JP3151443B2 - セラミックス抵抗体およびその製法 - Google Patents
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Description
量コンデンサの充放電装置等に用いる遮断器、固定抵抗
器、可変抵抗器、抵抗器アレーとして好適なセラミック
ス抵抗体およびその製法に関する。
抵抗体材料および非金属系抵抗体材料に大別される。
体材料が利用され、他の材料に比べて耐熱性、耐電流電
圧特性、並びに、高電気エネルギーを吸収するエネルギ
ー耐量が高いと云う特長を有する。
材料としてSiCを70重量%、絶縁材としてAl2O3
を30重量%、抵抗温度係数を小さくするためにアルカ
リ金属を300ppm程度添加したセラミックス抵抗体
が開示されている。
は抵抗温度係数が最も低いものでも−0.7%/℃であ
り、セラミックス抵抗体として用いるには難点があっ
た。
として利用するのに適切な電気抵抗値を有し、かつ、セ
ラミックス抵抗体素子として好適な0〜0.2%/℃以
上の抵抗温度係数を有し、信頼性、再現性の高いセラミ
ックス抵抗体を提供することにある。
明の要旨は次のとおりである。
とし、室温における比抵抗が10Ω・cm以上,106
Ω・cm未満であるセラミックス抵抗体であって、常温
から200℃までの抵抗温度係数が0%/℃以下,−
0.2%/℃以上であることを特徴とするセラミックス
抵抗体。
炭化物がSiCである前記のセラミックス抵抗体。
60重量%未満、遊離炭素が100ppm以上,100
00ppm未満である前記のセラミックス抵抗体。
理により原料粉末の分解および/または合成によって、
Si3N4マトリックス中にSiC粒子および/またはS
iCウィスカを生成する工程を有することを特徴とする
セラミックス抵抗体の製法。
であり、不活性ガス中における熱処理により、Si3N4
マトリックス中にSiCの粒子および/またはSiCウ
ィスカを生成する前記のセラミックス抵抗体の製法。
の混合比が、1重量%以上,15重量%未満の範囲内に
あり、1500〜1800℃の不活性ガス中で熱処理す
る工程と、熱処理した混合粉末に焼結助剤を添加する工
程と、この混合粉末を成形、焼成する工程を有する前記
のセラミックス抵抗体の製法。
に示す。1はマトリックスのSi3N4であり、2はSi
Cの粒子あるいはSiCウィスカ、3は遊離炭素を示
す。
て適切な比抵抗値と、さらに抵抗値の温度依存性が少な
い特性を有するのは、Si3N4が絶縁体として、SiC
が比抵抗を制御する導電材料として、さらに遊離炭素が
抵抗の温度依存性を低下させる働きをするためである。
ィスカの量は5重量%以上,60重量%未満がよい。こ
れより少ないと比抵抗値が106Ω・cm以上となり、
またSiC粒子あるいはウィスカの量を60重量%以上
にすると、比抵抗値は10Ω・cm未満になり、セラミ
ックス抵抗体として不適当な比抵抗値となってしまうた
めである。
ために必須である。遊離炭素量は100ppm以上,1
0000ppm未満がよい。100ppm未満では温度
依存性を抑制する効果が無く、10000ppm以上で
は比抵抗が10Ω・cm未満と低くなってしまうためで
ある。
により、原料粉末の分解および/または化学反応による
合成によって、Si3N4マトリックス中にSiC粒子お
よび/またはSiCウィスカを生成する工程を有する。
末であり、不活性ガス中の熱処理により、Si3N4マト
リックス中にSiCの粒子および/またはSiCウィス
カを生成する工程を含む製法である。
中にSiC粒子、SiCウィスカ並びに遊離炭素が均一
微細に生成,分散することができる。
に説明する。Si3N4粉末とC粉末の混合比が、1〜1
5重量%となるように、それぞれの粉末を秤量する。S
i3N4粉末、並びに、C粉末としては、化学反応を容易
に進めるために粒子径の細かいものが望ましく、Si3
N4粉末としてはイミド分解法により製造した粉末、C
粉末としてはカーボンブラックがよい。
ミルを用いて湿式混合を行う。この混合粉末を、150
0℃〜1800℃の不活性ガス中で数時間の熱処理を行
う。熱処理温度が1500℃未満であるとSi3N4とC
との反応が十分に進行せず、SiCの生成量が少なくな
り、多量のCが残留してしまう。一方、1800℃を超
えるとSi3N4の分解が急速に進行し、Si3N4マトリ
ックスが極端に少なくなってしまう。
加してボールミル混合を行った後、乾燥,整粒後、最終
焼成を行う。焼結助剤としては、窒化珪素の焼結に用い
られるものであれば使用できる。例えば、Al2O3、Y
2O3などが一般的である。最終焼成は、N2雰囲気中
で、1600℃〜1800℃で行う。焼結体の密度を向
上するために、ホットプレス焼結、HIP焼結、マイク
ロ波加熱焼結等を用いてもよい。
体を用いた高電圧装置、大容量コンデンサの充放電用装
置等の遮断器、固定抵抗器、可変抵抗器、抵抗器アレー
などの電力用抵抗体は、セラミックス抵抗体の特性、即
ち、室温における比抵抗が10Ω・cm以上、106Ω
・cm未満で、しかも常温から200℃までの抵抗温度
係数が0%/℃以下、−0.2%/℃以上であることか
ら、通電負荷により生ずる発熱等による特性変化が、従
来素子に比較して極めて少なく、安定している。
4(平均粒径0.5μm)、C(平均粒径15nm)を用
いた。Si3N4粉末に対するC粉末の混合割合は0.5
〜20重量%とした。これら粉末と分散剤とをポリエチ
レン製容器に入れてSi3N4ボールと共に、エタノール
中で20時間混合した。
1.0atmで熱処理を行い、SiCの析出処理を行っ
た。この処理体に、さらに焼結助剤として2重量%のA
l2O3(純度99.9%、平均粒径2〜3μm)、5重
量%のY2O3(純度99.99%、平均粒径2〜3μ
m)を添加し、ボールミルで20時間粉砕後、成形、ホ
ットプレスを行った。なお、ホットプレスの温度は17
50℃とした。
から200℃までの抵抗温度係数を測定した。また、抵
抗体中のSiCの含有量は、CF4とO2ガスを用いたプ
ラズマエッチングによってSi3N4マトリックスをエッ
チングし、SEM観察によって得られたSEM写真の画
像処理によって算出した。遊離炭素の分析は、赤外線吸
収法で行った。表1に得られた結果を示す。
Si3N4粉末とSiC粉末とを用いた比較例を示す。即
ち、原料粉末としてはSi3N4(平均粒径0.5μ
m)、SiC(#8000、平均粒径1.0μm)、焼
結助剤としてAl2O3(純度99.9%、平均粒径2〜
3μm)、Y2O3(純度99.99%、平均粒径2〜3
μm)を用いた。
が、30、50、70とし、合計100gになるように
秤量した。
O3を前記Si3N4とSiCに対して2重量%、5重量
%の割合で添加した。
mφのSi3N4ボール各30個と共に500mlのポリ
エチレン容器に入れ、エタノール130ml中で20時
間混合した。混合した粉末を金属容器に移し、24時間
ドラフト中で自然乾燥させた。
して造粒した後、内径60mmの金型を用いて一軸プレ
スで54MPaの荷重を加えて成形した。この成形体を
ホットプレス炉を用いて1750℃、1時間、1atm
のN2ガス中で焼成した。
で比抵抗、抵抗温度係数、残留C量の測定を行った。表
2に得られた結果を示す。
らでは、比抵抗はセラミックス抵抗体として好適な範囲
内であるが、抵抗温度係数が最も小さいものでも−0.
4%/℃となり、セラミックス抵抗体としては不適当な
特性のものであった。
末としてSi3N4(平均粒径0.5μm)、C(平均粒
径15nm)を用いて、原料粉末組成としてC/(Si
3N4+C)=5.0重量%としてセラミックス抵抗体を
作製した。
度を1700℃としたが、実施例3では熱処理温度を1
400℃〜1850℃と変化させて行った。表3に得ら
れた結果を示す。
10Ω・cm以上、106Ω・cm未満で、しかも常温
から200℃までの抵抗温度係数が0%/℃以下,−
0.2%/℃以上であることから、通電負荷により生ず
る発熱等による特性変化が従来素子に比較して極めて少
なく、特性が安定した素子が得られる。
料、製法によって、遮断器用抵抗体を製造した。図2は
抵抗体素子構造を示す模式断面図である。図2におい
て、4は焼結体、5は電極、6は電気絶縁膜を意味す
る。
射法によってAl電極を形成して抵抗体とした。また、
使用中での沿面放電を防止するために、抵抗体側面に硼
珪酸ガラスを焼き付けて高抵抗層を設けた。
・cm、抵抗温度係数は−0.14%/℃の値を示し
た。遮断器用抵抗体とするため、所定枚数積み重ね、各
抵抗体の中心部を貫通する樹脂製の絶縁性支持棒を用い
て支持し、円筒状容器に納めて投入抵抗ユニットを構成
した。この抵抗ユニットを組み込んで電力用遮断器を組
み立てた。
相当のエネルギーを20回印加し、投入抵抗体の抵抗率
変化を測定した。その結果、抵抗率変化は10%以下で
あり、十分に遮断性能の安定性が高いものであることが
確認された。
常温での比抵抗を適切な値に抑制でき、かつ、抵抗の温
度依存性が小さい抵抗体材料が得られるため、通電負荷
により生ずる発熱等による特性変化が、従来素子に比較
して極めて少なく、特性が安定している。
放電用装置等に用いられる遮断器、固定抵抗器、可変抵
抗器、抵抗器アレーなどのセラミックス抵抗体の工業化
に際し本セラミックス抵抗体は極めて有効である。
面図である。
カ、3…遊離炭素、4…焼結体、5…電極、6…電気絶
縁膜。
Claims (5)
- 【請求項1】 Si 3 N 4 とSiCを主成分とするセラミ
ックス抵抗体において、前記SiCは前記Si 3 N 4 中に
析出したものであり、かつ、Si 3 N 4 中に炭素が遊離炭
素として100ppm以上,10000ppm未満分散
されていることを特徴とするセラミックス抵抗体。 - 【請求項2】 前記SiCの含有量が5重量%以上,6
0重量%未満である請求項1に記載のセラミックス抵抗
体。 - 【請求項3】 Si 3 N 4 粉末とC粉末を混合し、前記S
i 3 N 4 とC粉末との混合粉末を1500〜1800℃の
不活性ガス中で熱処理した該混合粉末に焼結助剤を混合
して成形し、該成形体を1600〜1800℃の不活性
ガス中で焼成することを特徴とするセラミックス抵抗体
の製法。 - 【請求項4】 前記焼結助剤が、Al 2 O 3 またはY 2 O 3
である請求項3に記載のセラミックス抵抗体の製法。 - 【請求項5】 前記Si3N4粉末に対するC粉末の混合
比が、1重量%以上,15重量%未満である請求項3に
記載のセラミックス抵抗体の製法。
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