JPH07277825A - 導電性セラミックス - Google Patents
導電性セラミックスInfo
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- JPH07277825A JPH07277825A JP6107363A JP10736394A JPH07277825A JP H07277825 A JPH07277825 A JP H07277825A JP 6107363 A JP6107363 A JP 6107363A JP 10736394 A JP10736394 A JP 10736394A JP H07277825 A JPH07277825 A JP H07277825A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カーボンなどを含有させた樹脂よりも体積抵
抗率が低く、しかも一定している導電性を有したセラミ
ックスを提供すること。 【構成】 TiO2粉末に0.01〜10mol%のM
2O5(M=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1
種)粉末を加えて混合、乾燥、成形した後、大気中にて
1000〜1400℃で焼成し、体積抵抗率を103〜
1010Ω・cmとしたTiO2の導電性セラミックス
また、Al2O3粉末に1〜70mol%のTiO2粉
末及び0.005〜2mol%のM2O5粉末を加えて
混合、乾燥、成形した後、大気中にて1300〜150
0℃で焼成し、体積抵抗率を103〜1012Ω・cm
としたAl2O3の導電性セラミックス。さらにこのA
l2O3の導電性セラミックスを、大気中にて1000
〜1200℃で熱処理し、体積抵抗率を106〜109
Ω・cmとしたAl2O3の導電性セラミックス。
抗率が低く、しかも一定している導電性を有したセラミ
ックスを提供すること。 【構成】 TiO2粉末に0.01〜10mol%のM
2O5(M=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1
種)粉末を加えて混合、乾燥、成形した後、大気中にて
1000〜1400℃で焼成し、体積抵抗率を103〜
1010Ω・cmとしたTiO2の導電性セラミックス
また、Al2O3粉末に1〜70mol%のTiO2粉
末及び0.005〜2mol%のM2O5粉末を加えて
混合、乾燥、成形した後、大気中にて1300〜150
0℃で焼成し、体積抵抗率を103〜1012Ω・cm
としたAl2O3の導電性セラミックス。さらにこのA
l2O3の導電性セラミックスを、大気中にて1000
〜1200℃で熱処理し、体積抵抗率を106〜109
Ω・cmとしたAl2O3の導電性セラミックス。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスに関し、
特に導電性セラミックスに関する。
特に導電性セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】IC基板などの電気部品は、絶縁性が必
要な反面、静電破壊を起こすという問題がある。そのた
め、静電気対策としては、絶縁性の高い材料の電気抵抗
を低くすることにより対応している。用いる材料のうち
セラミックスでは電気抵抗を下げるのが難しいため、簡
単に電気抵抗を下げられる主にカーボン粉末を分散させ
て電気抵抗を下げた樹脂が使用されている。
要な反面、静電破壊を起こすという問題がある。そのた
め、静電気対策としては、絶縁性の高い材料の電気抵抗
を低くすることにより対応している。用いる材料のうち
セラミックスでは電気抵抗を下げるのが難しいため、簡
単に電気抵抗を下げられる主にカーボン粉末を分散させ
て電気抵抗を下げた樹脂が使用されている。
【0003】このようなカーボン粉末を分散させた樹脂
の電気抵抗は、樹脂中のカーボン粉末の量とカーボン粉
末同士の接触面積に依存する。そのため、樹脂の電気抵
抗の大きさは、カーボン粉末の樹脂中への混入量とその
分散度合いによって決まる。
の電気抵抗は、樹脂中のカーボン粉末の量とカーボン粉
末同士の接触面積に依存する。そのため、樹脂の電気抵
抗の大きさは、カーボン粉末の樹脂中への混入量とその
分散度合いによって決まる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来より使用
されているカーボン粉末を分散させた樹脂は、樹脂中に
混入するカーボン粉末が凝集して均一に分散しないこと
から、カーボン粉末の量が同じでも分散の度合いに大き
なばらつきが生じる。その結果としてカーボンの混入量
が一定であっても樹脂の電気抵抗が大きくばらついて変
動し、一定の電気抵抗値(体積抵抗率)を持つ樹脂が得
にくいため、静電気対策用としての樹脂の使用には問題
が生じていた。
されているカーボン粉末を分散させた樹脂は、樹脂中に
混入するカーボン粉末が凝集して均一に分散しないこと
から、カーボン粉末の量が同じでも分散の度合いに大き
なばらつきが生じる。その結果としてカーボンの混入量
が一定であっても樹脂の電気抵抗が大きくばらついて変
動し、一定の電気抵抗値(体積抵抗率)を持つ樹脂が得
にくいため、静電気対策用としての樹脂の使用には問題
が生じていた。
【0005】本発明は、上述した電気部品に使う静電気
対策用に用いる樹脂が有する課題に鑑みなされたもので
あって、その目的は、樹脂に代えて体積抵抗率が低く、
しかも一定している導電性を有したセラミックスを提供
することにある。
対策用に用いる樹脂が有する課題に鑑みなされたもので
あって、その目的は、樹脂に代えて体積抵抗率が低く、
しかも一定している導電性を有したセラミックスを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、TlO2粉末にM2O5(M=Nb、
Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末を加えて混
合、乾燥、成形、焼成すればTiO2の導電性セラミッ
クスになるとの知見を得て本発明を完成した。
を達成するため、TlO2粉末にM2O5(M=Nb、
Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末を加えて混
合、乾燥、成形、焼成すればTiO2の導電性セラミッ
クスになるとの知見を得て本発明を完成した。
【0007】また、上記のTiO2粉末とM2O5(M
=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1種)との粉末
を、さらにAl2O3粉末に加えて同様に混合、乾燥、
成形、焼成すればAl2O3の導電性セラミックスが得
られるとの知見も得た。
=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1種)との粉末
を、さらにAl2O3粉末に加えて同様に混合、乾燥、
成形、焼成すればAl2O3の導電性セラミックスが得
られるとの知見も得た。
【0008】上記TiO2粉末にM2O5粉末を加える
場合、M2O5粉末の含有量としては、TiO2粉末に
対し0.01〜10mol%であるとした(請求項
2)。0.01mol%より少ないと体積抵抗率は10
11Ω・cmより高くなり、絶縁性が高くなって静電気
対策用の材料として用いるのは好ましくない。また、1
0mol%より多くなるとM2O5の体積割合が高くな
って、体積抵抗率が一定しなくなりしかも103Ω・c
mを割るようになってしまう。
場合、M2O5粉末の含有量としては、TiO2粉末に
対し0.01〜10mol%であるとした(請求項
2)。0.01mol%より少ないと体積抵抗率は10
11Ω・cmより高くなり、絶縁性が高くなって静電気
対策用の材料として用いるのは好ましくない。また、1
0mol%より多くなるとM2O5の体積割合が高くな
って、体積抵抗率が一定しなくなりしかも103Ω・c
mを割るようになってしまう。
【0009】上記粉末を混合、乾燥、成形した後の焼成
としては、大気中にて1000〜1400℃の温度で焼
成することとした(請求項3)。大気中で焼成するの
は、還元雰囲気下で焼成すると焼結体中のTiO2に酸
素欠陥が生じて焼結体の体積抵抗率が低くなりすぎるた
めである。また、焼成温度を1000℃より低くすると
焼結が不十分となり、1400℃を越えると粒子が異常
に成長して焼結体の強度が低くなり、いずれも製品とし
て使用できない。
としては、大気中にて1000〜1400℃の温度で焼
成することとした(請求項3)。大気中で焼成するの
は、還元雰囲気下で焼成すると焼結体中のTiO2に酸
素欠陥が生じて焼結体の体積抵抗率が低くなりすぎるた
めである。また、焼成温度を1000℃より低くすると
焼結が不十分となり、1400℃を越えると粒子が異常
に成長して焼結体の強度が低くなり、いずれも製品とし
て使用できない。
【0010】また、上記Al2O3粉末にTiO2粉末
及びM2O5粉末を加える場合、TiO2粉末及びM2
O5粉末の含有量としては、Al2O3粉末に対し1〜
70mol%及び0.005〜2mol%であるとした
(請求項5)。TiO2粉末及びM2O5粉末の含有量
が1mol%及び0.005mol%より少ないと体積
抵抗率が高くなりすぎ、70mol%及び2mol%よ
り多いと体積抵抗率が一定せずまた103Ω・cmを割
ってしまう。
及びM2O5粉末を加える場合、TiO2粉末及びM2
O5粉末の含有量としては、Al2O3粉末に対し1〜
70mol%及び0.005〜2mol%であるとした
(請求項5)。TiO2粉末及びM2O5粉末の含有量
が1mol%及び0.005mol%より少ないと体積
抵抗率が高くなりすぎ、70mol%及び2mol%よ
り多いと体積抵抗率が一定せずまた103Ω・cmを割
ってしまう。
【0011】これら粉末を混合、乾燥、成形した後の焼
成としては、大気中にて1300〜1500℃の温度で
焼成することとした(請求項6)。大気中で焼成するの
は、前述と同じく還元雰囲気下では体積抵抗率が低くな
りすぎ、また焼成温度を1300℃より低くすると焼結
が不十分となり、1500℃より高くすると焼結体の強
度が弱くなって前述と同様製品として使用できない。
成としては、大気中にて1300〜1500℃の温度で
焼成することとした(請求項6)。大気中で焼成するの
は、前述と同じく還元雰囲気下では体積抵抗率が低くな
りすぎ、また焼成温度を1300℃より低くすると焼結
が不十分となり、1500℃より高くすると焼結体の強
度が弱くなって前述と同様製品として使用できない。
【0012】こうして作製されたセラミックスは導電性
セラミックスとなる。TiO2の導電性セラミックスの
場合は、M2O5粉末の含有量を上記の範囲にすれば体
積抵抗率は103〜1010Ω・cmとなり、また、A
l2O3の導電性セラミックスの場合は、TiO2粉末
とM2O5粉末の含有量を同様上記の範囲にすれば体積
抵抗率は103〜1012Ω・cmとなる。そして、含
有するM2O5粉末、またはTiO2粉末及びM2O5
粉末の含有量を加減することにより、体積抵抗率の大き
さを適宜調整することができるので、所望の体積抵抗率
を持つ導電性セラミックスを簡単に得ることができる。
セラミックスとなる。TiO2の導電性セラミックスの
場合は、M2O5粉末の含有量を上記の範囲にすれば体
積抵抗率は103〜1010Ω・cmとなり、また、A
l2O3の導電性セラミックスの場合は、TiO2粉末
とM2O5粉末の含有量を同様上記の範囲にすれば体積
抵抗率は103〜1012Ω・cmとなる。そして、含
有するM2O5粉末、またはTiO2粉末及びM2O5
粉末の含有量を加減することにより、体積抵抗率の大き
さを適宜調整することができるので、所望の体積抵抗率
を持つ導電性セラミックスを簡単に得ることができる。
【0013】また、上記で作製したAl2O3の導電性
セラミックスを、さらに大気中にて1000〜1200
℃の温度で熱処理することとした(請求項7)。この熱
処理により体積抵抗率が106〜109Ω・cmとな
り、熱処理前に比べて体積抵抗率の巾を狭くすることが
できる。このことは、Al2O3粉末に含むTiO2粉
末及びM2O5粉末の含有量が多少変動しても、あるい
は焼成温度が多少変動しても体積抵抗率は変動しないこ
とを示していることになる。つまり体積抵抗率がより一
定なものが得られることになる。1000℃より低い温
度で熱処理しても変わらず、また1200℃より高い温
度で熱処理すると体積抵抗率が高くなってしまう。
セラミックスを、さらに大気中にて1000〜1200
℃の温度で熱処理することとした(請求項7)。この熱
処理により体積抵抗率が106〜109Ω・cmとな
り、熱処理前に比べて体積抵抗率の巾を狭くすることが
できる。このことは、Al2O3粉末に含むTiO2粉
末及びM2O5粉末の含有量が多少変動しても、あるい
は焼成温度が多少変動しても体積抵抗率は変動しないこ
とを示していることになる。つまり体積抵抗率がより一
定なものが得られることになる。1000℃より低い温
度で熱処理しても変わらず、また1200℃より高い温
度で熱処理すると体積抵抗率が高くなってしまう。
【0014】従来の樹脂に比べて、本発明で作製した導
電性セラミックの方が体積抵抗率が一定であるのは、樹
脂では混入するカーボン粉末の量と分散の度合いで体積
抵抗率が左右されるが、本発明のTiO2の導電性セラ
ミックスでは、M2O5の量と焼成温度に依存している
からである。これは、M2O5粉末の量と焼成温度を一
定にすれば、それに応じてセラミックスを構成している
個々の粒子が一定の導電性を有することによる。このこ
とから、M2O5の量は正確に量れるので一定にできる
し、また焼成温度もかなり正確に一定にすることができ
るので、M2O5の量と焼成温度を決めればそれに応じ
た一定の体積抵抗率を持つ導電性セラミックスを得るこ
とができることになる。Al2O3の導電性セラミック
スの場合も同じである。
電性セラミックの方が体積抵抗率が一定であるのは、樹
脂では混入するカーボン粉末の量と分散の度合いで体積
抵抗率が左右されるが、本発明のTiO2の導電性セラ
ミックスでは、M2O5の量と焼成温度に依存している
からである。これは、M2O5粉末の量と焼成温度を一
定にすれば、それに応じてセラミックスを構成している
個々の粒子が一定の導電性を有することによる。このこ
とから、M2O5の量は正確に量れるので一定にできる
し、また焼成温度もかなり正確に一定にすることができ
るので、M2O5の量と焼成温度を決めればそれに応じ
た一定の体積抵抗率を持つ導電性セラミックスを得るこ
とができることになる。Al2O3の導電性セラミック
スの場合も同じである。
【0015】また、セラミックスを構成している導電性
の粒子の他にその導電性の粒子よりもより低い体積抵抗
率を有する粒子が余分に必要以上に入り込むと、樹脂と
同じくその低い導電性を持った粒子の分散性だけに体積
抵抗率の大きさがが左右されることになる。そのため、
TiO2粉末にM2O5粉末を多く入れすぎると、ある
いはAl2O3粉末にTiO2粉末及びM2O5粉末を
多く入れすぎると体積抵抗率が一定しなくなることにな
る。
の粒子の他にその導電性の粒子よりもより低い体積抵抗
率を有する粒子が余分に必要以上に入り込むと、樹脂と
同じくその低い導電性を持った粒子の分散性だけに体積
抵抗率の大きさがが左右されることになる。そのため、
TiO2粉末にM2O5粉末を多く入れすぎると、ある
いはAl2O3粉末にTiO2粉末及びM2O5粉末を
多く入れすぎると体積抵抗率が一定しなくなることにな
る。
【0016】以上の通り、TiO2粉末にM2O5(M
=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末を、
あるいはAl2O3粉末にTiO2粉末とM2O5粉末
を加えて混合、乾燥、成形、焼成すれば、体積抵抗率が
低く一定した導電性セラミックスが得られる。またこの
セラミックスは、有機物である樹脂に比べ耐熱性に極め
て優れているため、高電圧を印加しても発熱による熱変
形がほとんどない利点があり、さらに、負荷する印加電
圧の違いによる体積抵抗率の変化が小さいことから、例
えば何等かの理由で印加電圧が変動しても体積抵抗率の
変動に与える影響が少ない利点もある。
=Nb、Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末を、
あるいはAl2O3粉末にTiO2粉末とM2O5粉末
を加えて混合、乾燥、成形、焼成すれば、体積抵抗率が
低く一定した導電性セラミックスが得られる。またこの
セラミックスは、有機物である樹脂に比べ耐熱性に極め
て優れているため、高電圧を印加しても発熱による熱変
形がほとんどない利点があり、さらに、負荷する印加電
圧の違いによる体積抵抗率の変化が小さいことから、例
えば何等かの理由で印加電圧が変動しても体積抵抗率の
変動に与える影響が少ない利点もある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。
本発明をより詳細に説明する。
【0018】(実施例1〜10) (1)TiO2の導電性セラミックスの作製 TiO2の粉末原料に対し、Nb2O5の粉末原料、S
b2O5の粉末原料、またはTa2O5の粉末原料を表
1となるように配合し、それらをIPA(イソプロピレ
ンアルコール)中に浸積してボールミルで混合した。得
られたスラリーをエバポレータにより乾燥し、100メ
ッシュの篩に通した粉末を成形した後、大気中で100
0〜1400℃で3時間焼成してTiO2の導電性セラ
ミックスを作製した。
b2O5の粉末原料、またはTa2O5の粉末原料を表
1となるように配合し、それらをIPA(イソプロピレ
ンアルコール)中に浸積してボールミルで混合した。得
られたスラリーをエバポレータにより乾燥し、100メ
ッシュの篩に通した粉末を成形した後、大気中で100
0〜1400℃で3時間焼成してTiO2の導電性セラ
ミックスを作製した。
【0019】(実施例11〜19) (2)Al2O3の導電性セラミックスの作製 Al2O3の粉末原料に対し、TiO2の粉末原料にさ
らにNb2O5の粉末原料、Sb2O5の粉末原料、ま
たはTa2O5の粉末原料を表2となるように配合し、
それらをIPA中に浸積してボールミルで混合した。得
られたスラリーをエバポレータにより乾燥し、100メ
ッシュの篩に通した粉末を成形した後、大気中で130
0〜1500℃で3時間焼成してAl2O3の導電性セ
ラミックスを作製した。
らにNb2O5の粉末原料、Sb2O5の粉末原料、ま
たはTa2O5の粉末原料を表2となるように配合し、
それらをIPA中に浸積してボールミルで混合した。得
られたスラリーをエバポレータにより乾燥し、100メ
ッシュの篩に通した粉末を成形した後、大気中で130
0〜1500℃で3時間焼成してAl2O3の導電性セ
ラミックスを作製した。
【0020】(実施例20〜28) (3)Al2O3の導電性セラミックスの熱処理 上述で作製したAl2O3の導電性セラミックスの体積
抵抗率を測定した後、さらに大気中で表3に示す温度で
熱処理した。
抵抗率を測定した後、さらに大気中で表3に示す温度で
熱処理した。
【0021】(4)評価 得られた導電性セラミックスの体積抵抗率を、表1、2
及び3に示す印加電圧を負荷して2端子法により測定し
た。それらの結果を表1、2及び3に示す。
及び3に示す印加電圧を負荷して2端子法により測定し
た。それらの結果を表1、2及び3に示す。
【0022】(比較例1〜3)比較のために、表1のよ
うにNb2O5粉末の含有量を本発明の範囲外にした場
合、即ち加えなかった場合(比較例1)、多く加えた場
合(比較例2)または焼成温度を1000℃より低くし
た場合(比較例3)の導電性セラミックスを実施例と同
じ方法で作製し、評価した。それらの結果を表1に示
す。
うにNb2O5粉末の含有量を本発明の範囲外にした場
合、即ち加えなかった場合(比較例1)、多く加えた場
合(比較例2)または焼成温度を1000℃より低くし
た場合(比較例3)の導電性セラミックスを実施例と同
じ方法で作製し、評価した。それらの結果を表1に示
す。
【0023】(比較例4〜5)また比較のために、表2
のようにAl2O3粉末に対し、TiO2粉末とNb2
O5粉末の含有量を本発明の範囲外にした場合、即ち加
えた量が少なくさらに焼成温度を高くした場合(比較例
4)、多く加えた場合(比較例5)の導電性セラミック
スを実施例と同じ方法で作製し、評価した。それらの結
果を表2に示す。
のようにAl2O3粉末に対し、TiO2粉末とNb2
O5粉末の含有量を本発明の範囲外にした場合、即ち加
えた量が少なくさらに焼成温度を高くした場合(比較例
4)、多く加えた場合(比較例5)の導電性セラミック
スを実施例と同じ方法で作製し、評価した。それらの結
果を表2に示す。
【0024】(比較例5〜6)さらにまた比較のため
に、実施例11及び15で作製した導電性セラミックス
をさらに表3で示す温度で実施例と同じ方法で熱処理
し、評価した。それらの結果を表3に示す。
に、実施例11及び15で作製した導電性セラミックス
をさらに表3で示す温度で実施例と同じ方法で熱処理
し、評価した。それらの結果を表3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】表1から明らかなように、実施例1〜10
においては、TiO2粉末に対しM2O5(M=Nb、
Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末の含有量と焼
成温度が本発明の範囲内にあるので、TiO2セラミッ
クスの体積抵抗率はいずれも103〜1010Ω・cm
の範囲にあり、M2O5粉末を含まない時の体積抵抗率
(1011Ω・cm以上)より低くなって導電性を示し
ていた。なお、実施例2の組成と焼成温度で導電性セラ
ミックスを別に10個作り、その体積抵抗率を測定した
ところ、2.0〜2.7×108Ω・cmの範囲にあり
一定していた。
においては、TiO2粉末に対しM2O5(M=Nb、
Sb又はTaのうち少なくとも1種)粉末の含有量と焼
成温度が本発明の範囲内にあるので、TiO2セラミッ
クスの体積抵抗率はいずれも103〜1010Ω・cm
の範囲にあり、M2O5粉末を含まない時の体積抵抗率
(1011Ω・cm以上)より低くなって導電性を示し
ていた。なお、実施例2の組成と焼成温度で導電性セラ
ミックスを別に10個作り、その体積抵抗率を測定した
ところ、2.0〜2.7×108Ω・cmの範囲にあり
一定していた。
【0029】また、表2から明らかなように実施例11
〜19においても、Al2O3粉末に対しTiO2粉末
及びM2O5粉末の含有量と焼成温度が本発明の範囲内
にあるのでAl2O3セラミックスの体積抵抗率は10
3〜1012Ω・cmの範囲にあり、同様TiO2粉末
とM2O5粉末を含まない時の体積抵抗率(1014Ω
・cm以上)より低くなって導電性を示していた。な
お、TiO2セラミックスと同様に実施例13と同し組
成と焼成温度で導電性セラミックスを別に10個作り、
その体積抵抗率を測定したところ、3.9〜4.2×1
05Ω・cmの範囲にありこれも一定していた。
〜19においても、Al2O3粉末に対しTiO2粉末
及びM2O5粉末の含有量と焼成温度が本発明の範囲内
にあるのでAl2O3セラミックスの体積抵抗率は10
3〜1012Ω・cmの範囲にあり、同様TiO2粉末
とM2O5粉末を含まない時の体積抵抗率(1014Ω
・cm以上)より低くなって導電性を示していた。な
お、TiO2セラミックスと同様に実施例13と同し組
成と焼成温度で導電性セラミックスを別に10個作り、
その体積抵抗率を測定したところ、3.9〜4.2×1
05Ω・cmの範囲にありこれも一定していた。
【0030】さらにまた、表3から明らかなように実施
例20〜27においては、表2の実施例での体積抵抗率
が103〜1012Ω・cmであったのが、それを熱処
理することにより106〜109Ω・cmと範囲が狭く
なっていた。
例20〜27においては、表2の実施例での体積抵抗率
が103〜1012Ω・cmであったのが、それを熱処
理することにより106〜109Ω・cmと範囲が狭く
なっていた。
【0031】これに対して本発明の範囲外、即ち、Ti
O2粉末に対するNb2O5粉末の含有量が範囲外の比
較例1〜2においては、体積抵抗率が1011Ω・cm
を超えていたり、103Ω・cmを下回っていた。また
焼成温度が900℃の比較例3では焼結しなかった。ま
た、Al2O3粉末に対しTiO2粉末及びM2O5粉
末の含有量が範囲外の比較例4〜5においては、体積抵
抗率が高すぎたり、低すぎたりしている。これをさらに
熱処理しても比較例6〜7に示すように体積抵抗率は変
わらず、また109Ω・cmを上回っていた。
O2粉末に対するNb2O5粉末の含有量が範囲外の比
較例1〜2においては、体積抵抗率が1011Ω・cm
を超えていたり、103Ω・cmを下回っていた。また
焼成温度が900℃の比較例3では焼結しなかった。ま
た、Al2O3粉末に対しTiO2粉末及びM2O5粉
末の含有量が範囲外の比較例4〜5においては、体積抵
抗率が高すぎたり、低すぎたりしている。これをさらに
熱処理しても比較例6〜7に示すように体積抵抗率は変
わらず、また109Ω・cmを上回っていた。
【0032】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかる組成と焼成
温度で作製されたセラミックスは、TiO2の導電性セ
ラミックス、またはAl2O3の導電性セラミックスと
なり、この導電性セラミックスはその組成と焼成温度を
変えることにより、容易に所望の体積抵抗率を有するセ
ラミックスが得られ、しかも有する体積抵抗率のばらつ
きが小さく一定のため、静電気対策用に問題なく用いる
ことができる。
温度で作製されたセラミックスは、TiO2の導電性セ
ラミックス、またはAl2O3の導電性セラミックスと
なり、この導電性セラミックスはその組成と焼成温度を
変えることにより、容易に所望の体積抵抗率を有するセ
ラミックスが得られ、しかも有する体積抵抗率のばらつ
きが小さく一定のため、静電気対策用に問題なく用いる
ことができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 粉末を混合、乾燥、成形し、その成形体
を焼成して成るセラミックスにおいて、該粉末が、Ti
O2粉末とM2O5(M=Nb、Sb又はTaのうち少
なくとも1種)粉末からなることを特徴とする導電性セ
ラミックス。 - 【請求項2】 M2O5粉末の含有量が、TiO2粉末
に対し0.01〜10mol%であることを特徴とする
請求項1記載の導電性セラミックス。 - 【請求項3】 成形体の焼成が、大気中にて1000〜
1400℃で焼成することを特徴とする請求項1又は2
記載の導電性セラミックス。 - 【請求項4】 粉末を混合、乾燥、成形し、その成形体
を焼成して成るセラミックスにおいて、該粉末が、Al
2O3粉末、TiO2粉末及びM2O5(M=Nb、S
b又はTaのうち少なくとも1種)粉末からなることを
特徴とする導電性セラミックス。 - 【請求項5】 TiO2粉末及びM2O5粉末の含有量
が、Al2O3粉末に対し1〜70mol%及び0.0
05〜2mol%であることを特徴とする請求項4記載
の導電性セラミックス。 - 【請求項6】 成形体の焼成が、大気中にて1300〜
1500℃で焼成することを特徴とする請求項4又は5
記載の導電性セラミックス。 - 【請求項7】 成形体の焼成が、大気中にて1300〜
1500℃で焼成した後、さらに1000〜1200℃
で熱処理することを特徴とする請求項4又は5記載の導
電性セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107363A JPH07277825A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 導電性セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107363A JPH07277825A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 導電性セラミックス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07277825A true JPH07277825A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=14457189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6107363A Pending JPH07277825A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | 導電性セラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07277825A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089345A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Kyocera Corp | 導電性多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法 |
US7094718B2 (en) | 2000-11-21 | 2006-08-22 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | ESD dissipative ceramics |
JP2007290875A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-08 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化チタン系焼結体およびその製造方法 |
US8377607B2 (en) | 2005-06-30 | 2013-02-19 | GM Global Technology Operations LLC | Fuel cell contact element including a TiO2 layer and a conductive layer |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP6107363A patent/JPH07277825A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7094718B2 (en) | 2000-11-21 | 2006-08-22 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | ESD dissipative ceramics |
US7579288B2 (en) | 2000-11-21 | 2009-08-25 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | Method of manufacturing a microelectronic component utilizing a tool comprising an ESD dissipative ceramic |
JP2006089345A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Kyocera Corp | 導電性多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法 |
US8377607B2 (en) | 2005-06-30 | 2013-02-19 | GM Global Technology Operations LLC | Fuel cell contact element including a TiO2 layer and a conductive layer |
JP2007290875A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-08 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化チタン系焼結体およびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040706 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041124 |