JPH11114799A - 切断方法および装置 - Google Patents

切断方法および装置

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JPH11114799A
JPH11114799A JP27426297A JP27426297A JPH11114799A JP H11114799 A JPH11114799 A JP H11114799A JP 27426297 A JP27426297 A JP 27426297A JP 27426297 A JP27426297 A JP 27426297A JP H11114799 A JPH11114799 A JP H11114799A
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wire
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abrasive
cutting
tension
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JP27426297A
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Satoru Yamamoto
覚 山本
Akihisa Yamaguchi
陽久 山口
Toru Matsuzaki
融 松崎
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D57/00Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00
    • B23D57/003Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D57/0069Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts of devices for tensioning saw wires

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インゴットなどの棒状の被加工物を薄板に切
断した際のこの薄板の平坦度精度を向上させる。 【解決手段】 ワイヤ2を走行させかつ回転してワイヤ
2の走行を案内する円筒形のワイヤガイド3と、インゴ
ット1と走行中のワイヤ2とが接触して相互に加圧する
ようにインゴット1を上下移動させるテーブル5と、研
磨材6をワイヤ2に対して吐出する固定式ノズル11
と、インゴット1の近傍に設置されかつ切断中のワイヤ
2の張力を検出する歪ゲージ7aを備えた張力検出ロー
ラ7と、歪ゲージ7aによる張力検出結果に基づいて切
断中のワイヤ2の張力を調整する制御部8と、制御部8
により制御されてインゴット1の近傍のワイヤ2に張力
を与える加圧ローラ12とからなり、前記張力検出結果
に基づいて制御部8により切断中のワイヤ2の張力を最
適に制御してインゴット1を切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造技術に
おいて、特に、インゴットをウェハ状に切断する際の平
坦度精度を向上させる切断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に説明する技術は、本発明を研究、
完成するに際し、本発明者によって検討されたものであ
り、その概要は次のとおりである。
【0003】半導体製造工程において、引き上げによっ
て形成したインゴット(被加工物)をウェハ(薄板)状
に切断する代表的な方法として、円形ブレード内周に電
着されたダイヤモンドを用いて切断する内周刃方法と、
張力をかけた細いワイヤを走行させ、そこに砥粒を含む
研磨材(加工液)を塗布して切断するワイヤソー方法と
が知られている。
【0004】前記ワイヤソー方法においては、ワイヤソ
ーと呼ばれる切断装置が用いられる。このワイヤソーで
は、ワイヤ走行手段である円筒形のワイヤガイドに細い
ワイヤが240〜250周程度巻き付けられ、その1本
1本のワイヤによってインゴットをウェハ状に切り出し
ている。
【0005】なお、ワイヤソーにおいては、インゴット
の近傍では、特に、切断中のワイヤの張力は制御されて
おらず、ワイヤガイドの入口側と出口側とで張力の調整
を行っている。つまり、インゴットの実際の切断箇所で
は、ワイヤの張力は制御されていない。
【0006】また、前記ワイヤソーは、ワイヤに研磨材
を供給するノズルとして固定式ノズルだけを有してい
る。
【0007】ここで、インゴットは棒状であるため、切
断面の形状は円形を成す。したがって、インゴットをワ
イヤソーによってウェハ状に切断する際、切断面におけ
る切断位置によって径方向の切断長が異なる。
【0008】そこで、ワイヤソーにおいては、インゴッ
トの最大直径部を避けた両側の位置に研磨材を吐出する
固定式ノズルが設けられており、この固定式ノズルから
ワイヤに砥粒を含む研磨材を塗布している。
【0009】また、このワイヤソーは、切断位置によっ
てインゴットの送り速度やワイヤの走行速度を変化させ
る機能を有している。
【0010】なお、インゴットを切断するワイヤソーに
ついては、例えば、株式会社工業調査会、1993年1
1月20日発行、「超LSI製造・試験装置ガイドブッ
ク<1994年版>、電子材料11月号別冊(1993
年別冊)」、33頁に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した技
術のワイヤソーでは、インゴットの切断箇所近傍におけ
る切断中のワイヤの張力は制御されていないため、切断
時の抵抗変動によって張力も変動する。
【0012】その結果、インゴットをウェハに切断した
際の平坦度精度が悪化することが問題とされる。
【0013】また、前記ワイヤソーは、インゴットの径
方向の切断位置に応じて適切な量の研磨材をインゴット
に供給する機構を有していない。
【0014】つまり、固定式ノズルの使用においては、
インゴットの径方向の端部(切断開始及び終了位置)
と、中央部(切断中間付近)とでは、実際に切断に寄与
する研磨材の量に変化を生じており、したがって、切断
長に対して研磨材の量が少なすぎると切断抵抗が増大し
て平坦度精度が悪化し、また、研磨材の量が多すぎると
必要以上に研磨が進行して少ない場合と同様に平坦度精
度が悪化するという問題が起こる。
【0015】また、インゴット切断後、インゴットを上
昇させてワイヤとインゴットとを分離させる際に、研磨
材が乾燥し、これにより、研磨材がウェハとワイヤとに
固着することがある。
【0016】その結果、インゴットを持ち上げた際に、
隣接するウェハ間にワイヤが引っ掛かり、ウェハとワイ
ヤとが分離できないことがある。
【0017】これにより、インゴットとウェハとを分離
しようとすると、ワイヤが切れるなどの問題が発生す
る。
【0018】本発明の目的は、インゴットなどの棒状の
被加工物を薄板に切断した際のこの薄板の平坦度精度を
向上させる切断方法および装置を提供することにある。
【0019】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0021】すなわち、本発明の切断方法は、細いワイ
ヤを用いて棒状の被加工物を切断するものであり、前記
ワイヤを走行させる工程と、砥粒を含む研磨材を前記ワ
イヤまたは前記被加工物もしくはその両者に供給して前
記被加工物の切断箇所に前記研磨材を供給する工程と、
前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
一方もしくは両者を移動させて前記被加工物を切断する
工程と、切断中の前記被加工物の近傍の前記ワイヤの張
力を検出し、この張力検出結果に基づいて切断中の前記
ワイヤの張力を制御する工程とを有し、切断中の前記ワ
イヤの張力を制御して前記被加工物を切断することによ
り、前記被加工物から薄板を製造するものである。
【0022】これにより、切断時のワイヤへの抵抗の変
動に応じて被加工物の近傍の切断中のワイヤの張力を調
整できる。
【0023】その結果、ワイヤの張力の変動による切断
後の薄板の平坦度精度の悪化を防止でき、これにより、
切断後の薄板の平坦度精度の向上を図ることができる。
【0024】なお、本発明の切断方法は、前記ワイヤを
走行させる工程と、砥粒を含む研磨材を収容した研磨材
供給槽から前記研磨材をオーバーフローさせ、前記研磨
材の液面を前記ワイヤより上昇させて前記ワイヤまたは
前記被加工物もしくはその両者に前記研磨材を供給する
ことにより、前記被加工物の切断箇所に前記研磨材を供
給する工程と、前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが
接触して相互に加圧するように前記被加工物と前記ワイ
ヤのうち何れか一方もしくは両者を移動させて前記被加
工物を切断する工程とを有し、前記研磨材供給槽から前
記研磨材をオーバーフローさせて前記研磨材中に前記被
加工物の切断箇所を浸した状態で前記被加工物を切断し
て薄板を製造するものである。
【0025】また、本発明の切断装置は、細いワイヤを
用いて棒状の被加工物の切断を行うものであり、前記ワ
イヤを走行させるワイヤ走行手段と、前記被加工物を保
持する被加工物保持手段と、前記被加工物と走行中の前
記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加工
物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動さ
せる移動手段と、砥粒を含む研磨材を前記ワイヤまたは
前記被加工物もしくはその両者に対して供給する研磨材
供給手段と、前記被加工物の近傍に設置されかつ切断中
の前記ワイヤの張力を検出する張力検出手段と、前記張
力検出手段による張力検出結果に基づいて切断中の前記
ワイヤの張力を調整する制御部と、前記制御部により制
御されて前記被加工物の近傍の切断中の前記ワイヤに張
力を与える張力付与手段とを有するものである。
【0026】さらに、本発明の切断装置は、細いワイヤ
を用いて棒状の被加工物の切断を行うものであり、前記
ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、前記被加工物を
保持する被加工物保持手段と、前記被加工物と走行中の
前記ワイヤとが接触して相互に加圧するように前記被加
工物と前記ワイヤのうち何れか一方もしくは両者を移動
させる移動手段と、砥粒を含む研磨材を収容しかつ前記
研磨材の液面が前記ワイヤより上昇するように前記研磨
材をオーバーフローさせて前記ワイヤまたは前記被加工
物もしくはその両者に前記研磨材を供給する研磨材供給
槽とを有し、前記研磨材供給槽から前記研磨材をオーバ
ーフローさせて前記研磨材中に前記被加工物の切断箇所
を浸した状態で前記被加工物の切断を行うものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0028】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による切断装置(ワイヤソー)の構造の一例を示す
構成概念図、図2は図1に示すワイヤソーの要部の構造
の一例を示す要部斜視図、図3は本発明の実施の形態1
の切断装置における張力検出手段と張力付与手段の構造
の一例を示す要部構成概念図である。
【0029】本実施の形態1の切断装置は、ワイヤソー
と呼ばれるものであり、半導体製造工程において、引き
上げによって形成したシリコンからなる棒状のインゴッ
ト1(被加工物)をウェハ(薄板)状に切断するもので
あり、張力(テンション)をかけた細いワイヤ2を走行
させて、そこに砥粒を含む研磨材6(加工液)を塗布し
て切断を行うものである。
【0030】前記ワイヤソーの構成について説明する
と、ワイヤ2を走行させかつ回転してワイヤ2の走行を
案内するとともにワイヤ2に張力を掛ける円筒形のワイ
ヤガイド3(ワイヤ走行手段)と、インゴット1を保持
する被加工物保持手段であるインゴット保持手段4(ビ
ームともいう)と、インゴット1と走行中のワイヤ2と
が接触して相互に加圧するようにインゴット保持手段4
を介してインゴット1を上下移動させるテーブル5(移
動手段)と、砥粒を含む研磨材6をワイヤ2に対して吐
出して供給する固定式ノズル11(研磨材供給手段)
と、インゴット1の近傍に設置されかつ切断中のワイヤ
2の張力を検出する張力検出手段と、前記張力検出手段
による張力検出結果に基づいて切断中のワイヤ2の張力
を調整する制御部8と、制御部8により制御されてイン
ゴット1の近傍の切断中のワイヤ2に張力を与える張力
付与手段とから構成される。
【0031】さらに、図3に示すように、本実施の形態
1のワイヤソーでは、前記張力検出手段が、ワイヤ2の
走行を案内する張力検出ローラ7に設けられた歪ゲージ
7aであり、かつ、前記張力付与手段が、ワイヤ2の走
行を案内しかつワイヤ2への加圧が可変自在に設置され
た加圧ローラ12である。
【0032】すなわち、本実施の形態1のワイヤソー
は、切断中のインゴット1の近傍のワイヤ2の張力を張
力検出ローラ7が有する歪ゲージ7aによって検出し、
この張力検出結果に基づいて制御部8により加圧ローラ
12を移動させ、これにより、加圧ローラ12からの加
圧の大きさを調整しながら切断中のワイヤ2の張力を制
御するものであり、その結果、ワイヤ2の張力を最適に
制御してインゴット1を切断し、インゴット1から高い
平坦度精度の薄板すなわちウェハを製造するものであ
る。
【0033】なお、図3において、インゴット1の近傍
のワイヤ2の張力を大きくする際には、制御部8により
加圧ローラ12を向かって右方向に所定距離移動させ
る。
【0034】これにより、ワイヤ2は加圧ローラ12に
よって押圧され、その結果、ワイヤ2の張力(テンショ
ン)は、大きくなる。
【0035】一方、インゴット1の近傍のワイヤ2の張
力を小さくする際には、制御部8により加圧ローラ12
を向かって左方向に所定距離移動させる。
【0036】これにより、加圧ローラ12はワイヤ2か
ら離れる方向に移動するため、加圧ローラ12からワイ
ヤ2が受ける圧力が減り、その結果、ワイヤ2の張力
(テンション)は、小さくなる。
【0037】なお、本実施の形態1においては、インゴ
ット1を下降(移動)させて、インゴット1とワイヤ2
とが相互に加圧する場合を説明するが、インゴット1を
固定として、ワイヤ2を移動(上昇もしくは下降)させ
てもよく、さらに、インゴット1とワイヤ2とが加圧し
あうように両者を移動させてもよい。
【0038】また、本実施の形態1のワイヤソーで用い
る研磨材6は、砥粒を含む加工液であり、例えば、鉱物
油中に砥粒としてSiCを含ませたものである。
【0039】さらに、ワイヤ2は、例えば、ピアノ線な
どのばね鋼材に亜鉛と銅のメッキ処理を行ったものであ
る。
【0040】前記ワイヤソーの主要部は、図1に示すよ
うに、大きく分けて、インゴット1の切断が行われる切
断室9と、ワイヤ2の送り出しおよび巻取りが行われる
ワイヤ室10とに分けられる。
【0041】ここで、ワイヤ室10内には、ワイヤ2の
送り出しおよび巻き取りを行うワイヤリール10aと巻
き取りボビン10b、ワイヤ2の走行中の上下動を案内
するロングローラ10c、ワイヤ2が均等に巻き取られ
るようにワイヤ2の走行を上下に振り分けるトラバーサ
10d,10e、ワイヤ2に掛かるテンションの強弱を
調節する可動式のテンションコントローラ10f,10
g、ワイヤ2のテンションを検知可能なセンサ(例え
ば、図3に示す歪ゲージ7a)が組み込まれたテンショ
ンセンシングプーリ10h,10i、ワイヤ2の走行を
案内する複数のプーリ10jなどが設けられている。
【0042】したがって、本実施の形態1のワイヤソー
は、インゴット1の近傍、すなわちワイヤガイド3に巻
き取られたワイヤ2の切断中の張力を張力検出ローラ7
と加圧ローラ12とによって調整する機能と、ワイヤガ
イド3への入口側と出口側においてテンションコントロ
ーラ10f,10gによりワイヤ2の張力を調整する
(この場合は、ワイヤ2の走行前に調整する)機能とを
有している。
【0043】なお、ワイヤガイド3への前記入口側と前
記出口側は、ワイヤ2を順送りする際と逆送りする際と
で反対になるため、ワイヤガイド3に対して何れの側も
入口側もしくは出口側になり得る。
【0044】また、本実施の形態1のワイヤソーには、
図2に示すように、研磨材6をワイヤ2に対して吐出し
て供給する横形の固定式ノズル11がインゴット1の両
側に設置されている。さらに、その固定式ノズル11に
は、研磨材6を吐出させるためのスリット状の細長い孔
がワイヤ2に向けた方向にそれぞれに設けられている。
【0045】これにより、固定式ノズル11においてワ
イヤ2に向けて研磨材6を吐出させた際には、この研磨
材6は、図2に示すようにカーテン状(層状)に吐出さ
れる。
【0046】ただし、固定式ノズル11に設けられる研
磨材吐出用の孔形状は、スリット状の細長い孔に限定さ
れるものではなく、例えば、ワイヤ2に向けて細かい小
孔が複数設けられていてもよい。
【0047】なお、固定式ノズル11からワイヤ2に向
けて吐出された研磨材6はワイヤ2に付着した後、その
状態でワイヤ2によって切断位置まで送られ、インゴッ
ト1の切断に至る。
【0048】また、図3に示すビームとも呼ばれるイン
ゴット保持手段4は、例えば、ポリ系樹脂によって形成
され、切断を行う際には、インゴット1はエポキシ系の
接着剤などによってインゴット保持手段4に固定され
る。
【0049】これにより、インゴット保持手段4は切断
時にインゴット1を保持するとともに、切断後のインゴ
ット1がウェハ毎にばらけないように切断後もインゴッ
ト1を保持するものである。
【0050】また、本実施の形態1のワイヤソーには、
4つの円筒形のワイヤガイド3が設置されており、4つ
のワイヤガイド3のうち、例えば、下側に設置された2
つのワイヤガイド3がモータ駆動による回転式のもの
で、この下側の2つのワイヤガイド3の駆動によってワ
イヤ2を所定方向(順送りまたは逆送り)に走行させ
る。
【0051】これに対し、切断時のテンションが掛かる
上側の2つのワイヤガイド3は、フリーに回転すること
ができるように取り付けられている。
【0052】さらに、ワイヤガイド3は、例えば、基材
がステンレス鋼によって形成され、その表面がポリウレ
タンなどによって形成されている。
【0053】また、表面のポリウレタンには、一本一本
のワイヤ2を案内するワイヤ2よりも少し幅広の溝が形
成されている。例えば、長さが280mmの1本のイン
ゴット1から250枚のウェハを形成する際には、それ
ぞれのワイヤガイド3に、少なくとも251個の前記溝
が等間隔で形成されていなければならない。
【0054】この場合、例えば、厚さ850μmのウェ
ハを形成できる。
【0055】なお、切断中、ワイヤ2は、順送りと逆送
りとが複数回繰り返される。
【0056】すなわち、所定の送り速度(例えば、10
m/秒程度)で、所定長さ(例えば、300m程度)順
送りされ、その後、同じ送り速度で、所定長さ(例え
ば、200m程度)逆送りされ、この順送りと逆送りと
を所定時間(例えば、両者で1分程度)ずつ複数回繰り
返してインゴット1を切断していく。
【0057】次に、図1〜図3を用いて、本実施の形態
1の切断方法について説明する。
【0058】本実施の形態1の切断方法は、図1に示す
ワイヤソーを用いたインゴット1の切断方法である。
【0059】まず、インゴット1をエポキシ系の接着剤
などによってインゴット保持手段4に固定し、さらに、
テーブル5の下部にこのインゴット保持手段4を取り付
ける。
【0060】これにより、インゴット1が所定の位置に
セットされる。
【0061】その後、4つのワイヤガイド3のうち、モ
ータ駆動を有する下側の2つのワイヤガイド3を駆動さ
せ、ワイヤ2を所定の送り速度(例えば、10m/秒)
でかつ所定の方向(例えば、図3における時計方向であ
り、ここでは、この時計方向を順送り方向とし、かつ、
その反対の反時計方向を逆送り方向とする)に走行させ
る。
【0062】また、これと同時に、インゴット1の両側
に配置された固定式ノズル11から、所定量の研磨材6
をワイヤ2に向けて吐出し、ワイヤ2に研磨材6を付着
させる。
【0063】さらに、テーブル5を所定の送り速度で下
降(移動)させ、インゴット1と走行中のワイヤ2との
接触を開始する。
【0064】この際、研磨材6はワイヤ2に付着した状
態で、インゴット1の切断箇所16まで運ばれる。つま
り、ワイヤ2によって搬送された研磨材6をインゴット
1の切断箇所16に供給する。
【0065】続いて、インゴット1と走行中のワイヤ2
とが接触した後、相互に加圧するようにインゴット1を
所定の送り速度で下降させていく。これにより、インゴ
ット1の切断を進行させる。
【0066】ここで、本実施の形態1のワイヤソーにお
いては、切断中のインゴット1の近傍のワイヤ2の張
力、すなわち、ワイヤガイド3に巻き取られたワイヤ2
の張力を張力検出ローラ7の歪ゲージ7aによって検出
する(定期的もしくは常時検出する)。
【0067】さらに、歪ゲージ7aの張力検出結果の情
報を制御部8に送り、この情報に基づき、制御部8によ
って加圧ローラ12を移動させる。
【0068】つまり、切断中のワイヤ2の張力が所定値
より大きくなった場合、制御部8によって加圧ローラ1
2をワイヤ2から離れる方向に(図3において向かって
左方向)移動させる。
【0069】これにより、加圧ローラ12からワイヤ2
が受ける圧力が減り、その結果、ワイヤ2の張力は、小
さくなる。
【0070】また、切断中のワイヤ2の張力が所定値よ
り小さくなった場合、制御部8によって加圧ローラ12
をワイヤ2に押し当てる方向(図3において向かって右
方向)に移動させる。
【0071】これにより、ワイヤ2の張力が増える。
【0072】したがって、制御部8によって加圧ローラ
12からのワイヤ2への圧力の大きさを調整しながら切
断中のワイヤ2の張力を制御し、その結果、ワイヤ2の
張力を最適に制御してインゴット1を切断する。
【0073】なお、切断が進行して、インゴット1の中
央付近を切断する際には、インゴット1の端部を切断す
る場合より、切断面積が広いため、切断抵抗が増加す
る。
【0074】しかし、制御部8によって、加圧ローラ1
2がワイヤ2に掛ける圧力の大きさを調整することによ
り、切断抵抗の大きさに係わらずワイヤ2の張力を最適
に制御でき、これにより、インゴット1から高い平坦度
精度の薄板すなわちウェハを製造する。
【0075】なお、この状態で、所定長さ(例えば、3
00m程度)のワイヤ2を順送りした後、次に、ワイヤ
2の送り方向を逆方向に変える。
【0076】つまり、ワイヤ2の送り速度を、同じ送り
速度とし、かつ所定長さ(例えば、200m程度)逆送
りさせる。
【0077】この順送りと逆送りとを所定時間(例え
ば、両者で1分程度)ずつ複数回繰り返してインゴット
1を切断していく。
【0078】その結果、インゴット1を切断して薄板す
なわちウェハを製造できる。
【0079】本実施の形態1の切断方法および装置によ
れば、以下のような作用効果が得られる。
【0080】すなわち、切断中のインゴット1の近傍の
ワイヤ2の張力を検出し、この張力検出結果に基づいて
切断中のワイヤ2の張力を制御してインゴット1を切断
することにより、切断時のワイヤ2への抵抗の変動に応
じてインゴット1の近傍の切断中のワイヤ2の張力を調
整できる。
【0081】これにより、ワイヤ2の張力の変動による
切断後のウェハ(薄板)の平坦度精度の悪化を防止でき
る。
【0082】したがって、切断後の前記ウェハの平坦度
精度の向上を図ることができる。
【0083】さらに、前記ウェハの平坦度精度の向上を
図ることができるため、このウェハを用いて製造する半
導体チップまたは半導体装置の歩留りを向上できる。
【0084】また、切断中のインゴット1の近傍のワイ
ヤ2の張力を制御するため、ワイヤガイド3に加わる張
力がほぼ一定となり、これにより、ワイヤガイド3の遍
摩耗を防止することができる。
【0085】その結果、ワイヤガイド3の長寿命化を図
ることができる。
【0086】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2の切断装置(ワイヤソー)における張力検出手段と
張力付与手段の構造の一例を示す要部構成概念図であ
る。
【0087】本実施の形態2の切断装置は、棒状のイン
ゴット1をウェハ状に切断するワイヤソーと呼ばれるも
のであり、実施の形態1のワイヤソーとほぼ同じ構造を
有するものであるが、実施の形態1のワイヤソーに対し
ての変更箇所は、ワイヤソーにおける張力検出手段が、
ワイヤガイド3に設けられた歪ゲージ7aであるととも
に、張力付与手段が、2つのワイヤガイド3の設置距離
を可変自在に設置された直線ガイド部材13である。
【0088】すなわち、本実施の形態2のワイヤソー
は、切断中のインゴット1の近傍のワイヤ2の張力をワ
イヤガイド3に設けられた歪ゲージ7aによって検出
し、この張力検出結果に基づいて制御部8により、直線
ガイド部材13上でこれに支持された2つのワイヤガイ
ド3の設置距離(軸間距離)を可変するものである。
【0089】ここで、直線ガイド部材13は、リニアガ
イドとも呼ばれ、隣接する2つのワイヤガイド3を回転
かつ水平移動自在に支持するガイド部材である。したが
って、制御部8からの制御により、直線ガイド部材13
上で2つのワイヤガイド3の設置距離(軸間距離)を自
在に可変できる。
【0090】なお、本実施の形態2では、4つのワイヤ
ガイド3のうち、図4に示すように、上方の2つのワイ
ヤガイド3が直線ガイド部材13によって支持されてい
る場合を説明するが、直線ガイド部材13によって支持
されるワイヤガイド3は、隣接する2つのワイヤガイド
3であれば、何れの位置のワイヤガイド3であってもよ
い。
【0091】さらに、複数の直線ガイド部材13を取り
付けて、3つ以上のワイヤガイド3における各々の軸間
距離を可変にしてもよい。
【0092】したがって、本実施の形態2のワイヤソー
は、切断中に、制御部8により2つのワイヤガイド3の
設置距離(軸間距離)を調整してワイヤ2の張力を制御
するものであり、その結果、ワイヤ2の張力を最適に制
御してインゴット1を切断することにより、インゴット
1から高い平坦度精度のウェハを製造できる。
【0093】ここで、ワイヤ2の張力を大きくする際に
は、直線ガイド部材13によって2つのワイヤガイド3
の設置距離(軸間距離)を長くする。
【0094】一方、ワイヤ2の張力を小さくする際に
は、直線ガイド部材13によって2つのワイヤガイド3
の設置距離(軸間距離)を短くする。
【0095】なお、本実施の形態2のワイヤソーにおけ
るその他の構造および切断方法については、実施の形態
1で説明したものと同様であるため、その重複説明は省
略する。
【0096】また、本実施の形態2の切断装置(ワイヤ
ソー)および切断方法によって得られる作用効果につい
ては、実施の形態1で説明したものと同様であるため、
その重複説明は省略する。
【0097】(実施の形態3)図5は本発明の実施の形
態3による切断装置(ワイヤソー)の構造の一例を示す
要部構成概念図である。
【0098】本実施の形態3の切断装置は、棒状のイン
ゴット1をウェハ状に切断するワイヤソーと呼ばれるも
のであり、実施の形態1のワイヤソーとほぼ同じ構造を
有するものであるが、実施の形態1のワイヤソーのよう
な歪ゲージ7a(張力検出手段)および加圧ローラ12
(張力付与手段)を有しておらず、さらに、固定式ノズ
ル11も設置されていない。
【0099】すなわち、本実施の形態3のワイヤソー
は、切断中のワイヤ2の張力を制御する機能は有してい
ない。
【0100】本実施の形態3のワイヤソーの構造につい
て説明すると、ワイヤ2を走行させかつ回転してワイヤ
2の走行を案内するとともにワイヤ2に張力を掛ける円
筒形のワイヤガイド3(ワイヤ走行手段)と、インゴッ
ト1を保持する被加工物保持手段であるインゴット保持
手段4(ビームともいう)と、インゴット1と走行中の
ワイヤ2とが接触して相互に加圧するようにインゴット
保持手段4を介してインゴット1を上下移動させるテー
ブル5(移動手段)と、砥粒を含む研磨材6を収容し、
かつ研磨材6の液面がワイヤ2より上昇するように研磨
材6をオーバーフローさせてワイヤ2に研磨材6を供給
する研磨材供給槽14とからなり、研磨材供給槽14か
ら研磨材6をオーバーフローさせて研磨材6中にインゴ
ット1の切断箇所16を浸した状態でインゴット1の切
断を行うものである。
【0101】すなわち、本実施の形態3のワイヤソー
は、研磨材供給槽14に収容した研磨材6をオーバーフ
ローさせ、この際、研磨材6の液面を10〜30mm程
度上昇させて、この液面の上昇範囲にインゴット1の切
断箇所16を浸して切断を行うものである。
【0102】ここで、4個のワイヤガイド3の周囲に
は、研磨材供給槽14からオーバーフローした研磨材6
を受けるとともに、その後、再び研磨材供給槽14に供
給する循環槽15が設置されている。
【0103】これにより、本実施の形態3のワイヤソー
においては、研磨材供給槽14から溢れ出た研磨材6を
再び研磨材供給槽14に戻して常時循環させている。
【0104】なお、本実施の形態3のワイヤソーにおけ
るその他の構造については、実施の形態1で説明したも
のと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0105】次に、本実施の形態3の切断方法について
説明する。
【0106】本実施の形態3の切断方法は、実施の形態
1の切断方法とほぼ同じであるが、実施の形態1の切断
方法に対しての変更箇所は、インゴット1への研磨材6
の供給方法である。
【0107】すなわち、本実施の形態3による研磨材6
の供給方法は、インゴット1をウェハ状に切断するにあ
たり、研磨材6を収容した研磨材供給槽14に対して、
例えば、30〜80リットル/分程度の流量で循環槽1
5側から研磨材6を供給する。
【0108】これにより、研磨材供給槽14に収容され
た研磨材6の液面を10〜30mm程度上昇させる。
【0109】その際、研磨材供給槽14からオーバーフ
ローした研磨材6を常時循環させて、繰り返して研磨材
供給槽14に供給する。
【0110】これにより、インゴット1の切断箇所16
には、常時、新しい研磨材6が供給される。
【0111】この状態、つまり、研磨材供給槽14から
研磨材6を常にオーバーフローさせた状態で、インゴッ
ト1を下降(移動)させ、研磨材供給槽14の上方に1
0〜30mm程度上昇した研磨材6中にインゴット1を
浸していく。
【0112】さらに、ワイヤ2とインゴット1とを接
触、かつ相互に加圧させて切断を開始する。
【0113】続いて、徐々にインゴット1を下降させる
ことにより、インゴット1が研磨材供給槽14中に浸っ
ていく。
【0114】その後、さらに、インゴット1を下降さ
せ、ワイヤ2がインゴット保持手段4に到達した所で切
断を終了する。
【0115】切断終了時点では、インゴット1は、完全
に研磨材供給槽14内に浸った状態となる。
【0116】なお、本実施の形態3におけるその他の切
断方法については、実施の形態1で説明したものと同様
であるため、その重複説明は省略する。
【0117】本実施の形態3の切断方法および装置によ
れば、以下のような作用効果が得られる。
【0118】すなわち、研磨材供給槽14から研磨材6
をオーバーフローさせて研磨材6中にインゴット1の切
断箇所16を浸した状態でインゴット1を切断すること
により、切断中、常時、インゴット1の切断箇所16に
研磨材6を供給できる。
【0119】これにより、インゴット1の切断位置に係
わらず適切な量の研磨材6を供給でき、その結果、切断
後のウェハ(薄板)の平坦度精度を向上できる。
【0120】その結果、このウェハから製造される半導
体チップまたは半導体装置の歩留りを向上できる。
【0121】なお、インゴット1の切断開始および終了
位置すなわち断面の端部の切断においても、適切な量の
研磨材6が供給されるため、ウェハのエッジが削れた形
状となること、すなわち、ウェハのダレ形状の発生を抑
制できる。
【0122】その結果、ウェハの平坦度精度を向上でき
る。
【0123】また、研磨材供給槽14から研磨材6をオ
ーバーフローさせて研磨材6中にインゴット1の切断箇
所16を浸した状態でインゴット1を切断することによ
り、切断終了後でもウェハが研磨材供給槽14内の研磨
材6中に浸されているため、ウェハやワイヤ2に付着し
た研磨材6が乾燥して固着することを防止できる。
【0124】これにより、切断後、ウェハとワイヤ2と
を分離する際に、ワイヤ2が隣接するウェハ間に挟まれ
ることなく、両者を滑らかに分離できる。
【0125】その結果、ワイヤ2の切断を防止すること
ができ、ワイヤ2の長寿命化を図ることができるととも
に、ウェハの損傷を防ぐことができる。
【0126】また、研磨材供給槽14からオーバーフロ
ーした研磨材6を循環させて、繰り返して研磨材供給槽
14に研磨材6を供給することにより、インゴット1の
切断箇所16には、常時、新しい研磨材6を供給でき
る。
【0127】これにより、切断後のウェハの平坦度精度
をさらに向上できるとともに、研磨材6の使用量を低減
できる。
【0128】また、研磨材供給槽14から研磨材6をオ
ーバーフローさせて研磨材6中にインゴット1を浸して
切断することにより、ウェハの切断箇所16に対して研
磨材6がほぼ全体に亘って供給される。
【0129】したがって、ワイヤ2の送りに対して研磨
材6が磨滅して発生する研磨代のウェハ入口側と出口側
との差による平坦度精度悪化を防ぐことができる。
【0130】その結果、ウェハの平坦度精度を向上でき
る。
【0131】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態1〜3に基づき具体的に説明したが、本
発明は前記発明の実施の形態1〜3に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
ることは言うまでもない。
【0132】例えば、前記実施の形態1,2におけるワ
イヤ2の張力制御については、ワイヤガイド3に巻き取
られたワイヤ全ての張力を一括で制御する場合を説明し
たが、巻き取られたワイヤ一本一本に対して、張力検出
手段と張力付与手段とを設けてもよい。
【0133】これにより、インゴット1切断中のワイヤ
ガイド3に巻き取られたワイヤ一本一本の張力を制御す
ることができ、ウェハの平坦度をさらに高精度にでき
る。
【0134】また、実施の形態3で説明したワイヤソー
は、固定式ノズル11(図3参照)が設置されていない
場合であるが、図5に示すワイヤソーにおいても、前記
固定式ノズル11が設置されていてもよい。
【0135】さらに、実施の形態1,2または3で説明
した切断方法および装置は、実施の形態1または2で説
明したワイヤ2の張力検出手段と張力付与手段と、これ
に実施の形態3で説明した研磨材供給槽14と循環槽1
5とを組み合わせたものであってもよい。
【0136】すなわち、前記切断方法および装置は、前
記張力検出手段と前記張力付与手段とを、さらに研磨材
供給槽14と循環槽15とを兼ね備えたものであっても
よい。
【0137】また、前記実施の形態1〜3においては、
研磨材6の供給にあたり、研磨材6をワイヤ2に塗布す
る場合を説明したが、研磨材6は、インゴット1に直接
塗布してもよく、さらに、ワイヤ2とインゴット1との
両者に塗布してもよい。
【0138】なお、前記実施の形態1〜3においては、
被加工物がシリコンからなるインゴット1の場合につい
て説明したが、前記インゴット1は、ガリヒソからなる
ものであってもよく、また、棒状の形状を成すものであ
れば、水晶などの被加工物、もしくは、他の金属被加工
物などであってもよい。
【0139】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0140】(1).切断中の被加工物の近傍のワイヤ
の張力を検出し、この張力検出結果に基づいて切断中の
ワイヤの張力を制御して被加工物を切断することによ
り、ワイヤの張力の変動による切断後の薄板の平坦度精
度の悪化を防止できる。したがって、切断後の薄板の平
坦度精度の向上を図ることができる。
【0141】(2).薄板の平坦度精度の向上を図るこ
とができるため、薄板がウェハである場合には、このウ
ェハを用いて製造する半導体チップまたは半導体装置の
歩留りを向上できる。
【0142】(3).切断中の被加工物の近傍のワイヤ
の張力を制御するため、ワイヤ走行手段に加わる張力が
ほぼ一定となり、これにより、ワイヤ走行手段の遍摩耗
を防止できる。その結果、ワイヤ走行手段の長寿命化を
図ることができる。
【0143】(4).研磨材供給槽から研磨材をオーバ
ーフローさせて研磨材中に被加工物の切断箇所を浸した
状態で被加工物を切断することにより、被加工物の切断
位置に係わらず適切な量の研磨材を供給できる。その結
果、切断後の薄板の平坦度精度を向上できる。
【0144】(5).被加工物の切断開始および終了位
置すなわち断面の端部の切断においても、適切な量の研
磨材が供給されるため、薄板のダレ形状の発生を抑制で
きる。その結果、薄板の平坦度精度を向上できる。
【0145】(6).研磨材供給槽から研磨材をオーバ
ーフローさせて研磨材中に被加工物の切断箇所を浸した
状態で被加工物を切断することにより、切断終了後に薄
板やワイヤに付着した研磨材が乾燥して固着することを
防止できる。これにより、切断後、薄板とワイヤとを分
離する際に、ワイヤが隣接する薄板間に挟まれることな
く、両者を滑らかに分離できる。その結果、ワイヤの切
断を防止することができ、かつワイヤの長寿命化を図れ
るとともに、薄板の損傷を防ぐことができる。
【0146】(7).研磨材供給槽からオーバーフロー
した研磨材を循環させて、繰り返して研磨材供給槽に供
給することにより、被加工物の切断箇所には、常時、新
しい研磨材を供給できる。これにより、切断後の薄板の
平坦度精度をさらに向上できるとともに、研磨材の使用
量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による切断装置(ワイヤ
ソー)の構造の一例を示す構成概念図である。
【図2】図1に示すワイヤソーの要部の構造の一例を示
す要部斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の切断装置における張力
検出手段と張力付与手段の構造の一例を示す要部構成概
念図である。
【図4】本発明の実施の形態2の切断装置(ワイヤソ
ー)における張力検出手段と張力付与手段の構造の一例
を示す要部構成概念図である。
【図5】本発明の実施の形態3による切断装置(ワイヤ
ソー)の構造の一例を示す要部構成概念図である。
【符号の説明】
1 インゴット(被加工物) 2 ワイヤ 3 ワイヤガイド(ワイヤ走行手段) 4 インゴット保持手段(被加工物保持手段) 5 テーブル(移動手段) 6 研磨材 7 張力検出ローラ 7a 歪ゲージ(張力検出手段) 8 制御部 9 切断室 10 ワイヤ室 10a ワイヤリール 10b 巻き取りボビン 10c ロングローラ 10d,10e トラバーサ 10f,10g テンションコントローラ 10h,10i テンションセンシングプーリ 10j プーリ 11 固定式ノズル(研磨材供給手段) 12 加圧ローラ(張力付与手段) 13 直線ガイド部材(張力付与手段) 14 研磨材供給槽 15 循環槽 16 切断箇所

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物を切
    断する切断方法であって、 前記ワイヤを走行させる工程と、 砥粒を含む研磨材を前記ワイヤまたは前記被加工物もし
    くはその両者に供給して前記被加工物の切断箇所に前記
    研磨材を供給する工程と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させて前記被加工物を切断する
    工程と、 切断中の前記被加工物の近傍の前記ワイヤの張力を検出
    し、この張力検出結果に基づいて切断中の前記ワイヤの
    張力を制御する工程とを有し、 切断中の前記ワイヤの張力を制御して前記被加工物を切
    断することにより、前記被加工物から薄板を製造するこ
    とを特徴とする切断方法。
  2. 【請求項2】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物を切
    断する切断方法であって、 前記ワイヤを走行させる工程と、 砥粒を含む研磨材を収容した研磨材供給槽から前記研磨
    材をオーバーフローさせ、前記研磨材の液面を前記ワイ
    ヤより上昇させて前記ワイヤまたは前記被加工物もしく
    はその両者に前記研磨材を供給することにより、前記被
    加工物の切断箇所に前記研磨材を供給する工程と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させて前記被加工物を切断する
    工程とを有し、 前記研磨材供給槽から前記研磨材をオーバーフローさせ
    て前記研磨材中に前記被加工物の切断箇所を浸した状態
    で前記被加工物を切断して薄板を製造することを特徴と
    する切断方法。
  3. 【請求項3】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物を切
    断する切断方法であって、 前記ワイヤを走行させる工程と、 砥粒を含む研磨材を収容した研磨材供給槽から前記研磨
    材をオーバーフローさせ、前記研磨材の液面を前記ワイ
    ヤより上昇させて前記ワイヤまたは前記被加工物もしく
    はその両者に前記研磨材を供給することにより、前記被
    加工物の切断箇所に前記研磨材を供給する工程と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させて前記被加工物を切断する
    工程と、 切断中の前記被加工物の近傍の前記ワイヤの張力を検出
    し、この張力検出結果に基づいて切断中の前記ワイヤの
    張力を制御する工程とを有し、 前記研磨材供給槽から前記研磨材をオーバーフローさせ
    て前記研磨材中に前記被加工物の切断箇所を浸した状態
    で、かつ切断中の前記ワイヤの張力を制御して前記被加
    工物を切断することを特徴とする切断方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の切断方法であっ
    て、前記研磨材供給槽からオーバーフローした前記研磨
    材を循環させて、繰り返して前記研磨材供給槽に前記研
    磨材を供給することを特徴とする切断方法。
  5. 【請求項5】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を前記ワイヤまたは前記被加工物もし
    くはその両者に対して供給する研磨材供給手段と、 前記被加工物の近傍に設置され、かつ切断中の前記ワイ
    ヤの張力を検出する張力検出手段と、 前記張力検出手段による張力検出結果に基づいて切断中
    の前記ワイヤの張力を調整する制御部と、 前記制御部により制御されて前記被加工物の近傍の切断
    中の前記ワイヤに張力を与える張力付与手段とを有する
    ことを特徴とする切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の切断装置であって、前記
    張力検出手段が、前記ワイヤの走行を案内する張力検出
    ローラに設けられた歪ゲージであるとともに、前記張力
    付与手段が、前記ワイヤの走行を案内しかつ前記ワイヤ
    への加圧が可変自在に設置された加圧ローラであること
    を特徴とする切断装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の切断装置であって、前記
    張力検出手段が、前記ワイヤ走行手段に設けられた歪ゲ
    ージであるとともに、前記張力付与手段が、少なくとも
    2つの前記ワイヤ走行手段の設置距離を可変自在に設置
    された直線ガイド部材であることを特徴とする切断装
    置。
  8. 【請求項8】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を収容し、かつ前記研磨材の液面が前
    記ワイヤより上昇するように前記研磨材をオーバーフロ
    ーさせて前記ワイヤまたは前記被加工物もしくはその両
    者に前記研磨材を供給する研磨材供給槽とを有し、 前記研磨材供給槽から前記研磨材をオーバーフローさせ
    て前記研磨材中に前記被加工物の切断箇所を浸した状態
    で前記被加工物の切断を行うことを特徴とする切断装
    置。
  9. 【請求項9】 細いワイヤを用いて棒状の被加工物の切
    断を行う切断装置であって、 前記ワイヤを走行させるワイヤ走行手段と、 前記被加工物を保持する被加工物保持手段と、 前記被加工物と走行中の前記ワイヤとが接触して相互に
    加圧するように前記被加工物と前記ワイヤのうち何れか
    一方もしくは両者を移動させる移動手段と、 砥粒を含む研磨材を収容し、かつ前記研磨材の液面が前
    記ワイヤより上昇するように前記研磨材をオーバーフロ
    ーさせて前記ワイヤまたは前記被加工物もしくはその両
    者に前記研磨材を供給する研磨材供給槽と、 前記被加工物の近傍に設置され、かつ切断中の前記ワイ
    ヤの張力を検出する張力検出手段と、 前記張力検出手段による張力検出結果に基づいて切断中
    の前記ワイヤの張力を調整する制御部と、 前記制御部により制御されて前記被加工物の近傍の切断
    中の前記ワイヤに張力を与える張力付与手段とを有する
    ことを特徴とする切断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100956083B1 (ko) * 2007-04-25 2010-05-07 실트로닉 아게 와이어쏘를 위한 와이어 가이드 롤
WO2013041347A1 (de) * 2011-09-23 2013-03-28 Voith Patent Gmbh Drahtführungsrolle für drahtsägen mit datenerfassungssystem

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