JP3777472B2 - 高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法に関するものである。更に詳細には、本発明は電力遮断機等高電圧装置に使用される、高エネルギーが注入可能なセラミック抵抗体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にセラミック抵抗体は、高電圧装置、大容量コンデンサーの充放電装置、電力遮断機等の用途に広く利用されている。これらのセラミック抵抗体の中で、最も耐熱性・耐電圧電流性とエネルギー耐量を有する抵抗体としては、アルミナ・シリカ等の電気絶縁体粉末を骨材とし、カーボンを導電材として粘土等の結合材にて焼結させたものが挙げられる。
本抵抗体は、上記用途において高エネルギーが注入可能な抵抗体として広く使用されている。
一般的な高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法としては、骨材である電気絶縁体粉末例えばアルミナ粉末と、結合材である粘土、導電材であるカーボン粉末を混合・造粒し一軸加圧プレス等で成形し、非酸化雰囲気中にて1100〜1300℃の温度にて焼成する。
従来は、この骨材であるアルミナ等の電気絶縁体粉末について、その焼結性や抵抗体素子の気孔径分布を制御する目的において、メジアン径2〜4μmのほぼ球状の粒子を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法としては、骨材であるアルミナ等の電気絶縁体粉末について、比較的に球状で微細なメジアン径2〜4μmの原料粉末を使用し、スプレードライヤー等により造粒し、一軸加圧プレス等により成形し、非酸化性雰囲気中にて1100〜1300℃の温度にて焼成する方法が用いられる。しかし、この方法の欠点としては、電気絶縁体粉末のメジアン径2〜4μmといった比較的に微細な球状粒子を使用するため抵抗調整として焼成温度を変動させたことにより、素子のエネルギー耐量に影響を及ぼしてしまう点が大きな問題となっていた。つまり、低温で焼成した抵抗体素子は、組織内部に粗大な空隙を多く含むこととなり、その結果、高エネルギー注入時にそれらの粗大な空隙の表面が擬似表面化し、組織内部に短絡の現象が見られるようになる。逆に高温で焼成したものは、抵抗体素子が高密度化するため、高電圧エネルギー注入により素子が発熱し、その熱により熱衝撃破壊を引き起こす。したがって、このような抵抗体素子を高電圧エネルギー注入に耐えうる組織にすると共に所望の抵抗値に合わせるためには、非常に微妙な焼成温度の制御が必要となる。このように、高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法は、焼成温度の変動で耐電圧も容易に変化するため、常に安定した耐電圧を得ることが困難であった。本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電気絶縁体粉末として、メジアン径が60〜80μmの範囲にあり、かつ90°または鋭角の角を持った多角形粒子形状の粉末を使用することにより、焼成温度が変動しても組織が変化しない高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法は、電気絶縁体粉末を主成分とし、結合材である粘土と導電材であるカーボンを焼結して得るセラミック抵抗体の製造方法において、前記電気絶縁体粉末として、メジアン径が60μm以上80μm以下の範囲にあり、かつ90°または鋭角の角を持った多角形粒子形状の粉末を使用することを特徴とするもので、焼成時の収縮を制御し焼成温度に依存しない密度を持った理想的な高エネルギー注入型セラミック抵抗体を得るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る、高エネルギー注入型セラミック抵抗体の密度は、骨材として加えられている電気絶縁体粉末の成形時の充填度合や焼結時の収縮の影響を多分に受けている。しかし、“アルミナ−長石−カオリン”系磁器等では、骨材であるアルミナの粒子径が粗大になるにつれ焼結時に生じる結合材(本発明の場合は二種類の粘土鉱物である。)の粘性低下によって起こる。焼結収縮挙動を抑制し緻密化を阻害する傾向が大きくなる現象が起こる。つまり、本発明のように、粗大な90゜以下の鋭角の角を持った多角形粒子形状の電気絶縁体粉末としてアルミナを加えれば、同様に高エネルギー注入型セラミック抵抗体でも骨材であるアルミナが焼結収縮挙動を抑制し緻密化を阻害することになり、その結果として、温度依存性がほとんどない。一定の密度を持った高エネルギー注入型セラミック抵抗体が得られるようになる訳である。ただし、電気絶縁体粉末の粒度が粗大すぎても成形密度が低下し、成形性も非常に劣化するため好ましくない。
【0006】
【実施例】
以下に本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
【0007】
(実施例)粘土鉱物36wt%にカーボン3wt%を加え、更に鋭角の角を持った多角形粒子形状のメジアン径が80μmのアルミナを61wt%添加し、乾式による混合をし原料混合粉末を得る。次に、得られた原料混合粉体に水・分散材を加え捏合後、混練物を適当な大きさに整粒しこれを成形し外径40mm厚み25mmの円盤状に成形する。十分に乾燥を行ってから非酸化雰囲気の焼成炉内で1100℃・1200℃・1300℃で加熱したところ表1に示すような焼成温度の変化によって密度が変わらない高エネルギー注入型セラミック抵抗体が得られた。
【0008】
【表1】
【0009】
(比較例1)
実施例と同様に、粘土鉱物36wt%にカーボン3wt%を加え、骨材には鋭角の角を持った多角形粒子形状のメジアン径200μmのアルミナを61wt%添加し、乾式による混合をし原料混合粉体を得る。次に、得られた原料混合粉体に水・分散材を加え捏合後、混練物を適当な大きさに整粒しこれを成形しようとしたが成形段階で亀裂、割れが発生し成形できなかった。
【0010】
(比較例2)
実施例と同様に、粘土鉱物36wt%にカーボン3wt%を加え骨材には球状の60μmのアルミナを61wt%添加し、乾式による混合をし原料混合粉体を得る。次に、得られた原料混合粉体に水・分散材を加え捏合後、混練物を適当な大きさに整粒しこれを成形し外径40mm厚み25mmの円盤状に成形する。十分に乾燥を行ってから非酸化雰囲気の焼成炉内で1100℃・1200℃・1300℃で加熱したところ表1に示すように実施例に比べ高温域での焼成でやや高密度化することが確認された。
【0011】
(比較例3)
実施例1と同様に、粘土鉱物36wt%にカーボン3wt%を加え骨材には鋭角の角を持った多角形粒子形状のメジアン径2μmの比較的微細なアルミナを61wt%添加し、乾式による混合をし原料混合粉体を得る。次に、得られた原料混合粉体に水・分散材を加え捏合後、混練物を適当な大きさに整粒しこれを成形し外径40mm厚み25mmの円盤状に成形する。十分に乾燥を行ってから非酸化雰囲気の焼成炉内で1100℃・1200℃・1300℃で加熱したところ表1に示すように実施例に比べ焼成の上昇に伴い高密度化することが確認された。
【0012】
(比較例4)
実施例と同様に、粘土鉱物36wt%にカーボン3wt%を加え骨材には球状のメジアン径4μmの比較的微細なアルミナを61wt%添加し、乾式による混合をし原料混合粉体を得る。次に、得られた原料混合粉体に水・分散材を加え捏合後、混練物を適当な大きさに整粒しこれを成形し、外径40mm厚み25mmの円盤状に成形する。十分に乾燥を行ってから非酸化雰囲気の焼成炉内で1100℃・1200℃・1300℃で加熱したところ表1に示すように実施例に比べ焼成の上昇に伴い高密度化することが確認された。
【0013】
【発明の効果】
本発明の高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法によれば、焼結時に骨材として添加する電気絶縁体粉末として90°または鋭角の角を持った多角形粒子形状で、かつ粒子径が60〜80μmの粉末を使用するから、1100〜1300℃の広範囲の焼成温度の変化によっても焼結体密度に変化が見られず、理想的な高エネルギー注入型セラミック抵抗体を得ることができる。
Claims (1)
- 電気絶縁体粉末を主成分とし、結合材である粘土と導電材であるカーボンを焼結して得るセラミック抵抗体の製造方法において、前記電気絶縁体粉末として、メジアン径が60μm以上80μm以下の範囲にあり、かつ90°または鋭角の角を持った多角形粒子形状の粉末を使用することを特徴とする高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法。
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JP22162696A JP3777472B2 (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | 高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法 |
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JP22162696A JP3777472B2 (ja) | 1996-07-22 | 1996-07-22 | 高エネルギー注入型セラミック抵抗体の製造方法 |
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JPH1041103A JPH1041103A (ja) | 1998-02-13 |
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-
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