JP2000060970A - 薬剤入りシリンジ - Google Patents

薬剤入りシリンジ

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JP2000060970A
JP2000060970A JP10235270A JP23527098A JP2000060970A JP 2000060970 A JP2000060970 A JP 2000060970A JP 10235270 A JP10235270 A JP 10235270A JP 23527098 A JP23527098 A JP 23527098A JP 2000060970 A JP2000060970 A JP 2000060970A
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gasket
chamber
tubular body
drug
syringe
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Masashi Takemoto
昌史 竹本
Hideo Fukui
秀男 福井
Yasuo Nakajima
靖夫 中島
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易な製造方法、低コストで得られ、操作も容
易に行えるバイパスのない複室の薬剤入りシリンジを提
供する。 【解決手段】シリンジ内を分割するガスケットに一方の
方向のみに溶解液を流入することができる一または複数
から構成されるガスケットを封入した薬液入りシリン
ジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液、栄養剤、薬
剤粉末等を人体に投与する薬液入りシリンジに関し、詳
しくはシリンジ内を分離して、各々に薬液、或いは、薬
剤粉末とその溶解液を保存し安定性を高め、投与の際に
各々を速やかに混合し、極めて衛生的に投与できる薬液
入りシリンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬液、栄養剤などを予め注射器に充填
し、保管する、簡単な操作でその容器そのものが注射器
となり得る、注射器兼容器としては、すでに実開昭57
−79539号、特開昭48−16489号等が知られ
ている。さらに、一つのシリンジ内に二種類の薬品、例
えば、薬剤粉末と溶解液又は薬液と薬液等を保存し、投
与の際に両者を溶解又は混合してして投与できるように
した注射器と容器を兼ねたシリンジとしては、特開昭5
1−11691号、特開平2−5973号、実公昭49
−14465号等が知られている。これら公知の二室式
注射器兼容器の1例を図11、図12及び図13に示
す。
【0003】この薬液入りシリンジ51は、第一ガスケ
ット53を境として二室に分かれ、各々に保持する薬剤
を用事に混合することができる。筒状体52の一端は開
口部524となり、その外周にフランジ523を設けて
ある。先端にはノズル521が設けられており、キャッ
プ522で封止されている。筒状体52内には第一ガス
ケット53と第二ガスケット54が液密に摺動可能に収
納されており、筒状体52内を第一室55と第二室56
に分割して、図示の例では第一室55には薬剤粉末55
1を、第二室56には溶解液561を封入している。ま
た、筒状体52の中央より先端側にはバイパス525が
設けられている。
【0004】薬剤の溶解、混合の際には、キャップ52
2をノズル521から取り外し、押子541によって第
二ガスケット54を先端部側に移動させ、第一ガスケッ
ト53を図12に示す位置に移動させることにより、溶
解液561をバイパス525を通して第一室55に流入
させた後、再びキャップ522をノズル521に嵌めて
筒状体52を振ることによって薬剤粉末551と溶解液
561を混合し、再度キャップ522をノズル521か
ら取り外し、混合液をノズル521から排出する(図1
3に示す状態)、あるいはキャップ522を嵌めた状態
で先端側を下にし、さらにバイパス525側を下にし、
押子541によって第二ガスケット54を先端部側に移
動させ、第一ガスケット53を図12に示す位置に移動
させ、ポンピングを繰り返し、溶解液561と第一室5
5の気体をバイパス525を通じて置換し、薬剤粉末5
51を溶解液561に溶解した後、キャップ522をノ
ズル521から取り外し、気体を排出した後、混合液を
排出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術は、
いずれも薬液入りシリンジ中の二種類の薬剤の混合手段
の改良を主とした目的としており、同一形状容器の生産
上、使用上の問題に関しては全く考慮していない。即
ち、図11、図12及び図13のような形態の薬液入り
シリンジでは、筒状体52に設けられているバイパス5
25の加工が困難であり、筒状体の材質がガラスである
場合に容量の大きいタイプは加工が困難であり現実性に
乏しく、プラスチック製である場合でも、バイパス52
5の形成のために金型構造が非常に複雑になり、加工が
困難であり、製造コストが高くつくという問題がある。
【0006】また、使用上ではキャップ522を脱着を
する必要があったり、または薬剤の混合、溶解の際のシ
リンジ保持の方向性がある等、操作が煩雑であるという
問題があった。そこで、本発明は、製造が容易で、低コ
ストで、容量の大きいタイプも製造可能であり、操作も
容易な薬液入りシリンジを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題は以下の本
発明により解決される。 (1)本発明は、先端部にノズルと後端に開口部を有す
る筒状体と、それぞれが当該筒状体内を液密に摺動する
第一ガスケット及び第二ガスケットとからなり、当該筒
状体内には当該筒状体先端部と当該第一ガスケットによ
り形成される第一室及び当該第一ガスケットと当該第二
ガスケットにより形成される第二室を有し、当該第一室
と当該第二室には薬剤が封入されている薬液入りシリン
ジであって、当該第一ガスケットには予め設けられてい
る切り込みより形成される当該第一室と当該第二室を連
通する流路、又は当該第一ガスケットの一部を破断する
ことにより形成される当該第一室と当該第二室を連通す
る流路を有するものであることを特徴とする薬剤入りシ
リンジである。
【0008】(2)本発明は、先端部にノズルと後端に
開口部を有する筒状体と、それぞれが当該筒状体内を液
密に摺動する第一ガスケット、第二ガスケット及び第三
ガスケットとからなり、当該筒状体内には当該筒状体先
端部と当該第一ガスケットにより形成される第一室、当
該第一ガスケットと当該第二ガスケットにより形成され
る第二室及び当該第二ガスケットと当該第三ガスケット
により形成される第三室を有し、当該第一室と当該第三
室には薬剤が封入されている薬液入りシリンジであっ
て、当該第一ガスケットには予め設けられている切り込
みより形成される当該第一室と当該第二室を連通する流
路、または当該第一ガスケットの一部を破断することに
より形成される当該第一室と当該第二室を連通する流路
を有し、当該流路内には針管が固定された針基が収納さ
れ、当該針管により第二ガスケットを刺通することによ
り、当該第一室と当該第三室を連通することができるこ
とを特徴とする薬剤入りシリンジである。 (3)本発明は、前記第一室を有する筒状体と、前記第
二室を有する筒状を接続することにより得られる上記
(2)に記載の薬剤入りシリンジである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の薬剤入りシリンジの実施
の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。 [1]図1は、第1の発明の実施形態の一例を示すの概
略断面図である。薬液入りシリンジ1は、筒状体2、第
一ガスケット3及び第二ガスケット4からなる。第一ガ
スケット3は筒状体2内の中央付近あるいは中央付近よ
りノズル21が設けられている先端側へある程度移動し
たところに位置し、第二ガスケット4は筒状体2の開口
部24付近に位置する。なお、各ガスケットは筒状体2
の内面に対して液密に摺動できる。そして、第一ガスケ
ット3とノズル21の間に第一室5を、第1ガスケット
3と第2ガスケット4の間に第二室6を形成する。第一
室5には乾燥薬剤51が、第二室6には溶解液61が充
填されている。また、ノズル21は、取り外し可能なキ
ャップ22により封止されている。第二ガスケット4に
はネジ式、はめ込み式等で押し子41が接続されてい
る。筒状体2の開口部24付近の外壁にはフランジ23
が設けられており、薬剤投与の際、または、押し子を移
動させる際に指をかけることが出来る。
【0010】第一ガスケット3の第一室5と接する面に
は一方から圧力を加えない限り液密性を保持できる一文
字状の切り込み31が設けられ、切り込み31は第二室
6に連通する流路32にまで達している。なお、切り込
み31の形状は一方から圧力を加えない限り液密性を保
持できるものであれば、特に限定されず、例えば十文字
状などでも良い。また、切り込み31の液密性を高める
ためつつ、第二室6方向から圧力が加えられた場合には
第二室6から第一室5へ連通しやすくするため、第一ガ
スケット3内面の流路32の端面は凹状とすることが望
ましい。
【0011】また、第一ガスケット3は液密性を高めつ
つ、第二室6方向から圧力が加えられた場合には第二室
6から第一室5へ連通しやすくするため、切り込み31
の代わりに、後述する第二の発明の実施形態の図5、図
6及び図7に示すようなコイルバネを使用するもの、板
バネを使用するものや肉薄部を破断するものであっても
よい。
【0012】流路32内には、特に限定しないが、圧力
が加えられた時の第一ガスケット3の液密摺動性を害す
る外周形状の変形を防止するためと、溶解液61の流量
を調整するために孔34が形成されている嵌め込み部材
33を嵌め込むことが望ましい。嵌め込み部材33は、
第一ガスケット3の液密摺動性を害する外周形状の変形
を防止できる形状であれば良く、流路32の内面形状と
同一であることには限定されない。孔34は、嵌め込み
部材33を貫通していれば良く、その径は溶解液61の
流量に合せて任意に設定できる。
【0013】本発明において、筒状体2及び嵌め込み部
材33に使用する材質としては、低密度あるいは高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポ
リスチレン、ポリブタジエン−1等のポリオレフィン
類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリ
デン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アク
リルニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート類
等のプラスチック樹脂などがあげられる。また、筒状体
2にはガラスを使用しても良く、さらに溶解液61の蒸
散を防止するために外壁をガスバリア性フィルムで覆っ
ても良い。ガスバリア性フィルムとしては、水蒸気透過
性が20g/m2・24h(40℃、90%)以下のもの
が好ましく、材質としてはPVDCフィルム等の公知の
ものが使用でき、またこれらにアルミ蒸着したもの等が
上げられる。
【0014】第一ガスケット3及び第二ガスケット4の
材質は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリ
コーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したも
の)や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド
系、オレフィン系、スチレン系等の各種エラストマー、
あるいはそれらの混合物等で、筒状体の内壁と液密を保
つ程度の弾性体を有するものであれば良い。
【0015】次に薬液入りシリンジ1の使用方法を説明
する。まず、押し子41を押して第二ガスケット4を筒
状体2の中央付近に移動させる。すると、溶解液61
は、孔34及び流路32を通って切り込み31に達し、
その圧力によって切り込み31が開き第一室5内に流入
する。その際、第一ガスケット3は第一室5内の体積増
加に伴って開口部24方向に移動し、第二ガスケット4
と接する位置まで達する。次に、筒状体2を良く振って
乾燥薬剤51と溶解液61を混ぜ合わせた後、キャップ
22を外して、押し子41を押して第一ガスケット3と
第二ガスケット4をノズル21方向に移動させて、乾燥
薬剤51と溶解液61の混合液をノズル21から排出す
る。
【0016】本発明の薬液入りシリンジ1の製造方法
は、特に限定されず、筒状体2内に、乾燥薬剤51、第
一ガスケット3、溶解液61、第二ガスケット4の順番
に封入する方法や、二分割した筒状体2の先端側に乾燥
薬剤51、後端側に第一ガスケット3と第二ガスケット
4に挟まれた状態で溶解液61を封入し両者を接合する
方法などがあげられる。
【0017】本発明において封入される薬剤の形態とし
ては、第一室5には粉末剤などの固体剤があげられるが
液剤を封入しても良く、第二室6には液剤が封入され
る。薬剤の種類としては、粉末剤としては各種ビタミン
類、抗生物質、血管拡張剤、強心剤等の医薬や栄養剤、
液剤としては各種ビタミン類、抗生物質、血管拡張剤、
強心剤等の医薬や栄養剤の溶液、または粉末剤を溶解、
希釈するための水や生理食塩水等が上げられる。
【0018】[2]図2は、第2の発明の実施形態の一
例を示す概略断面図である。薬液入りシリンジ11は、
筒状体12、第一ガスケット13、第二ガスケッ14及
び第三ガスケット15からなる。第一ガスケット13は
筒状体12内のノズル122が設けられている先端側に
位置し、第二ガスケット14は筒状体12のほぼ中央に
位置し、第三ガスケット15は筒状体12の開口部12
4付近にに位置する。なお、各ガスケットは筒状体12
の内面に対して液密に摺動できる。そして、第一ガスケ
ット13とノズル121の間に第一室16を、第一ガス
ケット13と第二ガスケット14の間に第二室17を、
第二ガスケット14と第三ガスケット15の間に第三室
18を形成する。第一室16には乾燥薬剤161が、第
三室18には溶解液181が充填されている。また、ノ
ズル121は、取り外し可能なキャップ122により封
止されている。
【0019】第二ガスケット14には、後述する針管1
34を刺通しやすくするために肉薄部141を設けるこ
とが望ましい。第三ガスケット15にはネジ式、はめ込
み式等で押し子151が接続されている。筒状体12の
開口部124付近の外壁にはフランジ123が設けられ
ており、薬剤投与の際、または、押し子を移動させる際
に指をかけることが出来る。
【0020】図3は第一ガスケット13の左側面図、図
4は第一ガスケット13の拡大断面図を示す。第一ガス
ケット13の第一室16と接する面には一方から圧力を
加えない限り液密性を保持できる一文字状の切り込み1
31が設けられ、切り込み131は第二室14に連通す
る流路132にまで達している。なお、切り込み131
の形状は一方から圧力を加えない限り液密性及び気密性
を保持できるものであれば、特に限定されず、例えば十
文字状などでも良い。また、切り込み131の液密性及
び気密性を高めつつ、第二室17方向から圧力が加えら
れた場合には第二室17から第一室16へ連通しやすく
するため、第一ガスケット13内面の流路132の端面
は凹状とすることが望ましい。
【0021】さらに、流路132内には、圧力が加えら
れた時の第一ガスケット13の液密摺動性を害する外周
形状の変形を防止するためと、溶解液181を第一室1
6内に導くために、第二ガスケットを刺通可能な刃先を
有する針管134を固定する針基133が嵌め込まれて
いる。針基133は、第一ガスケット13の液密摺動性
を害する外周形状の変形を防止できる形状であれば良
く、流路132の内面形状と同一であることには限定さ
れない。針管134は、針基133を貫通していれば良
く、その径は溶解液181の流量に合せて任意に設定で
きる。また、針基133の外面には第二室17内の気体
が第一室16へ流出させるため、少なくとも一本の第一
室16と第二室17を連通するスリット135を設ける
ことが望ましい。なお、スリット135はスリット状の
ものではなく針基133を貫通する孔であってもよい。
【0022】また、第一ガスケット13は液密性及び気
密性を高めつつ、第二室17方向から圧力が加えられた
場合には第二室17から第一室16へ連通しやすくする
ため、切り込み131の代わりに、図5に示すようなコ
イルバネを使用する第一ガスケット23や、図6に示す
ような板バネを使用する第一ガスケット33、図7に示
すような肉薄部を破断する第一ガスケット43であって
もよい。
【0023】第一ガスケット23は溶解液181及び第
二室17内の気体が孔231を通り、蓋体233に圧力
を加えて蓋体233を第一室16方向へ移動させた後、
コイルバネ232により蓋体233が元の位置に戻るも
のである。第一ガスケット33は溶解液181及び第二
室17内の気体が孔331を通り、板バネ332に圧力
を加えて固定部333の無い部分に隙間を生じさせた
後、板バネ332が元の位置に戻るものである。
【0024】第一ガスケット43は切り込み431は流
路432へ貫通しておらず肉薄部436を有するもので
ある。針管434または針基433の一端には、その外
面の一部と針管434内が連通する尖頭部437が設け
られおり、溶解液181及び第二室17内の気体の圧力
により、針基433が流路432内を肉薄部436方向
に移動することで尖頭部437が肉薄部436を破断す
るものである。第一ガスケット43は、第一室を完全に
密閉する必要がある場合に好適に用いることができる。
【0025】本発明の筒状体12、針基133及び針管
134に使用する材質としては、低密度あるいは高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポ
リスチレン、ポリブタジエン−1等のポリオレフィン
類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリ
デン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、アク
リルニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート類
等のプラスチック樹脂などがあげられる。また、筒状体
12にはガラスを使用しても良い。針管134にはステ
ンレス合金等の金属を使用しても良く、針基133及び
針管134は一体の成型品でも良い。
【0026】筒状体12には溶解液の蒸散を防止するた
めに外壁をガスバリア性フィルムで覆っても良い。ガス
バリア性フィルムとしては、水蒸気透過性が20g/m
2・24h(40℃、90%)以下のものが好ましく、材
質としてはPVDCフィルム等の公知のものが使用で
き、またこれらにアルミ蒸着したもの等が上げられる。
【0027】第一ガスケット13、第二ガスケット14
及び第三ガスケット15の材質は、例えば、天然ゴム、
ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム
材料(特に加硫処理したもの)や、ポリウレタン系、ポ
リエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン
系等の各種エラストマー、あるいはそれらの混合物等
で、注射筒の内壁と液密を保つ程度の弾性体を有するも
のであれば良い。
【0028】次に薬液入りシリンジ11の使用方法を説
明する。まず、キャップ122を装着したまま押し子1
51を押して第三ガスケット15を移動させると、第二
ガスケット14が溶解液181に押されて第一ガスケッ
ト13に近づき、さらに押し子151を押すと針管13
4が肉薄部141を介して第二ガスケット14を刺通
し、第一室16と第三室18が連通する。この時、第二
室17内の気体は針管134及びスリット135を通
り、その圧力により切り込み131を開き第一室16へ
流入し、同時に第一ガスケット13は第一室16内の体
積増加に伴って第二ガスケット14方向に移動し、針管
134が肉薄部141を介して第二ガスケット14を刺
通する。この状態を図8に示す。
【0029】次に押し子151を押して第三ガスケット
15を移動させると、溶解液181は針管134を通
り、その圧力により切り込み131を開き第一室16内
に流入する。その際、第一ガスケット13及び第二ガス
ケット14は第一室16内の更なる体積増加に伴って第
三ガスケット15方向に移動し、第二ガスケット14が
第三ガスケット15と接する位置まで達する。この状態
を図9に示す。
【0030】最後に筒状体12を良く振って乾燥薬剤1
61と溶解液181を混ぜ合わせた後、キャップ122
を外して、押し子151を押して第一ガスケット13、
第二ガスケット14及び第三ガスケット15をノズル1
21方向に移動させて、乾燥薬剤161と溶解液181
の混合液をノズル121から排出する。
【0031】なお、上述した使用方法の他に、キャップ
122を予め外した状態でノズル121を上方へ向け、
ノズル121から乾燥薬剤161が吹き出さないように
ゆっくりと押し子15を押すと、針管134が第二ガス
ケット14を刺通し、溶解液181を第一室16に流入
することができ、乾燥薬剤161と溶解液181を混ぜ
合わせた後、混合液をノズル121から排出する。
【0032】本発明の薬液入りシリンジ11の製造方法
は、特に限定されず、筒状体12内に、乾燥薬剤16
1、第一ガスケット13、第二ガスケット14、溶解液
181、第三ガスケット15の順番に封入する方法など
があげられる。特に好ましくは、完成後の状態を図10
に示す薬液入りシリンジのように、二分割した筒状体1
2の先端側に乾燥薬剤161と第一ガスケット13、後
端側に第二ガスケット14と第三ガスケット15に挟ま
れた状態で溶解液181を封入し、接合部19で先端側
と後端側を嵌合、溶着、融着等する方法があげられる。
この方法により、製造時に第一室を有する部分と、第三
室を有する部分を分けて生産可能となるため、薬液の充
填、ガスケットの打栓が容易になり、第三室の溶解液だ
けを高圧蒸気滅菌することができ、第一室の薬剤1の凍
結乾燥を行うことも容易になる等の利点がある。
【0033】本発明において封入される薬剤の形態とし
ては、第一室16には粉末剤などの固体剤があげられる
が液剤を封入しても良く、第二室18には液剤が封入さ
れる。薬剤の種類としては、粉末剤としては各種ビタミ
ン類、抗生物質、血管拡張剤、強心剤等の医薬や栄養
剤、液剤としては各種ビタミン類、抗生物質、血管拡張
剤、強心剤等の医薬や栄養剤の溶液、または粉末剤を溶
解、希釈するための水や生理食塩水等が上げられる。
【0034】
【発明の効果】本発明の薬剤入りシリンジは、筒状体に
バイパスを設けずに複室の薬剤入りシリンジが製造する
ことができるため、低コストで、容易な製造方法で薬剤
入りシリンジが提供できる。また、薬剤の溶解、混合の
操作も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態の一例を示すの概略断面
図である
【図2】第2の発明の実施形態の一例を示す概略断面図
である。
【図3】第一ガスケット13の左側面図を示す。
【図4】第一ガスケット13の拡大断面図を示す。
【図5】第一ガスケットの他の形態である第一ガスケッ
ト23の拡大断面図を示す。
【図6】第一ガスケットの他の形態である第一ガスケッ
ト33の拡大断面図を示す。
【図7】第一ガスケットの他の形態である第一ガスケッ
ト43の拡大断面図を示す。
【図8】第2の発明の実施形態の使用状態を示す概略断
面図である。
【図9】第2の発明の実施形態の使用状態を示す概略断
面図である。
【図10】第2の発明の実施形態の他例を示す概略断面
図である。
【図11】従来の二室式シリンジを示す概略断面図であ
る。
【図12】従来の二室式シリンジの使用状態を示す概略
断面図である。
【図13】従来の二室式シリンジの使用状態を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1・・・薬液入りシリンジ、2・・・筒状体、21・・・ノズ
ル、22・・・キャップ、23・・・フランジ、24・・・開口
部、3・・・第一ガスケット、31・・・切り込み、32・・・
流路、33・・・嵌め込み部材、34・・・孔、4・・・第二ガ
スケット、41・・・押し子、5・・・第一室、41・・・押し
子、6・・・第二室、61・・・溶解液、11・・・薬液入りシ
リンジ、12・・・筒状体、121・・・ノズル、122・・・
キャップ、123・・・フランジ、124・・・開口部、13
・・・第一ガスケット、131・・・切り込み、132・・・流
路、133・・・針基、134・・・針管、135・・・スリッ
ト、14・・・第二ガスケット、141・・・肉薄部、15・・
・第三ガスケット、141・・・肉薄部、16・・・第一室、
161・・・乾燥薬剤、17・・・第二室、18・・・第三室、
181・・・溶解液、19・・・接続部、23・・・第一ガスケ
ット、231・・・孔、232・・・コイルバネ、233・・・
蓋体、33・・・第一ガスケット、331・・・孔、332・・
・板バネ、333・・・固定部、43・・・第一ガスケット、
431・・・切り込み、432・・・流路、433・・・針基、
434・・・針管、435・・・スリット、436・・・肉薄
部、437・・・尖頭部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部にノズルと後端に開口部を有する筒
    状体と、それぞれが当該筒状体内を液密に摺動する第一
    ガスケット及び第二ガスケットとからなり、 当該筒状体内には当該筒状体先端部と当該第一ガスケッ
    トにより形成される第一室及び当該第一ガスケットと当
    該第二ガスケットにより形成される第二室を有し、 当該第一室と当該第二室には薬剤が封入されている薬液
    入りシリンジであって、 当該第一ガスケットには予め設けられている切り込みよ
    り形成される当該第一室と当該第二室を連通する流路、
    又は当該第一ガスケットの一部を破断することにより形
    成される当該第一室と当該第二室を連通する流路を有す
    るものであることを特徴とする薬剤入りシリンジ。
  2. 【請求項2】先端部にノズルと後端に開口部を有する筒
    状体と、それぞれが当該筒状体内を液密に摺動する第一
    ガスケット、第二ガスケット及び第三ガスケットとから
    なり、 当該筒状体内には当該筒状体先端部と当該第一ガスケッ
    トにより形成される第一室、当該第一ガスケットと当該
    第二ガスケットにより形成される第二室及び当該第二ガ
    スケットと当該第三ガスケットにより形成される第三室
    を有し、 当該第一室と当該第三室には薬剤が封入されている薬液
    入りシリンジであって、 当該第一ガスケットには予め設けられている切り込みよ
    り形成される当該第一室と当該第二室を連通する流路、
    または当該第一ガスケットの一部を破断することにより
    形成される当該第一室と当該第二室を連通する流路を有
    し、 当該流路内には針管が固定された針基が収納され、 当該針管により第二ガスケットを刺通することにより、
    当該第一室と当該第三室を連通することができることを
    特徴とする薬剤入りシリンジ。
  3. 【請求項3】前記第一室を有する筒状体と、前記第二室
    を有する筒状を接続することにより得られる請求項2に
    記載の薬剤入りシリンジ。
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