることが望
ましい。また、ワイヤ径検出装置の洗浄・乾燥手段が設
けられている反対側に更にワイヤを乾燥する乾燥手段又
はワイヤを洗浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段を設ける
ことが望ましい。
【0017】また、ワイヤ径検出装置は、ワイヤが垂直
方向に走行する部分に設けることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の第1実施例のワ
イヤソーの全体構成を示す図である。まず、ワイヤソー
の全体構成を簡単に説明する。図2に示すように、一方
のリール12に巻回されたワイヤ14は、ワイヤ案内装
置16a、複数の固定ガイドローラ18、移動ローラ2
0を経由して3本の溝付きローラ22a、22b、22
cに順次巻き掛けられてワイヤ列24を形成した後、複
数の固定ガイドローラ18、移動ローラ20、ワイヤ案
内装置16bを経て他方のリール26に巻き取られとい
うワイヤ走行経路を形成する。移動ローラ20には、所
定重量のおもり44が吊り下げられ、おもり44の荷重
によりワイヤ14に常時所定の張力が印加される。ま
た、ワイヤ走行経路の途中には、ワイヤ洗浄装置46a
と46bが設けられており、ワイヤ14に付着した加工
液40が除去される。ワイヤ14は鋼材でできている。
【0019】各リール12、26は、正逆回転可能な駆
動モータ28、30に連結されており、3本の溝付きロ
ーラ22のうち1本の溝付きローラ22は正逆回転可能
な駆動モータ32に連結されている。一方のリール12
から繰り出されたワイヤ14は、図中実線で示した矢印
34の方向に500m/分〜1000m/分の高速で走
行しながら他方のリール26に巻き取られる。また、一
端他方のリール26に巻き取られたワイヤ14は、矢印
34と反対の方向に走行してリール12に巻き取られ
る。すなわち、ワイヤ14は一方のリール12と他方の
リール26の間を往復走行する。
【0020】2個の溝付きローラ22bと22cの間に
形成されるワイヤ列24の部分には、砥粒貯留タンク3
8に貯留された砥粒(通常、GC#600〜GC#10
00程度の砥粒が使用される。)を含む加工液40が砥
粒供給ノズル42から供給される。ワイヤ列24の下方
には被加工物(ワーク)を載置して移動させるワーク送
りテーブル48が設けられている。ワーク送りテーブル
48は、モータ50で回動する送りネジ52によりワイ
ヤ列24の平面に対して垂直な方向(図中Y−Y方向)
に移動可能であり、ワーク送りテーブル48のワイヤ列
24側にはワークである半導体インゴット54がブロッ
ク56とスライスベース58を介して支持される。ワー
ク送りテーブル48をワイヤ列24側に移動させると、
半導体インゴット54は高速に走行するワイヤ列24に
押し当てられ、ワイヤ列24に供給される加工液40の
砥粒によるラッピング作用により、半導体インゴット5
4を多数の薄板状のウエハに切断する。以上は、従来の
ワイヤソーと同じ構成である。
【0021】本実施例のワイヤソーは、上記の構成に加
えて、ワイヤ径検出装置60を有している。ワイヤ径検
出装置60は、ワイヤ14が矢印34の方向に走行する
時のワイヤ洗浄装置46aの後の位置に設けられてお
り、その部分ではワイヤ14は垂直方向に走行する。図
4は、本実施例で使用するワイヤ径検出装置60の構成
を示す図である。図4に示すように、ワイヤ径検出装置
60は、ワイヤ14が内部を通過するようにコイル61
が設けられている。ワイヤ14はコイル61の鉄心とし
て作用し、ワイヤ14の径が変化するとコイル61のイ
ンダクタンスが変化する。コイル61には、別に鉄心が
設けられていてもよい。コイル61に並列に、直列に接
続されたコンデンサ91と92が接続されており、共振
回路を構成する。この共振回路には、トランジスタ9
3、コンデンサ94、抵抗95、96、及びコイル97
が接続され、LC共振回路が形成される。コイル61以
外の回路要素の特性は一定であるから、このLC共振回
路の発振周波数は、コイル61のインダクタンス、すな
わちワイヤ14の径に応じて変化する。F−V変換回路
65の出力する電圧信号は、アンプ66で増幅された
後、A/D変換器99でディジタル信号に変換されて、
ワイヤソー全体の制御コンピュータに入力される。制御
コンピュータは、あらかじめワイヤ14の径の変化とF
−V変換回路65の出力電圧、すなわちA/D変換器9
9の出力するディジタル信号値の関係を記憶しており、
A/D変換器99の出力するディジタル信号からワイヤ
径を算出する。
【0022】図5は、本発明の第2実施例のワイヤソー
の全体構成を示す図である。図3と比較して明らかなよ
うに、第1実施例と異なるのは、2個のワイヤ径検出装
置60aと60bが設けられている点である。ワイヤ径
検出装置60aは、ワイヤ14が矢印34の方向に走行
する時のワイヤ洗浄装置46aの後の位置に設けられて
おり、その部分ではワイヤ14は垂直方向に走行する。
また、ワイヤ径検出装置60bは、ワイヤ14が矢印3
4と逆の方向に走行する時のワイヤ洗浄装置46bの後
の位置に設けられており、その部分ではワイヤ14は垂
直方向に走行する。後述するように、本実施例で使用す
るワイヤ径検出装置60aと60bは、ワイヤ14に加
工液や砥粒が付着しているとワイヤ径を正確に検出でき
ない。そのため、ワイヤ径検出装置60aは、ワイヤ1
4が矢印34の方向に走行する時に、ワイヤ洗浄装置4
6aで洗浄された後のワイヤ14の径を検出する。ワイ
ヤ14が矢印34の方向に走行する時には、ワイヤ径検
出装置60bはワイヤ径の検出を行わない。また、ワイ
ヤ径検出装置60bは、ワイヤ14が矢印34と逆の方
向に走行する時に、ワイヤ洗浄装置46bで洗浄された
後のワイヤ14の径を検出する。ワイヤ14が矢印34
と逆の方向に走行する時には、ワイヤ径検出装置60a
はワイヤ径の検出を行わない。
【0023】図6と図7は、本実施例で使用するワイヤ
径検出装置60aの構成を示す図であり、図6は処理回
路を、図7はワイヤ14が容量素子を形成する部分の構
成を示す。ワイヤ径検出装置60bも同様の構成を有す
る。図示のように、走行するワイヤ14が通過する円筒
状の導体71が設けられており、その周囲には周囲の電
界の影響を遮断するためのガードガード部材111が設
けられている。ガード部材111は接地されている。ガ
ード部材111には穴が設けられており、その穴を通し
て導体71に信号線112が接続されている。ワイヤ1
4と導体71はコンデンサを形成し、リールやローラが
接地されているため、ワイヤ14も接地され、コンデン
サの一端は接地されていることになる。コンデンサの容
量は、ワイヤ14の径に応じて変化し、ワイヤ14の径
が小さくなると容量も低下する。また、導体71の上下
には乾燥機113と114が設けられている。
【0024】図6に示すように、ワイヤ14と導体71
で形成されるコンデンサと並列にコイル101が設けら
れており、更にトランジスタ102、コイル103、コ
ンデンサ104、106、及び抵抗105、107、1
08によりLC共振回路が形成される。このLC共振回
路の共振周波数は、ワイヤ14と導体71で形成される
コンデンサの容量、すなわちワイヤ14の径に応じて変
化するので、第1実施例と同様に、LC共振回路の共振
周波数をF−V変換回路65で電圧信号に変換し、アン
プ66で増幅した後、A/D変換器99で変換して制御
コンピュータに入力する。
【0025】図7に示した構成で、導体71やワイヤ1
4に加工液40の滴などが付着しているとコンデンサの
容量が変化し、ワイヤ14の径を正確に検出できなくな
る。そのため、上記のように、ワイヤ径検出装置60a
は、ワイヤ洗浄装置46aで洗浄された後のワイヤ14
の径を検出するが、ワイヤ洗浄装置46aで洗浄された
ワイヤ14には洗浄液が付着している。そのため、ワイ
ヤ径検出装置60aとワイヤ洗浄装置46aの間に乾燥
機113を設けて洗浄液を除去した後導体71を通過さ
せるようにしている。
【0026】また、ワイヤ14が矢印34と逆の方向に
走行する場合には、ワイヤ14の径の検出はワイヤ径検
出装置60bで行われ、ワイヤ径検出装置60aではワ
イヤ径の検出は行わない。しかし、ワイヤ列24の部分
では加工液40が供給されるため、ワイヤ径検出装置6
0aを通過するワイヤ14には加工液40の滴が付着し
ている。ワイヤ14は導体71には接触しないようにな
っているが、この滴が導体71に付着する場合がある。
滴が付着している状態ではもちろん容量が変化するが、
滴が乾燥した場合加工液40の成分や砥粒が導体71の
内壁に固着し、累積する。そのため容量が大きく変化す
る可能性がある。このような問題を防止するため、ワイ
ヤ径検出装置60aの上側にも乾燥機114を設け、ワ
イヤ14に付着した加工液40を乾燥させた後、導体6
1内を通過させるようにする。これであればワイヤ14
は導体71に接触しないので、導体71の内壁が汚れる
ことはなくなる。乾燥機114で乾燥されるため加工液
40の成分や砥粒がワイヤ14に付いた状態になるが、
これはワイヤ洗浄装置46aで洗浄され、更に逆方向に
走行する時に再びワイヤ洗浄装置46aで洗浄されるた
め除去される。また、乾燥機114だけでなく、更にワ
イヤ洗浄装置を設け、ワイヤ14が矢印34と逆の方向
に走行する場合に、ワイヤ14に付着した加工液40を
このワイヤ洗浄装置で洗浄した後乾燥機114で乾燥す
るようにしてもよい。これであれば、ワイヤ径検出装置
は1個だけでよい。
【0027】ワイヤ径検出装置60aを設ける位置は、
図5に示すように、ワイヤ14が垂直方向に走行する位
置であることが望ましい。ワイヤ14が水平に走行する
位置では、ワイヤ14は自重で多少たわむ。しかし、ワ
イヤ14が導体71内を通過する位置は多少変動しても
容量の変化はほとんど無視できるので、この点からは、
ワイヤ径検出装置60aを設ける位置はあまり問題にな
らない。しかし、上記のように、ワイヤ14に加工液や
洗浄液又は乾燥されたそれらの成分が付着している場合
や、水平に走行している部分ではそれらがワイヤ14か
ら離脱して導体71の表面に堆積する可能性が高くな
る。これに対して、ワイヤ14が垂直に走行している部
分にワイヤ径検出装置60aを設ければ、ワイヤ14に
付着している加工液や洗浄液又は乾燥されたそれらの成
分が離脱する可能性が減り、更にたとえ離脱しても導体
71の表面には付着しにくい。従って、ワイヤ径検出装
置60aは、ワイヤ14が垂直に走行している部分に設
けることが望ましい。
【0028】図8は、第3実施例のワイヤ径検出装置の
構成を示す図である。第3実施例のワイヤ径検出装置
は、ワイヤ14が通過する2個のコイルを設け、ワイヤ
径によるインダクタンスの変化を同調型LC発振回路の
発振信号の電圧の変化として検出する。そのインダクタ
ンスの変化を検出する。図8に示すように、ワイヤ14
が通過する2個のコイル121、122が設けられてい
る。前述のように、ワイヤ14の径に応じてコイル12
1、122のインダクタンスが変化する。コイル121
に並列にコンデンサ123が設けられ、更にトランジス
タ125、コンデンサ124と129、抵抗126から
128により同調型LC発振回路が形成される。この同
調型LC発振回路はコイル121、122のインダクタ
ンスが変化すると発振信号の電圧が変化する。そこで、
整流回路81で同調型LC発振回路の発振信号を整流し
て直流信号に変換し、その直流信号をアンプ82で増幅
した後、A/D変換器99でディジタル信号に変換し、
制御コンピュータへ出力する。このディジタル信号の値
はワイヤ径に応じて変化するので、ワイヤ径を検出する
ことができる。この構成では精密に電圧を検出する必要
があり、同調型LC発振回路の発振信号の電圧が電源電
圧に依存するので、定電圧電源84から各回路部分に一
定の電圧を供給する。
【0029】図9は、第4実施例のワイヤ径検出装置の
構成を示す図である。第4実施例のワイヤ径検出装置
は、第2実施例と同様に、ワイヤ14が通過する導体1
31を設け、ワイヤ14と導体131でコンデンサを形
成する。コンデンサの容量はワイヤ14の径に応じて変
化するので、コイル132、133、トランジスタ13
4、及び抵抗135で同調型LC発振回路を形成し、コ
ンデンサの容量に応じて変化する同調型LC発振回路の
発振信号の電圧を、第3実施例と同様に検出する。
【0030】以上説明したように、ワイヤ径検出装置6
0、60aと60bを設けることにより、走行するワイ
ヤ14の径を非接触で検出できるようになる。本実施例
のワイヤソーは、ワイヤ14の径を装置を停止すること
なく常時検出して、ワイヤ14の径が所定の値以下にな
った時には装置の動作を停止してワイヤ14を交換する
ように作業者に指示する。図10は、ワイヤソーの制御
部の本発明に関係する部分のみを示したブロック構成図
である。図示のように、全体の制御部90には、ワイヤ
径検出装置60(60aと60bで構成される。)が接
続されており、ワイヤ径検出装置60が検出したワイヤ
径が所定の閾値以下になった時には、モータ28、3
0、32、50を停止させて、表示装置91にワイヤ1
4の交換を指示する表示を行う。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤソーにおいて走行中のワイヤの径を非接触で常時
検出できるので、ワイヤ径を管理することができる。こ
れにより、断線の発生を未然に防止しながらワイヤを効
率よく使用できる上、正確な加工が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様のワイヤソーのワイヤ径の
検出装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の態様のワイヤソーのワイヤ径の
検出装置の基本構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例のワイヤソーの全体構成を
示す図である。
【図4】第1実施例のワイヤ径検出装置の構成を示す図
である。
【図5】本発明の第2実施例のワイヤソーの全体構成を
示す図である。
【図6】第2実施例のワイヤ径検出装置の処理回路の構
成を示す図である。
【図7】第2実施例のワイヤ径検出装置のワイヤ14が
容量素子を形成する部分の構成を示す図である。
【図8】本発明の第3実施例のワイヤ径検出装置の構成
を示す図である。
【図9】本発明の第4実施例のワイヤ径検出装置の構成
を示す図である。
【図10】実施例のワイヤソーの制御部の本発明に関係
する部分のブロック構成図である。
【符号の説明】
14…ワイヤ 61…インダクタンス素子 62…容量素子 63…LC発振補助回路 64…LC発振回路 65…周波数−電圧(F−V)変換回路 66…アンプ 67…表示部 71…筒状導体 72…インダクタンス素子 73…LC発振補助回路 74…LC発振回路 81…整流回路 82…アンプ 83…表示回路 84…定電圧電源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するワイヤ(14)を被加工物(5
    4)に押し当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液
    (40)を供給して前記被加工物(54)を加工するワ
    イヤソーの前記ワイヤ(14)の径を検出するワイヤ径
    検出装置であって、 前記ワイヤ(14)は磁性材料で作られており、 内部を前記ワイヤ(14)が通過するインダクタンス素
    子(61)と、 少なくとも1個の容量素子(62)を有し、前記インダ
    クタンス素子(61)とLC発振回路(64)を形成す
    るLC発振補助回路(63)と、 前記LC発振回路(64)の発振周波数を検出する発振
    周波数検出回路(65)とを備えることを特徴とするワ
    イヤソーのワイヤ径検出装置。
  2. 【請求項2】 走行するワイヤ(14)を被加工物(5
    4)に押し当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液
    (40)を供給して前記被加工物(54)を加工するワ
    イヤソーの前記ワイヤ(14)の径を検出するワイヤ径
    検出装置であって、 前記ワイヤ(14)は磁性材料で作られており、 内部を前記ワイヤ(14)が通過するインダクタンス素
    子(61)と、 少なくとも1個の容量素子(62)を有し、前記インダ
    クタンス素子(61)とLC発振回路(64)を形成す
    るLC発振補助回路(63)と、 前記LC発振回路(64)の発振信号の電圧を検出する
    電圧検出回路(81)とを備えることを特徴とするワイ
    ヤソーのワイヤ径検出装置。
  3. 【請求項3】 走行するワイヤ(14)を被加工物(5
    4)に押し当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液
    (40)を供給して前記被加工物(54)を加工するワ
    イヤソーの前記ワイヤ(14)の径を検出するワイヤ径
    検出装置であって、 前記ワイヤ(14)は導電性材料で作られており、内部
    を前記ワイヤ(14)が通過し、容量素子を形成する筒
    状の導体(71)と、 少なくとも1個のインダクタンス素子(72)を有し、
    前記容量素子とLC発振回路(74)を形成するLC発
    振補助回路(73)と、 前記LC発振回路(74)の発振周波数を検出する発振
    周波数検出回路(65)とを備えることを特徴とするワ
    イヤソーのワイヤ径検出装置。
  4. 【請求項4】 走行するワイヤ(14)を被加工物(5
    4)に押し当て、押し当てた部分に砥粒を含む加工液
    (40)を供給して前記被加工物(54)を加工するワ
    イヤソーの前記ワイヤ(14)の径を検出するワイヤ径
    検出装置であって、 前記ワイヤ(14)は磁性材料で作られており、 内部を前記ワイヤ(14)が通過し、容量素子を形成す
    る筒状の導体(71)と、 少なくとも1個のインダクタンス素子(72)を有し、
    前記容量素子とLC発振回路(74)を形成するLC発
    振補助回路(73)と、 前記LC発振回路(74)の発振信号の電圧を検出する
    電圧検出回路(81)とを備えることを特徴とするワイ
    ヤソーのワイヤ径検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は3に記載のワイヤソーのワ
    イヤ径検出装置であって、 前記LC発振回路(64、74)の周波数を逓倍するP
    LL回路(98)を備え、前記発振周波数検出回路(6
    5、66)は前記PLL回路(98)の出力の発振周波
    数を検出するワイヤソーのワイヤ径検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載のワイヤソーのワ
    イヤ径検出装置であって、 前記筒状の導体(71)の周囲に設けられ、周囲の電界
    の前記筒状の導体(71)への影響を遮断するガード部
    材(111)を備えるワイヤソーのワイヤ径検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は3のいずれか1項に記載の
    ワイヤソーのワイヤ径検出装置(60)を備えるワイヤ
    ソー。
  8. 【請求項8】 請求項2又は4のいずれか1項に記載の
    ワイヤソーのワイヤ径検出装置(60a,60b)を備
    えるワイヤソー。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ(14)が前記ワイヤ径検出装置(60a,
    60b)中を通過する前の部分に、前記ワイヤ(14)
    を洗浄した後乾燥する洗浄・乾燥手段(46a,46
    b,113)を備えるワイヤソー。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のワイヤソーであっ
    て、 前記ワイヤ径検出装置(60a,60b)の前記洗浄・
    乾燥手段(46a,46b,113)が設けられている
    側と反対側に、更に前記ワイヤ(14)を乾燥する乾燥
    手段(114)を備えるワイヤソー。
  11. 【請求項11】 請求項7から10のいずれか1項に記
    載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ径検出装置(60,60a,60b)は、前
    記ワイヤ(14)が垂直方向に走行する部分に設けられ
    ているワイヤソー。
  12. 【請求項12】 請求項7から11のいずれか1項に記
    載のワイヤソーであって、 前記ワイヤ径検出装置(60a,60b)が検出した前
    記ワイヤ(14)の径が所定値以下になった時に前記ワ
    イヤ(14)の走行を停止して、前記ワイヤ(41)の
    交換を指示する制御部(140)を備えるワイヤソー。
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