JPH1199463A - 切断方法および装置 - Google Patents

切断方法および装置

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JPH1199463A
JPH1199463A JP26247397A JP26247397A JPH1199463A JP H1199463 A JPH1199463 A JP H1199463A JP 26247397 A JP26247397 A JP 26247397A JP 26247397 A JP26247397 A JP 26247397A JP H1199463 A JPH1199463 A JP H1199463A
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wire
workpiece
cutting
ingot
abrasive
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JP26247397A
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Satoru Yamamoto
覚 山本
Akihisa Yamaguchi
陽久 山口
Toru Matsuzaki
融 松▲崎▼
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インゴットなどの棒状の被加工物を薄板に切
断した際のこの薄板の平坦度精度を向上させる。 【解決手段】 ワイヤ2を走行させかつ回転してワイヤ
2の走行を案内するとともにワイヤ2に張力を掛ける円
筒形のワイヤガイド3と、インゴット1を保持するイン
ゴット保持手段4と、インゴット1と走行中のワイヤ2
とが接触して相互に加圧するようにインゴット保持手段
4を介してインゴット1を上下移動させるテーブル5
と、砥粒を含む研磨材6をワイヤ2に対して吐出しかつ
インゴット1の近傍に移動自在に設けられた移動式ノズ
ル7と、インゴット1の切断面における径方向の切断位
置に応じてインゴット1と移動式ノズル7との距離がほ
ぼ一定となるように移動式ノズル7の位置を制御する制
御部8とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造技術に
おいて、特に、インゴットをウェハ状に切断する際の平
坦度精度を向上させる切断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に説明する技術は、本発明を研究、
完成するに際し、本発明者によって検討されたものであ
り、その概要は次のとおりである。
【0003】半導体製造工程において、引き上げによっ
て形成したインゴットをウェハ(薄板)状に切断する代
表的な方法として、円形ブレード内周に電着されたダイ
ヤモンドを用いて切断する内周刃方法と、張力をかけた
細いワイヤを走行させ、そこに砥粒を含む研磨材(加工
液)を塗布して切断するワイヤソー方法とが知られてい
る。
【0004】ここで、前記ワイヤソー方法においては、
ワイヤソーと呼ばれる切断装置が用いられる。
【0005】なお、シリコンのインゴットは棒状である
ため、切断面の形状は円形を成す。したがって、インゴ
ットをワイヤソーによってウェハ状に切断する際、切断
面における切断位置によって径方向の切断長が異なる。
【0006】そこで、ワイヤソーにおいては、インゴッ
トの最大直径部を避けた両側の位置に研磨材を吐出する
固定式ノズルが設けられており、この固定式ノズルから
ワイヤに砥粒を含む研磨材を塗布している。
【0007】さらに、このワイヤソーは、切断位置によ
ってインゴットの送り速度やワイヤの走行速度を変化さ
せる機能を有している。
【0008】なお、インゴットを切断するワイヤソーに
ついては、例えば、株式会社工業調査会、1993年1
1月20日発行、「超LSI製造・試験装置ガイドブッ
ク<1994年版>、電子材料11月号別冊(1993
年別冊)」、33頁に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した技
術におけるワイヤソーは、インゴットの径方向の切断位
置に応じて適切な量の研磨材をインゴットに供給する機
構を有していない。
【0010】したがって、固定式ノズルの使用において
は、インゴットの径方向の端部(切断開始及び終了位
置)と、中央部(切断中間付近)とでは、実際に切断に
寄与する研磨材の量に変化を生じている。
【0011】これにより、切断長に対して研磨材の量が
少なすぎると切断抵抗が増大して平坦度精度が悪化し、
また、研磨材の量が多すぎると必要以上に研磨が進行し
て少ない場合と同様に平坦度精度が悪化するという問題
が起こる。
【0012】本発明の目的は、インゴットなどの棒状の
被加工物を薄板に切断した際のこの薄板の平坦度精度を
向上させる切断方法および装置を提供することにある。
【0013】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0015】すなわち、本発明の切断方法は、細いワイ
ヤを用いて棒状の被加工物を切断するものであり、前記
ワイヤを走行させる工程と、前記被加工物への研磨材の
供給量を前記被加工物の径方向の切断位置に応じて制御
して前記ワイヤまたは前記被加工物もしくはその両者に
前記研磨材を塗布する工程と、前記被加工物と走行中の
前記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加
工物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動
させることにより、前記被加工物を切断して薄板を製造
する工程とを有するものである。
【0016】また、本発明の切断装置は、細いワイヤを
用いて棒状の被加工物の切断を行うものであり、前記ワ
イヤを走行させるワイヤ走行手段と、前記被加工物を保
持する被加工物保持手段と、前記被加工物と走行中の前
記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加工
物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動さ
せる移動手段と、砥粒を含む研磨材を前記ワイヤまたは
前記被加工物もしくはその両者に対して吐出しかつ前記
被加工物の近傍に設けられたノズルと、前記被加工物へ
の前記研磨材の供給量を前記被加工物の径方向の切断位
置に応じて制御する制御部とを有するものである。
【0017】これにより、インゴットの径方向の切断位
置に応じてインゴットに適切な量の研磨材を供給でき
る。
【0018】その結果、インゴットの切断位置に係わら
ず適切な量の研磨材を供給でき、これにより、切断後の
ウェハの平坦度精度を向上できる。
【0019】さらに、本発明の切断装置は、細いワイヤ
を用いて棒状の被加工物の切断を行うものであり、前記
ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、前記被加工物を
保持する被加工物保持手段と、前記被加工物と走行中の
前記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加
工物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動
させる移動手段と、砥粒を含む研磨材を前記ワイヤに対
して吐出しかつ前記被加工物の近傍に移動自在に設けら
れた移動式ノズルと、前記被加工物の径方向の切断位置
に応じて前記被加工物と前記移動式ノズルとの距離がほ
ぼ一定となるように前記移動式ノズルの位置を制御する
制御部とを有するものである。
【0020】また、本発明の切断装置は、細いワイヤを
用いて棒状の被加工物の切断を行うものであり、前記ワ
イヤを走行させるワイヤ走行手段と、前記被加工物を保
持する被加工物保持手段と、前記被加工物と走行中の前
記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加工
物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動さ
せる移動手段と、砥粒を含む研磨材を前記ワイヤに対し
て吐出しかつ前記被加工物の近傍に設けられた固定式ノ
ズルと、前記固定式ノズルから吐出する前記研磨材の吐
出量を前記被加工物の径方向の切断位置に応じて制御す
る制御部とを有するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は本発明による切断装置(ワイヤソ
ー)の構造の実施の形態の一例を示す構成概念図、図2
は図1に示すワイヤソーの移動式ノズルおよび固定式ノ
ズルの構造の一例を一部破断して示す要部斜視図、図3
は本発明の切断方法における切断開始時のインゴット
(被加工物)とワイヤの状態の実施の形態の一例を示す
側面図、図4は本発明の切断方法における中央部切断時
のインゴット(被加工物)とワイヤの状態の実施の形態
の一例を示す側面図である。
【0023】本実施の形態の切断装置は、ワイヤソーと
呼ばれるものであり、半導体製造工程において、引き上
げによって形成したシリコンからなる棒状のインゴット
1をウェハ(薄板)状に切断するものであり、張力(テ
ンション)をかけた細いワイヤ2を走行させて、そこに
砥粒を含む研磨材6(加工液)を塗布して切断を行うも
のである。
【0024】前記ワイヤソーの構成について説明する
と、ワイヤ2を走行させかつ回転してワイヤ2の走行を
案内するとともにワイヤ2に張力を掛ける円筒形のワイ
ヤガイド3(ワイヤ走行手段)と、インゴット1を保持
する被加工物保持手段であるインゴット保持手段4(ビ
ームともいう)と、インゴット1と走行中のワイヤ2と
が接触して相互に加圧するようにインゴット保持手段4
を介してインゴット1を上下移動させるテーブル5(移
動手段)と、砥粒を含む研磨材6をワイヤ2に対して吐
出しかつインゴット1の近傍に移動自在に設けられたノ
ズルである移動式ノズル7と、インゴット1の切断面に
おける径方向の切断位置に応じてインゴット1と移動式
ノズル7との距離がほぼ一定となるように移動式ノズル
7の位置を制御する制御部8とから構成される。
【0025】なお、本実施の形態においては、インゴッ
ト1を下降(移動)させて、インゴット1とワイヤ2と
が相互に加圧する場合を説明するが、インゴット1を固
定として、ワイヤ2を移動(上昇もしくは下降)させて
もよく、さらに、インゴット1とワイヤ2とが加圧しあ
うように両者を移動させてもよい。
【0026】また、本実施の形態のワイヤソーで用いる
研磨材6は、砥粒を含む加工液であり、例えば、鉱物油
中に砥粒としてSiCを含ませたものである。
【0027】さらに、ワイヤ2は、例えば、ピアノ線な
どのばね鋼材に亜鉛と銅のメッキ処理を行ったものであ
る。
【0028】前記ワイヤソーの主要部は、図1に示すよ
うに、大きく分けて、インゴット1の切断が行われる切
断室9と、ワイヤ2の送り出しおよび巻取りが行われる
ワイヤ室10とに分けられる。
【0029】さらに、ワイヤ室10内には、ワイヤ2の
送り出しおよび巻き取りを行うワイヤリール10aと巻
き取りボビン10b、ワイヤ2の走行中の上下動を案内
するロングローラ10c、ワイヤ2が均等に巻き取られ
るようにワイヤ2の走行を上下に振り分けるトラバーサ
10d,10e、ワイヤ2に掛かるテンションの強弱を
調節する可動式のテンションコントローラ10f,10
g、ワイヤ2のテンションを検知可能なセンサ(例え
ば、歪みゲージ)が組み込まれたテンションセンシング
プーリ10h,10i、ワイヤ2の走行を案内する複数
のプーリ10jなどが設けられている。
【0030】また、本実施の形態のワイヤソーには、移
動式ノズル7が、ワイヤ2の走行方向におけるインゴッ
ト1の切断箇所への入口側と出口側との両側に、かつ、
それぞれ左右(インゴット1に近づく方向と遠のく方
向)に移動自在に設けられている。
【0031】なお、前記入口側と前記出口側は、ワイヤ
2を順送りする際と逆送りする際とで、反対になるた
め、インゴット1に対して何れの側も入口側もしくは出
口側になり得る。
【0032】このように、本実施の形態のワイヤソー
は、図2〜図4に示すように、インゴット1の両側の近
傍に横長形状の移動式ノズル7を有しており、この2つ
の移動式ノズル7は、その移動動作が制御部8によって
制御される。
【0033】つまり、制御部8は、インゴット1の切断
面における径方向の切断位置に応じて移動式ノズル7を
左右の何れかに動かすことにより、切断中のインゴット
1の外周部と移動式ノズル7との距離が常時ほぼ一定と
なるように移動式ノズル7の位置を制御する。
【0034】例えば、図3に示すインゴット1の端部付
近(上端部でも下端部でも同じ)を切断する(切断開始
時)際のインゴット1の外周部と移動式ノズル7との距
離が、図4に示すインゴット1の中央部付近を切断する
際のインゴット1の外周部と移動式ノズル7との距離
と、ほぼ一定となるように制御している。
【0035】また、本実施の形態のワイヤソーには、2
つの移動式ノズル7以外に、この移動式ノズル7よりも
インゴット1に対して離れた両側の箇所に細長い固定式
ノズル11が設置されている。
【0036】この固定式ノズル11は、移動式ノズル7
とは異なり、切断中、移動せずに同じ箇所から研磨材6
をワイヤ2に向けて吐出するものである。
【0037】なお、移動式ノズル7と固定式ノズル11
の設置箇所については、例えば、図2に示すように、移
動式ノズル7がインゴット1から50mm程度の箇所
に、また、固定式ノズル11がインゴット1から240
mm程度の箇所に設置されている。
【0038】また、本実施の形態の移動式ノズル7およ
び固定式ノズル11には、研磨材6を吐出させるための
スリット状の細長い孔がワイヤ2に向けた方向にそれぞ
れに設けられている。
【0039】これにより、移動式ノズル7および固定式
ノズル11において、研磨材6は、図2に示すようにカ
ーテン状(層状)に吐出される。
【0040】ただし、移動式ノズル7および固定式ノズ
ル11に設けられる研磨材吐出用の孔形状は、スリット
状の細長い孔に限定されるものではなく、例えば、ワイ
ヤ2に向けて細かい小孔が複数設けられていてもよい。
【0041】なお、移動式ノズル7および固定式ノズル
11からワイヤ2に向けて吐出された研磨材6はワイヤ
2に付着した後、その状態でワイヤ2によって切断位置
まで送られ、インゴット1の切断に至る。
【0042】また、ビームとも呼ばれるインゴット保持
手段4は、例えば、ポリ系樹脂によって形成され、切断
を行う際には、インゴット1はエポキシ系の接着剤など
によってインゴット保持手段4に固定される。
【0043】これにより、インゴット保持手段4は切断
時にインゴット1を保持するとともに、切断後のインゴ
ット1がウェハ毎にばらけないように切断後もインゴッ
ト1を保持するものである。
【0044】また、本実施の形態のワイヤソーには、4
つの円筒形のワイヤガイド3が設置されており、4つの
ワイヤガイド3のうち、例えば、下側に設置された2つ
のワイヤガイド3がモータ駆動による回転式のもので、
この下側の2つのワイヤガイド3の駆動によってワイヤ
2を所定方向(順送りまたは逆送り)に走行させる。
【0045】これに対し、切断時のテンションが掛かる
上側の2つのワイヤガイド3は、フリーに回転すること
ができるように取り付けられている。
【0046】さらに、ワイヤガイド3は、例えば、基材
がステンレス鋼によって形成され、その表面がポリウレ
タンなどによって形成されている。
【0047】また、表面のポリウレタンには、一本一本
のワイヤ2を案内するワイヤ2よりも少し幅広の溝が形
成されている。例えば、長さが280mmの1本のイン
ゴット1から250枚のウェハを形成する際には、それ
ぞれのワイヤガイド3に、少なくとも251個の前記溝
が等間隔で形成されていなければならない。
【0048】この場合、例えば、厚さ850μmのウェ
ハを形成できる。
【0049】なお、切断中、ワイヤ2は、順送りと逆送
りとが複数回繰り返される。
【0050】すなわち、所定の送り速度(例えば、10
m/秒程度)で、所定長さ(例えば、300m程度)順
送りされ、その後、同じ送り速度で、所定長さ(例え
ば、200m程度)逆送りされ、この順送りと逆送りと
を所定時間(例えば、両者で1分程度)ずつ複数回繰り
返してインゴット1を切断していく。
【0051】次に、図1〜図4を用いて、本実施の形態
の切断方法について説明する。
【0052】本実施の形態の切断方法は、図1に示すワ
イヤソーを用いたインゴット1の切断方法である。
【0053】まず、インゴット1をエポキシ系の接着剤
などによってインゴット保持手段4に固定し、さらに、
テーブル5の下部にこのインゴット保持手段4を取り付
ける。
【0054】これにより、インゴット1が所定の位置に
セットされる。
【0055】その後、インゴット1の両側近傍に配置さ
れた2つの移動式ノズル7を所定の位置、例えば、図3
に示すように、インゴット1の外周部から50mmの位
置に制御部8によって移動かつ配置させる。
【0056】続いて、4つのワイヤガイド3のうち、モ
ータ駆動を有する下側の2つのワイヤガイド3を駆動さ
せ、ワイヤ2を所定の送り速度(例えば、10m/秒)
でかつ所定の方向(例えば、図3および図4における時
計方向であり、ここでは、この時計方向を順送り方向と
し、その反対の反時計方向を逆送り方向とする)に走行
させる。
【0057】また、これと同時に、両側の移動式ノズル
7と固定式ノズル11とから、所定量の研磨材6をワイ
ヤ2に向けて吐出し、ワイヤ2に研磨材6を付着させ
る。
【0058】さらに、テーブル5を所定の送り速度で下
降(移動)させ、インゴット1と走行中のワイヤ2との
接触を開始する。
【0059】この際、研磨材6はワイヤ2に付着した状
態で、インゴット1の切断位置まで運ばれる。
【0060】つまり、ワイヤ2によって搬送された研磨
材6をインゴット1に供給する。
【0061】また、ワイヤ2に対して研磨材6を吐出す
る際に、インゴット1への研磨材6の供給量をインゴッ
ト1の径方向の切断位置に応じて制御してワイヤ2に塗
布する。
【0062】なお、インゴット1と走行中のワイヤ2と
が接触した後、相互に加圧するようにインゴット1を所
定の送り速度で下降させていく。
【0063】また、本実施の形態のワイヤソーにおいて
は、研磨材6のワイヤ2への塗布位置をインゴット1の
径方向の切断位置に応じて制御部8によって制御する。
【0064】本実施の形態では、インゴット1の切断面
における径方向の切断位置に応じてどの切断位置におい
てもインゴット1と移動式ノズル7との距離がほぼ一定
となるように移動式ノズル7の位置を制御部8によって
制御しながらインゴット1の切断を進行させていく。
【0065】例えば、図3に示すように、切断開始時
に、インゴット1の端部付近(ここでは、下端部)を切
断する際のインゴット1の外周部と移動式ノズル7との
距離が、図4に示すように、インゴット1の中央部付近
を切断する際のインゴット1の外周部と移動式ノズル7
との距離と、ほぼ一定となるように制御部8によって移
動式ノズル7を左右(水平)方向に移動させながら切断
を進行する。
【0066】これにより、インゴット1に対して、その
径方向の切断位置に係わらず、常時一定量の研磨材6を
供給できる。
【0067】なお、インゴット1の切断面においては、
実際には、中央部付近(図4に示す状態)の方が、端部
付近(図3に示す切断開始または終了位置の状態)より
も切断面積が大きいため、切断抵抗も大きい。
【0068】本実施の形態では、このことも考慮して、
制御部8によって移動式ノズル7の位置を変えつつ、前
記中央部付近を切断する際には、インゴット1への研磨
材6の供給量が増える位置に移動式ノズル7の位置を制
御して切断を進行させることが好ましい。
【0069】この状態で、所定長さ(例えば、300m
程度)のワイヤ2を順送りした後、次に、ワイヤ2の送
り方向を逆方向に変える。
【0070】つまり、ワイヤ2の送り速度を、同じ送り
速度とし、かつ所定長さ(例えば、200m程度)逆送
りさせる。
【0071】この順送りと逆送りとを所定時間(例え
ば、両者で1分程度)ずつ複数回繰り返してインゴット
1を切断していく。
【0072】その結果、インゴット1を切断して薄板す
なわちウェハを製造できる。
【0073】本実施の形態の切断方法および装置によれ
ば、以下のような作用効果が得られる。
【0074】すなわち、制御部8によって、インゴット
1への研磨材6の供給量をインゴット1の径方向の切断
位置に応じて制御して研磨材6を塗布することにより、
インゴット1の径方向の切断位置に応じてインゴット1
に適切な量の研磨材を供給できる。
【0075】本実施の形態では、制御部8によって移動
式ノズル7の位置を制御することにより、インゴット1
の径方向の切断位置に係わらずインゴット1と移動式ノ
ズル7との切断中の距離を一定に保つことができる。
【0076】これにより、インゴット1の切断位置に係
わらず適切な量の研磨材6を供給でき、その結果、切断
後のウェハの平坦度精度を向上できる。
【0077】また、前記ウェハの平坦度精度が向上でき
ることにより、このウェハから製造される半導体チップ
または半導体装置の歩留りを向上できる。
【0078】なお、インゴット1の切断開始および終了
位置すなわち断面の端部の切断においても、適切な量の
研磨材6が供給されるため、ウェハのダレ形状の発生を
抑制できる。
【0079】その結果、ウェハの平坦度精度を向上でき
る。
【0080】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その
要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言う
までもない。
【0081】例えば、前記実施の形態においては、イン
ゴット1(被加工物)の径方向の切断位置に応じてイン
ゴット1への研磨材6の供給量を制御する際に、制御部
8によって研磨材6のワイヤ2への塗布位置(移動式ノ
ズル7の位置)を制御する場合を説明したが、インゴッ
ト1への研磨材6の供給量の制御については、インゴッ
ト1の径方向の切断位置に応じて研磨材6の塗布量を制
御してもよい。
【0082】すなわち、制御部8によって、移動式ノズ
ル7または固定式ノズル11もしくはその両者から吐出
する研磨材6の吐出量をインゴット1の径方向の切断位
置に応じて制御するものである。
【0083】例えば、移動式ノズル7から吐出させる研
磨材6の吐出量をインゴット1の径方向の切断位置によ
って0〜30リットル/min程度の範囲で可変(制
御)する。
【0084】これにより、切断に必要な研磨材6の量が
インゴット1の切断位置に応じて最適化でき、その結
果、ウェハ状に切断した際の平坦度精度を向上できる。
【0085】また、図2〜図4に示す移動式ノズル7を
設置せずに、インゴット1の両側近傍に固定式ノズル1
1のみを設置してもよい。
【0086】すなわち、ワイヤ2に対して研磨材6を吐
出する固定式ノズル11のみをインゴット1の近傍に設
け、制御部8によって、固定式ノズル11から吐出する
研磨材6の吐出量をインゴット1の径方向の切断位置に
応じて制御してもよい。
【0087】また、前記実施の形態および前記他の実施
の形態においては、研磨材6をワイヤ2に塗布する場合
を説明したが、研磨材6は、インゴット1に直接塗布し
てもよく、さらに、ワイヤ2とインゴット1との両者に
塗布してもよい。
【0088】なお、前記実施の形態および前記他の実施
の形態においては、被加工物がシリコンからなるインゴ
ット1の場合について説明したが、前記インゴット1
は、ガリヒソからなるものであってもよく、また、前記
被加工物は、棒状の形状を成すものであれば、他の金属
被加工物などであってもよい。
【0089】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0090】(1).制御部によって、被加工物への研
磨材の供給量を前記被加工物の径方向の切断位置に応じ
て制御して研磨材を塗布することにより、被加工物の切
断位置に係わらず適切な量の研磨材を供給できる。その
結果、切断後のウェハの平坦度精度を向上できる。
【0091】(2).前記(1)により、ウェハの平坦
度精度が向上できるため、このウェハから製造される半
導体チップまたは半導体装置の歩留りを向上できる。
【0092】(3).被加工物の切断開始および終了位
置(断面の端部の切断)においても、適切な量の研磨材
が供給されるため、ウェハのダレ形状の発生を抑制でき
る。その結果、ウェハの平坦度精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による切断装置(ワイヤソー)の構造の
実施の形態の一例を示す構成概念図である。
【図2】図1に示すワイヤソーの移動式ノズルおよび固
定式ノズルの構造の一例を一部破断して示す要部斜視図
である。
【図3】本発明の切断方法における切断開始時のインゴ
ット(被加工物)とワイヤの状態の実施の形態の一例を
示す側面図である。
【図4】本発明の切断方法における中央部切断時のイン
ゴット(被加工物)とワイヤの状態の実施の形態の一例
を示す側面図である。
【符号の説明】
1 インゴット(被加工物) 2 ワイヤ 3 ワイヤガイド(ワイヤ走行手段) 4 インゴット保持手段(被加工物保持手段) 5 テーブル(移動手段) 6 研磨材 7 移動式ノズル(ノズル) 8 制御部 9 切断室 10 ワイヤ室 10a ワイヤリール 10b 巻き取りボビン 10c ロングローラ 10d,10e トラバーサ 10f,10g テンションコントローラ 10h,10i テンションセンシングプーリ 10j プーリ 11 固定式ノズル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物を切
    断する切断方法であって、 前記ワイヤを走行させる工程と、 前記被加工物への研磨材の供給量を前記被加工物の径方
    向の切断位置に応じて制御して前記ワイヤまたは前記被
    加工物もしくはその両者に前記研磨材を塗布する工程
    と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させることにより、前記被加工
    物を切断して薄板を製造する工程とを有することを特徴
    とする切断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の切断方法であって、前記
    研磨材を塗布する際に、前記研磨材の塗布量を前記被加
    工物の径方向の切断位置に応じて制御して塗布すること
    を特徴とする切断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の切断方法であっ
    て、前記ワイヤに前記研磨材を塗布する際に、前記研磨
    材の前記ワイヤへの塗布位置を前記被加工物の径方向の
    切断位置に応じて制御して塗布することを特徴とする切
    断方法。
  4. 【請求項4】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を前記ワイヤまたは前記被加工物もし
    くはその両者に対して吐出し、かつ前記被加工物の近傍
    に設けられたノズルと、 前記被加工物への前記研磨材の供給量を前記被加工物の
    径方向の切断位置に応じて制御する制御部とを有するこ
    とを特徴とする切断装置。
  5. 【請求項5】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を前記ワイヤに対して吐出し、かつ前
    記被加工物の近傍に移動自在に設けられた移動式ノズル
    と、 前記被加工物の径方向の切断位置に応じて前記被加工物
    と前記移動式ノズルとの距離がほぼ一定となるように前
    記移動式ノズルの位置を制御する制御部とを有すること
    を特徴とする切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の切断装置であって、前記
    移動式ノズルが前記ワイヤの走行方向における前記被加
    工物の切断箇所への入口側と出口側とに設けられている
    ことを特徴とする切断装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の切断装置であっ
    て、前記制御部が、前記移動式ノズルから吐出する前記
    研磨材の吐出量を前記被加工物の径方向の切断位置に応
    じて制御し得ることを特徴とする切断装置。
  8. 【請求項8】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を前記ワイヤに対して吐出し、かつ前
    記被加工物の近傍に設けられた固定式ノズルと、 前記固定式ノズルから吐出する前記研磨材の吐出量を前
    記被加工物の径方向の切断位置に応じて制御する制御部
    とを有することを特徴とする切断装置。
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