JP3605254B2 - 半絶縁性窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

半絶縁性窒化アルミニウム焼結体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体積固有抵抗値のバラツキが少なく、かつ抵抗温度係数の小さな半絶縁性窒化アルミニウム焼結体に関するものであり、例えば、半導体装置や電子部品等の製造装置に用いられる搬送アームや真空チャック、あるいはプリンタ等の画像形成装置に備える分離爪や磁気テープ等のシート状体を案内するテープガイド等に用いられる静電気除去用部材、あるいは被吸着物を静電吸着力により固定する静電チャックとして好適に使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、構造部品材料として使用されているアルミナ、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム等を主成分とするセラミック焼結体は、高強度でかつ高硬度を有するとともに、耐熱性に優れることから、様々な分野で使用されているが、特に高い放熱性が要求されるような用途では高熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体が用いられている。
ところで、窒化アルミニウム焼結体は高絶縁材料であるため、分離爪やテープガイド、あるいは搬送アームや真空チャックなどに用いられる静電気除去用部材として使用するには、窒化アルミニウム焼結体の体積固有抵抗値(以下、抵抗値と略称する。)が10〜10Ω・cm程度のものを用いる必要があり、静電チャックを構成する部材として使用するには、抵抗値が10〜1011Ω・cmのものを用いる必要がある。その為、窒化アルミニウム焼結体に導電性材料を含有させ、抵抗値を小さくすることが試みられている。
【0003】
例えば、特開平6−8089号公報には、窒化アルミニウム焼結体中に導電性材料としてTiNを5重量%以下の範囲で添加し、室温域における抵抗値を10〜1013Ω・cmとしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この窒化アルミニウム焼結体のように、TiNなどの導電性材料の多くは体積固有抵抗値が10Ω・cm以下と小さいことから、これらの導電性材料のみを含有させたものでは、窒化アルミニウム焼結体の抵抗値がバラツキ易く、10〜1011Ω・cm程度の抵抗値を有する窒化アルミニウム焼結体を再現性良く製造することが難しいといった課題があり、歩留りが悪かった。
【0005】
この理由としては、TiNなどの導電性材料が焼結体内において粒子の状態で存在することから、その含有量が少量の範囲では、窒化アルミニウム焼結体の内部において充分な導電経路を形成することができないために抵抗値を下げる効果が小さく、導電性材料の含有量を多くすると焼結体内において部分的に連結することから抵抗値が急激に変化するものと思われる。
【0006】
また、導電性材料の含有量が少量の範囲では、窒化アルミニウム焼結体の内部において充分な導電経路を形成することができないため、温度変化に対し窒化アルミニウム焼結体の抵抗値が変化し易く、狭い温度域でしか使用できないといった不都合もあった。
【0007】
本発明の目的は、これらの課題を解消し、抵抗値のバラツキが少なくかつ抵抗温度係数の小さな半絶縁性を有する窒化アルミニウム焼結体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、第1相として窒化アルミニウム粒子を主体とし、これら窒化アルミニウム粒子間に体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粒子である第2相を分散させ、第3相として上記第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を有するSi及び/又はTi,Ce,Ni,Taの1種以上を含む酸化物からなる粒界相を形成して体積固有抵抗が10 〜10 11 Ω・cmの半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明の半絶縁性窒化アルミニウム焼結体は、図1にその結晶構造の模式図を示すように、第1相として体積固有抵抗値が1014Ω・cm以上である窒化アルミニウム粒子1を主体とし、これら窒化アルミニウム粒子1間にTiC(180μΩ・cm程度)、TiN(21.7μΩ・cm程度)、TaN(135μΩ・cm程度)、WC(80μΩ・cm程度)、C(4.3×10−3Ω・cm程度)など体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粒子2からなる第2相を分散させることにより、窒化アルミニウム焼結体の体積固有抵抗値を小さくしたものである。ただし、上記第2相を分散させただけではその分散状態によって抵抗値のバラツキを生じ、安定した抵抗特性をもった品質の良い半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を再現性良く得ることができず、また、抵抗温度係数を小さくすることもできない。
【0010】
そこで、本発明は、上記第2相以外に、第3相として第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を有するSi及び/又はTi,Ce,Ni,Taの1種以上を含む酸化物からなる粒界相3を形成させて体積固有抵抗を10 〜10 11 Ω・cmにすることにより、抵抗値のバラツキが少なく、かつ抵抗温度係数の小さな半絶縁性窒化アルミニウム焼結体が得られることを見出したものである。
【0011】
即ち、第1相の窒化アルミニウム粒子1間に第2相の導電性粒子2のみを分散させたものでは、第2相が粒子の状態で存在することから、窒化アルミニウム焼結体内において均一に分散させることが難しく、一定の抵抗値をもったものを再現性良く製造することができないからであり、また、導電性は第2相の導電性粒子2同士の接触により出現することから、第2相の含有量を多くし、導電性粒子2同士が連結すると窒化アルミニウム焼結体の抵抗値が急激に低下することになる。
【0012】
そこで、第1相と第2相の中間的な抵抗値をもった第3相を粒界相3として3次元的に存在させ、第1相の窒化アルミニウム粒子1間に導電経路を形成することにより、第2相の導電性粒子2同士が連結することを防ぎ、抵抗値の急激な低下を抑えることができるため、その抵抗特性を半絶縁性とすることができるとともに、抵抗値のバラツキを抑え、かつ温度依存の少ないものとすることができる。そして、粒界相3を構成する第3相と導電性粒子2からなる第2相の含有量を適宜調整することにより10〜1011Ω・cmの抵抗値を得ることができる。
【0013】
このような粒界相3を構成する第3成分としては、TiO、CeO、NiO、Ta、Siを用いることができる。
【0014】
これらの第3成分は焼成時に液化し、窒化アルミニウム焼結体内において、それ自体が粒界相3を形成したり、第1相の窒化アルミニウム粒子1や第2相の導電性粒子2と反応して粒界相3を形成し、第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を示す。具体的には上記第3成分は焼結体内においてTiO2−X 、CeAlO、NiO1−X 、Ta3−X 、Siの状態で存在する。
【0015】
なお、この第3相の抵抗値は、窒化アルミニウム焼結体の粒界相3にテスターを当てて測定するか、あるいは粒界相3を構成するSi及び/又はTi、Ce、Ni、Taの1種以上を含む酸化物を製作し、その抵抗値を測定すれば良い。
【0016】
ところで、本発明において主体をなすとは、第1相の窒化アルミニウム粒子1が窒化アルミニウム焼結体に対し、55容量%以上を占めていることを言い、好ましくは65容量%以上あれば良い。
また、第2相のTiC、TiN、TaN、WC、C(カーボン)など体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粒子2の含有量が5容量%未満であると、抵抗値及び抵抗温度係数を下げる効果が小さく、逆に45容量%より多くなると粒径や焼結助剤の有無にもよるが抵抗値のバラツキを抑えきれなくなる。その為、導電性粒子2は5〜45容量%の範囲で含有量することが好ましい。なお、この第2相の粒子径は0.5〜3.0μm程度のものが良い。
【0017】
さらに、第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を有する第3相を構成する第3成分の含有量が0.1容量%未満であると抵抗値のバラツキを抑える効果がなく、また、抵抗温度係数を小さくする効果が得られない。その為、第3成分は0.1容量%以上、好ましくは1%以上含有することが必要である。なお、第3成分を含有させることができる上限としては、焼成時において液化した第3成分が流出しない程度とすることが良く、多くても15容量%以下とすることが良い。
【0018】
また、窒化アルミニウム焼結体の焼結性を高めるためにY、Erなどの希土類酸化物を添加しても良く、粒界相3を構成する第3相の抵抗値に影響を及ぼさない範囲で含有すれば良い。
【0019】
このような半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を得るには、第1相を構成するAlN粉末に対し、第2相を構成するTiC、TiN、TaN、WC、C(カーボン)など体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粉末を5〜45容量%を添加するとともに、第3相を構成するためにTiO、CeO、NiO、Ta、Siなどの第3成分を添加し、これらにバインダーと溶媒を加えて泥漿を作製したと、鋳込成形法、押出成形法、テープ成形法など公知のセラミック成形手段により所定形状に成形するか、あるいは上記泥漿を乾燥造粒して顆粒を作製し、この顆粒を型内に充填して金型プレス法やラバープレス法など公知のセラミック成形手段により所定形状に成形する。
【0020】
しかるのち、これらの成形体を非酸化性雰囲気下において1800〜2100℃の温度で1〜数時間焼成することで、第1相として窒化アルミニウム(AlN)粒子1を主体とし、これら窒化アルミニウム(AlN)粒子1間に炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、炭化タングステン(WC)、カーボン(C)などの導電性粒子2からなる第2相が分散し、第3相として上記第1相と第2相の中間的な抵抗値を有するSi及び/又はTi、Ce、Ni、Taの1種以上を含む酸化物からなる粒界相3を有する半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0021】
このような本発明の半絶縁性窒化アルミニウム焼結体は、体積固有抵抗値を10〜1011Ω・cmとすることができるとともに、抵抗温度係数が小さいため、例えば、半導体装置や電子部品等の製造装置に用いられている搬送アームや真空チャック、あるいはプリンタなどの画像形成装置に備える分離爪や磁気テープなどのシート状体を案内するテープガイドなどの静電気除去用部材として用いれば、静電気を徐々に逃がすことができるため、導通短絡による取り扱い事故不良を防ぐことができ、また、静電チャックとして用いれば、低温域から高温域において高い吸着力を得ることができるというように好適に使用することができる。
【0022】
しかも、本発明では10〜1011Ω・cmの抵抗値をもった半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を再現性良く製造することができるため、歩留りを向上させることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明に係る半絶縁性窒化アルミニウム焼結体の実施例を説明する。
【0024】
(実施例1)
純度99%、平均粒子径1.2μmのAlN粉末を63容量%に対し、平均粒子径1.6μmのTiNを30容量%と、平均粒子径0.9μmのCeOを4容量%添加し、さらにバインダーと溶媒を加えて泥漿を作製し、ドクターブレード法により厚さ0.5mm程度のグリーンシートを形成した。そして、このグリーンシートを真空脱脂したあと、窒素雰囲気下にて2000℃程度の焼成温度で1〜数時間程度焼成することにより、主体をなす第1相が窒化アルミニウム(AlN)粒子からなり、これら窒化アルミニウム粒子間に第2相の導電性粒子として窒化チタン(TiN)が分散し、酸化セリウム(CeO)と窒化アルミニウム(AlN)との反応物(CeAlO)が第3相として粒界相を構成した半絶縁性窒化アルミニム焼結体を得た。なお、粒界相を形成する酸化セリウム(CeO)と窒化アルミニウム(AlN)からなる反応物(CeAlO)の抵抗値を測定したところ、第1相と第2相の中間的な範囲にあった。
【0025】
また、同様の方法により製作した窒化アルミニム焼結体を10個用意し、これらの体積固有抵抗値を3端子法にて測定したところ、室温(25℃)において平均9×10Ω・cmの抵抗値を有し、そのバラツキも±10%程度であった。
【0026】
さらに、室温(25℃)から50℃の温度域での抵抗温度係数を測定したところ、変化が1桁以内と小さいものであった。
【0027】
なお、体積固有抵抗値は数1により、体積固有抵抗値のバラツキは数2により、抵抗温度係数は数3によりそれぞれ算出した。
【0028】
【数1】
Figure 0003605254
【0029】
【数2】
Figure 0003605254
【0030】
【数3】
Figure 0003605254
【0031】
(実施例2)
純度99%、平均粒子径1.2μmのAlN粉末を70容量%に対し、平均粒子径1.6μmのTiNを25容量%と、平均粒子径0.8μmのTiOを5容量%、及び焼結助剤として平均粒子径0.9μmのYを2容量%添加し、さらにバインダーと溶媒を加えて泥漿を作製し、ドクターブレード法により厚さ0.5mm程度のグリーンシートを形成した。そして、このグリーンシートを真空脱脂したあと、窒素雰囲気下にて2000℃程度の焼成温度で1〜数時間程度焼成することにより、主体をなす第1相が窒化アルミニウム(AlN)粒子からなり、これら窒化アルミニウム粒子間に第2相の導電性粒子として窒化チタン(TiN)が分散し、TiO2−X が第3相として粒界相を構成した半絶縁性窒化アルミニム焼結体を得た。なお、粒界相を形成するTiO2−X の抵抗値を測定したところ、第1相と第2相の中間的な範囲にあった。
【0032】
また、同様の方法により製作した窒化アルミニム焼結体を10個用意し、これらの体積固有抵抗値を3端子法にて測定したところ、室温(25℃)において平均5×10Ω・cmの抵抗値を有し、そのバラツキも±8%程度であった。さらに、室温(25℃)から50℃の温度域での抵抗温度係数を測定したところ、変化が1桁以内と小さいものであった。
【0033】
(実施例3)
純度99%、平均粒子径1.2μmのAlN粉末を80容量%に対し、平均粒子径1.6μmのTiNを20容量%と、平均粒子径0.8μmのNiOを0.1容量%、及び助剤としてAlを3容量%添加し、さらにバインダーと溶媒を加えて泥漿を作製し、スプレードライヤにて造粒して顆粒を作製し、この顆粒を金型内に充填してメカプレス法により厚さ4mm程度の円盤状をした成形体を形成した。そして、この成形体を真空脱脂したあと、窒素雰囲気下にて1820℃程度の焼成温度で1〜数時間程度焼成することにより、主体をなす第1相が窒化アルミニウム(AlN)粒子からなり、これらの間に第2相の導電性粒子として窒化チタン(TiN)が分散し、NiO1−X が第3相として粒界相を構成した半絶縁性窒化アルミニム焼結体を得た。なお、粒界相を形成するNiO1−X の抵抗値を測定したところ、第1相と第2相の中間的な範囲にあった。
【0034】
また、同様の方法により製作した窒化アルミニム焼結体を10個用意し、これらの体積固有抵抗値を3端子法にて測定したところ、室温(25℃)において平均4×10Ω・cmの抵抗値を有し、そのバラツキも±6%程度であった。さらに、室温(25℃)から50℃の温度域での抵抗温度係数を測定したところ、変化が1桁以内と小さいものであった。
【0035】
(実験例1)
第1相が窒化アルミニウム粒子、第2相がTiN粒子、第3相を構成する第3成分がCeOからなり、上記第2相の含有量と第3相を構成するCeOの含有量を変化させた半絶縁性窒化アルミニウム焼結体をそれぞれ10個ずつ試作し、これらの体積固有抵抗値、体積固有抵抗値のバラツキ、及び室温(25℃)から50℃における抵抗温度係数をそれぞれ測定した。なお、体積固有抵抗値、体積固有抵抗値のバラツキ、及び抵抗温度係数はそれぞれ数1〜数3により算出した。
【0036】
各試料の組成及び結果は表1に示す通りである。
【0037】
【表1】
Figure 0003605254
【0038】
この結果、まず、試料No.9〜11は、第3成分のCeOを含有しておらず、CeAlOからなる粒界相3を有していないため、体積固有抵抗値のバラツキが±98%以上と再現性が悪かった。また、試料11では体積固有抵抗値が10Ω・cmより小さく、試料No.9では抵抗温度係数が12と変化を1桁以内に抑えることができなかった。
【0039】
また、試料No.8は、第3相を構成するCeOを含有しているものの、第1相の窒化アルミニウムの含有量が55容量%より少なく、第2相の含有量が45容量%より多いために体積固有抵抗値が3Ω・cmと小さく、また、抵抗値のバラツキを抑える効果も小さく±79%とばらついていた。
【0040】
これに対し、試料No1〜7は、第3成分のCeOを含有し、焼結体内においてCeAlOからなる粒界相3を有するとともに、第2相の含有量が5〜45容量%の範囲にあるため、窒化アルミニウム焼結体の体積固有抵抗値を10〜1011Ω・cmの半絶縁性とすることができ、そのバラツキも10%以下に抑えることができた。また、抵抗温度係数においても変化が1桁以内と小さくすることができた。
【0041】
このように、体積固有抵抗値が10Ω・cm以下である第2相の導電性粒子以外に、第3相として第1相の窒化アルミニウム粒子と第2相の導電性粒子との中間的に抵抗値を有する粒界相を形成させることにより、従来では得難かった10〜1011Ω・cm程度の半絶縁性を再現性良く得ることができるとともに、温度変化に対する抵抗値の変化を小さくできることが判る。
【0042】
(実験例2)
次に、第1相を窒化アルミニウム粒子、第2相をTiN粒子とし、第3相を構成する成分にTiO,CeO,NiO,Ta,Siを用いた半絶縁性窒化アルミニウム焼結体をそれぞれ10個ずつ試作し、実験例1と同様に体積固有抵抗値、体積固有抵抗値のバラツキ、及び室温(25℃)から50℃における抵抗温度係数をそれぞれ測定した。各試料の組成及び結果は表2に示す通りである。
【0043】
【表2】
Figure 0003605254
【0044】
この結果、いずれの窒化アルミニウム焼結体も粒界相が第1相と第2相の中間的な抵抗値を有するSi及び/又はTi,Ce,Ni,Taの1種以上を含む酸化物からなるため、体積固有抵抗値を10〜1011Ω・cmの半絶縁性とすることができ、そのバラツキも10%以下に抑えることができた。また、抵抗温度係数においても変化が1桁以内と小さくすることができた。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1相として窒化アルミニウム粒子を主体とし、これら窒化アルミニウム粒子間に体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粒子である第2相を分散させ、第3相として上記第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を有するSi及び/又はTi,Ce,Ni,Taの1種以上を含む酸化物からなる粒界相を形成して半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を構成したことにより、焼結体の体積固有抵抗値を10〜1011Ω・cmと半絶縁性を持たせることができるとともに、抵抗温度係数を小さくすることができる。しかも、再現性良く所望の抵抗値をもった半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を製造することができるため、歩留りを向上させることができる。
【0046】
その為、本発明の半絶縁性窒化アルミニウム焼結体を用いれば、搬送アームや真空チャック、あるいは分離爪やテープガイドなどの静電気除去用部材、さらには半導体製造装置に用いられる静電チャックを構成する部材として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半絶縁性窒化アルミニウム焼結体の結晶構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・窒化アルミニウム粒子 2・・・導電性粒子 3・・・粒界相

Claims (1)

  1. 第1相として窒化アルミニウム粒子を主体とし、これら窒化アルミニウム粒子間に体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導電性粒子である第2相を分散させ、第3相として上記第1相と第2相の中間的な体積固有抵抗値を有するSi及び/又はTi,Ce,Ni,Taの1種以上を含む酸化物からなる粒界相を形成してなり、体積固有抵抗が10 〜10 11 Ω・cmであることを特徴とする半絶縁性窒化アルミニウム焼結体。
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