JP3212672B2 - 電力用抵抗体 - Google Patents
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- H01C7/10—Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material voltage responsive, i.e. varistors
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- H01H33/02—Details
- H01H33/04—Means for extinguishing or preventing arc between current-carrying parts
- H01H33/16—Impedances connected with contacts
- H01H33/165—Details concerning the impedances
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- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力機器等のサージの
吸収に好適な電力用抵抗体に関する。
吸収に好適な電力用抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、遮断器等の電流制御用、電動機の
始動・回生に伴う各種制御用、また送電系統異常発生時
における接点用として、種々の電力用抵抗器が用いられ
ている。これら抵抗器は、金属抵抗体、セラミック抵抗
体、種々の複合体により構成されている。
始動・回生に伴う各種制御用、また送電系統異常発生時
における接点用として、種々の電力用抵抗器が用いられ
ている。これら抵抗器は、金属抵抗体、セラミック抵抗
体、種々の複合体により構成されている。
【0003】例えば、高電圧用遮断器には、開閉時に発
生するサージを吸収したり遮断容量を増加させるために
遮断接点と並列に投入抵抗体が接続される。このような
目的に用いられる抵抗体として、従来、例えば特開昭5
8−139401号公報に記載されているような炭素粒
子分散型セラミック抵抗体が用いられている。前記抵抗
体は、絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に、導電性のカ
ーボン粉末を分散させ粘土で焼き固めたもので、100
〜2500Ω・cmの抵抗率を持つ。
生するサージを吸収したり遮断容量を増加させるために
遮断接点と並列に投入抵抗体が接続される。このような
目的に用いられる抵抗体として、従来、例えば特開昭5
8−139401号公報に記載されているような炭素粒
子分散型セラミック抵抗体が用いられている。前記抵抗
体は、絶縁性の酸化アルミニウム結晶中に、導電性のカ
ーボン粉末を分散させ粘土で焼き固めたもので、100
〜2500Ω・cmの抵抗率を持つ。
【0004】前記炭素粒子分散型セラミック抵抗体は、
カーボン粉末の含有量を調整することで抵抗率を変化さ
せることができる利点があるが、気孔率が10〜30%
と高く緻密性に劣るため、以下の問題がある。すなわ
ち、体積当りの熱容量が2J/cm3 ・deg 程度と小さ
いために、サージの吸収による発熱に伴って温度が著し
く上昇する。また、開閉サージ吸収時にカーボン粉末間
で放電を起こしたり、抵抗温度係数が負であることか
ら、貫通破壊し易くエネルギー耐量が小さくなる。更
に、前記抵抗体を高い温度にさらすと、抵抗値を制御し
ている炭素粒子が酸化されるため、大きな抵抗値変動を
発生する。その結果、かかる抵抗体を用いた遮断器は抵
抗体を格納するスペースが大きくなるとともに、信頼性
を確保するために遮断容量を低く抑える必要があった。
カーボン粉末の含有量を調整することで抵抗率を変化さ
せることができる利点があるが、気孔率が10〜30%
と高く緻密性に劣るため、以下の問題がある。すなわ
ち、体積当りの熱容量が2J/cm3 ・deg 程度と小さ
いために、サージの吸収による発熱に伴って温度が著し
く上昇する。また、開閉サージ吸収時にカーボン粉末間
で放電を起こしたり、抵抗温度係数が負であることか
ら、貫通破壊し易くエネルギー耐量が小さくなる。更
に、前記抵抗体を高い温度にさらすと、抵抗値を制御し
ている炭素粒子が酸化されるため、大きな抵抗値変動を
発生する。その結果、かかる抵抗体を用いた遮断器は抵
抗体を格納するスペースが大きくなるとともに、信頼性
を確保するために遮断容量を低く抑える必要があった。
【0005】さらに、近年の技術開発による遮断器の小
型化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗体の小型化が望
まれている。投入抵抗器を小形化するためには、使用さ
れる抵抗体の単位体積当たりの熱容量が大きいことが不
可欠である。従来の抵抗体は、既述したように2J/c
m3 ・deg 程度と小さいために、これ以上投入抵抗体を
小型化することが困難である。
型化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗体の小型化が望
まれている。投入抵抗器を小形化するためには、使用さ
れる抵抗体の単位体積当たりの熱容量が大きいことが不
可欠である。従来の抵抗体は、既述したように2J/c
m3 ・deg 程度と小さいために、これ以上投入抵抗体を
小型化することが困難である。
【0006】一方、一般的な抵抗体として酸化亜鉛を主
成分とし、これに酸化チタン(TiO2 )および酸化ニ
ッケル(NiO)を添加した組成の酸化亜鉛基セラミッ
クが知られている。しかしながら、かかる抵抗体は電力
用としての性能および適用、さらには投入抵抗体として
実用に至っていない。
成分とし、これに酸化チタン(TiO2 )および酸化ニ
ッケル(NiO)を添加した組成の酸化亜鉛基セラミッ
クが知られている。しかしながら、かかる抵抗体は電力
用としての性能および適用、さらには投入抵抗体として
実用に至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、単位
体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を提供しようとするものである。
体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電力用抵抗
体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分として
チタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜2
0モル%、コバルトを酸化コバルト(CoO)に換算し
て0.5〜30モル%含む焼結体を具備し、前記焼成体
は、酸化亜鉛粒子とZnO、TiO2およびCoOを成
分とするスピネル粒子とから構成され、かつ前記酸化亜
鉛粒子はTiがTiO2換算で0.005〜0.1モル
%固溶された組成を有することを特徴とするものであ
る。
体は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分として
チタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して0.5〜2
0モル%、コバルトを酸化コバルト(CoO)に換算し
て0.5〜30モル%含む焼結体を具備し、前記焼成体
は、酸化亜鉛粒子とZnO、TiO2およびCoOを成
分とするスピネル粒子とから構成され、かつ前記酸化亜
鉛粒子はTiがTiO2換算で0.005〜0.1モル
%固溶された組成を有することを特徴とするものであ
る。
【0009】前記焼結体中の副成分の配合割合を限定し
た理由について以下に説明する。
た理由について以下に説明する。
【0010】前記焼結体中のチタン量を酸化チタン(T
iO2 )に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗温
度係数が負で、かつ抵抗温度係数の絶対値が大きくなる
ため、良好な特性を有する投入抵抗体を得ることができ
なくなる。一方、前記焼結体中のチタン量が酸化チタン
(TiO2 )に換算して15モル%を越えると、抵抗率
が104 Ωcm以上と大きくなり、良好な特性を有する
投入抵抗体を得ることができなくなる。
iO2 )に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗温
度係数が負で、かつ抵抗温度係数の絶対値が大きくなる
ため、良好な特性を有する投入抵抗体を得ることができ
なくなる。一方、前記焼結体中のチタン量が酸化チタン
(TiO2 )に換算して15モル%を越えると、抵抗率
が104 Ωcm以上と大きくなり、良好な特性を有する
投入抵抗体を得ることができなくなる。
【0011】前記焼結体中のコバルト量を酸化コバルト
(CoO)に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗
率が約102 Ωcm以下となり、良好な特性を有する投
入抵抗体を得ることができなくなる。一方、前記焼結体
中のコバルト量を酸化コバルト(CoO)に換算して3
0モル%範囲を越えると、単位体積当たりの熱容量は大
きくなるものの、抵抗率が104 Ωcm以上と大きくな
り、同様に良好な特性を有する投入抵抗体を得ることが
できなくなる。
(CoO)に換算して0.5モル%未満にすると、抵抗
率が約102 Ωcm以下となり、良好な特性を有する投
入抵抗体を得ることができなくなる。一方、前記焼結体
中のコバルト量を酸化コバルト(CoO)に換算して3
0モル%範囲を越えると、単位体積当たりの熱容量は大
きくなるものの、抵抗率が104 Ωcm以上と大きくな
り、同様に良好な特性を有する投入抵抗体を得ることが
できなくなる。
【0012】前記焼成体は、酸化亜鉛粒子とZnO、T
iO2およびCoOを成分とするスピネル粒子とから構
成され、かつ前記酸化亜鉛粒子はTiがTiO2換算で
0.005〜0.1モル%固溶された組成を有する。前
記酸化亜鉛粒子へのTiの固溶量がTiO2換算で前記
範囲を逸脱すると、サージ吸収による抵抗値変化を小さ
い電力用抵抗体を得ることが困難になる。
iO2およびCoOを成分とするスピネル粒子とから構
成され、かつ前記酸化亜鉛粒子はTiがTiO2換算で
0.005〜0.1モル%固溶された組成を有する。前
記酸化亜鉛粒子へのTiの固溶量がTiO2換算で前記
範囲を逸脱すると、サージ吸収による抵抗値変化を小さ
い電力用抵抗体を得ることが困難になる。
【0013】本発明に係わる電力用抵抗体は、図1に示
すように前述した組成および構成を有する環状の焼結体
1と、前記焼結体1の両面に設けられた電極2と、前記
焼結体1の外周面および中空部の内周面に被覆され、側
面での沿面放電を防止するための絶縁層3とから構成さ
れている。前記電極2は、アルミニウムまたはニッケル
などから形成されることが望ましい。前記絶縁層3は、
樹脂又はガラスやガラスセラミックから形成することが
望ましい。
すように前述した組成および構成を有する環状の焼結体
1と、前記焼結体1の両面に設けられた電極2と、前記
焼結体1の外周面および中空部の内周面に被覆され、側
面での沿面放電を防止するための絶縁層3とから構成さ
れている。前記電極2は、アルミニウムまたはニッケル
などから形成されることが望ましい。前記絶縁層3は、
樹脂又はガラスやガラスセラミックから形成することが
望ましい。
【0014】本発明に係わる電力用抵抗体は、例えば以
下に説明する方法により製造される。
下に説明する方法により製造される。
【0015】まず、酸化亜鉛粉末に所定量の酸化チタン
粉末および酸化コバルト粉末を加え、さらに水およびバ
インダーを加え、ボールミル中で十分に混合する。得ら
れた混合物を乾燥後、造粒し、成形する。この時の成形
圧力は、焼結体の密度を高めるために200kg/cm
2 以上であることが望ましい。前記圧力未満で成形する
と、焼結体の相対密度が上がらず、単位体積当たりの熱
容量が低下する恐れがある。つづいて、成形体を電気炉
等により焼成する。かかる焼成時の雰囲気は、空気中の
他、酸素ガス中などの酸化性雰囲気中で行なうことがで
きる。前記焼成温度は1000℃〜1500℃、より好
ましくは1300〜1500℃で行なうことが望まし
い。焼成温度を1000℃未満にすると、焼結が進ま
ず、相対密度が低くなる。その結果、抵抗体の単位体積
当りの熱容量が小さくなり、サージ耐量が小さくなる恐
れがある。一方、1500℃を越えると焼結体の成分元
素、特にコバルト成分の蒸発し易くなる。蒸発による組
成変動は特に焼結体の表面に近いほど著しいため、焼結
体内部に抵抗率分布ができ、エネルギーを吸収発熱した
際、温度分布が生じて、熱応力によって焼結体が破壊さ
れる恐れがある。
粉末および酸化コバルト粉末を加え、さらに水およびバ
インダーを加え、ボールミル中で十分に混合する。得ら
れた混合物を乾燥後、造粒し、成形する。この時の成形
圧力は、焼結体の密度を高めるために200kg/cm
2 以上であることが望ましい。前記圧力未満で成形する
と、焼結体の相対密度が上がらず、単位体積当たりの熱
容量が低下する恐れがある。つづいて、成形体を電気炉
等により焼成する。かかる焼成時の雰囲気は、空気中の
他、酸素ガス中などの酸化性雰囲気中で行なうことがで
きる。前記焼成温度は1000℃〜1500℃、より好
ましくは1300〜1500℃で行なうことが望まし
い。焼成温度を1000℃未満にすると、焼結が進ま
ず、相対密度が低くなる。その結果、抵抗体の単位体積
当りの熱容量が小さくなり、サージ耐量が小さくなる恐
れがある。一方、1500℃を越えると焼結体の成分元
素、特にコバルト成分の蒸発し易くなる。蒸発による組
成変動は特に焼結体の表面に近いほど著しいため、焼結
体内部に抵抗率分布ができ、エネルギーを吸収発熱した
際、温度分布が生じて、熱応力によって焼結体が破壊さ
れる恐れがある。
【0016】前記焼成工程において、900〜1200
℃までの降温速度を20〜300℃/時間とし、この温
度から以降を急冷(炉中放冷)を行うことによって、前
述したように焼結体中の酸化亜鉛粒子へのチタンの固溶
量を制御することができる。この場合、焼成温度が高い
時には降温速度を小さくし、急冷開始温度は低くするこ
とが望ましい。逆に、焼成温度が低い時には降温速度を
大きくし、急冷開始温度を高くすることが望ましい。こ
のような冷却パターンの選択により、酸化亜鉛粒子への
チタン(酸化チタン)の固溶量を所定範囲に制御するこ
とができる。ただし、前記プロセス条件は焼結体の全体
組成により調整する必要がある。
℃までの降温速度を20〜300℃/時間とし、この温
度から以降を急冷(炉中放冷)を行うことによって、前
述したように焼結体中の酸化亜鉛粒子へのチタンの固溶
量を制御することができる。この場合、焼成温度が高い
時には降温速度を小さくし、急冷開始温度は低くするこ
とが望ましい。逆に、焼成温度が低い時には降温速度を
大きくし、急冷開始温度を高くすることが望ましい。こ
のような冷却パターンの選択により、酸化亜鉛粒子への
チタン(酸化チタン)の固溶量を所定範囲に制御するこ
とができる。ただし、前記プロセス条件は焼結体の全体
組成により調整する必要がある。
【0017】次いで、焼結体の両主面を研磨し、スパッ
タリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミニウ
ムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化物直
線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部の内
周面は、必要に応じて、樹脂系あるいは無機系の絶縁層
(高抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等により形成され
る。
タリング、溶射、焼き付けなどの手段によりアルミニウ
ムまたはニッケルなどからなる電極を形成して酸化物直
線抵抗体とする。前記抵抗体の外周面および中空部の内
周面は、必要に応じて、樹脂系あるいは無機系の絶縁層
(高抵抗層)が焼き付けもしくは溶射等により形成され
る。
【0018】なお、前記抵抗体は基本的に前述した構成
成分が配合されていればよく、製造上および特性改善を
目的として必要に応じて他の添加物を含んでもよい。ま
た、前記抵抗素子の構造は中空円筒の形状が好ましい
が、これに限定されるものではなく、遮断器の抵抗体ス
ペースに好適な形状とすればよい。
成分が配合されていればよく、製造上および特性改善を
目的として必要に応じて他の添加物を含んでもよい。ま
た、前記抵抗素子の構造は中空円筒の形状が好ましい
が、これに限定されるものではなく、遮断器の抵抗体ス
ペースに好適な形状とすればよい。
【0019】
【作用】本発明によれば、焼成体が酸化亜鉛(ZnO)
を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン(Ti
O2 )に換算して0.5〜20モル%、コバルトを酸化
コバルト(CoO)に換算して0.5〜30モル%含む
組成を有し、かつ酸化亜鉛粒子とZnO、TiO2およ
びCoOを成分とするスピネル粒子とから構成されると
ともに、前記酸化亜鉛粒子はTiがTiO2換算で0.
005〜0.1モル%固溶された組成を有するため、単
位体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を得ることができる。特に、前記抵
抗温度係数が正となる主な原因はその構成相によるもの
とである。
を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン(Ti
O2 )に換算して0.5〜20モル%、コバルトを酸化
コバルト(CoO)に換算して0.5〜30モル%含む
組成を有し、かつ酸化亜鉛粒子とZnO、TiO2およ
びCoOを成分とするスピネル粒子とから構成されると
ともに、前記酸化亜鉛粒子はTiがTiO2換算で0.
005〜0.1モル%固溶された組成を有するため、単
位体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を得ることができる。特に、前記抵
抗温度係数が正となる主な原因はその構成相によるもの
とである。
【0020】すなわち、図2に示すように酸化亜鉛(Z
nO)を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.5〜20モル%、コバルト
を酸化コバルト(CoO)に換算して0.5〜30モル
%含む組成の焼結体は、ZnO粒子とスピネル粒子(Z
n1-x Cox )2 TiO4 )からなるため、前記組成範
囲内で抵抗温度係数は常に正になる。
nO)を主成分とし、副成分としてチタンを酸化チタン
(TiO2 )に換算して0.5〜20モル%、コバルト
を酸化コバルト(CoO)に換算して0.5〜30モル
%含む組成の焼結体は、ZnO粒子とスピネル粒子(Z
n1-x Cox )2 TiO4 )からなるため、前記組成範
囲内で抵抗温度係数は常に正になる。
【0021】さらに、前記焼結体の構造は酸化亜鉛粒子
とスピネル粒子とからなり、酸化亜鉛粒子に固溶する酸
化チタンの量は0.005モル%以上で抵抗温度係数が
正の値になり、また0.1モル%以下で抵抗変化率が小
さく、抵抗体の性能を改善できる。
とスピネル粒子とからなり、酸化亜鉛粒子に固溶する酸
化チタンの量は0.005モル%以上で抵抗温度係数が
正の値になり、また0.1モル%以下で抵抗変化率が小
さく、抵抗体の性能を改善できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】実施例1〜16および参照例1〜3、比較
例1 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.5μmの酸化コバルト(CoO)と平
均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )を下記表2
に示す割合で配合し、純水溶媒中、樹脂製ボールミルと
ジルコニア製粉砕媒体を用いて24時間湿式混合した。
これらスラリーを乾燥した後、バインダとしてポリビニ
ルアルコール水溶液をそれぞれ所定量添加混合し、篩を
通して造粒粉とした。これら造粒粉を、圧力500kg
/cm2 で外径148mm、内径48mm、高さ32m
mの環状体となるようにそれぞれ金型成形した。これら
成形体を、脱バインダした後、酸化アルミニウム製容器
の中に入れ、空気中で2時間焼成を行った。この時の焼
成温度、降温速度、冷却開始温度を下記表1に示す。そ
の後、炉中放冷に急冷を行った。
例1 まず、平均粒径0.2μmの酸化亜鉛(ZnO)粉末
に、平均粒径0.5μmの酸化コバルト(CoO)と平
均粒径0.7μmの酸化チタン(TiO2 )を下記表2
に示す割合で配合し、純水溶媒中、樹脂製ボールミルと
ジルコニア製粉砕媒体を用いて24時間湿式混合した。
これらスラリーを乾燥した後、バインダとしてポリビニ
ルアルコール水溶液をそれぞれ所定量添加混合し、篩を
通して造粒粉とした。これら造粒粉を、圧力500kg
/cm2 で外径148mm、内径48mm、高さ32m
mの環状体となるようにそれぞれ金型成形した。これら
成形体を、脱バインダした後、酸化アルミニウム製容器
の中に入れ、空気中で2時間焼成を行った。この時の焼
成温度、降温速度、冷却開始温度を下記表1に示す。そ
の後、炉中放冷に急冷を行った。
【0024】次いで、得られた各焼結体の外周面および
中空部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布、焼き
付けて絶縁層を形成した。つづいて、前記各焼結体の両
端面を研削加工して外径127mm、内径31mm、高
さ25.4mmの寸法とし、洗浄した後、両端面にアル
ミニウム電極を溶射により形成することにより前述した
図1に示す15種の抵抗体を製造した。
中空部の内周面に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布、焼き
付けて絶縁層を形成した。つづいて、前記各焼結体の両
端面を研削加工して外径127mm、内径31mm、高
さ25.4mmの寸法とし、洗浄した後、両端面にアル
ミニウム電極を溶射により形成することにより前述した
図1に示す15種の抵抗体を製造した。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜16、参照例1〜3および比較
例1により作製された焼結体のTiO2 固溶量を次のよ
うな選択エッチングにより分離抽出し、化学分析により
測定した。すなわち、前記焼結体を粉砕して粉末試料と
し、試料を前記試料1gに対して5%の酢酸および5%
の乳酸からなる混合溶液50ml加え、90分間、超音
波を印加しながらZnO粒子を溶解した後、溶解物をフ
ィルタで濾過し、ICP発光分光法でチタンを定量する
ことにより測定した。
例1により作製された焼結体のTiO2 固溶量を次のよ
うな選択エッチングにより分離抽出し、化学分析により
測定した。すなわち、前記焼結体を粉砕して粉末試料と
し、試料を前記試料1gに対して5%の酢酸および5%
の乳酸からなる混合溶液50ml加え、90分間、超音
波を印加しながらZnO粒子を溶解した後、溶解物をフ
ィルタで濾過し、ICP発光分光法でチタンを定量する
ことにより測定した。
【0027】また、得られた実施例1〜16、参照例1
〜3および比較例1の抵抗体について、室温での抵抗
率、抵抗温度係数および抵抗変化率を調べた。なお、前
記抵抗温度係数は実施例1と同様な方法により評価し
た。前記抵抗変化率は、前記抵抗体から切り出した直径
20mmの試料に200J/cm3 に相当する衝撃波を
20回印加した時の抵抗値変化を初期値に対する百分率
として求めた。これらの結果を下記表2に示す。
〜3および比較例1の抵抗体について、室温での抵抗
率、抵抗温度係数および抵抗変化率を調べた。なお、前
記抵抗温度係数は実施例1と同様な方法により評価し
た。前記抵抗変化率は、前記抵抗体から切り出した直径
20mmの試料に200J/cm3 に相当する衝撃波を
20回印加した時の抵抗値変化を初期値に対する百分率
として求めた。これらの結果を下記表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】電力用抵抗体(投入抵抗体)は、抵抗率が
102 〜104 Ω・cm、抵抗温度係数は正で絶対値が
0.5%以下、サージ吸収よる抵抗温度変化率が10%
以下であることが適する。前記表2より明らかなように
酸化亜鉛粒子に固溶するTiO2 量が0.005〜0.
1モル%の焼結体を有する実施例1〜16の抵抗体は、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、かつ繰り返し
サージ印加に対する抵抗変化率が小さいことがわかる。
102 〜104 Ω・cm、抵抗温度係数は正で絶対値が
0.5%以下、サージ吸収よる抵抗温度変化率が10%
以下であることが適する。前記表2より明らかなように
酸化亜鉛粒子に固溶するTiO2 量が0.005〜0.
1モル%の焼結体を有する実施例1〜16の抵抗体は、
抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、かつ繰り返し
サージ印加に対する抵抗変化率が小さいことがわかる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば単位
体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を提供でき、ひいては前記抵抗体を
組み込んだ遮断器の縮小化を図ることができる等顕著な
効果を奏する。
体積当たりの熱容量が大きく、抵抗率が適当な値であ
り、抵抗温度係数が正でその絶対値が小さく、十分なサ
ージ耐量を有すると共にサージ吸収による抵抗変化率の
小さい電力用抵抗体を提供でき、ひいては前記抵抗体を
組み込んだ遮断器の縮小化を図ることができる等顕著な
効果を奏する。
【図1】本発明の電力用抵抗体を示す斜視図。
【図2】本発明の電力用抵抗体に用いられるZnO−C
oO−TiO4 系焼結体の構成相を示す線図。
oO−TiO4 系焼結体の構成相を示す線図。
1…焼結体、2…電極、3…絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−234709(JP,A) 特開 平1−281701(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22
Claims (1)
- 【請求項1】 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成
分としてチタンを酸化チタン(TiO2 )に換算して
0.5〜20モル%、コバルトを酸化コバルト(Co
O)に換算して0.5〜30モル%含む焼結体を具備
し、 前記焼成体は、酸化亜鉛粒子とZnO、TiO2および
CoOを成分とするスピネル粒子とから構成され、かつ
前記酸化亜鉛粒子はTiがTiO2換算で0.005〜
0.1モル%固溶された組成を有することを特徴とする
電力用抵抗体。
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