JP2014099432A - 無機ptcサーミスタ部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱膨張性の電気絶縁性無機材料からなる母相に導電粒子が分散した無機コンポジットPTCサーミスタ部材において、「PTC特性」と「通電耐久性」を両立する部材を提供する。
【解決手段】昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する母相材料に導電粒子が分散した無機コンポジットPTCサーミスタ部材であって、「PTC特性」を増加させても、「通電耐久性」を向上する構造を母相内に形成する事で相反する双方の特性を向上させる。具体的には、昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する電気絶縁性の第1の無機材料と、前記の動作温度における熱膨張率が前記の第1の無機材料の熱膨張率より小さい第2の電気絶縁性の無機材料が前記の第1の無機材料中に分散して母相を構成し、クラックの進展を抑制する構造を形成することを特徴とするPTCサーミスタ部材である。
【選択図】図1
【解決手段】昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する母相材料に導電粒子が分散した無機コンポジットPTCサーミスタ部材であって、「PTC特性」を増加させても、「通電耐久性」を向上する構造を母相内に形成する事で相反する双方の特性を向上させる。具体的には、昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する電気絶縁性の第1の無機材料と、前記の動作温度における熱膨張率が前記の第1の無機材料の熱膨張率より小さい第2の電気絶縁性の無機材料が前記の第1の無機材料中に分散して母相を構成し、クラックの進展を抑制する構造を形成することを特徴とするPTCサーミスタ部材である。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱膨張性の電気絶縁性無機材料からなる母相に導電粒子が分散したPTCサーミスタ部材であって、母相内に耐久性を向上する構造を設け、安定した電気特性を持つPTCヒーターや過電流保護素子等に好適に用いられる無機コンポジットPTCサーミスタ部材に関するものである。
PTC(positive temperature coefficient of resistance)材料は、特定温度において急激に電気抵抗値が増加する性質を有するため、例えばリチウムイオン電池の短絡電流抑制用、モーター過負荷電流防止用等の限流素子として利用される場合や、通電することで自発的に一定の温度を保持するヒーター材料として利用されている。
従来、PTC材料としては、キュリー点で電気的特性が変化するチタン酸バリウム系セラミックスが最もよく知られていたが、室温抵抗率が高いために通電損失が大きいこと、仕様によっては鉛を添加する必要があり地球環境面で課題があること、あるいは製造コストが高いことにより、他の物質についての「PTC特性」が探索されていた。
従来、PTC材料としては、キュリー点で電気的特性が変化するチタン酸バリウム系セラミックスが最もよく知られていたが、室温抵抗率が高いために通電損失が大きいこと、仕様によっては鉛を添加する必要があり地球環境面で課題があること、あるいは製造コストが高いことにより、他の物質についての「PTC特性」が探索されていた。
その結果、ポリマーを母材、導電性物質を添加剤とするコンポジット材料にチタン酸バリウム系セラミックスと同様の「PTC特性」が見いだされた。例えば、「特許文献5」特公昭62−50505号公報にあるように、絶縁体であるポリエチレン等の結晶性ポリマーに、カーボン等の導電性粒子を混合していくと、特定の混合比においてポリマーマトリックス中に導電パスが形成されるため、電気抵抗が急激に減少する混合比が存在する。
このような混合比で製造されたコンポジット材料では、導電性粒子よりもポリマーの熱膨張がはるかに大きいため、温度を上昇させていくと、結晶性ポリマーが溶解する際において急激に膨張する。従って、ポリマー中で導電パスを形成している導電性粒子同士が引き離されることにより、導電パスが切断されて電気抵抗が急激に上昇する「PTC特性」が発現するのである。
一方、ポリマー等の有機材料を母材とすると、耐熱性が低く150℃以上の高温に保持するヒーター用途では安定動作ができないこと、カーボンを導電粒子とするため比抵抗が1Ωcm程度以上のものしか得られないこと等の制約から、「特許文献1、2、3」にあるように、高熱膨張率を有する無機材料のクリストバライトまたはトリジマイトに導電性粒子を混合したコンポジット材料であって、耐熱性の改良と共に、前記ポリマーPTCサーミスタ部材に比べて1〜2桁程度低い室温抵抗率を備えた無機コンポジットPTCサーミスタ部材が特許文献1、2、3に提案されている。
上記クリストバライト等の高熱膨張率を有する無機材料に導電性粒子を混合したコンポジット材料は、脆性材料であるクリストバライトまたはトリジマイトの低温型から高温型への結晶構造相転移に伴う大きな熱膨張を利用するものであることから、繰り返し通電や長時間通電を行うと、高熱膨張率の無機材料中にクラックが生じ、室温での電気抵抗値が徐々に増加するという通電動作に対する抵抗値の安定性(以下、「通電耐久性」という)改良の点と、動作温度に対して低温時と高温時の電気抵抗の比である「PTC特性」(以下、「PTC特性」という。)を大きく設定した場合に「通電耐久性」の低下傾向が出るという点で改良の余地があるという課題があった。
この理由は次のように考えられる。この無機コンポジットPTCサーミスタ部材は、相転移温度で大きく熱膨張する母相の中に比較的熱膨張の小さい、典型的には20μm以上の平均粒子径の導電材料粒子が分散した構造を持っており、PTCサーミスタ素子に通電動作をさせる際に、繰り返し回数や通電時間の累積に伴いクラックの進展、あるいは新たなクラックの生成が生じ易い。このために室温での電気抵抗値が徐々に増加する原因となることが判明した。
また、「PTC特性」は、導電粒子が大きいほど、また母相の熱膨張が大きい程、大きくなり、PTCサーミスタ部材およびこれから構成されるPTCサーミスタ素子の電気的な特性としては好ましいことを本発明の過程で明らかとなったが、その場合には繰り返し通電や長時間通電に対する耐久性が悪くなる点で改良の余地があった。これも前記の理由で説明できる。すなわち、導電粒子が大きいほど、また母相の熱膨張が大きい程、導電粒子周辺の母相内部に生じる応力が大きくなる傾向となり、結果として繰り返し通電や長時間通電での耐久性が低下する傾向となる。このように、電気的な「PTC特性」向上と、「通電耐久性」向上は相反する傾向になるということも課題であった。
この課題を解決する方策を検討し、前記の無機コンポジットPTCサーミスタ材料の通電に対する耐久性に影響する原因を明らかにし、その原因を緩和する「耐久性向上構造」を母相の中に組み入れることで、「通電耐久性」と「PTC特性」の両立を図る方法を考案し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、繰り返し通電や長時間通電に対する「通電耐久性」を有し、同時に優れた電気的な「PTC特性」として、室温と高温における比抵抗の比が大きく良好な無機コンポジットPTCサーミスタ部材を提供することにある。
本発明者は、一定の温度で急激に膨張する無機材料を母相とし導電性粒子を分散した無機コンポジットPTCサーミスタ部材について、繰返し通電および長時間通電時の耐久性が低下する原因、および高い「PTC特性」を得るための要因、を検討した結果、PTCサーミスタ素子に繰り返し通電や長時間通電を行うと、クラックの進展あるいは新たなクラックの生成が生じ易いことが耐久性の上で課題が生じることの原因であることを見出した。また、母相の熱膨張率を大きくし、導電粒子の粒子径を大きくすることは高い「PTC特性」を発現する上で効果があるが、一方内在する熱応力を大きくする方向にあるため、通電耐久性を悪くする方向にあることを見出した。このように、相反する傾向にある特性を双方とも改良するための方法を検討し、以下の手段を見出した。
第1の請求項は、昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する電気絶縁性の第1の無機材料と、前記の動作温度における熱膨張率が前記の第1の無機材料の熱膨張率より小さい第2の電気絶縁性の無機材料が前記の第1の無機材料中に分散してなる母相と、前記の母相全体に分散された導電粒子からなるPTCサーミスタ部材である。第1の無機材料よりも熱膨張が低い第2の無機材料を分散させることにより、第2の無機材料の内部には焼結終了時に圧縮応力が生じており、第1の無機材料中にクラックが生じた場合でも、第2の無機材料の場所でクラックの進展を阻害する効果が生じ、結果として「通電耐久性」を向上することができる。また導電粒子の粒径を大きく、第1の無機材料の熱膨張を大きく設計しても通電耐久性を犠牲にせずに「PTC特性」を向上させることができる。
第2の請求項は、前記、第1の無機材料がクリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウムの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のPTCサーミスタ部材である。これらの無機材料は130〜250℃の付近に相転移温度が有り、家電製品や車載用の過電流保護用途には相転移温度が200℃程度以下のものを、PTCヒーター用途などにはさらに高温の相転移温度のものを利用でき、好適である。また相転移温度前後での熱膨張が0.3〜1.3%程度と大きく、大きな「PTC特性」を示す点で、家電や車載用機器の過電流保護素子、車載用PTCヒーター用途に好適であり、望ましい。
第3の請求項は、前記の導電粒子が、金属、金属珪化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物の内の少なくとも一つである請求項1ないし2のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。これらの導電材料は抵抗率が100μΩcm以下と、良好な電気伝導を示し、PTCサーミスタ部材中への導電粒子の混合割合を15〜30体積%と調整する方法や導電粒子の大きさを10〜60μmに調整する方法により、0.005〜1000Ωcmと広い範囲の抵抗率を実現可能であり、過電流保護用途からPTCヒーター用途と幅広い応用分野に適用できるPTCサーミスタ部材を実現する上で望ましい。
第4の請求項は、前記、第2の無機材料が、第1の無機材料と1400℃において液相を生じない酸化物ないし絶縁性炭化珪素のいずれかを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。第2の無機材料をこれらの材料とすることで、焼結温度で第2の無機材料が融解して小さくなることが無く、第1の無機材料と共存しかつ強固に焼結する材料となる。その結果、第1の無機材料の熱膨張特性を阻害することなく、母相の熱応力に対する耐久性が高くなり、その結果、通電に対する耐久性を向上する効果が大きく、望ましい。例えば、石英、大部分の珪酸塩鉱物、酸化アルミニウム、絶縁性炭化珪素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、を主成分とする材料を用いることができる。第2の無機材料は、クラックの生成・クラック進展を阻害する上で、粒子状または針状であることが好ましい。繊維状では焼結後の母相の密度が小さくなる傾向があるが、厚みの小さい薄い形状のPTCサーミスタ部材や、小型の素子を作る場合には成形密度を高くできるため、高密度のPTCサーミスタ部材を作ることが可能である。
第5の請求項は、前記、第2の無機材料が平均粒子径10μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。第2の無機材料は、第1の無機材料中に数多く分散していること、第1の無機材料と良好に焼結して緻密な構造を作ること、かつ第1の無機材料中に大きな引張応力を生じないことが重要であるが、第2の無機材料の粒子径が大きすぎると、第2の無機材料の個数が減ること、焼結が進みにくいこと、第2の無機材料の周囲の第1の無機材料中の引張応力が大きくなることから、10μm以下とすることが望ましい。
第6の請求項は、前記、第2の無機材料を、第1の材料に対して体積比で0.1%から30%の割合で含む、請求項1〜5のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。第2の無機材料の体積分率は少なすぎるとクラック生成と進展を阻害する効果が少なく、多過ぎると第1の無機材料の体積分率が少なくなり母相の熱膨張が小さくなる結果「PTC特性」が下がり、望ましい値である1000倍以下に低下する。このため、体積分率をこの範囲とすることで高い「PTC特性」と優れた耐久性を両立させる上で望ましい。
第7の請求項は、前記、導電粒子の平均粒子径が15μm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のPTCサーミスタ部材である。導電粒子の粒径は15μm以上で大きいほうが、導電粒子間の接触数が少なくなり、母相が熱膨張した際に導電パスが切断される確率が増えるため、「PTC特性」が望ましい価である1000倍以上となり好ましい。
第8の請求項は、室温において、電流を流し自己発熱させることで生じるPTCサーミスタ部材の抵抗値の最大値が、室温での抵抗値の1000倍以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。PTCサーミスタ部材は過電流保護用途やPTCヒーター用途として用いるためには使用する電圧の2乗に比例した「PTC特性」が必要となり、請求項1〜7の条件を適切に組合せ、1000倍以上の「PTC特性」を備えることが望ましい。
第9の請求項は、PTCサーミスタ部材全体に含まれる窒素の量が0.04モル%以上である、請求項1ないし8のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材である。焼成雰囲気ガスに窒素を混入することで焼成緻密化が促進され、「通電耐久性」が向上する。
低温時と高温時の電気抵抗の比である「PTC特性」を向上させる手段には、導電粒子の粒子径を大きくする方法と、母相の熱膨張を大きくする方法がある。この手段によりPTCサーミスタ部材およびこれから構成されるPTCサーミスタ素子の電気的な特性としては好ましい方向となるが、一方、その場合には繰り返し通電や長時間通電に対する耐久性が悪くなる傾向が有る。本発明の構成により、耐久性低下の原因であるクラック生成とクラック進展を阻害することができることから、高い「PTC特性」と優れた耐久性を両立させることができ、昇温時に一定の温度で急激に膨張する絶縁性の無機材料中に全体に分散された導電粒子からなるPTCサーミスタ部材において、PTC効果が1000倍以上かつ繰り返し通電に対する室温抵抗の変化が10%以下である耐久性に優れ、実用的なPTCサーミスタ部材を構成することができる。
高熱膨張率を有する無機材料に導電性粒子を混合したコンポジット材料は、脆性材料であるクリストバライトやトリジマイト等の低温型から高温型への結晶構造相転移に伴う大きな熱膨張を利用するものであることから、繰り返し通電や長時間通電を行うと、高熱膨張率の無機材料中にクラックが生じ、室温での電気抵抗値が徐々に増加する原因検討を行い、「通電耐久性」改良と、「PTC特性」を大きくする点の改良、という2点の課題の解決手段を見出した。それぞれの発明の効果は以下に述べるとおりである。
請求項1の発明によれば、昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する電気絶縁性の第1の無機材料と、前記の動作温度における熱膨張率が前記の第1の無機材料の熱膨張率より小さい第2の電気絶縁性の無機材料が前記の第1の無機材料中に分散してなる母相と、前記の母相全体に分散された導電粒子からなるPTCサーミスタ部材が提供される。第2の絶縁性無機材料を第1の絶縁性無機材料中に分散させることで、第2の絶縁性無機材料部分に圧縮応力が生じ、第2の無機材料を多数分散させることで、第1の無機材料中に熱応力に起因するクラック生成やクラック進展が生じても、第2の無機材料部分でとどめる効果が生じる。このために、クラック進展を緩和する多数の点が第1の無機材料中に造られ、第2の無機材料を含まない従来の技術から大きく改良されている。また、耐久性の大幅な向上を図れることから、前記の「PTC特性」向上の手段として、母相の熱膨張率を大きくし、導電粒子の粒子径を大きくすることを採用した場合にも「通電耐久性」を保つことができる。最適な実施形態では通電での自己発熱による「PTC特性」が1万倍から100万倍以上を確保しつつ、繰り返し通電や長時間通電への耐久性を持たせることが可能である。なお、焼結過程で緻密になった母相が室温まで冷却する過程で、第1の無機材料が第2の無機材料よりも大きく収縮することから、第2の無機材料中に圧縮応力が生じるのである。
請求項2の発明によれば、第1の無機材料として130〜250℃の付近に相転移温度が有り、相転移温度前後での熱膨張が0.3〜1.3%程度と大きい、クリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウムの少なくとも1つを含む材料を用いることで、動作温度が家電製品や車載用の過電流保護用途やPTCヒーター用途に適した動作温度特性を実現し、好適である。また、熱膨張が大きい材料を用いることで、大きな「PTC特性」を実現でき、請求項1の発明と組み合わせることで、耐久性を兼ね備えることができる。第2の無機材料を含まない従来の技術では、実用的な耐久性を実現するために、母相である無機材料の熱膨張を抑制し、PTC特性を小さくする必要があった。請求項1および請求項2の発明により大きな「PTC特性」と「通電耐久性」を両立した部材を実現できる。
請求項3の発明は、導電粒子材料として低抵抗率の材料を選定し、PTCサーミスタ部材中への導電粒子の混合割合を15〜30体積%と調整する方法や導電粒子の大きさを10〜60μmに調整する方法により、0.005〜1000Ωcmと広い範囲の抵抗率を実現可能であり、その結果、対象となる用途を広げることができる。導電粒子の抵抗率が大きい場合には、1Ωcm以下の抵抗率を有するPTCサーミスタ部材を作ることが難しい。請求項1および2の発明と組み合わせて、大きな「PTC特性」を実現できることから、高い電圧用途にも適用できる。これは、使用可能電圧が、「初期抵抗」×「PTC特性(倍数)」の二分の1乗に比例することに起因するためである。
請求項4、5、6の発明は、前記の第2の無機材料が第1の無機材料と強固に焼結することで、母相の強度向上に好適であり、さらに第2の無機材料を粒径の小さいものにし、第2の無機材料を適切な量である0.1から30%(体積比)とすることで、第1の無機材料の熱膨張を阻害することなく、クラック進展を阻害する多数の点を作り出すものであり、第2の無機材料を含まない従来の技術から大きく改良されている。
請求項7の発明は、前記の「PTC特性」を増加させる手段である、導電粒子の粒径を15μm以上とすることで「PTC特性」を1000〜100万倍とすることが可能となり、請求項1〜6のいずれかの発明と組み合わせて、従来の技術よりも広い電圧に対応できる実用的なPTCサーミスタ部材を提供するものである。
請求項8の発明は、請求項1〜7と組合わせて特に「PTC特性」を向上させたPTCサーミスタ部材を提供するものである。
請求項9の発明は、焼成雰囲気ガスに窒素を混入することで焼成緻密化が促進し、その結果、PTCサーミスタ部材全体に含まれる窒素の量が0.04モル%以上とした部材である。請求項1〜8と組合わせて「通電耐久性」を向上したPTCサーミスタ部材を提供するものである。
以下、本発明のPTCサーミスタ部材を構成する第1の絶縁性無機材料、第2の絶縁性無機材料、導電性粒子の調製方法、およびPTCサーミスタ部材の製造方法の例について説明する。
一定の温度で急激に膨張する第1の絶縁性無機材料としては、クリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、カーネギアイト(NaAlSiO4)、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウム等が利用できる。この内、クリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウムは急激な熱膨張が起こる相転移温度が120℃から250℃の範囲に有り、PTCサーミスタ部材の母相として適している。其々の原料は工業原料として販売されているものはそのまま利用し、粒度が大きいものは湿式ポットミル粉砕などの方法で粒度を5μm程度以下に粉砕して利用する。クリストバライトはコート紙のコーティング材等として、クリストバライト型リン酸アルミニウムおよびトリジマイト型リン酸アルミニウムは鋼板の化成処理剤として広く工業的に生産されており、本発明の産業利用の上で好ましい。
クリストバライト型二酸化珪素およびトリジマイト型二酸化珪素は、出発原料に石英(SiO2)粉末を用い、結晶系が安定な高い温度領域で仮焼することにより得られるが、結晶系を安定化させるアルカリ金属やアルカリ土類金属の存在下ではより低温の仮焼により得ることができる。本発明においては、石英を原料として用い、結晶系を安定化剤としてアルカリ金属やアルカリ土類金属を添加して、例えば成形後の焼成工程などの工程中に石英をクリストバライトまたはトリジマイトに変換して用いてもよい。
カーネギアイト(NaAlSiO4)は例えば、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、酸化アルミニウム(Al2O3)、石英(SiO2)の各原料粉末を所定のモル比に混合して、850℃で脱炭酸を行った後に、900〜1350℃で仮焼することで粉末原料を得ることができる。これを湿式粉砕などで粒度を5μm程度以下に粉砕して利用する。
第2の無機材料としては、第1の無機材料と1400℃において液相を生じない酸化物ないし絶縁性炭化珪素であって、石英、珪酸塩鉱物、酸化アルミニウム、絶縁性炭化珪素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、等を主成分とする材料を用いることができる。石英、珪酸塩鉱物、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、珪酸塩鉱物は工業原料として広く使用されており、10μm程度以下の粒度分布を持つグレードの製品をそのまま用いることができる。絶縁性炭化珪素は工業原料として使われている炭化珪素粉末に酸化ベリリウムを0.1モル%程度添加し、混合の上でアルゴン気流中、1800℃程度で仮焼して合成し、その後乾式粉砕で所定の粒径に粉砕して用いる。
導電フィラーには、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス合金等の金属、金属珪化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物を用いることができる。特にシリコンを含む高融点化合物である、金属珪化物、高導電性SiC系材料では、母相であるSiO2を骨格として持つ前記の第1の無機材料との間での結合が強くなり、耐久性の点で用いることが好ましい。これらの導電材料は、工業原料として入手できるものは所定の粒度に篩分級し、新たに合成するものは粉砕後に分級して用いる。単体の電気抵抗率に応じてPTCサーミスタ部材中への導電粒子の混合割合を15〜30体積%と調整する方法や導電粒子の大きさを10〜60μmに調整する方法により、作成したPTCサーミスタ部材の電気抵抗率を0.005Ωcmから1000Ωcmと、導電材料の体積分率を調整することができる。用途に応じて適切な値とすることで、低抵抗材料は過電流抑制用途の限流素子等として、高抵抗側の材料では電気ヒーター用途等として用いることができる。
PTCサーミスタ部材の製造では、第1の無機材料、第2の無機材料、および導電フィラー原料を所定の比率で湿式または乾式で混合し、さらに成形用バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、あるいはセルロース系の材料等、および成型助剤として粘土粉末を乾式または湿式で混合する。さらに焼結助剤としてガラス粉末や、第1の母相と反応して液相を形成する材料を加えても良い。粘土粉末は焼結助剤としても機能する。この混合物を乾式プレス成形あるいは成型用バインダーを加えた上で湿式押出成形して成形体を得る。当該成形体に対し、さらに等方加圧成形を行い密度の高い成形体を得てもよい。成形体の乾燥後に必要に応じて有機バインダーを300℃程度の温度で分解する脱バインダー工程を加えても良い。
焼成工程は水素ガス、窒素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性ガス気流中で導電フィラー材料が酸化しない条件で行い、焼結体を得る。焼成条件は第1および第2の無機材料に依存して1000℃〜1500℃の温度範囲で常圧で行い緻密に焼結することができる。あるいは、同様に非酸化性ガス気流中で、所定の荷重をかけながら高温下で保持するホットプレスを施して高密度の焼結体を得る方法がある。
本発明においては、焼結したPTC材料の相対密度を95%以上に緻密化することが好ましい。第1および第2の無機材料の粒径を小さくし、第1および第2の無機材料に合わせた焼結助剤の材質および粒度を選定し、焼成条件を設定することにより、相対密度を95%以上にすることができる。相対密度が95%以下では内在する欠陥やクラックが多く、通電動作の繰り返しによりこれらを基点に破壊が進行し、耐久性が損なわれる。
「PTC特性」を大きくする手段としては、母相の熱膨張率を大きくし、導電粒子の粒子径を大きくすることが有効である。第1の無機材料である、クリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、カーネギアイト(NaAlSiO4)、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウム等は、全て相転移点での熱膨張変化が0.3〜1.3%と無機材料としては非常に大きく、これらの本来の熱膨張を阻害しないようにすることが大きな熱膨張を実現するための手段となる。実用的な耐久性を得るために母相全体の熱膨張を下げる手段としては、Li、Na、K、Mg、Ca等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンを添加する方法、第1の無機材料の粒径を小さくする方法、母相中に熱膨張の小さい第2の無機材料を一定の体積分率混入する方法、焼成温度を高温にして第1の無機材料の結晶構造を一部他の相に変換する方法、等がある。逆に母相の熱膨張を大きく保つためには、アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオン量を少なくする方法、第1の無機材料の粒径を大きくする方法、母相中の熱膨張の小さい第2の無機材料の体積分率を少なくする方法、低温で焼成する方法、等がある。焼成を酸素分圧の低い水素気流中で行うことも、第1の無機材料の熱膨張を上げることに効果がある。導電粒子の粒径を大きくすることは、母相が膨張する際に導電粒子の連結ネットワークが切断される確率を上げることとなるので、そのまま「PTC特性」の向上につながる。
また、本発明で用いる材料は全て無機材料であり、融点あるいは分解温度が全て1000℃以上と高く、有機材料であるポリマーに比して耐熱性に優れ、長時間高温にさらされた場合でも母材の溶融等による変化がないため、PTCサーミスタ部材の母材として好適である。第1の材料と第2の材料は材料の製造時に所定の割合で混合し、その後に高温での焼成を行いコンポジットPTCサーミスタ部材を作る方法により得られるが、出発原料を調整し、焼成中に最終的に第1の材料と第2の材料とが生成する方法を用いてもよい。
導電フィラーの粒径は大きいほどPTC効果が大きくなるが、ヒーター材料、過電流保護用材料への用途には平均粒径が10μmから60μmのものを用いることができる。1000倍以上の「PTC特性」とPTCサーミスタ部材の室温抵抗変化が10%以下の良好な「通電耐久性」を両立させるためには導電粒子の平均粒径が15μmから50μmのものが好ましく、導電フィラーの体積分率は15〜30体積%であることが好ましい。
以下、本発明の無機PTCサーミスタ部材の製造方法の例について説明する。本発明の無機PTCサーミスタ部材の製造方法は、第1の原料については以下のように調製する。第1の母材原料としてクリストバライトを用いる場合には、石英粉末を高温で仮焼するか、石英をアルカリ金属やアルカリ土類金属の存在下で仮焼して、クリストバライト粉末を合成し、湿式ポットミルで粉砕することにより平均粒径5μm以下の粉末を調製する。第2の無機材料原料については、例えば石英や酸化アルミニウムを用いる場合には、10μm以下の平均粒度をもつ工業材料をそのまま利用する事ができる。粒径が大きい場合には湿式粉砕などにより10μm以下の平均粒度に調整して用いる。
導電フィラー原料としては、金属単体、金属珪化物、金属炭化物、金属ホウ化物、あるいは金属窒化物を粉砕後、分級して所望の粒径の粉末を調製する。
第1の工程は第1および第2の母材原料、導電フィラー原料を混合する混合工程であり、第1および第2の母材原料、導電フィラー原料を所定の割合で計量し、さらにバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、あるいはセルロース系の材料などを乾式または湿式混合する。
第2の工程は混合物を成形する成形工程であり、第1の工程で得られた混合物をプレス成形あるいは成型用バインダーを加えた上で湿式押出成形して成形体を得る。当該成形体に対し、さらに等方加圧成形を行い密度の高い成形体を得てもよい。
第3の工程は成形体を焼結する焼結工程であり、第2の工程で得られた成形体を水素ガス、窒素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性ガス気流中で導電フィラー材料が酸化しない条件で焼結体を得る。あるいは、同様に非酸化性ガス気流中で、所定の荷重をかけながら高温下で保持するホットプレスを施して高密度の焼結体を得る方法がある。
以下の実施例における「標準製法」は次のとおりである。使用する第1および第2の無機材料は、前記の発明の実施の形態において記述した方法によって準備、作成した。また導電粒子については工業原料として購入可能な材料を粒径を篩分け法で調整して使用した。第1の無機材料、第2の無機材料、および導電フィラー原料を所定の比率で乾式で混合し、さらに成形用バインダーとしてメチルセルロース粉末を2.0体積%加え、さらに成型助剤および焼結助剤として粘土粉末を1.0体積%加え、乾式で混合する。この混合物に純水を加えた上で湿式押出成形して成形体を得る。さらに成形体の乾燥後に320℃で脱バインダーを行い、その後、水素99%+窒素5%の雰囲気ガスで1400℃×3hrの雰囲気ガス中焼成を行い、試験体を得た。通電試験のために、前記の焼結後の試験体表面には、タングステンを主成分とする焼き付け型の電極材を焼成前の試験体に塗布し、焼成後に低抵抗の電極層を形成した。
実施例に使用した第1および第2の無機材料の熱膨張率を表5、表6に示す。導電粒子はいずれも低い抵抗率を示す材料として、金属(Ni,Mo)、金属珪化物(MoSi2、NbSi2、TiSi2)、金属ホウ化物(TiB2)、金属炭化物(TiC)、金属窒化物(TiN)での例を記載した。
試験体の評価は前記の「PTC特性」と繰返し通電に対する耐久性として試験前後の室温抵抗の変化率を評価指標とした。実用的な特性としては「PTC特性」が1000倍以上、繰返し通電への耐久性として15Vで500サイクル後の抵抗変化が10%以下を「望ましい特性範囲」として設定した。この2条件を満たしたものを実施例と分類し、いずれかを満たさないものを比較例と分類した。繰返し通電への耐久性は試験電圧に依存するため自動車用途に要求される15Vと、トラックなどで要求される24Vの2条件での評価を行った。なお、本発明の範囲は「望ましい特性範囲」に限定されるものではない。
以下、本発明の効果を明らかにするために行った実施例および比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9:表1)
実施例1〜9および比較例1〜5では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μm、9.0μmおよび11.0μmの粉末α−石英、導電粒子として粒径が14、15、35、45μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。実施例1、2、3では、他の条件を同じにしてMoSi2の粒径を変えた効果が分かり、粒径を大きくするに従ってPTC効果が大きくなり、粒径が15〜45μmの範囲ではPTC効果は実用的な1000よりも大きく、また「通電耐久性」も実用的に求められる500サイクル後の抵抗増加が10%以下となっており、前記の「望ましい特性範囲」となっている。実施例4、5は第2の無機材料の粒径を9μmと大きくし、導電粒子の粒径も大きくすることにより、10万倍以上の「PTC特性」と「通電耐久性」の両立が図れることを示した実施例である。実施例6、7、8、9では第2の無機材料の母相全体に占める体積分立を0.1、10、30%と変えた際に、「PTC特性」と「通電耐久性」が前記の「望ましい特性範囲」にあることを示したものである。比較例1との対比により、請求項1に記載の第2の無機材料粒子としての石英粒子を母相に加えることの効果が明確になっている。また、比較例2〜5との対比により、請求項5〜8の発明の効果が明らかとなっている。
実施例1〜9および比較例1〜5では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μm、9.0μmおよび11.0μmの粉末α−石英、導電粒子として粒径が14、15、35、45μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。実施例1、2、3では、他の条件を同じにしてMoSi2の粒径を変えた効果が分かり、粒径を大きくするに従ってPTC効果が大きくなり、粒径が15〜45μmの範囲ではPTC効果は実用的な1000よりも大きく、また「通電耐久性」も実用的に求められる500サイクル後の抵抗増加が10%以下となっており、前記の「望ましい特性範囲」となっている。実施例4、5は第2の無機材料の粒径を9μmと大きくし、導電粒子の粒径も大きくすることにより、10万倍以上の「PTC特性」と「通電耐久性」の両立が図れることを示した実施例である。実施例6、7、8、9では第2の無機材料の母相全体に占める体積分立を0.1、10、30%と変えた際に、「PTC特性」と「通電耐久性」が前記の「望ましい特性範囲」にあることを示したものである。比較例1との対比により、請求項1に記載の第2の無機材料粒子としての石英粒子を母相に加えることの効果が明確になっている。また、比較例2〜5との対比により、請求項5〜8の発明の効果が明らかとなっている。
(比較例1〜5:表1)
比較例1は、母相を第1の無機材料のみで構成した例であり、対比される実施例2,9と比べて「PTC特性」は同様の値を示すが、「通電耐久性」が大きく劣結果を示す。比較例2は第2の無機材料は入っているものの量が0.1体積%よりも少なく、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。比較例3は第2の無機材料の量が30体積%を超えており、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。比較例4では、第2の無機材料の粒径が10μmを超えており、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示している。比較例5は、導電粒子の粒径が15μm未満であり、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。
比較例1は、母相を第1の無機材料のみで構成した例であり、対比される実施例2,9と比べて「PTC特性」は同様の値を示すが、「通電耐久性」が大きく劣結果を示す。比較例2は第2の無機材料は入っているものの量が0.1体積%よりも少なく、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。比較例3は第2の無機材料の量が30体積%を超えており、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。比較例4では、第2の無機材料の粒径が10μmを超えており、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示している。比較例5は、導電粒子の粒径が15μm未満であり、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。
(実施例10〜17:表2)
実施例10〜17では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの8種類の材料であって、その熱膨張率が第1の無機材料の値に対する比が5から20%と小さい材料を用い、母相全体の2体積%を加えた。導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。いずれの例でも「PTC特性」と「通電耐久性」が前記の「望ましい特性範囲」にあり、第2の無機材料の材質に依らず請求項1の発明の効果を示している。
実施例10〜17では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの8種類の材料であって、その熱膨張率が第1の無機材料の値に対する比が5から20%と小さい材料を用い、母相全体の2体積%を加えた。導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。いずれの例でも「PTC特性」と「通電耐久性」が前記の「望ましい特性範囲」にあり、第2の無機材料の材質に依らず請求項1の発明の効果を示している。
(比較例6〜8:表2)
比較例6では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの珪酸塩鉱物のMg2SiO4を用い、母相全体の0.09体積%を加えた。比較例7では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmのクリストバライト型二酸化珪素を用い、母相全体の2.0体積%を加えた。導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。比較例6は第2の無機材料の母相全体への体積分率が0.1体積%未満であり、その結果請求項6の発明の範囲外となっており、第2の無機材料の材質が比較例2と異なる場合にも同様に「通電耐久性」が劣る結果を示した。比較例7は第1と第2の無機材料の熱膨張率の大小が表5に示すように請求項1の発明とは逆になっており、比較例1の第2の無機材料粒子が無い場合よりも「通電耐久性」が劣る結果となっており、請求項1の発明が第1と第2の無機材料の組合せを変えた場合にも有効であることを示している。比較例8では第2の無機材料に融点が1210℃程度のFe2SiO4を用いた例で、焼成中に溶解消失し、第2の無機材料粒子を形成できず、「通電耐久性」が劣る例である。一方、融点が1410℃程度のZn2SiO4を用いた実施例16では「望ましい特性範囲」にあり、請求項4の発明の効果が明らかとなっている。
比較例6では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの珪酸塩鉱物のMg2SiO4を用い、母相全体の0.09体積%を加えた。比較例7では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmのクリストバライト型二酸化珪素を用い、母相全体の2.0体積%を加えた。導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。比較例6は第2の無機材料の母相全体への体積分率が0.1体積%未満であり、その結果請求項6の発明の範囲外となっており、第2の無機材料の材質が比較例2と異なる場合にも同様に「通電耐久性」が劣る結果を示した。比較例7は第1と第2の無機材料の熱膨張率の大小が表5に示すように請求項1の発明とは逆になっており、比較例1の第2の無機材料粒子が無い場合よりも「通電耐久性」が劣る結果となっており、請求項1の発明が第1と第2の無機材料の組合せを変えた場合にも有効であることを示している。比較例8では第2の無機材料に融点が1210℃程度のFe2SiO4を用いた例で、焼成中に溶解消失し、第2の無機材料粒子を形成できず、「通電耐久性」が劣る例である。一方、融点が1410℃程度のZn2SiO4を用いた実施例16では「望ましい特性範囲」にあり、請求項4の発明の効果が明らかとなっている。
(実施例18〜21:表3)
実施例18、19では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。実施例20では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのカーネギアイト(NaAlSiO4)、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。いずれの例でも導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。
いずれの場合でも「望ましい特性範囲」にあることを示している。
実施例18、19では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。実施例20では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのカーネギアイト(NaAlSiO4)、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。いずれの例でも導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。
いずれの場合でも「望ましい特性範囲」にあることを示している。
(比較例9、10:表3)
比較例9、10では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。いずれの例でも導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。比較例2,3との対比で、第1と第2の無機材料の組合せを変えても比較例9は、第2の無機材料の量が0.1体積%よりも少ない場合は、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣ること、比較例10は第2の無機材料の量が30体積%を超えており、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。このように、第1と第2の無機材料の組合せを変えても請求項6の効果があることを示している。
比較例9、10では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmおよび5.0μmのトリジマイト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。いずれの例でも導電粒子として粒径が35μmのMoSi2を用い、前記の標準製法で試験体を作成した。比較例2,3との対比で、第1と第2の無機材料の組合せを変えても比較例9は、第2の無機材料の量が0.1体積%よりも少ない場合は、「PTC特性」は良いものの「通電耐久性」に劣ること、比較例10は第2の無機材料の量が30体積%を超えており、「通電耐久性」は良いが「PTC特性」に劣り、「望ましい特性範囲」には無いことを示す。このように、第1と第2の無機材料の組合せを変えても請求項6の効果があることを示している。
(実施例22〜28:表4)
実施例22〜28では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmまたは5.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。実施例22〜24は、導電粒子として粒径が35μmのNbSi2、TiSi2、TiB2を用いた例で、1万倍以上の良好な「PTC特性」と試験電圧24Vでも良好な「通電耐久性」を示した。
実施例25〜28では、導電粒子として粒径が35μmのTiCおよびTiNの金属化合物、NiおよびMoの金属を用いた例で、1万倍以上の良好な「PTC特性」と試験電圧15Vでの良好な「通電耐久性」を示した。一方、試験電圧24Vの「通電耐久性」は10%を超えている。
実施例22〜24の、導電粒子として金属珪化物および金属ホウ化物を用いる例では試験電圧24Vでの厳しい条件でも良好な「通電耐久性」を示しており、これらの化合物では「通電耐久性」が金属、炭化物、窒化物の例よりも優れていることを示した。
実施例22〜28では、第1の無機材料として平均粒径3.0μmまたは5.0μmのクリストバライト型二酸化珪素、第2の無機材料として平均粒径1.0μmの石英を用い、母相全体の2体積%を加えた。実施例22〜24は、導電粒子として粒径が35μmのNbSi2、TiSi2、TiB2を用いた例で、1万倍以上の良好な「PTC特性」と試験電圧24Vでも良好な「通電耐久性」を示した。
実施例25〜28では、導電粒子として粒径が35μmのTiCおよびTiNの金属化合物、NiおよびMoの金属を用いた例で、1万倍以上の良好な「PTC特性」と試験電圧15Vでの良好な「通電耐久性」を示した。一方、試験電圧24Vの「通電耐久性」は10%を超えている。
実施例22〜24の、導電粒子として金属珪化物および金属ホウ化物を用いる例では試験電圧24Vでの厳しい条件でも良好な「通電耐久性」を示しており、これらの化合物では「通電耐久性」が金属、炭化物、窒化物の例よりも優れていることを示した。
(実施例29〜34、比較例11、12:表7)
焼成雰囲気の影響を検討した実施例および比較例である。実施例29〜31および比較例11、12では実施例2と全く同じ材料の試験体を用い、焼成雰囲気ガスのみ変えて試験を行った。また得られた試験体に付いて、含まれる窒素量をケルダール法で分析した。
比較例12は水素のみ、実施例31はアルゴンと窒素の混合ガス、実施例29〜31、比較例11は水素と窒素の混合ガスである。窒素混入量が2%以上の実施例 窒素混入量が1%以下の比較例11、12では「通電耐久性」が10%以上と劣っている。窒素混入量を2%以上の実施例29〜31では「PTC特性、「通電耐久性」ともに望ましい範囲に有る。導電粒子の材質を変えた試験体についての例を実施例32〜34に示す。いずれの例でも「通電耐久性」、「PTC特性」両方とも良好な範囲に有り、焼成ガスの条件が窒素ガスを2%以上混入する方法が必要な条件であることを示している。
これらの実施例および比較例での試験体中のケルダール法による窒素分析の結果、好ましい結果を示す実施例である窒素2%を混入した例では、試験体全体に対する窒素の含有量はモル比で0.04%以上であることが分かり、請求項9の発明を裏付けている。
焼成雰囲気の影響を検討した実施例および比較例である。実施例29〜31および比較例11、12では実施例2と全く同じ材料の試験体を用い、焼成雰囲気ガスのみ変えて試験を行った。また得られた試験体に付いて、含まれる窒素量をケルダール法で分析した。
比較例12は水素のみ、実施例31はアルゴンと窒素の混合ガス、実施例29〜31、比較例11は水素と窒素の混合ガスである。窒素混入量が2%以上の実施例 窒素混入量が1%以下の比較例11、12では「通電耐久性」が10%以上と劣っている。窒素混入量を2%以上の実施例29〜31では「PTC特性、「通電耐久性」ともに望ましい範囲に有る。導電粒子の材質を変えた試験体についての例を実施例32〜34に示す。いずれの例でも「通電耐久性」、「PTC特性」両方とも良好な範囲に有り、焼成ガスの条件が窒素ガスを2%以上混入する方法が必要な条件であることを示している。
これらの実施例および比較例での試験体中のケルダール法による窒素分析の結果、好ましい結果を示す実施例である窒素2%を混入した例では、試験体全体に対する窒素の含有量はモル比で0.04%以上であることが分かり、請求項9の発明を裏付けている。
実施例1〜28ではいずれもPTCサーミスタ部材としての抵抗率が0.01〜0.1Ωcm程度となるように導電粒子の粒径を15〜45μm、導電粒子のPTCサーミスタ部材全体に対する体積分率を23体積%とした例であるが、体積分率を23%より小さくすることにより更に抵抗率の高いPTCサーミスタ部材を得ることができる。例えば、導電粒子として粒径が25μmのMoSi2を用い、PTCサーミスタ部材全体に対する体積分率を変え、前記の標準製法で試験体を作成した例では、21体積%では0.2Ωcm、18体積%では1Ωcm、16体積%では100Ωcm程度のPTCサーミスタ部材が得られる。同様に、導電粒子として粒径が15μmのMoSi2を用い、導電粒子の体積分率を15体積%とした例では1000Ωcm程度のPTCサーミスタ部材が得られる。
第1、第2の無機材料をクリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウムとした場合では、表5に示すように熱膨張係数がクリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素よりも小さいことを除き、焼結挙動は類似している。実施例1〜6と同様の組合せの導電粒子を用い、これらの無機材料の粒径を7μmと大きく設定し、焼成条件を1300℃×3hrと低い温度に設定することで母相の熱膨張率を高く調整し、実施例1〜6と同等のPTC特性と通電耐久性が実現された。
本発明の範囲は、以上の実施例で示した第1および第2の無機材料、導電粒子についての材料の種類、材料の組合せ、粒径、製法については、各例で記載した内容に限定されるものではない。
本発明は、車載用電気機器、家電、情報機器などに内蔵される過電流抑制素子、PTCヒーター用素子として好適に利用できる。
1 PTCサーミスタ素子
2 PTCサーミスタ部材
3a、3b 電極
2 PTCサーミスタ部材
3a、3b 電極
Claims (9)
- 昇温時に一定の動作温度で急激に膨張する電気絶縁性の第1の無機材料と、前記の動作温度における熱膨張率が前記の第1の無機材料の熱膨張率より小さい第2の電気絶縁性の無機材料が前記の第1の無機材料中に分散してなる母相と、前記の母相全体に分散された導電粒子からなるPTCサーミスタ部材。
- 前記、第1の無機材料がクリストバライト型二酸化珪素、トリジマイト型二酸化珪素、クリストバライト型リン酸アルミニウム、トリジマイト型リン酸アルミニウムの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のPTCサーミスタ部材。
- 前記の導電粒子が、金属、金属珪化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物の内の少なくとも一つである請求項1ないし2のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
- 前記、第2の無機材料が、第1の無機材料と1400℃において液相を生じない酸化物ないし絶縁性炭化珪素のいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材
- 前記、第2の無機材料が平均粒子径10μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
- 前記、第2の無機材料を、第1の材料に対して体積比で0.1%から30%の割合で含む、請求項1〜5のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
- 前記、導電粒子の平均粒子径が15μm以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
- 電流を流し自己発熱させることで生じるPTCサーミスタ部材の抵抗値の最大値が、室温での抵抗値の1000倍以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
Cサーミスタ部材。 - PTCサーミスタ部材全体に含まれる窒素の量が0.04モル%以上である、請求項1〜8のいずれかに記載のPTCサーミスタ部材。
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