JPH10261810A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
太陽電池およびその製造方法Info
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- JPH10261810A JPH10261810A JP9064656A JP6465697A JPH10261810A JP H10261810 A JPH10261810 A JP H10261810A JP 9064656 A JP9064656 A JP 9064656A JP 6465697 A JP6465697 A JP 6465697A JP H10261810 A JPH10261810 A JP H10261810A
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Abstract
て、コンタクトに繋がる拡散層面積を最小限に抑制しな
がら、コンタクトにおけるキャリヤの再結合を増加させ
ることなく、セル特性の最適化を図る。 【解決手段】結晶シリコンを主構成体とする太陽電池に
おいて、少なくとも、結晶シリコン基板の同一平面内
に、不純物を局所的に島状に導入して、それぞれ独立し
て存在する複数の島状の不純物層を形成し、島状の不純
物層は、コンタクトホールを通して電極層に繋がる島状
の不純物層と、電極層に繋がらない島状の不純物層の2
種類を、それぞれ独立して形成した太陽電池とする。す
なわち、通常の電極とのコンタクトをとる局所的高濃度
拡散層のみではなく、コンタクトをとらない局所的高濃
度拡散層を付加することにより、拡散層によるゲッタリ
ング効果を最大限に引き出す構造とする。
Description
成体とする太陽電池およびその製造方法に関する。
効率化のために表面層の大部分をパッシベーション層、
すなわち熱酸化膜や堆積法により形成する窒化シリコン
膜等で覆い、少数キャリヤの再結合増加につながる電極
取り出し部の面積をできるだけ低減することが行われて
いる。例えば、アプライド・フィジクス・レターズ、1
990年第57巻第6号、第602〜604頁に記載さ
れているように、通常のp型基板に、n型拡散層による
エミッタ層を表面に設けた太陽電池におけるエミッタ層
のコンタクト周辺部の高濃度エミッタ層とコンタクト、
および裏面の局所的なp+拡散層(コレクタ層)とコレ
クタ層のコンタクトがそれに相当する。そして、その面
積は、コレクタ層と、そのコンタクトを例に取ると、も
ちろん必要最小限度に止めることが望ましいのである
が、報告によれば、250μm〜500μmピッチにお
いて、p+拡散層サイズが30μm〜100μm角、コ
ンタクトサイズが10μm〜50μm角という範囲が適
当であるとされている。
技術にしたがって太陽電池の試作を行ったところ、最も
良い特性が得られたのは、250μmピッチにおいて、
p+拡散層サイズが64μm〜100μm角、コンタク
トサイズが10μm角であった。これは、上記従来技術
における報告と矛盾するものではないが、p+拡散層の
面積が裏面表面積の10%程度にもなる。すなわち、最
適なp+拡散層の面積は、コンタクト面積に見合った、
直列抵抗増加を抑えるための必要最低限にした場合では
なく、非常に大きいことが明らかになった。このこと
は、拡散層の面積の増加による少数キャリヤの再結合増
加を招くという欠点が生じる。さらに、作製した太陽電
池を分解して評価したところ、本来、高品質の裏面熱酸
化パッシベーションを施したはずの熱酸化膜で覆われた
部分で、キャリヤの実効ライフタイムが大きく低減し太
陽電池の特性が劣化していることが明らかとなった。ま
た、なぜ、このような依存性を示すのかが明らかでな
く、素子の具体的な最適設計が難しいという問題もあっ
た。
題点を解消するものであって、コンタクトに繋がる拡散
層の面積を最小限に抑制しながら、すなわち、コンタク
トにおけるキャリヤの再結合を増加させることなく、セ
ル特性を向上させることができる構造の太陽電池および
その製造方法を提供することにある。
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項1に記
載のように、結晶シリコンを主構成体とする太陽電池に
おいて、少なくとも、結晶シリコン基板の同一平面内
に、不純物を局所的に島状に導入して、それぞれ独立し
て存在する複数の島状の不純物層を形成し、該島状の不
純物層は、コンタクトホールを通して電極層に繋がる島
状の不純物層と、上記電極層に繋がらない島状の不純物
層の2種類を、それぞれ独立して配設した構造の太陽電
池とするものである。また、本発明は請求項2に記載の
ように、請求項1において、2種類の島状の不純物層
は、ほぼ同じ不純物分布を有する島状の不純物層とした
構造の太陽電池とするものである。また、本発明は請求
項3に記載のように、請求項1において、2種類の島状
の不純物層は、ボロンを不純物とした島状の不純物層を
有する太陽電池とするものである。また、本発明は請求
項4に記載のように、請求項1において、同一平面内の
島状の不純物層以外の大部分を熱酸化膜で被覆した構造
の太陽電池とするものである。また、本発明は請求項5
に記載のように、請求項1ないし請求項4のいずれか1
項に記載の太陽電池を作製する方法であって、結晶シリ
コン基板の一平面内に、不純物を局所的に島状に導入し
て、それぞれ独立に存在する複数の島状の不純物層を形
成する工程と、コンタクトホールを形成して、上記島状
の不純物層と電極層とを接続する部分と、上記電極層に
接続されない上記島状の不純物層の2種類を形成する工
程を、少なくとも含む太陽電池の製造方法とするもので
ある。本発明の太陽電池によれば、請求項1ないし請求
項4に記載のように、ポイントコンタクト領域、あるい
はコンタクト領域の制限された拡散層に対して、これと
は別に、コンタクト領域を有しない小面積の拡散層を設
けるものである。このような構造とすることにより、シ
リコン基板中の欠陥が、p+もしくはn+の拡散により
ゲッタリングされて、シリコン基板中における少数キャ
リヤの再結合ロスを大きく低減できるという効果があ
る。また、本発明の太陽電池によれば、コンタクト領域
がない拡散層部分でもキャリヤ濃度のロウハイジャンク
ション効果や、キャリヤの表面反転効果があり、これら
の拡散層のあることが、それだけでもキャリヤの表面再
結合の低減効果を有するものである。また、本発明の太
陽電池の製造方法によれば、請求項5に記載のように、
結晶シリコン基板の一平面内に、不純物を局所的に島状
に導入して、それぞれ独立に存在する複数の島状の不純
物層を形成する工程と、コンタクトホールを形成して、
上記島状の不純物層と電極層とを接続する部分と、上記
電極層に接続されない上記島状の不純物層の2種類を形
成するという簡易な工程により、容易に、高性能の太陽
電池を生産性よく作製できる効果がある。
電池の構造を示す斜視図である。図において、p型単結
晶シリコン基板1に、P2O5をソースとして高濃度n層
2を、熱拡散法により形成した。このために、まず、9
00℃での熱酸化により、拡散マスクとして熱酸化膜を
形成し、これに穴開けをして熱拡散を行った。次に、さ
らに穴開けを行い、光照射面のほぼ全面に、エミッタ層
として低濃度n層3を形成した。高濃度n層2は太陽電
池の作製後でシート抵抗(面積抵抗率)が30Ω/□、
低濃度n層3は、シート抵抗(面積抵抗率)が300Ω
/□となるように導入した。その後、熱酸化により表面
酸化膜4、および裏面酸化膜6を、1000℃で100
nmの厚さに形成し、パッシベーション酸化膜とした。
この裏面酸化膜6を拡散マスクとして、基板裏面に穴開
けをして高濃度p層5および5′の熱拡散を行った。拡
散ソースにはBNを用いた。拡散後には、引き続き酸素
雰囲気中で熱処理を行い、拡散層上にも酸化膜を形成し
た。この裏面酸化膜6と接する高濃度p層5、5′の上
に酸化膜が形成されたものを、裏面酸化膜6′と呼ぶこ
とにする。裏面酸化膜6′の高濃度p層5上のみにコン
タクトホール7を形成し、裏面電極8をアルミニウムの
抵抗加熱蒸着により形成した。さらに、表側の酸化膜4
にコンタクトホールを形成した後、フィンガー電極9
を、Ti/Pd/Agの電子ビーム蒸着により形成し
た。以下、図2、表1を用いて、本実施の形態で例示し
た新構造の太陽電池がもたらすメリットについて述べ
る。図2は、基板裏面の高濃度p層5および5′の配置
を表わした平面図であり、(a)、(b)、(c)、
(d)で表わされる、それぞれ4つの裏面拡散層を単位
として示した。(a)は、従来用いられていた一つの高
濃度拡散層11に、一つのコンタクトホール12を形成
する場合の最も良い特性が得られた場合を示すものであ
る。縦横250μmピッチ(L)の間隔に、サイズ
(w)が64μm角の高濃度拡散層11を形成し、その
中に、10μm角のコンタクトホール12を形成した。
太陽電池の裏面は、これの繰り返しからなり、かなりの
面積が高濃度拡散層11で占められていることが分か
る。(b)は、本発明の新構造の太陽電池の一例を示す
ものであり、同じピッチ(L)で必要最小限のサイズ2
0μm角のコンタクトホールの無い高濃度拡散層13を
形成し、4隅の高濃度拡散層には10μm角のコンタク
トホール12を形成した(黒塗り)。中央部の高濃度拡
散層は、コンタクトホールの無い高濃度拡散層13であ
る(白抜き)。同様にして、(c)、(d)は、本発明
の新構造の太陽電池であるコンタクトホールの無い高濃
度拡散層13の数を、それぞれ増加した場合を示してい
る。(d)の場合においてもコンタクトホールの無い高
濃度拡散層13の面積比率は、従来の(a)の場合より
も、ずっと小さいことが分かる。このようにして作製し
た本発明の太陽電池および従来の太陽電池の特性を比較
して表1に示す。
本発明の(b)、(c)、(d)に示されるコンタクト
ホールを形成しない高濃度拡散層の数が増えるほど太陽
電池の特性は向上している。言うまでもなく、(b)、
(c)、(d)の高濃度拡散層サイズで、(a)と同一
形状の場合や、コンタクトホールを形成しない高濃度拡
散層の数が増えて、高濃度拡散層の総面積が(a)以上
となった場合には、太陽電池の特性であるVoc(開放電
圧)、Jsc(短絡電流)、FF(曲線因子)、光電変換
効率Eff(%)のいずれも(a)を大きく下回った。以
上の結果は、ボロン拡散による基板のゲッタリング効果
によると考えられる。すなわち、裏面に局所的にボロン
拡散を行うことにより、その周辺がゲッタリングされ、
基板内でのキャリヤの再結合ロスが減少するものと考え
られる。従来構造では、基板のゲッタリング効果を得る
には裏面総面積の6%から16%もの拡散面積が必要で
あった。このことは、拡散層での少数キャリヤの再結合
ロスに繋がる。一方、本発明の構造では、裏面総面積の
1.5%から4%程度に留まり、拡散層での少数キャリ
ヤの再結合ロスは大きく低減された。
は、上記実施の形態1とほぼ同一の素子形状で、n型単
結晶シリコン基板に太陽電池を形成した。したがって、
太陽電池の構成は図1に示すものとほぼ同じであるが、
ただ、pをn型に、nをp型に変えた構造とした。n型
単結晶シリコン基板に、実施の形態1と同様にして、p
型拡散層と熱酸化膜を形成した。次に、上記酸化膜を拡
散マスクとして、基板裏面に穴開けをして高濃度n層の
熱拡散を行った。このとき、高濃度n層の間隔は150
μmとした。拡散後に、引き続き酸素雰囲気中で熱処理
を行った。この結果、高濃度n層上にも薄く裏面酸化膜
が形成された。実施の形態1と同様にして、コンタクト
ホールを一部の高濃度n層上に形成し、裏面電極をアル
ミニウムの抵抗加熱蒸着により形成した。さらに、表側
の酸化膜に、コンタクトホール形成後、フィンガー電極
をTi/Pd/Agの電子ビーム蒸着により形成した。
p型単結晶シリコン基板の場合と同様に、すべての拡散
層にコンタクトを形成した場合と比べて、それぞれ、J
sc(mA/cm2)=31.9、Voc(V)=0.662
が、Jsc=33.1、Voc=0.681に向上した。すな
わち、リン(P)を用いた場合においてもゲッタリング
効果があることは明らかである。したがって、p型結晶
シリコン基板へのn型拡散、あるいはn型結晶シリコン
基板へのp型拡散であっても上記実施の形態1と同様の
本発明の効果が得られることが分かる。
に、実施の形態1と同様に、n型拡散層と熱酸化膜を形
成した。酸化膜を拡散マスクとして、基板裏面に穴開け
をして、高濃度p層の熱拡散を行った。このとき、高濃
度p層の間隔は、単結晶シリコン基板の場合よりも、よ
り密に100μm間隔とした。これを図3に示す。図3
は、図2と同様に、基板裏面の高濃度p層の配置を示し
た図である。裏面から見た多結晶粒を模式的に示し、そ
の上に形成した裏面拡散層を示した。縦、横100μm
ピッチ(L)の間隔に、サイズ(w)が25μm角の高
濃度拡散層を形成し、その中に10μm角のコンタクト
ホール12を形成した(黒塗り)。さらに、中央に、コ
ンタクトホールを形成しない40μm角の高濃度拡散層
13(白抜き)を形成した。これにより、基板を形成す
る多結晶シリコンの結晶粒のほぼすべてに、高濃度p層
を形成することができた。これまでは、直列抵抗の低減
が達成できる範囲で、高濃度p層の面積をできるだけ小
さくすることが考えられていたので、コンタクトホール
のない高濃度p層(白抜き)のような拡散は行われず、
高濃度p層のない結晶粒も、かなりの割合で生じてい
た。しかし、本発明の太陽電池の構造をとることによ
り、ほとんどの結晶粒表面に高濃度p層が形成され、そ
のゲッタリング効果によって、結晶粒中のキャリヤのラ
イフタイムを大きく改善することができた。これによ
り、太陽電池の特性を大きく改善することができた。な
お、本実施の形態における太陽電池では、構造の複雑化
を防ぐために、一般に行われている表面の光閉じ込め構
造は採用しなかったが、通常のランダムテクスチャー構
造や、逆ピラミッド構造に形成しても全く問題は生じな
い。太陽電池の、より高い効率を得るために、上記の構
造や、多層の無反射コーティングを行っても良い。さら
に、本実施の形態における太陽電池の材料は、各種の結
晶シリコン基板を用いることができ、異種基板上の40
μm程度以下の結晶シリコン薄膜においても、上記と同
様の効果を示す。また、これらを組み合わせたヘテロ接
合の太陽電池の場合においても、本発明の構造を適用す
ることにより同様の効果が得られる。また、太陽電池の
作製プロセスにおいても、本実施の形態では熱拡散法を
用いたが、700℃程度、あるいはそれ以上の熱処理を
伴うインプラ法、CVD法、MBE法、蒸着法、スピン
オン法など、本発明の構造の太陽電池を形成できる技術
ならば、いずれを用いても良い。
コンタクトをとる局所高濃度拡散層のみではなく、コン
タクトをとらない局所高濃度拡散層を付加することによ
り、拡散層の有するゲッタリング効果を最大限に引き出
すことができる。特に、熱酸化膜で覆われた部分の基板
のバルクライフタイムを著しく改善できる効果がある。
また、本発明の優れた性能を有する太陽電池を、従来の
太陽電池の作製工程を変えることなく容易に歩留まり良
く製造できる効果がある。
を示す模式図。
の高濃度拡散層の配置について従来技術と比較して示し
た説明図。
太陽電池の裏面の高濃度拡散層の配置を示した説明図。
散層の配置
Claims (5)
- 【請求項1】結晶シリコンを主構成体とする太陽電池に
おいて、少なくとも、結晶シリコン基板の同一平面内
に、不純物を局所的に島状に導入して、それぞれ独立し
て存在する複数の島状の不純物層を形成し、該島状の不
純物層は、コンタクトホールを通して電極層に繋がる島
状の不純物層と、上記電極層に繋がらない島状の不純物
層の2種類を、それぞれ独立して配設してなることを特
徴とする太陽電池。 - 【請求項2】請求項1において、2種類の島状の不純物
層は、ほぼ同じ不純物分布を有することを特徴とする太
陽電池。 - 【請求項3】請求項1において、2種類の島状の不純物
層は、ボロンを不純物とすることを特徴とする太陽電
池。 - 【請求項4】請求項1において、同一平面内の島状の不
純物層以外の大部分を熱酸化膜で被覆してなることを特
徴とする太陽電池。 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
記載の太陽電池を作製する方法であって、 結晶シリコン基板の一平面内に、不純物を局所的に島状
に導入して、それぞれ独立に存在する複数の島状の不純
物層を形成する工程と、 コンタクトホールを形成して、上記島状の不純物層と電
極層とを接続する部分と、上記電極層に接続されない上
記島状の不純物層の2種類を形成する工程を、少なくと
も含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
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