JPH10261505A - コンポジットptc材料 - Google Patents

コンポジットptc材料

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JPH10261505A
JPH10261505A JP6803597A JP6803597A JPH10261505A JP H10261505 A JPH10261505 A JP H10261505A JP 6803597 A JP6803597 A JP 6803597A JP 6803597 A JP6803597 A JP 6803597A JP H10261505 A JPH10261505 A JP H10261505A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性を有し、通電損失が少なく、又、材料
焼成時若しくは使用時における導電性粒子の酸化を防止
したコンポジットPTC材料を提供する。 【解決手段】 クリストバライトからなる母材及び導電
フィラーを含んで構成されるコンポジットPTC(posi
tive temperature coefficient of resistance)材料で
ある。第三成分として、導電フィラーと比して酸化反応
における酸化物の標準生成エネルギーが小さい還元成分
を、母材と導電フィラーの合計重量の0.1〜10wt
%含有し、かつ、室温抵抗率は10-3Ωcm以下であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、事故電流を抑制
する限流素子等に好適に用いられるコンポジットPTC
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 PTC(positive temperature coeff
icient of resistance)材料は、特定温度において急激
に電気抵抗が増加する性質を有するため、ブレーカーに
おいて事故電流を抑制する限流素子等に利用される。例
えば、ポリマーを母材、導電性物質を添加剤とするコン
ポジット材料は、PTC特性を有している。
【0003】 即ち、絶縁体であるポリエチレン等の結
晶性ポリマーとカーボン等の導電性粒子とを特定の混合
比で混合しポリマーマトリックス中に導電パスを形成せ
しめて導電性を付与させたコンポジット材料は、温度上
昇により結晶性ポリマーの溶解温度に達すると、導電性
粒子よりも熱膨張がはるかに大きい結晶性ポリマーのみ
が急激に膨張するところ、ポリマー中において導電パス
を形成している導電性粒子同士が引き離され、導電パス
が切断されることにより電気抵抗が急激に上昇するので
ある。ただし、ポリマー等の有機材料を母材とすると、
耐熱性が低く高温時に動作が保持できないため、石英、
クリストバライト等の高熱膨張率を有するシリカ系物質
に導電性粒子を混合したコンポジット材料が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
シリカ系のコンポジット材料は、室温抵抗率が高く通電
損失が大きく、更に、材料焼成時若しくは使用時に導電
性粒子が酸化されることにより、室温抵抗率が大きくな
るという問題点があった。本発明は、このような従来技
術の問題に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、耐熱性を有し、通電損失が少なく、又、材
料焼成時若しくは使用時における導電性粒子の酸化を防
止したコンポジットPTC材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、クリ
ストバライトを母材とし、該母材と導電フィラーを含ん
で構成されるコンポジットPTC材料であって、更に第
三成分として、前記導電フィラーと比して酸化反応にお
ける酸化物の標準生成エネルギーが小さい還元成分を、
前記母材と前記導電フィラーの合計重量の0.1〜10
wt%含有し、かつ、室温抵抗率が10-1Ωcm以下で
あることを特徴とするコンポジットPTC材料。
【0006】 また、本発明のコンポジットPTC材料
においては、還元成分が遷移金属元素、金属珪素、カー
ボンのうちの少なくとも1種であることが好ましく、還
元成分を0.1〜5%含有することが好ましい。さら
に、本発明のコンポジットPTC材料においては、導電
フィラーの単味焼結体の室温抵抗率は10-3Ωcm以下
であることが好ましく、導電フィラーの粒径は2〜50
μmであることが好ましく、当該コンポジットPTC材
料の焼成後における相対密度は90%以上であることが
好ましい。
【0007】 本発明のコンポジットPTC材料におい
ては、導電フィラーが金属単体、金属ケイ化物、金属炭
化物、金属ホウ化物のうちの少なくとも1種であること
が好ましく、MoSi2、WSi2、Mo及びWのうちの
少なくとも1種であることが更に好ましい。また、本発
明のコンポジットPTC材料においては、導電フィラー
の添加率が10〜35vol%であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明は、主として高熱膨張材
料であるクリストバライトと導電フィラーからなり、更
に第三成分として、前記導電フィラーと比して酸化反応
における酸化物の標準生成エネルギーが小さい還元成分
を、前記母材と前記導電フィラーの合計重量の0.1〜
10wt%含有し、かつ、室温抵抗率が10-1Ωcm以
下であることを特徴とするコンポジットPTC材料(以
下、PTC材料という。)である。本発明により、耐熱
性を有し、通電損失が少なく、又、材料焼成時若しくは
使用時における導電性粒子の酸化を防止したPTC材料
を提供することが可能となる。なお、PTC材料はその
特性として、ジャンプ率が大きいこと、即ち、素子作動
時の抵抗率と初期抵抗率の差が大きいことが要求される
が、本発明のPTC材料は3桁以上のジャンプ率を確保
することが可能である。
【0009】 本発明では、PTC材料の母材としてク
リストバライト(方珪石)を用いる。クリストバライト
は、石英、トリディマイト(鱗珪石)とともにSiO2
鉱物の多形の一種で、230℃前後で結晶構造がアルフ
ァ型(正方晶形)からベータ型(立方晶形)に変化する
ことに伴い急激に膨張する性質を有する高熱膨張材料で
ある。従って、クリストバライト自体は絶縁体である
が、導電性材料を所定の比率で混合して導電性を付与し
た材料については、温度上昇に伴うクリストバライトの
熱膨張により、形成されていた導電パスが切断され、P
TC特性を発現し得る。
【0010】 また、クリストバライトは融点が173
0℃と高く、有機材料であるポリマーに比して耐熱性に
優れ、長時間高温に曝された場合でも溶融等による損傷
がないため、PTC材料の母材として好適である。クリ
ストバライトは、石英を高温で仮焼することにより得ら
れるが、クリストバライトを安定化させるアルカリ金属
やアルカリ土類金属の存在下ではより低温の仮焼により
得ることができる。本発明においては、石英を原料とし
て用い、例えば成形後の焼成工程などの工程中に石英を
クリストバライトに変換して用いてもよい。
【0011】 導電フィラーとは、絶縁体であるクリス
トバライトに導電性を付与するための添加物であり、本
発明においては金属単体、金属ケイ化物、金属炭化物、
金属ホウ化物を用いることが好ましいが、高融点物質で
あるモリブデン、タングステンなどの金属粒子及びケイ
化モリブデン、ケイ化タングステンなどの金属ケイ化物
を用いることが更に好ましい。本発明では、導電フィラ
ーの単味焼結体の室温抵抗率を10-3Ωcm以下と規定
して、PTC材料自体の室温抵抗率を10-1Ωcm以下
まで低下させることにより、通電損失を抑制している。
従って、室温抵抗率が10-3Ωcm以上で導電率が低い
カーボンは通電損失が大きく、本発明の導電フィラーと
しては適さない。
【0012】 本発明において導電フィラーの粒径は、
2μm以上であることが好ましい。通常、ジャンプ率を
大きくするためには、絶縁体であるクリストバライトの
量に対し、導電体であるフィラーの量を減らせばよい
が、このことは室温抵抗率の上昇、ひいては通電損失の
増加に直結する。従って、本発明においては、導電フィ
ラーの粒径を2μm以上に調整し、当該導電フィラーの
表面積を最大限利用して母材粒子と接触させている。こ
うすることにより、導電率の向上に寄与しない無駄な導
電フィラーのみを減らすことができ、室温抵抗率の上昇
を防止しつつジャンプ率を向上させることが可能とな
る。
【0013】 更に、本発明においては、導電フィラー
の粒径が50μm以下であることが好ましい。フィラー
粒径が50μm以上となると母材中に均一にフィラーを
分散させることが困難となるためである。なお、フィラ
ーの添加量が少なければ、導電パスが形成されず室温抵
抗率が上昇し、多ければ温度が上昇しても導電パスが切
断できず抵抗ジャンプを起こさない。母材粒子が0.1
〜10μm、フィラー粒子が2〜50μmの範囲におい
ては、フィラー添加量は10〜35vol%の範囲であ
ることが好ましい。
【0014】 また、本発明においては、焼結したPT
C材料の相対密度を90%以上に緻密化することが好ま
しく、95%以上に緻密化することが更に好ましい。相
対密度が90%以下になると、たとえ抵抗ジャンプを起
こしても、温度低下後に初期抵抗率まで復帰しなくなる
からである。焼結体の相対密度は、原料の粒度に影響さ
れる他、焼成温度が低い場合にも低下する。
【0015】 更に、本発明においては、前述した母材
と導電フィラーに加えて、第三成分として、前記導電フ
ィラーと比して酸化反応における酸化物の標準生成エネ
ルギーが小さい還元成分(即ち、導電フィラーより酸化
され易い成分)を含有して構成される。材料中に還元成
分を添加することにより、導電フィラーに優先して還元
成分が酸化されるので、導電フィラーの酸化、ひいては
室温抵抗率の上昇を抑制することが可能となるからであ
る。
【0016】 本発明に使用する還元成分としては、使
用する導電フィラーと比して酸化反応における酸化物の
標準生成エネルギーが小さい(即ち、導電フィラーより
酸化され易い)限りにおいて特に限定されない。ただ
し、酸化生成物が材料の室温抵抗率の上昇に寄与しない
物質であることが好ましいことから、酸化生成物(CO
2)が気体となって材料外部に放出されるカーボン、被
酸化物(Si)自体の室温抵抗率が低くはなく、酸化生
成物が材料の特性に悪影響を与えない金属珪素であるこ
とが好ましい。
【0017】 本発明においては、前記母材と前記導電
フィラーの合計重量の0.1〜10wt%である還元成
分を添加する。0.1wt%以下の添加ではフィラーの
酸化防止効果が十分でないからである一方、10wt%
以上添加すると、例えばカーボン等の導電性の還元成分
を用いている場合には導電パスが増加するため、抵抗ジ
ャンプが小さくなり、あるいは抵抗ジャンプを示さなく
なるためである。従って、カーボン等の導電性の還元成
分を用いている場合には、抵抗ジャンプへの影響が少な
い0.1〜5wt%の添加が更に好ましい。
【0018】 以下、本発明のPTC材料の製造方法の
例について説明する。本発明のPTC材料の製造方法
は、例えば図1に示すように3つの工程からなり、原料
については以下のように調製する。母材原料としてクリ
ストバライトを用いる場合には、石英粉末を高温で仮焼
するか、石英をアルカリ金属やアルカリ土類金属の存在
下で仮焼して、クリストバライト化し、湿式ポットミル
で粉砕することにより平均粒径1μm以下の粉末を調製
する。なお、母材原料として石英を用いる場合には、湿
式ポットミルで粉砕することにより平均粒径0.5〜2
μmの粉末を調製する。
【0019】 導電フィラー原料としては、金属単体、
金属ケイ化物、金属炭化物、若しくは金属ホウ化物を粉
砕後、分級して所望の粒径の粉末を調製する。還元成分
はカーボン粉末を添加するか、若しくは金属粉末を湿式
ポットミルで粉砕することにより調整する。なお、還元
成分を添加する代わりに有機物を添加してもよい。有機
物は焼成時の分解反応により酸素を消費し、又、焼成後
にカーボンの形で残留してもカーボン添加と同様の効果
が期待できるからである。例えば、バインダーとしても
使用可能なポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニ
ルブチラール(PVB)、パラフィン系若しくはセルロ
ース系の材料などを好適に用いることができる。
【0020】 第1の工程は母材原料、導電フィラー原
料及び還元成分を混合する混合工程であり、母材原料、
導電フィラー原料及び還元成分を所定の割合で計量し、
湿式又は乾式ボールミルで混合することにより、混合物
を得る。なお、母材原料として石英を用いた場合には、
工程中でクリストバライト化する必要があるため、クリ
ストバライトの安定化材として、混合時にアルカリ金
属、アルカリ土類金属を添加してもよい。
【0021】 第2の工程は混合物を成形する成形工程
であり、第1の工程で得られた混合物をプレス成形して
成形体を得る。常圧焼成する場合には、当該成形体に対
し、さらに等方加圧成形を行い成形体を得てもよい。
【0022】 第3の工程は成形体を焼結する焼結工程
であり、第2の工程で得られた成形体を窒素ガスなどの
不活性ガス気流中で所定の荷重をかけながら高温下で保
持するホットプレスを施して焼結体を得る。等方加圧成
形した成形体についてはアルゴンなどの不活性ガス気流
中で高温下で保持する常圧焼成を施して焼結体を得る。
【0023】
【実施例】 以下、本発明を具体的な実施例により説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1) 平均粒径0.8μmの粉末クリストバラ
イト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に対し、その全重量の1w
t%のカーボンを湿式ボールミルにより混合した。
【0024】 上記混合物を荷重200Kg/cm2
プレス成形し、さらに、得られた成形体について、窒素
気流中で荷重200Kg/cm2、1450℃で3時間
保持するホットプレスを施し、焼結体を得た。得られた
焼結体は、5×5×30mmの柱状体に加工した後、直
流四端子法により室温抵抗率ρ0及び300℃での抵抗
率ρ300を測定し、抵抗ジャンプ率(ρ300/ρ0)を算
出した。また、材料の室温抵抗率ρ0と300℃で10
時間保持した後の抵抗率ρ2を測定し、高温保持評価
(ρ2/ρ0)を算出した。これらの結果を表1に示す。
【0025】(実施例2) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物に対し、その
全重量の5wt%のカーボンを湿式ボールミルにより混
合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2でプレス
成形し、さらに、得られた成形体について、窒素気流中
で荷重200Kg/cm2、1450℃で3時間保持す
るホットプレスを施し、焼結体を得た。得られた焼結体
につき実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0026】(実施例3) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に対し、その全重量の1w
t%の金属珪素を加え、石英粉末に対し1mol%の炭
酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミルに
より混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
プレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成形
して得られた成形体について、アルゴン気流中で160
0℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得た。
得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0027】(実施例4) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に対し、その全重量の5w
t%の金属珪素を加え、石英粉末に対し1mol%の炭
酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミルに
より混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
プレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成形
して得られた成形体について、アルゴン気流中で160
0℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得た。
得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0028】(実施例5) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に対し、その全重量の10
wt%の金属珪素を加え、石英粉末に対し1mol%の
炭酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミル
により混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
でプレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成
形して得られた成形体について、アルゴン気流中で16
00℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得
た。得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0029】(比較例1) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物を還元成分を
添加せず湿式ボールミルにより混合した。上記混合物を
荷重200Kg/cm2でプレス成形し、さらに、得ら
れた成形体について、窒素気流中で荷重200Kg/c
2、1450℃で3時間保持するホットプレスを施
し、焼結体を得た。得られた焼結体につき実施例1と同
様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0030】(比較例2) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物に対し、その
全重量の20wt%のカーボンを湿式ボールミルにより
混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2でプレ
ス成形し、さらに、得られた成形体について、窒素気流
中で荷重200Kg/cm2、1450℃で3時間保持
するホットプレスを施し、焼結体を得た。得られた焼結
体につき実施例1と同様の評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0031】(比較例3) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物を還元成分を添加せず、石
英粉末に対し1mol%の炭酸水素ナトリウムの存在下
において、乾式ボールミルにより混合した。上記混合物
を荷重200Kg/cm2でプレス成形し、次いで荷重
7t/cm2で等方加圧成形して得られた成形体につい
て、アルゴン気流中で1600℃で3時間保持する常圧
焼成を施し、焼結体を得た。得られた焼結体につき実施
例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】 実施例1〜5で示すように、還元成分を
1〜10%添加した場合には、出発原料、混合方法、焼
成方法によらず低室温抵抗率、かつ、高ジャンプ率が得
られ、高温保持評価の結果も10%以下と良好である。
一方、比較例1、3に示すように、還元成分を添加しな
い場合には抵抗ジャンプは示すものの、高温保持評価が
10〜20%と高い値になっており、フィラーの酸化に
伴う室温抵抗率の上昇が観察される。また、比較例2に
示すように、導電性の還元成分(カーボン)を10%以
上添加した場合には、導電パスの増加に伴い室温抵抗率
は低下するが、クリストバライトの転移温度(膨張する
温度)になっても導電パスが切断できず、抵抗ジャンプ
を示さなくなる。
【0034】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のコンポ
ジットPTC材料は、耐熱性を有し、通電損失が少な
く、又、材料焼成時若しくは使用時における導電性粒子
の酸化が防止される。なお、PTC材料の特性であるジ
ャンプ率についても、3桁以上のジャンプ率を確保する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の例を示す工程図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリストバライトを母材とし、 該母材と導電フィラーを含んで構成されるコンポジット
    PTC材料であって、 更に第三成分として、前記導電フィラーと比して酸化反
    応における酸化物の標準生成エネルギーが小さい還元成
    分を、前記母材と前記導電フィラーの合計重量の0.1
    〜10wt%含有し、かつ、室温抵抗率が10-1Ωcm
    以下であることを特徴とするコンポジットPTC材料。
  2. 【請求項2】 還元成分が遷移金属元素、金属珪素、カ
    ーボンのうちの少なくとも1種である請求項1に記載の
    コンポジットPTC材料。
  3. 【請求項3】 還元成分を0.1〜5%含有する請求項
    1又は2に記載のコンポジットPTC材料。
  4. 【請求項4】 導電フィラーの単味焼結体の室温抵抗率
    が10-3Ωcm以下である請求項1〜3のいずれかに記
    載のコンポジットPTC材料。
  5. 【請求項5】 導電フィラーの粒径が2〜50μmであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のコンポジットPTC
    材料。
  6. 【請求項6】 焼成後における相対密度が90%以上で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載のコンポジットPT
    C材料。
  7. 【請求項7】 導電フィラーが金属単体、金属ケイ化
    物、金属炭化物、金属ホウ化物のうちの少なくとも1種
    である請求項1〜6のいずれかに記載のコンポジットP
    TC材料。
  8. 【請求項8】 導電フィラーがMoSi2、WSi2、M
    o及びWのうちの少なくとも1種である請求項7に記載
    のコンポジットPTC材料。
  9. 【請求項9】 導電フィラーの添加率が10〜35vo
    l%である請求項1〜8のいずれかに記載のコンポジッ
    トPTC材料。
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