JPH10263050A - 2薬剤混合用スパイク - Google Patents

2薬剤混合用スパイク

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JPH10263050A
JPH10263050A JP9074933A JP7493397A JPH10263050A JP H10263050 A JPH10263050 A JP H10263050A JP 9074933 A JP9074933 A JP 9074933A JP 7493397 A JP7493397 A JP 7493397A JP H10263050 A JPH10263050 A JP H10263050A
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spike
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thin film
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Nihe Kuroda
仁兵衛 黒田
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Fuso Pharmaceutical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器本体内側に一体的に形成された隔離薄膜
により溶解剤を収容する第1収容空間と溶解剤に混合さ
れる固形粉末剤を収容する第2収容空間とを形成する新
規な一体型容器に適用可能な2薬剤混合用スパイクを提
供する。 【解決手段】 このスパイク200は、中空針本体の内
部に先細りの仕切り壁216が設けられており、中空針
本体の仕切り壁先端部両側で切り欠かれて2つの細長開
口218,219が形成されている。仕切り壁216に
は、各細長開口に臨む液拡散用突起221,222が形
成されている。スパイクの先端202を一体型容器の第
2収容空間側から挿入して細長開口218,219を隔
離薄膜16bに跨がらせる。容器内の溶解剤20をこの
細長開口内に案内したとき、溶解剤は第2収容空間内に
流動してこの空間内の固形粉末剤26と混合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2薬剤を混合する
ためのスパイクに関し、特に、溶解液剤と、該溶解液剤
に溶解させて用いる固形薬剤とを混合するのに好適に用
いられる2薬剤混合用スパイクに関する。
【0002】
【従来の技術】2薬剤、たとえば、溶解液剤と、該溶解
液剤に溶解させて用いる固形薬剤とを混合するためのス
パイクとして、従来より、中空針本体の両側先端部に夫
々開口が設けられ該各先端部が夫々先細りに形成されて
なる両頭針型スパイクが提供されている。この両頭針型
スパイクの上記各先端部は、溶解液剤を収容する第1容
器の首部に設けられたスパイク挿入手段と、固形薬剤を
収容し第1容器とは独立して準備された第2容器の首部
に設けられたスパイク挿入手段とに夫々挿入され、第1
容器内部と第2容器内部とが互いに連通せしめられる。
そして、この両頭針型スパイクにより相互に接続された
第1,2容器を全体的に上下左右に振ることにより、溶
解液剤と固形薬剤とを互いに混合することができるよう
になっている。
【0003】一方、本願発明者等は、容器の首部に一体
的に隔離薄膜を設けて、該隔離薄膜の胴部側に溶解液剤
を密閉する第1の収容空間を形成した第1容器と、隔離
薄膜の首部口部側に固形薬剤を密閉する第2の収容空間
を形成すると共にスパイク挿入手段を設けた第2容器と
を一体的に備えた新規な2薬剤封入済み一体型容器を提
案(未公開)している。
【0004】ところで、この一体型容器は、上記の如く
第1容器と第2容器とを隔離薄膜を間に設けて一体的に
形成しているので、第1容器内の溶解液剤と、第2容器
内の固形薬剤とを混合するのに前記両頭針型スパイクを
用いるのは不適当である。
【0005】そこで、この一体型容器に対して適用可能
であり、かつ、第1の収容空間内に収容された溶解液剤
と第2の収容空間内に収容された固形薬剤とを簡単な操
作で互いに混合させることができるようにした2薬剤混
合用スパイクが所望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
すべき主たる技術的課題は、上記新規な一体型容器に適
用可能であり、かつ、一方の収容空間内に収容された溶
解液剤と他方の収容空間内に収容された固形薬剤とを簡
単な操作で互いに混合させることができる2薬剤混合用
スパイクを提供することである。
【0007】他の1つの技術的課題は、上記操作をより
簡単に行うことができる2薬剤混合用スパイクを提供す
ることである。
【0008】また、他の1つの技術的課題は、上記溶解
液剤と固形薬剤との混合速度が速い2薬剤混合用スパイ
クを提供することである。
【0009】さらに、また、他の一つの技術的課題は、
点滴筒を備えた2薬剤混合用スパイクを提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段・作用・効果】上記主たる
技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下の
構成の2薬剤混合用スパイクが提供される。
【0011】すなわち、この2薬剤混合用スパイクは、
容器本体内に隔離薄膜を設けて第1及び第2の収容空間
を形成し、第1の収容空間は溶解液剤を収容する一方、
第2の収容空間は固形薬剤を収容する2薬剤封入済み一
体型容器に適用されるものであり、中空針本体と、該中
空針本体の中空部内に設けられかつ軸方向に延在して2
流路を形成する仕切り壁と、中空針本体に設けられた位
置決め手段とを備える。仕切り壁は先端方向に先細りに
形成され、中空針本体は仕切り壁の先端側両側で切り欠
かれて2つの細長開口が形成される一方、他端が開口
し、上記位置決め手段は、中空針本体の基端側外周に設
けられる。この中空針本体の先端を第2の収容空間及び
隔離薄膜を貫通させて第1の収容空間に臨ませると共に
位置決め手段を容器本体に対して位置決めしたとき、上
記2つの細長開口は、第1及び第2の収容空間に跨がっ
て位置する。つまり、このスパイクは、上記新規な一体
型容器に好適に使用できる。
【0012】上記位置決め手段として、容器本体と協働
する手段であって、たとえば、容器本体に対する相対位
置を視覚的に表示する目印等の視覚手段や、該相対位置
をクリック音等の音で知らせる手段や、該相対位置をス
パイクが容器本体に挿入されるときの圧感等(たとえ
ば、上記位置決めが完了したときに、容器本体に対する
スパイクの相対移動が防止され、これによって位置決め
が完了したことを感知させるような圧感)の感触で知ら
せる感触手段等を用いることができる。
【0013】この2薬剤混合用スパイクは、たとえば、
次のようにして用いられる。
【0014】すなわち、このスパイクを上記一体型容器
に適用して用いる場合、先ず、一体型容器の溶解液剤が
収容されている第1の収容空間を下にした状態で、中空
針本体の先端を第2の収容空間及び隔離薄膜を貫通させ
て第1の収容空間に臨ませると共に位置決め手段を容器
本体に対して位置決めする。このとき、上記の如く、ス
パイクの2つの細長開口は、第1及び第2の収容空間に
跨がって位置し、第1及び第2の収容空間は連通してい
る。つまり、スパイクを容器本体に装着すると同時に位
置決め手段を容器本体に対して位置決めする簡単な操作
によって、第1の収容空間内に収容された溶解液剤と、
第2の収容空間内に収容された固形薬剤とは、互いに混
合可能な準備位置に設定される。
【0015】次いで、この一体型容器を、第2の収容空
間が下になるように反転させることにより、第1容器内
の溶解液剤は、上記2つの細長開口を通して第1の収容
空間から第2の収容空間へ案内され該第2の収容空間内
の固形薬剤と混合される。そして、このように混合され
た薬剤は、さらに、上記基端側の2流路に案内されて上
記他端側開口へ導かれる。
【0016】また、このように混合された薬剤を第1の
収容空間内に戻す場合には、この一体型容器を第1の収
容空間が下になるように反転させる。これにより、この
混合された薬剤は、スパイクの上記他端側開口から基端
側2流路を通り第2の収容空間に案内された後に、さら
に、上記2つの細長開口を通って第1の収容空間に戻さ
れる。
【0017】上記他の1つの技術的課題を解決するため
に、上記位置決め手段は、上記中空針本体の軸直角方向
に突出するフランジから構成し、上記中空針本体の上記
先端を上記第2の収容空間及び上記隔離薄膜を貫通させ
て上記第1の収容空間に臨ませると共にフランジを上記
容器本体に当接させたときに、上記2つの細長開口を第
1及び第2の収容空間に跨がって位置せしめるようにす
ることが好ましい。
【0018】この構成によれば、容器本体へのスパイク
挿入時にフランジが容器本体に当接したことを使用者は
感触で知ることができ、使用者は、このとき、容器本体
に対するスパイクの位置決めが完了したことを感知する
ことができる。つまり、使用者は、スパイクと容器本体
との位置決めを視覚に頼る事なくその感触だけで極めて
容易に行うことができ、この位置決め操作、従って、該
位置決め操作を含むところの溶解液剤と固形薬剤とを混
合するための全体的な操作をより簡便に行うことができ
る。
【0019】上記、さらに、他の1つの技術的課題を解
決するために、上記仕切り壁は、その両側に、上記細長
開口に臨みかつ上記基端側に設けられた液拡散用突起を
夫々備え、上記中空針本体の上記先端を上記第2の収容
空間及び上記隔離薄膜を貫通させて上記第1の収容空間
に臨ませると共に、上記位置決め手段を上記容器本体に
対して位置決めしたとき又は上記フランジを上記容器本
体に当接させたときに、上記液拡散用突起を、第2の収
容空間内の所定位置に位置せしめるようにすることが好
ましい。
【0020】この所定位置は、第2の収容空間内の固形
薬剤が、以下記載のステップにおいて、溶解液剤と最も
効果的に混合されることができる位置である。
【0021】この構成によれば、上記の如く第1の収容
空間内の溶解液剤を第2の収容空間を通してスパイクの
上記他端側開口に案内するとき、スパイクの2つの細長
開口を通して第2の収容空間に案内されてきた溶解液剤
は、液拡散用突起に当たり、溶解液剤は、第2の収容空
間の内部に全体的に拡散せしめられる。この溶解液剤の
拡散流によって、第2の収容空間に収容されている固定
薬剤は、該収容空間内で溶解液剤と全体的に速やかに混
合され、該溶解液剤に溶解せしめられる。この混合(溶
解)済み薬剤は、さらに、上記2流路内に案内されて、
スパイクの上記他端側開口へ案内される。
【0022】また、たとえば、上記の如く一旦混合され
た薬剤がスパイクの上記他端側開口から第1の収容空間
に戻されるとき、上記2流路を通って第2の収容空間側
に案内されてきた混合済み薬剤は、上記拡散用突起に当
たって第2の収容空間に、再度、全体的に拡散せしめら
れる。これにより、上記混合ステップで第2の収容空間
の固形薬剤が溶解液剤と完全に混合されなかった場合に
おいても、それらの未溶解(混合)固形薬剤は、再度、
この混合済み薬剤が含む溶解液剤と混合されることにな
る。
【0023】上記、さらに、また、他の一つの技術的課
題を解決するために、上記中空針本体の上記他端側に上
記開口に連通する点滴筒を固定することができる。
【0024】この構成によれば、たとえば、上記混合後
の薬剤を収容した上記一体型容器の首部を下にすること
により、その薬剤は容器内部から上記中空針本体の他端
側開口側へ案内され、さらに、該案内された薬剤を点滴
筒内に滴下させることができる。つまり、スパイクを一
体型容器に装着して容器の首部を下にするだけで、この
点滴筒は点滴準備状態に自動的に設定されることにな
り、大変使い勝手のよいスパイクが提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の1実施形態を図
1〜46に従って説明する。
【0026】本実施形態に係る2薬剤混合用スパイク
は、該スパイクが適用される新規な一体型輸液容器の首
部にワンタッチで装着することができ、これにより、該
容器内に収容されている2薬剤が速やかに混合される状
態に設定できるようにしたものである。
【0027】先ず、本実施形態に係る2薬剤混合用スパ
イクが適用される第1及び第2タイプの一体型輸液容器
及び、その製造方法を図1〜35に従って説明する。図
1は、これらのスパイクと輸液容器とからなる2薬剤混
合システムの大略構成を示している。図において、参照
符号10は、溶解剤20を密閉状態で内側に収容した第
1収容空間2と、該溶解剤20に混合(溶解)させて用
いる固形粉末剤26を密閉状態で内側に収容した第2収
容空間4とを夫々内側に形成した一体型輸液容器であ
り、200は、この一体型輸液容器の首部16に挿入し
て用いられるスパイクである。
【0028】図に示すように、この一体型輸液容器10
は、上記首部16に設けられ容器本体と一体的に形成さ
れた隔離薄膜16bによって、容器内部が第1,2収容
空間2,4に区分けされている。この輸液容器10の胴
部14の端部には、ハンガー(吊り下げ部)6が設けら
れており、不図示の支持部材にこのハンガー6を引っか
けることにより、輸液容器10を首部16を下にした状
態で吊り下げることができるようになっている。この輸
液容器10の首部16の端部には、ゴム栓35が設けら
れている。このゴム栓35には、図に示す如く先細りに
形成されているスパイク200の先端202が挿入(刺
針)される。
【0029】このスパイク200には、点滴筒204が
備えられている。この点滴筒204には、図に示すよう
に、輸液案内チューブ206と、該輸液案内チューブ2
06の流路を開閉するクランプ(バルブ装置)208
と、他の輸液案内チューブ210と、人体に刺針するた
めの注射針212が順次接続されている。
【0030】このように大略構成されている一体型輸液
容器は、ブロー成型法により、以下の製造工程を経て作
られる。
【0031】すなわち、先ず、図2に示す如く、熱可塑
性樹脂からなる加熱軟化したチューブ状パリソンを第1
対称金型100内にセットした後にパリソン内部にエア
ーを吹き込んで膨張させ第1対称金型100に密着させ
ると同時に冷却して、胴部14と首部16とを有する第
1中間体容器10Aを形成した後に、第1溶解剤20が
第1中間体容器10A内に所定量充填される。上記チュ
ーブ状パリソンを形成する熱可塑性合成樹脂として、ポ
リエチレンを用いているが、使用材料は、このポリエチ
レンに限定されるものではない。
【0032】次いで、図3に示す如く、第1対称金型1
00に摺動自在に設けられた押し棒102によって第1
中間体容器10Aの側面を内側に押圧して弾力的に窪ま
せる。
【0033】次いで、図4に示す如く、第2対称金型1
04により、上記第1中間体容器10Aの首部16を密
閉してなる第2中間体容器10Bを形成する。つまり、
このステップで、天壁としての密閉膜16aが形成され
る。
【0034】次いで、図5に示す如く、第2中間体容器
10Bに対して押し棒102の押圧を解放して、容器本
体が有する弾性復元力により容器本体の内部を大気圧に
対して低圧にさせる。
【0035】図6に示す如く第1,2対称金型100,
104を押し棒102と共に開枠して、図7に示す如く
第2中間体容器10Bを金型から取り出す。第2中間体
容器10Bは、上記の如く、第1,2対称金型100,
104によって形成されているため、該第2中間体容器
10Bの首部16が有する密閉膜16aには、センター
・パーティングライン30が首部直径方向に形成されて
いる。
【0036】次いで、この密閉膜16aがセンター・パ
ーティングライン30により区分けされた第1部分16
yと第2部分16zとを、図8に示す如く、第1部分1
6yの延伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなる
ように、加熱部材106により加熱軟化して、大気圧に
対して負圧になっている容器内部へ部分的に陥没させ
る。この第1部分16yの延伸量と、第2部分16zの
延伸量との相違により、センター・パーティングライン
30は、密閉膜16aの中心に対して上記加熱前の第2
部分16z側へ偏心せしめられる。加熱手段としては、
図に示すように、均一に加熱された加熱部材106が用
いられており、該加熱部材106により、第1部分16
yの加熱面積が第2部分16zの加熱面積よりも大きく
なるように第1,2部分16y,16zが加熱されてい
る。この加熱により、第1部分16yの延伸量を、第2
部分16zの延伸量よりも大きくしている。このステッ
プで加熱された密閉膜16aの上面の状態を図12に示
している。図中、偏心せしめられたセンター・パーティ
ングラインは、破線30aで示している。このステップ
での加熱前に密閉膜16aに形成されていたセンター・
パーティングラインは、一点鎖線30で示している。な
お、上記加熱部材106の温度や、加熱時間や、密閉膜
16aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本
体と加熱部材106との間隔によって、任意に設定され
る。
【0037】次いで、図9に示す如く、上記密閉膜16
aの全面を加熱部材107により均一に加熱して軟化さ
せ密閉膜16a全体を負圧になっている容器の内側に陥
没させる。第2中間体容器10Bの内部は外部に対して
負圧になっているため、密閉膜16aは、全体的に均一
に該中間体容器10Bの内方向に引っ張られて、密閉膜
16a全体がムラなく延伸せしめられる。これにより、
内方向に引っ張られて形成される陥没凹部を隔離用刺針
部薄膜16bとして形成する。この隔離用刺針部薄膜1
6bに対して、容器本体の内側は、溶解剤20を収容し
た第1収容空間2として形成される一方、薄膜16bに
対して、容器本体の外側は、固形粉末剤26を収容する
第2収容空間4として形成される。この密閉膜16a
は、図に示すように、均一に加熱された加熱部材107
により、全体的に均一に加熱される。この加熱により、
上記隔離用刺針部薄膜16bは、該薄膜16bが全体的
に容器内方に延伸して凹となるにつれて、その膜厚は減
じられていく。また、これと共に、隔離用刺針部薄膜1
6bに形成されていたパーティングライン30aは、該
薄膜16bの中心に対してさらに偏心せしめられる。図
中、このようにさらに偏心せしめられたパーティングラ
インを30bとしてとして示している。このステップ完
了時における隔離用刺針部薄膜16bの上面の状態を図
13に示している。なお、上記加熱部材107の温度
や、加熱時間や、密閉膜16aの表面温度等は、パリソ
ンの形成材料や、容器本体と加熱部材との間隔によっ
て、任意に設定される。
【0038】次いで、上記隔離用刺針部薄膜16bを上
記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図10に
示す如く、首部成形コア109を上記首部16の内側に
挿入して隔離用刺針部薄膜16bを首部16の内周面に
沿わせるように形状を整えると共に、隔離用刺針部薄膜
16bの底面を成型する。つまり、このステップで、隔
離用刺針部薄膜16bより上に位置する首部16の周壁
は容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側端
部で一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り込
まれた隔離用刺針部薄膜16bとからなる2重壁として
構成される。
【0039】次いで、図11に示す如く、この首部成型
コア109を首部16から抜き取って第3中間体容器1
0Cを形成する。
【0040】ところで、隔離用刺針部薄膜が一定の厚さ
以上の厚さを有している場合、該隔離用刺針部薄膜に、
後に詳しく説明するところのスパイクを挿入したとき
に、刺針部薄膜の一部がスパイクにより削られる(この
現象は、「コアリング」と称される)可能性が高くなる
ことが知見されている。しかし、上記の如く形成された
隔離用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30b
に対応しない部分つまりスパイク200が挿入される部
分の肉厚が上記一定の厚さ以下となり、上記コアリング
の発生の可能性は有意に低減する。つまり、隔離用刺針
部薄膜へのスパイクの刺針時にコアリングが発生して隔
離用刺針部薄膜が削られてなる破片が輸液容器本体の第
1収容空間2内に混入する可能性は低減する。
【0041】さて、このように形成された第3中間体容
器10Cの首部16の上記第2収容空間4には、固形粉
末剤26を密閉し上記隔離用刺針部薄膜16b側に薄膜
を備えた別体の小容器が嵌入され固定されて、この一体
型輸液容器が完成する。この小容器は、以下のように準
備され、そして、第3中間体容器10Cの首部16に固
定される。
【0042】すなわち、先ず、図14,15に示す如
く、上部所定位置に複数の切り欠き32aを備え底壁が
薄膜32bとして形成されると共に一端側が開口した熱
可塑性樹脂製の小容器構成部材32が準備される。この
薄膜32bは、パーティングラインを有していない。図
14,15は、夫々、この小容器構成部材32の上面及
び側面断面を示している。
【0043】次いで、図16に示す如く、この小容器構
成部材32の中に、凍結乾燥させることにより上記固形
粉末剤26を形成するような薬剤溶液26aが所定量充
填される。
【0044】次いで、図17に示す如く、この小容器構
成部材32の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部
材35aを備えたゴム栓35を、上記切り欠き32aを
密閉しないように内嵌して小容器中間体を構成する。
【0045】次いで、図18に示す如く、周知の凍結乾
燥法により、薬剤溶液26aの水分を切り欠き32aか
ら逃がすようにして該薬剤溶液26aを蒸発/乾燥さ
せ、該薬剤溶液26aから固形粉末剤26を形成する。
【0046】次いで、図19に示す如く、上記密閉用フ
レーム部材35aを備えたゴム栓35を、小容器構成部
材32の内周面沿いに切り欠き32aを越えて薄膜32
b側へ加圧挿入して、上記固形粉末剤26を収容してい
る空間を密閉する。
【0047】次いで、図20に示す如く、ゴム栓35の
密閉用フレーム部材35bと、小容器構成部材32とを
共に加熱して互いに溶着させる。
【0048】次いで、図21に示す如く、小容器構成部
材32の底面(つまり、上記薄膜32bの表面)とその
周囲とに防湿フィルム37を一体的に設けて(ラミネー
トして)小容器を完成する。
【0049】次いで、図22に示す如く、上記完成した
小容器38を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌
入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を
収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間2
とは、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器
38側の薄膜32bとからなる2重壁で区分けされるこ
とになる。
【0050】次いで、図23に示す如く、さらに、小容
器38の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱
溶着して互いに固定し密閉する。
【0051】次いで、一体型輸液容器10の首部口部に
保護フィルム(封止フィルム)39を貼着して完成す
る。このようにして形成されてなる一体型輸液容器10
の首部16の要部拡大断面を図24に示している。
【0052】上記小容器は、薬剤溶液を凍結乾燥させて
固形粉末剤26を形成・密閉する目的で準備されたもの
であるが、この変形例に係るものとして、小容器構成部
材の中に、初めから固形粉末剤であるものを収容して密
閉してもよいことはいうまでもない。
【0053】すなわち、この変形例に係る小容器は、先
ず、図25に示す如く、底壁が薄膜41bとして形成さ
れた小容器構成部材であって、上方が解放された熱可塑
性樹脂から形成された小容器構成部材41が準備され
る。この薄膜41bは、パーティングラインを有してい
ない。図25は、この小容器構成部材41の側面断面を
示している。
【0054】次いで、図26に示す如く、この小容器構
成部材41の中に、固形粉末剤26が所定量充填され
る。
【0055】次いで、図27に示す如く、この小容器構
成部材41の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部
材42aを備えたゴム栓42を内嵌して小容器中間体を
構成する。
【0056】次いで、図28に示す如く、上記密閉用フ
レーム部材42aを備えたゴム栓42を、小容器構成部
材41の内周面沿いに薄膜41b側へ加圧挿入して上記
固形粉末剤26を収容している空間を密閉した後に、ゴ
ム栓42の密閉用フレーム部材42aと、小容器構成部
材41とを共に加熱して互いに溶着させる。
【0057】次いで、図29に示す如く、小容器構成部
材41の底面(つまり、上記薄膜41bの表面)とその
周囲とに防湿フィルム43を設けて(ラミネートして)
小容器44を完成する。
【0058】次いで、図30に示す如く、上記完成した
小容器44を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌
入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を
収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間と
は、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器4
4側の薄膜41bとからなる2重壁で区分けされること
になる。
【0059】次いで、図31に示す如く、さらに、小容
器44の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱
溶着して互いに固定し密閉する。
【0060】次いで、一体型輸液容器10の首部口部に
保護フィルム(封止フィルム)を貼着して完成する。こ
のようにして形成されてなる一体型輸液容器10の首部
16の構成は、図24に示したものと基本的に同一であ
る。
【0061】上記第1タイプの一体型輸液容器は、夫
々、該輸液容器の第2収容空間4を、固形粉末剤26を
密閉した小容器38,44を夫々収納するための収納空
間として構成されている。この第1タイプの一体型輸液
容器に対して、第2収容空間4を、固形粉末剤26を直
接密閉するための空間として構成することができる。以
下に、この構成に対応する第2タイプの輸液容器とその
製造方法を、図32〜35に従って説明する。
【0062】先ず、上記第1タイプの体型輸液容器の製
造過程で形成される第3中間体容器10Cと同様の中間
体容器10Cが準備される。そして、図32に示す如
く、この中間体容器10Cの第2収容空間4に対応する
首部内側に、薬液充填ノズル45により、薬液46を充
填する。
【0063】次いで、図33に示す如く、上記第1タイ
プの輸液容器に用いられるのと同様の密閉用フレーム部
材47aを備えたゴム栓47をこの首部16の内周面沿
いに隔離用刺針部薄膜16b側へ加圧挿入して、薬液4
6を収容している第2収容空間4を密閉する。
【0064】次いで、図34に示す如く、ゴム栓47の
密閉用フレーム部材47aと、上記首部の口部とを共に
加熱して互いに溶着させる。
【0065】次いで、この口部に保護フィルム48を貼
着して一体型輸液容器を完成する。図35は、このよう
にして完成した一体型輸液容器の要部拡大断面を示して
いる。
【0066】次に、上記第1,2タイプの一体型輸液容
器に適用可能な本実施形態の2薬剤混合用スパイクを図
36に従って説明する。
【0067】図において、214は中空針本体、216
は該中空針本体214の中空部内に設けられかつ軸方向
に延在して2流路215を形成する仕切り壁、そして、
217は中空針本体214の基部に固定された位置決め
フランジである。この仕切り壁216は先端方向に先細
りに形成され、中空針本体214は仕切り壁216の先
端側両側で切り欠かれて2つの細長開口218,219
が形成されている。この中空針本体214の他端は、上
記2つの細長開口218,219に連通する他端側開口
220を有している。図に示すように、この位置決めフ
ランジ217は、中空針本体214の基端側外周に設け
られている。
【0068】このスパイク200は、該スパイク200
が上記第1タイプの輸液容器に適用される場合には、中
空針本体214の先端202は、上記一体型容器のゴム
栓35,42と、第2収容空間4と、隔離用刺針部薄膜
16b側に設けられた薄膜32b,41bと、隔離用刺
針部薄膜16bとに順次貫通せしめられる。このように
スパイク200の先端202が隔離用刺針部薄膜16b
を貫通して第1収容空間2側に露出している状態を、図
24中、1点鎖線で示している。
【0069】一方、該スパイク200が上記第2タイプ
の輸液容器に適用される場合には、中空針本体214の
先端202を上記一体型容器のゴム栓47と、第2収容
空間4と、隔離用刺針部薄膜16bとに順次貫通せしめ
られる。このようにスパイク200の先端202が隔離
用刺針部薄膜16bを貫通して第1収容空間2側に露出
している状態を、図35において1点鎖線で示してい
る。
【0070】この中空針本体214の先端202をこの
ようにゴム栓側から挿入して隔離用刺針部薄膜16bま
で貫通させ該先端202を第1収容空間2に臨ませると
共に、位置決めフランジ217を容器本体に当接させた
たとき、上記2つの細長開口218,219は、第1,
2の収容空間2,4に跨がって位置するように構成され
ている。
【0071】また、このスパイク200は、仕切り壁2
16の両側に、上記細長開口218,219に臨みかつ
上記基端側に設けられた液拡散用突起221,222を
夫々備えている。上記の如く、スパイク200の位置決
めフランジ217を容器本体に当接させたとき、上記液
拡散用突起221,222は、第2収容空間4内の所定
位置に位置せしめられるようになっている。
【0072】図36に示すように、中空針本体214の
基端側外周に設けられている上記位置決めフランジ21
7の上記他端側開口220に対応する端面217aに
は、上記他端側開口220に連通する点滴筒204が密
閉状態で固定されている。この点滴筒204は、後述の
如くポンピング操作が可能なように可撓性樹脂から形成
されている。この点滴筒204の一端部は、上記位置決
めフランジ217の端面217aに固定される一方、こ
の点滴筒204の他端側には、前記の如く、輸液案内チ
ューブ206と、該輸液案内チューブ206の流路を開
閉するクランプ(バルブ装置)208と、他の輸液案内
チューブ210と、人体に刺針するための注射針212
が順次接続されている。
【0073】さて、このスパイク200は、上記第1及
び第2タイプの一体型輸液容器10に対して、次のよう
にして用いられる。
【0074】先ず、一体型輸液容器10の首部16に設
けられている保護フィルム39,48(図24,35参
照)を、首部16の口部から剥離させる。
【0075】次いで、図37に示す如く、スパイク20
0の先端202を、首部16を上に向けた状態の一体型
輸液容器10のゴム栓35に対して、挿入準備(刺針準
備)位置にセッティングする。このステップで、点滴筒
200に接続されているクランプ208は、閉じ状態に
設定しておく。
【0076】次いで、図38に示す如く、スパイク20
0の先端202を一体型輸液容器10の上記ゴム栓35
にスパイク200の位置決めフランジ217が容器本体
に当接するまで挿入する。このとき、スパイク200の
先端202は、隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1
収容空間2の内側に臨むと共に、上記液拡散用突起22
1,222は、第2収容空間4の内部の所定位置に位置
せしめられる。つまり、このステップでのスパイク20
0のこの一体型輸液容器本体への装着作業、つまり、こ
の輸液容器内の2薬剤を速やかにかつ確実に混合可能な
状態に設定するための作業は、ワンタッチで行うことが
できる。刺針部に形成されている各パーティングライン
30bは、図24,35に示すように、該刺針部の中心
部分から偏心した位置に形成されているため、この一体
型輸液容器に対して、上記スパイク200が刺針部の中
心に挿入された場合、パーティング・ライン30bに対
応する隔離用刺針部薄膜16bにスパイク200が挿入
されることが回避され、従って、当該刺針(挿入)時
に、隔離用刺針部薄膜16bを形成している材料が削ら
れて微粒子状となった破片が容器の第1収容空間2内の
溶解剤20に混入することは防止される。
【0077】次いで、図39に示す如く、スパイク20
0が上記ステップで一体型輸液容器に装着された状態の
ものを反転させる。この状態で、点滴筒204を図中の
矢印で示す如く手動操作でポンピングすることにより、
この輸液容器の第1収容空間2内に収容されている溶解
剤20を第2収容空間4及び点滴筒204側へ案内す
る。このポンピング操作において、先ず、点滴筒204
を圧搾した場合、上記の如くクランプ208は閉じられ
ているため、点滴筒204内のエアーは圧縮され、図4
1の矢印で如く、点滴筒204内の該エアーは、スパイ
ク200の基部側開口220から2流路215を通り、
2つの細長開口218,219から第1収容空間2内の
溶解剤20内に泡となって放出される。この状態で点滴
筒204の上記圧搾動作を停止して手を離すと、第1収
容空間2側の容器内圧力が点滴筒204内の容器内圧力
よりも大きくなって、図42の矢印で示す如く、第1収
容空間2内の溶解液20は、スパイク先端部の2つの細
長開口218,219から2流路215を通り、上記他
端側開口220から点滴筒204内に収容される。溶解
剤20のこの流動時に、図42中、矢印で示すように、
第1収容空間2側から案内されてきた溶解剤20は、仕
切り壁216に設けられている液拡散用突起221,2
22に当たってその流路を変更し、溶解剤20は、第2
収容空間4の内部に全体的に均一に拡散せしめられる。
溶解剤20のこの拡散流により、この第2収容空間4内
に収容されている固形粉末剤26は、該第2収容空間4
内で溶解剤20と速やかに混合せしめられる。このよう
にして混合された混合薬剤は、液拡散用突起221,2
22の基端側に位置する上記2つの細長開口218,2
19を通って上記2流路215内に案内され、上記他端
側開口220より点滴筒204内に収容される。第1収
容空間2から溶解剤20が点滴筒204内に案内される
につれて、第1収容空間2内の容器内圧力は徐々に低下
し、この結果、溶解剤20の流動速度は遅くなる。この
ような場合には、図39の矢印で示す如く、容器本体側
をポンピング(圧搾)して、第1収容空間2内の容器内
圧力を上げたり、或いは、上記の如く点滴筒204をポ
ンピング(圧搾)することにより、上記操作を再度繰り
返す。
【0078】次いで、上記操作により、混合薬剤が点滴
筒204内に一杯になったとき、図40に示す如く、輸
液容器を首部4が上になるように再度反転させる。この
状態で、輸液容器10を手動操作でポンピングすること
により、点滴筒204内に上記の如く収容された混合薬
剤を輸液容器10側へ案内する。このポンピング操作に
おいて、先ず、輸液容器10を圧搾した場合、輸液容器
10の第1収容空間2内のエアーは圧縮され、図43の
矢印で如く、該輸液容器10の第1収容空間2内のエア
ーは、スパイク先端部の2つの細長開口218,219
から混合薬剤に満たされている第2収容空間4を通り、
さらに、基端側の2流路215を経て他端側開口220
から点滴筒204内の混合薬剤中に泡となって放出され
る。この状態で上記圧搾動作を停止して輸液容器10に
対する付勢圧(外力)を解放すると、点滴筒204内の
容器内圧力が輸液容器10の第1収容空間2の容器内圧
力がより大きくなるため、図44に示す如く、点滴筒2
04内の混合薬剤は、スパイク200の他端側開口22
0内に案内され上記2流路215を通ってスパイク20
0の先端側に位置する上記2つの細長開口218,21
9に導かれ、該2つの細長開口218,219から輸液
容器10の第1収容空間2内に流下して収容される。こ
の混合剤の流動時において、上記2流路215を通って
第2収容空間4側に案内されてきた混合薬剤は、図中、
矢印で示すように、上記液拡散用突起221,222に
当たって第2収容空間4に、再度、全体的に拡散せしめ
られる。これにより、前記ステップで第2収容空間4内
の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合されていな
かった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形粉末剤
は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶解)せ
しめられることになり、再混合された混合薬剤が輸液容
器の第1収容空間2内に戻されることになる。点滴筒2
04内から混合薬剤が容器本体側に流動するにつれて、
点滴筒204内の容器内圧力は低下し、この結果、混合
薬剤の容器本体側への流動速度は遅くなる。このような
場合には、点滴筒204をポンピング(圧搾)して、該
点滴筒204内の容器内圧力を上げたり、或いは、上記
の如く輸液容器10の本体を圧搾して、上記操作を再度
繰り返す。これにより、上記前記ステップで第2収容空
間4内の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合され
ていなかった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形
粉末剤は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶
解)せしめられる。
【0079】上記各混合操作、つまり、図39及び図4
0を参照して説明した上記各操作を数回繰り返すことに
より、輸液容器の第2収容空間4内に収容されている固
形粉末剤26は、第1収容空間2内に収容されている溶
解剤20と略完全に混合(溶解)せしめられる。
【0080】このようにして、第1収容空間2内の溶解
剤20と、第2収容空間4内の固形粉末剤26とが相互
に混合(溶解)せしめられた後に、この一体型輸液容器
10は、ハンガー6を不図示の支持部材に吊り下げて、
点滴準備状態にセッティングされることになる。点滴時
には、クランプ208が開かれ、輸液容器10の第1収
容空間2内に収容されている混合薬剤が注射針212を
通して人体に案内される。
【0081】
【実施例】上記パリソンの形成材料として、ポリエチレ
ンを使用した。
【0082】上記密閉膜16aがセンター・パーティン
グライン30により区分けされた第1部分16yと第2
部分16zとを、図8に示す如く、第1部分16yの延
伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなるように、
加熱部材106により加熱軟化して、該加熱部分を大気
圧に対して負圧になっている容器内部へ陥没させるステ
ップにおいて、上記加熱部材106の温度は450°C
に設定された。密閉膜16aは、該密閉膜16aの表面
温度が90°Cに達したときに、変形し始め容器内側に
陥没し始めた。密閉膜16aは、この加熱部材106に
より、表面温度が90〜100°Cに保たれた状態で、
30秒間加熱された。これにより、密閉膜16aは、上
記の如く部分的に容器内側へ陥没せしめられた。
【0083】次いで、上記密閉膜16aの全面を、図9
に示す如く、加熱部材107により均一に加熱して軟化
させ密閉膜16aを負圧になっている容器の内側に全体
的に均一に陥没させて隔離用刺針部薄膜16bを形成す
るステップにおいて、上記加熱部材107の温度は、4
50°Cに設定された。密閉膜16aは、この加熱部材
107により、表面温度が90〜100°Cに保たれた
状態で、30秒間加熱された。これにより、密閉膜16
aは、上記の如く全体的に均一に容器内方へ陥没せしめ
られた。
【0084】上記各ステップを経て形成された上記隔離
用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30bに対
応する部分の膜厚が0.5〜0.6mm、パーティング
ライン30bに対応しない部分つまりスパイク200が
挿入される部分の膜厚が約0.3mmであった。この膜
厚は、従来の刺針部薄膜の厚さ(0.5mm〜0.6m
m)と比較して、有意に小さいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施形態に係る2薬剤混合用スパ
イクが適用された2薬剤混合システムの全体斜視図であ
る。
【図2】 図1の2薬剤混合システムで用いられる第1
タイプの一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図
である。
【図3】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図4】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図5】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図6】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図7】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図8】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図9】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程
図である。
【図10】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図11】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図12】 図8に示した中間体容器の上面図である。
【図13】 図9に示した中間体容器の上面図である。
【図14】 本発明の一体型輸液容器本体の首部に嵌入
される小容器の構成部材の上面図である。
【図15】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図16】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図17】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図18】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図19】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図20】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図21】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図22】 図21に示した小容器が輸液容器本体の首
部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図23】 図22に示した小容器と輸液容器本体の首
部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図であ
る。
【図24】 図23に示した輸液容器本体の首部に保護
フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図25】 第1タイプの変形例に係る一体型輸液容器
本体の首部に嵌入される小容器の製造方法を示す1製造
工程である。
【図26】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図27】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図28】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図29】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図30】 図29に示した小容器が輸液容器本体の首
部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図31】 図30に示した小容器と輸液容器本体の首
部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図であ
る。
【図32】 第2タイプの一体型輸液容器の製造方法を
示す1製造工程図である。
【図33】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図34】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工
程図である。
【図35】 図34に示した輸液容器本体の首部に保護
フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図36】 図1に示した2薬剤混合システムに適用さ
れる本実施形態に係るスパイクの要部断面図である。
【図37】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着され
る前の状態を示す使用状態図である。
【図38】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着され
た状態を示す使用状態図である。
【図39】 図38に示すスパイクと輸液容器とを反転
させて、容器本体胴部内の溶解液と、容器首部内の粉末
製剤とを混合させている状態を示す使用状態図である。
【図40】 図39に示すスパイクと輸液容器とを更に
反転させた状態を示す使用状態図である。
【図41】 図39に示す状態において、スパイク側か
ら輸液容器側へエアーが送られている状態を示す説明図
である。
【図42】 図39に示す状態において、輸液容器側か
らスパイク側へ溶解液が送られている状態を示す説明図
である。
【図43】 図40に示す状態において、輸液容器側か
らスパイク側へエアーが送られている状態を示す説明図
である。
【図44】 図40に示す状態において、一旦固形粉末
剤が溶解剤に混合されてなる混合剤がスパイク側から輸
液容器側へ送られている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 第1収容空間 4 第2収容空間 6 ハンガー(吊り下げ部) 10 一体型輸液容器 10A 第1中間体容器 10B 第2中間体容器 10C 第3中間体容器 14 胴部 16 首部 16a 密閉膜 16b 隔離用刺針薄膜 16y 第1部分 16z 第2部分 20 溶解剤 26 固形粉末剤 26a 薬剤溶液 30 センター・パーティングライン 30a パーティングライン 30b パーティングライン 32 小容器構成部材 32a 切り欠き 32b 薄膜 35 ゴム栓 35a 密閉用フレーム部材 37 防湿フィルム 38 小容器 39 保護フィルム 41 小容器構成部材 41b 薄膜 42 ゴム栓 42a 密閉用フィルム部材 43 防湿フィルム 44 小容器 45 薬剤充填ノズル 46 薬液 47 ゴム栓 47a 密閉用フィルム部材 48 保護フィルム 100 第1金型 102 押し棒 104 第2金型 106 加熱部材 107 加熱部材 109 首部成型コア 200 スパイク 202 先端 204 点滴筒 206 チューブ 208 クランプ(バルブ装置) 210 チューブ 212 注射針 214 中空針本体 215 2流路 216 仕切り壁 217 位置決めフランジ 217a 端面 218 細長開口 219 細長開口 220 開口 221 液拡散用突起 222 液拡散用突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体内に隔離薄膜(16b;32
    b,37;41b,43)を設けて第1及び第2の収容
    空間(2,4)を形成し、第1の収容空間(2)は溶解
    液剤(20)を収容する一方、第2の収容空間(4)は
    固形薬剤(26)を収容する2薬剤封入済み一体型容器
    (10)に適用される2薬剤混合用スパイクにして、 中空針本体(214)と、該中空針本体(214)の中
    空部内に設けられかつ軸方向に延在して2流路を形成す
    る仕切り壁(216)と、中空針本体(214)に設け
    られた位置決め手段(217)とを備え、 仕切り壁(216)は先端方向に先細りに形成され、中
    空針本体(214)は仕切り壁(216)の先端側両側
    で切り欠かれて2つの細長開口(218,219)が形
    成される一方、他端(220)が開口し、 上記位置決め手段(217)は、中空針本体(214)
    の基端側外周に設けられ、 上記中空針本体(214)の先端(202)を第2の収
    容空間(4)及び隔離薄膜(16b;32b,37;4
    1b,43)を貫通させて第1の収容空間(2)に臨ま
    せると共に位置決め手段(217)を容器本体に対して
    位置決めしたときに、上記2つの細長開口(218,2
    19)が第1及び第2の収容空間(2,4)に跨がって
    位置するようにしたことを特徴とする2薬剤混合用スパ
    イク。
  2. 【請求項2】 上記位置決め手段は、上記中空針本体の
    軸直角方向に突出するフランジ(217)からなり、 上記中空針本体(214)の上記先端(202)を上記
    第2の収容空間(4)及び上記隔離薄膜(16b;32
    b,37;41b,43)を貫通させて上記第1の収容
    空間(2)に臨ませると共にフランジ(217)を上記
    容器本体に当接させたときに、上記2つの細長開口(2
    18,219)が第1及び第2の収容空間(2,4)に
    跨がって位置するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の2薬剤混合用スパイク。
  3. 【請求項3】 上記仕切り壁(216)は、その両側
    に、上記細長開口(218,219)に臨みかつ上記基
    端側に設けられた液拡散用突起(221,222)を夫
    々備え、 上記中空針本体(214)の上記先端(202)を上記
    第2の収容空間(4)及び上記隔離薄膜(16b;32
    b,37;41b,43)を貫通させて上記第1の収容
    空間(2)に臨ませると共に、上記位置決め手段を上記
    容器本体に対して位置決めしたとき又は上記フランジ
    (217)を上記容器本体に当接させたときに、上記液
    拡散用突起(221,222)は、第2の収容空間
    (4)内の所定位置に位置するようにしたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の2薬剤混合用スパイク。
  4. 【請求項4】 さらに、上記中空針本体(214)の上
    記他端側に上記開口(220)に連通する点滴筒(20
    4)が固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の2薬剤混合用スパイク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180089401A (ko) * 2015-12-03 2018-08-08 트래시스 사 격막을 갖는 플라스크용 천자 바늘

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