JP3210063B2 - 電力用抵抗体 - Google Patents

電力用抵抗体

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JP3210063B2 JP06506992A JP6506992A JP3210063B2 JP 3210063 B2 JP3210063 B2 JP 3210063B2 JP 06506992 A JP06506992 A JP 06506992A JP 6506992 A JP6506992 A JP 6506992A JP 3210063 B2 JP3210063 B2 JP 3210063B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過大なサージを吸収する
ために好適な電力用抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、遮断器等の電流制御用、電動機の
始動・回生に伴う各種制御用、また、送電系統の異常発
生時に於ける接地用として、種々の電力用抵抗器が用い
られている。これら抵抗器は、金属抵抗体、セラミック
抵抗体、種々の複合体により構成されている。
【0003】例えば、高電圧用遮断器には、開閉時に発
生する開閉サージを吸収したり遮断容量を増加させるた
めに遮断接点と並列に投入抵抗器を接続している。これ
らの目的に用いられる抵抗器の従来の抵抗体には、例え
ば特開昭58−139401号公報に記載されているよ
うな、炭素粒子分散型セラミック抵抗体が用いられてい
る。この抵抗体は、絶縁性成分たる酸化アルミニウム結
晶中に、導電性成分たるカーボン粉末を分散させ粘土で
焼き固めたもので、100〜2500Ω・cmの抵抗率を
持つ。
【0004】この炭素粒子分散型セラミック抵抗体は、
カーボン粉末分散量を調整することで抵抗率を変化させ
ることができる利点はあるが、気孔率が10〜30%と
高く緻密性に劣るため、以下の問題がある。すなわち、
第1に、体積当りの熱容量が2J/cm3 ・K程度と小さ
いために、放電耐量が小さい。その結果、サージの吸収
による発熱にともなう温度上昇が著しい。第2に、開閉
サージ吸収時にカーボン粉末間で放電を起こして、貫通
放電をしてしまう。第3に高い温度にさらすと抵抗値を
制御している炭素粒子が酸化され、抵抗値の変動が大き
い。第4に抵抗温度係数が負である。そのため、投入抵
抗器用抵抗体として使用した場合、開閉サージ吸収によ
って抵抗体の温度上昇が起こると、抵抗体の抵抗率が小
さくなって熱暴走し、開閉サージを吸収しきれない。以
上の様な問題により、高電圧用遮断器の抵抗体として、
特開昭58−139401号公報に記載された従来の抵
抗体は問題が多い。
【0005】さらに、近年の技術開発による遮断器の小
型化に伴い、開閉サージ吸収用投入抵抗器の小型化が要
求されている。投入抵抗器を小型化するためには、使用
される抵抗体の単位体積当りの熱容量が不可欠である。
従来の抵抗体の2J/cm3 ・Kという熱容量では、これ
以上投入抵抗器を小型化することは困難である。
【0006】この様な問題に対しては、例えば、酸化亜
鉛セラミックのように単位体積当りの熱容量が約2.8
J/cm3 ・Kと大きく、抵抗温度係数が正であるセラミ
ック抵抗体を用いれば解決される。
【0007】酸化亜鉛セラミックスは、通常、単独では
その抵抗温度係数が負であるが、ある種の酸化物を添加
することで、抵抗温度係数が正になることが知られてい
る。例えば、酸化亜鉛に、酸化チタン(TiO2 )、酸
化ニッケル(NiO)を添加することで、抵抗率、抵抗
温度係数を広く調整することが行われている(Solid-St
ate Electronics Pergamon Press 6, 111 (1963),US
P−2892988,USP−2933586)。
【0008】しかし上記抵抗体には以下のような問題が
ある。すなわち、開閉サージを吸収することによって、
抵抗体は瞬時(おおよそ0.01秒)に100℃以上の
温度上昇をする。この加熱冷却サイクルが繰り返される
ことによって、抵抗体の抵抗率が変化してしまう。例え
ば上記抵抗体では、一回の加熱冷却サイクルで、抵抗率
は1〜2%ほど増加する。したがって、加熱冷却サイク
ルが100回繰り返されれば、その抵抗率は、元の抵抗
率の3〜7倍にもなってしまう。
【0009】この様な状況から、酸化亜鉛セラミックス
は、抵抗率及び抵抗率の温度変化等の電気的な特性、及
び熱容量の様な熱的性質が知られていたものの、サージ
吸収用の抵抗体としては、問題を有し未だ用いられてい
ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するためになされたもので、熱容量が大き
く、サージ吸収による抵抗値変化が小さく、抵抗温度係
数が正の電力用低抗体を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、チタ
ンを酸化チタン(TiO 2 )に換算して0.005〜
0.1mol%固溶する酸化亜鉛(ZnO)粒子と、ス
ピネル粒子とからなる複合体を含有することを特徴とす
る電力用抵抗体である。
【0012】本発明の電力用低抗体は、例えば以下のよ
うにして作製することができる。酸化亜鉛粉末に所定量
の酸化チタン粉末を加え、所定量の水およびバインダー
を加え、粉砕媒体として、ZrO2 ボールを用い、ボー
ルミル中所定時間の粉砕混合を行う。得られた混合物を
乾燥後、造粒し、金型により円板状などに成形する。成
形体は電気炉により大気中1200〜1500℃の温度
で所定時間焼成する。焼成時の昇温速度は50〜200
℃/時、降温は所定の温度まで20〜300℃/時で、
所定温度からは急冷(炉内放冷)を行った。得られた焼
結体の両主面を研磨し、溶射、焼き付けなどの手段によ
り電極を形成して電流−電圧特性が直線性を持つ抵抗体
とする。素子の側面は必要に応じて、樹脂系あるいは無
機系の高抵抗層を焼き付けもしくは溶射等により形成す
ることができる。この電力用抵抗体の特性は次の様に評
価した。比抵抗は常温における値であり、抵抗温度係数
は、常温の抵抗値と100℃の抵抗値の変化を1℃あた
りの変化率で示した。また、抵抗変化率は同一条件で試
作した直径20mφの試料に200J/ccに相当する
衝撃波を20回印加した後の抵抗値変化を初期値に対す
る百分率で表したものである。素子特性と低抗体との関
連を調べるために、低抗体の構造および組成分布を調査
した。得られた焼結体の構成相をXRDにより調べたと
ころ、主相としての酸化亜鉛相の他にZn2 TiO4
が認められた。EDX付きのSEM観察によれば、上記
焼結体の構造は、亜鉛を主成分とする粒子とその粒界に
チタン、亜鉛を構成成分とする粒子が認められた。従っ
て、得られた焼結体は、酸化亜鉛を主成分とする粒子と
酸化チタン、酸化亜鉛を成分とするスピネル粒子により
構成される。低抗体の導電性は酸化亜鉛粒子およびその
粒界に大きく依存すると考えられ、製造条件を変化させ
たときの酸化亜鉛粒子の組成の変化などは素子特性と密
接な関係にあると考えられる。酸化亜鉛粒子、スピネル
粒子の複合体である低抗体から、酸による選択エッチン
グの手法を用いて酸化亜鉛粒子成分を分離抽出し、その
組成を化学分析により求めた。酸化亜鉛粒子に固溶する
酸化チタンの量が0.005モル%以上で抵抗温度係数
が正の値になり、また、0.1モル%以下で抵抗変化率
が小さく、低抗体の性能として十分である関係を得た。
したがって、結晶体は原料を上記所定の割合になるよ
うに配合、混合を行った後、この粉末を成形し、この成
形体を焼成、所定温度から急冷することにより得られる
が、特に、酸化亜鉛粒子に固溶する酸化チタンの量が
0.005モル%〜0.1モル%の範囲内にある時に所
望の特性のものが得られる。焼成温度は1300℃〜1
500℃が好ましく、また、最高温度保持後の降温速度
は20℃/時〜300℃/時が好ましい。急冷開始温度
は1200〜900℃が好ましい。焼成温度が高い時に
は、降温速度は小さく、急冷開始温度は低い関係が好ま
しく、逆に、焼成温度が低い時には降温速度を大きく、
急冷開始温度を高くすることが好ましい。このような冷
却パターンの選択により酸化亜鉛粒子に固溶する酸化チ
タン量を所定量に制御することができる。なお、これら
のプロセス条件は、焼結体の全体組成により調整する必
要がある。
【0013】本発明に係わる低抗体は、以上のような酸
化亜鉛基セラミックからなる焼結体の両端面に形成され
た一対の電極を有する。この電極は、アルミニウムまた
はニッケルなどから構成することが望ましい。この電極
は、焼結体の両端面に溶射またはスパッタリングなどに
より、形成される。またこの抵抗体は、側面での沿面放
電を防止するために、絶縁性のガラスやガラスセラミッ
クからなる絶縁相を有することが好ましい。
【0014】なお、この発明の一様態に係わる遮断器用
低抗体を図1に示す。低抗体は、酸化亜鉛を主体とし、
チタン成分を含有する中空円筒上の焼結体と、その両端
面に形成された一対の電極(上面のみ図示)を備えてい
る。さらに抵抗体の側面には絶縁層が形成される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1を参照し
て説明する。
【0016】図1に示す様に、この低抗体は、酸化チタ
ンを含有する酸化亜鉛からなる中空の円筒上の焼結体を
有する。この焼結体の両端面にはアルミニウム電極が形
成されている。さらに、この焼結体の側面にはホウケイ
酸ガラスからなる絶縁層が形成されている。この電力用
低抗体は、以下の様に、製造された。
【0017】酸化亜鉛(ZnO)粉末に、酸化チタン
(TiO2 )粉末を表1に示す割合で秤量、純水溶媒
中、樹脂製ボールミルとジルコニア製粉砕媒体を用い
て、24時間湿式混合した。純水を除去した後、バイン
ダーとしてPVA水溶液を所定量添加混合し、ふるいを
通して造粒粉とした。この造粒粉を、成形圧500kg/
cm2 の圧力で金型成形して外径148mmφ、内径48mm
φ、高さ32mmの中空円筒状の成形体とした。この成形
体を、酸化アルミニウム製容器の中に入れ、空気中12
00〜1400℃の温度で2時間保持後、降温速度20
〜300℃/時で所定温度まで降温し(1表)、その
後、炉中放冷による急冷を行った。この焼結体の側面
に、ホウケイ酸ガラス粉末を塗布した後、焼き付けて、
絶縁相を形成した。その後、この焼結体の両端面を研削
加工して、外径127mmφ、内径41mmφ、高さ25.
4mmの寸法とし、洗浄後に端面にアルミニウム電極を溶
射により形成して、低抗体を得た。焼結体の酸化亜鉛粒
子の成分は、以下に示す選択エッチング法により、分離
抽出し、化学分析を行った。焼結体は粉砕を行い、粉末
状の試料とした。試料1gに対して5%の酢酸、5の乳
酸の混合液を50mlの割合で加え、90分間、超音波を
印加しながらZnO粒子を溶解した。溶解物をフィルタ
ーでろ過した後、ICP発光分光法でチタンの定量を行
った。これら低抗体の製作条件と分析結果および特性と
の関係を表1に併せて示す。投入低抗体としては、抵抗
率が1.5×10〜104 Ω・cm、抵抗温度係数は絶対
値で0.5%以下、符号は正が好ましい。また、サージ
吸収による抵抗変化率は10%以下が適する。表1よ
り、酸化亜鉛粒子に固溶する酸化チタンの量が0.00
5モル%以上で抵抗温度係数が正の値になり、また、
0.1モル%以下で繰り返しサージ印加に対する抵抗値
変化が小さく低抗体として十分である関係を得た。実施
例の周辺組成を実施例と同様な方法で作製し、2種の抵
抗体を得た。これら比較例の低抗体の成分比と特性の関
係を表1に示す。
【0018】酸化亜鉛粒子に固溶する酸化チタンの量が
この本願発明の範囲未満であると抵抗温度係数が負の値
で絶対値が大きくなる。また0.1モル%を超えるとで
は抵抗変化率が10%を超えるためやはり電力用の投入
低抗体として不適当である。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、抵抗値
の制御性が良好で、抵抗温度係数が小さく、サージ吸収
による抵抗変化率が小さな電力用低抗体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1…電力用低抗体 2…焼結体 3…電極 4…絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−82996(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンを酸化チタン(TiO 2 )に換算
    して0.005〜0.1mol%固溶する酸化亜鉛(Z
    nO)粒子と、スピネル粒子とからなる複合体を含有す
    ことを特徴とする電力用抵抗体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11835070B2 (en) * 2019-07-04 2023-12-05 Smc Corporation Sensor attachment tool and fluid pressure cylinder

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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