JP3961646B2 - 輸液容器及びその製造方法 - Google Patents

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    • B65D81/3205Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces
    • B65D81/3211Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces coaxially and provided with means facilitating admixture

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの異なった輸液構成剤を収容すると共に使用時にこれらの輸液構成剤を互いに混合して輸液を形成したり一方の収容空間に1つの輸液構成剤を収容し他方の空間に両頭針を収納すると共に使用時に両頭針を通して上記一方の収容空間と今1つの輸液構成剤を収容するバイアルの収容空間とを互いに連通させてこれらの輸液構成剤を互いに混合して輸液を形成するための輸液容器及びその製造方法に関し、特に、上記各輸液構成剤を収容する各収容空間や上記一方の収容空間と上記他方の空間が互いに隣接した状態で設けられた輸液容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一方が液体である2種類の異なった輸液構成剤、たとえば、抗生物質や腎疾患治療薬等の粉末製剤(固形製剤)と、該粉末製剤を溶解するための食塩水やブドウ糖等の溶解液とを互いに混合して点滴注射等の輸液を準備するための輸液装置として、従来より、たとえば、粉末製剤を収容するバイアルと、溶解液を収容し円筒状拡径構成部を備えた口部を有する容器本体と、バイアルの口部を密閉しているゴム栓と容器本体の口部を密閉しているフィルムとを夫々貫通させるための両頭針を備え上記円筒状拡径構成部の内周面に摺動自在に装着されたスライダとからなる輸液装置が知られている。
【0003】
この輸液装置は、先ず、容器本体の円筒状拡径構成部の内周面側に装着されている上記スライダを押圧して、スライダの両頭針の一方の針をもって容器本体の上記フィルムを貫通させる。次いで、バイアルの口部を密閉しているゴム栓を両頭針の他方の針に対して位置決めし、該他方の針がバイアルのゴム栓を貫通するまでバイアルをスライダに対して押圧する。このとき、容器本体内部とバイアル内部とが両頭針により連通せしめられ、このように相互に取り付けられたものを上下左右に振ることにより、容器本体内の溶解液と、バイアル内部の粉末製剤とが混合されるようになっている。
【0004】
バイアルとは別体になっているこのセパレート型輸液容器は、一般に、製造段階において、先ず、容器本体の本体部と、容器本体の口部をなす上記円筒状拡径構成部とが、夫々、別体(別工程)で準備される。次いで、容器本体部内に輸液構成剤を所定量充填し、一方、たとえば、円筒状拡径構成部の軸方向の一方の開口部側に上記容器本体の口部を密閉する上記フィルムを設けて該円筒状拡径構成部内に上記スライダを挿入した後、円筒状拡径構成部の軸方向の他方の開口部に該円筒状拡径構成部の内部を外部から密閉するための保護シールが設けられる。次いで、円筒状拡径構成部は、保護シールが外側になるように、つまり上記フィルムが容器本体の本体部側に位置するように、該容器本体部に後付けされる。
【0005】
しかし、このセパレート型輸液容器は、容器本体部と円筒状拡径構成部とを互いに組み合わせたときに、たとえば、上記の如く製造段階において上記フィルムの容器本体部側の面に付着している可能性がある雑菌や異物等が、容器本体部内に収容されている輸液構成剤を汚染する虞れがある。
【0006】
ところで、このセパレート型の輸液装置は、上記の如く、容器本体と、バイアルとが夫々別体で準備されているため、輸液準備作業において、容器本体とバイアルとの接続の手間を要するのみならず、たとえば、数種類の粉末製剤と数種類の溶解液とから数種類の輸液を準備する場合に、粉末製剤と溶解液との組み合わせを間違う虞れがある。
【0007】
そこで、この問題点を解決するべく、たとえば、特開昭63−29645号公報には、第1の輸液構成剤が収容された第1容器の口部内周面に、第2の輸液構成剤が収容された第2容器が密閉状態で内嵌せしめられた一体型の輸液容器が開示されている。この第2容器の上壁(外面壁)と底面は、夫々、スパイク、つまり、輸液を案内するためのニードル(針)を貫通させることができる材料で形成されている。
【0008】
また、たとえば、特公昭57−37511号公報や、特開昭62−34575号公報には、夫々、第1の輸液構成剤が収容された第1容器の口部に、第2の輸液構成剤が収容された第2容器が密閉状態で内嵌せしめられた一体型の輸液容器が開示されている。この第2容器は、破断可能な底面を備えた収容容器本体と、外部側の操作部としての一端部が閉じられ該収容容器本体の内周面に摺動自在に設けられた中空プランジャであって操作部を底面側へ押圧して移動させることにより底面を破断させるエッジを備えたプランジャとを有している。
【0009】
これらの容器は、いずれも、第1容器の内側が該第1容器の口部に装着された第2容器の底面部により外部から密閉される構成になっている。
【0010】
これらの一体型輸液容器は、製造段階において、先ず、第1容器と、第2容器とが、夫々、別体(別工程)で準備され、次いで、第1,2容器に夫々上記の如く粉末製剤や溶解液等が所定量づつ充填され、そして、このように充填された第1,2容器が互いに組合わされて一体化される。
【0011】
しかし、この一体型輸液容器は、第1,2容器を互いに組み合わせたときに、たとえば、上記の如く製造段階において第2容器の底面部に付着している可能性がある雑菌や異物等が、第1容器内の溶解液等を汚染する虞れがある。
【0012】
すなわち、上記従来式セパレート型輸液容器も、上記従来式一体型輸液容器も、上記の如く輸液容器が収容する輸液構成剤を汚染する虞れがあり、当該汚染問題を解消するセパレート型輸液容器及び一体型輸液容器が夫々所望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決すべき技術的課題は、上記従来式輸液容器が有している収容物汚染の問題を解消するセパレート型輸液容器と一体型輸液容器及びその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段・作用・効果】
本発明に係る輸液容器は、容器本体内に一体的に隔離薄膜を形成してなる2つの収容空間を備え、混合して輸液を形成するための輸液構成剤が上記2つの収容空間のうちの少なくとも一方の収容空間に密閉されたことを特徴としている。
【0015】
この輸液容器は、たとえば、他方の収容空間内に上記輸液構成剤と混合して上記輸液を形成するための今一つの輸液構成剤を収容すると共に該他方の収容空間を密閉することにより、一体型輸液容器として構成される。一方、この輸液容器は、たとえば、他方の収容空間内に、上記一方の収容空間と上記輸液を形成するための今一つの輸液構成剤を収容するバイアルの収容空間とを連通させて上記一方の収容空間内に収容されている輸液構成剤とバイアル内に収容されている今一つの輸液構成剤とを混合して輸液を形成するための両頭針を収容することにより、セパレート型輸液容器として構成される。
【0016】
すなわち、一体型輸液容器の場合には、当該容器は、少なくとも一方が液体である第1及び第2の輸液構成剤、たとえば、生理食塩水等の溶解液と、抗生物質や腎疾患治療薬等の粉末製剤(固形製剤/粉末乾燥剤)、を夫々独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤を混合して輸液を形成するための輸液容器である。この輸液容器は、容器本体内に一体的に形成された隔離薄膜を有しており、該隔離薄膜により、容器本体の内部は、上記第1及び第2の輸液構成剤を夫々を密閉するための第1及び第2の収容空間が形成されている。
【0017】
この構成によれば、第1の収容空間と第2の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されているため、つまり、前記従来例の如く一方の収容空間を密閉するのに2つの独立した容器構成部材を協働させる必要がないため、前記従来例が有している当該2つの独立した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は効果的に解消される。
【0018】
この構成において、第1の収容空間内に収容されている第1の輸液構成剤と、第2の収容空間内に収容されている第2の輸液構成剤とを互いに混合するために、容器外部から挿入して隔離薄膜を貫通させるための輸液案内用ニードルつまりスパイクを挿入するための挿入部を容器本体に少なくとも1つ備えることが好ましい。この構成により、スパイクを挿入部を通して容器本体内部に挿入することができ、さらに、スパイクの先端部を隔離薄膜を貫通させた状態にセットして第1,2の輸液構成剤を互いに混合させることができる。この挿入部は、たとえば、周知のゴム栓等から構成されることができる。
【0019】
上記容器本体は、胴部と首部とを備え、首部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成されることができる。この構成によれば、第1の収容容器の容積は、第2の収容容器の容積よりも大きくなり、従って、溶解液は第1の収容容器に収容される一方、粉末製剤(固形剤/粉末乾燥剤)は第2の収容容器に収容されることが好ましい。また、この構成において、容器本体を吊り下げた時に首部が下になるようなハンガー部(吊り下げ部)を胴部の所定位置に設けることが好ましい。
【0020】
上記構成において、上記第2の収容空間は、上記第2の輸液構成剤を密閉し上記隔離薄膜側に薄膜を備えた小容器を収納する空間として構成されることができる。この構成において、スパイクの挿入部は、たとえば、第2の収容空間を有する容器本体と小容器との重なり部に備えることができる。この構成により、スパイクを挿入部を通して小容器の内部に挿入することができ、さらに、スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容器本体の隔離薄膜とを共に貫通させた状態にセットして小容器内の第2の輸液構成剤と、第1の輸液構成剤とを互いに混合させることができる。この構成によれば、隔離薄膜と薄膜の何れか一方にピンホールが形成されていたとしても、このピンホールは、他方の膜により塞がれることになるため、第1の収容空間と、小容器内部とが連通することは、確実に回避される。また、上記両膜にこのようなピンホールが形成されていたとしても、これらのピンホールが互いに重なり合う確率は極めて小さく、従って、第1の収容空間と、小容器内部とが連通することは、効果的に防止される。
【0021】
上記構成において、上記容器本体と上記小容器は、夫々、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂から形成され、上記小容器は、上記首部の内周面側に防湿フィルム、たとえば、アルミニウムをポリエチレンフィルムに蒸着してなるラミネートフィルムを備え、上記小容器と上記首部とは互いに溶着されて上記第2の収容空間は密閉されることが好ましい。この構成によれば、小容器と容器本体とは、互いに溶着され固定されているため、輸液容器の持ち運び時等において容器本体に種々の振動が加わった場合に小容器が首部から脱落することが確実に防止される。また、この構成によれば、小容器や容器本体を形成している熱可塑性樹脂が溶解液等に含まれている水分を透過させる性質の樹脂から形成されている場合であっても、たとえば、第1の収容空間から小容器内部への水分の透過(浸透)が、バリア層として機能する上記防湿フィルムにより遮断される。すなわち、たとえば、小容器内に収容されている第2の輸液構成剤が、水分と長時間接することによってその性質が変質劣化するタイプの固形製剤であっても、上記防湿フィルムにより、そのような変質劣化等が確実に回避され防止される。さらに、また、この構成によれば、上記の如く、スパイクを挿入部を通して小容器の内部に挿入した後、さらに、スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容器本体の隔離薄膜とを共に貫通させた状態にセットして小容器内の第2の輸液構成剤と、第1の輸液構成剤とを互いに混合させる操作において、たとえば、第1の収容空間に収容されている第1の輸液構成剤としての溶解液が、スパイクと、容器本体の隔離薄膜との間の僅かな間隙を通して、該隔離薄膜と小容器の薄膜との間、つまり、小容器の外周面と首部の内周面との間、に漏れ出したとしても、小容器と首部とは互いに溶着されて密閉されているため、上記漏出した溶解液が外部に漏れ出すことが確実に防止される。
【0022】
上記各構成の輸液容器は、容器本体が備える隔離薄膜を、上記の如く、たとえば、容器本体から別体として準備されたスパイクで破断させるように構成されているが、本願発明によれば、また、以下の如く、小容器自らが備える破断手段によって容器本体が備えている隔離薄膜を破断させる輸液容器が提供される。
【0023】
すなわち、この輸液容器は、少なくとも一方が液体である第1及び第2の輸液構成剤を夫々独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤を混合して輸液を形成するための一体型輸液容器において、容器本体内に一体的に隔離薄膜を形成して上記第1及び第2の輸液構成剤を夫々を密閉するための第1及び第2の収容空間を形成する。この容器本体は、胴部と首部とを備え、首部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成される。上記第2の収容空間は、上記第2の輸液構成剤を密閉し上記隔離薄膜側に薄膜を備えた小容器を収納する空間として構成される。そして、上記胴体部は、スパイクを挿入するための挿入部を備え、上記小容器は、小容器本体の内周面に摺動自在に設けられかつ外側一端が閉じられかつ内側他端が開いた中空プランジャであって上記薄膜側へ移動させることにより上記薄膜と上記隔離薄膜とを破断するエッジを上記他端側に有する中空プランジャを備える。
【0024】
この構成において、上記の如く中空プランジャを小容器の薄膜側へ移動させることにより、該薄膜と、容器本体の隔離膜とが共にプランジャのエッジで破断せしめられ、この結果、小容器の内部と、容器本体の第1の収容空間とが互いに連通して、本体容器の第1の収容空間内に収容されていた第1の輸液構成剤と、小容器内に収容された第2の輸液構成剤とが互いに混合される。このようにして混合され形成された輸液は、胴体部が有する上記挿入部にスパイクを挿入することにより、該スパイクを通して外部に案内される。
【0025】
この構成によれば、第1の収容空間と第2の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されているため、つまり、前記従来例の如く一方の収容空間を密閉するのに2つの独立した容器構成部材を協働させる必要がないため、前記従来例が有している当該2つの独立した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は効果的に解消される。
【0026】
一方、セパレート型輸液容器の場合には、当該容器は、第1の輸液構成剤と両頭針を夫々独立して収容すると共に該第1の輸液構成剤とバイアルが収容する第2の輸液構成剤とを両頭針を通して互いに混合して輸液を形成するようにした輸液容器である。この容器本体内には、一体的に隔離薄膜が形成され、これにより、上記第1の輸液構成剤を密閉するための第1の収容空間と、上記両頭針を収容するための第2の収容空間とが形成される。この容器本体は、たとえば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂から好適に形成される。
【0027】
この構成において、両頭針は、たとえば、前記従来式セパレート型容器に用いられている如くスライダに取り付けて使用したり、該両頭針を容器本体に支持するための柔軟な支持部材に取り付けて使用したりすることができる。
【0028】
この構成によれば、第1の収容空間と第2の収容空間は、夫々、単一の容器本体から形成されているため、つまり、前記従来式セパレート型容器の如く容器本体の本体部側の収容空間を密閉するのに2つの独立した容器構成部材として別体で準備されている当該本体部と前記円筒状拡径構成部とを互いに協働させて固定する必要がないため、前記従来式セパレート型容器が有している当該2つの独立した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は効果的に解消される。
【0029】
上記構成において、上記隔離薄膜は、上記第1の収容空間側に位置する上記両頭針の一方の針先端部を該針先端部が第1の収容空間側に突出した状態で受け入れるように、第1の収容空間側に凸に形成することが好ましい。
【0030】
この構成により、両頭針の一部である上記一方の針先端部が第1の収容空間側に突出した状態で位置せしめられることになり、つまり、両頭針全体が第1の収容空間側に移動せしめられることになり、当該両頭針全体の第1の収容空間内側方向への移動量に対応する長さ分、両頭針の他方の針先端を含む輸液容器全体の長さを短くすることができる。つまり、輸液容器のコンパクト化が実現される。
【0031】
また、この構成によれば、使用時に両頭針を隔離薄膜の方向に押圧して該両頭針の上記一方の針先端部で隔離薄膜を貫通させるとき、該一方の針先端部は、隔離薄膜の凸部つまり隔離薄膜の第2の収容空間側の凹部内に案内・位置決めされた状態で、つまり上記一方の針先端の隔離薄膜に対するスベリが効果的に防止された状態で、隔離薄膜を確実に貫通する。
【0032】
上記容器本体は、胴部と首部とを備え、首部は、上記隔離薄膜を備え、上記第1の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部側に形成され、上記第2の収容空間は、上記隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成されることができる。
【0033】
この構成において、第1の収容空間内に収容されている第1の輸液構成剤と、バイアルに収容されている第2の輸液構成剤との両頭針を介しての混合操作の結果、第1の収容空間内に収容されてなる輸液を外部に案内するためのスパイク挿入部(輸液案内用ニードル)を胴部に少なくとも1つ備えることが好ましい。このスパイク挿入部は、たとえば、周知のゴム栓等から構成されることができる。このスパイク挿入部は、たとえば、容器本体に対して両頭針の装着位置と反対の位置、つまり容器本体に対して首部と反対側に位置する胴部の位置に設けることができる。そして、この構成において、容器本体を吊り下げた時にスパイク挿入部が下になるようなハンガー部(吊り下げ部)を容器本体の所定位置に設けることが好ましい。
【0034】
上記容器本体は、上記両頭針を密閉するための密閉保護部材を上記首部に備えることが好ましい。
【0035】
この構成において、密閉保護部材は、シール状部材や、キャップ状部材であることができる。
【0036】
この構成により、両頭針は、外部から密閉されて両頭針の汚染が確実に防止されるのみならず、両頭針自体が密閉保護部材により外部から保護される。
【0037】
なお、上記隔離薄膜によって隔離してなる上記他方の収容空間(第2の収容空間)に収納されるものは、上記輸液構成剤(第2の輸液構成剤)や上記両頭針に限定されるものではなく、たとえば、上記スパイク挿入部であってもよく、この構成により、上記同様に、一方の収容空間を密閉するのに2つの独立した容器構成部材を協働させる必要がないため、内容物汚染の問題は効果的に解消される。
【0038】
本発明によれば、上記輸液容器を最適な状態で製造するための以下の製造方法が提供される。
【0039】
すなわち、この製造方法は、容器本体内に一体的に隔離薄膜を形成して2つの収容空間を設けた熱可塑性樹脂からなる輸液容器の製造方法にして、混合して輸液を形成するための輸液構成剤を収容すると共に大気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形成ステップと、容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜として形成し、該隔離薄膜に対して容器本体の内側を上記輸液構成剤を密閉した第1の収容空間として形成する一方、隔離薄膜に対して容器本体の外側を第2の収容空間として形成する隔離薄膜形成ステップとを有する。
【0040】
上記輸液容器は、この製造方法において、たとえば、さらに、第2の輸液構成剤を第2の収容空間に収容すると共に該第2の収容空間を密閉手段により外部に対して密閉する密閉ステップを含めることにより、一体型輸液容器として構成される。一方、上記輸液容器は、この製造方法において、たとえば、さらに、第2の収容空間に両頭針を収容する両頭針収容ステップを含めることにより、セパレート型輸液容器として構成される。
【0041】
すなわち、一体型輸液容器の場合には、その製造方法は、少なくとも一方が液体である第1及び第2の輸液構成剤を夫々独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤を混合して輸液を形成するための熱可塑性樹脂からなる一体型輸液容器の製造方法にして、内側に第1の輸液構成剤を収容すると共に内側を大気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形成ステップと、容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜として形成し、該隔離薄膜に対して容器本体の内側を上記第1の輸液構成剤を収容した第1の収容空間として形成する一方、隔離薄膜に対して容器本体の外側を上記第2の輸液構成剤を収容する第2の収容空間として形成する隔離薄膜形成ステップと、第2の輸液構成剤を収容した第2の収容空間を密閉手段により外部に対して密閉する密閉ステップとを有する。
【0042】
この方法によれば、隔離薄膜は、容器本体の上記一部分が上記加熱軟化により延伸せしめられてなるものであり、隔離薄膜の膜厚は、上記加熱前における一部分の膜厚よりも減じられる。従って、スパイクの隔離薄膜への刺針時に、コアリング(隔離薄膜の膜厚が大きい場合に、該薄膜にスパイクを挿入した時、該薄膜がスパイクにより削られてなる微粒子状の破片が形成されること)が発生することが防止される。つまり、コアリングにより容器内の輸液構成剤が当該破片により汚染されることが防止される。
【0043】
上記容器本体形成ステップは、具体的には、ブロー成形法により、加熱軟化したチューブ状パリソンを第1金型内にセットした後にパリソン内部にエアー等を吹き込んで膨張させ金型に密着させると同時に冷却して第1中間体容器を形成するステップと、上記第1の輸液構成剤を第1中間体容器内に所定量充填するステップと、上記第1金型に摺動自在に設けられた押し棒によって第1中間体容器の側面を内側に押圧して弾力的に窪ませると共に、第2金型により上記第1中間体容器を密閉してなる第2中間体容器を形成するステップと、第2中間体容器に対して押し棒の押圧を解放すると共に第1,2金型を開枠することにより、容器本体が有する弾性復元力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧にさせるステップとを有することができる。
【0044】
上記容器本体形成ステップにおいて、上記容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に備えることができる。
【0045】
上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、上記隔離薄膜を内側に凹に垂下させた後に首部成形コアを上記首部の内側に挿入して隔離薄膜を首部の内周面に沿わせるように形状を整えると共に隔離薄膜の底面を成型するステップを有することが好ましい。
【0046】
上記容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に備える上記容器本体形成ステップにおいて、該容器本体形成ステップは、上記首部の内側に上記第2の輸液構成剤を所定量充填するステップと、スパイク挿入用ゴム栓を上記密閉手段として首部に備えるステップとを有することができる。このように形成された輸液容器は、たとえば、スパイクを首部に設けられたゴム栓を通して容器本体内部に挿入することができ、さらに、スパイクの先端部を容器本体の隔離薄膜を貫通させた状態にセットして第1,2の輸液構成剤を互いに混合させることができる。
【0047】
或いは、上記容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に備える上記容器本体の密閉ステップは、上記第2の輸液構成剤を密閉状態で収容し上記隔離薄膜側に薄膜を有し隔離薄膜と反対側の外面に上記密閉手段としてのスパイク挿入用ゴム栓を備えた小容器を上記首部の内側に挿入して固定するステップを有することができる。このように形成された輸液容器は、たとえば、スパイクを挿入部を通して小容器の内部に挿入することができ、さらに、スパイクの先端部を小容器の上記薄膜と容器本体の隔離薄膜とを共に貫通させた状態にセットして小容器内の第2の輸液構成剤と、容器本体の第1の収容空間に収容された第2の輸液構成剤とを互いに混合させることができる。
【0048】
この小容器は、上記首部の内周面側に防湿フィルムを備え、上記密閉ステップは、小容器と首部とを互いに溶着させて上記第2の収容空間を密閉するステップを有することが好ましい。
【0049】
一方、セパレート型輸液容器の場合には、当該容器は、第1の輸液構成剤と両頭針を夫々独立して収容すると共に該第1の輸液構成剤とバイアルが収容する第2の輸液構成剤とを両頭針を通して互いに混合して輸液を形成するための熱可塑性樹脂からなる輸液容器であって、その製造方法は、内側に第1の輸液構成剤を収容すると共に内側を大気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形成ステップと、容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて陥没凹部を隔離薄膜として形成し、該隔離薄膜に対して容器本体の内側を上記第1の輸液構成剤を収容した第1の収容空間として形成する一方、隔離薄膜に対して容器本体の外側を上記両頭針を収容する第2の収容空間として形成する隔離薄膜形成ステップと、上記第2の収容空間内に両頭針を収容する両頭針収容ステップとを有する。
【0050】
この製造方法によれば、隔離薄膜は、容器本体の上記一部分が上記加熱軟化により延伸せしめられてなるものであり、隔離薄膜の膜厚は、上記加熱前における一部分の膜厚よりも減じられる。従って、両頭針の隔離薄膜への刺針時に、コアリング(隔離薄膜の膜厚が大きい場合に、該薄膜に両頭針を挿入した時、該薄膜がスパイクにより削られてなる微粒子状の破片が形成されること)が発生することが防止される。つまり、コアリングにより容器内の輸液構成剤が当該破片により汚染されることが防止される。
【0051】
上記容器本体形成ステップは、具体的には、ブロー成形法により、加熱軟化したチューブ状パリソンを第1金型内にセットした後にパリソン内部にエアー等を吹き込んで膨張させ金型に密着させると同時に冷却して第1中間体容器を形成するステップと、上記第1の輸液構成剤を第1中間体容器内に所定量充填するステップと、上記第1金型に摺動自在に設けられた押し棒によって第1中間体容器の側面を内側に押圧して弾力的に窪ませると共に、第2金型により上記第1中間体容器を密閉してなる第2中間体容器を形成するステップと、第2中間体容器に対して押し棒の押圧を解放すると共に第1,2金型を開枠することにより、容器本体が有する弾性復元力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧にさせるステップとを有する。
【0052】
上記容器本体形成ステップにおいて、上記容器本体を胴部と首部とから構成し、上記第1の収容空間を上記隔離薄膜に対して胴部側に形成しかつ上記第2の収容空間を隔離薄膜に対して胴部の反対側に形成するように隔離薄膜を上記首部に備えることができる。
【0053】
上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、上記隔離薄膜を内側に凹に垂下させた後に首部成形コアを上記首部の内側に挿入して隔離薄膜を首部の内周面に沿わせるように形状を整えると共に隔離薄膜の底面を成型するステップを有することが好ましい。
【0054】
上記両頭針収容ステップは、さらに、上記首部に密閉保護部材を備えることにより上記第2の収容空間を密閉するステップを有することが好ましい。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1〜4の実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
先ず、第1の実施形態に係る輸液容器とその製造方法を図1〜24に従って説明する。
【0056】
この第1の実施形態の輸液容器は、一体型輸液容器である。この輸液容器は、該容器の首部にスパイクがワンタッチで装着され、これにより、該容器内に収容されている2薬剤は、速やかに混合される状態に設定される。
【0057】
図1は、この2薬剤混合システムの大略構成を示している。図において、参照符号10は、溶解剤20を密閉状態で内側に収容した第1収容空間2と、該溶解剤20に混合(溶解)させて用いる固形粉末剤26を密閉状態で内側に収容した第2収容空間4とを夫々内側に形成した一体型輸液容器であり、200は、この一体型輸液容器の首部16に挿入して用いられるスパイクである。
【0058】
図に示すように、この一体型輸液容器10は、上記首部16に設けられ容器本体と一体的に形成された隔離薄膜16bによって、容器内部が第1,2収容空間2,4に区分けされている。この輸液容器10の胴部14の端部には、ハンガー(吊り下げ部)6が設けられており、不図示の支持部材にこのハンガー6を引っかけることにより、輸液容器10を首部16を下にした状態で吊り下げることができるようになっている。この輸液容器10の首部16の端部には、ゴム栓35が設けられている。このゴム栓35には、図に示す如く先細りに形成されているスパイク200の先端202が挿入(刺針)される。
【0059】
このスパイク200には、点滴筒204が備えられている。この点滴筒204には、図に示すように、輸液案内チューブ206と、該輸液案内チューブ206の流路を開閉するクランプ(バルブ装置)208と、他の輸液案内チューブ210と、人体に刺針するための注射針212が順次接続されている。
【0060】
以下に、この一体型輸液容器の構成を製造方法を交えながら説明する。
【0061】
この一体型輸液容器は、ブロー成形法により、以下の製造工程を経て作られる。すなわち、先ず、図2に示す如く、熱可塑性樹脂からなる加熱軟化したチューブ状パリソンを第1対称金型100内にセットした後にパリソン内部にエアーを吹き込んで膨張させ第1対称金型100に密着させると同時に冷却して、胴部14と首部16とを有する第1中間体容器10Aを形成した後に、第1溶解剤20が第1中間体容器10A内に所定量充填される。本実施形態において、上記チューブ状パリソンを形成する熱可塑性合成樹脂として、ポリエチレンを用いているが、使用材料は、このポリエチレンに限定されるものではない。
【0062】
次いで、図3に示す如く、第1対称金型100に摺動自在に設けられた押し棒102によって第1中間体容器10Aの側面を内側に押圧して弾力的に窪ませる。
【0063】
次いで、図4に示す如く、第2対称金型104により、上記第1中間体容器10Aの首部16を密閉してなる第2中間体容器10Bを形成する。つまり、このステップで、天壁としての密閉膜16aが形成される。
【0064】
次いで、図5に示す如く、第2中間体容器10Bに対して押し棒102の押圧を解放して、容器本体が有する弾性復元力により容器本体の内部を大気圧に対して低圧にさせる。
【0065】
図6に示す如く第1,2対称金型100,104を押し棒102と共に開枠して、図7に示す如く第2中間体容器10Bを金型から取り出す。第2中間体容器10Bは、上記の如く、第1,2対称金型100,104によって形成されているため、該第2中間体容器10Bの首部16が有する密閉膜16aには、センター・パーティングライン30が首部直径方向に形成されている。
【0066】
次いで、この密閉膜16aがセンター・パーティングライン30により区分けされた第1部分16yと第2部分16zとを、図8に示す如く、第1部分16yの延伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなるように、加熱部材106により加熱軟化して、大気圧に対して負圧になっている容器内部へ部分的に陥没させる。この第1部分16yの延伸量と、第2部分16zの延伸量との相違により、センター・パーティングライン30は、密閉膜16aの中心に対して上記加熱前の第2部分16z側へ偏心せしめられる。本実施形態においては、図に示すように、均一に加熱された加熱部材106が用いられており、該加熱部材106により、第1部分16yの加熱面積が第2部分16zの加熱面積よりも大きくなるように第1,2部分16y,16zが加熱されている。この加熱により、第1部分16yの延伸量を、第2部分16zの延伸量よりも大きくしている。このステップで加熱された密閉膜16aの上面の状態を図12に示している。図中、偏心せしめられたセンター・パーティングラインは、破線30aで示している。このステップでの加熱前に密閉膜16aに形成されていたセンター・パーティングラインは、一点鎖線30で示している。なお、上記加熱部材106の温度や、加熱時間や、密閉膜16aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部材106との間隔によって、任意に設定される。
【0067】
次いで、図9に示す如く、上記密閉膜16aの全面を加熱部材107により均一に加熱して軟化させ密閉膜16a全体を負圧になっている容器の内側に陥没させる。第2中間体容器10Bの内部は外部に対して負圧になっているため、密閉膜16aは、全体的に均一に該中間体容器10Bの内方向に引っ張られて、密閉膜16a全体がムラなく延伸せしめられる。これにより、内方向に引っ張られて形成される陥没凹部を隔離用刺針部薄膜16bとして形成する。この隔離用刺針部薄膜16bに対して、容器本体の内側は、溶解剤20を収容した第1収容空間2として形成される一方、薄膜16bに対して、容器本体の外側は、固形粉末剤26を収容する第2収容空間4として形成される。本実施例において、密閉膜16aは、図に示すように、均一に加熱された加熱部材107により、全体的に均一に加熱される。この加熱により、上記隔離用刺針部薄膜16bは、該薄膜16bが全体的に容器内方に延伸して凹となるにつれて、その膜厚は減じられていく。また、これと共に、隔離用刺針部薄膜16bに形成されていたパーティングライン30aは、該薄膜16bの中心に対してさらに偏心せしめられる。図中、このようにさらに偏心せしめられたパーティングラインを30bとしてとして示している。このステップ完了時における隔離用刺針部薄膜16bの上面の状態を図13に示している。なお、上記加熱部材107の温度や、加熱時間や、密閉膜16aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部材との間隔によって、任意に設定される。
【0068】
次いで、上記隔離用刺針部薄膜16bを上記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図10に示す如く、首部成形コア109を上記首部16の内側に挿入して隔離用刺針部薄膜16bを首部16の内周面に沿わせるように形状を整えると共に、隔離用刺針部薄膜16bの底面を成型する。つまり、このステップで、隔離用刺針部薄膜16bより上に位置する首部16の周壁は容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側端部で一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り込まれた隔離用刺針部薄膜16bとからなる2重壁として構成される。
【0069】
次いで、図11に示す如く、この首部成型コア109を首部16から抜き取って第3中間体容器10Cを形成する。
【0070】
ところで、隔離用刺針部薄膜が一定の厚さ以上の厚さを有している場合、該隔離用刺針部薄膜に、後に詳しく説明するところのスパイクを挿入したときに、刺針部薄膜の一部がスパイクにより削られる(この現象は、「コアリング」と称される)可能性が高くなることが知見されている。しかし、上記の如く形成された隔離用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30bに対応しない部分つまりスパイク200が挿入される部分の肉厚が上記一定の厚さ以下となり、上記コアリングの発生の可能性は有意に低減する。つまり、隔離用刺針部薄膜へのスパイクの刺針時にコアリングが発生して隔離用刺針部薄膜が削られてなる破片が輸液容器本体の第1収容空間2内に混入する可能性は低減する。
【0071】
さて、このように形成された第3中間体容器10Cの首部16の上記第2収容空間4には、固形粉末剤26を密閉し上記隔離用刺針部薄膜16b側に薄膜を備えた別体の小容器が嵌入され固定されて、この第1実施形態の一体型輸液容器が完成する。この小容器は、以下のように準備され、そして、第3中間体容器10Cの首部16に固定される。
【0072】
すなわち、先ず、図14,15に示す如く、上部所定位置に複数の切り欠き32aを備え底壁が薄膜32bとして形成されると共に一端側が開口した熱可塑性樹脂製の小容器構成部材32が準備される。この薄膜32bは、パーティングラインを有していない。図14,15は、夫々、この小容器構成部材32の上面及び側面断面を示している。
【0073】
次いで、図16に示す如く、この小容器構成部材32の中に、凍結乾燥させることにより上記固形粉末剤26を形成するような薬剤溶液26aが所定量充填される。
【0074】
次いで、図17に示す如く、この小容器構成部材32の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部材35aを備えたゴム栓35を、上記切り欠き32aを密閉しないように内嵌して小容器中間体を構成する。
【0075】
次いで、図18に示す如く、周知の凍結乾燥法により、薬剤溶液26aの水分を切り欠き32aから逃がすようにして該薬剤溶液26aを蒸発/乾燥させ、該薬剤溶液26aから固形粉末剤26を形成する。
【0076】
次いで、図19に示す如く、上記密閉用フレーム部材35aを備えたゴム栓35を、小容器構成部材32の内周面沿いに切り欠き32aを越えて薄膜32b側へ加圧挿入して、上記固形粉末剤26を収容している空間を密閉する。
【0077】
次いで、図20に示す如く、ゴム栓35の密閉用フレーム部材35bと、小容器構成部材32とを共に加熱して互いに溶着させる。
【0078】
次いで、図21に示す如く、小容器構成部材32の底面(つまり、上記薄膜32bの表面)とその周囲とに防湿フィルム37を一体的に設けて(ラミネートして)小容器を完成する。
【0079】
次いで、図22に示す如く、上記完成した小容器38を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間2とは、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器38側の薄膜32bとからなる2重壁で区分けされることになる。
【0080】
次いで、図23に示す如く、さらに、小容器38の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱溶着して互いに固定し密閉する。
【0081】
次いで、一体型輸液容器10の首部口部に保護フィルム(封止フィルム)39を貼着して完成する。このようにして形成されてなる一体型輸液容器10の首部16の要部拡大断面を図24に示している。
【0082】
上記小容器は、薬剤溶液を凍結乾燥させて固形粉末剤26を形成・密閉する目的で準備されたものであるが、この変形形態に係るものとして、小容器構成部材の中に、初めから固形粉末剤であるものを収容して密閉してもよいことはいうまでもない。
【0083】
すなわち、この変形形態に係る小容器は、先ず、図25に示す如く、底壁が薄膜41bとして形成された小容器構成部材であって、上方が解放された熱可塑性樹脂から形成された小容器構成部材41が準備される。この薄膜41bは、パーティングラインを有していない。図25は、この小容器構成部材41の側面断面を示している。
【0084】
次いで、図26に示す如く、この小容器構成部材41の中に、固形粉末剤26が所定量充填される。
【0085】
次いで、図27に示す如く、この小容器構成部材41の口部に、熱可塑性樹脂製密閉用フレーム部材42aを備えたゴム栓42を内嵌して小容器中間体を構成する。
【0086】
次いで、図28に示す如く、上記密閉用フレーム部材42aを備えたゴム栓42を、小容器構成部材41の内周面沿いに薄膜41b側へ加圧挿入して上記固形粉末剤26を収容している空間を密閉した後に、ゴム栓42の密閉用フレーム部材42aと、小容器構成部材41とを共に加熱して互いに溶着させる。
【0087】
次いで、図29に示す如く、小容器構成部材41の底面(つまり、上記薄膜41bの表面)とその周囲とに防湿フィルム43を設けて(ラミネートして)小容器44を完成する。
【0088】
次いで、図30に示す如く、上記完成した小容器44を一体型輸液容器10の上記首部16内に嵌入する。すなわち、このステップで、固形粉末剤26を収容している小容器38の収容空間と、第1収容空間とは、容器本体側の隔離用刺針部薄膜16bと、小容器44側の薄膜41bとからなる2重壁で区分けされることになる。
【0089】
次いで、図31に示す如く、さらに、小容器44の口部と、一体型輸液容器10の首部16とを熱溶着して互いに固定し密閉する。
【0090】
次いで、一体型輸液容器10の首部口部に保護フィルム(封止フィルム)を貼着して完成する。このようにして形成されてなる一体型輸液容器10の首部16の構成は、図24に示したものと基本的に同一である。
【0091】
上記第1の実施の形態及びその変形形態に係る輸液容器は、夫々、一体型輸液容器の第2収容空間4を、固形粉末剤26を密閉した小容器38,44を夫々収納するための収納空間として構成されている。これらの各形態に対して、第2収容空間4を、固形粉末剤26を直接密閉するための空間として構成することができる。以下に、この後者のタイプに対応する第2の実施形態に係る一体型輸液容器とその製造方法を、図32〜35に従って説明する。
【0092】
先ず、上記第1の実施形態に係る一体型輸液容器の製造過程で形成される第3中間体容器10Cと同様の中間体容器10Cが準備される。そして、図32に示す如く、この中間体容器10Cの第2収容空間4に対応する首部内側に、薬液充填ノズル45により、薬液46を充填する。
【0093】
次いで、図33に示す如く、上記第1の実施形態で用いられるのと同様の密閉用フレーム部材47aを備えたゴム栓47をこの首部16の内周面沿いに隔離用刺針部薄膜16b側へ加圧挿入して、薬液46を収容している第2収容空間4を密閉する。
【0094】
次いで、図34に示す如く、ゴム栓47の密閉用フレーム部材47aと、上記首部の口部とを共に加熱して互いに溶着させる。
【0095】
次いで、この口部に保護フィルム48を貼着して一体型輸液容器を完成する。図35は、このようにして完成した一体型輸液容器の要部拡大断面を示している。
【0096】
次に、上記各第1及び第2の実施形態及び変形形態に係る各一体型輸液容器に適用されるスパイク200を図36に従って説明する。
【0097】
図において、214は中空針本体、216は該中空針本体214の中空部内に設けられかつ軸方向に延在して2流路215を形成する仕切り壁、そして、217は中空針本体214の基部に固定された位置決めフランジである。この仕切り壁216は先端方向に先細りに形成され、中空針本体214は仕切り壁216の先端側両側で切り欠かれて2つの細長開口218,219が形成されている。この中空針本体214の他端は、上記2つの細長開口218,219に連通する他端側開口220を有している。図に示すように、この位置決めフランジ217は、中空針本体214の基端側外周に設けられている。
【0098】
このスパイク200は、該スパイク200が上記第1の実施形態の輸液容器に適用される場合には、中空針本体214の先端202は、上記一体型容器のゴム栓35,42と、第2収容空間4と、隔離用刺針部薄膜16b側に設けられた薄膜32b,41bと、隔離用刺針部薄膜16bとに順次貫通せしめられる。このようにスパイク200の先端202が隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1収容空間2側に露出している状態を、図24中、1点鎖線で示している。
【0099】
一方、該スパイク200が上記第2の実施形態の輸液容器に適用される場合には、中空針本体214の先端202を上記一体型容器のゴム栓47と、第2収容空間4と、隔離用刺針部薄膜16bとに順次貫通せしめられる。このようにスパイク200の先端202が隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1収容空間2側に露出している状態を、図35において1点鎖線で示している。
【0100】
この中空針本体214の先端202をこのようにゴム栓側から挿入して隔離用刺針部薄膜16bまで貫通させ該先端202を第1収容空間2に臨ませると共に、位置決めフランジ217を容器本体に当接させたたとき、上記2つの細長開口218,219は、第1,2の収容空間2,4に跨がって位置するように構成されている。
【0101】
また、このスパイク200は、仕切り壁216の両側に、上記細長開口218,219に臨みかつ上記基端側に設けられた液拡散用突起221,222を夫々備えている。上記の如く、スパイク200の位置決めフランジ217を容器本体に当接させたとき、上記液拡散用突起221,222は、第2収容空間4内の所定位置に位置せしめられるようになっている。
【0102】
図36に示すように、中空針本体214の基端側外周に設けられている上記位置決めフランジ217の上記他端側開口220に対応する端面217aには、上記他端側開口220に連通する点滴筒204が密閉状態で固定されている。この点滴筒204は、後述の如くポンピング操作が可能なように可撓性樹脂から形成されている。この点滴筒204の一端部は、上記位置決めフランジ217の端面217aに固定される一方、この点滴筒204の他端側には、前記の如く、輸液案内チューブ206と、該輸液案内チューブ206の流路を開閉するクランプ(バルブ装置)208と、他の輸液案内チューブ210と、人体に刺針するための注射針212が順次接続されている。
【0103】
さて、このスパイク200は、上記第1,2の実施形態の各一体型輸液容器10に対して、次のようにして用いられる。
【0104】
先ず、一体型輸液容器10の首部16に設けられている保護フィルム39,48(図24,35参照)を、首部16の口部から剥離させる。
【0105】
次いで、図37に示す如く、スパイク200の先端202を、首部16を上に向けた状態の一体型輸液容器10のゴム栓35に対して、挿入準備(刺針準備)位置にセッティングする。このステップで、点滴筒200に接続されているクランプ208は、閉じ状態に設定しておく。
【0106】
次いで、図38に示す如く、スパイク200の先端202を一体型輸液容器10の上記ゴム栓35にスパイク200の位置決めフランジ217が容器本体に当接するまで挿入する。このとき、スパイク200の先端202は、隔離用刺針部薄膜16bを貫通して第1収容空間2の内側に臨むと共に、上記液拡散用突起221,222は、第2収容空間4の内部の所定位置に位置せしめられる。つまり、このステップでのスパイク200のこの一体型輸液容器本体への装着作業、つまり、この輸液容器内の2薬剤を速やかにかつ確実に混合可能な状態に設定するための作業は、ワンタッチで行うことができる。刺針部に形成されている各パーティングライン30bは、図24,35に示すように、該刺針部の中心部分から偏心した位置に形成されているため、この一体型輸液容器に対して、上記スパイク200が刺針部の中心に挿入された場合、パーティング・ライン30bに対応する隔離用刺針部薄膜16bにスパイク200が挿入されることが回避され、従って、当該刺針(挿入)時に、隔離用刺針部薄膜16bを形成している材料が削られて微粒子状となった破片が容器の第1収容空間2内の溶解剤20に混入することは防止される。
【0107】
次いで、図39に示す如く、スパイク200が上記ステップで一体型輸液容器に装着された状態のものを反転させる。この状態で、点滴筒204を図中の矢印で示す如く手動操作でポンピングすることにより、この輸液容器の第1収容空間2内に収容されている溶解剤20を第2収容空間4及び点滴筒204側へ案内する。このポンピング操作において、先ず、点滴筒204を圧搾した場合、上記の如くクランプ208は閉じられているため、点滴筒204内のエアーは圧縮され、図41の矢印で示す如く、点滴筒204内の該エアーは、スパイク200の基部側開口220から2流路215を通り、2つの細長開口218,219から第1収容空間2内の溶解剤20内に泡となって放出される。この状態で点滴筒204の上記圧搾動作を停止して手を離すと、第1収容空間2側の容器内圧力が点滴筒204内の容器内圧力よりも大きくなって、図42の矢印で示す如く、第1収容空間2内の溶解液20は、スパイク先端部の2つの細長開口218,219から2流路215を通り、上記他端側開口220から点滴筒204内に収容される。溶解剤20のこの流動時に、図42中、矢印で示すように、第1収容空間2側から案内されてきた溶解剤20は、仕切り壁216に設けられている液拡散用突起221,222に当たってその流路を変更し、溶解剤20は、第2収容空間4の内部に全体的に均一に拡散せしめられる。溶解剤20のこの拡散流により、この第2収容空間4内に収容されている固形粉末剤26は、該第2収容空間4内で溶解剤20と速やかに混合せしめられる。このようにして混合された混合薬剤は、液拡散用突起221,222の基端側に位置する上記2つの細長開口218,219を通って上記2流路215内に案内され、上記他端側開口220より点滴筒204内に収容される。第1収容空間2から溶解剤20が点滴筒204内に案内されるにつれて、第1収容空間2内の容器内圧力は徐々に低下し、この結果、溶解剤20の流動速度は遅くなる。このような場合には、図39の矢印で示す如く、容器本体側をポンピング(圧搾)して、第1収容空間2内の容器内圧力を上げたり、或いは、上記の如く点滴筒204をポンピング(圧搾)することにより、上記操作を再度繰り返す。
【0108】
次いで、上記操作により、混合薬剤が点滴筒204内に一杯になったとき、図40に示す如く、輸液容器を首部4が上になるように再度反転させる。この状態で、輸液容器10を手動操作でポンピングすることにより、点滴筒204内に上記の如く収容された混合薬剤を輸液容器10側へ案内する。このポンピング操作において、先ず、輸液容器10を圧搾した場合、輸液容器10の第1収容空間2内のエアーは圧縮され、図43の矢印で如く、該輸液容器10の第1収容空間2内のエアーは、スパイク先端部の2つの細長開口218,219から混合薬剤に満たされている第2収容空間4を通り、さらに、基端側の2流路215を経て他端側開口220から点滴筒204内の混合薬剤中に泡となって放出される。この状態で上記圧搾動作を停止して輸液容器10に対する付勢圧(外力)を解放すると、点滴筒204内の容器内圧力が輸液容器10の第1収容空間2の容器内圧力がより大きくなるため、図44に示す如く、点滴筒204内の混合薬剤は、スパイク200の他端側開口220内に案内され上記2流路215を通ってスパイク200の先端側に位置する上記2つの細長開口218,219に導かれ、該2つの細長開口218,219から輸液容器10の第1収容空間2内に流下して収容される。この混合剤の流動時において、上記2流路215を通って第2収容空間4側に案内されてきた混合薬剤は、図中、矢印で示すように、上記液拡散用突起221,222に当たって第2収容空間4に、再度、全体的に拡散せしめられる。これにより、前記ステップで第2収容空間4内の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合されていなかった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形粉末剤は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶解)せしめられることになり、再混合された混合薬剤が輸液容器の第1収容空間2内に戻されることになる。点滴筒204内から混合薬剤が容器本体側に流動するにつれて、点滴筒204内の容器内圧力は低下し、この結果、混合薬剤の容器本体側への流動速度は遅くなる。このような場合には、点滴筒204をポンピング(圧搾)して、該点滴筒204内の容器内圧力を上げたり、或いは、上記の如く輸液容器10の本体を圧搾して、上記操作を再度繰り返す。これにより、上記前記ステップで第2収容空間4内の固形粉末剤26が溶解剤20と完全に混合されていなかった場合でも、それらの未溶解(未混合)固形粉末剤は、再度、この混合薬剤が含む溶解剤と混合(溶解)せしめられる。
【0109】
上記各混合操作、つまり、図39及び図40を参照して説明した上記各操作を数回繰り返すことにより、輸液容器の第2収容空間4内に収容されている固形粉末剤26は、第1収容空間2内に収容されている溶解剤20と略完全に混合(溶解)せしめられる。
【0110】
このようにして、第1収容空間2内の溶解剤20と、第2収容空間4内の固形粉末剤26とが相互に混合(溶解)せしめられた後に、この一体型輸液容器10は、ハンガー6を不図示の支持部材に吊り下げて、点滴準備状態にセッティングされることになる。点滴時には、クランプ208が開かれ、輸液容器10の第1収容空間2内に収容されている混合薬剤が注射針212を通して人体に案内される。
【0111】
上記第1,2の実施形態に係る一体型輸液容器は、該容器本体が備える隔離用刺針部薄膜を、容器本体から別体として準備されたスパイクの先端で破断(貫通)させるように構成されているが、本願発明によれば、また、以下の如く、輸液容器本体に設けられた小容器が備える破断手段によって、輸液容器本体に一体的に形成されている隔離用刺針部薄膜を破断させるようにした第3の実施形態に係る一体型輸液容器が提供される。以下に、この一体型輸液容器を図47,48に従って説明する。
【0112】
この一体型輸液容器は、図47に示すように、容器本体内に一体的に隔離用刺針部薄膜316bが形成されており、該隔離用刺針部薄膜316bにより、容器本体内には、溶解剤320を密閉状態で収容する第1収容空間302と、固形粉末剤326を密閉状態で収容する小容器350を収納した第2収容空間304とが形成されている。この一体型輸液容器は、胴部314と首部316とを備えており、隔離用刺針部薄膜316bは、首部316側に形成されている。上記胴部314の所定位置には、不図示のスパイク挿入部(ゴム栓)が設けられており、溶解剤320と固形粉末剤326とを混合(溶解)する混合操作後に、スパイクを該スパイク挿入部に挿入して、その混合薬剤を容器本体外部に案内することができるようになっている。
【0113】
上記第1収容空間302は、隔離用刺針部薄膜316bに対して胴部314側に形成されており、一方、上記第2収容空間304は、隔離用刺針部薄膜316bに対して胴部314の反対側側に形成されている。
【0114】
上記小容器350は、上記隔離用刺針部薄膜316b側に破断可能な薄膜352を備え一端部が開口した小容器本体354と、該小容器本体354の内周面に摺動自在に設けられた中空プランジャ360とを備えている。この中空プランジャ360は、小容器本体354の上記薄膜352側へ移動させたときに上記薄膜352と上記隔離用刺針部薄膜316bとを破断(貫通)するエッジ部356と、該エッジ部356の反対側に位置する操作部とを備えている。該操作部側は密閉されており、中空プランジャ360の中空部362と、容器本体354の内周面とから形成された密閉空間内に上記固形粉末剤326が収容されている。
【0115】
この構成において、上記操作部を操作して、上記の如く中空プランジャ360を小容器本体354の薄膜352側へ移動させたとき、図48に示すように、該薄膜352と、容器本体354の隔離用刺針部薄膜とがこの中空プランジャ360のエッジ部356により破断せしめられ、この結果、小容器350の内部と、輸液容器本体の第1収容空間302とが互いに連通して小容器350内に収容されていた固形粉末剤326が輸液容器本体の第1収容空間302内に収容されている溶解剤内に落下して互いに混合(溶解)せしめられる。
【0116】
この第3の実施形態の一体型輸液容器は、前記第1,2の実施形態の一体型輸液容器と同様に製造することができる。
【0117】
すなわち、輸液容器本体部側は、前記ブロー成型法により、図11に示す如く第3中間体容器10Cに対応する中間体容器を準備する。一方、この中間体容器10Cからは独立して、上記構成の小容器350を準備する。そして、これらの中間体容器10Cと小容器350とを互いに組み合わせて密閉することにより、図47に示す如く一体型輸液容器が完成する。
【0118】
【実施例】
上記パリソンの形成材料として、ポリエチレンを使用した。
【0119】
上記密閉膜16aがセンター・パーティングライン30により区分けされた第1部分16yと第2部分16zとを、図8に示す如く、第1部分16yの延伸量が第2部分16zの延伸量よりも多くなるように、加熱部材106により加熱軟化して、該加熱部分を大気圧に対して負圧になっている容器内部へ陥没させるステップにおいて、上記加熱部材106の温度は450°Cに設定された。密閉膜16aは、該密閉膜16aの表面温度が90°Cに達したときに、変形し始め容器内側に陥没し始めた。密閉膜16aは、この加熱部材106により、表面温度が90〜100°Cに保たれた状態で、30秒間加熱された。これにより、密閉膜16aは、上記の如く部分的に容器内側へ陥没した。
【0120】
次いで、上記密閉膜16aの全面を、図9に示す如く、加熱部材107により均一に加熱して軟化させ密閉膜16aを負圧になっている容器の内側に全体的に均一に陥没させて隔離用刺針部薄膜16bを形成するステップにおいて、上記加熱部材107の温度は、450°Cに設定された。密閉膜16aは、この加熱部材107により、表面温度が90〜100°Cに保たれた状態で、30秒間加熱された。これにより、密閉膜16aは、上記の如く全体的に均一に容器内方へ陥没した。
【0121】
上記各ステップを経て形成された上記隔離用刺針部薄膜16bは、パーティングライン30bに対応する部分の膜厚が0.5〜0.6mm、パーティングライン30bに対応しない部分つまりスパイク200が挿入される部分の膜厚が約0.3mmであった。この膜厚は、従来の刺針部薄膜の厚さ(0.5〜0.6mm)と比較して、有意に小さいものである。
【0122】
次に、本発明の第4の実施形態に係る輸液容器とその製造方法を図47〜62に従って説明する。
【0123】
この第4の実施形態の輸液容器はセパレート型輸液容器である。この輸液容器410は、図47に示す如く、胴部414と、1対の首部416a,416bとを備えている。その一方の首部(第1の首部)416aには、該輸液容器410が収容している1つの輸液構成剤である溶解剤420と混合するべき別体で準備されている不図示の周知のバイアル内に収容された今1つの輸液構成剤である固形粉末剤を混合するための周知の両頭針417aを備えたスライダ417が収納されている。このスライダ417は、図に示す如く、両頭針417aを支持する支持部417dを備えており、該支持部417dは、第1の首部416aの内周面に摺動自在に備えられている。なお、参照符号417b,417cは、夫々、両頭針417aの胴部414側の先端部と、該両頭針417aの外部側の先端部である。また、この第1の首部416aには、上記スライダ417を外部から密閉するためのキャップ418を備えている。
【0124】
一方、他方の首部(第2の首部)416bには、上記溶解剤420と上記固形粉末剤とを混合してなる輸液を外部に案内するための周知の先細りの先端を備えたスパイク500を刺針するための周知の刺針部450が設けられている。このスパイク500には、たとえば、前記第1の実施形態で用いたものと同様に、不図示の点滴筒と輸液案内チューブと該輸液案内チューブの流路を開閉するクランプ(バルブ装置)と他の輸液案内チューブと人体に刺針するための注射針が順次接続されている(図1参照)。なお、図中、参照符号406は、第1の首部416aに設けられたハンガーであり、不図示の支持部材にこのハンガー406を引っかけることにより、輸液容器410を第2の首部416bを下にした状態で吊り下げることができるようになっている。
【0125】
図に示すように、このセパレート型輸液容器410は、第1の首部416aに設けられ容器本体と一体的に形成された第1の隔離薄膜(第1の隔離用刺針部薄膜)419cによって、容器内部が第1の収容空間402と、第2の収容空間404に区分けされている。
【0126】
以下に、このセパレート型輸液容器の構成を製造方法を交えながら説明する。
【0127】
このセパレート型輸液容器は、ブロー成形法により、以下の製造工程を経て作られる。
【0128】
すなわち、先ず、図48に示す如く、熱可塑性樹脂からなる加熱軟化したチューブ状パリソンを第1対称金型600内にセットした後にパリソン内部にエアーを吹き込んで膨張させ第1対称金型600に密着させると同時に冷却して、胴部414と、螺合部415を備えた第1の首部416aと、第2の首部416bとを有する第1中間体容器410Aを形成した後に、溶解剤420を第1中間体容器410A内に所定量充填する。本実施形態において、上記チューブ状パリソンを形成する熱可塑性合成樹脂として、ポリエチレンを用いているが、使用材料は、このポリエチレンに限定されるものではない。なお、当該ステップにおいて、第1の首部416a側は外部に対して解放されており、一方、第2の首部416b側は外部に対して密閉されている。つまり、当該ステップで、第2の首部416b側の天壁としての第2の密閉膜421aが形成される。
【0129】
次いで、図49に示す如く、第1対称金型600に摺動自在に設けられた押し棒602によって第1中間体容器410Aの側面を内側に押圧して弾力的に窪ませる。
【0130】
次いで、図50に示す如く、第2対称金型604により、上記第1中間体容器410Aの第1の首部416aを密閉してなる第2中間体容器410Bを形成する。つまり、このステップで、第1の首部416a側の天壁としての第1の密閉膜419aが形成される。
【0131】
次いで、この第2中間体容器410Bに対して押し棒602の押圧を解放し、第1対称金型600と第2対称金型604とを開枠して、容器本体が有する弾性復元力により容器本体の内部を大気圧に対して低圧にした状態で第2中間体容器410Bを第1,2対称金型600,604から取り出す。
【0132】
次いで、図51に示す如く、第1の密閉膜419aの全面を第1の加熱部材607により均一に加熱して軟化させ、図52に示す如く、該第1の密閉膜419a全体を負圧になっている容器の内側に陥没させる。第2中間体容器410Bの内部は外部に対して負圧になっているため、第1の密閉膜419aは、全体的に均一に該中間体容器410Bの内方向に引っ張られて、該第1の密閉膜419a全体がムラなく延伸せしめられる。このステップで、第1の密閉膜419aは、第1の中間体隔離薄膜419bとして形成される。この第1の中間体隔離薄膜419bに対して、容器本体の内側は、溶解剤420を収容した第1の収容空間402として形成される一方、第1の中間体隔離薄膜419bに対して、容器本体の外側は、スライダ417を収容する第2の収容空間404として形成される。本実施形態において、第1の密閉膜419aは、図に示すように、均一に加熱された第1の加熱部材607により、全体的に均一に加熱される。この加熱により、第1の密閉膜419aは、該第1の密閉膜419aが全体的に容器内方に延伸して凹となるにつれて、その膜厚は減じられていく。なお、上記第1の加熱部材607の温度や、加熱時間や、密閉膜419aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部材との間隔等によって、任意に設定される。
【0133】
次いで、上記第1の中間体隔離薄膜419bを上記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図53に示す如く、首部成形コア609を第1の首部416aの内側に挿入する。この首部成形コア609は、図に示すように、当該輸液容器410の中心軸を略中心とし胴部414側に凸に形成された凸成形部611を有している。従って、当該ステップにおいて、首部成形コア609を第1の首部416aの内側に挿入することにより、上記第1の中間体隔離薄膜419bは、第1の首部416aの内周面に沿わせるように形状が整えられると共に、首部成形コア609の上記凸形成部611の形状に対応して中央部の一部が胴部414の方向に凸に、つまり第2の収容空間404に対して凹に成形される。この凹部419dには、後述するように、両頭針417aの一方の先端部417bが部分的に収納される。つまり、このステップにおいて、上記第1の中間体隔離薄膜419bは、凹部419dを備えた第1の隔離薄膜つまり第1の隔離用刺針部薄膜419cとして形成される。なお、このステップで、第1の隔離用刺針部薄膜419cより上に位置する第1の首部416aの部分の周壁は、容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側端部に一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り込まれた第1の隔離用刺針部薄膜419cとからなる2重壁として構成される。当該ステップにおいて、第2中間体容器410Bは、第3中間体容器410Cとして形成される。
【0134】
次いで、図54に示す如く、この首部成型コア609を第1の首部416aから抜き取る。
【0135】
ところで、第1の隔離用刺針部薄膜が一定の厚さ以上の厚さを有している場合、該第1の隔離用刺針部薄膜に、後述するところの両頭針417aの先端部417bを挿入したときに、第1の隔離用刺針部薄膜の一部が該先端部417bにより削られる(この現象は、「コアリング」と称される)可能性が高くなることが知見されている。しかし、本実施形態の第1の隔離用刺針部薄膜419cは、上記の如く、第1の密閉膜419aを第1の中間体隔離薄膜419bとして形成するステップにおいて、その膜厚が有意に低減せしめられる。この結果、両頭針417aの先端部417bが挿入される第1の隔離用刺針部薄膜419cの部分の肉厚が上記一定の厚さ以下となり、上記コアリングの発生の可能性は有意に低減する。つまり、第1の隔離用刺針部薄膜419cへの両頭針417aの先端部417bの刺針時にコアリングが発生して第1の隔離用刺針部薄膜419cが削られてなる破片が輸液容器本体の第1収容空間402内に混入する可能性は低減する。
【0136】
次いで、図55に示す如く、第1の首部416aが有する第2の収容空間404内に、両頭針417aの一方の先端部417bが第1の上記隔離用刺針部薄膜419cの凹部419d内に位置するように、上記スライダ417を装着する。このスライダ417の支持部417dは、第1の首部416aに対して摩擦的に支持されており、従って、当該スライダ417は、上記の如く第1の首部416aに対して摺動自在である。
【0137】
次いで、図56に示す如く、別体で準備された密閉保護部材としてのキャップ418を第1の首部416aに装着してスライダ417を外部から密閉する。このキャップ418には、輸液容器410の第1の首部416aに形成されている上記螺合部415に螺合する螺合部418aが設けられており、当該螺合部415,418aを互いに螺合させることにより、キャップ418は、第1の首部416aに固定される。
【0138】
次いで、図56に示す第3中間体輸液容器410Cを図57に示す如く反転させて、第2の首部416bが有している上記第2の密閉膜421aの全面を第2の加熱部材609により均一に加熱して軟化させる。当該ステップにおいて、第3中間体容器410Cの内部は、外部に対して負圧を維持しており、従って、この負圧を利用して、図58に示す如く該第2の密閉膜421a全体を負圧になっている容器の内側に陥没させる。このように、第3中間体容器410Cの内部は、上記の如く外部に対して負圧になっているため、第2の密閉膜421aは、全体的に均一に該第3中間体容器410Cの内方向に引っ張られて、該第2の密閉膜421a全体がムラなく延伸せしめられる。このステップで、第2の密閉膜421aは、第2の中間体隔離薄膜421bとして形成される。この第2の中間体隔離薄膜421bに対して、容器本体の内側は、上記溶解剤420を収容した第1の収容空間402として形成される一方、該第2の中間体隔離薄膜421bに対して、容器本体の外側は、上記刺針部450を構成するための別体として設けられた密閉部材700(後述)を収容する第3の収容空間460として形成される。
【0139】
より具体的には、この密閉部材700は、図58に示す如く、熱可塑性樹脂製の密閉用フレーム部材704の内側にゴム栓703を固定してなるものである。
【0140】
本実施形態において、第2の密閉膜421aは、図57に示すように、均一に加熱された第2の加熱部材609により、全体的に均一に加熱される。この加熱により、第2の密閉膜421aは、該密閉膜421aが全体的に容器内方に延伸して凹となるにつれて、その膜厚は減じられていく。なお、この第2の加熱部材609の温度や、加熱時間や、第2の密閉膜421aの表面温度等は、パリソンの形成材料や、容器本体と加熱部材との間隔等によって、任意に設定される。
【0141】
次いで、上記第2の中間体隔離薄膜421bを上記の如く容器本体内側に凹に垂下させた後に、図59に示す如く、上記密閉部材700を第2の首部416bの第3の収容空間460内に挿入する。このステップにおいて、密閉部材700を第3の収容空間460内に挿入することにより、上記第2の中間体隔離薄膜421bは、第2の首部416bの内周面に沿わせるように形状が整えられると共に底面の形状が整えられる。つまり、このステップにおいて、第2の中間体隔離薄膜421bは、第2の隔離薄膜つまり第2の隔離用刺針部薄膜421cとして形成される。なお、このステップで、第2の隔離用刺針部薄膜421cより上に位置する第2の首部416bの部分の周壁は、容器本体側の首部の部分と、該首部の部分の開口側端部に一体的に接続し該首部の部分の内周面沿いに折り込まれた第2の隔離用刺針部薄膜421cとからなる2重壁として構成される。
【0142】
ところで、第2の隔離用刺針部薄膜が一定の厚さ以上の厚さを有している場合、該第2の隔離用刺針部薄膜に、該膜に刺針する上記スパイク500の先端部を挿入したときに、第2の隔離用刺針部薄膜の一部がスパイク500の先端部により削られる(この現象は、「コアリング」と称される)可能性が高くなることが知見されている。しかし、本実施形態の第2の隔離用刺針部薄膜421cは、上記の如く、第2の密閉膜421aを第2の中間体隔離薄膜421bとして形成するステップにおいて、その膜厚が有意に低減せしめられる。この結果、スパイク500の先端部が挿入される第2の隔離用刺針部薄膜421cの部分の肉厚が上記一定の厚さ以下となり、上記コアリングの発生の可能性は有意に低減する。つまり、第2の隔離用刺針部薄膜421cへのスパイク500の刺針時にコアリングが発生して第2の隔離用刺針部薄膜421cが削られてなる破片が当該輸液容器本体の第1収容空間402内に混入する可能性は低減する。
【0143】
次いで、図60に示す如く、密閉部材700の上記密閉用フレーム704と、容器の第2の首部416bの口部とを互いに熱溶着により固定する。つまり、このステップにおいて、第4中間体容器410Dは、第5中間体容器410Eとして形成される。
【0144】
次いで、上記互いに熱溶着されてなる第2の首部416bの口部の端面に、図61に示す如く保護フィルム(保護シール)702を設ける。
【0145】
次いで、図62に示す如く、第1の首部416aの所定位置に上記ハンガー406を容器本体に対して回動自在に取り付けるためのハンガー支持部材705を固定した後、該支持部材705にハンガー406を取り付けて、図47に示す如く当該セパレート型輸液容器の完成品を得る。
【0146】
上記各ステップを経て形成されたこの第4の実施形態に係るセパレート型輸液容器は、周知のセパレート型輸液容器と同様にして用いられる。
【0147】
すなわち、この輸液容器の第1の首部416aからキャップ418を取り外して、両頭針417aの外部側の先端部417cを別体として準備されている不図示の周知のバイアルの口部(刺針部)に対して位置決めする。
【0148】
次いで、バイアルの本体部をこの輸液容器本体部に対して押圧する。このとき、両頭針417aの1対の先端部417c,417bは、バイアルの刺針部と、この輸液容器410の第1の首部416a側に設けられている上記第1の隔離薄膜419cの凹部419dを夫々貫通する。このとき、輸液容器410の第1の収容空間402と、バイアル内部とが両頭針により連通せしめられる。
【0149】
次いで、このように互いに接続されたものを上下左右に振ることにより、第1の収容空間402内に収容されている溶解剤420と、バイアル内に収容されている固形粉末剤とが互いに混合される。
【0150】
次いで、不図示の点滴筒のスパイク500をこの輸液容器410の刺針部450に挿入(刺針)した状態で、ハンガー406を不図示の支持部材に引っ掛けて点滴作業の準備を完了する。
【0151】
この第4の実施形態に係るセパレート型輸液容器410は、第1の首部416a側に構成されている第1の収容空間402と第2の収容空間404、及び、第2の首部416b側に構成されている第1の収容空間402と第3の収容空間460が、夫々、容器本体と一体的に形成された第1及び第2の隔離薄膜419c,421cにより画定されているため、製造段階において第1の収容空間402内に一旦充填(密閉)された溶解剤は、輸液容器が完成するまで外部との接触が完全に遮断されることになり、従って、前記従来式セパレート型輸液容器が有していた2つの独立した容器構成部材の組み合わせから生じる汚染問題は、効果的に解消される。
【0152】
なお、上記第4の実施形態においては、第1,2金型600,604に夫々対称金型を用いているため、第1,第2の隔離用刺針部薄膜419c,421cは、その形成段階(図48,図50参照)において夫々センター・パーティングラインが形成されるが、このセンター・パーティングラインを偏心させるために、前記第1の実施形態で用いたセンター・パーティングラインの偏心方法をこの第4の実施形態の製造ステップに適用してもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る一体型輸液容器が適用された2薬剤混合システムの全体斜視図である。
【図2】 第1の実施形態に係る一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図3】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図4】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図5】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図6】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図7】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図8】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図9】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図10】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図11】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図12】 図8に示した中間体容器の上面図である。
【図13】 図9に示した中間体容器の上面図である。
【図14】 本発明の一体型輸液容器本体の首部に嵌入される小容器の構成部材の上面図である。
【図15】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図16】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図17】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図18】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図19】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図20】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図21】 図14の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図22】 図21に示した小容器が輸液容器本体の首部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図23】 図22に示した小容器と輸液容器本体の首部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図である。
【図24】 図23に示した輸液容器本体の首部に保護フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図25】 第1の実施形態の変形形態に係る一体型輸液容器本体の首部に嵌入される小容器の製造方法を示す1製造工程である。
【図26】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図27】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図28】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図29】 図25の小容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図30】 図29に示した小容器が輸液容器本体の首部に挿入された状態を示す1製造工程図である。
【図31】 図30に示した小容器と輸液容器本体の首部とが互いに溶着された状態を示す1製造工程図である。
【図32】 第2の実施形態に係る一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図33】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図34】 一体型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図35】 図34に示した輸液容器本体の首部に保護フィルムが設けられた状態を示す拡大断面図である。
【図36】 図1に示した2薬剤混合システムに適用されるスパイクの要部断面図である。
【図37】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着される前の状態を示す使用状態図である。
【図38】 スパイクが輸液容器の首部口部に装着された状態を示す使用状態図である。
【図39】 図38に示すスパイクと輸液容器とを反転させて、容器本体胴部内の溶解液と、容器首部内の粉末製剤とを混合させている状態を示す使用状態図である。
【図40】 図39に示すスパイクと輸液容器とを更に反転させた状態を示す使用状態図である。
【図41】 図39に示す状態において、スパイク側から輸液容器側へエアーが送られている状態を示す説明図である。
【図42】 図39に示す状態において、輸液容器側からスパイク側へ溶解液が送られている状態を示す説明図である。
【図43】 図40に示す状態において、輸液容器側からスパイク側へエアーが送られている状態を示す説明図である。
【図44】 図40に示す状態において、一旦固形粉末剤が溶解剤に混合されてなる混合剤がスパイク側から輸液容器側へ送られている状態を示す説明図である。
【図45】 第3の実施形態に係る一体型輸液容器を示す要部断面図である。
【図46】 図45に示した一体型輸液容器の使用状態図である。
【図47】 第4の実施形態に係るセパレート型輸液容器の全体図である。
【図48】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図49】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図50】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図51】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図52】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図53】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図54】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図55】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図56】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図57】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図58】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図59】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図60】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図61】 図47に示したセパレート型輸液容器の製造方法を示す1製造工程図である。
【図62】 図61に示したセパレート型輸液容器を該容器の縦軸を中心として90°回転させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
2 第1収容空間
4 第2収容空間
6 ハンガー(吊り下げ部)
10 一体型輸液容器
10A 第1中間体容器
10B 第2中間体容器
10C 第3中間体容器
14 胴部
16 首部
16a 密閉膜
16b 隔離用刺針薄膜
16y 第1部分
16z 第2部分
20 溶解剤
26 固形粉末剤
26a 薬剤溶液
30 センター・パーティングライン
30a パーティングライン
30b パーティングライン
32 小容器構成部材
32a 切り欠き
32b 薄膜
35 ゴム栓
35a 密閉用フレーム部材
37 防湿フィルム
38 小容器
39 保護フィルム
41 小容器構成部材
41b 薄膜
42 ゴム栓
42a 密閉用フィルム部材
43 防湿フィルム
44 小容器
45 薬剤充填ノズル
46 薬液
47 ゴム栓
47a 密閉用フィルム部材
48 保護フィルム
100 第1金型
102 押し棒
104 第2金型
106 加熱部材
107 加熱部材
109 首部成型コア
200 スパイク
202 先端
204 点滴筒
206 チューブ
208 クランプ(バルブ装置)
210 チューブ
212 注射針
214 中空針本体
215 2流路
216 仕切り壁
217 位置決めフランジ
217a 端面
218 細長開口
219 細長開口
220 開口
221 液拡散用突起
222 液拡散用突起
302 第1収容空間
304 第2収容空間
314 胴部
316 首部
316b 隔離用刺針部薄膜
320 溶解剤
326 固形粉末剤
350 小容器
352 薄膜
354 小容器本体
356 エッジ部
360 中空プランジャ
362 中空部
402 第1の収容空間
404 第2の収容空間
406 ハンガー
410 セパレート型輸液容器
410A 第1中間容器
410B 第2中間容器
410C 第3中間容器
410D 第4中間容器
410E 第5中間容器
414 胴部
415 螺合部
416a 第1の首部
416b 第2の首部
417 スライダ
417a 両頭針
417b 先端部
417c 先端部
417d 支持部
418 キャップ
418a 螺合部
419a 第1の密閉膜
419b 第1の中間体隔離薄膜
419c 第1の隔離薄膜(第1の隔離用刺針部薄膜)
419d 凹部
420 溶解剤
421a 第2の密閉膜
421b 第2の中間体隔離薄膜
421c 第2の隔離薄膜(第1の隔離用刺針部薄膜)
450 刺針部
460 第3の収容空間
500 スパイク
600 第1対称金型
602 押し棒
604 第2対称金型
607 第1の加熱部材
609 第2の加熱部材
611 凸形成部
700 密閉部材
702 保護フィルム(保護シール)
703 ゴム栓
704 密閉用フレーム部材
705 ハンガー支持部材

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が液体である第1及び第2の輸液構成剤(20,26;320,326)を夫々独立して収容すると共に該第1及び第2の輸液構成剤(20,26;320,326)を混合して輸液を形成するための熱可塑性樹脂からなる一体型輸液容器の製造方法にして、
    内側に第1の輸液構成剤(20)を収容すると共に内側を大気圧より低圧にした密閉容器本体を形成する容器本体形成ステップと、
    容器本体の一部分を加熱して軟化させ該一部分を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて延伸により該一部分の膜厚を減じ陥没凹部を隔離薄膜(16b)として形成し、該隔離薄膜(16b)に対して容器本体の内側を上記第1の輸液構成剤(20)を収容した第1の収容空間(2)として形成する一方、隔離薄膜(16b)に対して容器本体の外側を上記第2の輸液構成剤(26)を収容する第2の収容空間(4)として形成する隔離薄膜形成ステップと、
    第2の輸液構成剤(26)を収容した第2の収容空間(4)を密閉手段により外部に対して密閉する密閉ステップとを有することを特徴とする製造方法。
  2. 上記容器本体形成ステップは、ブロー成形法により、加熱軟化したチューブ状パリソンを第1金型(100)内にセットした後にパリソン内部にエアー等を吹き込んで膨張させ金型(100)に密着させると同時に冷却して第1中間体容器(10A)を形成するステップと、
    上記第1の輸液構成剤(20)を第1中間体容器(10A)内に所定量充填するステップと、
    上記第1金型(100)に摺動自在に設けられた押し棒(102)によって第1中間体容器(10A)の側面を内側に押圧して弾力的に窪ませると共に、第2金型(104)により上記第1中間体容器(10A)を密閉してなる第2中間体容器(10B)を形成するステップと、
    第2中間体容器(10B)に対して押し棒の押圧(102)を解放すると共に第1,2金型(100,104)を開枠することにより、容器本体が有する弾性復元力により容器本体の内側を大気圧に対して低圧にさせるステップとを有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 上記容器本体形成ステップにおいて、上記容器本体を胴部(14)と首部(16)とから構成し、
    上記第1の収容空間(2)を上記隔離薄膜(16b)に対して胴部(14)側に形成しかつ上記第2の収容空間(4)を隔離薄膜(16b)に対して胴部(14)の反対側に形成するように隔離薄膜(16b)を上記首部(16)に備えたことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 上記隔離薄膜形成ステップは、さらに、上記隔離薄膜(16b)を内側に凹に垂下させた後に首部成形コア(109)を上記首部(16)の内側に挿入して隔離薄膜(16b)を首部(16)の内周面に沿わせるように形状を整えると共に隔離薄膜(16b)の底面を成型するステップを有することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 上記容器本体形成ステップは、上記首部(16)の内側に上記第2の輸液構成剤(26)を所定量充填するステップと、
    スパイク挿入用ゴム栓(35;42;47)を上記密閉手段として首部に備えるステップとを有することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  6. 容器本体内に一体的に隔離薄膜(419b,419c,419d)を形成して2つの収容空間(402,404)を設けた熱可塑性樹脂からなる輸液容器の製造方法にして、
    混合して輸液を形成するための輸液構成剤(420)を収容すると共に大気圧より低圧にした密閉容器本体(410B)を形成する容器本体形成ステップと、
    容器本体の一部分(419a)を加熱して軟化させ該一部分(419a)を大気圧と低圧との気圧差により内側に陥没させて延伸により該一部分の膜厚を減じ陥没凹部を隔離薄膜(419b,419c,419d)として形成し、該隔離薄膜(419b,419c,419d)に対して容器本体の内側を上記輸液構成剤(420)を密閉した第1の収容空間(402)として形成する一方、隔離薄膜(419b,419c,419d)に対して容器本体の外側を第2の収容空間(404)として形成する隔離薄膜形成ステップとを有することを特徴とする製造方法。
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