JPH10259354A - 耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物 - Google Patents

耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物

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JPH10259354A
JPH10259354A JP9085631A JP8563197A JPH10259354A JP H10259354 A JPH10259354 A JP H10259354A JP 9085631 A JP9085631 A JP 9085631A JP 8563197 A JP8563197 A JP 8563197A JP H10259354 A JPH10259354 A JP H10259354A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性が高く、経時においてもひび割れが起こ
らず、汚染防止効果がある塗膜を形成できる塗料組成物
を提供する。 【解決手段】特定のTgをもつポリオールと、特定のN
CO含有比を持つポリイソシアネート化合物、特定のポ
リカプロラクトンジオール及び/又はポリカプロラクト
ントリオール、特定構造を持つテトラアルコキシシラン
低縮合物をそれぞれ特定比率で混合した塗料組成物によ
り、耐候性に優れ、経時においてもひび割れが起こらな
い、耐汚染性にすぐれる塗膜を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属、ガラス、磁器
タイル、コンクリート、サイディングボード、押出成形
板、プラスチック等の各種素材の表面仕上げに使用され
る耐久性に優れる非汚染塗料組成物に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来より、建築物、土木構造物等の駆体の
保護、意匠性の付与及び美観性の向上のため各種塗装仕
上げが行われている。
【0003】特に、防水形複層塗材と呼ばれる、主材層
にゴム弾性を有する仕上塗材は、大気中の炭酸ガスによ
るコンクリートの劣化対策や、外壁の漏水防止対策が、
見直されている状況下において、コンクリート外壁のひ
び割れ(以下、「クラック」という。)に対する追従
性、炭酸ガスの透過抑制効果を持つことから注目され、
広く用いられている。
【0004】この防水形複層塗材は、下塗材、主材(ゴ
ム弾性を持つ連続層と模様層)、上塗材から構成される
が、上塗材は主材層に追従する弾性塗料が塗装されてい
る。
【0005】また、サイディングボード、押出成形板に
代表される、乾式建材による乾式工法が、従来の左官に
よる湿式工法に代わり、住宅関係等で大幅に増加してい
るが、ボードとボードとの付き合わせ部(目地部)は、
シーリング材で接合され、このシーリング材を含めた外
壁全体に塗装仕上げを行う場合、建材の膨張収縮や目地
部、即ち、シーリング材打設部のムーブメントに追従す
る弾性塗料が用いられる。
【0006】さらに、金属等の膨張収縮が比較的大きい
素材や、構造上ムーブメントが予想される下地に対して
も、弾性塗料がよく用いられる。
【0007】ところが、弾性塗料による塗膜は、一般に
硬質タイプの塗膜に比べ、表面汚染に劣るという欠陥が
ある。
【0008】一方、近年、塗膜の耐汚染性が注目されて
おり、汚染防止対策としては、特願平6−506632
(国際公開WO94/06870公報)のように、塗料
中にオルガノシリケートを混合するのが一般的となって
いる。これは、特定のオルガノシリケートを配合するこ
とにより、塗膜表面を親水性にし、油性の汚染物質を付
着しにくくし、付着した場合でも降雨等の水滴とともに
洗い流してしまうという技術である。
【0009】溶剤系のポリウレタン樹脂塗料を例に挙げ
てみると、オルガノシリケート(一般的には、アルキル
シリケート類を使用する)を溶剤系のポリウレタン樹脂
塗料に加えると、耐汚染性は向上するものの形成された
塗膜が固くなる傾向にあり、これらの塗料を防水形複層
塗材の上塗りや、シーリング材等のムーブメントのある
下地に施工した場合、経時においてはひび割れ等をひき
おこし、耐久性が悪くなるという問題点を有している。
これは、弾性タイプの溶剤系ポリウレタン樹脂塗料で
も、同様の傾向が見られる。
【0010】したがって本発明では、 耐候性の高い塗膜を形成でき、 経時においてもひび割れが起こらない塗膜を形成で
き、 汚染防止効果がある塗膜を形成できる といった三点を満足するような塗料組成物を提供するこ
とを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定のTgをもつポリオールと特定のN
CO含有比を持つポリイソシアネート化合物、特定のポ
リカプロラクトンジオール及び/又はポリカプロラクト
ントリオール、特定構造を持つテトラアルコキシシラン
低縮合物をそれぞれ特定比率で混合した塗料組成物によ
り、耐候性に優れ、経時においてもひび割れが起こらな
い、耐汚染性にすぐれる塗膜を提供できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は下記の非汚染塗料組成物に
係るものである。 1.(A)重量平均分子量が5000〜80000、水
酸基価が20〜150KOHmg/g、ガラス転移温度
(以下、「Tg」という。)が15〜100℃であるポ
リオール化合物の固形分100重量部に対して、(B)
固形分100%のときのNCO含有比が3〜15%であ
るポリイソシアネート化合物をNCO/OH比率が0.
6〜1.4となるように添加し、(C)重量平均分子量
が300〜3000、水酸基価が30〜550KOHm
g/gのポリカプロラクトンジオール及び/又はポリカ
プロラクトントリオールを固形分で1〜20重量部、
(D)テトラアルコキシシランの平均縮合度が4〜20
の縮合物であり、該縮合物中のアルキル基が炭素数1〜
2と炭素数3〜10のものが混在しているものとし、そ
の混在比率が炭素数3〜10のアルキル基が該縮合物中
の全アルキル基の5〜50%である化合物をSiO2
算で1.0〜40重量部含有することを特徴とする耐久
性に優れる弾性非汚染塗料組成物。 2.さらに、(E)繰り返し単位の数が2〜40のポリ
アルキレンオキサイド鎖を含有する、重量平均分子量1
50〜3500のアルコキシシラン化合物、(A)ポリ
オールの樹脂固形分100重量部に対して、固形分で
0.1〜20重量部含有することを特徴とする1.に記
載の耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。 (A)ポリオール 本発明におけるポリオールは、ポリウレタン技術分野、
特にポリウレタン樹脂塗料の技術分野において一般的に
使用されるポリオールのうち、重量平均分子量が500
0〜80000、水酸基価が20〜150KOHmg/
g、Tgが15〜100℃であるものを使用する。(以
下、「(A)成分」という。)
【0014】このようなポリオールとしては、ポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポ
リオール等がある。以下に各ポリオールを例示する。
【0015】ポリエーテルポリオール ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビト
ール、シュークロース等の多価アルコールの1種又は2
種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は
2種以上を付加して得られるポリオール類、および、前
記多価アルコールにテトラヒドロフランを開環重合によ
り付加して得られるポリオキシテトラメチレンポリオー
ル類が例示できる。
【0016】ポリエステルポリオール ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールあるいはその他の低分子量多価アルコール
の1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スペリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の
低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上
との縮合重合体、プロピオラクトン、カプロラクトン、
バレロラクトン等の開環エステル類の開環重合体等のポ
リオール類が例示できる。
【0017】アクリルポリオール また、アクリル共重合体において、アクリル酸β−ヒド
ロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸β−ヒド
ロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アク
リル酸β−ヒドロキシペンチル等のアクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル又はメタクリル酸の同様なヒドロ
キシアルキルエステル、さらにグリセリン、トリメチロ
ールプロパン等の多価アルコールのアクリル酸モノエス
テル又はこれらと同様なメタクリル酸モノエステル、N
−メチロールアクリルアミド又はN−メチロールメタク
リルアミド等の水酸基を有するモノエチレン性不飽和モ
ノマーを共重合モノマー等の1分子中に2以上の水酸基
を有するアクリルポリオールが使用できる。
【0018】その他のポリオール その他、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオ
ール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリ
オール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、アク
リロニトリルやスチレン等の重合体をビニル付加ないし
分散せしめたポリマーポリオール、ウレア分散ポリオー
ル、カーボネートポリオール等が本発明のポリオールと
して使用することが可能である。
【0019】特に、耐候性に優れるアクリルポリオール
を使用することは、塗膜の耐久性から見て望ましい。
【0020】本発明に使用するポリオールは、重量平均
分子量が5000〜80000(好ましくは、2000
0〜60000)、水酸基価が20〜150KOHmg
/g(好ましくは、30〜100KOHmg/g)、T
gが15〜100℃であるものを使用する。
【0021】重量平均分子量が5000より小さくなる
と、塗膜の硬化性、耐久性が十分でなくなり、逆に80
000より大きくなると塗膜の仕上がり性が十分でない
ので好ましくない。
【0022】また、水酸基価が20KOHmg/g未満
の場合は、耐久性、汚染性に劣るので好ましくなく、1
50KOHmg/gを越える場合は耐久性が十分でない
ので好ましくない。
【0023】Tgが15℃より低い場合は、汚染物質の
物理的付着が生じ、耐汚染性が劣り、耐候性も悪くな
る。逆に、100℃より高い場合は、塗膜が固くなるの
で下地のクラック追従性がなくなるため、結果として防
水性に劣るものとなり好ましくない。
【0024】(B)ポリイソシアネート化合物 本発明で使用するポリイソシアネート化合物(以下、
「B成分」という。)は、固形分100%のときのNC
O含有比が3〜15%であるものを使用する。このよう
なポリイソシアネート化合物としては、トルエンジイソ
シアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMD
I、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等
のイソシアネートモノマーをアルファネート化、ビウレ
ット化、2量化(ウレチジオン化)、3量化(イソシア
ヌレート化)、アダクト化、カルボジイミド化反応等に
より、誘導体化したもの、および、それらの混合物が使
用可能である。特に、形成される塗膜の黄変を考慮する
と、脂肪族系もしくは脂環族系のポリイソシアネート、
又はこれらの混合物を使用することが望ましい。
【0025】このようなポリイソシアネート化合物のう
ち、固形分100%のときのNCO含有比が3〜15%
(好ましくは、8〜12%)のものを使用する。NCO
含有比が3%未満のときは、ポリイソシアネート化合物
を大量配合しなければならず、結果として塗膜の耐久性
が悪くなるので好ましくない。逆に、NCO含有比が1
5%より大きい場合は、塗膜が固くなりすぎるため、当
初の目的である弾性タイプの塗膜にはならず、防水性能
が得られないので好ましくない。
【0026】このようなNCO含有比のものを、(A)
成分のポリオールと(B)成分のイソシアネート中のN
CO/OH比率で0.6〜1.4(好ましくは0.8〜
1.2)となるように配合することにより、弾性タイプ
の塗膜とすることができる。
【0027】(C)カプロラクトン化合物 本発明では、ポリカプロラクトンジオール及び/又はポ
リカプロラクトントリオール(以下、「C成分」とい
う。)を使用する。
【0028】本発明で使用する(C)成分は、重量平均
分子量300〜3000、水酸基価が30〜550KO
Hmg/gのものを使用する。重量平均分子量が300
未満の場合は、塗膜の柔軟性に欠け好ましくない。逆
に、3000より大きくなると、仕上がり感や作業性に
問題がでてくるので好ましくない。
【0029】このような(C)成分は、(A)成分の固
形分100重量部に対して、固形分で1〜20重量部
(好ましくは2〜15重量部)混合して使用する。
【0030】(C)成分が1重量部より少ないと、塗膜
の柔軟性に欠け好ましくなく、20重量部以上のばあい
は、塗膜の耐候性が低下する。
【0031】(D)テトラアルコキシシラン低縮合物 本発明では、耐汚染性を向上するために、特定構造のテ
トラアルコキシシラン低縮合物(以下、「(D)成分」
という。)を配合する。この(D)成分は、テトラアル
コキシシランの縮合度4〜20の縮合物であり、該縮合
物中のアルキル基が炭素数1〜2と炭素数3〜10のも
のが混在しているものとし、その混在比率が炭素数3〜
10のアルキル基が該縮合物中の全アルキル基の5〜5
0%の化合物である。
【0032】(D)成分は、テトラアルコキシシランの
低縮合物であるが、高縮合度(縮合度が20より大きい
もの)、高分子量のものは、製造が難しく、粘度上昇等
により取り扱いが不便であるため好ましくない。逆に、
縮合度が3以下で、低分子量のものは、揮発性が高くな
りやはり取り扱いが不便であるため好ましくない。
【0033】また、(D)成分中のアルキル基が、炭素
数1〜2と炭素数3〜10のものが混在していることに
より、表面配向性に優れ、塗膜物性の優れた非汚染塗膜
が形成できる。アルキル基の部分が炭素数が1〜2のア
ルキル基のみの場合、表面配向性が十分でないので好ま
しくない。また、炭素数が3〜10のアルキル基のみの
場合は、非汚染効果が著しく悪くなり好ましくない。炭
素数11以上のアルキル基が存在する場合も、耐汚染性
がなくなるので好ましくない。また、アルキル基の炭素
数が大きくなればなるほど、耐汚染性の原因となる加水
分解反応が起こりにくくなる傾向にあるので、炭素数が
大きいアルキル基ばかりが存在することは好ましくな
い。
【0034】(D)成分は、該低縮合物の全体のアルキ
ル基のうち、約5〜50%が炭素数3〜10のアルキル
基となるようにしたもので、重量平均分子量250〜3
500である縮合物が、塗膜の耐汚染性に優れるため好
ましいものとなる。
【0035】本発明の(D)成分は以下のような方法に
より製造することが可能であるが、これに限定されるも
のではない。 (a)炭素数1〜2のアルキル基を有し、平均縮合度が
4〜20であるテトラアルコキシシランの縮合物(以
下、「(a)成分」という。)を、 (b)炭素数3〜10のアルキル基を有するアルコール
(以下、「(b)成分」という)を用いて、(a)成分
のアルキル基部分の約5〜50%をエステル交換する。
【0036】(a)成分としては、具体的にはテトラメ
チルシリケート、テトラエチルシリケートの低縮合物が
あげられる。縮合度は4〜20が好ましく、縮合度が大
きくても小さくても、取り扱いが不便になるので好まし
くない。(b)成分としては、具体的にはn−プロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコ
ール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコー
ル、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、
n−デシルアルコールが例示できる。
【0037】(a)成分を(b)成分によりエステル交
換する際には、(a)成分の全てのアルキル基(炭素数
1〜2)を(b)成分のアルキル基(炭素数3〜10)
にエステル交換してしまうのではなく、(a)成分のア
ルキル基(炭素数1〜2)のうち全体の約5〜50%を
(b)成分のアルキル基(炭素数3〜10)にエステル
交換したものを使用する。その交換比率は、(a)成分
1モルに対して、(b)成分を1〜12モル用いて、エ
ステル交換させるとよい。この交換比率は、(a)成分
の縮合度によって適宜調整するが(a)成分のアルキル
基のうち全体の約5〜50%をエステル交換することに
より、塗膜の耐汚染性が優れたものとすることができ
る。このエステル交換率が低くなると、表面配向性が十
分でなくなる。また、エステル交換率が高くなると、加
水分解反応を起こしにくくなり、塗膜が親水性になりに
くく、耐汚染性が悪くなる傾向にある。
【0038】このようにして製造した(D)成分は、
(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、SiO
2 換算で1.0〜40重量部、好適には2.0〜30重
量部配合することができる。
【0039】ここでSiO2 換算とは、アルコキシシラ
ンやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完
全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ
(SiO2 )となって残る重量分にて表したものであ
る。一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反
応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらに
シラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反
応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行う
と、シリカ(SiO2 )となる。これらの反応は
【化1】 という反応式で表されるが、この反応式をもとに残るシ
リカ成分の量を換算したものである。実際の計算は、 [SiO2 換算値]=[X]×[各アルコキシシラン縮
合物のシリカ残量比率] [X]:アルコキシシラン縮合物添加量 の式により行った。
【0040】(E)アルキレンオキサイド鎖含有アルコ
キシシラン化合物 本発明の弾性非汚染塗料組成物にさらにアルキレンオキ
サイド鎖を含有するアルコキシシラン化合物(以下、
「(E)成分」という。)を加えることにより、ごく初
期段階における耐汚染性を向上することが可能となる。
(E)成分は、アルキレンオキサイド基の繰り返し単位
と、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基を有する
化合物である。かかる(E)成分のアルキレンオキサイ
ド基繰り返し単位は、そのアルキレン部分の炭素数は2
〜4であり、繰り返し数は2〜40、好ましくは2〜2
0である。
【0041】(E)成分は、その両末端がアルコキシシ
リル基であってもよく、一端がアルコキシシリル基であ
って他端がその他の官能基であってもよい。このような
片末端に有することのできる官能基としては、例えば、
ビニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、イ
ソシアネート基、メルカプト基などが挙げられる。ま
た、該官能基は、アルコキシシリル基との間にウレタン
結合、尿素結合、シロキサン結合、アミド結合等を介し
て結合されたものであっても良い。このような(E)成
分は、例えば、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物
と、アルコキシシリル基含有化合物(以下カップリング
剤という。)を反応させて合成したものが使用できる。
【0042】前記ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合
物は、分子量が150〜3500が好ましく、200〜
1500がさらに好ましい。分子量が100未満の場
合、最終的に得られる硬化塗膜の親水性に劣り、降雨に
よる汚染物質の洗浄効果が得られず、分子量が3500
を越える場合、塗膜の耐水性や硬度が低下する。このよ
うなポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物としては、
ポリエチレングリコール、ポリエチレン−プロピレング
リコール、ポリエチレン−テトラメチレングリコール、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシ
エチレンジグリコール酸、ポリエチレングリコールビニ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチ
レングリコールジアリルエーテルなどが挙げられる。ま
た、該ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物は、1種
もしくは2種以上の組み合わせから選択することができ
る。
【0043】一方、カップリング剤は、例えば、一分子
中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基とその
ほかの置換基を有する化合物である。カップリング剤と
しては具体的には、例えば、β−(3、4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネー
ト官能性シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シランなどが挙げられる。
【0044】(E)成分の合成は、特に限定されない
が、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物とカップリ
ング剤とを別々に用意し、例えば重合性二重結合を有す
る各化合物についてはラジカル重合開始剤を用いて共重
合させる他、アミノ基/エポキシ基、イソシアネート基
/水酸基またはイソシアネート基/アミノ基等の付加反
応など公知の方法によって合成することができる。ま
た、第1級、または第2級アミノ基等の活性水素基を有
するアルコキシシリル化合物にエチレンオキサイドを開
環付加せしめる方法によっても合成可能である。
【0045】ラジカル重合開始剤を用いて共重合させる
場合は、重合性二重結合を有するポリアルキレンオキサ
イド鎖含有化合物の少なくとも1種以上と、カップリン
グ剤の少なくとも1種以上を非反応性の適当な溶媒中で
反応させて得る事ができる。この際、使用されるラジカ
ル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサ
イド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジ
(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3,1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t
−ブチルパーベンゾエートなどのパーエステル化合物、
アゾビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾブチレ
ートなどのアゾ化合物、および有機過酸化物などが挙げ
られる。
【0046】重合性二重結合を有するポリアルキレンオ
キサイド鎖含有化合物としては、例えば、ポリエチレン
グリコールビニルエーテルを用いることができ、カップ
リング剤には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランなどを単独もしくは2種以上の組み合わせで使
用できる。
【0047】イソシアネート/ポリオールの付加反応に
より合成する場合、例えばポリアルキレンオキサイド鎖
含有化合物には、ポリエチレングリコールなどの末端に
ヒドロキシル基を有する化合物と、カップリング剤には
イソシアネート含有カップリング剤などのイソシアネー
ト基を有する化合物を混合し合成させる。この合成方法
においては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマ
レートまたはジオクチル錫ジマレートなどの反応触媒を
使用することも可能である。
【0048】上述の反応によって合成される(E)成分
としては、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物の両
末端にカップリング剤を付加したものが得られるが、こ
れらは、それぞれ単独で使用してもよく、また、混合物
として使用してもよい。
【0049】これら(E)成分の内で、アルキレンオキ
サイド鎖がエチレンオキサイド鎖であるものが、ごく初
期段階の耐汚染性が高いため最も好ましい。
【0050】(E)成分の配合割合は、(A)成分の樹
脂固形分100重量部に対し、固形分で0.1〜20重
量部、好ましくは0.2〜10重量部である。0.1重
量部未満では効果は見られず、逆に20重量部を越える
と、樹脂との相溶性、硬化物の耐水性などが劣る結果と
なる。
【0051】<配合比率について>本発明の非汚染塗料
組成物は、(A)成分の固形分100重量部に対して、
(B)成分をNCO/OH比率0.6〜1.4(好まし
くは0.8〜1.2)となるように配合し、さらに
(C)成分を固形分で1〜20重量部、(D)成分を
1.0〜40重量部(好ましくは2.0〜30重量部)
配合することにより耐候性に優れた弾性非汚染塗料組成
物とすることができる。
【0052】(B)成分が多くても少なくても、各種塗
膜物性が極端に悪くなるので好ましくなない。(C)成
分が少なくなると、経時において塗膜にひび割れが発生
するので耐久性が劣ることになり好ましくない。逆に
(C)成分が多くなると、塗膜の耐候性が悪くなるので
好ましくない。(D)成分が少なくなると、塗膜の親水
性が十分でないため耐汚染性に劣り、(D)成分が多く
なると、硬化塗膜の外観が悪化したり、経時において塗
膜表面にひび割れが発生するといった問題が出てくるた
め好ましくない。つまり、優れた耐汚染性とともに、優
れた耐久性をもつ塗膜を形成するためには、本発明のよ
うな配合にしなければならないのである。これら4成分
が、バランス良く配合されることにより、耐久性に優れ
た弾性非汚染塗膜が形成できるのである。さらに、
(E)成分を加えることにより、ごく初期段階の耐汚染
性を向上させることができる。
【0053】<その他>本発明の非汚染塗料組成物では
(A)、(B)成分、及び(C)、(D)成分(又は更
に(E)成分を加えたもの)による透明(クリヤー)塗
膜の他、着色顔料を配合して、着色(エナメル)塗膜と
してもよい、このような着色顔料としては、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガ
ラ)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄
色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機
系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アント
ラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ
系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタ
ロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料が使用でき
る。
【0054】また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオ
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも
可能である。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、塗
膜表面における非汚染効果を損なうことの最も少ないホ
ワイトカーボン、珪藻土を使用することが最適である。
なお、これらの無機物質を塗料に添加する際に、粉体表
面をカップリング剤で処理したり、塗料にカップリング
剤を添加することは好ましい手段である。
【0055】本発明の弾性非汚染塗料組成物には、通常
塗料に配合することが可能な各種添加剤を本発明の効果
に影響しない程度に配合することが可能である。このよ
うな添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻
剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、
たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤等があげられる。
【0056】その他、アミン化合物を添加することによ
り、密着性を向上させることが可能になる。アミン化合
物としては、水溶性アミン類が好適であり、具体的には
エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジアミルアミン、エタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘ
キシルアミン、アニリン、ピリジン、モルホリン、N−
メチルモルホリン、カプロラクタム、ヘキサメチレンジ
アミン、エチルフェニルエタノールアミン、エチレンジ
アミン、トリエチレンジアミン等の有機アミン類、アミ
ノメチルトリエトキシシラン、アミノメチルジエトキシ
シラン、n−トリメトキシシリルプロピル−エチレンジ
アミン、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロプルメチルジエトキシシラン等のアミノシラン
類が例示される。特に窒素原子に3個の炭素が結合した
第3級アミン化合物が最も好適に使用することができ
る。(A)成分の固形分100重量部に対して、0.0
2〜5.0重量部が好適である。0.02重量部おり少
なくなると効果が得られず、5.0重量部より過剰に添
加した場合は、塗膜の耐候性が低下し、実用性に欠ける
ものになる。
【0057】<適用面・塗装方法>本発明の弾性非汚染
塗料組成物は、金属、ガラス、磁器タイル、コンクリー
ト、サイディングボード、押出成形板、プラスチック等
の各種素材の表面仕上げに使用することができ、主に建
築物、土木構築物等の躯体の保護に使用するものであ
る。このとき、本発明の非汚染塗料組成物は最終の仕上
面に施されているものであり、基材に直接塗装すること
もできるし、JIS A 6909(1995)で規定
される防水形複層塗材の上塗材として使用することも可
能である。また、何らかの表面処理(下地処理等)を施
した上に塗装することも可能であるが特に限定されるも
のではない。
【0058】また、本発明の非汚染塗料組成物は、ハケ
塗り、スプレー塗装、ローラー塗装ロールコーター、フ
ローコーター等種々の方法により塗装することができ
る。
【0059】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特
徴をより明確にする。まず、アルコキシシラン縮合物を
合成した。合成方法は以下の通り。 (合成例1)アルコキシシラン縮合物1〜3合成例 表1に示されるような配合に従って、各種シリケート類
100重量部に対して、アルコールをそれぞれ混合し、
触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を
添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行
い、アルコキシシラン縮合物1〜3を合成した。作製し
たアルコキシシラン縮合物のエステル交換率と、900
℃にて焼成して得られたシリカ残量比率をそれぞれ表1
に示した。
【0060】次に、ポリアルキレンオキサイド鎖含有ア
ルコキシシラン化合物を合成した。合成方法は以下の通
り。 (合成例2)ポリアルキレンオキサイド鎖含有アルコキ
シシラン化合物1合成例加熱装置、攪拌器、還流装置、
脱水装置、温度計を備えた反応槽に、ポリエチレングリ
コール200(平均分子量200;和光純薬株式会社)
20重量部と、イソシアネート含有シランであるY−9
030(日本ユニカー株式会社製)54.3重量部を、
ジブチルスズジラウレート0.05重量部とを仕込み、
50℃にて8時間反応させ、淡黄色のポリエチレンオキ
サイド鎖含有アルコキシシラン化合物を得た。このポリ
エチレンオキサイド鎖含有アルコキシシラン化合物の重
量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下G
PCという)のポリスチレン換算により測定した結果8
00であった。
【0061】(実施例1)表2のような原料を使用し
て、表3の配合に従い、弾性塗料組成物を作製した。す
なわち、ポリオール1が200重量部(固形分で100
重量部)に対して、ルチル型酸化チタン80重量部を混
合後、良く撹拌する。さらにカプロラクトンジオール3
重量部とアルコキシシラン化合物1を10.7重量部
(SiO2換算で5重量部)添加し、イソシアネート1
を66.7重量部(NCO/OH比率で1.0となるよ
うに配合)加えて更に撹拌して弾性塗料組成物とした。
作製した弾性塗料組成物について、以下のような評価を
行った。
【0062】1.耐候性試験 作製した弾性塗料組成物を、75×75×0.8mmの
アルミニウム板にウエット状態で125μmとなるよう
にアプリケータにて塗付し、試験板とした。作製した試
験板を、気温20℃、湿度65%(以下、「標準状態」
という。)にて7日間養生乾燥したのち、岩崎電気株式
会社製「スーパーUVテスター(SUV−W13)」に
て耐候性試験を行った。試験は、60℃・湿度65%雰
囲気中で6時間紫外線照射後、30℃・90%以上の雰
囲気中に2時間設置するのを1サイクルとして、30サ
イクル後の光沢保持率を測定した。(光沢保持率(G
R)は、JIS K 5400 7.6「鏡面光沢度」によって試験前
の60゜鏡面光沢度(G0)及び試験後の60゜鏡面光
沢度(G1)を測定し次の式によって求めた。GR
(%)=100×G1/G0 結果は表5に示す。
【0063】2.温冷繰り返し試験 150mm×75mm×6mmのスレート板を試験体用
基材とし(それぞれの基材の裏面及び側面(計5面)を
無溶剤エポキシ樹脂にてシール)、基材上に素地調整と
してEXシーラー(エスケー化研株式会社製:塩化ゴム
系溶剤形下塗材)を所要量0.2kg/m2 となるよう
にスプレー塗装し、標準状態で4時間乾燥させた。次
に、レナエクセレント(エスケー化研株式会社製アクリ
ルゴム系防水形複層塗材E)を所要量2.0Kg/m2
となるように2回に分けてスプレー塗装し、標準状態で
24時間乾燥させた。さらに、作製した弾性塗料組成物
を乾燥膜厚が50μmとなるように2回に分けてスプレ
ー塗装し、試験体とした。作製した試験体を標準状態で
7日間養生し、JIS A6909(1995) 6.11 温冷繰り返し試
験に準じ、試験を行った。ただし、24時間の1サイク
ルを10サイクル行ったのち、塗膜の外観を評価し、更
に10サイクルごとに30サイクルまで評価を行った
(計3回評価)。結果は表5に示す。
【0064】3.雨筋汚染性評価 300mm×150mm×3.0mmのアルミニウム板
を上方から3分の1の長さのところで内角度が135度
になるようにおりまげたもの(以下、「曝露用板」とい
う。)の表面に、SK#1000プライマー(エスケー
化研株式会社製:エポキシ樹脂系プライマー)を、乾燥
膜厚が約30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状
態で8時間乾燥させた。(暴露用板は凸面を表面とす
る) 次に、作製した弾性塗料組成物を、暴露用板に乾燥膜厚
が約40μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で
7日間乾燥し、試験体とした。作製した試験体を、大阪
府茨木市で南面を向き、面積が広い面を垂直にし、さら
に面積の狭い面が上部になるように設置して、屋外暴露
を実施し、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後の雨
筋汚れの有無を目視にて評価した。評価は以下の通り。
結果は表5に示す。 ◎:垂直面に雨筋汚れなし ○:垂直面にわずかに雨筋汚れが △:垂直面に雨筋汚れが見られる ×:垂直面に著しい雨筋汚れが見られる
【0065】(実施例2〜実施例12)表2のような原
料を使用して、表3に示す配合により、実施例1に従っ
て弾性塗料組成物を作製し、耐候性試験、温冷繰り返し
試験、雨筋汚染性試験を行った。結果は表5に示す。
【0066】(比較例1〜比較例9)表2のような原料
を使用して、表4に示す配合により、実施例1に従って
弾性塗料組成物を作製し、耐候性試験、温冷繰り返し試
験、雨筋汚染性試験を行った。結果は表6に示す。
【0067】<実施例・比較例評価>実施例1〜実施例
12は、良好な耐候性、耐温冷繰り返し性を示してお
り、高い耐久性を持つことが明らかとなっている。更
に、ポリアルキレンオキサイド鎖含有のアルコキシシラ
ン化合物を含む実施例3および実施例4は、雨筋汚染性
試験において、ごく初期段階から良好な結果を示してい
る。
【0068】Tgが低い樹脂を使用した比較例1は、耐
候性が悪く、もちろん汚染性も悪い結果となっている。
通常の弾性ウレタン樹脂塗料と同様の配合である比較例
2は、耐久性には問題ないものの、汚染性が悪い結果と
なっている。通常の弾性ウレタン樹脂塗料にカプロラク
トンジオールを添加した比較例3は、比較例2よりも耐
候性が悪くなる傾向にあり、温冷繰り返し試験でふくれ
が発生しており耐久性に問題があることがわかった。通
常の弾性ウレタン樹脂塗料にメチルシリケートを配合し
た比較例4は、汚染性は若干良いものの、温冷繰り返し
試験でクラックが発生しており、さらに雨筋汚染性試験
の暴露試験でも経時においてクラックが発生しており、
耐久性に問題があることがわかった。通常の弾性ウレタ
ン樹脂塗料に本願発明の(D)成分を添加したのみの比
較例5は、比較例4と同様に耐久性に問題があることが
わかった。
【0069】(C)成分を多量に添加したものは、耐候
性が悪く、耐汚染性もあまり良くない結果となってい
る。(D)成分を多量に配合した比較例7は、耐候性、
汚染性は良い結果となっているが、温冷繰り返し試験で
クラックが発生しており、さらに雨筋汚染性試験の暴露
試験でも経時においてクラックが発生しており、耐久性
に問題があることがわかった。アルキル基の炭素数が1
2のものをもっているアルコキシシラン化合物3を添加
した比較例8は、耐汚染性が悪い結果となっている。T
gが低いポリオールを使用していて、本願発明の
(C)、(D)成分を配合している比較例9は、比較例
1と同じく耐候性が悪い結果となった。
【0070】したがって、本願発明の(A)、(B)、
(C)、(D)成分をバランス良く配合することにより
はじめて、耐久性に優れ、耐汚染性に優れる弾性非汚染
塗膜を形成しうる、塗料組成物を得ることが可能になる
ことがわかった。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、建築物の寿命を延ばす
ことが出来るような、防水機能を持った弾性塗料におい
て、耐汚染性を有しながら、耐候性が高く、経時におい
てもひび割れが起こらない塗膜を形成できる塗料組成物
を得ることができるものである。さらに、アルキレンオ
キサイド鎖含有のアルコキシシラン化合物を添加するこ
とにより、特にごく初期段階の耐汚染性を向上させるこ
とが可能となる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 久志 大阪府茨木市清水1丁目25番10号 エスケ ー化研株式会社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)重量平均分子量が5000〜800
    00、水酸基価が20〜150KOHmg/g、ガラス
    転移温度(以下、「Tg」という。)が15〜100℃
    であるポリオール化合物の固形分100重量部に対し
    て、(B)固形分100%のときのNCO含有比が3〜
    15%であるポリイソシアネート化合物をNCO/OH
    比率が0.6〜1.4となるように添加し、(C)重量
    平均分子量が300〜3000、水酸基価が30〜55
    0KOHmg/gのポリカプロラクトンジオール及び/
    又はポリカプロラクトントリオールを固形分で1〜20
    重量部、(D)テトラアルコキシシランの平均縮合度が
    4〜20の縮合物であり、該縮合物中のアルキル基が炭
    素数1〜2と炭素数3〜10のものが混在しているもの
    とし、その混在比率が炭素数3〜10のアルキル基が該
    縮合物中の全アルキル基の5〜50%である化合物をS
    iO2 換算で1.0〜40重量部含有することを特徴と
    する耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成物。
  2. 【請求項2】さらに、(E)繰り返し単位の数が2〜4
    0のポリアルキレンオキサイド鎖を含有する、重量平均
    分子量150〜3500のアルコキシシラン化合物を、
    (A)ポリオールの樹脂固形分100重量部に対して、
    固形分で0.1〜20重量部含有することを特徴とする
    請求項1に記載の耐久性に優れる弾性非汚染塗料組成
    物。
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