JP2013014487A - 導電性セラミックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常圧で焼結することによって緻密な焼結体を得ることできるため生産性が高い導電性セラミックスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一の導電性セラミックスの製造方法は以下の工程を備えている。第1のZrB2粉末と第1のSiC粉末と第1の焼結助剤と第1の有機バインダーとを混合した混合粉末を圧縮して圧縮体が作製される(S11)。圧縮体を一部液相化するように加熱焼結して焼結体が作製される(S12)。焼結体が冷却される(S13)。焼結体を粉砕して原料粉末が作製される(S14)。原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して成形体が作製される(S15)。成形体が常圧で焼結される(S16)。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性セラミックスの製造方法に関し、特にZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスの製造方法に関するものである。
ZrB2(2ホウ化ジルコニウム)は極めて高い融点(約3200℃)を有するため、一般の工業炉では緻密な焼結品を得ることができない。このため、ZrB2の緻密な焼結品を得るためにZrB2の微細なパウダーを30MPa程度の加圧下で2100℃に達する高温で焼結すること(ホットプレス)が必要となる。
また、ZrB2にSiC(炭化ケイ素)が配合されたセラミックスもホットプレスで作製される。たとえば、論文「Oxidation of ZrB2-Based Ceramics in Dry Air」(非特許文献1)には、ZrB2にSiCが約20体積%配合され、ホットプレスで作製されたセラミックスが開示されている。
F. Monteverde他1名,「Oxidation of ZrB2-Based Ceramics in Dry Air」,Journal of The Electrochemical Society,(米国),The Electrochemical Society Inc.,2003年,150(11),pp.B552-B559
上記の論文に記載されたようなホットプレスでは、加圧下での焼結に必要な焼結炉は設備がかなり大掛かりなものとなり、設備投資が高くなるため、製造コストが極めて高くなる。さらにホットプレスにはカーボンのモールドが必要であり、寸法的および形状的な制約が生じる。このように、加圧下の焼結では生産性が低いという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、常圧で焼結することによって寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため生産性が高いZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスの製造方法を提供することである。
本発明の一の導電性セラミックスの製造方法は以下の工程を備えている。
第1のZrB2粉末と第1のSiC粉末と第1の焼結助剤と第1の有機バインダーとを混合した混合粉末を圧縮して圧縮体が作製される。圧縮体を一部液相化するように加熱焼結して焼結体が作製される。焼結体が冷却される。焼結体を粉砕して原料粉末が作製される。原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して成形体が作製される。成形体が常圧で焼結される。
本発明の一の導電性セラミックスの製造方法によれば、原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して作製した成形体が常圧で焼結されるため、加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
本発明の一の導電性セラミックスの製造方法は好ましくは、原料粉末は、第1のZrB2粉末を10質量%以上70質量%以下含み、第1のSiC粉末および第1の焼結助剤の混合材料を30質量%以上90質量%以下含む。この原料粉末を用いることで加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
本発明の一の導電性セラミックスの製造方法は好ましくは、成形体は、原料粉末を4質量%以上100質量%未満含む。この成形体を用いることで加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
本発明の一の導電性セラミックスの製造方法は好ましくは、第1の焼結助剤は、B4C(炭化ホウ素)粉末を含み、原料粉末は、B4C粉末を0.4質量%以上7質量%以下含む。これにより、常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
本発明の他の導電性セラミックスの製造方法は以下の工程を備えている。
ZrB2粉末とSiC粉末と焼結助剤と第1の有機バインダーとを配合した混合粉末を圧縮して圧縮体が作製される。圧縮体を一部液相が生成するように加熱焼結して焼結体が作製される。焼結体が冷却される。焼結体を粉砕して原料粉末が作製される。原料粉末と、第2の有機バインダーとを混合して成形体が作製される。成形体が常圧で焼結される。
本発明の他の導電性セラミックスの製造方法によれば、原料粉末と、第2の有機バインダーとを混合して作製した成形体が常圧で焼結されるため、加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
上記の導電性セラミックスの製造方法は好ましくは、成形体は、1900℃以上2200℃以下で焼結される。これにより、常圧で低い温度で焼結しても緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
上記の導電性セラミックスの製造方法は好ましくは、成形体は、射出成形で作製される。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを容易に成形することができる。
以上説明したように、本発明の導電性セラミックスの製造方法によれば、常圧で焼結することによって寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため生産性を高くすることができる。
本発明の実施の形態1における導電性セラミックスの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における導電性セラミックスの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3における熱電対の概略斜視図である。 本発明の実施の形態3における導電性セラミックスの概略斜視図である。 本発明の実施例における焼結体の構造を示す図である。 本発明の実施例における導電性セラミックスの熱伝導率とZrB2配合率との関係を示す図である。 本発明の実施例における導電性セラミックスの体積固有抵抗値とZrB2配合率との関係を示す図である。 本発明の実施例における導電性セラミックスの3点曲げ強さとZrB2配合率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1の導電性セラミックスの製造方法について説明する。なお、本発明の導電性セラミックスとしては、半導電性の範囲も含む体積固有抵抗値が1×102Ω・cm以下のセラミックスが該当する。
図1を参照して、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法は以下の工程を備えている。
第1のZrB2粉末と第1のSiC粉末と第1の焼結助剤と第1の有機バインダーとを混合した混合粉末を圧縮して圧縮体が作製される(圧縮体を作製する工程S11)。第1の焼結助剤としては、B4C粉、C(炭素)粉などが適用され得る。第1の有機バインダーは、たとえば20部加えられ得る。混合粉末は加熱混練され得る。第1の有機バインダーは脱バインダー処理として加熱分解される。
圧縮体を一部液相化するように加熱焼結して焼結体が作製される(焼結体を作製する工程S12)。圧縮体はたとえば2200℃から2300℃で加熱される。焼結体が冷却される(焼結体を冷却する工程S13)。焼結体を粉砕して原料粉末が作製される(原料粉末を作製する工程S14)。原料粉末は平均粒径すなわちレーザー回折・散乱法で測定した粒度分布のメジアン値(d=50)が、0.5μm程度に微粉砕され得る。
原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して成形体が作製される(成形体を作製する工程S15)。第2の有機バインダーは、たとえば20部加えられ得る。原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかとは加熱混練され得る。成形体は射出成形機によって射出成形され得る。第2の有機バインダーは脱バインダー処理として加熱分解される。
成形体が常圧で焼結される(成形体を常圧で焼結する工程S16)。常圧とは、特別に減圧も加圧もしていない状態の圧力をいう。そのため、常圧はほぼ大気圧に等しい圧力となる。常圧の範囲は、たとえば、1000hPa以上1050hPa以下である。
原料粉末は、第1のZrB2粉末を10質量%以上70質量%以下含み、第1のSiC粉末および第1の焼結助剤の混合材料を30質量%以上90質量%以下含んでいる。
成形体は、前記原料粉末を4質量%以上100質量%未満含んでいる。
第1の焼結助剤は、B4C粉末を含み、原料粉末は、B4C粉末を0.4質量%以上7質量%以下含んでいる。
成形体は、1900℃以上2200℃以下で焼結される。さらに、成形体は2000℃以上2150℃以下で焼結されることが好ましい。
成形体は、射出成形で作製される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して作製した成形体を常圧で焼結するため、ホットプレス等で加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、原料粉末は、第1のZrB2粉末を10質量%以上70質量%以下含み、第1のSiC粉末および第1の焼結助剤の混合材料を30質量%以上90質量%以下含むことが好ましい。この原料粉末を用いることで加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、成形体は、原料粉末を4質量%以上100質量%未満含むことが好ましい。この成形体を用いることで加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、第1の焼結助剤は、B4C粉末を含み、原料粉末は、B4C粉末を0.4質量%以上7質量%以下含むことが好ましい。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、成形体は、1900℃以上2200℃以下で焼結されることが好ましい。これにより、常圧で低い温度で焼結しても形状的な制約もなく緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、成形体は、射出成形で作製されることが好ましい。これにより、容易に所望の形状に成形することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1と比較して、成形体の組成が主に異なっている。
図2を参照して、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法は以下の工程を備えている。
ZrB2粉末とSiC粉末と焼結助剤と第1の有機バインダーとを配合した混合粉末を圧縮して圧縮体が作製される(圧縮体を作製する工程S21)。圧縮体を一部液相が生成するように加熱焼結して焼結体が作製される(焼結体を作製する工程S22)。焼結体が冷却される(焼結体を冷却する工程S23)。焼結体を粉砕して原料粉末が作製される(原料粉末を作製する工程S24)。原料粉末と、第2の有機バインダーとを混合して成形体が作製される(成形体を作製する工程S25)。成形体が常圧で焼結される(成形体を常圧で焼結する工程S26)。
なお、本実施の形態のこれ以外の製造方法は上述した実施の形態1の構成と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、原料粉末と、第2の有機バインダーとを混合して作製した成形体を常圧で焼結するため、加圧することなく常圧で焼結することによってZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスを作製することができる。これにより、寸法的および形状的な制約の少ない導電性セラミックスを緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、成形体は、1900℃以上2200℃以下で焼結されることが好ましい。これにより、常圧で低い温度で焼結しても形状的な制約もなく緻密に焼結することができるため、生産性を高くすることができる。
また、本実施の形態の導電性セラミックスの製造方法によれば、成形体は、射出成形で作製されることが好ましい。これにより、容易に所望の形状に成形することができる。
(実施の形態3)
上記の実施の形態1および実施の形態2の導電性セラミックスの製造方法で製造された導電性セラミックスの用途の一例として、熱電対に用いられる場合について説明する。
図3を参照して、本実施の形態の熱電対10は、シース線100と、温接点部として機能する導電性セラミックス3とを主に有している。シース線100は、第1の金属線1と、第1の金属線1とは異なる材質からなる第2の金属線2とを有している。導電性セラミックス3は、第1の金属線1と第2の金属線2とを電気的に接続し、温接点部として機能するよう構成されている。
本実施の形態の導電性セラミックス3としては、体積固有抵抗値が1×10-2Ω・cm以下、熱伝導率が50W/m・K以上、相対密度比(かさ密度/理論密度)が95%以上のセラミックスが適用される。
シース線100の第1の金属線1と第2の金属線2とは、互いに非接触の状態で導電性セラミックス3に保持されている。導電性セラミックス3の材質は、ZrB2(二ホウ化ジルコニウム)を含んでいる。ZrB2の体積固有抵抗値は、たとえば1.74×10-5Ω・cm(室温)である。また、ZrB2の熱伝導率は、たとえば58.8W/m・K(室温)であり、64.4W/m・K(1027℃)であり、134W/m・K(2027℃)である。
第1の金属線1としては、たとえばPt(白金)線が用いられており、第2の金属線2としては、たとえばPt−Rh(ロジウム)線が用いられている。
熱電対10は、たとえば溶融金属(およびスラグ)などの測定対象に導電性セラミックス3の一方端部3a側で接触するように構成されている。導電性セラミックス3は全体として温接点部を構成している。第1の金属線1および第2の金属線2を有するシース線100は、導電性セラミックス3の他方端部3b側に接続されている。第1の金属線1および第2の金属線2は溶融金属(およびスラグ)へ直接には接触しないように構成されている。そのため、第1の金属線1および第2の金属線2は溶融金属(およびスラグ)によって損耗することはない。
導電性セラミックス3の温度が測定対象の溶融金属(およびスラグ)の温度とほぼ同一となるように、かつ、溶融金属(またはスラグ)の温度変化に導電性セラミックス3の温度が遅れなく追随して変化するように(応答性)、導電性セラミックス3の熱容量は可能な限り小さく設計することが好ましい。たとえば、250T(容量250ton)取鍋用の場合、導電性セラミックス3は、径8mm×長さ10〜50mmで、体積0.5〜2.5cm3であり、質量3〜15gに設計されることが好ましい。
さらに導電性セラミックス3の周囲は溶融金属(およびスラグ)との接触面を除いて断熱性の高い耐火物(たとえばMgO;酸化マグネシウム)で被覆されていることが好ましい。これにより周囲の耐火物への伝熱ロスを防止することができる。上述により、わずか十数グラムの小さい導電性セラミックスの温度が溶融金属(およびスラグ)の温度と常にほぼ同一温度となり、かつ溶融金属(およびスラグ)の温度変化に十分追随するような構造とすることができる。
また、導電性セラミックス3と第1の金属線1および第2の金属線2の接続方法は接続部の電気抵抗値が最小となるように接続することが好ましい。そのため、導電性セラミックス3と第1の金属線1および第2の金属線2とはたとえば一例として白金ペーストで接続されていることが好ましい。
また、導電性セラミックス3中の成分が第1の金属線1および第2の金属線2に拡散し、第1の金属線1および第1の金属線2の起電力に変化が起きないことを確認するために、導電性セラミックス3を用いて熱電対10を作成しこれを1600℃の高温下で24時間保持し、第1の金属線1および第2の金属線2の材質であるPt中へのB(ホウ素)の拡散量を分析した。その結果、Pt中にBは検出されなかった。したがって、本実施の形態の熱電対10では、温接点接合型の熱電対に一般的に見られるような熱起電力の継時劣化は起こらないことが確認された。
次に、本実施の形態の熱電対の製造方法について説明する。
図3および図4を参照して、まず、導電性セラミックス3が準備される。たとえば、直径8mm、長さ30mmの円柱状の導電性セラミックス3の他方端部3bに内径3mm、長さ10mmの大穴33が形成される。さらに大穴33の先端にたとえば、内径1mm、長さ10mmの第1の小穴31および第2の小穴32がそれぞれ形成される。一方、たとえば、外径2mmのTypeR熱電対シース線100(素線はPt線および13%Rh−Pt線)が用意され、先端部の素線(第1の金属線1および第2の金属線2)それぞれ5mm剥き出しにされる。また、接着剤としての白金ペーストと高温接着剤とが準備される。
導電性セラミックス3の他方端部3bを上にして立て、第1の小穴31および第2の小穴32に白金ペーストを溢れぬ程度流し込まれ、先に準備したシース線100の第1の金属線1および第2の金属線2がそれぞれ第1の小穴31および第2の小穴32に入るように差し込まれる。第1の金属線1および第2の金属線2が白金ペースト4および5で固定された後、大穴33とシース線100との隙間が断熱性の耐火物粉で埋められる。最後に導電性セラミックス3の他方端部3bにおいて、シース線100が接着剤7で固定される。
本実施の形態の熱電対によれば、上記の導電性セラミックスの製造方法で製造された導電性セラミックスを備えているため、生産性を高くすることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、導電性セラミックスとしては、体積固有抵抗値が1×102Ω・cm以下のセラミックスが該当する。
(実施例1)
平均粒径すなわちレーザー回折・散乱法で測定した粒度分布のメジアン値(d=50)が、2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.2質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)1.1質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr(アルゴン)雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。図5を参照して、SEM(Scanning Electron Microscope)写真から、この焼結ペレットには液相が生成されていたことが観察される。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)63.2質量%にこの原料粉末36.8質量%が加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2200℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は80.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は5.07g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は99.3%であった。また、室温での熱伝導率は87.1W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は3.04×10-5Ω・cmであった。室温での3点曲げ強度は341MPaであった。
(実施例2)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.9質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)0.4質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)78.9質量%にこの原料粉末20.0質量%が加えられ、さらに平均粒径0.3μmのB4C粉(第2の焼結助剤)1.1質量%が加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2100℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は88.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は5.28g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は97.1%であった。また、室温での熱伝導率は70.9W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は2.87×10-5Ω・cmであった。
(実施例3)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)10.0質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)83.0質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)7.0質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)66.7質量%にこの原料粉末33.3質量%が加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2100℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は70.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は4.68g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は99.6%であった。また、室温での熱伝導率は92.7W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は4.21×10-5Ω・cmであった。
(実施例4)
平均粒径2.1μmのZrB2粉20.0質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉77.0質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(焼結助剤)3.0質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、この原料粉末100.0質量%に、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2150℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は20.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.37g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は98.3%であった。また、室温での熱伝導率は157.0W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は4.00×10-1Ω・cmであった。室温での3点曲げ強度は410MPaであった。
(実施例5)
実施例4と同様の方法で成形体が得られた後、この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中1900℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は20.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.30g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は96.2%であった。また、室温での熱伝導率は140.4W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は1.04×10-0Ω・cmであった。
(実施例6)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)70.0質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)28.9質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)1.1質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)95.0質量%にこの原料粉末4.0質量%が加えられ、さらに平均粒径0.3μmのB4C粉(第2の焼結助剤)1.0質量%が加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2150℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は97.8質量%となる。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は5.78g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は97.4%であった。また、室温での熱伝導率は62.0W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は2.18×10-5Ω・cmであった。
(実施例7)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.9質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)0.4質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、この原料粉末21.9質量%に、平均粒径0.7μmのSiC粉(第2のSiC粉末)75.1質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第2の焼結助剤)3.0質量%とが加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練されて、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーを加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2150℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は10.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.24g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は99.6%であった。また、室温での熱伝導率は162.6W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は6.21×10-0Ω・cmであった。
(実施例8)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)22.4質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)73.1質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)2.5質量%と、平均粒径11nm(ナノメートル)のC粉(第1の焼結助剤)2.0質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)30.0質量%にこの原料粉末70.0質量%が加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2100℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は45.7質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.88g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は97.9%であった。また、室温での熱伝導率は124.6W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は2.78×10-4Ω・cmであった。室温での3点曲げ強度は363MPaであった。
(実施例9)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.2質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)1.1質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーを加熱分解させた後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、この原料粉末70.0質量%に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)28.0質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第2の焼結助剤)1.0質量%と、平均粒径11nmのC粉(第2の焼結助剤)1.0質量%とが加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーを加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2150℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は60.0質量%となった。
この導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は4.31g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は98.9%であった。また、室温での熱伝導率は107.6W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は7.85×10-5Ω・cmであった。
(実施例10)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.2質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)1.1質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)を20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、この原料粉末50.0質量%に、平均粒径2.1μmのZrB2粉(第2のZrB2粉末)7.1質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第2のSiC粉末)40.9質量%と、B4C粉(第2の焼結助剤)1.0質量%と、平均粒径11nmのC粉(第2の焼結助剤)1.0質量%とが加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解させた後、グラファイト炉でAr雰囲気中2050℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は30.0質量%となった。
その導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.54g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は97.8%であった。また、室温での熱伝導率は143.0W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は1.86×10-2Ω・cmであった。
(実施例11)
平均粒径2.1μmのZrB2粉(第1のZrB2粉末)45.7質量%と、平均粒径0.7μmのSiC粉(第1のSiC粉末)53.2質量%と、平均粒径0.3μmのB4C粉(第1の焼結助剤)1.1質量%とがメカニカル混合された後、有機バインダー(第1の有機バインダー)を20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱・加圧混練されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解された後、グラファイト炉でAr雰囲気中2300℃で焼成された。成形材料は一部液相が生成するように加熱焼結されて焼結体が作製された。焼結体が冷却されて焼結ペレットが得られた。
この焼結ペレットが遊星ボールミルで微粉砕されて平均粒径0.5μmの原料粉末が作製された。次に、この原料粉末99.8質量%に、平均粒径0.3μmのB4C粉(第2の焼結助剤)0.2質量%とが加えられ、メカニカル混合された後、有機バインダー(第2の有機バインダー)が20部加えられ、加圧式ニーダーで加熱混練され、混合されて、均一分散したコンパウンドが作製された。その後、このコンパウンドがペレット化されて成形材料とされた。
この成形材料が射出成形機に投入され、所望の金型内に、可塑化させた成形材料が50〜100MPaの圧力で射出され、金型内で冷却固化後に取り出されて成形体が作製された。
この成形体が大気脱脂炉に入れられて有機バインダーが加熱分解させた後、グラファイト炉でAr雰囲気中2150℃で焼成され、冷却されて所望の導電性セラミックスが得られた。なお、この導電性セラミックスのZrB2配合率は45.6質量%となった。
その導電性セラミックスの諸物性を測定した値は次の通りであった。かさ密度は3.94g/cm3、吸水率は0%であった。焼結密度比は98.6%であった。また、室温での熱伝導率は128.7W/m・Kであった。室温での体積固有抵抗値は2.92×10-4Ω・cmであった。
(実施例12)
上記の製造方法と同様に、ZrB2とSiCとB4Cの成分を変化させて、焼結品を作製した。
その焼結品の焼結密度比が95%以上のサンプルの室温での熱伝導率と体積固有抵抗値と3点曲げ強度とを測定し、焼成品のZrB2の配合率(質量%)順にまとめた。
表1はZrB2配合率(質量%)と室温での熱伝導率(W/m・K)との関係を表したもので、それをグラフ化したものが図6である。
表2はZrB2配合率(質量%)と室温での体積固有抵抗値(Ω・cm)との関係を表したもので、それをグラフ化したものが図7である。
表3はZrB2配合率(質量%)と室温での3点曲げ強度との関係を表したもので、それをグラフ化したものが図8である。
(実施例13)
上記の実施例7の方法で作製した直径25mm、厚さ2.5mmの導電性セラミックス(導電性セラミックスのZrB2配合率は10質量%)の両端に電極が作製された。その電極に、60Hz、10Vの交流電圧が印加された。導電性セラミックスの表面温度を測定したところ、表面温度は数秒で205℃に達した。
同様にして15V、20Vの電圧が印加されたところ、表面温度はそれぞれ348℃、580℃に達した。
また、同様に実施例4の方法で作製した直径25mm、厚さ2.5mmの導電性セラミックス(導電性セラミックスのZrB2配合率は20質量%)にも10V、15Vの電圧が印加されたところ、表面温度はそれぞれ175℃、450℃に達した。
表4はZrB2配合率(質量%)と体積固有抵抗値(Ω・cm)と発熱表面温度(℃)の関係を表したものである。
上記事項から、本実施例の導電性セラミックスには通電による発熱効果があることが、明らかになった。これにより、高温タイプの通電発熱体として使用することができる。
(実施例14)
上記の実施例7の方法で作製した直径25mm、厚さ2.5mmの導電性セラミックス(導電性セラミックスのZrB2配合率は10質量%)が市販の電子レンジの中にアルミナセラミックストレーに乗せて入れられ、出力700W、周波数2.45GHzのマイクロ波に10秒間照射された。照射後の導電性セラミックスの表面温度を測定したところ、表面温度は379℃に達した。
同様にして20秒間照射された後、導電性セラミックスの表面温度を測定したところ、表面温度は531℃に達した。
また、同様に実施例4の方法で作製した直径25mm、厚さ2.5mmの導電性セラミックス(導電性セラミックスのZrB2配合率は20質量%)にも10秒間、20秒間マイクロ波が照射されたところ、表面温度はそれぞれ246℃、348℃に達した。
表5はZrB2配合率(質量%)と体積固有抵抗値(Ω・cm)と発熱表面温度(℃)の関係を表したものである。
上記事項から、本実施例の導電性セラミックスにはマイクロ波による発熱効果があることが、明らかになった。これにより、高温タイプのマイクロ波発熱体として使用することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
本発明は、ZrB2粉末とSiC粉末とを配合した導電性セラミックスの製造方法に特に有利に適用され得る。
1 第1の金属線、2 第2の金属線、3 導電性セラミックス、4,5 白金ペースト、6 耐火物粉、7 接着剤、10 熱電対。

Claims (7)

  1. 第1のZrB2粉末と第1のSiC粉末と第1の焼結助剤と第1の有機バインダーとを混合した混合粉末を圧縮して圧縮体を作製する工程と、
    前記圧縮体を一部液相が生成するように加熱焼結して焼結体を作製する工程と、
    前記焼結体を冷却する工程と、
    前記焼結体を粉砕して原料粉末を作製する工程と、
    前記原料粉末と、第2のZrB2粉末、第2のSiC粉末および第2の焼結助剤の少なくともいずれかと、第2の有機バインダーとを混合して成形体を作製する工程と、
    前記成形体を常圧で焼結する工程とを備えた、導電性セラミックスの製造方法。
  2. 前記原料粉末は、
    前記第1のZrB2粉末を10質量%以上70質量%以下含み、
    前記第1のSiC粉末および前記第1の焼結助剤の混合材料を30質量%以上90質量%以下含む、請求項1に記載の導電性セラミックスの製造方法。
  3. 前記成形体は、前記原料粉末を4質量%以上100質量%未満含む、請求項1または2に記載の導電性セラミックスの製造方法。
  4. 前記第1の焼結助剤は、B4C粉末を含み、
    前記原料粉末は、前記B4C粉末を0.4質量%以上7質量%以下含む、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性セラミックスの製造方法。
  5. ZrB2粉末とSiC粉末と焼結助剤と第1の有機バインダーとを配合した混合粉末を圧縮して圧縮体を作製する工程と、
    前記圧縮体を一部液相化するように加熱焼結して焼結体を作製する工程と、
    前記焼結体を冷却する工程と、
    前記焼結体を粉砕して原料粉末を作製する工程と、
    前記原料粉末と、第2の有機バインダーとを混合して成形体を作製する工程と、
    前記成形体を常圧で焼結する工程とを備えた、導電性セラミックスの製造方法。
  6. 前記成形体は、1900℃以上2200℃以下で焼結される、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性セラミックスの製造方法。
  7. 前記成形体は、射出成形で作製される、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性セラミックスの製造方法。
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