JP3340644B2 - コンポジットptc材料 - Google Patents

コンポジットptc材料

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JP3340644B2 JP06803697A JP6803697A JP3340644B2 JP 3340644 B2 JP3340644 B2 JP 3340644B2 JP 06803697 A JP06803697 A JP 06803697A JP 6803697 A JP6803697 A JP 6803697A JP 3340644 B2 JP3340644 B2 JP 3340644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、事故電流を抑制
する限流素子等に好適に用いられるコンポジットPTC
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 PTC(positive temperature coeff
icient of resistance)材料は、特定温度において急激
に電気抵抗が増加する性質を有するため、ブレーカーに
おいて事故電流を抑制する限流素子等に利用される。例
えば、ポリマーを母材、導電性物質を添加剤とするコン
ポジット材料は、PTC特性を有している。
【0003】 即ち、絶縁体であるポリエチレン等の結
晶性ポリマーとカーボン等の導電性粒子とを特定の混合
比で混合しポリマーマトリックス中に導電パスを形成せ
しめて導電性を付与させたコンポジット材料は、温度上
昇により結晶性ポリマーの溶解温度に達すると、導電性
粒子よりも熱膨張がはるかに大きい結晶性ポリマーのみ
が急激に膨張するところ、ポリマー中において導電パス
を形成している導電性粒子同士が引き離され、導電パス
が切断されることにより電気抵抗が急激に上昇するので
ある。ただし、ポリマー等の有機材料を母材とすると、
耐熱性が低く高温時に動作が保持できないため、石英、
クリストバライト等の高熱膨張率を有するシリカ系物質
に導電性粒子を混合したコンポジット材料が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
シリカ系のコンポジット材料は、室温抵抗率が高く通電
損失が大きいことに加え、限流素子作動時のシリカ系物
質の異常膨張により、材料中にクラックが生じるという
問題点があり、更に、温度上昇に伴って一旦上昇した抵
抗率が温度低下後も初期抵抗率にまで戻らない(即ち、
熱サイクル時における初期抵抗率の安定性に欠ける)た
め、繰り返し動作が不能であるという問題点もあった。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、耐熱性を有
し、通電損失が少なく、又、素子作動時の材料の膨張に
伴うクラックを生じず、更には、繰り返し動作が可能な
コンポジットPTC材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、クリ
ストバライトを母材とし、該母材と導電フィラーを含ん
で構成されるコンポジットPTC材料であって、更に第
三成分として前記母材と前記導電フィラーの合計体積の
1〜20vol%のガラス質材料を含有し、かつ、室温
抵抗率が10-1Ωcm以下であることを特徴とするコン
ポジットPTC材料が提供される。
【0006】 また、本発明のコンポジットPTC材料
においては、ガラス質材料の熱膨張係数が4×10-6
12×10-6/Kであることが好ましく、ガラス質材料
はホウケイ酸ガラスであることが好ましい。さらに、本
発明のコンポジットPTC材料においては、導電フィラ
ーの単味焼結体の室温抵抗率は10-3Ωcm以下である
ことが好ましく、導電フィラーの粒径は2〜50μmで
あることが好ましく、当該コンポジットPTC材料の焼
成後における相対密度は90%以上であることが好まし
い。
【0007】 本発明のコンポジットPTC材料におい
ては、導電フィラーが金属単体、金属ケイ化物、金属炭
化物、金属ホウ化物のうちの少なくとも1種であること
が好ましく、MoSi2、WSi2、Mo及びWのうちの
少なくとも1種であることが更に好ましい。また、本発
明のコンポジットPTC材料においては、導電フィラー
の添加率が10〜35vol%であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明は、主として高熱膨張材
料であるクリストバライトと導電フィラーからなり、更
に第三成分として前記母材と前記導電フィラーの合計体
積の1〜20vol%のガラス質材料を含有し、かつ、
室温抵抗率が10-1Ωcm以下であることを特徴とする
コンポジットPTC材料(以下、PTC材料という。)
である。本発明により、耐熱性を有し、通電損失が少な
く、又、素子作動時の材料の膨張に伴うクラックを生じ
ず、更には、繰り返し動作が可能なPTC材料を提供す
ることが可能となる。なお、PTC材料はその特性とし
て、ジャンプ率が大きいこと、即ち、素子作動時の抵抗
率と初期抵抗率の差が大きいことが要求されるが、本発
明のPTC材料は3桁以上のジャンプ率を確保すること
が可能である。
【0009】 本発明では、PTC材料の母材としてク
リストバライト(方珪石)を用いる。クリストバライト
は、石英、トリディマイト(鱗珪石)とともにSiO2
鉱物の多形の一種で、230℃前後で結晶構造がアルフ
ァ型(正方晶形)からベータ型(立方晶形)に変化する
ことに伴い急激に膨張する性質を有する高熱膨張材料で
ある。従って、クリストバライト自体は絶縁体である
が、導電性材料を所定の比率で混合して導電性を付与し
た材料については、温度上昇に伴うクリストバライトの
熱膨張により、形成されていた導電パスが切断され、P
TC特性を発現し得る。
【0010】 また、クリストバライトは融点が173
0℃と高く、有機材料であるポリマーに比して耐熱性に
優れ、長時間高温に曝された場合でも溶融等による損傷
がないため、PTC材料の母材として好適である。クリ
ストバライトは、石英を高温で仮焼することにより得ら
れるが、クリストバライトを安定化させるアルカリ金属
やアルカリ土類金属の存在下ではより低温の仮焼により
得ることができる。本発明においては、石英を原料とし
て用い、例えば成形後の焼成工程などの工程中に石英を
クリストバライトに変換して用いてもよい。
【0011】 導電フィラーとは、絶縁体であるクリス
トバライトに導電性を付与するための添加物であり、本
発明においては金属単体、金属ケイ化物、金属炭化物、
金属ホウ化物を用いることが好ましいが、高融点物質で
あるモリブデン、タングステンなどの金属粒子及びケイ
化モリブデン、ケイ化タングステンなどの金属ケイ化物
を用いることが更に好ましい。本発明では、導電フィラ
ーの単味焼結体の室温抵抗率を10-3Ωcm以下と規定
して、PTC材料自体の室温抵抗率を10-1Ωcm以下
まで低下させることにより、通電損失を抑制している。
従って、室温抵抗率が10-3Ωcm以上で導電率が低い
カーボンは通電損失が大きく、本発明の導電フィラーと
しては適さない。
【0012】 本発明において導電フィラーの粒径は、
2μm以上であることが好ましい。通常、ジャンプ率を
大きくするためには、絶縁体であるクリストバライトの
量に対し、導電体であるフィラーの量を減らせばよい
が、このことは室温抵抗率の上昇、ひいては通電損失の
増加に直結する。従って、本発明においては、導電フィ
ラーの粒径を2μm以上に調整し、当該導電フィラーの
表面積を最大限利用して母材粒子と接触させている。こ
うすることにより、導電率の向上に寄与しない無駄な導
電フィラーのみを減らすことができ、室温抵抗率の上昇
を防止しつつジャンプ率を向上させることが可能とな
る。
【0013】 更に、本発明においては、導電フィラー
の粒径が50μm以下であることが好ましい。フィラー
粒径が50μm以上となると母材中に均一にフィラーを
分散させることが困難となるためである。なお、フィラ
ーの添加量が少なければ、導電パスが形成されず室温抵
抗率が上昇し、多ければ温度が上昇しても導電パスが切
断できず抵抗ジャンプを起こさない。母材粒子が0.1
〜10μm、フィラー粒子が2〜50μmの範囲におい
ては、フィラー添加量は10〜35vol%の範囲であ
ることが好ましい。
【0014】 また、本発明においては、焼結したPT
C材料の相対密度を90%以上に緻密化することが好ま
しく、95%以上に緻密化することが更に好ましい。相
対密度が90%以下になると、たとえ抵抗ジャンプを起
こしても、温度低下後に初期抵抗率まで復帰しなくなる
からである。焼結体の相対密度は、原料の粒度に影響さ
れる他、焼成温度が低い場合にも低下する。
【0015】 更に、本発明においては、前述した母材
と導電フィラーに加えて、第三成分としてガラス質材料
を含有して構成される。材料中にガラス質材料を添加す
ることにより、素子作動時の材料の膨張に伴うクラック
を防止するためである。この効果は、図1に示すよう
に、材料の焼成過程においてガラス質材料3とクリスト
バライト1との間に反応相4(即ち、組成勾配)が形成
され、界面での熱膨張係数が段階的に変化している材料
が得られること、即ち、ガラス質材料を添加しない場合
にはクリストバライト/クリストバライト、あるいはク
リストバライト/フィラーである界面構成が、ガラス質
材料を添加した場合にはクリストバライト1/反応相4
/ガラス3/反応相4/クリストバライト1、あるいは
クリストバライト1/反応相4/ガラス3/フィラー2
という界面構成に変化することによるものと推定され
る。
【0016】 また、ガラス質材料の添加により材料焼
成の初期段階においてガラス成分が溶融するため、クリ
ストバライトと導電フィラーの焼結を促進し、比較的低
温での焼成が可能となることに加え、材料の緻密化を図
ることができ、上述した焼結体の相対密度を向上させる
効果もある。
【0017】 本発明では、前記母材と前記導電フィラ
ーに加え、前記母材と前記導電フィラーの合計体積の1
〜20vol%のガラス質材料を添加する。ガラス質材
料の添加量を1%以下とすると、焼結が困難であるため
材料の緻密化が図れず、相対密度が低下し、素子作動時
に抵抗ジャンプはするものの抵抗率が初期抵抗率まで復
帰しない。一方、ガラス質材料の添加量を20%より多
くすると、焼結は容易であり材料の緻密化は図れるが、
クリストバライトの体積分率減少により、導電パス切断
に十分な熱膨張が得られないため、温度上昇させても抵
抗ジャンプをおこさない。
【0018】 本発明のガラス質材料の熱膨張係数は4
×10-6〜12×10-6/Kであること、即ち導電フィ
ラーの熱膨張係数とクリストバライトの熱膨張係数との
間の範囲にあることが好ましい。前述したように、素子
作動時の材料の膨張に伴うクラックを防止するために
は、材料の焼成過程においてガラス質材料とクリストバ
ライトとの間に反応相(即ち、組成勾配)を形成し、界
面での熱膨張係数が段階的に変化している材料を得るこ
とが好ましいと推定されるからである。本発明のガラス
質材料として使用可能なガラス種は、熱膨張係数が前記
範囲内にあるものであれば特に限定されず、ホウケイ酸
ガラス、ソーダガラス、鉛ガラス等が挙げられるが、軟
化点が低く、毒性もないことからホウケイ酸ガラスが好
ましい。
【0019】 以下、本発明のPTC材料の製造方法の
例について説明する。本発明のPTC材料の製造方法
は、例えば図2に示すように3つの工程からなり、原料
については以下のように調製する。
【0020】 母材原料としてクリストバライトを用い
る場合には、石英粉末を高温で仮焼するか、石英をアル
カリ金属やアルカリ土類金属の存在下で仮焼して、クリ
ストバライト化し、湿式ポットミルで粉砕することによ
り平均粒径1μm以下の粉末を調製する。なお、母材原
料として石英を用いる場合には、湿式ポットミルで粉砕
することにより平均粒径0.5〜2μmの粉末を調製す
る。導電フィラー原料としては、金属単体、金属ケイ化
物、金属炭化物、若しくは金属ホウ化物を粉砕後、分級
して所望の粒径の粉末を調製する。ガラス質材料はガラ
ス粉末を湿式ポットミルで粉砕して調整する。
【0021】 第1の工程は母材原料、導電フィラー原
料及びガラス質材料を混合する混合工程であり、母材原
料、導電フィラー原料及びガラス質材料を所定の割合で
計量し、湿式又は乾式ボールミルで混合することによ
り、混合物を得る。なお、母材原料として石英を用いた
場合には、工程中でクリストバライト化する必要がある
ため、クリストバライトの安定化材として、混合時にア
ルカリ金属、アルカリ土類金属を添加してもよい。
【0022】 第2の工程は混合物を成形する成形工程
であり、第1の工程で得られた混合物をプレス成形して
成形体を得る。常圧焼成する場合には、当該成形体に対
し、さらに等方加圧成形を行い成形体を得てもよい。
【0023】 第3の工程は成形体を焼結する焼結工程
であり、第2の工程で得られた成形体を窒素ガスなどの
不活性ガス気流中で所定の荷重をかけながら高温下で保
持するホットプレスを施して焼結体を得る。等方加圧成
形した成形体についてはアルゴンガスなどの不活性ガス
気流中で高温下で保持する常圧焼成を施して焼結体を得
る。なお、焼成温度については、使用するガラス質材料
の種類により適宜決定されるべきである。
【0024】
【実施例】 以下、本発明を具体的な実施例により説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、ガラス質材料は全て、熱膨張係数が6×1
-6/KのSiO2−Na2O−B2O系ホウケイ酸ガラ
スを使用した。 (実施例1) 平均粒径0.8μmの粉末クリストバラ
イト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に対し、その全体積の1v
ol%のガラス質材料を湿式ボールミルにより混合し
た。
【0025】 上記混合物を荷重200Kg/cm2
プレス成形し、さらに、得られた成形体について、窒素
気流中で荷重200Kg/cm2、1350℃で3時間
保持するホットプレスを施し、焼結体を得た。得られた
焼結体は、5×5×30mmの柱状体に加工した後、直
流四端子法により室温抵抗率ρ0及び300℃での抵抗
率ρ300を測定し、抵抗ジャンプ率(ρ300/ρ0)を算
出した。また、室温→300℃→室温の熱変化を1サイ
クルとして、熱サイクル前の室温抵抗率ρ0と熱サイク
ル後の室温抵抗率ρ1の変化から熱サイクル評価を行
い、ρ1/ρ0が2未満を○、2以上5未満を△、5以上
を×として評価した。これらの結果を表1に示す。
【0026】(実施例2) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物に対し、その
全体積の5vol%のガラス質材料を湿式ボールミルに
より混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
プレス成形し、さらに、得られた成形体について、窒素
気流中で荷重200Kg/cm2、1350℃で3時間
保持するホットプレスを施し、焼結体を得た。得られた
焼結体につき実施例1と同様の評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0027】(実施例3) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物に対し、その
全体積の10vol%のガラス質材料を湿式ボールミル
により混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
でプレス成形し、さらに、得られた成形体について、窒
素気流中で荷重200Kg/cm2、1350℃で3時
間保持するホットプレスを施し、焼結体を得た。得られ
た焼結体につき実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0028】(実施例4) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に、その全体積の5vol
%のガラス質材料を加え、石英粉末に対し1mol%の
炭酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミル
により混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm2
でプレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成
形して得られた成形体について、アルゴン気流中で15
00℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得
た。得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0029】(実施例5) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に、その全体積の20vo
l%のガラス質材料を加え、石英粉末に対し1mol%
の炭酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミ
ルにより混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm
2でプレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成
形して得られた成形体について、アルゴン気流中で15
00℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得
た。得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0030】(比較例1) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物をガラス質材
料を添加せず湿式ボールミルにより混合した。上記混合
物を荷重200Kg/cm2でプレス成形し、さらに、
得られた成形体について、窒素気流中で荷重200Kg
/cm2、1350℃で3時間保持するホットプレスを
施し、焼結体を得た。得られた焼結体につき実施例1と
同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0031】(比較例2) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物をガラス質材料を添加せ
ず、石英粉末に対し1mol%の炭酸水素ナトリウムの
存在下において、乾式ボールミルにより混合した。上記
混合物を荷重200Kg/cm2でプレス成形し、次い
で荷重7t/cm2で等方加圧成形して得られた成形体
について、アルゴン気流中で1500℃で3時間保持す
る常圧焼成を施し、焼結体を得た。得られた焼結体につ
き実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0032】(比較例3) 平均粒径1.2μmの粉末
石英及び平均粒径3.1μmの粉末金属モリブデンを7
5:25の比率とした混合物に、その全体積の30vo
l%のガラス質材料を加え、石英粉末に対し1mol%
の炭酸水素ナトリウムの存在下において、乾式ボールミ
ルにより混合した。上記混合物を荷重200Kg/cm
2でプレス成形し、次いで荷重7t/cm2で等方加圧成
形して得られた成形体について、アルゴン気流中で15
00℃で3時間保持する常圧焼成を施し、焼結体を得
た。得られた焼結体につき実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0033】(比較例4) 平均粒径0.8μmの粉末
クリストバライト及び平均粒径35μmの粉末ケイ化モ
リブデンを75:25の比率とした混合物をガラス質材
料を添加せず湿式ボールミルにより混合した。上記混合
物を荷重200Kg/cm2でプレス成形し、さらに、
得られた成形体について、窒素気流中で荷重200Kg
/cm2、1450℃で3時間保持するホットプレスを
施し、焼結体を得た。得られた焼結体につき実施例1と
同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】 実施例1〜5で示すように、ガラス質材
料を1〜20%添加した場合には、出発原料、混合方
法、焼成方法によらず低抵抗率、かつ、高ジャンプ率が
得られ、熱サイクル評価の結果も良好である。一方、比
較例1、2に示すように、ガラス質材料を添加しない場
合、実施例1〜5と同一条件では抵抗ジャンプは示すも
のの、相対密度が低下しており、熱サイクル後の電気抵
抗率の上昇もみられる。従って、ガラス質材料を添加し
ない場合には、比較例4に示すように焼成温度を高く設
定しなければ実施例1〜5と同等の相対密度が得ること
ができない。
【0036】 この結果はガラス質材料の添加によりS
iO2とフィラーの焼結が促進され、比較的低温でも高
密度の材料が得られることを示唆している。ただし、比
較例3に示すように20%を超えて過剰にガラス質材料
を添加した場合には、クリストバライトの体積分率減少
により導電パスの切断に必要な熱膨張が得られないた
め、抵抗ジャンプを示さなくなる。
【0037】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のコンポ
ジットPTC材料では、耐熱性を有し、通電損失が少な
く、又、素子作動時の材料の膨張に伴うクラックを生じ
ず、更には、繰り返し動作が可能となる。なお、PTC
材料の特性であるジャンプ率についても、3桁以上のジ
ャンプ率を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンポジットPTC材料の粒子構造
を示す概略図である。
【図2】 本発明の製造方法の例を示す工程図である。
【符号の説明】 1…クリストバライト、2…導電フィラー、3…ガラス
相(ガラス質材料)、4…反応相。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリストバライトを母材とし、 該母材と導電フィラーを含んで構成されるコンポジット
    PTC材料であって、 更に第三成分として前記母材と前記導電フィラーの合計
    体積の1〜20vol%のガラス質材料を含有し、か
    つ、室温抵抗率が10-1Ωcm以下であることを特徴と
    するコンポジットPTC材料。
  2. 【請求項2】 ガラス質材料の熱膨張係数が4×10-6
    〜12×10-6/Kである請求項1に記載のコンポジッ
    トPTC材料。
  3. 【請求項3】 ガラス質材料がホウケイ酸ガラスである
    請求項1又は2に記載のコンポジットPTC材料。
  4. 【請求項4】 導電フィラーの単味焼結体の室温抵抗率
    が10-3Ωcm以下である請求項1〜3のいずれかに記
    載のコンポジットPTC材料。
  5. 【請求項5】 導電フィラーの粒径が2〜50μmであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のコンポジットPTC
    材料。
  6. 【請求項6】 焼成後における相対密度が90%以上で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載のコンポジットPT
    C材料。
  7. 【請求項7】 導電フィラーが金属単体、金属ケイ化
    物、金属炭化物、金属ホウ化物のうちの少なくとも1種
    である請求項1〜6のいずれかに記載のコンポジットP
    TC材料。
  8. 【請求項8】 導電フィラーがMoSi2、WSi2、M
    o及びWのうちの少なくとも1種である請求項7に記載
    のコンポジットPTC材料。
  9. 【請求項9】 導電フィラーの添加率が10〜35vo
    l%である請求項1〜8のいずれかに記載のコンポジッ
    トPTC材料。
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