JPH0231481B2 - - Google Patents
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- JPH0231481B2 JPH0231481B2 JP57022228A JP2222882A JPH0231481B2 JP H0231481 B2 JPH0231481 B2 JP H0231481B2 JP 57022228 A JP57022228 A JP 57022228A JP 2222882 A JP2222882 A JP 2222882A JP H0231481 B2 JPH0231481 B2 JP H0231481B2
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Landscapes
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
Description
本発明は高電圧開閉器用抵抗体及びその製造法
に関する。 従来の抵抗体は、陶磁器製造原料として使用さ
れているケイ砂または高アルミナ質の骨材に陶石
等の長石質原料を結合材として配合し、抵抗率の
調整をカーボンブラツク等の添加量で行ない、こ
うして得た混合物を成形し、焼成したものが使用
されていた。 このような抵抗体は、例えば長石質が多いこと
から焼成組織中にガラス質が多く、またアルカリ
が導入されて含有するものとなつている点が指摘
し得る。粘土質の多いものは焼成組織中のムライ
ト質が多くなり、また長石質とケイ砂質の多いも
のは、磁器を焼結させ易くなることから気孔が少
なくなり、或はその気孔を均一に分散させること
も至難である。それ故、組織的に緻密で例えば曲
げ強さは300Kg/cm2以上となつて、必要とされる
充分な強度を有するものとなつている反面、大電
流を遮断する時に発生する、例えば500KV以上
のサージ電圧を発熱吸収させる目的に試用してみ
ると、もろく破壊してしまう。 図に示すように、外径127mm、内径41mm、厚さ
25.4mmのデイスク体2を作り、表裏面にメタリコ
ン電極1を真鍮もしくはアルミニウムで形成し
て、質量0.8Kgの試料が作られた。これについて
衝撃的なサージ電圧の持つ高電気エネルギーを発
熱吸収させるための高抵抗体組織のマトリツクス
相を調べると、不純物の高いガラス質は、0℃、
HF水溶液における溶解重量で測定すると、その
30〜35%に達する多量である。これは高温時でか
なりの電気伝導性を示すから、急激な発熱ととも
に抵抗値の低下が大となり、電気エネルギーを熱
に転換する効率は甚だ不満足なものといえる。し
かも高熱に対して安定で耐電気エネルギー量
500J/c.c.を達成しようとする場合、焼成組織中に
ガラス質が存在すると、これが達成できない原因
となる。 更に、多孔質を特質とする焼成組織マトリツク
ス相における実験的変化を追跡すると、径が4μ
m以上の気孔では組織の溶融現象がその壁面に認
められその内部で貫通放電が発生していることを
裏付けている。 一方、0.1μm以下の気孔が多い相対的に緻密な
組織部分には割れが多発している。高サージ電圧
を負荷した時の温度上昇率は、およそ3000〜4000
℃/secであるから、このような急激な熱膨張を
惹き起す熱歪力に耐えられずに割れたと考えるに
十分と思われる。 また、混入していたアルカリ金属酸化物は、そ
の一部が還元されている点も見出される。 このような基礎的技術事項を克服することを目
的とする本発明は、高電圧電流用開閉器を開動作
させる時に発生するアークの消弧手段を正常に機
能させるために必要な電気的並びに機械的特性に
優れた高電圧開閉器用抵抗体の開発及びその製造
法の開発に係り、特に、この目的のために不可欠
な特性、即ち、開放サージ高電圧を呼び込むに適
切な抵抗値を有し、かつ、このサージ高電圧を熱
エネルギーに転換してこれを消散させるために必
要な抵抗値の安定と熱割れ防止が達成された高電
圧開閉器用抵抗体並びにその製造法を提供する。 本発明は、良い結合性を示す活性の高い高純度
の酸化アルミニウム(以下アルミナという)粉体
を絶縁体成分として使用し、好ましくは当該アル
ミナ粉体の粒径が0.15mm以下のものを絶縁体粉末
とし、焼結体の成分割合が粘土粉体19.0〜49.5wt
%、アルミナ粉体49.5〜76.1wt%、カーボン粉体
1.0〜4.9wt%、更に好ましくは、粘土粉体29.4〜
39.4wt%、アルミナ粉体59.1〜68.6wt%、カーボ
ン粉体1.5〜2.0wt%であることを特徴とする高電
圧開閉器用抵抗体である。 上記アルミナ粉体は97%以上に高純度が好まし
いが、製造条件により純度を加減することができ
る。 本発明の組成は、従来技術の特徴であるけれど
も限界要因となつていたガラス質、ムライト質を
マトリツクス相から追放した上で所要の機械的強
度を満足するか、それ以上の強度増大も可能とな
つている。 電気絶縁成分のアルミナ粉末を使用することに
より電気絶縁成分自体に結合力をもたせ、結合材
成分を低くおさえても粉体焼結物の機械的強度を
十分高く維持できる。 この高純度アルミナ粉体は、その粒径が0.15mm
以下のものであることが好ましく、相対的に採用
する粒度を加減することができる。粒度は、粉体
焼結物中に形成される気孔を均一に分散させる結
果と相当な関係を有することが判明したからであ
る。しかもその気孔径を0.1〜4μmの分布範囲に
全気孔の80%以上を制御する重要な要因の一つで
あると推認された。アルミナ粉体との相対比率
29.4〜39.4wt%の粘土粉体は、0.1μm以下の小さ
すぎる気孔の発生を抑えて、また4μm以上の大
きすぎる気孔の発生を抑制する上で好適である。
導電体粉末を均一に分散させる媒介物としての作
用も大きく、抵抗値の偏倚防止に効果を上げる。
また焼成時に高純度アルミナ粒子間のマトリツク
ス相のガラス質の形成を抑制した上で、強度のあ
る粉体焼結組織を形成するための要因の一つと考
えられる。HFガスに対する耐蝕性も良好に改善
される。 このようにアルミナ粉体:粘土:カーボンが
49.5wt%〜76.1wt%:19.0〜49.5wt%:1〜
4.9wt%であることは、気孔率20〜30%で、0.1〜
4μmの径の気孔が全体の80%以上となる焼結体
を形成するための基本的要件と考えることができ
る。 そこで、製造のためには、粘土粉体とカーボン
粉体を、例えば、湿式混合手段を用いて一次混合
物として処置し、これに0.2mm、好ましくは、
0.15mm以下の粒度のアルミナ粉体を加え、例えば
撹拌混合手段により均一な第二次混合物にする。
この第二次混合物を粒度0.3mm以下、好ましくは、
0.25mm以下の粉末に処置する。成形体中の気孔分
布は偏倚を認め難い均一性を有し、20〜30%の見
掛気孔率は熱の急激な上昇に伴う熱歪を吸収する
に十分な空間容積を保有したことを明らかにし、
気孔径は0.1〜4μmのものが全体の80%以上を占
め、過小な気孔若しくは過大な気孔の発生は予期
以上に抑制され、また、それらの分散にも偏倚が
ほとんどなく、気孔分布の均一性は予期以上に高
度である。この分布の均一性は径が0.1〜4μmの
気孔壁の熱溶融の進行を効果的に妨げ、貫通放電
の限界を従来の大径気孔に較べ相当な水準を高め
得ることが認められた。 上記のように本発明抵抗体の製造法は、予め所
有の抵抗値を持つように調整された量の導電体粉
末を粘土粉体中に湿式混合して均一に分散させた
一次混合物を作り、これに高純度アルミナ粉体を
加えて混合し、均一分散状態の二次混合物を作
り、造粒工程、成形工程、焼成工程を経て粉体焼
結物とすることを特徴とする高電圧開閉器用抵抗
体の製造方法が好ましい。 開閉時のサージ高電気エネルギーを吸収するた
めに具備すべき条件の(イ)耐エネルギー量は、発熱
に伴う抵抗値の低下を食い止め、また急激な熱膨
張を機械的に吸収する能力を高めた結果、500J/
c.c.以上の電気−熱エネルギー転換能力を支えるこ
とができ、500KV〜1000KV以上のエネルギー吸
収を可能にし、(ロ)昇温速度は、3000〜4000℃/
sec(例えば1/10秒間の高電圧負荷による温度上昇
度を1回の印加で150〜200℃、2回の印加で230
℃、3回の印加で270℃にするテスト)に対して
も破壊に至らず、その急激で大きく働く熱歪力に
耐え、(ハ)抵抗変化率は、このように急激な温度上
昇に耐えて、0.1%℃以下に止め、サージ高電圧
の抑制消散を広い電圧範囲で確立し、開閉器のア
ーク消弧手段の機能を実質的に増大して高度な改
良効果を開閉器に広く波及させることができる。
またその製造法も気孔の均一分散と粒径分布の制
御のために、粘土粉体とカーボン粉体を先ず混合
し、後にアルミナ粉体を加えて均一分散状態の第
二次混合物とすることで初めて実現するものであ
り、本発明による気孔の均一分散、粒径分布の制
御は、これらに相関関係を有するアルミナ粉体の
混合を他の材料の混合と分離することにより初め
て完遂される。 本発明の実施例及び製造法は、下記表に掲げた
比較例とともに以下に説明される通りである。 実施例 1 水簸粘土35.3wt%、カーボンブラツク2wt%を
ボールミルで湿式混合し、均質な第1次混合物を
作り、これに純度97%、粒径0.15mm以下の電融ア
ルミナ粉体を62.7wt%相当配合し、ライカイ機で
撹拌混合し、第2次混合物を作り、これを粒径
0.25mm以下に造粒し、当該粉末を図示例の形状に
成形、焼成して粉体焼結抵抗体を得た。 この抵抗体は水銀圧入法による圧力と、水銀の
圧入容積との対比測定値から0.1〜4μm径に属す
る気孔が90%以上であり、かつ、その見掛気孔率
が22.6%であることが確められた。 上記例に従う電気エネルギー印加試験の結果は
良であり、超高電圧用抵抗体として好適である。 測定器はシマヅ−マイクロメリテイツクスポロ
シメーター903−1型(117〜0.006μmの気孔測定
可)、及びシマヅ−マイクロメリテイツクス ポ
アサイザ 9300(500〜0.006μmの気孔測定可)が
用いられた。 実施例 2 純度97%、粒径0.15mm以下の焼成アルミナ粉体
62.7wt%を配合して得た二次混合物を用いて製造
された抵抗体は、見掛気孔率が27.3%0.1〜4μm
径に属する気孔の占有率が85%、上記例に従う電
気エネルギー印加試験結果は良であつた。
500KV〜1000KV以上の超高電圧開閉器用抵抗体
として好適である。 参考に供される比較例1ないし9について、比
較例1は、粒度1mm以下で49.0wt%分のケイ砂
と、SiO2の含有率70%で49.0wt%分の服部陶石
と、2wt%分のカーボンブラツクとから得た焼結
体の特性を示し、見掛気孔率は僅か8.7%にすぎ
ず電気エネルギー印加試験は割れの結果が出てい
る。 比較例2〜9は、アルミナ粉体の粒径が1mm以
下、0.5mm以下、0.15mm以下のそれぞれに対し、
結合体粉末の服部陶石、田尾陶石、水簸粘土を組
合せ、見掛気孔率0.1〜4μm径に属する気孔の割
合の変化を例示した。同様の電気エネルギー印加
試験結果は見掛気孔率及び所定径外の気孔割合に
より、割れ、又は、貫通放電を起すことが確めら
れた。カーボン及びアルミナ粉体を均一に分散さ
せるために使用する粘土は、予期以上に重要であ
ることが確められた結果、配合する粘土はその使
用割合ばかりでなく、カーボン粉体及びアルミナ
粉体に対して分散性の良い品種が選ばれるべきで
ある。 また、見掛気孔率が20%以上である比較例2、
或は8は所定径内に属する気孔の割合が80%以下
であつていずれも貫通放電を起し、抵抗値の急激
な変化と惹き起している。 あるいは、所定径外の気孔の割合が多く、見掛
気孔率が20%以下のものは、貫通放電によるトラ
ブルより割れのトラブルが容易に発生すから、こ
れらの特性値は、高電圧開閉器用抵抗体のため非
常に重要である。
に関する。 従来の抵抗体は、陶磁器製造原料として使用さ
れているケイ砂または高アルミナ質の骨材に陶石
等の長石質原料を結合材として配合し、抵抗率の
調整をカーボンブラツク等の添加量で行ない、こ
うして得た混合物を成形し、焼成したものが使用
されていた。 このような抵抗体は、例えば長石質が多いこと
から焼成組織中にガラス質が多く、またアルカリ
が導入されて含有するものとなつている点が指摘
し得る。粘土質の多いものは焼成組織中のムライ
ト質が多くなり、また長石質とケイ砂質の多いも
のは、磁器を焼結させ易くなることから気孔が少
なくなり、或はその気孔を均一に分散させること
も至難である。それ故、組織的に緻密で例えば曲
げ強さは300Kg/cm2以上となつて、必要とされる
充分な強度を有するものとなつている反面、大電
流を遮断する時に発生する、例えば500KV以上
のサージ電圧を発熱吸収させる目的に試用してみ
ると、もろく破壊してしまう。 図に示すように、外径127mm、内径41mm、厚さ
25.4mmのデイスク体2を作り、表裏面にメタリコ
ン電極1を真鍮もしくはアルミニウムで形成し
て、質量0.8Kgの試料が作られた。これについて
衝撃的なサージ電圧の持つ高電気エネルギーを発
熱吸収させるための高抵抗体組織のマトリツクス
相を調べると、不純物の高いガラス質は、0℃、
HF水溶液における溶解重量で測定すると、その
30〜35%に達する多量である。これは高温時でか
なりの電気伝導性を示すから、急激な発熱ととも
に抵抗値の低下が大となり、電気エネルギーを熱
に転換する効率は甚だ不満足なものといえる。し
かも高熱に対して安定で耐電気エネルギー量
500J/c.c.を達成しようとする場合、焼成組織中に
ガラス質が存在すると、これが達成できない原因
となる。 更に、多孔質を特質とする焼成組織マトリツク
ス相における実験的変化を追跡すると、径が4μ
m以上の気孔では組織の溶融現象がその壁面に認
められその内部で貫通放電が発生していることを
裏付けている。 一方、0.1μm以下の気孔が多い相対的に緻密な
組織部分には割れが多発している。高サージ電圧
を負荷した時の温度上昇率は、およそ3000〜4000
℃/secであるから、このような急激な熱膨張を
惹き起す熱歪力に耐えられずに割れたと考えるに
十分と思われる。 また、混入していたアルカリ金属酸化物は、そ
の一部が還元されている点も見出される。 このような基礎的技術事項を克服することを目
的とする本発明は、高電圧電流用開閉器を開動作
させる時に発生するアークの消弧手段を正常に機
能させるために必要な電気的並びに機械的特性に
優れた高電圧開閉器用抵抗体の開発及びその製造
法の開発に係り、特に、この目的のために不可欠
な特性、即ち、開放サージ高電圧を呼び込むに適
切な抵抗値を有し、かつ、このサージ高電圧を熱
エネルギーに転換してこれを消散させるために必
要な抵抗値の安定と熱割れ防止が達成された高電
圧開閉器用抵抗体並びにその製造法を提供する。 本発明は、良い結合性を示す活性の高い高純度
の酸化アルミニウム(以下アルミナという)粉体
を絶縁体成分として使用し、好ましくは当該アル
ミナ粉体の粒径が0.15mm以下のものを絶縁体粉末
とし、焼結体の成分割合が粘土粉体19.0〜49.5wt
%、アルミナ粉体49.5〜76.1wt%、カーボン粉体
1.0〜4.9wt%、更に好ましくは、粘土粉体29.4〜
39.4wt%、アルミナ粉体59.1〜68.6wt%、カーボ
ン粉体1.5〜2.0wt%であることを特徴とする高電
圧開閉器用抵抗体である。 上記アルミナ粉体は97%以上に高純度が好まし
いが、製造条件により純度を加減することができ
る。 本発明の組成は、従来技術の特徴であるけれど
も限界要因となつていたガラス質、ムライト質を
マトリツクス相から追放した上で所要の機械的強
度を満足するか、それ以上の強度増大も可能とな
つている。 電気絶縁成分のアルミナ粉末を使用することに
より電気絶縁成分自体に結合力をもたせ、結合材
成分を低くおさえても粉体焼結物の機械的強度を
十分高く維持できる。 この高純度アルミナ粉体は、その粒径が0.15mm
以下のものであることが好ましく、相対的に採用
する粒度を加減することができる。粒度は、粉体
焼結物中に形成される気孔を均一に分散させる結
果と相当な関係を有することが判明したからであ
る。しかもその気孔径を0.1〜4μmの分布範囲に
全気孔の80%以上を制御する重要な要因の一つで
あると推認された。アルミナ粉体との相対比率
29.4〜39.4wt%の粘土粉体は、0.1μm以下の小さ
すぎる気孔の発生を抑えて、また4μm以上の大
きすぎる気孔の発生を抑制する上で好適である。
導電体粉末を均一に分散させる媒介物としての作
用も大きく、抵抗値の偏倚防止に効果を上げる。
また焼成時に高純度アルミナ粒子間のマトリツク
ス相のガラス質の形成を抑制した上で、強度のあ
る粉体焼結組織を形成するための要因の一つと考
えられる。HFガスに対する耐蝕性も良好に改善
される。 このようにアルミナ粉体:粘土:カーボンが
49.5wt%〜76.1wt%:19.0〜49.5wt%:1〜
4.9wt%であることは、気孔率20〜30%で、0.1〜
4μmの径の気孔が全体の80%以上となる焼結体
を形成するための基本的要件と考えることができ
る。 そこで、製造のためには、粘土粉体とカーボン
粉体を、例えば、湿式混合手段を用いて一次混合
物として処置し、これに0.2mm、好ましくは、
0.15mm以下の粒度のアルミナ粉体を加え、例えば
撹拌混合手段により均一な第二次混合物にする。
この第二次混合物を粒度0.3mm以下、好ましくは、
0.25mm以下の粉末に処置する。成形体中の気孔分
布は偏倚を認め難い均一性を有し、20〜30%の見
掛気孔率は熱の急激な上昇に伴う熱歪を吸収する
に十分な空間容積を保有したことを明らかにし、
気孔径は0.1〜4μmのものが全体の80%以上を占
め、過小な気孔若しくは過大な気孔の発生は予期
以上に抑制され、また、それらの分散にも偏倚が
ほとんどなく、気孔分布の均一性は予期以上に高
度である。この分布の均一性は径が0.1〜4μmの
気孔壁の熱溶融の進行を効果的に妨げ、貫通放電
の限界を従来の大径気孔に較べ相当な水準を高め
得ることが認められた。 上記のように本発明抵抗体の製造法は、予め所
有の抵抗値を持つように調整された量の導電体粉
末を粘土粉体中に湿式混合して均一に分散させた
一次混合物を作り、これに高純度アルミナ粉体を
加えて混合し、均一分散状態の二次混合物を作
り、造粒工程、成形工程、焼成工程を経て粉体焼
結物とすることを特徴とする高電圧開閉器用抵抗
体の製造方法が好ましい。 開閉時のサージ高電気エネルギーを吸収するた
めに具備すべき条件の(イ)耐エネルギー量は、発熱
に伴う抵抗値の低下を食い止め、また急激な熱膨
張を機械的に吸収する能力を高めた結果、500J/
c.c.以上の電気−熱エネルギー転換能力を支えるこ
とができ、500KV〜1000KV以上のエネルギー吸
収を可能にし、(ロ)昇温速度は、3000〜4000℃/
sec(例えば1/10秒間の高電圧負荷による温度上昇
度を1回の印加で150〜200℃、2回の印加で230
℃、3回の印加で270℃にするテスト)に対して
も破壊に至らず、その急激で大きく働く熱歪力に
耐え、(ハ)抵抗変化率は、このように急激な温度上
昇に耐えて、0.1%℃以下に止め、サージ高電圧
の抑制消散を広い電圧範囲で確立し、開閉器のア
ーク消弧手段の機能を実質的に増大して高度な改
良効果を開閉器に広く波及させることができる。
またその製造法も気孔の均一分散と粒径分布の制
御のために、粘土粉体とカーボン粉体を先ず混合
し、後にアルミナ粉体を加えて均一分散状態の第
二次混合物とすることで初めて実現するものであ
り、本発明による気孔の均一分散、粒径分布の制
御は、これらに相関関係を有するアルミナ粉体の
混合を他の材料の混合と分離することにより初め
て完遂される。 本発明の実施例及び製造法は、下記表に掲げた
比較例とともに以下に説明される通りである。 実施例 1 水簸粘土35.3wt%、カーボンブラツク2wt%を
ボールミルで湿式混合し、均質な第1次混合物を
作り、これに純度97%、粒径0.15mm以下の電融ア
ルミナ粉体を62.7wt%相当配合し、ライカイ機で
撹拌混合し、第2次混合物を作り、これを粒径
0.25mm以下に造粒し、当該粉末を図示例の形状に
成形、焼成して粉体焼結抵抗体を得た。 この抵抗体は水銀圧入法による圧力と、水銀の
圧入容積との対比測定値から0.1〜4μm径に属す
る気孔が90%以上であり、かつ、その見掛気孔率
が22.6%であることが確められた。 上記例に従う電気エネルギー印加試験の結果は
良であり、超高電圧用抵抗体として好適である。 測定器はシマヅ−マイクロメリテイツクスポロ
シメーター903−1型(117〜0.006μmの気孔測定
可)、及びシマヅ−マイクロメリテイツクス ポ
アサイザ 9300(500〜0.006μmの気孔測定可)が
用いられた。 実施例 2 純度97%、粒径0.15mm以下の焼成アルミナ粉体
62.7wt%を配合して得た二次混合物を用いて製造
された抵抗体は、見掛気孔率が27.3%0.1〜4μm
径に属する気孔の占有率が85%、上記例に従う電
気エネルギー印加試験結果は良であつた。
500KV〜1000KV以上の超高電圧開閉器用抵抗体
として好適である。 参考に供される比較例1ないし9について、比
較例1は、粒度1mm以下で49.0wt%分のケイ砂
と、SiO2の含有率70%で49.0wt%分の服部陶石
と、2wt%分のカーボンブラツクとから得た焼結
体の特性を示し、見掛気孔率は僅か8.7%にすぎ
ず電気エネルギー印加試験は割れの結果が出てい
る。 比較例2〜9は、アルミナ粉体の粒径が1mm以
下、0.5mm以下、0.15mm以下のそれぞれに対し、
結合体粉末の服部陶石、田尾陶石、水簸粘土を組
合せ、見掛気孔率0.1〜4μm径に属する気孔の割
合の変化を例示した。同様の電気エネルギー印加
試験結果は見掛気孔率及び所定径外の気孔割合に
より、割れ、又は、貫通放電を起すことが確めら
れた。カーボン及びアルミナ粉体を均一に分散さ
せるために使用する粘土は、予期以上に重要であ
ることが確められた結果、配合する粘土はその使
用割合ばかりでなく、カーボン粉体及びアルミナ
粉体に対して分散性の良い品種が選ばれるべきで
ある。 また、見掛気孔率が20%以上である比較例2、
或は8は所定径内に属する気孔の割合が80%以下
であつていずれも貫通放電を起し、抵抗値の急激
な変化と惹き起している。 あるいは、所定径外の気孔の割合が多く、見掛
気孔率が20%以下のものは、貫通放電によるトラ
ブルより割れのトラブルが容易に発生すから、こ
れらの特性値は、高電圧開閉器用抵抗体のため非
常に重要である。
【表】
図面は本発明の高電圧開閉器用抵抗体として形
成される形状の一例を示し、実際にはこのような
単位を組み合せて使用される。 1……電極、2……デイスク(抵抗体本体)。
成される形状の一例を示し、実際にはこのような
単位を組み合せて使用される。 1……電極、2……デイスク(抵抗体本体)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粘土と電気絶縁体粉末とカーボンを焼結して
得る高電圧開閉器用抵抗体であつて、電気絶縁体
粉末として酸化アルミニウム粉体が配合されて焼
結体中の気孔群の大小気孔を相互に均一的に分散
させたことを特徴とする高電圧開閉器用抵抗体で
あつて、前記焼結体成分の割合が粘土粉末19.0〜
49.5wt%、酸化アルミニウム粉体49.5〜76.1wt
%、カーボン粉体1.0〜4.9wt%であり、焼結体気
孔率が10〜30%であり、0.1〜4μm径に属する気
孔の割合が全気孔の80%以上であることを特徴と
する高電圧開閉器用抵抗体。 2 焼結体成分の割合が粘土粉体29.4〜39.4wt
%、酸化アルミニウム粉体59.1〜68.6wt%、カー
ボン粉体1.5〜2.0wt%であることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の抵抗体。 3 酸化アルミニウム粉体の純度が97%以上であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし
第2項記載の抵抗体。 4 水簸粘土が配合されたことを特徴とする特許
請求の範囲第1項ないし第2項記載の抵抗体。 5 焼結体組成中のガラス質が10%以下であるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4
項記載の抵抗体。 6 全体の29.4〜39.4wt%の粘土粉体と全体の1.5
〜2.0wt%のカーボン粉体とを均一に混合して第
1次混合物を作る工程と、前記第1次混合物に対
して全体の59.1〜68.6wt%の酸化アルミニウム粉
体を均一混合して第2次混合物を作る工程と、前
記第2次混合物を粉末にする粉末化工程と、前記
第2次混合物の粉末を焼結する焼結工程とからな
ることを特徴とする高電圧開閉器用抵抗体の製造
法。 7 粒度0.25mm以下にする上記粉末化工程で特徴
づけられる特許請求の範囲第6項記載の製造法。 8 上記第1次混合物に対して粒度0.15mm以下の
酸化アルミニウム粉体を均一混合して第2次混合
物を作る工程により特徴づけられる特許請求の範
囲第6項または第7項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57022228A JPS58139401A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 高電圧開閉器用抵抗体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57022228A JPS58139401A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 高電圧開閉器用抵抗体およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58139401A JPS58139401A (ja) | 1983-08-18 |
JPH0231481B2 true JPH0231481B2 (ja) | 1990-07-13 |
Family
ID=12076936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57022228A Granted JPS58139401A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 高電圧開閉器用抵抗体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58139401A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05101907A (ja) * | 1991-03-30 | 1993-04-23 | Toshiba Corp | 電力用遮断器および電力用抵抗体 |
JP3212672B2 (ja) * | 1992-03-12 | 2001-09-25 | 株式会社東芝 | 電力用抵抗体 |
JP3777472B2 (ja) * | 1996-07-22 | 2006-05-24 | 東海高熱工業株式会社 | 高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5417154A (en) * | 1977-06-09 | 1979-02-08 | Naito Rikuyoshi | Preserving of edible meats |
-
1982
- 1982-02-15 JP JP57022228A patent/JPS58139401A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5417154A (en) * | 1977-06-09 | 1979-02-08 | Naito Rikuyoshi | Preserving of edible meats |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58139401A (ja) | 1983-08-18 |
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